JP2012087218A - 感温性粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温に曝した場合であっても、剥離が容易な感温性粘着剤を提供することである。
【解決手段】側鎖結晶性ポリマーを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーが、紫外線硬化性官能基を有する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーである。前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させて得られる。前記紫外線硬化性官能基が、(メタ)アクリロイルオキシ基であるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、所定温度で粘着力が低下する感温性粘着剤に関する。
感温性粘着剤は、粘着力を熱により可逆的に制御できる粘着剤である(例えば、特許文献1参照)。より具体的には、感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度にまで冷却処理をすると、前記側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の感温性粘着剤には、被着体を貼着固定した状態で高温(例えば100℃以上)に曝すと、所定温度に冷却しても粘着力が低下し難くなり、剥離し難くなるという問題があった。
特開平9−251923号公報
本発明の課題は、高温に曝した場合であっても、剥離が容易な感温性粘着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)側鎖結晶性ポリマーを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーが、紫外線硬化性官能基を有する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーであることを特徴とする感温性粘着剤。
(2)前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させて得られる前記(1)記載の感温性粘着剤。
(3)前記紫外線硬化性官能基が、(メタ)アクリロイルオキシ基である前記(1)または(2)記載の感温性粘着剤。
(4)前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)貼着した被着体を、100℃以上の温度に曝した後、前記融点未満の温度で取り外す前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる感温性粘着シート。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
なお、本発明における前記「シート」は、シート状のみに限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない限りにおいて、シート状ないしフィルム状をも含む概念である。
本発明によれば、側鎖結晶性ポリマーが紫外線硬化性官能基を有するので、紫外線を照射すると硬化して粘着力が低下する。したがって、被着体から剥離する際には、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによる粘着力の低下に加えて、紫外線硬化に起因する粘着力の低下も加わるので、高温に曝した場合であっても、粘着力を十分に低下させることができ、剥離を容易に行うことができる。また、側鎖結晶性ポリマーの相変化を利用するものであるため、繰り返し使用することができる。
本発明にかかる粘着剤は、感温性粘着剤である。該感温性粘着剤とは、温度変化に対応して粘着力が変化する粘着剤を意味する。以下、本発明にかかる感温性粘着剤の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを含有する。該側鎖結晶性ポリマーは、融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で相転移して流動性を示す。すなわち、前記側鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす。
本実施形態にかかる感温性粘着剤は、前記融点以上の温度で側鎖結晶性ポリマーが流動性を示した際に粘着力が発現する割合で、側鎖結晶性ポリマーを含有する。これにより、被着体を貼着固定する際には、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱すれば、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が発現する。また、被着体から剥離する際には、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却すれば、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。
ここで、本実施形態にかかる側鎖結晶性ポリマーは、紫外線硬化性官能基を有している。該紫外線硬化性官能基とは、紫外線照射により硬化する官能基を意味する。したがって、本実施形態にかかる感温性粘着剤を被着体から剥離する際には、上述した側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによる粘着力の低下に加えて、紫外線硬化に起因する粘着力の低下も加わるので、例えば100℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは180〜220℃の高温に曝した場合であっても、粘着力を十分に低下させて剥離を容易に行うことができる。
紫外線硬化性官能基を有する側鎖結晶性ポリマー、すなわち紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させて得られる。具体的に説明すると、前記側鎖結晶性ポリマーは、例えば炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートと、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、を重合させて得られる共重合体等からなる。
前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、前記炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
前記ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、後述する紫外線硬化性官能基を有する化合物と反応するものであり、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
側鎖結晶性ポリマーの重合割合としては、例えば前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを20〜99重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを0〜70重量部、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを1〜20重量部とするのが好ましい。
