JP5486900B2 - 感温性粘着剤 - Google Patents

感温性粘着剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5486900B2
JP5486900B2 JP2009254506A JP2009254506A JP5486900B2 JP 5486900 B2 JP5486900 B2 JP 5486900B2 JP 2009254506 A JP2009254506 A JP 2009254506A JP 2009254506 A JP2009254506 A JP 2009254506A JP 5486900 B2 JP5486900 B2 JP 5486900B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensitive adhesive
temperature
crystalline polymer
chain crystalline
side chain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009254506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011099042A (ja
Inventor
真一 仲野
伸一郎 河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Original Assignee
Nitta Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitta Corp filed Critical Nitta Corp
Priority to JP2009254506A priority Critical patent/JP5486900B2/ja
Publication of JP2011099042A publication Critical patent/JP2011099042A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5486900B2 publication Critical patent/JP5486900B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、所定温度で粘着力を発現する感温性粘着剤に関する。
従来から、粘着力を熱により可逆的に制御できる感温性粘着剤がある(例えば、特許文献1参照)。該感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度にまで加熱処理をすると、前記側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が発現する。
一方、被着体を効率よく加工する上で、被着体の組成や形状に応じて粘着剤の弾性率を任意に調整することができれば便利である。例えば被着体を所定厚さに研削する場合には、高い粘着力を得る上で、粘着剤の弾性率は比較的低い方が好ましい。これに対し、研削で薄くなった被着体を所定形状に切断する場合には、被着体の固定状態を安定させる上で、粘着剤の弾性率は比較的高い方が好ましい。すなわち粘着剤の弾性率を、研削加工の場合には低く、その後の切断加工の場合には高く調整することができれば、被着体を効率よく加工することができる。
ところが、特許文献1に記載されているような従来の感温性粘着剤は、粘着力を熱で可逆的に制御できるものの、弾性率の熱に対する変化および値は一定であり、上記のような要望に対応することができなかった。
特開平9−251923号公報
本発明の課題は、弾性率を任意に調整可能な感温性粘着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)側鎖結晶性ポリマーを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力を発現する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーが、紫外線硬化性官能基を有し、かつ架橋剤で架橋された紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーであることを特徴とする感温性粘着剤。
(2)前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させ、架橋剤で架橋反応して得られる前記(1)記載の感温性粘着剤。
(3)前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す前記(1)または(2)記載の感温性粘着剤。
(4)表面に凹凸形状を有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる感温性粘着シート。
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
なお、本発明における前記「シート」は、シート状のみに限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない限りにおいて、シート状ないしフィルム状をも含む概念である。
本発明によれば、紫外線硬化性官能基を有する紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーを含有するので、紫外線硬化させて弾性率を高めることができ、それゆえ被着体の組成や形状に応じた弾性率の調整が可能になる。しかも、前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは架橋剤で架橋されているので、高い凝集力を示すことができる。
本発明にかかる粘着剤は、感温性粘着剤である。該感温性粘着剤とは、温度変化に対応して粘着力が変化する粘着剤を意味する。以下、本発明にかかる感温性粘着剤の一実施形態について説明する。
本実施形態にかかる感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを含有する。該側鎖結晶性ポリマーは、融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で相転移して流動性を示す。すなわち、前記側鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす。
