JP2012082408A - 透明固形石鹸組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の透明固形石鹸組成は、脂肪酸石鹸(A)と、透明化剤として糖類(B)と、白濁防止剤としてグルコピラノシルグリセロール(C)と、水(D)と、を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
また、このような問題点を解決すべく、特許文献1には、脂肪酸ナトリウム/カリウムの混合塩、特定の両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、グリセリンおよびグリセリン誘導体を含有する透明固形石鹸組成物が開示されている。この透明固形石鹸組成物は、保存条件下における透明性の維持という点では改善できるが、水への溶融速度が速すぎるため、使用条件下において溶け崩れ等の著しい外観変化が生じ、さらには、泡立ち性が悪い等の、いわゆる使用感の低下といった石鹸組成物としての基本的特性も悪化してしまう。
前記グルコピラノシルグリセリール(C)の含有量が、石鹸組成物100重量%あたり、0.1〜25重量%であることが好ましい。
本発明の透明固形石鹸組成物は、脂肪酸石鹸(A)と、透明化剤として糖類(B)と、白濁防止剤としてグルコピラノシルグリセロール(C)と、水(D)と、必須成分として含むが、各種物性を改良するために、必要に応じ他の成分を含んでいてもよい。
上記アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられ、これらのアルカリ剤は一種単独で用いられてもよいし、二種以上で用いられてもよい。アルカリ剤として、水酸化ナトリウムが使用され、必要に応じて、水酸化ナトリウムとともに水酸化カリウム併用されてもよい。
脂肪酸石鹸(A)の含有量は、石鹸組成物100重量%あたり、30〜75重量%であることが好ましく、35〜60重量%であることがより好ましく、40〜50重量%であることがさらに好ましい。
グルコピラノシルグリセロール(C)は、(イ)(2R)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(1)),(2S)−1−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(2)),2−O−α−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(3))などのα−D−グルコピラノシルグリセロール、(ロ)(2R)−1−O−β−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(4)),(2S)−1−O−β−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(5)),2−O−β−D−グルコピラノシルグリセロール(下記化学式(6))などのβ−D−グルコピラノシルグリセロールが挙げられ、さらには、(ハ)付加糖が、1分子のグルコースであることに限定されず、2分子のグルコースであってもよい。付加糖が2分子のグルコースである場合、グルコース間の結合様式はα-1,4結合、β-1,4結合、α-1,6結合、β-1,6結合さらには、α-1,2結合、β-1,2結合の何れであっても良い。これらの誘導体が挙げられ、これらの1種単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(F)成分としては、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル、加水分解コラーゲン等の保湿剤、アルキルアミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルベタイン等の両性界面活性剤、アルキルグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、アシルメチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤、トリメチルアルキルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、ヒノキチオール等の殺菌剤、アラントインやグリチルリチン酸ジカリウム等の消炎剤、油分、香料、色素、エデト酸塩等のキレ―ト剤、紫外線吸収剤、グリチルリン酸ジカリウム、オオバコエキス、シソエキス、サボン草エキス、レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等の天然抽出物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、乳酸エステル等の使用性向上剤、アルキルエーテルカルボン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ジナトリウム、アルキルイセチオン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、アシルメチルタウリン、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム等の起泡性向上剤、塩化ナトリウム等のふやけ防止剤、クエン酸等のpH調整剤等が挙げられる。
また、本発明の透明固形石鹸組成物における「透明」とは、調製直後の固形石鹸組成物を黒色台紙の上に置き、色彩色差計(規格:CR−300、製造元:ミノルタカメラ株式会社)を用いて測定されたL*a*b*におけるL*値(明度)が、40以下の値を有することで定義される。なお、市販の固形石鹸(資生堂「ザボンドール」)のL値は、95.2であった。
