JPH10324899A - 透明固型石鹸組成物 - Google Patents

透明固型石鹸組成物

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JPH10324899A
JPH10324899A JP13406197A JP13406197A JPH10324899A JP H10324899 A JPH10324899 A JP H10324899A JP 13406197 A JP13406197 A JP 13406197A JP 13406197 A JP13406197 A JP 13406197A JP H10324899 A JPH10324899 A JP H10324899A
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soap
fatty acid
alkali metal
metal salt
soap base
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JP13406197A
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Eiji Nishimura
英司 西村
Atsushi Ichiyanagi
厚史 一柳
Miyako Kumagai
美也子 熊谷
Shoji Matsunaga
昭治 松永
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Lion Corp
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶け崩れにくく透明性に優れた透明固型石鹸
組成物を提供すること。 【解決手段】 石鹸基剤中における炭素数18の飽和脂
肪酸アルカリ金属塩の含有率が17〜50重量%、炭素
数18で二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸アルカ
リ金属塩の含有率が5%以下であり、さらに上記石鹸組
成物のタイタ−が40〜55℃の範囲であることを特徴
とする透明固型石鹸組成物。 【効果】 機械練り法で容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明固型石鹸組成物
に関し、特に溶け崩れの少ない機械練り透明固型石鹸組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に透明固型石鹸は、天然油脂(牛
脂、ヤシ油脂等)から得られる脂肪酸類(又は脂肪酸エ
ステル類)をカセイソーダ等によってケン化して得られ
た脂肪酸アルカリ金属塩(脂肪酸石鹸)を基剤とし、こ
れにグリセリンやプロピレングリコール等の透明化剤を
添加し含有することによって、石鹸結晶粒子の成長が阻
止され微細となって普通の光の波長では光学的連続性が
与えられて透明になると考えられている。かかる透明石
鹸の従来からの製造方法としては、枠練り法か又は、機
械練り法のいずれかで製造されている。このうち枠練り
法は、脂肪酸石鹸にショ糖、グリセリン、ソルビトー
ル、プロピレングリコールその他のポリオール類等を透
明化剤として配合し、これらをエタノール等の低級アル
コールと水の混合溶媒に加熱溶解後、型枠に流して冷却
固化し、これを1〜3ケ月間の熟成乾燥後型打ちして製
品とするものである(例えば、特公昭45−18984
号、特公昭50−38642号)。
【0003】かかる枠練法によるものは透明性が優れ、
かつ使用中に透明度が低下しにくいという利点がある
が、前述のごとく冷却固化・熟成乾燥等に長期間を要す
るので、生産効率が劣るとともに熟成放置する広い場所
が必要であり、しかも製品自体が溶け崩れし易いという
欠点がある。なお枠練法による製造法の期間を短縮する
方法としては、例えば特開平8−188799号公報に
植物性由来の混合脂肪酸塩からなる組成物が開示されて
いるものの、使用時に溶け崩れし易い商品価値の低いも
のしか得られていないのが現状である。
【0004】一方、機械練り法は、脂肪酸石鹸の基剤に
枠練法と同様な透明化剤を加えた後、エタノール等の溶
媒を用いずに、機械的な力で脂肪酸石鹸の結晶を微細化
して、透明性を出すというものであり、生産効率に優れ
