JP6898226B2 - 感温性粘着剤組成物 - Google Patents

感温性粘着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6898226B2
JP6898226B2 JP2017509533A JP2017509533A JP6898226B2 JP 6898226 B2 JP6898226 B2 JP 6898226B2 JP 2017509533 A JP2017509533 A JP 2017509533A JP 2017509533 A JP2017509533 A JP 2017509533A JP 6898226 B2 JP6898226 B2 JP 6898226B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
sensitive adhesive
side chain
acrylic polymer
chain crystalline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017509533A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016158413A1 (ja
Inventor
智博 西尾
智博 西尾
浩祐 丸谷
浩祐 丸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Corp filed Critical Nitta Corp
Publication of JPWO2016158413A1 publication Critical patent/JPWO2016158413A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6898226B2 publication Critical patent/JP6898226B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J133/00Adhesives based on homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/02Non-macromolecular additives
    • C09J11/06Non-macromolecular additives organic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/20Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2301/00Additional features of adhesives in the form of films or foils
    • C09J2301/40Additional features of adhesives in the form of films or foils characterized by the presence of essential components
    • C09J2301/416Additional features of adhesives in the form of films or foils characterized by the presence of essential components use of irradiation

Description

本発明は、感温性粘着剤組成物に関する。
粘着力を熱によって可逆的に制御できる粘着剤として、感温性粘着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているような従来の感温性粘着剤は、通常、有機溶媒中でモノマーを重合したポリマー溶液であり、このポリマー溶液をフィルム状の基材に塗工、乾燥して粘着テープなどに加工されている。
ところで、粘着テープは様々な用途で使用されるため、例えば、被着体の段差に追従して貼りつくように、厚みの大きい粘着剤層を備える粘着テープが求められることがある。
しかし、従来の感温性粘着剤は、粘着剤層の厚みを大きくするために塗膜の厚みを大きくすると、乾燥させるときに有機溶媒の揮発によって膜中に気泡が発生するという問題があった。また、従来の感温性粘着剤は、有機溶剤を使用しているため、環境負荷が大きいという問題もあった。
一方、有機溶剤を含有しない粘着剤として、アクリルモノマー、粘度調整ポリマーおよび光ラジカル開始剤からなる液状の粘着剤組成物が知られている。
しかし、この粘着剤組成物は、塗工して紫外線硬化すれば厚みの大きい粘着剤層を形成できるものの、十分な粘着物性が得られないという問題があった。
特開平9−251923号公報
本発明の課題は、粘着物性に優れる厚みの大きい粘着剤層を形成できる感温性粘着剤組成物を提供することである。
本発明の感温性粘着剤組成物は、少なくとも側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、(メタ)アクリルモノマー、多官能(メタ)アクリレートおよび光ラジカル開始剤を含有するとともに、紫外線硬化性を有し、かつ液状である。
本発明によれば、粘着物性に優れる厚みの大きい粘着剤層を形成できるという効果がある。
<感温性粘着剤組成物>
以下、本発明の一実施形態に係る感温性粘着剤組成物(以下、「粘着剤組成物」と言うことがある。)について詳細に説明する。
本実施形態の粘着剤組成物は、少なくとも側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、(メタ)アクリルモノマー、多官能(メタ)アクリレートおよび光ラジカル開始剤を含有するとともに、紫外線(Ultra Violet:以下、「UV」と言うことがある。)の照射によって硬化するUV硬化性を有し、かつ液状である。
〔側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー〕
本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させることによって得られるポリマーである。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基が側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力などによって秩序ある配列に整合されることにより結晶化する。
