JP2012076933A - ハイドロタルサイト組成物、その製造方法、並びに該組成物を含有した安定剤、樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ハイドロタルサイト組成物、その製造方法、並びに該組成物を含有した安定剤、樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】マンガンや鉄と硫化物系還元剤を含有することにより、樹脂中でハロゲンないし酸性物質を吸収し、これらの金属元素が、燃焼熱で樹脂中の炭素原子と結合あるいは樹脂中の水素原子を引き抜いてチャーと呼ばれる不燃性炭素を生成して難燃性を向上させ、更に、鉄やマンガンによる着色を防止するハイドロタルサイト組成物を提供する。
【解決手段】ハイドロタルサイトと、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と、硫化物系還元剤とを含有することを特徴とするハイドロタルサイト組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハイドロタルサイトの本来の性能を具備した上で、樹脂の難燃性を向上させるハイドロタルサイト組成物と、その製造方法、並びに該ハイドロタルサイト組成物を含有してなる安定剤、樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体に関する。
さらに詳しくは、ハイドロタルサイトが優れたアニオン交換能力を有していることから、例えば塩化ビニル樹脂に配合された場合に、紫外線や加熱などによって塩化ビニルの分子鎖から脱離する塩化水素ないし塩素イオンの吸収剤・安定剤としての効能を有し、更にオレフィン樹脂の重合時に使用する触媒から発生するハロゲンの受酸剤・吸収剤としての使用が可能である上に、特定の金属元素を特定量含有させることで塩化ビニル樹脂やオレフィン樹脂の難燃性を向上させ、更に金属元素の含有が原因で生じる色相の悪化が殆どないことを特長とするハイドロタルサイト組成物と、その製造方法、並びに該ハイドロタルサイトを含有してなる安定剤、樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体に関する。
ハイドロタルサイトは、通常、M2+ 1-x 3+ x (OH)2 n- x/n ・mH2 Oの組成式で表わされ、層状の結晶構造をしており、2価(M2+)および3価(M3+)の金属の複合水酸化物からなる基本層と、その基本層間にアニオン(An-)と水を有する中間層からなる。
基本層は、2価の金属イオンの代わりに3価の金属イオンの一部が配位することで正に帯電しており、基本層の層間にアニオンがインターカレートすることで、トータルの電荷が中和している。
ハイドロタルサイトは、基本層の層間のアニオン交換が可能であり、その能力によって合成樹脂、合成ゴム、セラミック、塗料、紙、トナー等に配合され、ハロゲン捕捉剤や受酸剤、吸収剤としての効能を有する優れた安定剤として広範な用途に使用されている。
具体的な用途として、塩化ビニル樹脂とその他の樹脂に大別される。
塩化ビニル樹脂は、優れた耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性を有し、更に難燃性かつ電気絶縁性に優れ、安価であることから用途が多岐にわたっている。
具体的には、衣料、クッション材、断熱、防音材、ロープ、電線被覆(絶縁材)、防虫網、包装材料、レコード盤、水道パイプ、消しゴム、フィギュアなどであり、最近では軽量化を図る目的で一部の自動車用のアンダーコートとしても用いられている。
しかし、その製造時や加工時の熱によって、樹脂中の分子鎖から有害な塩化水素が脱離を起こして、労働環境を悪化させるだけでなく、加工機や装置を腐食して錆を生じさせる発錆性の問題も有している。
また、使用時においても熱や紫外線、酸素により塩化水素が分子鎖より脱離し、更に脱離した塩化水素が分解反応を促進して、長鎖ポリエンを生成して着色、老化が起きるという問題を有している。このため、塩化ビニル樹脂中で分子鎖から脱離した塩化水素を捕捉、保持、中和させることが求められている。
塩化ビニル樹脂以外の樹脂で、塩素化合物であるチーグラー型重合触媒を触媒もしくは担体成分として使用して製造したオレフィン類の重合体や共重合体や、硫酸、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、塩酸等のハロゲン化物や酸性物質を含有する触媒を用いて製造したAS、ABS、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のハロゲンや酸性物質を含有する熱可塑性樹脂、塩化ビニリデン重合体もしくは共重合体、塩化ビニル樹脂をブレンドするブレンド樹脂の如きハロゲン含有ブレンド樹脂についても、触媒や単量体に用いられたハロゲンや酸性物質が成形加工時に発生するといった作業環境汚染の問題や、加工機の発錆性の問題、更に使用時における樹脂の劣化の促進等が問題になっている。
これらハロゲンないし酸性物質の発生や残留に対して、これまで、鉛化合物、リン系化合物、スズ系化合物、各種金属石鹸が用いられてきた。
しかしながら、鉛系とリン系の安定剤は環境への懸念がある。また、スズ系安定剤や各種金属石鹸は、肝心のアニオン吸収・吸着性が鉛系やリン系安定剤より劣ることから配合量を増やす必要があり、その結果、樹脂成形体の強度や外観、絶縁性などの諸物性を低下させるため、使用用途が制限されていた。
よって、無害で安価な無機化合物であるハイドロタルサイトが提案され使用されている(例えば特許文献1および2参照)。
一方、塩化ビニル樹脂は塩素を多く含有することから、オレフィン樹脂等の他の樹脂より難燃性が高い特徴を有するが、一旦、燃焼すると発煙量が多く、塩化水素を含む有毒ガスを発生させるため、建材や自動車、電車、航空機等の乗り物の内装材としては不適当であった。