るとともに熟成放置が不要となる利点がある。このよう
な機械練り法の内、機械的な力を加える方法として種々
の方法が提案されており、例えば、米国特許第2724702
号公報にはマーシャルのハンドミルで充分に混練後、超
微粒子状態に粉砕して透明石鹸バーを得る方法が開示さ
れており、また、特開昭58−208399号公報には
1軸混練押出機(キャビテイトランスフアーミキサー)
を用いる方法が、特開昭64−200号公報には2軸混
練押出機を用いる方法がそれぞれ開示されている。
【0005】また、特殊な透明化剤を加えることによっ
て透明性を出す方法も種々提案されており、例えば、特
開昭61−12800号公報にはラウリル硫酸トリエタ
ノールアミンを、特開昭64−75600号公報にポリ
オキシアルキレンジアルキルアミンを、又特開平3−1
6300号公報には両性リン酸エステル系界面活性剤を
添加する方法等がそれぞれ開示されている。しかしなが
ら、これら従来の機械練り法で製造された透明石鹸は、
使用時に溶け崩れし易いと共に、枠練法により製造され
た透明石鹸に比べて透明度が低く半透明の商品価値の低
いものしか得られていないのが現状である。
【0006】
【解決すべき課題】本発明は、かかる現状に鑑みてなさ
れたものであって、使用時に溶け崩れにくく、透明性に
優れた商品価値の高い特に機械練りされた透明固型石鹸
組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、石鹸基剤中の
炭素数の大きい特定の飽和脂肪酸塩の含有量が透明石鹸
における結晶構造を大きく左右させるとともに、2重結
合が2つ以上ある特定の脂肪酸塩の含有量が溶け崩れ性
を左右させること、更に石鹸組成物のタイター値が透明
性を大きく左右すること等の新知見を見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の透明固型石鹸組成物
は、脂肪酸アルカリ金属塩類からなる石鹸基剤と透明化
剤とを含有する透明固型石鹸組成物であって、上記石鹸
基剤における炭素数18の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の
含有率が17〜50重量%、炭素数18で二重結合を2
つ以上有する不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有率が5
%以下であり、かつ、石鹸組成物のタイタ−値が40〜
55℃の範囲であることを特徴とすることで上記課題を
解決したものである。
【0009】以下本発明について詳述する。一般に石鹸
基剤となる脂肪酸の原料油脂としては、いろいろあるが
牛脂とヤシ油の比率が9/1〜6/4の混合油脂として
使用されることが多い。本発明者等の石鹸基剤に関する
研究結果によると、石鹸の使用時における溶け崩れ易さ
と透明度にはその結晶構造の規則性が起因していること
が分かった。即ち石鹸の結晶構造の規則性が弱いと溶け
崩れし易いが、規則性が強すぎると透明度が低下する。
その点では飽和脂肪酸塩はその炭素数の増加とともに結
晶化を強める働きを持つ。特に炭素数18の飽和脂肪酸
塩は、透明石鹸における結晶構造を大きく左右させるこ
と、さらに炭素数18で2重結合が2つ以上ある脂肪酸
塩は溶け崩れ性を左右し、更にタイター値は透明性を大
きく左右すること等の新知見を見出した。すなわちこれ
ら3つの相互作用の最適バランスを設定することにより
本発明の効果が発揮されるものである。以下に本発明の
構成要件について具体的に説明する。
【0010】本発明の透明固型石鹸組成物は、脂肪酸ア
ルカリ金属塩類からなる石鹸基剤に透明化剤その他の添
加剤が均一に含有されたものである。この場合の石鹸基
剤ととしては、好ましくは炭素数8〜22の範囲内から
なる脂肪酸類のアルカリ金属塩(通常はナトリウム塩、
カリウム塩等)からなり、特にかかる石鹸基剤中におけ
る炭素数18の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有率が1
7〜50重量%、好ましくは30〜45重量%であり、
また炭素数18で二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪
酸のアルカリ金属塩の含有率が5重量%以下(0.01
