JP4579363B2 - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

半導体加工用粘着テープ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種半導体を製造する際のバックグラインド工程において、工程中では半導体ウエハの回路パターンが形成された面を保護しかつ工程終了後には容易にバックグラインドされた半導体ウエハから剥離できる粘着テープ、及びパターンを形成した半導体ウエハを一つ一つのパターン毎に裁断し半導体素子として分割するダイシング工程で使用する半導体ウエハ固定用の粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体を製造する際のバックグラインド工程では、通常、回路パターンが形成されたウエハの裏面を研削して、用途に応じた厚さに調製することが行われている。例えば、5〜8インチφのウエハでは、厚さ700μm程度に研削される。ウエハ裏面の研削を行なう際には、ウエハが破損したり、回路形成面が汚染することを防ぐため、回路パターン面に粘着テープを貼着する方法が知られている。半導体表面保護用粘着テープは、一般に基材フィルム上に粘着剤層を設けてなるものであり、研削時には回路パターン面を保護するために十分な粘着力を有し、かつ剥離時には容易に剥離できることが求められている。
また回路パターンの形成された半導体ウエハを素子小片に切断分離するダイシング加工を行なう場合において、ダイシング加工時は強粘着力を有し、半導体ウエハを素子小片に切断分離後、素子固定粘着力を大幅に低下させ、容易に素子小片をピックアップする事が出来るようにすることが行われている。
【0003】
これらの課題を解決する方法として、バックグラインド加工時またはダイシング加工時は粘着力が高く剥離のおそれなく加工でき、加工終了後は冷却することにより剥離が容易な粘着テープが特開平7−263381号公報、特開平9−249858号公報、特開平10−310749号公報に開示されている。
特開平7−263381号公報、特開平9−249858号公報に記載の粘着テープは、フィルム状支持体上に粘着層として、融点範囲が15Kより狭い側鎖結晶性ポリマーを用いたものであり、室温以下の温度ではこのポリマーが結晶化しほぼ非粘着性、またそれより上の温度ではこのポリマーが融解し粘着性を発現させる原理を利用したものである。
一般にダイシング加工時には高速でウエハを切断することが行われ、バックグラインド加工時にはグラインダー(砥石)で高速でウエハを研削するため発熱する。そのため水冷処理により発熱の除去が行われるが、その水温の厳密な温度管理は困難であり、冬場と夏場の水温は異なる。したがって上記の側鎖結晶性ポリマーを粘着層に有するテープは冬場では洗浄時の粘着性が消失し密着不足になる一方で、夏場は剥離時に粘着剤が凝集破壊し、ウエハ表面や素子表面への粘着剤の汚染が著しい場合がある。
【0004】
近年、ダイシングするチップが小片化・薄型化の方向にあり、上記ダイシング工程の半導体ウエハ切断時にチップ飛びやチップ割れ・かけが発生し、所謂チッピングが起こる。このチッピングを防ぐ方法として粘着力を増大させてウエハを保持する方法もあるが、粘着力を上げることは冷却剥離時におけるウェハ表面への汚染を起こすことがあり、この点の改良も大きな問題となっていた。
また、半導体集積回路の大容量化及び高集積化等によるチップの高性能化が図られるに伴い、チップ裏面の汚染も半導体集積回路の電気特性に影響を与えられることが危惧されており、このため、半導体ウエハ表面保護粘着テ−プには、よりチップの裏面への汚染が少ないものが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、夏場と冬場で洗浄水の水温の厳しい温度管理が不要であり、さらにダイシング工程で使用する場合には半導体ウエハ切断時にチップ飛びやチップ割れ・かけが発生することなく、また表面保護工程で使用する場合には半導体ウェハ剥離後におけるウェハの汚染が少なく加工できる半導体加工用テープを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、特定の第1次溶融転移温度および融解範囲を有する側鎖結晶性の共重合体を主成分とした材料を粘着剤層に有するテープがダイシング工程およびバックグラインド工程で使用される冷却水の1年間を通じた温度変化に関係なく使用でき、ダイシング工程においては半導体チップ飛散を防止でき、また表面保護工程においては回路面の汚染を低減することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明においては、下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーCH2=CR1COOR2 ………(1)
(R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム状支持体上に形成されており、
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ラウリルメタクリレートとセチルメタクリレートとの組み合わせまたは、ステアリルアクリレートとラウリルアクリレートとの組み合わせであることを特徴とする半導体加工用粘着テープ、が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の半導体加工用粘着テープには、下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー
CH2=CR1COOR2 ………(1)
(R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
