JP5711934B2 - 枠練り石鹸 - Google Patents

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Description

本発明は、枠練り石鹸に関する。
従来の枠練り石鹸としては、例えば特許文献1〜4に記載されたものがある。
特許文献1には、20〜50重量%の脂肪酸石鹸、1〜15重量%の非イオン系界面活性剤、及び0.1〜5重量%の無機塩を含有する枠練り石鹸が記載されている。特許文献1では、こうすることにより、水の存在下でこれらの混合物を溶融させ、その溶融物を型枠に流し込み冷却すると短時間で固化でき、機械練り石鹸に匹敵する高い生産性を獲得することができるとされている。
また、特許文献2には、特定の高分子量組成物(例えば、Geahlene(R)型組成物)で濃厚化した低粘性油(1000cp未満)を、バー組成物に使用することができ、組成物に通常のクレンジング剤としての機能を与え、さらに保湿機能を与えるが起泡性を損なわないようにできることが記載されている。
さらに、特許文献3には、0.1〜1.0重量パーセントの還元剤、約40〜約65重量パーセントのC6〜C22カルボン酸のアルカリ金属及びアルカノールアミン塩の混合物、約35〜約60重量パーセントの水及びアルカノールアミンを含む溶媒混合物ならびに老化した時の棒石鹸の着色を妨害するための着色妨害有効量の酸化防止剤を含み、カルボン酸の約2〜約20重量パーセントは分枝鎖状カルボン酸であり、棒石鹸中のカルボン酸塩が由来するカルボン酸は約2.0以下のヨウ素価を有する透明棒石鹸が記載されている。特許文献3では、こうすることにより、老化した時の着色に抵抗し、皮膚に非常に穏やかな透明棒石鹸となるとされている。
さらに、特許文献4には、脂肪酸石鹸、無機塩及び液状油を特定の割合で用いれば、起泡力及び使用感に優れ、使用後の肌にしっとり感を付与する枠練り石鹸組成物が得られることが記載されている。
特開平10−168494号公報 特表2001−507709号公報 特表2000−514113号公報 特開2005−2255号公報
しかしながら、従来の枠練り石鹸には、泡立ちや洗浄力に優れるものの、洗浄後につっぱり感や乾燥感が生じるという点で問題があった。
特許文献1〜4の技術では、ペトロラタムなどの固形油やひまわり油などの液状油、グリセリンやソルビトールなどのポリオール類を保湿剤として配合する試みがなされている。しかしながら、本発明者の知見によれば、単に保湿剤を配合するのみでは、保湿剤がすすぎ時に洗い流されてしまい、使用後に肌のしっとり感を感じるほどの十分な効果を得ることができないことが明らかとなった。
また、特許文献4の技術では、10〜60質量%の液状油を用いるが、液状油の配合量が増えると泡立ちが阻害され、固形物性にも影響を及ぼすことがあった。
したがって、上記文献記載の技術では、泡立ち及び固形物性を維持しつつ、洗浄後のさっぱり感としっとり感とを両立させた枠練り石鹸が実現できていなかった。
本発明によれば、
(A) 炭素数8〜24の直鎖脂肪酸又はその塩
(B) 炭素数14〜22の分岐脂肪酸又は その塩
(C) 油性成分
(D) 水
を含有し、全組成物中、成分(A)を構成する直鎖脂肪酸の含有量が20質量%以上50質量%以下、成分(B)を構成する分岐脂肪酸の含有量が0.1質量%以上20質量%以下、成分(C)の油性成分の含有量が6質量%以上40質量%以下である枠練り石鹸が提供される。
この発明によれば、油性成分とともに分岐脂肪酸又はその塩を配合させることにより、分岐脂肪酸塩の肌への定着性、及び、分岐脂肪酸塩の親油性を利用して、使用後に分岐脂肪酸塩とともに油性成分を肌に残留させることができ、分岐脂肪酸塩及び油性成分の双方による十分なしっとり感効果を得ることができる。また、直鎖脂肪酸塩と分岐脂肪酸塩と油性成分とをバランスよく配合させるため、泡立ち及び固形物性にも優れ、使用後のさっぱり感も得ることができる。したがって、使用後の肌にさっぱり、かつ、しっとりとした感触を付与できる保形性や起泡力に優れた枠練り石鹸が実現可能になる。
本発明によれば、保形性や起泡力に優れ、使用後の肌にさっぱり、かつ、しっとりとした感触を付与することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、以下の(A)〜(D)を含有する枠練り石鹸である。
(A) 炭素数8〜24の直鎖脂肪酸又はその塩
(B) 炭素数14〜22の分岐脂肪酸又はその塩
(C) 油性成分
(D) 水