その欠点を解消するため、これまで、難燃剤や低発煙剤を添加した塩化ビニル樹脂が提案されている(例えば特許文献3から6参照)。
米国特許第4347353号 特公昭58−46146号公報 特開平2−258857号公報 特開平2−251552号公報 特開平3−152143号公報 特開平4−65448号公報
しかしながら、塩素化パラフィン、有機リン系化合物、四酸化アンチモンや五酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ホウ酸亜鉛等の難燃剤や低発煙剤を添加すると、樹脂成形体の強度低下をもたらし、耐衝撃性等が低下する等の問題がある。
また、塩化ビニル樹脂より難燃性が劣るオレフィン樹脂において、例えばエコ電線等の用途では難燃性付与が強く求められることから、上述の難燃剤の他に臭素系、赤リン系、窒素系、スズ亜鉛系等の難燃剤が用いられている。
しかしながら、例えば臭素系の難燃剤は燃焼時に臭化水素を発生する問題があり、赤リン、リン系の難燃剤は環境への負荷、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物は、その難燃性の低さから大量に配合する必要があるなどの問題がある。
以上のような実情に鑑み、塩化ビニル樹脂においては発煙性を少なくし、塩化水素の発生を阻害する難燃性の向上が求められ、また、エコ電線等の用途に用いられるオレフィン樹脂においては、現在主流の金属水酸化物系難燃剤の配合量を低減させる目的で、樹脂の難燃性の向上が切望されている。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行なった結果、ハイドロタルサイトのハロゲンおよび酸性物質の吸収、吸着性を保持したまま、難燃性を向上させる方法として、マンガンや鉄の金属元素が存在すると、燃焼熱で樹脂中の炭素原子と結合して、あるいは樹脂中の水素原子を引き抜いてチャーと呼ばれる不燃性炭素を生成し、それが樹脂の分解・燃焼を阻害して難燃性を持続することを見い出した。
また、本来の目的であるハロゲンないし酸性物質の吸収・吸着と難燃性向上には関係ないが、それらの金属元素を樹脂に配合したことで生じる着色がもたらす商品価値の低下について検討した結果、鉄やマンガンを硫化物系還元剤で還元し、該鉄やマンガンと硫化物系還元剤をハイドロタルサイトの粒子表面ないし層間に担持させることにより、鉄やマンガンによる着色が殆どなく、難燃性が更に向上したハイドロタルサイト組成物が得られることを見出し本発明を完成させた。
即ち、上記目的を達成するための本発明は、下記を特徴とするものである。
(1)ハイドロタルサイトと、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と、硫化物系還元剤とを含有するハイドロタルサイト組成物。
(2)下記式(a) 〜(c) の少なくとも1つを満足するハイドロタルサイト組成物。
(a)5.0≦Sw≦35 (m2 /g)
(b)100<M≦1000 (ppm)
(c)100<S≦1800 (ppm)
ただし、
Sw : 窒素吸着法で測定したハイドロタルサイト組成物のBET比表面積(m2 / g)。
M : 原子吸光分光光度計で測定した、ハイドロタルサイト組成物の鉄とマンガン の含有量(ppm)。
S : 赤外線吸収法で測定したハイドロタルサイト組成物の硫黄の含有量(ppm )。
(3)更に、下記式(d)を満足するハイドロタルサイト組成物。
(d)1.0≦S/M≦1.9 (−)
(4)色相が、下記式(e)〜(g)の少なくとも1つを満足するハイドロタルサイト組成物。
(e)W≧85 (−)
(f)L≧65 (−)
(g)b≦3.5 (−)
ただし、
W : ケット式光電管白色度計で測定したハイドロタルサイト組成物の白色度(−)
L : ハイドロタルサイト組成物をフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下、DOP と略記)中に5:10の割合で分散させた混合物の色相をハンターLab表色 系で表した時のL値 (−)
b : ハイドロタルサイト組成物をDOPに5:10の割合で分散させた混合物の色 相をハンターLab表色系で表した時のb値 (−)
(5)脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸、これらの酸の塩、界面活性剤、カップリング剤、多価アルコールからなるエステル、燐酸エステルから選択した少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているハイドロタルサイト組成物。
(6)合成反応で得られたハイドロタルサイトスラリー、または、ハイドロタルサイトを表面処理して得られる表面処理ハイドロタルサイトのスラリーに、塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液と硫化物系還元剤を混合した溶液を添加し、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と硫化物系還元剤をハイドロタルサイト、または、表面処理した表面処理ハイドロタルサイトの表面および/またはハイドロタルサイトの層間に担持させるハイドロタルサイト組成物の製造方法。
(7)塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンの量M1が、ハイドロタルサイト、または、表面処理した表面処理ハイドロタルサイトに対して、下記式(h)の範囲内にあるハイドロタルサイト組成物の製造方法。
(h)100<M1≦1000 (ppm)
