JP2001123139A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents
半導体加工用粘着テープInfo
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Abstract
が不要であり、さらにダイシング工程で使用する場合に
は半導体ウエハ切断時にチップ飛びやチップ割れ・かけ
が発生することなく、また表面保護工程で使用する場合
には半導体ウェハ剥離後におけるウェハの汚染が少なく
加工できる半導体加工用テープを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸
エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アク
リル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) 90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メ
タ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合
して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測
定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、
その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム
状支持体上に形成されていることを特徴とする半導体加
工用粘着テープ。
Description
する際のバックグラインド工程において、工程中では半
導体ウエハの回路パターンが形成された面を保護しかつ
工程終了後には容易にバックグラインドされた半導体ウ
エハから剥離できる粘着テープ、及びパターンを形成し
た半導体ウエハを一つ一つのパターン毎に裁断し半導体
素子として分割するダイシング工程で使用する半導体ウ
エハ固定用の粘着テープに関するものである。
インド工程では、通常、回路パターンが形成されたウエ
ハの裏面を研削して、用途に応じた厚さに調製すること
が行われている。例えば、5〜8インチφのウエハで
は、厚さ700μm程度に研削される。ウエハ裏面の研
削を行なう際には、ウエハが破損したり、回路形成面が
汚染することを防ぐため、回路パターン面に粘着テープ
を貼着する方法が知られている。半導体表面保護用粘着
テープは、一般に基材フィルム上に粘着剤層を設けてな
るものであり、研削時には回路パターン面を保護するた
めに十分な粘着力を有し、かつ剥離時には容易に剥離で
きることが求められている。また回路パターンの形成さ
れた半導体ウエハを素子小片に切断分離するダイシング
加工を行なう場合において、ダイシング加工時は強粘着
力を有し、半導体ウエハを素子小片に切断分離後、素子
固定粘着力を大幅に低下させ、容易に素子小片をピック
アップする事が出来るようにすることが行われている。
クグラインド加工時またはダイシング加工時は粘着力が
高く剥離のおそれなく加工でき、加工終了後は冷却する
ことにより剥離が容易な粘着テープが特開平7−263
381号公報、特開平9−249858号公報、特開平
10−310749号公報に開示されている。特開平7
−263381号公報、特開平9−249858号公報
に記載の粘着テープは、フィルム状支持体上に粘着層と
して、融点範囲が15Kより狭い側鎖結晶性ポリマーを
用いたものであり、室温以下の温度ではこのポリマーが
結晶化しほぼ非粘着性、またそれより上の温度ではこの
ポリマーが融解し粘着性を発現させる原理を利用したも
のである。一般にダイシング加工時には高速でウエハを
切断することが行われ、バックグラインド加工時にはグ
ラインダー(砥石)で高速でウエハを研削するため発熱
する。そのため水冷処理により発熱の除去が行われる
が、その水温の厳密な温度管理は困難であり、冬場と夏
場の水温は異なる。したがって上記の側鎖結晶性ポリマ
ーを粘着層に有するテープは冬場では洗浄時の粘着性が
消失し密着不足になる一方で、夏場は剥離時に粘着剤が
凝集破壊し、ウエハ表面や素子表面への粘着剤の汚染が
著しい場合がある。
型化の方向にあり、上記ダイシング工程の半導体ウエハ
切断時にチップ飛びやチップ割れ・かけが発生し、所謂
チッピングが起こる。このチッピングを防ぐ方法として
粘着力を増大させてウエハを保持する方法もあるが、粘
着力を上げることは冷却剥離時におけるウェハ表面への
汚染を起こすことがあり、この点の改良も大きな問題と
なっていた。また、半導体集積回路の大容量化及び高集
積化等によるチップの高性能化が図られるに伴い、チッ
プ裏面の汚染も半導体集積回路の電気特性に影響を与え
られることが危惧されており、このため、半導体ウエハ
表面保護粘着テ−プには、よりチップの裏面への汚染が
少ないものが望まれている。
で洗浄水の水温の厳しい温度管理が不要であり、さらに
ダイシング工程で使用する場合には半導体ウエハ切断時
にチップ飛びやチップ割れ・かけが発生することなく、
また表面保護工程で使用する場合には半導体ウェハ剥離
後におけるウェハの汚染が少なく加工できる半導体加工
用テープを提供することを目的とする。
を達成するために、鋭意検討した結果、特定の第1次溶
融転移温度および融解範囲を有する側鎖結晶性の共重合
体を主成分とした材料を粘着剤層に有するテープがダイ
シング工程およびバックグラインド工程で使用される冷
却水の1年間を通じた温度変化に関係なく使用でき、ダ
イシング工程においては半導体チップ飛散を防止でき、
また表面保護工程においては回路面の汚染を低減するこ
とができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種
類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) 90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メ
タ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合
して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測
定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、
その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム
状支持体上に形成されていることを特徴とする半導体加
工用粘着テープ、が提供される。
する。本発明の半導体加工用粘着テープには、下記一般
式(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2
種類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) 90〜99重量%並びに上記一般式以外の(メタ)アク
リル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合して得ら
れたベースポリマーを主成分とし、DSCで測定された
第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、その融解
範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム状支持体
上に形成されている。なお本発明においては、(メタ)
アクリル酸とは、アクリル酸もしくはメタクリル酸のい
ずれかを指すものである。本発明において、下記一般式
(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種
類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) としては、具体的にはラウリルメタクリレート(R1=
CH3、R2=C12H25)とセチルメタクリレート(R1
=CH3、R2=C16H33)との組み合わせ、ステアリル
アクリレート(R1=H、R2=C18H37)とラウリルア
クリレート(R1=H、R2=C12H25)との組み合わせ
等を挙げることができ、その配合量は90〜99重量%
とされる。前記(メタ)アクリル酸エステルはホモポリ
マーとした場合に、最大と最小の融点の差が35K以上
であるように選択することが好ましい。
熱前は秩序ある配列に整合されているポリマーの特定の
部分が加熱されることによって無秩序状態となる温度で
ある。図1をもって、本発明における粘着剤層の一次溶
融転移温度、融解温度範囲を説明する。本発明の粘着剤
層のDSC測定を通常の条件に従い、昇温速度10℃/
分、空気雰囲気下で行うと、図1に示すような融解−温
度曲線が得られる。本発明の半導体加工用粘着テープに
おける粘着剤は温度の上昇とともに、大きな吸熱ピーク
を示す。吸熱ピークが観察される前後はほとんど融解−
温度曲線は平坦であり、吸熱前の融解−温度曲線が平坦
な部分の点Aと吸熱後の融解−温度曲線が平坦な部分の
点Bを直線で結ぶ。この直線をベースラインとする。点
Aからさらに温度を上げると、熱量−温度曲線の勾配は
最大となる。この点Cで接線を引き、その接線が前記ベ
ースラインと交わる点が融解開始温度Tiである。点C
を越えてさらに温度上昇させると、吸熱曲線はピークに
達する。この点が一次溶融転移温度Tmである。さらに
温度上昇させると、融解完了点Bに達する。このときの
温度が融解完了温度Teである。したがって、本発明に
おける融解温度範囲は図1の融解完了温度Teと融解開
始温度Tiとの差をもって表す。
とにより、ダイシング・バックグラインド工程で10℃
以下に冷却することによりウエハに対して易剥離とな
り、冷却水の1年間を通じた温度変化に対応可能な特性
を実現でき、ダイシング工程の半導体ウエハ切断時にチ
ップ飛びやチップ割れ・かけの発生を防止する特性に優
れることが可能になる。
着力等の制御及び粘着剤の凝集力を向上させ表面汚染を
防止する目的で、下記一般式の(メタ)アクリル酸エス
テル CH2=CR1COOR2 ………(1) (RはHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上のア
ルキル基) 以外の(メタ)アクリル酸誘導体モノマーが前記一般式
(1)の(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも2種
類以上含有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに
共重合される。具体的には(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−シア
ノエチル、アクリロニトリル等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
ステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アクリ
ル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) 90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メ