90〜99重量%並びに上記一般式以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム状支持体上に形成されている。
なお本発明においては、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のいずれかを指すものである。
本発明において、下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー
CH2=CR1COOR2 ………(1)
(R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
としては、具体的にはラウリルメタクリレート(R1=CH3、R2=C1225)とセチルメタクリレート(R1=CH3、R2=C1633)との組み合わせ、ステアリルアクリレート(R1=H、R2=C1837)とラウリルアクリレート(R1=H、R2=C1225)との組み合わせ等を挙げることができ、その配合量は90〜99重量%とされる。前記(メタ)アクリル酸エステルはホモポリマーとした場合に、最大と最小の融点の差が35K以上であるように選択することが好ましい。
【0009】
本発明における一次溶融転移温度とは、加熱前は秩序ある配列に整合されているポリマーの特定の部分が加熱されることによって無秩序状態となる温度である。図1をもって、本発明における粘着剤層の一次溶融転移温度、融解温度範囲を説明する。本発明の粘着剤層のDSC測定を通常の条件に従い、昇温速度10℃/分、空気雰囲気下で行うと、図1に示すような融解−温度曲線が得られる。本発明の半導体加工用粘着テープにおける粘着剤は温度の上昇とともに、大きな吸熱ピークを示す。吸熱ピークが観察される前後はほとんど融解−温度曲線は平坦であり、吸熱前の融解−温度曲線が平坦な部分の点Aと吸熱後の融解−温度曲線が平坦な部分の点Bを直線で結ぶ。この直線をベースラインとする。点Aからさらに温度を上げると、熱量−温度曲線の勾配は最大となる。この点Cで接線を引き、その接線が前記ベースラインと交わる点が融解開始温度Tiである。点Cを越えてさらに温度上昇させると、吸熱曲線はピークに達する。この点が一次溶融転移温度Tmである。さらに温度上昇させると、融解完了点Bに達する。このときの温度が融解完了温度Teである。したがって、本発明における融解温度範囲は図1の融解完了温度Teと融解開始温度Tiとの差をもって表す。
【0010】
一次溶融転移温度を10〜30℃とすることにより、ダイシング・バックグラインド工程で10℃以下に冷却することによりウエハに対して易剥離となり、冷却水の1年間を通じた温度変化に対応可能な特性を実現でき、ダイシング工程の半導体ウエハ切断時にチップ飛びやチップ割れ・かけの発生を防止する特性に優れることが可能になる。
【0011】
前記粘着剤に使用される共重合体には、粘着力等の制御及び粘着剤の凝集力を向上させ表面汚染を防止する目的で、下記一般式の(メタ)アクリル酸エステルCH2=CR1COOR2 ………(1)
(RはHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが前記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに共重合される。具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−シアノエチル、アクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー
CH2=CR1COOR2 ………(1)
(R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合して得られたベースポリマーは、実質的に結晶性を示すものであればよい。R2は具体的には炭素数が12以上の直鎖のアルキル基の他に、分岐を有するアルキル基であってもよく、共重合体が結晶性を示すものであればよい。
【0013】
前記粘着剤には、必要に応じて硬化剤を配合することができる。例えば、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネ−ト系化合物を使用することができる。
表面保護テープとして使用する場合には、回路面の凹凸に対応できるような粘着力が必要であり、そのため硬化剤を配合することが望ましく、その場合の硬化剤の配合量は、前記共重合体100重量部に対して、0.05〜5重量部であることが好ましい。さらには、0.05〜0.7重量部であることが好ましい。
【0014】
本発明に用いるフィルム状支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、またはポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。またはこれらの群から選ばれる2種以上が混合されたものでもよく、粘着剤層との接着性によって任意に選択することができる。その構成は単一層でも多層でもよい。特に好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルムが好ましい。フィルム状支持体の厚みは10〜300μmが適当である。さらに好ましくは10〜200μmが好適に使用される。フィルム状支持体は、粘着剤との密着性を高める目的から、物理的または化学的処理のいずれかまたは両方の処理をしたほうが好ましい。物理的処理を例示すると、サンドブラスト、研磨処理等があり、化学処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。処理と効果の兼ね合いからコロナ処理がより好ましい。
【0015】