(8)塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンのモル数Mmに対する硫化物系還元剤中の硫黄のモル数Smが、下記式(i)の範囲内にあるハイドロタルサイト組成物の製造方法。
(i)1.8≦Sm/Mm≦3.2 (−)
(9)硫化物系還元剤が、チオ硫酸系化合物、デクロリンから選ばれる少なくとも1種であるハイドロタルサイト組成物の製造方法。
(10)ハイドロタルサイトを脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸、これらの酸の塩、界面活性剤、カップリング剤、多価アルコールからなるエステル、燐酸エステルから選択した少なくとも1種の表面処理剤で表面処理することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
(11)上記ハイドロタルサイト組成物と安定剤を含有してなる樹脂用安定剤。
(12)ハイドロタルサイト組成物の含有量が、安定剤100重量部に対して0.01〜80重量部である樹脂用安定剤。
(13)上記ハイドロタルサイト組成物と樹脂を含有してなる樹脂組成物。
(14)樹脂がハロゲン含有樹脂である樹脂組成物。
(15)ハロゲン含有樹脂が塩化ビニル系樹脂であり、ハイドロタルサイトの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部である樹脂組成物。
(16)樹脂がオレフィン系樹脂であり、ハイドロタルサイトの含有量が、オレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部である樹脂組成物。
(17)上記樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、樹脂中に良好に分散してハロゲンないし酸性物質を吸収する。
また、マンガンや鉄の金属元素と硫化物系還元剤を含有することにより、これらの金属元素が、燃焼熱で樹脂中の炭素原子と結合して、あるいは樹脂中の水素原子を引き抜いてチャーと呼ばれる不燃性炭素を生成し、それが樹脂の分解・燃焼を阻害して優れた難燃性を発揮する。
更に、鉄やマンガンを硫化物系還元剤で還元し、該鉄やマンガンと硫化物系還元剤に由来する硫黄化合物をハイドロタルサイトの粒子表面ないし層間に担持させることにより、鉄やマンガンによる着色が防止される。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、ハイドロタルサイトと、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と、硫化物系還元剤とを含有することを特徴とするハイドロタルサイト組成物である。
本発明におけるハイドロタルサイトは特に制限されないが、好ましくは、[Mgx Zny 1-z Alz (OH)2(An-) z/n ・mH2 O(式中、An-は、n価のアニオンを表し、x、y、z及びmは、0.5≦x≦1、0≦y≦0.5、x+y=1、0.1≦z≦0.5、0≦m<1)で表される。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、窒素吸着法によるBET比表面積Swは好ましくは5.0≦Sw≦35(m2 /g)、より好ましくは7.0≦Sw≦25(m2 /g)の範囲にあり、二次凝集が殆どないかあるいは少ないものである。また、原子吸光分光光度法で測定したハイドロタルサイト組成物中の鉄とマンガンの含有量(合計量)Mは、好ましくは100<M≦1000ppm、より好ましくは200<M≦500ppmである。更に、赤外線吸収法で測定したハイドロタルサイト組成物中の硫黄の量Sは、好ましくは100<S≦1800ppm、より好ましくは200<S≦1800ppmである。
本発明のハイドロタルサイト組成物のSw、M及びSが上記範囲内にあることにより、樹脂に配合した場合にその色調を損ねず樹脂中に良好に分散してハロゲンないし酸性物質の吸収、吸着する安定剤としてその効能を発揮し、更に金属元素を含有していることにより、火災時にチャーを生成して従来のハイドロタルサイトより優れた難燃性をもたらすことが出来る。
ハイドロタルサイト組成物のBET比表面積Swが5.0m2 /g未満の場合、巨大な単一粒子がハイドロタルサイト組成物中に多く存在することになり、それらを樹脂に配合すると、組成物の破断面の原因ないし機械的な弱点となり、成形体のアイゾット強度や引張強度を低下させる原因となるため好ましくない。Swが35m2 /gを超えると、ハイドロタルサイト組成物中に微細な粒子が多くなり、粉体として貯蔵時や樹脂への配合時、樹脂組成物を成形する際に凝集体を生成しやすく、その組成物の破断面の原因ないし機械的な弱点となり、成形体の引張強度等の強度物性を低下させる原因となるので好ましくない。
なお、BET比表面積は窒素吸着法で測定され、測定装置としてはユアサアイオニクス(株)製NOVA2000を使用した。
ハイドロタルサイト組成物が鉄やマンガンを含有することにより、樹脂に配合後、その燃焼時にハイドロタルサイトの粒子表面や層間の鉄やマンガンが樹脂中で脱水触媒の如く作用し、樹脂中の水素原子を取り去り炭素のみを残す。そして、残された炭素がチャーと呼ばれる不燃性炭素を生成することで難燃性を向上させ、更にそれが樹脂の分解・燃焼を阻害し続けることで難燃効果をより向上させる。
ハイドロタルサイト組成物中の鉄とマンガンの含有量Mが1000ppmを超えると、難燃性の向上の点では好ましいが、着色が著しくなり、更にそれらの金属が樹脂の熱劣化性に悪影響を与えるので好ましくない。その理由は明らかでないが、添加した全ての鉄やマンガンが完全に還元剤と反応するとは考えにくく、添加量が増えることにより還元剤と反応せずに残った鉄とマンガンが酸化されて着色したり、それらがラジカル化することで樹脂の熱劣化性に悪影響を与えると推測される。
