JP2018178060A - 感温性粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性および高温に加熱された後の剥離性に優れる感温性粘着剤を提供することである。
【解決手段】側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む、感温性粘着剤である。前記メチル(メタ)アクリレートをモノマー成分中に5〜70重量%の割合で含んでもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、感温性粘着剤に関する。
感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有しており、側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却されると、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する粘着剤である。感温性粘着剤は、シート、テープなどに加工されて、フラットパネルディスプレイ(FPD)などの製造工程において、ガラス、プラスチックなどからなる基板を仮固定するときに使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような用途に使用される感温性粘着剤は、工程によっては200℃以上、特に250℃以上の高温に加熱されることがあるため、耐熱性が要求される。具体的には、250℃以上の高温における基板の浮き抑制などが要求される。また、250℃以上の高温に加熱された後の剥離性も要求される。
特開2012−102212号公報
本発明の課題は、耐熱性および高温に加熱された後の剥離性に優れる感温性粘着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む、感温性粘着剤。
(2)前記メチル(メタ)アクリレートをモノマー成分中に5〜70重量%の割合で含む、前記(1)に記載の感温性粘着剤。
(3)前記ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分中に5〜35重量%の割合で含む、前記(1)または(2)に記載の感温性粘着剤。
(4)250℃で1時間を経た後の5℃におけるポリイミドフィルムに対する180°剥離強度が、0.25N/25mm以下である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(5)フラットパネルディスプレイの製造工程における基板の仮固定用である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の感温性粘着剤。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
(7)フィルム状の基材と、前記基材の少なくとも片面に積層されており前記(1)〜(5)のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
本発明によれば、耐熱性および高温に加熱された後の剥離性に優れるという効果がある。
実施例における熱重量分析の結果を示すグラフである。
<感温性粘着剤>
以下、本発明の一実施形態に係る感温性粘着剤について詳細に説明する。
本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを含有する。側鎖結晶性ポリマーは、融点を有するポリマーである。融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていた重合体の特定部分が無秩序状態になる温度であり、示差熱走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の測定条件で測定して得られる値のことを意味するものとする。
側鎖結晶性ポリマーは、上述した融点未満の温度で結晶化し、かつ融点以上の温度では相転移して流動性を示す。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こす感温性を有する。
本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する。言い換えれば、本実施形態の感温性粘着剤は、融点未満の温度で側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに粘着力が低下する割合で、側鎖結晶性ポリマーを含有する。つまり、本実施形態の感温性粘着剤は、側鎖結晶性ポリマーを主成分として含有する。したがって、感温性粘着剤から被着体を剥離するときは、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却すれば、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによって粘着力が低下する。また、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点以上の温度に加熱すれば、側鎖結晶性ポリマーが流動性を示すことによって粘着力が回復するので、繰り返し使用することができる。
側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む。炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートは、その炭素数16以上の直鎖状アルキル基が側鎖結晶性ポリマーにおける側鎖結晶性部位として機能する。すなわち、側鎖結晶性ポリマーは、側鎖に炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する櫛形のポリマーであり、この側鎖が分子間力などで秩序ある配列に整合されることによって結晶化する。
炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどの炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。例示した(メタ)アクリレートは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのことを意味するものとする。