本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、成分(A)を構成する直鎖脂肪酸の含有量は、20質量%以上50質量%以下であり、成分(B)を構成する分岐脂肪酸の含有量は、0.1質量%以上20質量%以下、成分(C)の油性成分の含有量は、6質量%以上40質量%以下である。
成分(A)の直鎖脂肪酸又はその塩は、炭素数8〜24、好ましくは、12〜18の炭素数の飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸を一種又は二種以上使用する。炭素数をこの範囲とすることで、石鹸の基剤をなし、起泡性と溶解性とをバランスよく制御することができる。また、成分(A)の直鎖脂肪酸中、炭素数が16以上の直鎖脂肪酸の含有量を40質量%以下とすることが好ましい。こうすることで、起泡力をさらに向上させることができる。
このような直鎖脂肪酸の具体例としては、牛脂、羊油等の動物油脂、ヤシ油、パーム核油、大豆油、オリ−ブ油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、ナタネ油、ヒマワリ油等の植物油脂等などを常法により高圧分解してえられた脂肪酸混合物、これらを分離精製して得られるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等を挙げることができる。これらは単独で使用することもでき、複数種を併用することもできる。
成分(A)の直鎖脂肪酸塩は、上述の油脂を直接鹸化することにより、あるいは別途調製された遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。
上述の直鎖脂肪酸とイオン結合して塩を構成するための対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するアルカノールアンモニウムイオン等を挙げることができ、ナトリウムイオンが好ましい。
成分(A)の直鎖脂肪酸又はその塩の含有量は、成分(A)を構成する直鎖脂肪酸の含有量として、本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、20質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。成分(A)は、泡立ち性と固化性とを考慮すると20質量%以上必要である。また、他の成分の含有量を確保して、所期の特性を得るため、上限は、50質量%とする。好ましくは、25質量%以上45質量%以下である。こうすることで、起泡性と溶解性とのバランスに優れた枠練り石鹸とすることができる。
成分(B)の分岐脂肪酸又はその塩は、炭素数14〜22、好ましくは、炭素数14〜18、より好ましくは、炭素数18の飽和又は不飽和の分岐脂肪酸を一種又は二種以上使用する。成分(B)は、使用時、カルシウム塩となって、皮膚表面に残留し、後述する成分(C)の皮膚吸着性を向上させると考える。また、成分(B)の分岐脂肪酸として、イソ分岐脂肪酸を用いるとより好ましい。こうすることで、使用後のしっとり感をさらに向上させることができる。具体的には、イソステアリン酸、イソパルミチン酸、イソミリスチン酸、イソアラキン酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキサン酸などが挙げられ、イソステアリン酸が好ましい。
上述の分岐脂肪酸とイオン結合して塩を構成するための対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するアルカノールアンモニウムイオン等を挙げることができ、ナトリウムイオンが好ましい。
成分(B)の分岐脂肪酸又はその塩の含有量は、成分(B)を構成する分岐脂肪酸の含有量として、本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、0.1質量%以上20質量%以下含有することが好ましい。0.1質量%以上することで使用後の十分なしっとり感を得ることができ、20質量%以下とすることで、良好な起泡性及び固形性を得ることができる。
本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、成分(A)の炭素数が14以下の直鎖脂肪酸の含有量(質量%)に対する成分(B)の分岐脂肪酸の含有量(質量%)の比率(成分(B)/成分(A)の炭素数が14以下の直鎖脂肪酸)は、0.01以上0.35以下とすると好ましい。0.01以上とすることで、使用後のしっとり感をさらに向上させることができ、0.35以下とすることで十分な起泡性を有する石鹸とすることができる。