〜5重量%)、好ましくは0.01〜2重量%である。
【0011】ここで炭素数18の飽和脂肪酸アルカリ金
属塩の含有率が17重量%より少ないと、得られた石鹸
の使用時における溶け崩れが生じ易く、一方50重量%
より多いと透明度が低下する。また炭素数18で二重結
合を2つ以上有する不飽和脂肪酸(例えばリノール酸、
リノレン酸等)のアルカリ金属塩の含有率が5%より多
いと、得られた石鹸の使用時における溶け崩れを生じ
る。なお本発明における上記の飽和又は不飽和脂肪酸ア
ルカリ金属塩の含有率はいずれもナトリウム塩換算によ
る値である。
【0012】また本発明では、石鹸組成物のタイタ−値
が40〜55℃の範囲でなければならない。ここで言う
タイタ−値とは石鹸組成物を酸分解して得られた混合脂
肪酸分の凝固点のことである。このタイタ−値は、石鹸
組成物を温水に溶解後、塩酸水溶液を添加して脂肪酸を
得た後、基準油脂分析試験法(4.3.3.1-81)タイター
(その1)によって測定することができる。これが、4
0℃より低くても55℃より高くても透明性が著しく低
下する。なおタイタ−値を上記範囲とするには、基本的
には後述する〔0020〕欄に記載の脂肪酸分布割合
(重量%)を有する石鹸基剤を使用すれば良い。特に全
石鹸組成物中、炭素数18以上の不飽和脂肪酸の含有量
(重量%)がタイタ−値を下げるのに大きな影響を与え
る。
【0013】本発明の透明固型石鹸組成物は、上記した
脂肪酸アルカリ金属塩類からなる石鹸基剤に透明化剤そ
の他の添加剤が均一に含有されたものである。この場
合、炭素数8〜22の脂肪酸のアルカリ金属塩からなる
石鹸基剤55〜90重量%と透明化剤その他の添加剤4
5〜10重量%からなる割合が好ましく、特に機械練り
法で容易に成型し易い利点がある。ここで石鹸基剤が5
5重量%未満では機械練り法でブロッダーにて押し出さ
れた石鹸組成物は、軟弱で成型が困難であり、一方90
重量%を越える場合には、透明度が低く半透明となり易
く好ましくない。
【0014】本発明の石鹸基剤に含有されている透明化
剤としては、ショ糖、グリセリン、ソルビトール、プロ
ピレングリコール、又はその他のポリオール類から適宜
選択し、1種又は2種以上含有してもよい。かかる透明
化剤の含有量は石鹸組成物中で2〜20重量%の範囲内
が好ましい。また本発明の石鹸組成物には、本発明の目
的を達成する範囲で、さらに下記の如き一般の石鹸に使
用されている他の成分を石鹸組成物中で25重量%以下
の範囲内で含有させることができる。
【0015】即ち、一般の石鹸に使用されている水分、
香料、染料、保湿剤、過脂肪剤、増泡剤、酸化防止剤、
pH調整剤、アニオン界面活性剤(炭素数12〜28の
直鎖状アルフアオレフインスルホン酸塩)、両性界面活
性剤(イミダゾリン型、ベタイン型、置換アミノ酸
型)、高級脂肪酸アルカノールアミド(高級脂肪酸モノ
エタノールアミド、高級脂肪酸ジエタノールアミド
等)、その他の油性物質(ラノリン、流動パラフイン、
固形パラフイン等)を適宜含有させることができる。
【0016】本発明の透明固型石鹸組成物としては、酸
価も透明性に大きな影響を与える。特に好ましい石鹸の
酸価(石鹸1gを中和するのに必要なKOHのmg数)
は1〜15.0 mgKOH/gの範囲内に保持するとよい。こ
れが、1.0より低いと透明性が低下し易く、一方1
5.0より高いと溶け崩れし易い。なおかかる石鹸の酸
価の測定方法は、基準油脂分析試験法(2.4.1-71)酸価
により測定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。先ず、上記本発明の必須要件を満足する石鹸基剤
となる脂肪酸類は、石鹸の原料油脂として公知の天然油
脂(牛脂、ヤシ油、ヒマシ油、パ−ム油、パ−ム核油
等)から適宜調整して得るものである。通常これらの原
料油脂中には複数の脂肪酸類が含有されているが、特に
炭素数18の飽和脂肪酸の含有率はそれぞれ異なり、し
かも一般的には約15重量%以下であって本発明の必須
要件の含有率よりも少ない。また炭素数18で二重結合
を2つ以上有する不飽和脂肪酸(例えばリノール酸、リ
ノレン酸等)の含有率は一般的には約10重量%程度と
かなり多い。従って、上記本発明の要件を満足する石鹸
基剤とするためには、これら原料油脂類から得られる混