また、ハイドロタルサイト組成物中の鉄とマンガンの含有量が増えることにより、相対的に難燃作用をもたらすハイドロタルサイトの割合が減り、十分な難燃性を樹脂に付与できなくなるため好ましくない。
鉄とマンガンの含有量Mが100ppm未満の場合、色相や熱劣化性の点では好ましいが、難燃性の点でハイドロタルサイト単独で用いた場合と差がなく、本来の目的である難燃性とその持続性を向上させる効果が小さくなり好ましくない。
なお、鉄とマンガンの量は原子吸光分光光度法で測定され、測定装置としては島津製作所(株)製原子吸光分光光度計AA6700Fを使用した。
ハイドロタルサイト組成物が硫化物還元剤の硫黄を含有することにより、ハイドロタルサイト組成物が鉄やマンガンを含有しているにも関わらず、樹脂の熱劣化が生じにくく、良好な色相を本発明のハイドロタルサイト組成物や安定剤、樹脂組成物、および成形品に付与することができる。
硫化物還元剤の硫黄を含有することで、樹脂の熱劣化および良好な色相を付与せしめる理由やメカニズムは明らかでないが、ハイドロタルサイト組成物中において、硫化物還元剤が鉄やマンガンの硫酸塩または亜硫酸塩、含硫黄複塩や含硫黄錯塩、これらの複合化合物の形態になり、鉄やマンガンの活性が抑えられているためと推測される。
ハイドロタルサイト組成物の硫黄の含有量Sが1800ppmを超えると、ハイドロタルサイト組成物自体、並びにそれを配合した樹脂組成物および成形体の色相が悪化するため、好ましくない。色相が悪化する理由は明らかでないが、硫化物還元剤が鉄やマンガンと反応するだけでなく、マグネシウムや他の不純物であるカルシウム等の硫酸塩や亜硫酸塩が生成し、その含有量が多くなるためと推測される。硫黄の含有量Sが100ppm以下の場合は、色相が悪くなるだけでなく樹脂成形体となった場合にその熱劣化性が悪化するため好ましくない。
この理由も明らかでないが、硫化物還元剤の添加量が少ないためにハイドロタルサイトが含有する鉄やマンガンの全てに作用しきれず、鉄やマンガンの水酸化物による着色や、ラジカル化を抑えることが出来ないためと推測される。
なお、硫化物還元剤の硫黄は赤外吸収法で測定され、測定装置としてはLECO社製炭素・硫黄分析装置CS−444を使用した。
本発明のハイドロタルサイト組成物中の硫化物還元剤の硫黄の含有量Sと、鉄とマンガンの含有量Mとの比S/Mは、好ましくは1.0≦S/M≦1.9、より好ましくは1.2≦S/M≦1.5の範囲である。この比S/Mが1.9を超えると、ハイドロタルサイト組成物自体、並びにそれを配合した樹脂組成物および成形体の色相が悪化するため好ましくない。色相が悪化する理由は明らかでないが、硫化物還元剤が鉄やマンガンと反応するだけでなく、マグネシウムや他の不純物であるカルシウム等の硫酸塩や亜硫酸塩が生成し、その含有量が多くなるためと推測される。S/Mが1.0未満の場合は、色相が悪くなるだけでなく樹脂成形体となった場合にその熱劣化性が悪化するため好ましくない。この理由も明らかでないが、硫化物還元剤が少ないためにハイドロタルサイト組成物が含有する鉄やマンガンの全てに作用しきれず、鉄やマンガンの水酸化物による着色や、ラジカル化を抑えることが出来ないためと推測される。
本発明のハイドロタルサイト組成物の色相は、ケット式光電管白色度計で測定したハイドロタルサイト組成物の粉体としての白色度Wは、好ましくは85以上であり、より好ましくは87以上である。
白色度Wが85未満の場合、本発明のハイドロタルサイト組成物を配合してなる安定剤や樹脂組成物、それから作成した成形体が、ハイドロタルサイト組成物により着色されるため、着色剤等を配合してその色相を調整せねばならなくなり、また、成形体の強度等への影響があるため好ましくない。Wが高いほど、本発明のハイドロタルサイト組成物を配合してなる樹脂組成物やそれから作成した成形体への、ハイドロタルサイト組成物の色相の影響が殆どなく好ましいが、上記した所定量の鉄とマンガンをハイドロタルサイト粒子表面や層間に担持させた場合のWの上限は92程度である。
なお、白色度Wはケット式光電管白色度計により測定され、測定装置としてはKETT社製粉体白度計C−100−3を使用した。
ハイドロタルサイト組成物をフタル酸ジ−2−エチルヘキシル中に5:10の割合で分散させた混合物の色相(以下、DOP濡色と略記)をハンターLab表色系で表した時のL値は、好ましくは65以上であり、より好ましくは68以上、更に好ましくは70以上である。
更に、DOP濡色のb値は、好ましくはb≦3.5、より好ましくはb≦2.7、更に好ましくはb≦1.9である。
ハイドロタルサイト組成物のDOP濡色をハンターLab表色系で表した時のL値が65未満である場合やb値が3.5を超える場合、ハイドロタルサイト組成物を配合してなる安定剤や樹脂組成物、それから作成した成形体が、ハイドロタルサイト組成物の色相の影響により着色されるため、この補正のために着色剤等を配合してその色相を調整する必要が生じたり、また成形体の強度等への影響があるため好ましくない。
なお、ハンターLab表示系の測定装置としては、日本電色工業(株)製測色色差計ZE2000を使用した。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、樹脂成形体としての耐久性、強度等の諸物性向上を目的として、また粒子の安定性、分散性、樹脂との親和性向上や撥水性付与の目的で、脂肪酸、脂肪酸金属塩、界面活性剤、カップリング剤、多価アルコールからなるエステル、燐酸エステルから選択した少なくとも1種の表面処理剤で表面処理(表面被覆)されているのが好ましい。
表面処理剤は、上記の諸物性や、用途、環境への影響、ハンドリング性、コスト等の観点から、例えば塩化ビニル系樹脂に使用される場合は、脂肪酸やその金属塩が、また、オレフィン系樹脂については、重合時のチグラー触媒の塩素受容剤として脂肪酸やその金属塩、シランカップリング剤による表面処理が好ましい。
脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸として、例えば、酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ソルビン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;シクロペンタン環やシクロヘキサン環を持つナフテン酸等の脂環族カルボン酸、安息香酸、フタル酸等に代表されるベンゼンカルボン酸類;ナフトエ酸やナフタル酸等のナフタレンのカルボン酸等の芳香族カルボン酸;アビエチン酸、ピマル酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸等の樹脂酸が挙げられ、中でもハイドロタルサイトとの反応性や、粒子の安定性、分散性、コストの点でステアリン酸とパルミチン酸の混合酸が好ましい。
上記した酸の塩としては、金属塩やアミン塩が挙げられ、例えば、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸コバルト(II) 、ステアリン酸錫(IV)、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸鉛(II) 等の飽和脂肪酸塩、オレイン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸コバルト(II) 、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の不飽和脂肪酸塩;ナフテン酸鉛、シクロヘキシル酪酸鉛等の脂環族カルボン酸塩;安息香酸ナトリウムやサリチル酸ナトリウム等の芳香族カルボン酸塩、ジエタノールアミン塩が挙げられる。
また、本発明のハイドロタルサイト組成物の表面処理時または表面処理に先立って、予め脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸に、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、鉛、コバルト、錫、アシル基を持つ化合物を混合・反応させて脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸の各酸の金属塩やアミン塩を適宜作成しても良い。
上記した酸の金属塩の中でも、ハイドロタルサイトとの反応性や、粒子の安定性、分散性、コストの点でステアリン酸ないしパルミチン酸を主成分とする混合石鹸の使用が好ましい。
上記した酸のエステルとしては、例えば、カプロン酸エチル、カプロン酸ビニル、アジピン酸ジイソプロピル、カプリル酸エチル、カプリン酸アリル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、イソオクタン酸セチル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸ラウリル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸イソセチル、ベヘニン酸メチル、ベヘニン酸ベヘニル等の飽和脂肪酸エステル、オレイン酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オリーブオレイン酸エチル、エルカ酸メチル等の不飽和脂肪酸エステル、その他、長鎖脂肪酸高級アルコールエステル、ネオペンチルポリオール(長鎖・中鎖を含む) 脂肪酸系エステルおよび部分エステル化合物、ジペンタエリスリトール長鎖脂肪酸エステル、コンプレックス中鎖脂肪酸エステル、12−ステアロイルステアリン酸イソセチル、12−イソステアリルステアリン酸イソセチル、12−ステアリルステアリン酸イソセチル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、多価アルコール脂肪酸エステル/アルキルグリセリルエーテルの脂肪酸エステル等の耐熱性特殊脂肪酸エステル、安息香酸エステル系に代表される芳香族エステルが挙げられ、中でもハイドロタルサイトとの反応性や、粒子の安定性、分散性、コストの点で多価アルコール脂肪酸エステルの多価アルコールステアリン酸またはパルミチン酸ステアリルないしステアリン酸ステアリルの使用が好ましい。
カップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトトキシシラン等が挙げられ、ハイドロタルサイト粒子自体の分散性と安定性、樹脂との親和性向上、コストの点で、ビニルトリメトキシシラン、及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの使用が好ましい。
多価アルコールからなるエステルとしては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノヤシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントオリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のソルビタン系や、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステアレート、等のグリコール系、ペンタエリストールモノオレエート、ペンタエリストールモノステアレート、ペンタエリストールテトラパルミテート等のエリストール系、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステルが挙げられ、中でもハイドロタルサイトとの反応性や、粒子の安定性、分散性、コストの点でソルビタンモノラウレートないし、ペンタエリストールモノステアレートの使用が好ましい。