そして、本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、上述した結晶化することに関連して融点を有する。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態になる温度であり、示差熱走査熱量計(DSC)によって10℃/分の測定条件で測定して得られる値のことを意味するものとする。
本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、上述した融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度では相転移して流動性を示す感温性を有する。それゆえ、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを含有する本実施形態の粘着剤組成物は、UV硬化後において、融点以上の温度で側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーが流動したときに粘着力が発現し、かつ融点未満の温度で側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーが結晶化したときに粘着力が低下するようになる。また、再度、粘着剤組成物を融点以上の温度に加熱すれば、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーが流動性を示すことによって粘着力が回復するので、繰り返し使用することができる。
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成する炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのことを意味するものとする。この点は、他の(メタ)アクリレートについても同様である。
また、本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーには、例えば、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、極性モノマーなどをさらに重合させることができる。
炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するエチレン不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
上述した各モノマーは、例えば、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを20〜100重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを0〜70重量部、極性モノマーを0〜10重量部とする割合で重合させるのが好ましい。
また、本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーには、例えば、反応性フッ素化合物をさらに重合させることができる。これにより、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーによる粘着力の低下に加えて、反応性フッ素化合物に起因する離型性が加わることから、粘着剤組成物の剥離性を向上させることができる。
反応性フッ素化合物とは、反応性を示す官能基を有するフッ素化合物のことを意味するものとする。反応性を示す官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などのエチレン性不飽和二重結合を有する基;エポキシ基(グリシジル基およびエポキシシクロアルキル基を含む)、メルカプト基、カルビノール基、カルボキシル基、シラノール基、フェノール基、アミノ基、水酸基などが挙げられる。
反応性フッ素化合物の具体例としては、下記一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006898226
[式中、R1は基:CH2=CHCOOR2−またはCH2=C(CH3)COOR2−(式中、R2はアルキレン基を示す。)を示す。]
一般式(I)中、R2が示すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などの炭素数1〜6の直鎖または分枝したアルキレン基などが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、下記式(Ia),(Ib)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006898226
上述した反応性フッ素化合物は、市販品を用いることができる。市販の反応性フッ素化合物としては、例えば、いずれも大阪有機化学工業社製の「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」、「ビスコート4F」、「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、共栄社化学(株)製の「ライトエステルM−3F」などが挙げられる。
反応性フッ素化合物は、1〜10重量部の割合で上述したモノマーと重合させるのが好ましい。
また、本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーには、例えば、エチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、高Tgのアクリレート、ビニルモノマーなどをさらに重合させることができる。エチレングリコール基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。高Tgのアクリレートとしては、例えば、イソボルニルアクリレート(ライトアクリレートIB−XA:共栄社化学)、イソボルニルメタクリレート(ライトエステルIB−X:共栄社化学)、メチルメタクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシルメタクリレート(TBCHMA:日油)、ジシクロペンタニルアクリレート(FA513−AS:日立化成)、ジシクロペンタニルメタクリレート(FA513−M:日立化成)、1−アダマンチルアクリレート(ADA:大阪有機化学)、1−アダマンチルメタクリレート(ADMA:大阪有機化学)などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらは混合して用いてもよい。上述したエチレングリコール基を有する(メタ)アクリレート、高Tgのアクリレート、ビニルモノマーの各々を重合させるときの割合は、特に限定されない。