重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用可能である。例えば溶液重合法を採用する場合には、前記で例示したモノマーを溶剤に混合し、40〜90℃程度で2〜10時間程度攪拌することによって前記モノマーを重合させることができる。
側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は100,000以上が好ましく、400,000〜800,000がより好ましい。前記重量平均分子量があまり小さいと、感温性粘着剤を被着体から剥離する際には、該粘着剤が被着体上に残る、いわゆる糊残りが多くなるおそれがある。また、前記重量平均分子量があまり大きいと、紫外線硬化性官能基を有する化合物との反応性が低下するおそれがある。前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
また、側鎖結晶性ポリマーの前記融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態となる温度を意味し、示差熱走査熱量計(DSC)により10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。前記融点としては0℃以上が好ましく、10〜60℃がより好ましい。前記融点を所定の値とするには、側鎖結晶性ポリマーの組成等を変えることによって任意に行うことができる。
一方、前記紫外線硬化性官能基を有する化合物において、該紫外線硬化性官能基としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
紫外線硬化性官能基を有する化合物としては、前記側鎖結晶性ポリマーのヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートと反応する上で、イソシアナート化合物が好適である。該イソシアナート化合物としては、例えば下記式(I)で表される2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート、下記式(II)で表される2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、下記式(III)で表される1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアナート等が好ましく、特に下記式(II)で表される2−アクリロイルオキシエチルイソシアナートが好ましい。
Figure 2012087218
前記式(I)〜(III)で表されるイソシアナート化合物以外の他のイソシアナート化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアナート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナート、1−(4−ビニルフェニル)−1−メチルエチルイソシアナート等が挙げられる。例示したこれらのイソシアナート化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物との反応は、側鎖結晶性ポリマーと前記化合物とを所定の割合で混合した後、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、40〜80℃程度で1〜6時間程度攪拌して行うのが好ましい。
側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物との混合割合としては、例えば側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、紫外線硬化性官能基を有する化合物を1〜180重量部の割合とするのが好ましく、10〜50重量部の割合とするのがより好ましい。側鎖結晶性ポリマーの割合があまり少ないか、前記化合物の割合があまり多いと、感温性粘着剤を所定温度に冷却しても粘着力が低下し難くなる。また、側鎖結晶性ポリマーの割合があまり多いか、前記化合物の割合があまり少ないと、紫外線照射しても硬化し難くなる。
前記紫外線硬化性官能基の硬化には、光重合開始剤を用いる。該光重合開始剤としては、紫外線硬化性官能基の組成に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。また、前記光重合開始剤は、市販品を用いることができる。市販の光重合開始剤としては、例えばいずれもチバ・ジャパン社製の「IRGACURE 184」、「IRGACURE 500」等が挙げられる。
得られる紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量としては、100,000以上が好ましく、400,000〜800,000がより好ましい。前記重量平均分子量があまり小さいと、感温性粘着剤を被着体から剥離する際に糊残りが多くなるおそれがある。また、前記重量平均分子量があまり大きいと、感温性粘着剤を所定温度に冷却しても粘着力が低下し難くなる。前記重量平均分子量は、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーをGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点としては0℃以上が好ましく、10〜60℃がより好ましい。前記融点を所定の値とするには、上述した側鎖結晶性ポリマーの組成等を変えることによって任意に行うことができる。
ここで、紫外線硬化後の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点は、紫外線硬化前の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点と実質同じになることが多い。また、紫外線硬化後の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ前記融点以上の温度で相転移して流動性を示す。つまり、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、紫外線照射前および紫外線照射後のいずれの状態においても、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす。したがって、本実施形態の感温性粘着剤は、繰り返し使用することができる。
本実施形態の感温性粘着剤に照射する紫外線の強度は、該感温性粘着剤を構成する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを紫外線硬化させることができる限り、特に限定されない。また、紫外線照射は、感温性粘着剤の全体に対して行ってもよいし、部分的に行ってもよい。紫外線照射を行うタイミングについても特に限定されず、任意のタイミングで行えばよい。例えば、感温性粘着剤を被着体から剥離する際に感温性粘着剤の全体に対して紫外線照射を行うと、紫外線硬化に起因する粘着力の低下を大きく得ることができる。