本実施形態にかかる感温性粘着剤は、前記融点以上の温度で側鎖結晶性ポリマーが流動性を示した際に粘着力が発現する割合で、前記側鎖結晶性ポリマーを含有する。これにより、被着体を貼着固定する際には、感温性粘着剤を前記側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱すれば、前記側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が発現する。また、被着体から剥離する際には、感温性粘着剤を前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却すれば、前記側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。
前記側鎖結晶性ポリマーは、紫外線硬化性官能基を有し、かつ架橋剤で架橋された紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーである。したがって、紫外線を照射すれば硬化するので、被着体の組成や形状に応じた弾性率の調整が可能になる。また、架橋剤で架橋されていることによって、高い凝集力を示すことができる。
前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させ、架橋剤で架橋反応して得られる。具体的に説明すると、前記側鎖結晶性ポリマーは、例えば炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートと、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートと、極性モノマーと、を重合させて得られる共重合体等からなる。
前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばセチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられ、前記炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
前記ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、後述する紫外線硬化性官能基を有する化合物と反応するものであり、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
前記極性モノマーは、後述する架橋剤と架橋反応する架橋成分であり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
前記側鎖結晶性ポリマーの重合割合としては、例えば前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを20〜98重量部、炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを0〜70重量部、ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートを1〜10重量部、極性モノマーを1〜10重量部とするのが好ましい。
重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が採用可能である。例えば溶液重合法を採用する場合には、前記で例示したモノマーを溶剤に混合し、40〜90℃程度で2〜10時間程度攪拌することによって前記モノマーを重合させることができる。
前記側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は100,000以上が好ましく、400,000〜800,000がより好ましい。前記重量平均分子量があまり小さいと、感温性粘着剤を被着体から取外す際には、該粘着剤が被着体上に残る、いわゆる糊残りが多くなるおそれがある。また、前記重量平均分子量があまり大きいと、感温性粘着剤を所定温度に加熱しても粘着力が発現し難くなる。前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
ここで、側鎖結晶性ポリマーの前記融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態となる温度を意味し、示差熱走査熱量計(DSC)により10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。前記融点としては0℃以上が好ましく、10〜60℃がより好ましい。前記融点を所定の値とするには、側鎖結晶性ポリマーの組成等を変えることによって任意に行うことができる。
一方、前記紫外線硬化性官能基を有する化合物は、紫外線が照射されることによって硬化する官能基を有する。該官能基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。該官能基を有する化合物としては、前記側鎖結晶性ポリマーのヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレートと反応する上で、イソシアナート化合物が好適である。該イソシアナート化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアナート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナート、1−(4−ビニルフェニル)−1−メチルエチルイソシアナート等が挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物との反応は、側鎖結晶性ポリマーと前記化合物とを所定の割合で混合した後、40〜80℃程度で1〜5時間程度攪拌して行う。側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物との混合割合としては、例えば前記側鎖結晶性ポリマーを90〜99重量部、紫外線硬化性官能基を有する化合物を1〜10重量部とするのが好ましい。前記側鎖結晶性ポリマーの割合があまり少ないか、前記化合物の割合があまり多いと、感温性粘着剤を所定温度に加熱しても粘着力が発現し難くなる。また、前記側鎖結晶性ポリマーの割合があまり多いか、前記化合物の割合があまり少ないと、紫外線を照射しても硬化し難くなる。
