JP2008291094A - 透明石鹸組成物、及び透明固形石鹸 - Google Patents

透明石鹸組成物、及び透明固形石鹸 Download PDF

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Abstract

【課題】起泡性及び泡質に優れ、且つ使用後にしっとりとした肌感触を得ることができる透明固形石鹸に適した組成物を提供する。
【解決手段】透明化剤と、この透明化剤により透明化される脂肪酸石鹸とを含有する透明石鹸組成物において、さらに、グリコシルトレハロースを透明化剤として配合する。なお、グリコシルトレハロース以外の透明化剤としては、糖類及び/又は多価アルコールを配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリコシルトレハロースを配合した透明石鹸組成物、及びこの透明石鹸組成物からなる透明固形石鹸に関するものである。
従来の透明固形石鹸は、牛脂、ヤシ油、パーム核油、ヒマシ油等の動植物油脂又はその脂肪酸に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール及び水を混合し、この混合物に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を加えて、油脂をケン化し、あるいは脂肪酸を中和して脂肪酸石鹸(脂肪酸アルカリ塩)を得て、この脂肪酸石鹸にグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールや砂糖等の透明化剤、さらには必要に応じて、香料、色素等を添加して攪拌しながら加熱した後、所定の枠に流し込んで冷却固化、枠抜き、切断する工程を経て製造される。
このような工程により得られる透明固形石鹸としては、例えば、炭素数が14〜18の直鎖飽和脂肪酸と炭素数が14〜18のα位分岐飽和脂肪酸との混合脂肪酸を主成分とするもの(特許文献1参照)やドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のカルボン酸類を含有するもの(特許文献2参照)が知られている。
特開平7−268392号公報 特開2001−123195号公報
しかしながら、これらはいずれも、起泡性、泡質(泡のクリーミーさ)の面で十分に満足のいくものではなく、また、使用後に十分なしっとり感が得られるものでもなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、起泡性、泡質に優れ、且つ使用後にしっとりとした肌感触を得ることができる透明固形石鹸に適した組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、透明化剤と、この透明化剤により透明化される脂肪酸石鹸を含有する透明石鹸組成物において、さらに、グリコシルトレハロースを配合することにより、起泡性、及び泡質に優れ、且つ使用後にしっとりとした肌感触を得ることができる透明固形石鹸に適した組成物を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る透明石鹸組成物は、透明化剤と、該透明化剤により透明化される脂肪酸石鹸とを含有する透明石鹸組成物において、前記透明化剤としてさらに、グリコシルトレハロースを含有することを特徴とする。
また、本発明に係る透明石鹸組成物では、グリコシルトレハロース以外の前記透明化剤として、糖類及び/又は多価アルコールを含有することが好ましい。
また、本発明に係る透明石鹸組成物では、グリコシルトレハロースの含有量が0.1〜19重量%であることが好ましい。
また、本発明に係る透明固形石鹸は、本発明に係る透明石鹸組成物からなることを特徴とする。
本発明によれば、起泡性及び泡質に優れ、且つ使用後にしっとりとした肌感触を得ることができる透明固形石鹸に適した組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る透明石鹸組成物は、透明化剤と、透明化剤により透明化される脂肪酸石鹸とを含有する透明石鹸組成物において、さらに、グリコシルトレハロースを含有することを特徴とする。