燐酸エステルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、2−エチルヘキシルホスフェート、ブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェート、レゾルシノールジフェノールホスフェート、各種芳香族縮合燐酸エステル、2−クロロエチル、クロロプロピルホスフェート、ジクロロプロピルホスフェート、トリブロモネオペンチルホスフェート、含ハロゲン縮合燐酸、ビス−2−エチルヘキシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、2−メタクリロイルオキシルエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、2−ブチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジブチルハイドロジェンホスファイト、ジフェニルホスホロクロリデート、フェニルホスホロジクリデート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、アルキル基が12〜15のポリオキシアルキルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸、同ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテル燐酸が挙げられ、ハイドロタルサイトとの反応性や、粒子の安定性、分散性、コストの点で2−エチルヘキシルホスフェートやトリクレジルホスフェートの使用が好ましい。
また、表面処理剤の処理量は、例えば、樹脂組成物の場合、使用される樹脂の種類や用途によって適宜選択され、例えば電線用途の軟質塩化ビニル系樹脂に配合される場合、ハイドロタルサイト組成物100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部である。
表面処理剤の処理量が0.01重量部未満の場合、表面処理剤の効能が認められず、樹脂組成物や成形品の製造時のハンドリングの悪化や樹脂中での分散不良を起こし、樹脂中でハロゲンや酸性物質の吸収、吸着性が劣るため好ましくない。表面処理量が10重量部を超えると、例えば樹脂に配合して成形体を作成した場合、樹脂の強度が著しく低下し、場合によっては成形体としての形状すら保てなくなるため好ましくない。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、また、その使用目的によって適宜選択することができる。例えば、色相よりも難燃性を重視する場合、難燃性を大きく向上させるために鉄および/またはマンガンと硫黄の含有量が多いハイドロタルサイト組成物を選択したり、難燃性よりも色相を重視するために、鉄および/またはマンガンと硫黄の含有量が少ないハイドロタルサイト組成物を選択したりすることも可能である。また、両者の中間の色相と難燃性が向上したハイドロタルサイト組成物を選択することも可能である。
本発明の第二は、本発明のハイドロタルサイト組成物を製造する方法に関する。
本発明のハイドロタルサイト組成物に用いられるハイドロタルサイトの製造方法は特に限定されず、例えばハイドロタルサイトを得るための原料および製造条件はそれ自体公知であり、基本的には、特公昭46−2280号公報およびその対応する米国特許第3650704号明細書;特公昭47−32198号公報およびその対応する米国特許第3879525号明細書;特公昭50−30039号公報;特公昭48−29477号公報および特公昭51−29129号公報等に記載の方法に従って製造することができる。
鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合溶液は、ハイドロタルサイトの表面または層間への鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合生成物の吸着確率を上げるために、ハイドロタルサイトの生成後に添加される。また、表面処理したハイドロタルサイトに鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合溶液を添加したり、表面処理剤と鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合溶液を同時にハイドロタルサイト粒子のスラリーに加えて、ハイドロタルサイトの粒子表面ないし層間に吸着させることも可能である。
更に、ハイドロタルサイトないし表面処理ハイドロタルサイトの乾粉に、鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合溶液を加えて、鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合生成物をハイドロタルサイトないし表面処理ハイドロタルサイトの表面または層間に吸着させることも可能であるが、表面処理前のハイドロタルサイト粒子のスラリーに鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合溶液を加える場合に比べ、鉄および/またはマンガンと硫化物還元剤の混合生成物の吸着性が劣り、難燃性の向上が小さくなる。
ハイドロタルサイトまたは表面処理ハイドロタルサイトに添加する、塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンの含有量M1(ppm)は、ハイドロタルサイトに対して100<M1≦1000であることが好ましく、200<M1≦500の範囲にあることがより好ましい。
塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液と予め混合する硫化物還元剤について、塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンのモル数Mmと硫化物還元剤中の硫黄のモル数Smとの比Sm/Mmは、好ましくは1.8≦Sm/Mm≦3.2であり、より好ましくは2.0≦Sm/Mm≦2.6の範囲内である。
