JP6264865B2 - ダイシングフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ダイシングフィルムに関する。より詳細に、本発明は、半導体用シリコンウエハやパッケージをダイシングソーで切削しチップ化する際に発生する切削水の侵入を抑制できるダイシングフィルムに関する。
半導体ウエハ加工用シートの一種であるダイシングフィルムは、半導体用シリコンウエハやパッケージをカットし、チップに切削する時に、半導体用シリコンウエハ等の被着体に接着して、切削されたチップを保持しピックアップするために用いられている。
このため、ダイシングフィルムは、切削されたチップの保持性能が良いこと、ピックアップしやすいこと、等が求められている。
この様なダイシングフィルムを含む半導体ウエハ加工用シートとして、例えば、特許文献1〜4が知られている。
特許文献1には、半導体ウエハに対する粘着力が光及び/又は電子線照射前で50〜500g/25mm、照射後には5〜40g/25mmであり、且つ、照射前の該粘着剤層の保持力がJISZ0237において3600秒後のズレの距離が5mm以下である半導体ウエハ加工用粘着シートが開示されている。この半導体ウエハ加工用粘着シートによれば、半導体ウエハに対して優れた粘着力を示し、耐チッピング特性に優れ、安定な粘着物性を保ち、エキスパンディング後のチップ整列性に優れる。
特許文献2には、粘着剤が、ベース樹脂100質量部、放射線重合性化合物30〜90質量部、放射線重合性重合開始剤0.05〜20質量部及び架橋剤2〜12質量部からなる半導体ウエハ加工用粘着シートが開示されている。この半導体ウエハ加工用粘着シートによれば、半導体ウエハ加工に際して、不純性が少なくかつ耐チッピング特性に優れ、ダイシングの際のチップ飛びを防ぐことが出来る。
特許文献3には、基材の片面に実質的に放射線非硬化型の粘着剤層(2)が形成され、その表面に放射線によって硬化し粘着力が低下する放射線硬化型粘着剤層(1)が設けられている半導体ウエハ加工用粘着シートが開示されている。この半導体ウエハ加工用粘着シートによれば、貼り付け時には半導体ウエハとしっかり密着し、また剥離時には放射線照射によってその粘着力が十分に低下し、かつバックグラインドテープではその際のウエハの反りが少なく、またダイシングテープの場合ではエキスパンド工程においても十分な引き伸ばしが可能となる。
ところで、ダイシングフィルムに接着された半導体用シリコンウエハやパッケージは、ダイシングソーでチップに切削されるが、従来、ダイシングの際に冷却や切削屑の洗い流しに用いられる切削水が、ダイシングフィルムに接着しているチップ表面に侵入して、表面汚染が生起し、これによってチップの性能が低下するといった問題があった。
このような切削水侵入によるチップ性能の低下を抑制できるダイシングフィルムとして、特許文献4には、基材フィルム上の少なくとも一方の面に感圧水性エマルジョン型粘着剤層を有し、該水性エマルジョン型粘着剤の分散ポリマーのゲル分率が80%以上であり、かつ25℃における剥離時でのSUS280研磨面に対する粘着力が0.8〜2.5N/25mmであり、50℃における加熱剥離時のSUS280研磨面に対する粘着力が、該25℃における剥離時でのSUS280研磨面に対する粘着力に対して50%以下であって、該粘着剤中の分散ポリマーの平均粒子径が0.13〜0.18μmであり、感圧水性エマルジョン型粘着剤層に架橋剤を含有しない半導体ウエハ表面保護用粘着テープが開示されている。
しかしながら、特許文献4の半導体ウエハ表面保護用粘着テープでは、切削水侵入によるチップ性能の低下に対する抑制は不十分である。
特開平11−61065号公報 特開2002−256234号公報 特開2001−200215号公報 特開2013−229563号公報
本発明は、ダイシングフィルムに接着された半導体用シリコンウエハやパッケージがダイシングソーでチップに切削される際に、冷却や切削屑の洗い流しに用いられる切削水がダイシングフィルムに接着しているチップ表面への侵入によるチップ性能の低下を抑制することができるダイシングフィルムを提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、基材に粘着剤層を設けたダイシングフィルムにおいて、粘着剤層が特定範囲の光積算照射量により硬化性を有し、且つ、前記粘着剤層が、ベース樹脂及びベース樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の架橋剤を含有する粘着剤層であるダイシングフィルムは、切削水侵入によるチップ性能の低下の抑制効果が大きいことを見出した。本発明は、これらの知見に基きさらに検討を重ねた結果、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
〔1〕基材に粘着剤層を設けたダイシングフィルムであって、粘着剤層は、50mJ/cm以上500mJ/cm以下の光積算照射量により硬化性を有し、粘着剤層は、ベース樹脂及び架橋剤を含有し、架橋剤は、ベース樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の含有量であることを特徴とするダイシングフィルム。
〔2〕架橋剤は、ベース樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.9質量部以下の含有量であることを特徴とする〔1〕に記載のダイシングフィルム。