前記紫外線硬化性官能基の硬化には、光重合開始剤を用いる。該光重合開始剤としては、紫外線硬化性官能基の組成に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。また、前記光重合開始剤は、市販品を用いることができる。市販の光重合開始剤としては、例えばチバ・ジャパン社製の「IRGACURE 184」等が挙げられる。
前記架橋剤としては、例えばアジリジン化合物、エポキシ化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。前記架橋剤の添加量としては、側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物との反応物の総量に対して0.1〜10重量%であるのが好ましく、0.1〜5重量%であるのがより好ましい。前記架橋反応は、通常、前記反応物を25〜100℃程度に加熱して行う。
得られる紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量としては、100,000以上が好ましく、400,000〜800,000がより好ましい。前記重量平均分子量は、前記架橋反応を行う前の前駆体をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。なお、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーではなく、前記前駆体をGPCで測定するのは、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーがGPCのフィルターを通過しないためである。
また、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点としては0℃以上が好ましく、10〜60℃がより好ましい。ここで、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点は、紫外線照射前後において、殆ど変化しない。すなわち、紫外線硬化後の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点は、紫外線硬化前の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点と実質同じである。紫外線硬化後の紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ前記融点以上の温度で相転移して流動性を示す。つまり、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、紫外線照射前および紫外線照射後のいずれの状態においても、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす。したがって、本実施形態の感温性粘着剤は、繰り返し使用することができる。
一方、前記感温性粘着剤の表面にエンボス加工を施し、凹凸形状を付与してもよい。これにより、被着体に対する接触面積を調整することができ、被着体からの剥離性を向上させることができる。弾性率を任意に調整することができない従来の感温性粘着剤に凹凸形状を付与すると、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すと同時に前記凹凸形状が崩れてしまう。本実施形態の感温性粘着剤は、紫外線硬化させて弾性率を高めることができるので、凹凸形状を維持しつつ粘着力を発現させることができる。紫外線の照射は、凹凸形状の有無にかかわらず、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの融点±10℃程度で行うのが好ましい。
また、前記感温性粘着剤には、例えばタッキファイヤー、可塑剤、老化防止剤等の各種の添加剤を添加することができる。前記感温性粘着剤の使用形態は、特に限定されるものではなく、例えばシート状の形態で使用することもでき、あるいは粘着剤に適当な溶剤を加えて、被着体に直接塗布して乾燥するようにしてもよい。
前記感温性粘着剤をシート状の形態にし、感温性粘着シートとして使用する場合には、その厚さを15〜400μm、好ましくは120〜150μmとするのがよい。前記粘着シートの厚さがあまり薄いと、粘着力が低下して被着体を貼着固定し難くなる。また、前記粘着シートの厚さがあまり大きいと、厚さの均一な粘着シートを調製し難くなる。
前記粘着シートの両面には、離型処理を施したフィルム、すなわち離型フィルムを設けるのが好ましい。前記離型フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等からなるフィルム表面に、シリコーン等の離型剤を塗布したものが挙げられる。粘着シートの両面に離型フィルムを設けるには、例えば粘着剤を溶剤に加えた塗布液を、離型フィルム上に塗布して乾燥させて粘着シートを得、この粘着シートの表面に離型フィルムを配置すればよい。
また、前記感温性粘着剤は、粘着テープの形態で使用することもできる。次に、本発明にかかる感温性粘着テープの一実施形態について説明する。本実施形態にかかる感温性粘着テープは、前記した本発明の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けてなる。
前記基材フィルムとしては、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムが挙げられる。
前記基材フィルムは、単層体または複層体からなるものであってもよく、厚さは、通常、5〜500μm程度である。基材フィルムには、粘着剤層に対する密着性を向上させるため、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等の表面処理を施すことができる。
基材フィルムの片面または両面に粘着剤層を設けるには、粘着剤を溶剤に加えた塗布液を、基材フィルムの片面に塗布して乾燥させればよい。前記塗布は、一般的にナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター等により行うことができる。また、塗工厚みや塗布液の粘度によっては、グラビアコーター、ロッドコーター等により行うこともできる。
粘着剤層の厚さとしては、5〜60μmであるのが好ましく、10〜60μmであるのがより好ましくは、10〜40μmであるのがさらに好ましい。片面の粘着剤層の厚さと、他面の粘着剤層の厚さとは、同じ厚さであってもよく、それぞれ異なる厚さであってもよい。