タ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合
して得られたベースポリマーは、実質的に結晶性を示す
ものであればよい。R2は具体的には炭素数が12以上
の直鎖のアルキル基の他に、分岐を有するアルキル基で
あってもよく、共重合体が結晶性を示すものであればよ
い。
合することができる。例えば、1,3−ビス(N,N−
ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3−
ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、
1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ベ
ンゼン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−
キシレンジアミンなどの分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ系化合物、2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3
−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシ
アネートなどの分子中に2個以上のイソシアネート基を
有するイソシアネ−ト系化合物を使用することができ
る。表面保護テープとして使用する場合には、回路面の
凹凸に対応できるような粘着力が必要であり、そのため
硬化剤を配合することが望ましく、その場合の硬化剤の
配合量は、前記共重合体100重量部に対して、0.0
5〜5重量部であることが好ましい。さらには、0.0
5〜0.7重量部であることが好ましい。
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノ
マーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合
体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチ
ック、またはポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテ
ンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマ
ーが挙げられる。またはこれらの群から選ばれる2種以
上が混合されたものでもよく、粘着剤層との接着性によ
って任意に選択することができる。その構成は単一層で
も多層でもよい。特に好ましくはエチレン−酢酸ビニル
共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合
体からなる積層フィルムが好ましい。フィルム状支持体
の厚みは10〜300μmが適当である。さらに好まし
くは10〜200μmが好適に使用される。フィルム状
支持体は、粘着剤との密着性を高める目的から、物理的
または化学的処理のいずれかまたは両方の処理をしたほ
うが好ましい。物理的処理を例示すると、サンドブラス
ト、研磨処理等があり、化学処理としては、コロナ処
理、プラズマ処理、プライマー処理等が挙げられる。処
理と効果の兼ね合いからコロナ処理がより好ましい。
水の1年間を通じた温度変化に適用可能であり、ダイシ
ング加工時に使用した場合には、ダイシング時にパター
ンを形成した半導体ウエハを一つ一つのパターン毎に裁
断する際のチッピングを低減させて分割素子のかけや割
れをなくすことができる。その理由としては粘着剤の低
融点成分がウエハ加工時の粘着力やタックを高めてチッ
プ飛びを防ぐ一方で、高融点成分が粘着剤の凝集力を高
め剥離時の表面汚染を低減化させる効果があるものと推
察される。また表面保護テープとして使用した場合に
は、低融点成分が裏面研削時の粘着力やタックを高め、
研削水あるいはダストの侵入を防ぐ一方で、高融点成分
が粘着剤の凝集力を高め剥離時の表面汚染を低減化させ
る効果があるものと推察される。本発明の半導体加工用
粘着テープにおいては、ダイシング工程で使用する場合
も表面保護工程で使用する場合も粘着剤層の厚さは5〜
200μm、さらに好ましくは5〜100μmとするこ
とができる。
さらに詳細に説明する。例中、部とは特に断らない限り
重量部を意味する。
融点−34℃)10部、セチルメタクリレート(ホモポ
リマ−の融点20℃)85部及びアクリル酸5部からな
る粘着剤を溶液重合により共重合して、不揮発分41%
からなる粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処
理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチ
レン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィ
ルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さ
が24μmになるよう塗工し、半導体ウエハダイシング
用テープを得た。得られたテープを空気中雰囲気下で1
0℃/分でDSC(セイコ−電子工業株式会社製 ロボ
ットDSC RDC220)測定を行ったところ、粘着
剤の融点と融解範囲は、それぞれ19.7℃で25.0
Kであった。 (実施例2)ステアリルアクリレート(ホモポリマーの
融点42℃)45部、ラウリルアクリレート(ホモポリ
マ−の融点2℃)50部、アクリル酸5部及び2−ヒド
ロキシエチルアクリレート1.5部からなる粘着剤を溶
液重合により共重合して、不揮発分41%からなる粘着