〔3〕ベース樹脂は、アミド基を有するアクリル系樹脂を含有することを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のダイシングフィルム。
〔4〕粘着剤層を半導体ウエハのバックグラインドした面に貼り付け、2時間静置した状態において、JIS Z 0237に準拠した測定法で、300cN/25mm以上の180°剥離粘着力を有することを特徴とする〔1〕ないし〔3〕のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
〔5〕粘着剤層は、さらに光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有することを特徴とする〔1〕ないし〔4〕のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
〔6〕光硬化性樹脂は、ベース樹脂100質量部に対して200質量部以下の含有量であることを特徴とする〔1〕ないし〔5〕のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
〔7〕光硬化性樹脂は、官能基数が2以上20以下のオリゴマーを含有することを特徴とする〔1〕ないし〔6〕のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
〔8〕オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする〔1〕ないし〔7〕のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
本発明のダイシングフィルムは、該ダイシングフィルムに接着された半導体用シリコンウエハやパッケージをダイシングするに際して、冷却や切削屑の洗い流しに用いられる切削水がダイシングフィルムに接着しているチップ表面への侵入によるチップ性能の低下を抑制することができるので、切削水侵入によるチップ性能の低下を抑制する事ができる。
本発明に係るダイシングフィルムの一例を示す断面図である。
本発明のダイシングフィルムは、基材に粘着剤層を設けたダイシングフィルムであって、粘着剤層は、50mJ/cm以上500mJ/cm以下の光積算照射量により硬化性を有し、粘着剤層は、ベース樹脂及び架橋剤を含有し、架橋剤は、ベース樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の含有量であることを特徴とする。
本発明のダイシングフィルムの具体例を図1に示す。
図1に示す様に、本発明のダイシングフィルム10は、基材1及び粘着剤層2より成る。粘着剤層2は基材1の少なくとも片面に設けられ、ダイシングフィルム10に、ダイシング前の半導体用シリコンウエハやパッケージあるいはダイシング後のチップ等の被着体(以後、単に被着体と呼ぶことがある)を保持する。
ダイシングフィルム10は、粘着剤層2を半導体ウエハのバックグラインドした面に貼り付け、2時間静置した状態において、JIS Z 0237に準拠した測定法で、300cN/25mm以上の180°剥離粘着力を有することが好ましい。300cN/25mm未満の180°剥離粘着力の場合、ダイシング時にチップ飛びが発生する可能性があり、好ましくない。
基材1は、被着体を搬送する等の移動時に安定性を確保する、切削によって粘着剤層2の下層まで切り込みを入れてもチップがダイシングフィルム10から、ばらばらに剥がれない様にチップを保持する、あるいはチップの使用時にチップを剥がしやすくするために切削後のチップ間隔を広げる、ためのものである。
基材1を構成する材料は、光、電子線等のエネルギー線を透過するものであれば特に限定されない。具体的にはポリ塩化ビニル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体;アイオノマー;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリオレフィンテレフタレート系樹脂;スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレンービニルイソプレンブロック共重合体、ポリカーボネート、等の熱可塑性樹脂;およびこれらの熱可塑性樹脂の混合物を用いることができる。これらの中でもポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、あるいはオレフィン系共重合体とスチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーとの混合物が好ましい。これらの樹脂混合物は、基材1を透明にすることができるので、エネルギー線の照射による粘着剤層2の硬化を容易にすることができる。
ポリ塩化ビニルやポリエチレンテレフタレートのような剛性の高い樹脂と熱可塑性エラストマーの混合物が更に好ましい。これらの樹脂混合物は、粘着剤層とシリコンウエハ界面の応力を下げることができるため、切削水侵入によるチップ性能の低下の抑制に効果的である。
基材1は、本発明の効果を損なわない範囲で、目的に合わせて、各種樹脂や添加剤等を添加することができる。