また、感温性粘着剤の表面にフォトマスク等を配置すれば、感温性粘着剤に対して部分的に紫外線照射することができる。なお、部分的に紫外線照射された感温性粘着剤は、紫外線硬化によって粘着力が低下した粘着力低下部分と、紫外線照射されずに粘着力が低下していない粘着力非低下部分とが混在した状態になる。これら粘着力低下部分および粘着力非低下部分の割合や配置状態等をフォトマスクのパターン等によって調節すると、感温性粘着剤の粘着力を任意に調整することができる。部分的に紫外線照射した感温性粘着剤を被着体から剥離する際に、粘着力の低下が不十分なときには、紫外線硬化させていない粘着力非低下部分を紫外線硬化させればよい。
また、感温性粘着剤は、その表面にエンボス加工等を施して、凹凸形状を形成してもよい。これにより、被着体に対する接触面積を調整することができ、被着体からの剥離性を向上させることができる。従来の感温性粘着剤の表面に凹凸形状を形成した場合、高温に曝すと前記凹凸形状が崩れてしまうが、本実施形態の感温性粘着剤は紫外線硬化させることができるので、高温に曝す前に紫外線硬化させれば、高温に曝した場合であっても、前記凹凸形状を維持することができる。
感温性粘着剤には、例えばタッキファイヤー、可塑剤、老化防止剤、架橋剤等の各種の添加剤を添加することができる。架橋剤を添加する場合には、架橋剤と架橋反応する架橋成分として、極性モノマーを紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーに共重合させるのが好ましい。極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態にかかる感温性粘着剤の使用形態は、特に限定されるものではなく、例えばシート状の形態で使用することもでき、あるいは粘着剤に適当な溶剤を加えて、被着体に直接塗布して乾燥するようにしてもよい。
前記感温性粘着剤をシート状の形態にし、感温性粘着シートとして使用する場合には、その厚さを15〜400μm、好ましくは120〜150μmとするのがよい。前記粘着シートの厚さがあまり薄いと、粘着力が低下して被着体を貼着固定し難くなる。また、前記粘着シートの厚さがあまり大きいと、厚さの均一な粘着シートを調製し難くなる。
前記粘着シートの両面には、離型処理を施したフィルム、すなわち離型フィルムを設けるのが好ましい。前記離型フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるフィルム表面に、シリコーン等の離型剤を塗布したものが挙げられる。粘着シートの両面に離型フィルムを設けるには、例えば粘着剤を溶剤に加えた塗布液を、離型フィルム上に塗布して乾燥させて粘着シートを得、この粘着シートの表面に離型フィルムを配置すればよい。
また、前記感温性粘着剤は、粘着テープの形態で使用することもできる。次に、本発明にかかる感温性粘着テープの一実施形態について説明する。本実施形態にかかる感温性粘着テープは、前記した本発明の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けてなる。
前記基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムが挙げられる。
前記基材フィルムは、単層体または複層体からなるものであってもよく、厚さは、通常、5〜500μm程度である。基材フィルムには、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施すことができる。
基材フィルムの片面または両面に粘着剤層を設けるには、粘着剤を溶剤に加えた塗布液を、基材フィルムの片面または両面に塗布して乾燥させればよい。前記塗布は、一般的にナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター等により行うことができる。また、塗工厚みや塗布液の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーター等により行うこともできる。
粘着剤層の厚さとしては、5〜60μmであるのが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましく、10〜50μmであるのがさらに好ましい。片面の粘着剤層の厚さと、他面の粘着剤層の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記粘着テープは、片面の粘着剤層が本発明の感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層の組成は、特に限定されない。他面の粘着剤層を、例えば片面の粘着剤層と同様に本発明の感温性粘着剤からなる粘着剤層で構成する場合には、片面の粘着剤層の組成と、他面の粘着剤層の組成とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、他面の粘着剤層として、例えば感圧性接着剤からなる粘着剤層を用いることもできる。前記感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであり、例えば天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。
本発明の感温性粘着剤の用途としては、特に限定されるものではなく、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)のカラーフィルタ、薄膜トランジスタ等の製造工程の雰囲気温度が高温になる分野において、好適に用いることができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
<合成例1>
まず、ベヘニルアクリレートを43部、メチルアクリレートを47部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを10部、および重合開始剤としてパーブチルND(日油社製)を0.4部の割合で混合し、これらを酢酸エチル:ヘプタン=7:3(重量比)の混合溶媒で固形分量が30部になるように調整し、混合液を得た。
ついで、この混合液を55℃で4時間撹拌し、これらのモノマーを重合させて側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。得られた側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は550,000、融点は55℃であった。なお、前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。前記融点は、側鎖結晶性ポリマーをDSCで10℃/分の測定条件で測定した値である。
得られた前記側鎖結晶性ポリマーの溶液を固形分換算で100部、前記式(I)で表される2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工(株)製の「カレンズMOI」)を14部、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.1部、および触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ(DBTDL)を0.2部の割合で混合し、窒素ガス雰囲気下、60℃で4時間撹拌して、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。