モノマー成分中、すなわち側鎖結晶性ポリマーを構成する全モノマー成分中における炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの割合は、例えば、25〜60重量%である。
ここで、本実施形態の側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートに加えて、メチル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む。言い換えれば、本実施形態の側鎖結晶性ポリマーは、少なくとも、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートと、メチル(メタ)アクリレートと、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートとの共重合体である。
上述した構成によれば、優れた耐熱性を発揮することができ、高温に加熱された後の剥離性に優れるという効果も得られる。具体的には、基板などの被着体を固定した状態で250℃以上の高温に加熱されても、被着体の浮き発生などを抑制することができる。また、後述する実施例に記載の測定方法で測定して得られる250℃で1時間を経た後の5℃におけるポリイミドフィルムに対する180°剥離強度が、0.25N/25mm以下になる。したがって、本実施形態の感温性粘着剤は、FPDの製造工程における基板の仮固定用として好適に使用することができる。
耐熱性および高温に加熱された後の剥離性に優れるという効果が得られる理由としては、次のような理由が推察される。通常、高温に加熱されると凝集力が低下して流動性が増加するため、耐熱性が低下しやすく、また、側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに発現するアンカー効果が強くなって剥離性も低下しやすい。感温性粘着剤を上述した構成にすると、200℃以上、特に250℃以上の高温において熱劣化しにくくなる。高温において熱劣化しにくくなると、高温で凝集力が低下しにくくなることから、優れた耐熱性を発揮することができる。また、高温に加熱されても流動性の増加が少なく、側鎖結晶性ポリマーが結晶化したときに極端なアンカー効果が発現しにくくなる。その結果、高温に加熱された後でも優れた剥離性を発揮することができる。
上述したモノマー成分のうちメチル(メタ)アクリレートは、主として感温性粘着剤に凝集力を付与する成分として機能する。モノマー成分中におけるメチル(メタ)アクリレートの割合は、例えば、5〜70重量%である。
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートは、主として感温性粘着剤の耐熱性を高める成分として機能する。モノマー成分中におけるジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの割合は、例えば、5〜35重量%である。
一方、側鎖結晶性ポリマーを構成するモノマー成分には、上述したモノマー以外の他のモノマーが含まれていてもよい。他のモノマーとしては、例えば、極性モノマー、反応性フッ素化合物などが挙げられる。
極性モノマーをモノマー成分として含むと、感温性粘着剤の粘着物性を調整することができる。極性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和単量体などが挙げられる。例示した極性モノマーは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。モノマー成分中における極性モノマーの割合は、例えば、1〜10重量%である。
反応性フッ素化合物をモノマー成分として含むと、感温性粘着剤を側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度に冷却すれば、側鎖結晶性ポリマーが結晶化することによる粘着力の低下に加えて、フッ素化合物に起因する離型性も加わるので、粘着力を大きく低下させることができる。
反応性フッ素化合物とは、反応性を示す官能基を有するフッ素化合物のことを意味するものとする。反応性を示す官能基としては、例えば、エポキシ基(グリシジル基およびエポキシシクロアルキル基を含む)、メルカプト基、カルビノール基(メチロール基)、カルボキシル基、シラノール基、フェノール基、アミノ基、水酸基、エチレン性不飽和二重結合を有する基などが挙げられる。エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられる。
反応性フッ素化合物の具体例としては、下記一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2018178060
[式中、R1は基:CH2=CHCOOR2−またはCH2=C(CH3)COOR2−(式中、R2はアルキレン基を示す。)を示す。]
2が示すアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などの炭素数1〜6の直鎖または分岐したアルキレン基などが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、下記式(Ia)で表される2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、式(Ib)で表される2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどが挙げられる。
Figure 2018178060
上述した反応性フッ素化合物は、市販品を用いることができる。市販の反応性フッ素化合物としては、例えば、いずれも大阪有機化学工業社製の「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」、「ビスコート4F」、「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、共栄社化学社製の「ライトエステルM−3F」などが挙げられる。