本発明に係る透明石鹸組成物で使用される脂肪酸石鹸としては、種々の脂肪酸石鹸を使用することができる。脂肪酸石鹸を構成する脂肪酸としては、炭素数が8〜20、より好ましくは12〜18の、飽和又は不飽和の脂肪酸であり、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。具体例としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等や、それらの混合物である牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等が挙げられる。
また、脂肪酸石鹸としは、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、エタノールアミン塩等が挙げられ、これらは単独で使用しても2つ以上を併用してもよい。
本発明の透明石鹸組成物における脂肪酸石鹸の含有量は、透明石鹸組成物全量に対して、20〜60重量%、特に、25〜50重量%が好ましい。この含有量が20重量%未満であると、凝固点が低くなるため、長期保存すると表面が溶融して商品価値を損なうおそれがある。逆に、60重量%を超えると、透明性が低下したり、使用後につっぱり感が生じたりするおそれがある。
本発明に係る透明石鹸組成物で使用されるグリコシルトレハロースとしては、末端にトレハロース構造を有するトレハロースの糖誘導体をいずれも使用することができ、例えば、グルコシルトレハロース、マルトシルトレハロース、マルトトリオシルトレハロース等を使用することができる。なお、これらグリコシルトレハロースは、それぞれ単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよい。
本発明の透明石鹸組成物におけるグリコシルトレハロースの含有量は、透明石鹸組成物全量に対して、0.1〜19重量%であることが好ましい。この含有量が0.1重量%未満であると、起泡性、泡質、及び使用後のしっとり感を十分に得ることができないおそれがある。逆に、19重量%を超えると、効果が飽和し、他の配合成分とバランスがとりにくくなるため、好ましくない。
また、本発明に係る透明石鹸組成物では、グリコシルトレハロース以外の透明化剤として、糖類や多価アルコールを含有することが好ましい。グリコシルトレハロースとともに、糖類や多価アルコールを加えることで、少量のグリコシルトレハロースで良好な起泡性、泡質、透明性、及び使用後のしっとり感を得ることができる。
グリコシルトレハロース以外の透明化剤として配合される糖類としては、単糖類、二糖類、及び多糖類のいずれも使用することができ、具体的には、砂糖、グルコース、乳糖、
果糖等を単独又は併用して使用することができる。これらの中でも、グリコシルトレハロースやその他の透明化剤と比較して、入手し易く、低価格であり、また、耐アルカリ性が良好であることから、砂糖を使用することが好ましい。
また、グリコシルトレハロース以外の透明化剤として配合される各種糖類の配合量は、他の透明化剤の含有量に応じて適宜定めることができるが、例えば、透明化剤として砂糖を使用した場合の砂糖の配合量は、透明石鹸組成物全量に対して5〜20重量%であることが好ましい。砂糖の配合量が5重量%未満の場合には、砂糖を配合したことによる透明性や使用後のしっとり感等の性状の向上効果を十分に発揮することができないおそれがある。逆に、20重量%を超えると、石鹸表面にべたつきを生じるおそれがあり、また、経時で結晶化するおそれがあるため、好ましくない。
グリコシルトレハロース以外の透明化剤として配合される多価アルコールとしては、分子中に2個以上の水酸基をもつアルコールをいずれも使用することができ、具体的には、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール等を単独又は併用して使用することができる。これらの中でも、他の多価アルコールと比べ、脂肪酸石鹸を透明化させ易く、また、石鹸表面にべたつきを生じさせ難いことから、グリセリン、ソルビトールを単独又は併用して使用することが好ましい。
また、グリコシルトレハロース以外の透明化剤として配合される各種多価アルコールの配合量は、他の透明化剤の含有量に応じて適宜定めることができるが、例えば、透明化剤としてグリセリンを使用した場合におけるグリセリンの配合量は、透明石鹸組成物全量に対して、3〜20重量%であることが好ましい。グリセリンの配合量が3重量%未満の場合には、グリセリンを配合したことによる透明性や使用後のしっとり感等の性状の向上効果を十分に発揮することができないおそれがある。逆に、20重量%を超えると、石鹸表面にべたつきを生じるおそれがある。また、透明化剤としてソルビトールを使用する場合、ソルビトールの配合量は、1〜20重量%であることが好ましい。ソルビトールの配合量が1重量%未満の場合には、ソルビトールを配合したことによる透明性や使用後のしっとり感等の性状の向上効果を十分に発揮することができないおそれがある。逆に、20重量%を超えると、効果が飽和し、他の成分とのバランスがとりにくくなるため好ましくない。