成分(A)の直鎖脂肪酸の含有量(質量%)と、成分(B)の分岐脂肪酸の含有量(質量%)との合計に対する成分(B)分岐脂肪酸の含有量(質量%)の比率は(成分(B)/{成分(A)+成分(B)})、0.001以上0.35以下とすると好ましい。0.001以上とすることで、使用後のしっとり感をさらに向上させることができ、0.35以下とすることで、石鹸としての十分な保形性と泡持ち性を向上させることができる。
成分(C)の油性成分は、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、ペトロラタム、ポリブテン、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類、ひまわり油、綿実油、マカダミアナッツ油、シアバター等の油脂類、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル 等のエステル類、等が挙げられる。
成分(C)の油性成分は、1種以上を用いることができ、本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、6質量%以上40質量%以下、好ましくは、6質量%以上20質量%以下含有される。油性成分の含有量を6質量%以上とすることで使用後の十分なしっとり感を得ることができる。また、油性成分の含有量を40質量%以下とすると、良好な起泡性を備える枠練り石鹸とすることができ、好ましくは20質量%以下とすることで、さらに良好な起泡性を備える枠練り石鹸とすることができる。
本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、成分(C)の油性成分の含有量(質量%)に対する成分(B)の分岐脂肪酸の含有量(質量%)の比率(成分(B)/成分(C))は、0.05以上2以下、更には、0.05以上1以下とするとより好ましい。0.05以上とすることで、使用後の十分なしっとり感を得ることができ、2以下とすることで、さらに良好な起泡性を備える枠練り石鹸とすることができる。
その他に、本発明の枠練り石鹸は、成分(D)の水を含有する。水としては、水道水、硬水、軟水、イオン交換水、精製水等を用いることができる。本発明に係る枠練り石鹸を構成する全組成物中、成分(D)の水の含有量は20質量%以上60質量%以下とすることができる。
また、本発明の枠練り石鹸は、上述の成分の他に、界面活性剤、糖類、無機塩、キレート剤、抗菌剤、香料、顔料、染料、低刺激化剤等を含有することもできる。
界面活性剤としては、ベタイン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等が挙げられる。これらの活性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ポリオール類としては、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ショ糖、グルコース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらのポリオール類は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリオール類は石鹸の強度を高める点から2〜20質量%含むことができる。
無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの無機塩は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。無機塩は、石鹸の固化速度を速める点から0.9〜3質量%含むことができる。
また、キレート剤としては、エチドロン酸、エチレンジアミン四酢酸等を挙げることができる。
本発明の枠練り石鹸は、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する溶融状態の石鹸組成物を成形用の型に注入し、冷却・固化して、該製品形状に成形することで製造することができる。