本発明の半導体加工用粘着テープは、冷却水の1年間を通じた温度変化に適用可能であり、ダイシング加工時に使用した場合には、ダイシング時にパターンを形成した半導体ウエハを一つ一つのパターン毎に裁断する際のチッピングを低減させて分割素子のかけや割れをなくすことができる。その理由としては粘着剤の低融点成分がウエハ加工時の粘着力やタックを高めてチップ飛びを防ぐ一方で、高融点成分が粘着剤の凝集力を高め剥離時の表面汚染を低減化させる効果があるものと推察される。
また表面保護テープとして使用した場合には、低融点成分が裏面研削時の粘着力やタックを高め、研削水あるいはダストの侵入を防ぐ一方で、高融点成分が粘着剤の凝集力を高め剥離時の表面汚染を低減化させる効果があるものと推察される。本発明の半導体加工用粘着テープにおいては、ダイシング工程で使用する場合も表面保護工程で使用する場合も粘着剤層の厚さは5〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmとすることができる。
【0016】
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。例中、部とは特に断らない限り重量部を意味する。
【0017】
<ダイシング加工用テープの実施例>
(実施例1)ラウリルメタクリレート(ホモポリマ−の融点−34℃)10部、セチルメタクリレート(ホモポリマ−の融点20℃)85部及びアクリル酸5部からなる粘着剤を溶液重合により共重合して、不揮発分41%からなる粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが24μmになるよう塗工し、半導体ウエハダイシング用テープを得た。得られたテープを空気中雰囲気下で10℃/分でDSC(セイコ−電子工業株式会社製 ロボットDSC RDC220)測定を行ったところ、粘着剤の融点と融解範囲は、それぞれ19.7℃で25.0Kであった。
(実施例2)ステアリルアクリレート(ホモポリマーの融点42℃)45部、ラウリルアクリレート(ホモポリマ−の融点2℃)50部、アクリル酸5部及び2−ヒドロキシエチルアクリレート1.5部からなる粘着剤を溶液重合により共重合して、不揮発分41%からなる粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが33μmになるよう塗工し、半導体ウエハダイシング用テープを得た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は25.9℃で融解範囲は26.2Kであった。
(比較例1)ラウリルアクリレート95部(ホモポリマーの融点2℃)、アクリル酸5部からなる粘着剤を溶液重合により共重合して、不揮発分41%からなる粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたポリエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmの半導体ウエハダイシング用テープを得た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は1.7℃で融解幅は27Kであった。
(比較例)ラウリルアクリレート(ホモポリマーの融点2℃)45部、セチルアクリレーート(ホモポリマーの融点33℃)50部、アクリル酸5部からなる粘着剤を溶液重合により共重合して、不揮発分41%からなるベ−スポリマ−の溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmの半導体ウエハダイシング用テープを得た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は21.6℃で融解幅は13.0Kであった。
【0018】
このようにして得られた粘着テープについて、チップ飛び、裏面チッピング、25℃および5℃での粘着力を評価した。
(チップ飛び、裏面チッピング)
粘着テープをシリコンウエハ(厚さ500μm)に固定し、ダイシングソーで2×2mmの大きさにフルカットした。スピンドル回転数は45000rpm、送り速度は100m/sとした。その際フルカットされたチップの飛びが生じるか否かをチップ飛びとして評価した。また、ダイシングしたウエハについて、テープに貼付されたウエハ表面を光学顕微鏡で観察し、チップのかけの状態を調べ、最大カケの大きさで裏面チッピング性を判定し、45μm未満ものを○、45μm以上のものを×とした。
(25℃および5℃での粘着力)
25mm幅の短冊状に切断した上記テープを、SUS板に貼着し、JIS Z−0237(1991)に準拠し、剥離速度300mm/minの条件で25℃及び5℃での180゜引き剥がし法による粘着力を測定した(単位;N/25mm幅)。
以上の結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004579363
【0020】
実施例1、2は、25℃での粘着力が高く裏面チッピングも優れている。融点が10℃以下の粘着剤を適用した比較例1では、裏面チッピングが発生し、5℃での粘着力も高く粘着剤の凝集破壊が観察された。比較例では融解幅が狭いので、融点が21.6℃であるにもかかわらず、粘着剤層の凝集破壊が起こり、裏面チッピングも発生した。
【0021】
<表面保護テープの実施例>
(合成例1)ステアリルアクリレート(ホモポリマーの融点42℃)45重量部、ラウリルアクリレート(ホモポリマーの融点2℃)50重量部、アクリル酸5重量部を溶液重合により共重合して、不揮発成分41%からなる粘着剤溶液を得た。得られたベ−スポリマ−の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)で測定したところ、ポリスチレン換算で110万であった。DSCにより評価された融点と融解範囲はそれぞれ25.7℃、26.2Kであった。