また、グリコシルトレハロースを含む上記した各透明化剤の含有量の合計は、透明石鹸組成物に使用する脂肪酸石鹸の含有量等に応じて適宜定めることができるが、透明石鹸組成物全量に対して、20〜45重量%であることが好ましい。透明化剤の含有量の合計が、20重量%未満の場合には、十分な透明性を得ることができないおそれがある。逆に、
50重量%を超えると、効果が飽和し、透明化剤以外の他の成分とのバランスがとりにくく、また、固化性が悪化し、固まらなくなるおそれがあるため好ましくない。
本発明に係る透明石鹸組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常使用される成分を任意に配合することができる。この任意成分としては、例えば、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル、加水分解コラーゲン等の保湿剤;アシルメチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アルキルベタイン等の両性界面活性剤;アルキルグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤;トリメチルアルキルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤;トリクロロカルバニリド、ヒノキチオール等の殺菌剤;油分;香料;色素;エデト酸塩等のキレート剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;グリチルリン酸ジカリウム、オオバコエキス、シソエキス、サボン草エキス、レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等の天然抽出物;非イオン性、カチオン性あるいはアニオン性の水溶性高分子;乳酸エステル等の使用性向上剤;アルキルエーテルカルボン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ジナトリウム、アルキルイセチオン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、アシルメチルタウリン、アシルグルタミン酸ナトリウム、アシルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム等の起泡性向上剤;塩化ナトリウム等の長期保存時におけるふやけ防止剤;等を挙げることができる。
また、本発明の透明固形石鹸は、本発明に係る透明石鹸組成物からなることを特徴とする。例えば、本発明に係る透明固形石鹸は、次に示す方法により製造することができる。まず、脂肪酸をアルカリ水溶液で中和して脂肪酸石鹸を得る。次いで、この脂肪酸石鹸にグリコシルトレハロース、及びグリコシルトレハロース以外の各種透明化剤を添加して溶解し、さらに必要に応じて香料、色素等の任意の成分を加えて本発明に係る透明石鹸組成物を調製する。その後、この透明石鹸組成物を、所定の枠に流し込んで冷却固化、枠抜き、切断し、一定の水分量となるまで熟成させることにより、本発明に係る透明固形石鹸を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1及び比較例1〜8>
まず、ラウリン酸20重量部、ミリスチン酸20重量部、パルミチン酸20重量部、ステアリン酸40重量部の混合脂肪酸を水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、これを乾燥して混合脂肪酸ナトリウム(脂肪酸石鹸)を得た。
次に、表1に示す配合成分及び配合量により、次の製造工程で、グルコシルトレハロースが配合されてなる実施例1の透明固形石鹸を製造した。
Figure 2008291094
即ち、上記した混合脂肪酸ナトリウム、グリセリン、ソルビトールを65℃〜75℃の温度条件で溶解させた。これに、イオン交換水の一部にエデト酸塩を溶解した溶液を加え、砂糖、グルコシルトレハロース、ヤシ油脂肪酸アルキルベタイン、ヒアルロン酸ナトリウム、サボン草エキス、香料、並びにイオン交換水の残部を添加して攪拌混合し、透明石鹸組成物を得た。この透明石鹸組成物を、所定の枠内に流し込み、冷却固化、枠抜き後に、この固化物を切断、熟成して透明固形石鹸を得た。