具体的には、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸、油剤成分、及び水に、必要に応じて界面活性剤、糖類、無機塩、キレート剤等を所定量混合し、加熱融解する。一部の水に希釈された塩基を加え、脂肪酸を中和する。溶融状態の石鹸組成物の調製過程においては、加熱下に混合してもよく、その加熱温度は、通常60℃以上90℃以下程度である。得られた溶融状態の石鹸組成物を製品形状を有する成形用の型に注入し、冷却・固化する。こうすることで、該製品形状に成形する枠練り石鹸を製造することができる
本発明で得られる枠練り石鹸は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、本発明において「不透明」とは、厚さ2cmの枠練り石鹸を色彩色差計(コニカミノルタホールディングス株式会社製、CR−300)で測定したときの明度L値が45以上であることをいい、「不透明」とは、同様な測定条件下で明度L値が45未満であることをいう。
つづいて、本発明の作用効果について説明する。本発明によれば、油性成分とともに分岐脂肪酸塩を配合させることにより、分岐脂肪酸塩の肌への定着性、及び、分岐脂肪酸塩の親油性を利用して、使用後に分岐脂肪酸塩とともに油性成分を肌に残留させることができ、分岐脂肪酸塩及び油性成分の双方による十分なしっとり感を得ることができる。
本発明の枠練り石鹸に含まれる成分(B)は、洗浄中使用する水中のカルシウムイオンとイオン交換し、カルシウム塩を形成する。炭素数14〜22の分岐脂肪酸のカルシウム塩は、直鎖脂肪酸のカルシウム塩に比べて洗浄後の肌に残留しやすく、中でもイソステアリン酸は、特に肌への定着性に優れている。したがって、肌に残留した分岐脂肪酸のカルシウム塩により洗浄後のしっとり感を付与することができる。
また、分岐脂肪酸のカルシウム塩は、直鎖脂肪酸のカルシウム塩に比較して親油性が高いため、油性成分は、分岐脂肪酸のカルシウム塩になじんで肌への定着性が向上する。したがって、油剤成分によるしっとり感も付与することができ、洗浄後のしっとり感をさらに向上させることができる。
また、成分(A)を構成する直鎖脂肪酸を20質量%以上50質量%以下含有するため、従来の枠練り石鹸と遜色のないさっぱり感も付与することができる。したがって、本発明の枠練り石鹸では、洗浄後のさっぱり感としっとり感とを両立させることができる。
さらに、本発明では、成分(B)を構成する分岐脂肪酸の含有量を0.1質量%以上20質量%以下とすることで、泡立ち及び固形物性にも優れた枠練り石鹸とすることができる。
以上のように、本発明によれば、保形性や起泡力に優れ、使用後の肌にさっぱり、かつ、しっとりとした感触を付与できる枠練り石鹸が実現可能になる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
実施例1〜16、比較例1〜9
表1〜3に示す組成の枠練り石鹸について評価した。
(製法)
表1〜3に示す各成分を混合し、溶融状態の石鹸組成物を得た。なお、表1〜3中パーム核油脂肪酸は、パーム核油脂肪酸(製品名:PALMAC505、PALMAC社製、Lot.No.0505FA0065)を用いた。パーム核油脂肪酸中の脂肪酸組成を表4に示した(試験成績表より参照)。
Figure 0005711934
Figure 0005711934
Figure 0005711934
Figure 0005711934
(油性成分の残留性評価)
3cm×5cmに切り出した人工皮革(大同レザー社製、型番GT−202)の表面の吸光度(A')をUV−VIS分光光度計(UV−3600、島津製作所社製)を用いて測定し、ブランクとした。上記の石鹸組成物を人工皮革表面に15mg均一に塗布し、吸光度(A)を測定した。このとき、石鹸組成物には、人工皮革に塗布する前に油性成分の残留マーカーとして油溶性色素(o−トルエン−アゾ−β−ナフトール、吸収極大波長488nm)を油性成分に対して1%となるように添加した。その後、40℃の水道水0.1mlを用いて人工皮革表面を指で円を描くように30秒間洗浄し、40℃の流水ですすいだ。すすぎ後、人工皮革表面の水分をティッシュで軽く拭き取り、再度、吸光度(A)を測定した。残留した油溶性色素の量を以下の式(1)により算出し、油性成分の残留性を評価した。
色素残留率(%)={(A−A')/(A−A')}×100・・・(1)
得られた色素残留率を実施例と比較例とで比較し、得られた結果を「油性成分残留性向上効果(%)」として、表5に示した。
Figure 0005711934
(保型性(硬さ)評価)