一方、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの融点としては、5〜80℃であるのが好ましく、10〜70℃であるのがより好ましい。融点は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの組成などを変えることによって調整することができる。また、融点は、UV照射前後で実質的に変化しない傾向にある。すなわち、UV硬化後の融点は、UV硬化前の融点と実質的に同じ値になる傾向がある。
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量としては、45万以上であるのが好ましく、100万以上であるのがより好ましく、200万以上であるのがさらに好ましく、245万以上であるのがさらに好ましい。側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量の上限値としては、300万以下であるのが好ましいが、これに限定されるものではない。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、得られた測定値を標準ポリスチレン換算した値である。GPCの測定溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)などが挙げられる。
上述したモノマーの重合は、バルク重合により行うのが好ましい。これにより、粘着剤組成物が有機溶剤を含有しない状態にすることができる。また、バルク重合は、UVを照射しながら行うのが好ましい。これにより、比較的短時間でモノマーを重合することができる。したがって、本実施形態の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーに、後述する光ラジカル開始剤を添加してUVを照射しながらバルク重合したポリマーであるのが好ましい。なお、モノマーとは、アクリル系のモノマーのみに限定されるものではなく、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを含む限り、反応性フッ素化合物などをも含む概念である。
バルク重合における重合温度としては、30〜60℃であるのが好ましい。また、重合時間としては、30秒〜5分間であるのが好ましい。UVの強度としては、1〜100mW/cm2(365nm)であるのが好ましい。なお、重合条件は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを合成できる限り、上述した重合条件に限定されるものではない。
バルク重合は、分子量を制御するうえで、連鎖移動剤の存在下で行ってもよい。連鎖移動剤の添加量としては、モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部であるのが好ましい。連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタンなどのチオール系連鎖移動剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
〔(メタ)アクリルモノマー〕
本実施形態の粘着剤組成物は、上述のとおり、(メタ)アクリルモノマーを含有する。本実施形態の粘着剤組成物は、(メタ)アクリルモノマーを含有することに起因して、液状である。したがって、本実施形態の粘着剤組成物は、優れた塗工性を発揮することができる。また、本実施形態の粘着剤組成物は、液状であることから、従来の感温性粘着剤のように有機溶剤を含有する必要がない。それゆえ、本実施形態の粘着剤組成物によれば、上述した有機溶剤を含有することによる問題がなく、粘着物性に優れる厚みの大きい粘着剤層を形成することが可能となる。
上述した効果を確実に得るうえで、本実施形態の粘着剤組成物は、有機溶剤を含有していないのが好ましい。また、本実施形態において、液状とは、少なくとも側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーを含有する混合物の50℃における粘度が、100〜10,000mPa・sであることを意味するものとする。粘度は、UV硬化前の値であって、後述する実施例に記載の方法で測定して得られる値である。
粘着剤組成物は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの合計含有量が最も多いのが好ましい。これにより、粘着剤組成物が側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーを主成分として含有することになり、結果として優れた塗工性および粘着物性を発揮することができる。
また、粘着剤組成物は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの合計100重量%に対して、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを5〜40重量%の割合で含有するのが好ましく、10〜30重量%の割合で含有するのがより好ましい。言い換えれば、粘着剤組成物は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの合計100重量%に対して、(メタ)アクリルモノマーを60〜95重量%の割合で含有するのが好ましく、70〜90重量%の割合で含有するのがより好ましい。これらの構成によれば、粘着剤組成物が適度な粘度を有するようになり、それゆえ優れた塗工性を発揮することができ、かつUV硬化後に(メタ)アクリルモノマーが残存するのを抑制することができ、結果として優れた粘着物性を発揮することができる。
ここで、本実施形態の(メタ)アクリルモノマーは、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成するモノマーと同一である。これにより、(メタ)アクリルモノマーが側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーに対して優れた相溶性を発揮することができる。本実施形態の(メタ)アクリルモノマーは、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成する上述したモノマーを重合したときの残存モノマーに相当する。したがって、(メタ)アクリルモノマーとしては、上述した側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーで例示したのと同じモノマー、すなわち、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、極性モノマーなどが挙げられる。