なお、比較例1〜比較例3は、グルコシルトレハロースを配合しない場合であり、上記同様の製造工程により透明固形石鹸を得たものである。また、比較例4はグルコシルトレハロースに代えてマンニトールを配合し、比較例5はグルコシルトレハロースに代えてトレハロースを配合し、比較例6はグルコシルトレハロースに代えて乳糖を配合し、比較例7はグルコシルトレハロースに代えてマルチトールを配合し、比較例8はグルコシルトレハロースに代えてグルコースを配合して、上記同様の製造工程により透明固形石鹸を得たものである。
これら実施例1及び比較例1〜8の透明固形石鹸を試料として、以下の方法により評価試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2008291094
表2中の試験事項に関する評価基準は、次のとおりである。
1.起泡性
起泡性は、試料の1%水溶液を炭酸カルシウム70ppmの人工硬水により調整し、これを40℃で所定回転数のミキサーにより一定時間攪拌し、発生した泡の量を測定した。この起泡量が、2200ml以上であるとき極めて良好であるとして◎、2000ml以上2200ml未満であるとき良好であるとして○、1800ml以上2000ml未満であるときやや劣るとして△、1800ml未満であるとき劣るとして×、とした。
2.泡質
泡質は、専門パネラー(5人)が、通常の洗顔時の態様で試料を手に取り、泡立て、泡が、極めてクリーミーであるとき極めて良好であるとして◎、泡がクリーミーであるとき良好であるとして○、泡が極僅かにクリーミーであるときやや劣るとして△、泡が粗いとき劣るとして×、とした。
3.しっとりさ
肌のしっとりさは、専門パネラー(5人)が、通常の洗顔時の態様で試料を手に取り、泡立てて洗顔し、洗顔後に、極めて高いしっとり感が得られるとき極めて良好であるとして◎、高いしっとり感が得られるとき良好であるとして○、僅かにしっとり感が得られるときやや劣るとして△、しっとり感が得られないとき劣るとして×、とした。
4.透明性
透明性は、試料を20mmの厚さに切断してスライス片とし、このスライス片を26ポイントの活字上に置いて、活字を極めてはっきりと判読できるとき極めて良好であるとして◎、活字をはっきりと判読できるとき良好として○、活字をわずかに判読できるときやや劣るとして△、活字を判読できないとき劣るとして×、とした。
5.石鹸固化性
試料を70℃で溶解してなる石鹸溶液を100mlのビーカーに流し込み、室温にて24時間放置冷却後、石鹸溶液の固化状態を目視観察し、次の基準で判断した。石鹸溶液が、完全に固化しているときを極めて良好であるとして◎、固化しているときを良好であるとして○、半固化又はペースト化しているときをやや劣るとして△、液状のままで固化していないときを劣るとして×、とした。
6.石鹸表面のベタツキ
100gの試料を、温度40℃、湿度70%Rhの条件下で一週間放置後、試料の表面状態を目視観察し、次の基準で判断した。試料の表面に全く変化がないときを極めて良好であるとして◎、ほとんど変化がないときを良好であるとして○、石鹸表面に汗をかいたようなベタツキがあるときをやや劣るとして△、石鹸表面がかなりの汗をかいたようにベタベタしているときを劣るとして×、とした。
7.50℃/1Mの安定性
400gの試料を樹脂フィルムで密封包装し、50℃の条件下で一ヶ月間放置後、変化の状態を、官能にて観察し、次の基準で判断した。25℃の条件下で同様に一ヶ月間放置した試料の状態と比較し、全く変化が認められないときを極めて良好であるとして◎、ほとんど変化が認められないときを良好であるとして○、変色、変臭が認められるときをやや劣るとして△、著しい変色、変臭いが認められるときを劣るとして×、とした。
表2の結果に示されるように、グリセリン、ソルビトール、及び砂糖といった各種透明化剤に加えて、グルコシルトレハロースが配合された実施例1の試料は、極めて良好な起泡性と泡質を有し、使用後に極めてしっとりとした肌感触を得ることができるものであった。また、透明固形石鹸において必要とされるその他の性状、即ち、透明性、石鹸固化性について極めて良好な性状を示し、且つ50℃で1ヶ月保存した場合の安定性も良く、石鹸表面がべたつくこともなかった。