合脂肪酸類を適宜蒸留等により濃縮分留させたり、水素
添加により二重結合の低減調整等を行う必要がある。
【0018】例えば上記した原料油脂等を予めエステル
化触媒(水酸化ナトリウム等)の存在下、メタノール等
の低級アルコールでエステル交換反応させた後で、グリ
セリンを分離した脂肪酸エステル混合物を蒸留処理させ
て炭素数18の脂肪酸エステルを主体とする濃縮留分を
選択的に分離し、これに水素添加処理を施すことによっ
て成分調整と二重結合の低減調整をした後で、水酸化ナ
トリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤を用いてケン
化し、必要に応じて中和、塩析等を行って本発明の石鹸
基剤を容易に得ることができる。
【0019】また場合によっては、あらかじめ上記した
原料油脂の複数種から直接アルカリ剤によりケン化し、
塩析により副生するグリセリンを分離した石鹸基剤同士
を適宜配合したり、或いは上記した炭素数18の脂肪酸
エステルを主体とする濃縮留分の水素添加物からの石鹸
基剤と適宜混合して本発明の石鹸基剤を得ることもでき
る。更に、蒸留により濃縮留分した炭素数18を主成分
とする脂肪酸と、炭素数18以外の濃縮留分とを上記し
た原料油脂から得られる脂肪酸類へ適宜添加して成分調
整した後で、上記と同様にアルカリ剤を用いてケン化
し、本発明の固型石鹸基剤を得ることもできる。なお天
然油脂であるパーム油から炭素数18を主成分とする脂
肪酸塩を選択的に分離する方法は、例えば特開平4-1174
97号公報、特開平6-41578号公報で公知である。
【0020】本発明の好ましい石鹸基剤の一例として、
炭素数18及びその他の脂肪酸の分布割合%(単位:重
量%)を挙げれば次のようになる。 C8 :0.01〜5% C10:0.01〜5% C12:5〜35% C14:0.01〜15% C16:0.01〜25%好ましくは0.01〜10%さらに好
ましくは0.01〜5% C18:17〜50%好ましくは30〜45% C18F1:25〜50% C18F2:0.01〜5%好ましくは0.01〜2% C20:0.01〜15% C22:0.01〜15% (ここで、例えばC18は炭素数18の飽和脂肪酸を、
C18F1 は、炭素数18で二重結合が一つある不飽和
脂肪酸を、C18F2は炭素数18で二重結合が二つ以
上ある不飽和脂肪酸をそれぞれ表す。)
【0021】本発明の透明固型石鹸組成物は、上記した
脂肪酸分布を有する脂肪酸アルカリ金属塩類からなる石
鹸基剤と透明化剤その他の添加剤を機械的な力で微細化
する機械練り法により容易に得られる。この場合の透明
固形石鹸組成物の機械練法の一例を示せば、次の通りで
ある。混合した原料油脂または成分調整した脂肪酸類を
アルカリ剤によりケン化し、更に必要に応じて中和、塩
析等を行なって、本発明の要件を満たす脂肪酸アルカリ
金属塩類からなる石鹸基剤(ニ−トソ−プ)を得る。こ
のニ−トソ−プに或いはこれを乾燥した石鹸チップに、
透明化剤と各種の添加剤を配合してプロッダー等による
混練を行って均質に配合した後、型打ちして仕上げ製品
を得る。
【0022】この場合、特にプロッダー混練を行う前
に、水分含有量を低減することが好ましい。この場合、
熱交換機等により加温した後、真空下にフラッシュ乾燥
して水分含有量を低減するか、或いは特開平8−311
499公報に示されるように乾燥と混練を同時に行って
ニ−トソ−プの水分含有量を低減させる場合に特に優れ
た効果を発揮する。例えば40〜60℃にコントロール
した一対の加熱ローラー、又は100〜760mmHgの減
圧下に40〜60℃にコントロールした真空加熱ドラム
内等に、上記ニートソープを供給し加熱しながら混練す
ることによりニートソープ中の水分を蒸発させ、最終的
に水分含有量を8〜17重量%(好ましくは12〜16
重量%)の石鹸生地を得る。この石鹸生地をブロッダー
混練・型打等の通常の方法により処理することによっ
て、透明固形石鹸組成物を得ることができる。
【0023】なお本発明の透明固型石鹸組成物は、場合
によっては枠練り法でも得ることが可能である。即ち上
記した脂肪酸分布を有する脂肪酸アルカリ金属塩類から
なる石鹸基剤と透明化剤その他の添加剤を適宜水と低級
アルコールの混合溶剤に加熱溶解してから公知の枠練り
法によって得ることができる。
【0024】