反応性フッ素化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。モノマー成分中における反応性フッ素化合物の割合は、例えば、1〜10重量%である。
上述した極性モノマーおよび反応性フッ素化合物をモノマー成分としてさらに含むとき、モノマー成分中における各モノマーの割合は、例えば、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが23〜40重量%、メチル(メタ)アクリレートが5〜70重量%、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが5〜35重量%、極性モノマーが1〜10重量%、および反応性フッ素化合物が1〜10重量%である。
モノマーの重合方法としては、例えば、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられる。溶液重合法を採用する場合には、モノマーと溶媒とを混合し、必要に応じて重合開始剤、連鎖移動剤などを添加して、撹拌しながら40〜90℃程度で2〜10時間程度反応させればよい。
側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量は、例えば、100000以上、好ましくは300000〜900000、より好ましくは400000〜700000である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
側鎖結晶性ポリマーの融点は、例えば、0℃以上、好ましくは10〜60℃である。融点は、側鎖結晶性ポリマーの組成などを変えることによって調整することができる。
本実施形態の感温性粘着剤は、架橋剤をさらに含有していてもよい。架橋剤としては、例えば、金属キレート化合物、アジリジン化合物、イソシアネート化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。例示した架橋剤のうち金属キレート化合物を採用すると、耐熱性を向上させることができる。
金属キレート化合物としては、例えば、多価金属のアセチルアセトン配位化合物、多価金属のアセト酢酸エステル配位化合物などが挙げられる。多価金属としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウムなどが挙げられる。金属キレート化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルミニウムのアセチルアセトン配位化合物またはアセト酢酸エステル配位化合物が好ましく、アルミニウムトリスアセチルアセトナートがより好ましい。
架橋剤の含有量は、側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部である。
架橋反応は、感温性粘着剤に架橋剤を加えた後、加熱することによって行うことができる。具体的には、温度が90〜110℃程度であり、時間が1分〜20分程度である。
上述した感温性粘着剤の使用形態は、特に限定されず、例えば、そのまま使用してもよいし、下記で説明するように、粘着シート、粘着テープなどの形態で使用してもよい。
<感温性粘着シート>
本実施形態の感温性粘着シートは、上述した感温性粘着剤を含むものであり、基材レスのシート状である。感温性粘着シートの厚さは、例えば、5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
感温性粘着シートの表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどからなるフィルムの表面に、シリコーンなどの離型剤を塗布したものが挙げられる。離型フィルムの厚さは、例えば、5〜500μm、好ましくは25〜250μmである。離型フィルムは、感温性粘着シートの使用時に剥離される。
<感温性粘着テープ>
本実施形態の感温性粘着テープは、フィルム状の基材と、基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層とを備えている。フィルム状とは、フィルム状のみに限定されるものではなく、本実施形態の効果を損なわない限りにおいて、フィルム状ないしシート状をも含む概念である。
基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、エチレンポリプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂が挙げられる。
基材の構造は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。基材の厚さは、例えば、5〜500μm、好ましくは25〜250μmである。基材は、粘着剤層に対する密着性を高めるうえで、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理などが挙げられる。
基材の少なくとも片面に積層されている粘着剤層は、上述した感温性粘着剤を含むものである。粘着剤層を基材の少なくとも片面に積層するには、例えば、感温性粘着剤に溶剤を加えて塗布液を調製し、得られた塗布液をコーターなどで基材の片面または両面に塗布して乾燥させればよい。コーターとしては、例えば、ナイフコーター、ロールコーター、カレンダーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ロッドコーターなどが挙げられる。
粘着剤層の厚さは、例えば、5〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
基材の両面に粘着剤層を積層する場合には、片面の粘着剤層と他面の粘着剤層は、互いの厚さ、組成などが、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、片面の粘着剤層が上述した感温性粘着剤からなる限り、他面の粘着剤層は特に限定されない。他面の粘着剤層は、例えば、感圧性接着剤で構成することもできる。感圧性接着剤としては、例えば、天然ゴム接着剤、合成ゴム接着剤、スチレン−ブタジエンラテックスベース接着剤、アクリル系接着剤などが挙げられる。