本実施形態では、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーが互いに共存するように、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成する上述したモノマーを重合するのが好ましい。具体的には、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの合計100重量%に対して、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの割合が5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%になるように、上述したモノマーを重合するのが好ましい。
〔多官能(メタ)アクリレート〕
多官能(メタ)アクリレートは、UVが照射されることによって硬化する性質を有する硬化性化合物であり、分子内にラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレートである。本実施形態の粘着剤組成物は、上述のとおり、多官能(メタ)アクリレートを含有することから、UV硬化後に凝集力を向上させることができ、結果として優れた耐熱性を発揮することができる。
粘着剤組成物は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、(メタ)アクリルモノマーおよび光ラジカル開始剤の合計100重量部に対して、多官能(メタ)アクリレートを0.1〜30重量部の割合で含有するのが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、2官能(メタ)アクリレートまたは3官能(メタ)アクリレートであり、かつ重量平均分子量が200〜1,200であるのが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
上述した多官能(メタ)アクリレートは、市販品を用いることができる。市販の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、いずれも新中村化学工業社製の「NKエステルA−HD−N」、「NKエステルA−BPE−10」、「NKエステルA−9300−1CL」、「NKエステルA−9300−6CL」などが挙げられる。
〔光ラジカル開始剤〕
本実施形態の粘着剤組成物は、上述のとおり、光ラジカル開始剤を含有する。光ラジカル開始剤は、光照射を受けることによってラジカル重合を開始させることが可能となる化合物であればよく、特に限定されるものではない。本実施形態の光ラジカル開始剤は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成する上述したモノマーの重合時に使用されるとともに、粘着剤組成物のUV硬化時にも使用される。
粘着剤組成物は、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの合計100重量部に対して、光ラジカル開始剤を0.2〜1.9重量部の割合で含有するのが好ましい。なお、光ラジカル開始剤は、その全量をモノマーの重合時に一括添加してもよいし、モノマーの重合時および粘着剤組成物のUV硬化時にそれぞれ分割して添加してもよい。
上述した光ラジカル開始剤は、市販品を用いることができる。市販の光ラジカル開始剤としては、例えば、いずれもBASFジャパン社製の「IRGACURE 184」、「IRGACURE 500」などが挙げられる。
上述した本実施形態の粘着剤組成物には、例えば、粘着付与剤、老化防止剤、架橋剤などの各種の添加剤を添加することができる。
本実施形態の粘着剤組成物の用途としては、特に限定されるものではなく、例えば、被着体の段差に追従して貼りつくように、厚みの大きい粘着剤層を備える粘着テープが要求される分野の粘着剤組成物として好適に使用することができる。
<感温性粘着テープ>
次に、本発明の一実施形態に係る感温性粘着テープについて説明する。
本実施形態の感温性粘着テープは、基材および粘着剤層を備えている。
(基材)
本実施形態の基材は、フィルム状である。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が挙げられる。
基材は、単層体または複層体のいずれであってもよく、その厚さとしては、通常、5〜500μm程度である。基材には、粘着剤層に対する密着性を高めるうえで、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理などの表面処理を施すことができる。
(粘着剤層)
本実施形態の粘着剤層は、上述した基材の片面または両面に積層されているものであって、基材に上述した一実施形態に係る感温性粘着剤組成物を塗工し、UVを照射して硬化させた硬化物からなる。ここで、粘着剤組成物は、上述した理由から塗工性に優れ、有機溶剤を含有することによる問題がない。それゆえ、本実施形態の感温性粘着テープは、粘着剤層に有機溶剤が揮発することによって発生する気泡がなく、粘着剤層の厚みを大きくすることができ、結果として優れた粘着物性を発揮することができる。
具体的には、本実施形態によれば、粘着剤層の厚さを1〜1,000μm、好ましくは40〜500μmという広い範囲から設定することができる。そして、例えば、被着体の段差に追従して貼りつくように厚みの大きい粘着剤層が求められる場合には、例示した範囲から粘着剤層の厚みを大きく設定することができる。なお、片面の粘着剤層の厚さと、他面の粘着剤層の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
UVの照射量としては、1,000mJ/cm2以上であるのが好ましい。UVの照射量の上限値としては、10,000mJ/cm2以下であるのが好ましいが、これに限定されるものではない。
UVを照射するとき、粘着剤組成物からなる塗膜の表面には、フィルム状の空気遮断部材を積層するのが好ましい。これにより、空気を遮断した状態で粘着剤組成物にUVを照射して硬化させることができる。空気遮断部材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムの表面に、シリコーン、シリコンなどの離型剤を塗布したものなどが挙げられる。
なお、粘着剤組成物を上述した基材に塗工する塗工手段としては、例えば、アプリケーター、コーターなどが挙げられる。コーターとしては、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。