【実施例】つぎに、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明する。なお効果の測定は以下の評価法によった。 (1)透明性の評価基準 透明性は、15mmの厚さの石鹸を通して読み取り可能
な文字の大きさ(ポイント数)を測定して下記の基準で
評価した。 ◎:5ポイント以下の文字が読み取り可能。 ○:6〜20ポイントの文字が読み取り可能。 △:21〜70ポイントの文字が読み取り可能。 ×:71ポイント以上の文字が読み取り可能。 (2)溶け崩れ性の評価基準 試料を15日間浴室で使用して下記の基準で評価した。 ◎:溶け崩れない。 ○:あまり溶け崩れない。 △:やや溶け崩れる。 ×:溶け崩れる。
【0025】実施例1〜6,比較例1〜6 下記表1に示すように脂肪酸組成分布がそれぞれ異なる
各種脂肪酸混合物を予め調整し、それぞれを減圧ニ−ダ
−内で95℃に加温して溶解し、40%水酸化ナトリウ
ム水溶液で中和して得られた各石鹸基材に、透明化剤と
してグリセリンとソルビットを、キレート剤としてヒド
ロキシエタンジホスホン酸、エデト酸4ナトリウムを、
電解質として食塩をそれぞれ表1に示すように配合し
て、ニ−トソ−プ(水分:24〜26%)を得た。これ
を熱交換機により120℃に加温した後、真空下にフラ
ッシュ乾燥(減圧:100〜700mmHg、排出圧:
約2kg/cm2)して水分を約15%にして透明石鹸
チップを得た。これにジブチルヒドロキシトルエンと香
料とを表1に示すように加え3本ロ−ルミルで混練(冷
却水温度:25℃)した後、真空2段プロッダ−にて混
練(冷却水温度:25℃、石鹸温度:38〜42℃)し
たものを型打ちして透明固型石鹸を得た。これらの型打
ち品のタイタ−値と酸価の測定結果及び透明性と溶け崩
れ性の評価結果を表1にまとめて示す。
【0026】参考例 原料油脂として公知の牛脂とヤシ油の比率が8/2の混
合油脂を使用して上記実施例1と同一条件で型打ちして
透明固型石鹸を得た。この型打ち品のタイタ−値と酸価
の測定結果及び透明性と溶け崩れ性の評価結果を表1に
まとめて示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例7〜21 下記表2に示すような脂肪酸組成分布からなる原料パ−
ム油を水酸化ナトリウム触媒の存在下、温度60℃、圧
力2気圧でメタノ−ルによりエステル交換反応処理した
後、常法の整置分離法で副生成物のグリセリンを除いて
得られたエステル混合物を蒸留処理して炭素数18の留
分を分離した。次に、この留分を、ニッケル触媒の存在
下、温度160℃、水素圧力1.5気圧で水素化処理し
た。この時のパ−ム油由来のC18留分の水素化処理物
を表3に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】一方、下記表4に示すような脂肪酸組成分
布からなる原料パ−ム核油を上記と同様にエステル交換
反応してエステル混合物を得た。
【0032】
【表4】
【0033】次に、パ−ム油由来のC18留分の水素化
処理物/パ−ム核油由来のエステル混合物(表3と表4
の混合物)=9/1、8/2、7/3、6/4、5/5
の割合で混合したものを原料油とし、ニ−ダ−内で90
℃に加温して溶解し、30%水酸化ナトリウム水溶液で
中和して得られた石鹸基材に、パルミチン酸3重量%を
加えて過脂肪化し、更に透明化剤としてグリセリン5重
量%とポリエチレングリコール(PEG4000)5重量%とを
加えて、ニ−トソ−プ(水分:25〜27重量%)を得
た。これを熱交換機により120℃に加温した後、真空
下にフラッシュ乾燥(減圧:100〜700mmHg、
排出圧:約2kg/cm2)して水分を約15重量%に
して透明石鹸チップを得た。これに表5に示す各種の成
分を加え、3本ロ−ルミルで混練(冷却水温度:25
℃)した後、真空2段プロッダ−にて混練(冷却水温
度:25℃、石鹸温度:38〜42℃)したものを型打
ちして透明固型石鹸を得た。これらの型打ち品のタイタ
−値と酸価の測定結果及び透明性と溶け崩れ性の評価結
果を表5にまとめて示す。
【0034】比較例7〜8 上記した実施例7における混合原料油を、パ−ム油由来
のC18留分の水素化処理物単独の場合とパ−ム核油由
来のエステル混合物単独の場合に変更した以外は、実施