(実施例3)合成例1で得られた粘着剤溶液100重量部に、エポキシ系硬化剤:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン0.05重量部(三菱ガス化学社製
商品名:TETRAD(R)−X)を配合し、酢酸エチルを加えて固形分が30%になるように調整した溶液を調製し、この溶液をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚み100μm)に塗布し、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるよう塗工し、半導体ウエハ表面保護用粘着テ−プを作製した。
(比較例)ラウリルアクリレート95部、アクリル酸5部からなる粘着剤をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmの半導体ウエハ表面保護用テープを得た。実施例と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は1.7℃で融解幅は27Kであった。
(比較例)ステアリルアクリレート100部からなる粘着剤をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが40μmの半導体ウエハ表面保護用テープを得た。実施例と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は42℃で融解幅は4Kであった。
(比較例)ラウリルアクリレート(ホモポリマ−の融点2℃)45部、セチルアクリレート(ホモポリマ−の融点33℃)50部、アクリル酸5部からなる粘着剤をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmの半導体ウエハ表面保護用テープを得た。実施例と同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は21.6℃で融解幅は13.0Kであった。
【0022】
このようにして得られた粘着テープについて、粘着力および異物付着量を評価した。
(25℃および5℃での粘着力)
25mm幅の短冊状に切断した粘着テープを、SUS板に貼着し、JIS Z−0237(1991)に準拠し、剥離速度300mm/minの条件で25℃及び5℃での180゜引き剥がし法による粘着力を測定した(単位;N/25mm幅)。
(異物付着量)
粘着テープをシリコンウエハ鏡面(5インチφ)に貼合し、1時間放置後、水冷式電子クーラーによりウエハ表面温度が14℃になるように冷却し、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離した。半導体ウエハ表面保護用粘着テ−プが貼着されていたウエハ表面に残留している異物の個数をレーザー表面検査装置(サーフスキャン6420:KLA・Tencol(株)製)によって測定し、100個未満のものを○、100個以上のものを×と評価した。
以上の結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
Figure 0004579363
【0024】
表2からわかるように、実施例では、10〜30℃の間に融点を持ちその融解範囲が20Kより広いので、5℃に冷却することにより易剥離となり、異物の残留量もごくわずかであった。それに対して比較例では、融点が10℃より低いため、剥離したときに粘着剤層の凝集破壊が発生し、結果として表面汚染性は悪くなった。また比較例では、融点が30℃以上で融解幅が20Kよりせまいため、ウエハに粘着せず、結果として粘着テープとしての機能が発揮されなかった。また比較例では、融点が21.6℃であるにもかかわらず、融解範囲が20Kより狭くなり、粘着剤層の凝集破壊が起こり、結果として表面汚染は悪くなった。
【0025】
【本発明の効果】
本発明の半導体加工用テープをダイシング時に使用した場合には、半導体ウエハを一つ一つのパターン毎に裁断する際のチッピングを低減させて分割素子のかけや割れをなくすとともに強固な粘着力を有し、10℃以下の温度雰囲気下にすると粘着剤層が非粘着性になり容易に分割素子をピックアップできる。
また表面保護テープとして使用した場合には、研削・洗浄時には半導体回路面を保護し、10℃以下の温度雰囲気下にした場合に、半導体回路面の汚染を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体加工用粘着テープにおける粘着層についてのDSCによる融解−温度曲線の測定結果の一例を示す図。
【符号の説明】
A…融解開始前の点
B…融解開始後の点
C…熱量−温度曲線の勾配が最大となる点
Ti…融解開始温度
Tm…一次溶融転移温度
Te…融解完了温度

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー
    CH2=CR1COOR2 ………(1)
    (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のアルキル基)
    90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム状支持体上に形成されており、
    前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーが、ラウリルメタクリレートとセチルメタクリレートとの組み合わせまたは、ステアリルアクリレートとラウリルアクリレートとの組み合わせであることを特徴とする半導体加工用粘着テープ。
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