また、本実施形態では、片面の粘着剤層が上述した粘着剤組成物からなる限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層を、例えば、上述した粘着剤組成物からなる粘着剤層で構成する場合、その組成は、片面の粘着剤層の組成と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、他面の粘着剤層を、例えば、感圧性接着剤からなる粘着剤層で構成することもできる。感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであり、例えば、天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。
上述した感温性粘着テープの表面には、離型フィルムを積層するのが好ましい。離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムの表面に、シリコーン、シリコンなどの離型剤を塗布したものなどが挙げられる。
<感温性粘着シート>
次に、本発明の一実施形態に係る感温性粘着シートについて説明する。
本実施形態の感温性粘着シートは、上述した一実施形態に係る粘着剤組成物をシート状に加工してUVを照射して硬化させた硬化物からなる。感温性粘着シートの厚さとしては、1〜1,000μmが好ましく、40〜500μmがより好ましい。感温性粘着シートの厚さの上限値としては、UVの照射によって硬化できる限り、特に限定されるものではない。
その他の構成は、上述した一実施形態に係る感温性粘着テープと同様であるので、説明を省略する。
以上、本発明に係る好ましい実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、上述の実施形態では、(メタ)アクリルモノマーが側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成するモノマーを重合したときの残存モノマーである場合について説明したが、これに代えて、(メタ)アクリルモノマーを残存モノマーではなく、新たなモノマーとして粘着剤組成物に含有させてもよい。また、(メタ)アクリルモノマーが側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成するモノマーを重合したときの残存モノマーであるとき、新たな(メタ)アクリルモノマーを粘着剤組成物にさらに含有させてもよい。
上述の実施形態では、粘着剤組成物の使用形態が感温性粘着テープおよび感温性粘着シートである場合について説明したが、これに代えて、粘着剤組成物を被着体に直接塗布し、UVを照射して硬化させて使用してもよい。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
まず、フラスコ上部に窒素導入管、温度計、冷却管およびUV照射ヘッドを備える500mlのフラスコに、ベヘニルアクリレートを135g、メチルアクリレートを150g、アクリル酸を15g、および光ラジカル開始剤(光重合開始剤)としてBASFジャパン社製の「IRGACURE 500」を3gの割合で投入し、混合液を得た。
次に、フラスコを湯浴に浸けて混合液を40℃に加温し、150rpmで撹拌しながら30分間窒素バブリングし、混合液内の酸素を除去した。そして、混合液に対してフラスコ上部のUV照射ヘッドからUVを照射しながらモノマーをバルク重合した。
バルク重合の条件は、以下のとおりである。
重合温度:40℃
重合時間:2分
UVの強度:40mW/cm2(365nm)
上述したバルク重合によって、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーと、(メタ)アクリルモノマー(ベヘニルアクリレート、メチルアクリレート、アクリル酸)との液状混合物を得た。得られた液状混合物中の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの含有量、および液状混合物の粘度を測定した。各々の測定結果および測定方法は、以下のとおりである。
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量:250万
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの含有量:18重量%
(メタ)アクリルモノマーの含有量:82重量%
液状混合物の粘度:800mPa・s
(重量平均分子量)
GPCによって測定し、得られた測定値を標準ポリスチレン換算して得た。GPCの測定溶媒には、THFを使用した。
(含有率)
上述した重量平均分子量の測定結果において、ポリマー分とモノマー分との検出面積比から算出した。
(粘度)
以下の測定条件で測定した。
測定装置:英弘精機社製のデジタル粘度計「DV−II+Pro」
コーンプレート:CPE−42
回転数:30rpm
測定温度:50℃
(合成例2)
連鎖移動剤としてドデシルメルカプタンを0.3gの割合で加えた以外は、上述した合成例1と同様にしてUVを照射しながらモノマーをバルク重合して、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーと(メタ)アクリルモノマーとの液状混合物を得た。
得られた液状混合物中の側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび(メタ)アクリルモノマーの含有量、および液状混合物の粘度を上述した合成例1と同様にして測定した。測定結果は、以下のとおりである。
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量:50万
側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの含有量:20重量%
(メタ)アクリルモノマーの含有量:80重量%
液状混合物の粘度:200mPa・s
(比較合成例)
まず、フラスコ上部に窒素導入管、温度計、冷却管を備える500mlのフラスコに、ベヘニルアクリレートを45g、メチルアクリレートを50g、アクリル酸を5g、および重合開始剤として日油社製の「パーブチルND」を0.5gの割合で投入して混合物を得た。次に、酢酸エチル:ヘプタン=7:3(重量比)の混合溶媒をフラスコに投入し、混合物の濃度が固形分換算で30重量部になるように調整し、混合液を得た。
そして、上述した混合液を55℃で4時間撹拌し、これらのモノマーを重合させてポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液中のポリマーの重量平均分子量、およびポリマー溶液の粘度を上述した合成例1と同様にして測定した。測定結果は、以下のとおりである。
ポリマーの重量平均分子量:60万
ポリマー溶液の粘度:1,000mPa・s
[実施例1〜4]
<感温性粘着テープの製造>
塗工液として、合成例1で得られた液状混合物を使用した。そして、まず、この液状混合物100gに対して多官能アクリレートを添加した。