感温性粘着テープの表面には、離型フィルムを積層してもよい。離型フィルムとしては、上述した感温性粘着シートで例示したのと同じものが挙げられる。離型フィルムは感温性粘着テープの使用時に剥離される。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。
(合成例および比較合成例1〜4:側鎖結晶性ポリマー)
まず、表1に示すモノマーを表1に示す割合で反応容器に加えた。表1に示すモノマーは、以下のとおりである。
C18A:ステアリルアクリレート
C1A:メチルアクリレート
FA513AS:日立化成社製のジシクロペンタニルアクリレート「FA−513AS」
CHMA:日油社製のシクロヘキシルメタクリレート「ブレンマーCHMA」
IBXA:大阪有機化学工業社製のイソボルニルアクリレート「IBXA」
BZA:大阪有機化学工業社製のベンジルアクリレート「ビスコート#160」
AA:アクリル酸
V3F:上述した式(Ia)で表される2,2,2−トリフルオロエチルアクリレートである大阪有機化学工業社製の反応性フッ素化合物「ビスコート3F」
次に、固形分濃度が30重量%になるように酢酸エチル:トルエン=75:25(重量比)の混合溶媒を反応容器に加え、混合液を得た。得られた混合液を55℃で4時間撹拌することによって各モノマーを共重合させ、側鎖結晶性ポリマーを得た。
合成例および比較合成例1〜4で得られた各側鎖結晶性ポリマーの重量平均分子量および融点を表1に示す。なお、重量平均分子量は、GPCで測定して得られた測定値をポリスチレン換算した値である。融点は、DSCを用いて10℃/分の測定条件で測定した値である。
Figure 2018178060
[実施例および比較例1〜4]
<感温性粘着シートの作製>
まず、合成例および比較合成例1〜4で得られた各々の側鎖結晶性ポリマー100重量部に対して、架橋剤を3重量部の割合で混合し、感温性粘着剤を得た。使用した架橋剤は、以下のとおりである。
架橋剤:金属キレート化合物である川研ファインケミカル社製のアルミニウムトリスアセチルアセトナート
次に、得られた感温性粘着剤を酢酸エチルによって固形分濃度が30重量%となるように調整し、塗布液を得た。そして、得られた塗布液を離型フィルム上に塗布し、100℃×10分の条件で架橋反応を行い、厚さ25μmの感温性粘着シートを得た。なお、離型フィルムは、表面にシリコーンが塗布された厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
<評価>
実施例および比較例1〜4で得られた各感温性粘着シートについて、剥離性、耐熱性および熱重量分析(TGA)の評価を行った。各評価方法を以下に示す。また、剥離性および耐熱性の結果を表2に示し、熱重量分析の結果を図1に示す。
(剥離性)
剥離性は、250℃で1時間を経た後の5℃におけるポリイミドフィルムに対する180°剥離強度をJIS Z0237に準拠して測定することで評価した。具体的には、まず、50℃の雰囲気温度において、感温性粘着シートを2kgのゴムローラーを使用してガラス板に貼着した。次に、200℃×10分の条件で感温性粘着シートを脱ガス処理した。その後、雰囲気温度を50℃に下げ、この雰囲気温度で感温性粘着シートにポリイミドフィルムを貼着して試験片を得た。
得られた試験片を250℃のホットプレート上に1時間載置した後、5℃のクールプレート上に20分間載置した。そして、ロードセルを用いて300mm/分の速度でポリイミドフィルムを感温性粘着シートから180°剥離した(n=3)。この測定結果から、剥離性を評価した。評価基準は、以下のように設定した。
○:180°剥離強度が、0.25N/25mm以下である。
△:180°剥離強度が、0.25N/25mmよりも大きく、かつ0.4N/25mm以下である。
×:180°剥離強度が、0.4N/25mmよりも大きい。
(耐熱性)
まず、上述した剥離性の評価と同様にして試験片を得た。次に、得られた試験片を50℃で3分間静置した後、250℃の熱風循環オーブン中で30分間加熱した。そして、試験片の状態を室温(23℃)で目視観察することによって耐熱性を評価した。評価基準は、以下のように設定した。
〇:ポリイミドフィルムに浮きが見られなかった。
×:ポリイミドフィルムに浮きが見られた。
(熱重量分析)
各感温性粘着シートについて、温度変化に伴う重量変化を測定した。測定条件は、以下のとおりである。
測定機器:日立ハイテク社製の「TG/DTA6200」
加温範囲:30〜300℃
昇温レート:10℃/分
その他:250ml/分の窒素雰囲気下
Figure 2018178060
表2から明らかなように、実施例は、耐熱性および高温に加熱された後の剥離性に優れているのがわかる。また、図1から明らかなように、実施例は、200℃以上、特に250℃以上の高温に加熱されたときの熱劣化を抑制できていることがわかる。

Claims (7)

  1. 側鎖結晶性ポリマーを含有し、前記側鎖結晶性ポリマーの融点未満の温度で粘着力が低下する感温性粘着剤であって、
    前記側鎖結晶性ポリマーは、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分として含む、感温性粘着剤。
  2. 前記メチル(メタ)アクリレートをモノマー成分中に5〜70重量%の割合で含む、請求項1に記載の感温性粘着剤。
  3. 前記ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートをモノマー成分中に5〜35重量%の割合で含む、請求項1または2に記載の感温性粘着剤。
  4. 250℃で1時間を経た後の5℃におけるポリイミドフィルムに対する180°剥離強度が、0.25N/25mm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  5. フラットパネルディスプレイの製造工程における基板の仮固定用である、請求項1〜4のいずれかに記載の感温性粘着剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む、感温性粘着シート。
  7. フィルム状の基材と、
    前記基材の少なくとも片面に積層されており請求項1〜5のいずれかに記載の感温性粘着剤を含む粘着剤層と、を備える、感温性粘着テープ。
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