剤溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施された
エチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレ
ン酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ10
0μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが33μmにな
るよう塗工し、半導体ウエハダイシング用テープを得
た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC測
定を行ったところ、粘着剤の融点は25.9℃で融解範
囲は26.2Kであった。 (比較例1)ラウリルアクリレート95部(ホモポリマ
ーの融点2℃)、アクリル酸5部からなる粘着剤を溶液
重合により共重合して、不揮発分41%からなる粘着剤
溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたポ
リエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチ
レン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ
100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μm
の半導体ウエハダイシング用テープを得た。実施例1と
同様の方法で得られたテープのDSC測定を行ったとこ
ろ、粘着剤の融点は1.7℃で融解幅は27Kであっ
た。 (比較例2)ステアリルアクリレート(ホモポリマーの
融点42℃)100部からなる粘着剤を溶液重合により
重合して、不揮発分41%からなるベ−スポリマ−の溶
液を得た。この粘着剤溶液をコロナ処理が施されたエチ
レン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−
酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100
μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが40μmの半導
体ウエハダイシング用テープを得た。実施例1と同様の
方法で得られたテープのDSC測定を行ったところ、粘
着剤の融点は42℃で融解幅は4Kであった。 (比較例3)ラウリルアクリレート(ホモポリマーの融
点2℃)45部、セチルアクリレーート(ホモポリマー
の融点33℃)50部、アクリル酸5部からなる粘着剤
を溶液重合により共重合して、不揮発分41%からなる
ベ−スポリマ−の溶液を得た。この粘着剤溶液をコロナ
処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエ
チレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フ
ィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤層の厚
さが20μmの半導体ウエハダイシング用テープを得
た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC測
定を行ったところ、粘着剤の融点は21.6℃で融解幅
は13.0Kであった。
て、チップ飛び、裏面チッピング、25℃および5℃で
の粘着力を評価した。 (チップ飛び、裏面チッピング)粘着テープをシリコン
ウエハ(厚さ500μm)に固定し、ダイシングソーで
2×2mmの大きさにフルカットした。スピンドル回転
数は45000rpm、送り速度は100m/sとし
た。その際フルカットされたチップの飛びが生じるか否
かをチップ飛びとして評価した。また、ダイシングした
ウエハについて、テープに貼付されたウエハ表面を光学
顕微鏡で観察し、チップのかけの状態を調べ、最大カケ
の大きさで裏面チッピング性を判定し、45μm未満も
のを○、45μm以上のものを×とした。 (25℃および5℃での粘着力)25mm幅の短冊状に
切断した上記テープを、SUS板に貼着し、JIS Z
−0237(1991)に準拠し、剥離速度300mm
/minの条件で25℃及び5℃での180゜引き剥が
し法による粘着力を測定した(単位;N/25mm
幅)。以上の結果を表1に示す。
裏面チッピングも優れている。融点が10℃以下の粘着
剤を適用した比較例1では、裏面チッピングが発生し、
5℃での粘着力も高く粘着剤の凝集破壊が観察された。
比較例2では融点が40℃以上のため、室温で非粘着の
ため、被着体と接着しないため、チッピングの評価がで
きなかった。比較例3では融解幅が狭いので、融点が2
1.6℃であるにもかかわらず、粘着剤層の凝集破壊が
起こり、裏面チッピングも発生した。
融点42℃)45重量部、ラウリルアクリレート(ホモ
ポリマーの融点2℃)50重量部、アクリル酸5重量部
を溶液重合により共重合して、不揮発成分41%からな
る粘着剤溶液を得た。得られたベ−スポリマ−の重量平
均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィ−
(GPC)で測定したところ、ポリスチレン換算で11
0万であった。DSCにより評価された融点と融解範囲
はそれぞれ25.7℃、26.2Kであった。 (実施例3)合成例1で得られた粘着剤溶液100重量
部に、エポキシ系硬化剤:N,N,N’,N’−テトラ
グリシジル−m−キシレンジアミン0.05重量部(三
菱ガス化学社製 商品名:TETRAD(R)−X)を
配合し、酢酸エチルを加えて固形分が30%になるよう