添加した多官能アクリレートは、以下のとおりである。
多官能アクリレート:新中村化学工業社製の1,6−ヘキサンジオールジアクリレート「NKエステルA−HD−N」
液状混合物100gに対する多官能アクリレートの添加量は、以下のとおりである。
実施例1:0.5g
実施例2:0.5g
実施例3:1.0g
実施例4:1.0g
次に、多官能アクリレートを添加した液状混合物をフィルム状の基材の片面にアプリケーターで塗工した。
使用したフィルム状の基材は、以下のとおりである。
基材:片面をコロナ処理したユニチカ社製の厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「エンブレットSB−100」
アプリケーターの間隙は、以下のとおりである。
実施例1:10mil
実施例2: 5mil
実施例3: 5mil
実施例4:10mil
次に、塗膜の表面にフィルム状の空気遮断部材を積層し、塗膜の上方からUVを照射した。
使用した空気遮断部材は、以下のとおりである。
空気遮断部材:ニッパ株式会社製の表面をシリコン処理した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「PET25×1−J0L」
UV照射条件は、以下のとおりである。
UV照射装置:アズワン社製の「HLR100T−2/HB100A−1」
UV量:1,500mJ/cm2
上述した条件でUVを照射することによって、表1に示す厚みを有する粘着剤層をフィルム状の基材の片面に備える感温性粘着テープを得た。なお、表1中の粘着剤層の厚みは、ダイヤルゲージで測定して得られた値である。
<評価>
得られた感温性粘着テープについて、粘着剤層の状態および180°剥離強度を評価した。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1に示す。
(粘着剤層の状態)
感温性粘着テープの粘着剤層を目視観察することによって、気泡混入の有無を評価した。なお、評価基準は、以下のように設定した。
○:粘着剤層中に気泡がなかった。
△:粘着剤層中に少数の気泡が存在していた。
×:粘着剤層中に多数の気泡が存在していた。
(180°剥離強度)
得られた感温性粘着テープについて、80℃、80℃を経た後の23℃、120℃および120℃を経た後の23℃の各雰囲気温度におけるステンレス鋼製の板(以下、「SUS板」と言うことがある。)に対する180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、以下の条件で感温性粘着テープをSUS板に貼着した後、ロードセルを用いて300mm/分の速度で180°剥離した。
[80℃]
感温性粘着テープをSUS板に貼り付けた状態で雰囲気温度を80℃にし、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
[80℃を経た後の23℃]
感温性粘着テープをSUS板に貼り付けた状態で雰囲気温度を80℃にし、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
[120℃]
感温性粘着テープをSUS板に貼り付けた状態で雰囲気温度を120℃にし、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
[120℃を経た後の23℃]
感温性粘着テープをSUS板に貼り付けた状態で雰囲気温度を120℃にし、この雰囲気温度で20分間静置した後、雰囲気温度を23℃に下げ、この雰囲気温度で20分間静置した後、180°剥離した。
[実施例5]
塗工液として、合成例2で得られた液状混合物を使用した以外は、上述した実施例1と同様にして表1に示す厚みを有する粘着剤層をフィルム状の基材の片面に備える感温性粘着テープを得た。
得られた感温性粘着テープについて、上述した実施例1と同様にして粘着剤層の状態および180°剥離強度を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
まず、ベヘニルアクリレートを135g、メチルアクリレートを150g、アクリル酸を15g、および光ラジカル開始剤(光重合開始剤)としてBASFジャパン社製の「IRGACURE 500」を3gの割合で混合した混合液に、多官能アクリレートを0.5gの割合で加えて塗工液を得た。なお、多官能アクリレートは、実施例1と同じものを使用した。
得られた塗工液を使用した以外は、上述した実施例1と同様にして表1に示す厚みを有する粘着剤層をフィルム状の基材の片面に備える粘着テープを得た。
得られた粘着テープについて、上述した実施例1と同様にして粘着剤層の状態および180°剥離強度を評価した。その結果を表1に示す。
[比較例2〜5]
塗工液として、比較合成例で得られたポリマー溶液を使用した。そして、まず、このポリマー溶液100gに対してトリエチルアミンを9gの割合で添加し、架橋剤をさらに添加した。
添加した架橋剤は、以下のとおりである。
架橋剤:日本触媒社製のアジリジン化合物「ケミタイトPZ−33」
ポリマー溶液100gに対する架橋剤の添加量は、以下のとおりである。
比較例2:0.5g
比較例3:0.5g
比較例4:0.5g
比較例5:1.0g
次に、トリエチルアミンおよび架橋剤を添加したポリマー溶液をフィルム状の基材の片面にアプリケーターで塗工した。なお、基材は、実施例1と同じものを使用した。
アプリケーターの間隙は、以下のとおりである。
比較例2:10mil
比較例3:15mil
比較例4:20mil
比較例5:10mil
そして、110℃の熱風オーブン中で10分間加熱して架橋剤を架橋反応させて、表1に示す厚みを有する粘着剤層をフィルム状の基材の片面に備える粘着テープを得た。
得られた粘着テープについて、上述した実施例1と同様にして粘着剤層の状態および180°剥離強度を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006898226
表1から明らかなように、実施例1〜5はいずれも、粘着剤層に気泡がなく、粘着剤層の厚みを大きくすることができ、粘着物性にも優れているのがわかる。なお、実施例1〜5について、UV硬化後の感温性粘着テープから粘着剤層を採取して、側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの融点をDSCで10℃/分の測定条件で測定した結果、実施例1〜5の融点は55℃であった。
一方、比較例1は、10μmよりも大きい厚みの粘着剤層を形成しようとすると、液だれが発生して塗工することができなかった。また、比較例2〜5は、粘着剤層の厚みを大きくするにつれて気泡が多く発生し、比較例3、4では、テープを作製することができなかった。