例7と同様にして型打ちし透明固型石鹸を得た。これら
の型打ち品のタイタ−値と酸価の測定結果及び透明性と
溶け崩れ性の評価結果を表5にまとめて示す。
【0035】
【表5】
【0036】ただし表5で使用した各種成分は下記の通
りである。 オリ−ブ油:OLIVE OIL(オリ−ブ園製) 椿油:三原椿油(高田製油所製) ヒマワリ油:NIKKOLヒマワリ油(日光ケミカルズ
製) ラノリン:ラノリン(クロ−ダジャパン製) シアバタ−:CROPURE SR−VEGELAN
(クロ−ダジャパン製) ビタミンE:天然ビタミンE(理研ビタミン製) 色素:B−404、Y−205(癸巳化成製) アミノ酸:グリシン、アラニン(味の素製) PCAソ−ダ:PCAソ−ダ(50%水溶液)(味の素
製) トリクロサン:トリクロサン(加商製) グリチルリチン酸ジカリウム:グリチルリチンK2(丸
善製薬製) アラントイン:アラントイン(パ−マケムアジア製) ヒアルロン酸ナトリウム:バイオヒアルロン酸(旭化成
製)
【0037】実施例22〜38 実施例7〜21で得られた各ニートソープを一対の加熱
ロール(ロール温度40℃)に供給して混練しながら加
熱ロールでニートソープ中の水分を蒸発させ、水分が約
15%になるまで混練した。その後、それぞれ表5に示
すものと同じ各種の成分(香料等)を加えて真空2段プ
ロッダーにて混練したものを型打ちした。得られた製品
はいずれも使用時における溶け崩れが少なく、透明性に
も優れていた。
【0038】実施例39〜55 実施例7〜21で得られた各ニートソープを真空加熱ド
ラム(ドラム温度40〜60℃、減圧100〜700m
mHg)に供給して、混練しながらニートソープ中の水
分を蒸発させ、水分が約14%になるまで混練した。そ
の後、それぞれ表5に示すものと同じ各種の成分(香料
等)を加えて2軸式真空2段プロッダーにて混練したも
のを型打ちした。得られた製品はいずれも使用時におけ
る溶け崩れが少なく、透明性にも優れていた。
【0039】実施例56〜72 実施例7〜21で得られた各ニートソープを減圧ニーダ
ー(ニーダー温度85〜95℃、減圧100〜700m
mHg)に供給して、混練しながらニートソープ中の水
分を蒸発させ、水分が約16%になるまで混練した。そ
の後、それぞれ表5に示すものと同じ各種の成分(香料
等)を加えて3本ロールミルで混練した後、2軸式真空
2段プロッダーにて混練したものを型打ちした。得られ
た製品はいずれも使用時における溶け崩れが少なく、透
明性にも優れていた。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明固型
石鹸組成物は、石鹸基剤中における炭素数18の脂肪酸
アルカリ金属塩の含有量とタイター値を特定することに
よって、使用時における溶け崩れが少なく、透明性にも
優れている。しかも特に生産効率の高い機械練り法によ
ってもこれらの効果を失うことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 昭治 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸アルカリ金属塩類からなる石鹸基
    剤と透明化剤とを含有する透明固型石鹸組成物であっ
    て、上記石鹸基剤における炭素数18の飽和脂肪酸アル
    カリ金属塩の含有率が17〜50重量%、炭素数18で
    二重結合を2つ以上有する不飽和脂肪酸アルカリ金属塩
    の含有率が5%以下であり、かつ、石鹸組成物のタイタ
    −値が40〜55℃の範囲であることを特徴とする透明
    固型石鹸組成物。
  2. 【請求項2】 石鹸基剤は炭素数8〜22の脂肪酸アル
    カリ金属塩からなり、該石鹸基剤55〜90重量%と透
    明化剤その他の添加剤45〜10重量%の割合に機械練
    り法で成型されたものである請求項1記載の透明固型石
    鹸組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082408A (ja) * 2010-09-17 2012-04-26 Sanwa Chemical Industry Co Ltd 透明固形石鹸組成物

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