得られた前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液100gに対して光重合開始剤(チバ・ジャパン社製の「IRGACURE 500」)を2.2g加えた溶液を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に塗布して110℃で10分間乾燥し、これにより紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーからなる厚さ40μmの粘着剤層が、PETフィルムの片面に形成された感温性粘着テープを得た。この感温性粘着テープにおいて、粘着剤層を構成する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は620,000、融点は55℃であった。
<合成例2>
まず、前記合成例1と同様にして側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。ついで、この側鎖結晶性ポリマーの溶液に加えるイソシアナート化合物を、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート14部に代えて、前記式(II)で表される2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工(株)製の「カレンズAOI」)13部にした以外は、前記合成例1と同様にして、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得、この溶液を用いて紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーからなる厚さ40μmの粘着剤層がPETフィルムの片面に形成された感温性粘着テープを得た。この感温性粘着テープにおいて、粘着剤層を構成する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は650,000、融点は55℃であった。
<合成例3>
まず、前記合成例1と同様にして側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。ついで、この側鎖結晶性ポリマーの溶液に加えるイソシアナート化合物を、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート14部に代えて、前記式(III)で表される1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアナート(昭和電工(株)製の「カレンズBEI」)18部にした以外は、前記合成例1と同様にして、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの溶液を得、この溶液を用いて紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーからなる厚さ40μmの粘着剤層がPETフィルムの片面に形成された感温性粘着テープを得た。この感温性粘着テープにおいて、粘着剤層を構成する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は680,000、融点は55℃であった。
<比較合成例1>
まず、前記合成例1と同様にして側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。ついで、この溶液を用いて側鎖結晶性ポリマーからなる厚さ40μmの粘着剤層がPETフィルムの片面に形成された感温性粘着テープを得た。
前記合成例1〜3および比較合成例1の側鎖結晶性ポリマー、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを表1に示す。
Figure 2012087218
[実施例1〜3および比較例1]
前記合成例1〜3および比較合成例1で得た各感温性粘着テープについて、180°剥離強度を評価した。評価方法を以下に示すとともに、その結果を表2に示す。
<180°剥離強度>
80℃および23℃の各雰囲気温度におけるポリイミド基板に対する180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、以下の条件で感温性粘着テープをポリイミド基板に貼着した後、ロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離した。
(80℃)
80℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをポリイミド基板に貼着して20分間静置した後、180°剥離した。
(23℃)
まず、80℃の雰囲気温度で感温性粘着テープをポリイミド基板に貼着し、雰囲気温度を200℃に上げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した。
ついで、合成例1〜3で得た感温性粘着テープについては、紫外線照射して前記粘着剤層を硬化させた後、180°剥離した。また、比較合成例1で得た感温性粘着テープについては、紫外線照射せずに180°剥離した。なお、紫外線照射は、(株)アズワンサーチ製のハンディータイプUV硬化装置「HLR 100T−2」を用いて、該装置から照射される10mW/cm2の紫外線をPETフィルム側から粘着剤層の全体に向けて室温(23℃)で1分間照射することにより行った。
また、各雰囲気温度における破壊状態を目視にて評価した。表2中、「界面破壊」は、粘着剤層とポリイミド基板との間で剥離したことを示す。「凝集破壊」は、粘着剤層が破壊されたことを示す。「スティックスリップ」は、感温性粘着テープをポリイミド基板から剥離する際に、断続的に剥離が進行したことを示す。スティックスリップが発生すると、被着体にかかる負荷が局所的に大きくなるため、被着体を破損しやすい。
Figure 2012087218
表2から明らかなように、実施例1〜3は、比較例1よりも、23℃の180°剥離強度が低く、破壊状態も良好であることから、高温に曝した場合であっても、剥離が容易であることがわかる。

Claims (7)

  1. 側鎖結晶性ポリマーを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、
    前記側鎖結晶性ポリマーが、紫外線硬化性官能基を有する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーであることを特徴とする感温性粘着剤。
  2. 前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させて得られる請求項1記載の感温性粘着剤。
  3. 前記紫外線硬化性官能基が、(メタ)アクリロイルオキシ基である請求項1または2記載の感温性粘着剤。
  4. 前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 貼着した被着体を、100℃以上の温度に曝した後、前記融点未満の温度で取り外す請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる感温性粘着シート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
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