前記粘着テープは、片面の粘着剤層が前記感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層は、特に限定されるものではない。したがって、他面の粘着剤層として、例えば片面の粘着剤層と同様に、本発明の感温性粘着剤からなる粘着剤層を用いることもできる。この場合には、片面の粘着剤層の組成と、他面の粘着剤層の組成とは、同じ組成であってもよく、それぞれ異なる組成であってもよい。
また、他面の粘着剤層として、例えば感圧性接着剤のみからなる粘着剤層を用いることもできる。前記感圧性接着剤は、粘着性を有するポリマーであり、例えば天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン/ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。
本発明の感温性粘着剤の用途としては、特に限定されるものではなく、例えば粘着力の熱による可逆的な制御と、弾性率の調整とが要求される分野において、好適に用いることができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
<合成例>
まず、セチルメタクリレートを68部、メチルアクリレートを24部、アクリル酸を5部、2−ヒドロキシエチルアクリレートを3部、および重合開始剤としてパーブチルND(日油社製)を0.2部の割合で、それぞれ酢酸エチル:トルエン=5:5(重量比)の混合溶媒230部に加えて混合した。
ついで、この混合液を55℃で4時間撹拌し、これらのモノマーを重合させて側鎖結晶性ポリマーの溶液を得た。得られた側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は50万、融点は23℃であった。なお、前記重量平均分子量は、側鎖結晶性ポリマーをGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。また、前記融点は、側鎖結晶性ポリマーをDSCで10℃/分の測定条件で測定した値である。
得られた前記側鎖結晶性ポリマーの溶液を固形分換算で98.8部、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工(株)製の「MOI」)を1.2部、および触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ(DBTDL)を0.003部の割合で混合し、60℃で3時間撹拌した。ついで、この溶液の固形分の総量に対して0.1重量%の割合で多官能アジリジン(日本触媒社製の「PZ−33」)を添加して、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの前駆体溶液を得た。
この前駆体溶液100gに対して光重合開始剤(チバ・ジャパン社製の「IRGACURE 184」)を3g加え、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に塗布し、100℃で10分間乾燥させて架橋反応を行った。これにより、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーからなる厚さ20μmの粘着剤層が、PETフィルム片面に形成された感温性粘着テープを得た。得られた紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は50万、融点は23℃であった。なお、紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーの前記重量平均分子量は、前記前駆体溶液をGPCで測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
上記合成例で得た感温性粘着テープについて、紫外線照射前後における貯蔵弾性率G’および180°剥離強度を評価した。各評価方法を以下に示すとともに、その結果を表1に示す。
<貯蔵弾性率G’>
(紫外線照射前)
セイコーインスツルメンツ社(Seiko Instruments Inc.)製の動的粘弾性測定装置「DMS 6100」を用いて、10Hz、5℃/分、−100〜400℃の昇温過程において、10℃および80℃における粘着剤層の貯蔵弾性率G’を測定した。
(紫外線照射後)
80℃の雰囲気温度で前記粘着テープに紫外線を照射し、前記粘着剤層を硬化させた以外は、前記紫外線照射前と同様にして、80℃の雰囲気温度における粘着剤層の貯蔵弾性率G’を測定した。紫外線の照射は、スポットUV照射装置(ウシオ電機社製の「SP−7」)を用いて行った。
<180°剥離強度>
(紫外線照射前)
10℃および80℃の各雰囲気温度におけるステンレス鋼板に対する180°剥離強度を、JIS Z0237に準拠して測定した。具体的には、各雰囲気温度において、粘着テープをステンレス鋼板に貼着し、ロードセルにて300mm/分の速度で180°剥離した。
(紫外線照射後)
10℃および80℃の各雰囲気温度で前記粘着テープに紫外線を照射し、前記粘着剤層を硬化させた以外は、前記紫外線照射前と同様にして、10℃および80℃の各雰囲気温度における180°剥離強度を測定した。なお、紫外線の照射は、前記した貯蔵弾性率G’と同様にして行った。
Figure 0005486900
表2から明らかなように、紫外線照射後は、紫外線照射前よりも粘着剤層の貯蔵弾性率G’が高くなり、10℃における180°剥離強度の値が低くなっているのがわかる。この結果から、紫外線を照射することによって、粘着剤層が硬くなっているのがわかる。

Claims (6)

  1. 少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させて得られる側鎖結晶性ポリマーを含有し、該側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度で粘着力を発現する感温性粘着剤であって、
    前記側鎖結晶性ポリマーが、紫外線硬化性官能基を有し、かつ架橋剤で架橋された紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーであることを特徴とする感温性粘着剤。
  2. 前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、少なくとも炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートを重合させて得られる側鎖結晶性ポリマーと紫外線硬化性官能基を有する化合物とを反応させ、架橋剤で架橋反応して得られる請求項1記載の感温性粘着剤。