これに対し、グルコシルトレハロースを配合する代わりに、グリセリン、ソルビトール、及び砂糖のいずれかの含有量を多くしたり、他の透明化剤を配合したりした比較例1〜8の各試料は、いずれも、起泡性、泡質、及び使用後のしっとりさが良好に得られず、さらに、比較例3〜比較例8の各試料においては、透明性、石鹸表面のべたつき、及び50℃で1ヵ月保存した場合の安定性のいずれかに不都合があった。例えば、グリセリン、ソルビトール、及び砂糖に加え、グルコースを配合した実施例8の試料は、良好な起泡性と泡質を有するが、その一方で、50℃で1ヵ月保存した場合の安定性が悪く、また、石鹸表面がべたついていた。
また、比較例1〜比較例8の各試料の結果より、グリコシルトレハロース以外の透明化剤では、ソルビトール及びグリセリンが他の透明化剤と比較して優れていることが分かった。ソルビトール及びグリセリンと比較して、砂糖、マンニトール、トレハロース、及び乳糖は、透明化剤としての能力に劣り、マルチトール及びグルコースは石鹸表面にべたつきを生じさせてしまう。
なお、比較例1〜比較例3の結果が示すように、グリセリン又は砂糖の含有量が多くなりすぎると、石鹸表面にべたつきを生じることが分かった。具体的には、グリセリンを9重量%含有する比較例2、及び砂糖を19重量%含有する比較例3の各試料において、石鹸表面にべたつきが見られた。
<実施例2〜9>
実施例1及び比較例1〜8と同様にして、混合脂肪酸ナトリウム(脂肪酸石鹸)を得た後、表3に示す配合成分及び配合量により、次の製造工程で、グルコシルトレハロースの配合量が異なる実施例2〜実施例9の透明固形石鹸を得た。
Figure 2008291094
即ち、上記した混合脂肪酸ナトリウム、グリセリン、ソルビトールを65℃〜75℃の温度条件で溶解させた。これに、イオン交換水の一部にエデト酸塩を溶解した溶液を加え、砂糖、グルコシルトレハロース、ラウリルグリコール酢酸ナトリウム、加水分解コラーゲン、シソエキス、香料、並びにイオン交換水の残部を添加して攪拌混合し、透明石鹸組成物を得た。この透明石鹸組成物を、所定の枠内に流し込み、冷却固化、枠抜き後に、この固化物を切断、熟成して透明固形石鹸を得た。
これら実施例2〜9の透明固形石鹸を試料として、実施例1及び比較例1〜比較例8と同様の評価試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2008291094
表4の結果に示されるように、透明石鹸組成物全量に対してグルコシルトレハロースを0.1〜19重量%含有する実施例2〜実施例9の各試料は、良好な起泡性と泡質を有し、使用後にしっとりとした肌感触を得ることができるものであった。加えて、透明性、石鹸固化性、50℃で1ヶ月保存した場合の安定性のいずれにおいても良好な性状を示し、石鹸表面がべたつくこともなかった。特に、グルコシルトレハロースを1重量%〜19重量%含有したときに、起泡性、泡質、使用後のしっとりさ、及び透明性が極めて良好となった。
また、グルコシルトレハロース以外の透明化剤としてグリセリン、ソルビトール、及び砂糖が配合された実施例2〜実施例5の各試料は、いずれも、起泡性、泡質、使用後のしっとりさ、透明性、石鹸固化性、及び50℃で1ヶ月保存した場合の安定性を良好に示しており、グルコシルトレハロースの配合量に応じてソルビトールの配合量を減少させたことによる性状の低下は見られなかった。
さらに、グルコシルトレハロース以外の透明化剤としてソルビトールを配合しない実施例6〜9の各試料のいずれにおいても、起泡性、泡質、使用後のしっとりさ、透明性、石鹸固化性、及び50℃で1ヶ月保存した場合の安定性を良好に得ることができ、グルコシルトレハロースの配合量に応じて砂糖の配合量を減少させたことによる性状の低下は見られなかった。

Claims (4)

  1. 透明化剤と、該透明化剤により透明化される脂肪酸石鹸とを含有する透明石鹸組成物において、
    前記透明化剤として、さらに、グリコシルトレハロースを含有することを特徴とする透明石鹸組成物。
  2. グリコシルトレハロース以外の前記透明化剤として、糖類及び/又は多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載の透明石鹸組成物。
  3. グリコシルトレハロースの含有量が0.1〜19重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明石鹸組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の透明石鹸組成物からなることを特徴とする透明固形石鹸。
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