基材1には、帯電防止性を付与する添加剤を添加する事が好ましい。帯電防止性を付与する添加剤としては、例えば、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーやポリエーテルエステルアミドブロックポリマー等の高分子型帯電防止剤や、カーボンブラック等、を挙げることができる。帯電防止効果を高める添加剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤などの界面活性剤、等を挙げることができる。
また、温度依存性を示さない帯電防止剤として、例えば、カーボンブラック、銀、ニッケル、アンチモンドープスズ酸化物、スズドープインジウム酸化物などの粉体、等を基材1に添加しても良い。基材1にオレフィン系樹脂を用いた場合には、ポリエーテル/ポリオレフィン共重合体を用いたイオン伝導型帯電防止剤が好ましい。
基材1の厚さは、特に限定されないが、50μm以上250μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることが更に好ましく、80μm以上150μm以下であることが特に好ましい。基材1の厚さが50μmより薄い場合には、ダイシングフィルムをエキスパンドした時に基材1が破断しやすくなり、250μmより厚い場合には、ダイシング時のヒゲの発生を抑制することが出来なくなる。
粘着剤層2は、基材1の少なくとも片面に設けられ、ダイシングフィルム10に被着体を保持するためのものである。
粘着剤層2は、50mJ/cm以上500mJ/cm以下の光積算照射量により硬化性を有する事が必要である。ダイシングの後でチップのピックアップ前に光照射することによって、ダイシングの時は光照射されていないのでダイシングフィルム10にチップを十分に保持することができ、チップをピックアップする時には光照射されて粘着剤層2の粘着力が低下しているので、チップのピックアップが容易となる。
粘着剤層2はベース樹脂及び架橋剤を含有する。
ベース樹脂は、シリコンウエハやパッケージに対して粘着機能を有する樹脂である。本発明に用いられるベース樹脂は、シリコンウエハやパッケージに対して粘着機能を有する熱可塑性樹脂であればよく、特に限定されない。
ベース樹脂は、シリコンウエハやパッケージに対して粘着機能を有するアクリル系樹脂が好ましい。これらのアクリル系樹脂としては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、等のアミド基を有するアクリル系樹脂;及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、等のアクリル系樹脂;等を挙げることができる。
また、ベース樹脂は、アミド基を有するアクリル系樹脂を含有していることが好ましい。粘着剤層2のベース樹脂がアミド基を有するアクリル系樹脂を含有している場合には、粘着剤層2は良好な粘着性に加えて、凝集力の制御が可能となり、さらに、他成分との相溶性を調整することが可能となる。
粘着剤層2に含有される架橋剤は、ベース樹脂を架橋するために用いられる。本発明に用いられる架橋剤の量は、ベース樹脂100質量部に対して5質量部以下であり、ベース樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.9質量部以下の含有量であることが好ましい。特にダイシングによって細長いチップを製造する場合には、更に粘着剤層2に含有される架橋剤を0.01質量部以上0.8質量部以下に少なくすることによって切削水侵入によるチップ性能の低下の抑制効果を大きくすることができる。本発明において、ベース樹脂100質量部に対して架橋剤の量が5質量部を超えると、切削水侵入によるチップ性能の低下の抑制効果が低下する事があるので好ましくない。
本発明においては、特にベース樹脂であるアミド基を有するアクリル系樹脂100質量部に対して架橋剤の添加量を5質量部以下、好ましくは0.01質量部以上0.9質量部以下、とすることによって、粘着剤層2の凝集力を下げることができるので、チップ端面の剥離に対する応力を緩和することが可能となり、ダイシングによるカットラインからの切削水の浸入が防ぐことができる。これによって被着面側のチップ汚染を防ぐことができる。
本発明で用いられる架橋剤は、ベース樹脂を架橋できる架橋剤であれば特に限定されない。例えばエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メチロール系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、多価金属キレート系架橋剤等が挙げられる。
なかでも、架橋剤として、イソシアネート系架橋剤が好ましい。イソシアネート系架橋剤としては、例えば多価イソシアネートのポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート化合物の三量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート化合物の三量体、または末端イソシアネートウレタンプレポリマーをフェノール、あるいはオキシム類などで封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物、等が挙げられる。