に調整した溶液を調製し、この溶液をコロナ処理が施さ
れたエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エ
チレン−酢酸ビニル共重合体からなる積層フィルム(厚
み100μm)に塗布し、乾燥後の粘着剤層の厚さが2
0μmになるよう塗工し、半導体ウエハ表面保護用粘着
テ−プを作製した。 (比較例4)ラウリルアクリレート95部、アクリル酸
5部からなる粘着剤をコロナ処理が施されたエチレン−
酢酸ビニル共重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体からなる積層フィルム(厚さ100μm)
上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが25μmの半導体ウエ
ハ表面保護用テープを得た。実施例1と同様の方法で得
られたテープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融
点は1.7℃で融解幅は27Kであった。 (比較例5)ステアリルアクリレート100部からなる
粘着剤をコロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共
重合体/ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合
体)からなる積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾
燥後の粘着剤層の厚さが40μmの半導体ウエハ表面保
護用テープを得た。実施例1と同様の方法で得られたテ
ープのDSC測定を行ったところ、粘着剤の融点は42
℃で融解幅は4Kであった。 (比較例6)ラウリルアクリレート(ホモポリマ−の融
点2℃)45部、セチルアクリレート(ホモポリマ−の
融点33℃)50部、アクリル酸5部からなる粘着剤を
コロナ処理が施されたエチレン−酢酸ビニル共重合体/
ポリエチレン/エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる
積層フィルム(厚さ100μm)上に、乾燥後の粘着剤
層の厚さが20μmの半導体ウエハ表面保護用テープを
得た。実施例1と同様の方法で得られたテープのDSC
測定を行ったところ、粘着剤の融点は21.6℃で融解
幅は13.0Kであった。
て、粘着力および異物付着量を評価した。 (25℃および5℃での粘着力)25mm幅の短冊状に
切断した粘着テープを、SUS板に貼着し、JIS Z
−0237(1991)に準拠し、剥離速度300mm
/minの条件で25℃及び5℃での180゜引き剥が
し法による粘着力を測定した(単位;N/25mm
幅)。 (異物付着量)粘着テープをシリコンウエハ鏡面(5イ
ンチφ)に貼合し、1時間放置後、水冷式電子クーラー
によりウエハ表面温度が14℃になるように冷却し、半
導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離した。半導体ウ
エハ表面保護用粘着テ−プが貼着されていたウエハ表面
に残留している異物の個数をレーザー表面検査装置(サ
ーフスキャン6420:KLA・Tencol(株)
製)によって測定し、100個未満のものを○、100
個以上のものを×と評価した。以上の結果を表2に示
す。
0〜30℃の間に融点を持ちその融解範囲が20Kより
広いので、5℃に冷却することにより易剥離となり、異
物の残留量もごくわずかであった。それに対して比較例
1では、融点が10℃より低いため、剥離したときに粘
着剤層の凝集破壊が発生し、結果として表面汚染性は悪
くなった。また比較例2では、融点が30℃以上で融解
幅が20Kよりせまいため、ウエハに粘着せず、結果と
して粘着テープとしての機能が発揮されなかった。また
比較例3では、融点が21.6℃であるにもかかわら
ず、融解範囲が20Kより狭くなり、粘着剤層の凝集破
壊が起こり、結果として表面汚染は悪くなった。
ング時に使用した場合には、半導体ウエハを一つ一つの
パターン毎に裁断する際のチッピングを低減させて分割
素子のかけや割れをなくすとともに強固な粘着力を有
し、10℃以下の温度雰囲気下にすると粘着剤層が非粘
着性になり容易に分割素子をピックアップできる。また
表面保護テープとして使用した場合には、研削・洗浄時
には半導体回路面を保護し、10℃以下の温度雰囲気下
にした場合に、半導体回路面の汚染を少なくすることが
できる。
層についてのDSCによる融解−温度曲線の測定結果の
一例を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)の(メタ)アクリル酸
エステルを少なくとも2種類以上含有する(メタ)アク
リル酸エステルモノマー CH2=CR1COOR2 ………(1) (R1はHまたはCH3、R2は主鎖が炭素数12以上の
アルキル基) 90〜99重量%並びに上記一般式(1)以外の(メ
タ)アクリル酸誘導体モノマー1〜10重量%を共重合
して得られたベースポリマーを主成分とし、DSCで測
定された第1次溶融転移温度が10℃〜30℃であり、
その融解範囲が20〜40Kである粘着剤層がフィルム
状支持体上に形成されていることを特徴とする半導体加
工用粘着テープ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30663199A JP4579363B2 (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 半導体加工用粘着テープ |
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