Claims (7)

  1. 少なくとも側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、多官能(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリルモノマー、多官能(メタ)アクリレートおよび光ラジカル開始剤を含有するとともに、紫外線硬化性を有し、かつ液状であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させたポリマーであり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの融点が、5〜80℃であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量が、45万以上であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび前記(メタ)アクリルモノマーの合計100重量%に対して、前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを5〜40重量%の割合で含有し、
    紫外線硬化後において、前記融点以上の温度で粘着力を発現し、かつ前記融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤組成物。
  2. 前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、前記(メタ)アクリルモノマー、前記多官能(メタ)アクリレートおよび前記光ラジカル開始剤のうち、前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび前記(メタ)アクリルモノマーの合計含有量が最も多い、請求項1に記載の感温性粘着剤組成物。
  3. 有機溶剤を含有していない、請求項1または2に記載の感温性粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリルモノマーが、前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを構成するモノマーと同一である、請求項1〜のいずれかに記載の感温性粘着剤組成物。
  5. フィルム状の基材と、
    前記基材の片面または両面に積層されている粘着剤層と、を備え、
    前記粘着剤層が、請求項1〜のいずれかに記載の感温性粘着剤組成物の硬化物からなる、感温性粘着テープ。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の感温性粘着剤組成物の硬化物からなる、感温性粘着シート。
  7. 少なくとも側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマー、多官能(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリルモノマー、多官能(メタ)アクリレートおよび光ラジカル開始剤を含有するとともに、紫外線硬化性を有し、かつ液状であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させたポリマーであり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの融点が、5〜80℃であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量が、45万以上であり、
    前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーおよび前記(メタ)アクリルモノマーの合計100重量%に対して、前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを5〜40重量%の割合で含有し、
    紫外線硬化後において、前記融点以上の温度で粘着力を発現し、かつ前記融点未満の温度で粘着力が低下する、感温性粘着剤組成物の製造方法であって、
    前記少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを含むモノマーに光ラジカル開始剤を添加して紫外線を照射しながらバルク重合することによって前記側鎖結晶性(メタ)アクリルポリマーを得る、感温性粘着剤組成物の製造方法。
JP2017509533A 2015-04-01 2016-03-16 感温性粘着剤組成物 Active JP6898226B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015075115 2015-04-01
JP2015075115 2015-04-01
PCT/JP2016/058297 WO2016158413A1 (ja) 2015-04-01 2016-03-16 感温性粘着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016158413A1 JPWO2016158413A1 (ja) 2018-01-25
JP6898226B2 true JP6898226B2 (ja) 2021-07-07