本発明に使用される硫化物還元剤としては、チオ硫酸系化合物、デクロリンの何れか1 種以上から選択される還元剤であることが好ましい。
チオ硫酸系の還元剤として、ハイドロサルファイト(次亜硫酸ナトリウム) 、ロンガリットC(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート) 、ロンガリットZ(亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート) 、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム) 、亜硫曹(亜硫酸ナトリウム) 、一硫化硫黄、硫酸ヒドロキシルアミン等が挙げられるが、環境とコスト、ハンドリングの点でハイポとハイドロサルファイトが好ましく、特にハイドロサルファイトは少量で効果を発揮するため、コストの点で好ましく用いられる。
ハイドロタルサイト組成物の表面処理は、公知の湿式法または乾式法で行われる。
例えば湿式法としては、ハイドロタルサイト組成物の水懸濁液に、表面処理剤を液状またはエマルジョン状で加え、攪拌下、100℃以下で行うことができる。また、乾式法としては、ハイドロタルサイト組成物をヘンシェルミキサー等の混合機により、十分な攪拌条件下で表面処理剤を液状、エマルジョン状、又は固形状で加え、加熱または非加熱下で混合して表面処理することができる。ハイドロタルサイト組成物の表面への均一な処理の観点から、湿式法が好ましく用いられる。
表面処理剤の添加量は、その種類とハイドロタルサイト組成物のBET比表面積、用途等で適宜選択されるが、通常、ハイドロタルサイト組成物に対して約15重量%以下とするのが好ましい。
塩化鉄および/または塩化マンガンと硫化物還元剤の混合溶液を添加したハイドロタルサイト組成物のスラリーは、必要により、例えば、水洗、脱水、造粒、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択することにより、ハイドロタルサイト組成物としての最終製品形態とすることが出来る。
本発明の第三は、本発明のハイドロタルサイト組成物と安定剤を含有してなることを特徴とする樹脂用安定剤である。
塩化ビニル系樹脂に使用される安定剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、有機スズメルカプタイド等の有機スズ化合物、鉛白、三塩基性硫酸鉛、二塩基性リン酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛化合物、トリアルキルホスファイト、アルキルアリルホスファイト、トリアリルホスファイト等のホスファイト類、エポキシ化大豆油、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトン、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム等の過塩素酸金属塩、ハイドロタルサイトを用途と目的に応じて安定剤メーカーが適宜混合して製造する。
現在、コストと環境への安全性から、電線、ハーネスに用いる軟質塩化ビニル系樹脂に用いる安定剤中でのハイドロタルサイトの混合割合を高める試みがなされている。
該用途のハイドロタルサイトの安定剤中のハイドロタルサイトの混合割合は現状、2割程度であるが、それを8割に引き上げようとしており、そのハイドロタルサイトの難燃性が向上すると、難燃性付与を目的に添加する塩化パラフィン、有機リン系化合物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の難燃剤の添加量の低減が可能となる。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、通常、安定剤100重量部対して0.01〜80重量部、好ましくは1〜60重量部混合される。
本発明の第四は、本発明のハイドロタルサイト組成物を含有してなることを特徴とする樹脂組成物である。
本発明のハイドロタルサイト組成物が使用される樹脂は、特に制限されないが、通常、熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
例えば、ポリエチレン、ポリプリピレン、エチレン/プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1等の如きC2〜C8のオレフィン( α−オレフィン) の重合体もしくは共重合体のようなオレフィン系樹脂や、これらオレフィンとジエンの共重合体類、エチレン−アクリレート共重合体、ポリスチレン、ABS樹脂、AAS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、フェノキシ樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびメタクリロ系の樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、本発明のハイドロタルサイト組成物による熱劣化防止効果および機械強度保持効果が得られる樹脂は、オレフィン系樹脂およびハロゲン含有樹脂である。
オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンプロピレン共重合体の如きプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、EEA(エチレンエチルアクリレート樹脂)、EVA(エチレンビニルアセテート樹脂)、EMA(エチレンアクリルメチル共重合樹脂)、EAA(エチレンアクリル酸共重合樹脂)、超高分子ポリエチレンの様なポリエチレン系樹脂、およびポリブデン、ポリ(4−メチルペンテン−1)等のC2〜C6のオレフィン系モノマー(α−オレフィン)の重合体もしくは共重合体等が挙げられる。