溶融状態の石鹸組成物を100mlのプラスチック製の型に流し込み、−10℃で冷却・固化した後、枠練り石鹸を型から取り出した。冷却・固化に要した時間は約30分であった。得られた枠練り石鹸の厚さ2cmの中心部に対して、硬度計(高分子計器株式会社製、アスカーゴム硬度計タイプC)を用いて枠練り石鹸の硬さを測定した。なお、硬度の測定上限は100、下限は0とした。結果を表6に示す。
(透明性評価)
上記の石鹸組成物を型に流し込んで放冷固化し、厚さ2cmの枠練り石鹸を製造した。得られた枠練り石鹸を黒写真台紙の上に置き、コニカミノルタホールディングス株式会社色彩色差計(CR−300)を用いて測定し、L***におけるL*値(明度)で透明性を評価した。L*値が45未満であれば透明と判断し、45以上を不透明とした。結果を表6に示す。
(泡立ち評価)
上記の石鹸組成物を型に流し込んで放冷固化し、所定のサイズ(幅5cm、奥行5cm、高さ2cm)にカットした枠練り石鹸を用いて専門パネラー10名が40℃の温水による30秒間の手洗いを行い、泡立ちのよさを以下のスコアで各々評価し、10名の平均スコアを算出した。結果を表6に示す。
2:とても泡立ちがよい
1:やや泡立ちがよい
0:泡立ちが悪い
(泡量評価)
上記の石鹸組成物を型に流し込んで放冷固化し、所定のサイズ(幅5cm、奥行5cm、高さ2cm)にカットした枠練り石鹸を用いて専門パネラー10名が40℃の温水による30秒間の手洗いを行い、泡量の多さを以下のスコアで各々評価し、10名の平均スコアを算出した。結果を表6に示す。
2:とても泡量が多い
1:やや泡量が多い
0:泡量が少ない
Figure 0005711934
(さっぱり感評価)
上記の石鹸組成物を型に流し込んで放冷固化し、得られた枠練り石鹸を細かく砕き、専門パネラー10名がこの細かく砕いた石鹸1gを40℃の温水を用いて手で泡立て、前腕部を洗浄した。洗いあがりのさっぱり感を以下のスコアで各々評価し、10名の平均スコアを算出した。結果を表7に示す。
3:とてもさっぱりする
2:ややさっぱりする
1:わずかにさっぱりする
0:さっぱりしない
(しっとり感評価)
上記の石鹸組成物を型に流し込んで放冷固化し、得られた枠練り石鹸を細かく砕き、専門パネラー10名がこの細かく砕いた石鹸1gを40℃の温水を用いて手で泡立て、前腕部を洗浄した。タオルドライ直後のしっとり感を以下のスコアで各々評価し、10名の平均スコアを算出した。結果を表7に示す。
3:とてもしっとりする
2:ややしっとりする
1:わずかにしっとりする
0:しっとりしない
Figure 0005711934
表7で示すように、実施例の枠練り石鹸は、いずれも、比較例の枠練り石鹸よりもしっとり感スコアが高かった。実施例2、10、11のさっぱり感スコアは、比較例4のさっぱり感スコアよりも低かったが、実用上、十分なさっぱり感が得られるスコアが得られている。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)〜(D):
    (A) 炭素数8〜24の直鎖脂肪酸又はその塩
    (B) 炭素数14〜22の分岐脂肪酸又はその塩
    (C) 油性成分
    (D) 水
    を含有し、全組成物中、成分(A)を構成する直鎖脂肪酸の含有量が20質量%以上50質量%以下、成分(B)を構成する分岐脂肪酸の含有量が0.1質量%以上20質量%以下、成分(C)の油性成分の含有量が6質量%以上40質量%以下である枠練り石鹸であって、
    前記成分(C)は、炭化水素類、油脂類およびエステル油類から選ばれる、枠練り石鹸
  2. 油性成分(C)の含有量(質量%)に対する分岐脂肪酸(B)の含有量(質量%)の比率が0.05以上2以下である請求項1記載の枠練り石鹸。
  3. 炭素数が14以下の直鎖脂肪酸(A)の含有量(質量%)に対する分岐脂肪酸(B)の含有量(質量%)の比率が0.01以上0.35以下である請求項1又は2に記載の枠練り石鹸。
  4. 直鎖脂肪酸(A)の含有量(質量%)と分岐脂肪酸(B)の含有量(質量%)との合計に対する分岐脂肪酸(B)の含有量(質量%)の比率が0.001以上0.35以下である請求項1乃至3いずれか1項に記載の枠練り石鹸。
  5. 直鎖脂肪酸(A)中の炭素数が16以上の直鎖脂肪酸の含有量が40質量%以下である請求項1乃至4いずれか1項に記載の枠練り石鹸。
  6. 分岐脂肪酸(B)がイソステアリン酸を含む請求項1乃至5いずれか1項に記載の枠練り石鹸。
  7. 厚さ2cmの前記枠練り石鹸を色彩色差計で測定したときの明度L値が45以上である請求項1乃至6いずれか1項に記載の枠練り石鹸。
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