  3. 前記紫外線硬化型側鎖結晶性ポリマーは、前記融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度で流動性を示す請求項1または2記載の感温性粘着剤。
  4. 表面に凹凸形状を有する請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる感温性粘着シート。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤からなる粘着剤層を、基材フィルムの片面または両面に設けたことを特徴とする感温性粘着テープ。
JP2009254506A 2009-11-06 2009-11-06 感温性粘着剤 Active JP5486900B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009254506A JP5486900B2 (ja) 2009-11-06 2009-11-06 感温性粘着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009254506A JP5486900B2 (ja) 2009-11-06 2009-11-06 感温性粘着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011099042A JP2011099042A (ja) 2011-05-19
JP5486900B2 true JP5486900B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=44190496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009254506A Active JP5486900B2 (ja) 2009-11-06 2009-11-06 感温性粘着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5486900B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6147105B2 (ja) * 2013-06-10 2017-06-14 ニッタ株式会社 感温性粘着シート、感温性粘着テープおよび粘着シート形成方法
CN106133102B (zh) * 2014-03-25 2019-08-20 霓达株式会社 感温性粘合剂
JP6393510B2 (ja) * 2014-04-24 2018-09-19 ニッタ株式会社 感温性粘着剤組成物
CN107406737B (zh) * 2015-04-01 2020-03-17 霓达株式会社 感温性粘合剂组合物
WO2016158414A1 (ja) * 2015-04-03 2016-10-06 ニッタ株式会社 感温性粘着テープおよび感温性粘着シート
JP6829142B2 (ja) * 2017-04-21 2021-02-10 ニッタ株式会社 感温性粘着剤および被加工物の加工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254590A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Nippon Steel Chem Co Ltd ダイボンドダイシングフィルム
JP5118350B2 (ja) * 2007-01-26 2013-01-16 ニッタ株式会社 粘着剤
JP2009256607A (ja) * 2008-03-17 2009-11-05 Nitto Denko Corp アクリル系粘着剤、アクリル系粘着剤層、アクリル系粘着テープ又はシート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011099042A (ja) 2011-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI707937B (zh) 黏著片材
JP5639438B2 (ja) 感温性粘着剤
TWI617641B (zh) 感溫性黏著劑
JP5486900B2 (ja) 感温性粘着剤
TWI486417B (zh) A polarizing plate adhesive composition, and a polarizing plate obtained by using the polarizing plate
JP2003049141A (ja) 偏光板用粘着剤組成物
JP2010202833A (ja) 電子部品加工用粘着テープ
JP6546910B2 (ja) 感温性粘着剤
JP2011037944A (ja) 感温性粘着剤および感温性粘着テープ
JP6116368B2 (ja) 感温性粘着剤
WO2019044605A1 (ja) 感温性粘着剤、感温性粘着シートおよび感温性粘着テープ
JP6996326B2 (ja) ポリ塩化ビニル用粘着剤および粘着シート
JP6247571B2 (ja) 粘着剤組成物及び両面粘着材
JP2686324B2 (ja) 感圧性接着剤組成物
JP6898226B2 (ja) 感温性粘着剤組成物
JP2012149200A (ja) 粘着テープ
JP2015214636A (ja) 粘着剤組成物
JP5002777B2 (ja) アクリル系粘着テープの製法およびアクリル系粘着テープ
JP6479540B2 (ja) 感温性粘着剤
JP2005196006A (ja) アクリル系粘着剤層を有する偏光板又は位相差板
JP6147105B2 (ja) 感温性粘着シート、感温性粘着テープおよび粘着シート形成方法
JP2020128492A (ja) 粘着シート及び積層体
JP3091783B2 (ja) 光重合性接着剤組成物とこれを用いた感圧性接着剤およびその接着シ―ト
JP6898227B2 (ja) 感温性粘着テープおよび感温性粘着シート
TW201843275A (zh) 感溫性黏著劑

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5486900

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150