多価イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2−4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4−4’−ジイソシアネート、ジシキウロヘキシルメタン−2−4’−ジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4−4’−ジイソシアネート、及びヘキサメチレンジイソシアネートの中から選ばれる1種以上が好ましい。これらの多価イソシアネートを用いることによって、特にイソシアネート自体の凝集と架橋のバランスを向上することができる。
粘着剤層2は、さらに光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有する事が好ましい。これによって、光照射後における粘着剤層の粘着力を低下させることができる。光照射に必要な光積算照射量は、50mJ/cm以上500mJ/cm以下である。この光積算照射量により光硬化性樹脂に光硬化性を付与する事ができる。光積算照射量が50mJ/cmよりも少ないと粘着剤層2の粘着力が低下しないため被着体をピックアップしにくくなり、光積算照射量が500mJ/cmよりも多くても、更なる効果は得られない。
光硬化性樹脂は、ベース樹脂100質量部に対して200質量部以下の含有量であることが好ましく、150質量部以下の含有量であることが更に好ましい。200質量部より多く含有していると、ベース樹脂の含有割合が低下してダイシング前の粘着性が悪くなる。光重合開始剤は、ベース樹脂100質量部に対して20質量部以下の含有量であることが好ましく、1質量部以上10質量部以下の含有量であることが更に好ましい。
光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有する粘着剤層2は、光照射することによって、光硬化性樹脂の硬化が進行し、粘着剤層2の粘着力が低下する。この特徴を利用し、ダイシング工程と被着体のピックアップ工程との間に、光照射工程を経ることによって、光照射前のダイシング工程時はダイシングフィルム10に被着体を十分に保持することができ、光照射後の被着体のピックアップ工程時には、粘着剤層2の粘着力が低下し、被着体のピックアップが容易となる。
光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有する粘着剤層2に照射する光積算照射量は、50mJ/cm以上500mJ/cm以下であることが必要である。この光積算照射量により光硬化性を有する事ができる。
本発明で用いられる光硬化性樹脂は、例えば光、電子線等のエネルギー線の照射によって、三次元架橋可能な重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上分子内に有する低分子量化合物である。そのようなエネルギー線硬化型樹脂として、具体的にはトリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート類、芳香族系、脂肪族系等のウレタンアクリレート(オリゴマー)等を挙げることができる。
ウレタンアクリレートは粘着力を向上することができるので好ましい。
本発明で用いられる光重合開始剤は、特に限定されない。例えば、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。
粘着剤層2の厚さは、特に限定されないが、3μm以上40μm以下であることが好ましい。半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングフィルムの場合は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。パッケージ等の特殊部材のダイシングに用いられるダイシングフィルムの場合は、10μm以上30μm以下であることが好ましい。粘着剤層2の厚さが3μmよりも薄い時は被着体の保持力が劣る場合があり、40μmよりも厚い時はダイシング時の加工性が悪くなる場合がある。
本発明の粘着剤層2には、更に粘着付与剤を含有していても良い。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂などが用いられる。
本発明のダイシングフィルム10の製造方法としては、例えば粘着剤層2を基材1または基材1を含む樹脂フィルムに対して、粘着剤層2となるベース樹脂、架橋剤、光硬化性樹脂、光重合開始剤及びその他の粘着付与剤等を、酢酸エチル及びトルエンといった適宜な溶剤に、溶解または分散させて塗工液とし、ロールコーティングやグラビアコーティングなどの公知のコーティング法により塗布し、乾燥することにより形成される。
本発明のダイシングフィルム10には、本発明の効果を損なわない範囲で目的に応じて他の樹脂層を設けることができる。
また、TSV(Though Si via)方式の半導体用シリコンウエハやパッケージの表面には、段差が存在している。このような段差は、ダイシングフィルムと被着体間に酸素を含む空間を発生させ、ダイシングフィルムの埋込性や硬化性を低下させるといった問題がある。しかしながら、本発明のダイシングフィルムは、架橋剤をベース樹脂100重量部に対して5.0重量部以下を含むことにより、段差に対する埋込性や硬化性を低下することなく使用でき、かつ切削水侵入に対する抑制効果が大きく、好適に用いることができる。
さらに、本発明のダイシングフィルムは、ダイシング工程において、カットサイズが、20mm×0.5mm□以上の場合、切削水侵入に対する抑制効果が大きく、好適に用いることができる。