Family

ID=57007084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017509533A Active JP6898226B2 (ja) 2015-04-01 2016-03-16 感温性粘着剤組成物

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6898226B2 (ja)
KR (1) KR102452985B1 (ja)
CN (1) CN107406737B (ja)
TW (1) TWI589658B (ja)
WO (1) WO2016158413A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6813988B2 (ja) * 2016-08-12 2021-01-13 ニッタ株式会社 感温性粘着テープおよび感温性粘着シート
JP6792509B2 (ja) * 2017-04-21 2020-11-25 ニッタ株式会社 感温性粘着剤
KR102031621B1 (ko) * 2017-10-25 2019-10-14 (주)켐베이스 감온성 점착제 조성물

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09153471A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Mitsui Toatsu Chem Inc 半導体ウエハダイシング用粘着フィルム及びその使用方法
JP3485412B2 (ja) 1996-03-15 2004-01-13 ニッタ株式会社 積層セラミックコンデンサ積層工程用の仮止め粘着テープ及び積層セラミックコンデンサの製造方法
US5888650A (en) * 1996-06-03 1999-03-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Temperature-responsive adhesive article
JP4579363B2 (ja) * 1999-10-28 2010-11-10 古河電気工業株式会社 半導体加工用粘着テープ
JP2007254590A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Nippon Steel Chem Co Ltd ダイボンドダイシングフィルム
JP5165282B2 (ja) * 2007-06-12 2013-03-21 日東電工株式会社 鑑識用粘着シートおよびその製造方法
JP5406456B2 (ja) * 2008-02-01 2014-02-05 株式会社日本触媒 電離放射線硬化性再剥離用粘着剤組成物及びその用途
JP2009256607A (ja) * 2008-03-17 2009-11-05 Nitto Denko Corp アクリル系粘着剤、アクリル系粘着剤層、アクリル系粘着テープ又はシート
KR101639700B1 (ko) * 2009-02-16 2016-07-14 니타 가부시키가이샤 감온성 점착제 및 감온성 점착 테이프
WO2011001550A1 (ja) * 2009-07-02 2011-01-06 ニッタ株式会社 機能膜付粘着テープおよび機能膜の転写方法
JP5486900B2 (ja) * 2009-11-06 2014-05-07 ニッタ株式会社 感温性粘着剤
JP2012052038A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Nitto Denko Corp 電子部品製造工程用仮固定シート
JP5639438B2 (ja) * 2010-10-20 2014-12-10 ニッタ株式会社 感温性粘着剤
KR101740536B1 (ko) * 2011-01-12 2017-05-26 동우 화인켐 주식회사 광학용 점착제 조성물
JP5908337B2 (ja) * 2011-06-13 2016-04-26 日東電工株式会社 冷却剥離粘着シート
WO2013161812A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 荒川化学工業株式会社 紫外線硬化型粘着剤組成物及び粘着層
JP2014172999A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nitto Denko Corp 粘着シート
JP6147105B2 (ja) * 2013-06-10 2017-06-14 ニッタ株式会社 感温性粘着シート、感温性粘着テープおよび粘着シート形成方法
JP6538332B2 (ja) * 2014-11-17 2019-07-03 日東電工株式会社 光学用両面粘着シート

Also Published As

Publication number Publication date
TWI589658B (zh) 2017-07-01
CN107406737B (zh) 2020-03-17
KR102452985B1 (ko) 2022-10-11
CN107406737A (zh) 2017-11-28
KR20170134972A (ko) 2017-12-07
WO2016158413A1 (ja) 2016-10-06
JPWO2016158413A1 (ja) 2018-01-25
TW201704420A (zh) 2017-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI617641B (zh) 感溫性黏著劑
CN107532042B (zh) 基于丙烯酸类聚合物的可uv固化粘合剂
JP2021138959A (ja) 感圧接着剤
TW201538668A (zh) 感溫性黏著劑
TWI646169B (zh) 感溫性黏合劑、感溫性黏合片及感溫性黏合帶
JP5639438B2 (ja) 感温性粘着剤
JP6546910B2 (ja) 感温性粘着剤
JP6898226B2 (ja) 感温性粘着剤組成物
JP2012102212A (ja) 易剥離性粘着シートおよび易剥離性粘着テープ
TW201809195A (zh) 經中壓汞燈紫外線固化之陽離子壓敏黏著劑
JP7225530B2 (ja) 無溶剤型樹脂組成物
JP2011219617A (ja) 易剥離性粘着シートおよび易剥離性粘着テープ
JP5486900B2 (ja) 感温性粘着剤
KR102655512B1 (ko) 감온성 점착제, 감온성 점착 시트 및 감온성 점착 테이프
JP6898227B2 (ja) 感温性粘着テープおよび感温性粘着シート
KR20170113269A (ko) 감온성 점착제
JP6697395B2 (ja) 紫外線硬化型アクリル系ポリマー及びこれを含む紫外線硬化型アクリル系ホットメルト接着剤
JP6813988B2 (ja) 感温性粘着テープおよび感温性粘着シート
JP2018178060A (ja) 感温性粘着剤
TWI740022B (zh) 感溫性黏著劑
JP2004010835A (ja) 紫外線硬化型アクリル系粘着剤とその製造方法、及び粘着シート
KR20170113401A (ko) 감온성 점착제
JP2001354932A (ja) 紫外線硬化型粘着剤および粘着シート
JP6829142B2 (ja) 感温性粘着剤および被加工物の加工方法
JP6393510B2 (ja) 感温性粘着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200421

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20200716

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200901

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201201

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210406

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210512

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6898226

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150