枠練り製造法の一例としては、脂肪酸をアルカリ水溶液で中和して脂肪酸石鹸(A)を調製し、調製された脂肪酸石鹸(A)に、(B)成分、(C)成分、(D)成分、必要に応じて、(E)成分、(F)成分を添加してこれらの成分を、必要に応じて加温しながら、溶解または分散させて、溶融状態の石鹸組成物を調製し、調製された溶融状態の石鹸組成物を枠に流し込み、冷却固化し、必要に応じて切断し、乾燥し、所望の形状に成形する製造法が挙げられる。
[実施例1:石鹸組成物1の調製および特性評価]
混合脂肪酸(ラウリン酸:ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:イソステアリン酸:ベヘン酸(含有比(重量比)20:35:15:20:5:5)、鹸化価228.37)100kgに、34%苛性ソーダ液48.2kg(苛性ソーダ量:16.4kg、水:31.8kg)とを徐々に添加しながら攪拌し、さらに液温が70〜80℃である条件下で、完全に中和させて、石鹸素地1を得た。
混合脂肪酸とともに、アルコール類(アルコール系透明化剤)としてエタノール50kgを加えたこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物2を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。なお、石鹸組成物2中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、3.9重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、3.5である。
混合脂肪酸とともに、アルコール系透明化剤としてエタノール50kgおよびグリセリン16kgを加え、GGの添加量を10kgから26kgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物3を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。なお、石鹸組成物3中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、9.1重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、1.3である。
GGの添加量を10kgから0.1kgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物4を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。なお、石鹸組成物4中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、0.05重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、350である。
GGの添加量を10kgから60kgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物5を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。なお、石鹸組成物5中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、23.7重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、0.58である。
GGの添加量を10kgから20kgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物6を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。石鹸組成物6中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、9.4重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、1.75である。
GGの添加量を10kgから40kgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物7を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。なお、石鹸組成物7中のGGの含有量は、組成物100重量%あたり、17.1重量%であり、糖系透明化剤とGGとの重量比(糖系透明化剤の添加量/GGの添加量)は、0.88である。
GGを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物8を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
GGを加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして、石鹸組成物9を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
GGおよび糖系透明化剤を加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして、石鹸組成物10を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
糖系透明化剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物11を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
糖系透明化剤を加えなかったこと以外は、実施例3と同様にして、石鹸組成物12を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