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。なお、以下の実施例、比較例、及び表1に記載されている部は、質量部を表わす。
ダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果は、下記の試験方法によって評価した。
<切削水侵入抑制効果試験>
5インチミラーウエハを、実施例で製造したダイシングフィルムの粘着剤層に張り付けて固定し、ダイシングソー(DISCO製 DAD3350)を用いてスピンドル回転数40,000rpm、カッティングスピード50mm/minで10mm□のチップサイズにカットした。ダイシングフィルム表面からカットラインを顕微鏡で観察し、以下の通り評価した。
◎:カットラインからの水浸入がなく、切削水侵入の抑制効果が高い。
○:カットラインからの水浸入幅が10μmより小さく、切削水侵入の抑制効果がある。
×:カットラインからの水浸入幅が10μmより大きく、切削水侵入の抑制効果は無い。
(実施例1)
粘着剤層2のベース樹脂として、ガラス転移温度−15℃のアミド基を有するアクリル系樹脂100部、光硬化性樹脂として15官能のオリゴマーのウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−53H)100部、架橋剤としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネートL)0.2部、及び光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF Japan株式会社製、商品名:イルガキュア651)7部を酢酸エチルに溶解し樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが10μmになるようにベースフィルムにバーコート塗工した後、80℃で5分間乾燥させて、所望の粘着剤層となるフィルムを得た。この粘着剤層となるフィルムを、ポリエチレン(宇部興産株式会社製、商品名:F522N)を1軸混練機で混練後、押出し機で押し出して得た厚み80μmの基材1に、30℃でラミネートロールを用いてラミネートして、ダイシングフィルムを得た。このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
(実施例2)
架橋剤を2.5部とした以外は実施例1と同様にしてダイシングフィルムを得た。
このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
(実施例3)
架橋剤を5.0部とした以外は実施例1と同様にしてダイシングフィルムを得た。
このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
(比較例1)
架橋剤を7.5部とした以外は実施例1と同様にしてダイシングフィルムを得た。
このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
(比較例2)
架橋剤を11部とした以外は実施例1と同様にしてダイシングフィルムを得た。
このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
(比較例3)
架橋剤を12.5部とした以外は実施例1と同様にしてダイシングフィルムを得た。
このダイシングフィルムの切削水侵入抑制効果の評価結果を表1に示す。
Figure 0006264865
1 基材
2 粘着剤層
10 ダイシングフィルム

Claims (7)

  1. 基材に粘着剤層を設けたダイシングフィルムであって、
    前記粘着剤層は、ベース樹脂及び架橋剤を含有し、50mJ/cm 2 以上500mJ/cm 2 以下の光積算照射量により硬化性を有し、
    前記架橋剤は、前記ベース樹脂100質量部に対して5.0質量部以下の含有量であり、
    前記粘着剤層を半導体ウエハのバックグラインドした面に貼り付け、2時間静置した状態において、JIS Z 0237に準拠した測定法で、300cN/25mm以上の180°剥離粘着力を有することを特徴とするダイシングフィルム。
  2. 前記架橋剤は、前記ベース樹脂100質量部に対して0.01質量部以上0.9質量部以下の含有量であることを特徴とする請求項1に記載のダイシングフィルム。
  3. 前記ベース樹脂は、アミド基を有するアクリル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のダイシングフィルム。
  4. 前記粘着剤層は、さらに光硬化性樹脂及び光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のダイシングフィルム。
  5. 前記光硬化性樹脂は、前記ベース樹脂100質量部に対して200質量部以下の含有量であることを特徴とする請求項4に記載のダイシングフィルム。
  6. 前記光硬化性樹脂は、官能基数が2以上20以下のオリゴマーを含有することを特徴とする請求項4または5に記載のダイシングフィルム。
  7. 前記オリゴマーがウレタンアクリレートであることを特徴とする請求項6に記載のダイシングフィルム。
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