糖系透明化剤およびGGを加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして、石鹸組成物13を調製し、各種特性を評価した。得られた評価結果を表1に示す。
以下、石鹸組成物の各特性の評価方法を示す。また、下記評価にて使用される「石鹸組成物(調製直後)」、「石鹸組成物(保存条件下)」、「石鹸組成物(使用条件下)」は、以下に定義される。
(i)「調製直後の石鹸組成物」
調製後の経過時間が24時間未満の石鹸組成物を「調製直後の石鹸組成物」とした。
「調製直後の石鹸組成物」を恒温槽(45℃、湿度 35%RH)内に3ケ月間放置して得られた石鹸組成物。
1日あたり、下記操作1を朝夕2回(朝1回、夕方1回)実施し、操作1を実施する時を除いては、下記操作2を実施して石鹸を保管した。この操作1〜2を3週間継続して得られた石鹸組成物を、「使用条件下での石鹸組成物」とした。
「操作2」:図1(a)に示されるような、蓋体(図示せず。)と、水抜き用開孔部12を有する中底11と、下底13とからなる石鹸トレイ20の中底11上に、「操作1」を経た石鹸組成物15を載置し(図1(b)、(c))、石鹸組成物が載置された中底11を下底13に、さらに蓋体14を中底11に組み付けて、該石鹸組成物の水切りをするとともに、水が被らないようにして、保管した((図1(d))(操作2)。なお、図(c)〜(d)は、図(b)の破線AA´部分での断面図を示す。
15名により、通常の洗顔において、「調製直後の石鹸組成物」を使用し、以下の基準にて、洗顔後の肌の状態(しっとり感)を評価した。
[評価基準]
◎:しっとり感が非常に高い。
○:しっとり感がある。
△:しっとり感がない。
MgCl2を使用して調製した4度硬水を用いて、「調製直後の石鹸組成物」1重量%含む水溶液(水溶液全体100重量%)を調製した。調製された水溶液を200mLのメスシリンダーに5g充填し、30℃で、50回振盪し、生じた泡の高さ(mm)を測定し、以下の基準で泡質を評価した。
なお、下記○および◎の評価を示す固形石鹸組成物では、泡質が良好である(泡立ちが良好である。)。
◎:泡の高さが25mm以上である。
○:泡の高さが20mm以上25mm未満である。
△:泡の高さが15mm以上20mm未満である。
×:泡の高さが15mm未満である。
目視検査により、以下基準で、「石鹸組成物(調製直後)」および「石鹸組成物(使用条件下)」の透明性を評価した。
◎:全く白化が見られず、透明である。
○:若干白化が見られるが、概ね透明である。
△:白化が見られ、部分的に不透明である。
×:著しく白化が見られ、全体的に著しく不透明である。
を黒色台紙の上に置き、色彩色差計(規格:CR−300、製造元:ミノルタカメラ株式会社)を用いて測定されたL*a*b*におけるL*値(明度)は、何れも40以下の値をしていた。
石鹸組成物(調製直後)(図2で示される付け番20a)を用いて、上記[各石鹸組成物の処理]に記載の条件にて石鹸組成物(使用条件下)(図2で示される付け番20b)を調製する。次いで、図2(b)および(c)に示されるように、円板状の石鹸組成物20bの中心21を通り、両端点21´が円周上にある線分22上にて、石鹸組成物20bを切断して、2つの、切断された石鹸組成物20b´を得る。図(d)に示されるように、白濁層23a(白濁した石鹸組成物からなる層)と透明層23b(白濁していない石鹸組成物からなる層)とを形成している、石鹸組成物20b´の切断面23を観察し、白濁層23aの厚さd(mm)を測定する。
石鹸組成物(調製直後)(A0(g))を用いて、上記[各石鹸組成物の処理]に記載の条件にて石鹸組成物(使用条件下)を調製し、該石鹸組成物の重量(A1(g))を測定して、以下の式により、「使用条件下での石鹸組成物の減量率(%)」を算出した。なお、この場合の石鹸組成物の減量が小さいほど、べたつき、発汗、溶け崩れ等の外観変化も小さいことが言える。
石鹸組成物(調製直後)(A0(g))を用いて、上記[各石鹸組成物の処理]に記載の条件にて石鹸組成物(保存条件下)を調製し、該石鹸組成物の重量(A2)(g)を測定して、以下の式により、「石鹸組成物(保存条件下)の減量率(%)」を算出した。なお、この場合の石鹸組成物の減量は、主に乾燥による水分の蒸発量に起因する。また、石鹸組成物中の水分量の減少(蒸発量の増大)は、石鹸組成物に白化が発生し、透明性を低下させることが言える。
10´、10´´:石鹸トレイ(図1(b)の破線AA´での断面図)
11:中底
12:水抜き用開孔部
13:下底
14:蓋体
15:操作1を経た石鹸組成物
20a:石鹸組成物(調製直後)
20b:石鹸組成物(使用条件下)
20b´:切断された石鹸組成物(使用条件下)
21:中心
21´:両端点
22:円板状の石鹸組成物の中心を通り、両端点が円周上にある線分
23:切断面
23a:白濁層
23b:透明層
d:白濁層の厚さ
Claims (4)
- 脂肪酸石鹸(A)と、透明化剤として糖類(B)と、白濁防止剤としてグルコピラノシルグリセロール(C)と、水(D)と、を含有することを特徴とする透明固形石鹸組成物。
- 透明化剤として前記糖類(B)の他に、さらにアルコール類(E)(グルコピラノシルグリセロール(C)を除く。)を含有することを特徴とする請求項1に記載の透明固形石鹸組成物。
- 前記グルコピラノシルグリセリール(C)の含有量が、石鹸組成物100重量%あたり、0.1〜25重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明固形石鹸組成物。
- 前記糖類(B)と前記グルコピラノシルグリセリール(C)との含有量比((B)/(C))が、0.1〜25であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の透明固形石鹸組成物。
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