中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、ポリ(4−メチルペンテン−1)またはこれらの共重合体が特に好ましい。
これらのオレフィン系樹脂は、チーグラー系の重合触媒に由来するハロゲンをその樹脂中に含有するが、本発明のハイドロタルサイト組成物がそれらハロゲンの吸収・受酸に極めて優れていることから、そのハロゲンが原因となって生じる熱劣化の抑制と難燃性付与効果が優れている。
ハロゲン含有樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、等が挙げられる。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、これらのハロゲン含有樹脂に対しても上記と同様の理由で熱劣化の抑制と難燃性付与効果が優れており、特に、塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂に対して顕著である。
更に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂および尿素樹脂等の熱硬化性樹脂、および、EPDM、ブチルゴム、イソプレンゴム、SBR、NBR、クロロスルホン化ポリエチレン、NIR、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムおよびフッ素ゴム等のゴムにおいても効果を得ることができる。
本発明のハイドロタルサイト組成物の樹脂への配合方法に特別な制約はなく、例えば上述の樹脂に用いられる各種安定剤や充填剤等をこれらの樹脂に配合する公知の手段で、他の樹脂配合剤と共に、もしくは別個に合成樹脂に可能な限り均一になるよう配合すればよい。
具体的な方法の例として、リボンブレンダー、高速ミキサー、ニーダー、ペレタイザー、押し出し機等の公知の混合装置を利用して配合する方法や、ハイドロタルサイト組成物を有効成分としてなる熱劣化剤の懸濁液を重合後のスラリーに攪拌しつつ添加して混合し乾燥する方法を挙げることができる。
また、本発明のハイドロタルサイト組成物は、通常、樹脂100重量部に対して0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜20重量部樹脂に配合される。
本発明のハイドロタルサイト組成物は、本発明の効能を損なわない限り、上記成分以外に他の添加剤を配合することが出来る。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、発泡剤、可塑剤、充填剤、補強剤、難燃剤、架橋剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、上記以外の無機系あるいは有機系安定剤が挙げられる。
本発明の第五は、本発明の樹脂組成物よりなる成形体に関する。
本発明の成形体は、合成樹脂に所定量の本発明のハイドロタルサイト組成物を配合して本発明の樹脂組成物を作成した後に、例えば押出し成形、射出成形、カレンダー成形等の公知の方法により得ることが出来る。
本発明の成形体は、本発明のハイドロタルサイト組成物が配合されているため、ハロゲンや酸性物質の吸着性に優れていることから熱劣化の抑制や難燃性に優れ、更に外観にも優れている。
この様な成形体の用途としては、先述の電線やケーブル等の電線被覆用、家電製品のハウジング用、建築材料用の壁紙、発泡性断熱材、マットレス、電気・電子部品用のコネクター接続部品、半導体の封止材、プリプレグ、多層回路基板、あるいは回路基板用積層板等が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
なお、本発明の実施例および比較例において、ハイドロタルサイト組成物のBET比表面積は、ユアサアイオニクス(株)製NOVA2000で測定し、ハイドロタルサイト組成物の鉄とマンガン含有量は、島津製作所(株)製原子吸光分光光度計AA6700Fで測定し、ハイドロタルサイト組成物が含有する硫黄は、LECO社製炭素・硫黄分析装置CS−444で測定し、ハイドロタルサイト組成物の白色度は、KETT社製粉体白色度計C−100−3で測定し、ハイドロタルサイト組成物のDOP濡色は、日本電色工業(株)製測色色差計ZE2000で測定した。
実施例1
市販の24%水酸化ナトリウム水溶液(工業用)1542gに市販の水酸化アルミニウム(工業用)201gを混合し、攪拌下、90℃に加熱して水酸化ナトリウム/水酸化アルミニウムのモル比が3.6:1の混合溶液(アルミン酸ソーダ溶液)を作成し、8Lの容器に入れ攪拌しつつ20℃に調整した。
市販の塩化マグネシウム(6水塩・工業用)1661gを水699gに溶解して塩化マグネシウム溶液を作成し20℃に調整、市販の炭酸ソーダ(工業用)662gを水1884gに溶解して炭酸ソーダ溶液を作成して20℃に調整した。
水酸化ナトリウム水溶液に水酸化アルミニウムを混合した混合溶液1743gを攪拌下、塩化マグネシウム溶液2360gと炭酸ソーダ溶液2546gをpHが10.5±0.05の範囲内になるよう、同時に60分かけて投入して、ハイドロタルサイトの反応液を作成した。
得られた反応液を10Lオートクレーブに移送し、攪拌下、70分で160℃まで昇温させ、4時間維持した後に室温まで放冷してハイドロタルサイトの水熱反応懸濁液を作成した。得られたハイドロタルサイトの水熱反応懸濁液をプレスフィルターで脱水、水道水で洗浄を行い、洗浄廃水が水道水の電気伝導度より20μS/ cm高くなった時点で洗浄を終了しハイドロタルサイトを得た。
ハイドロタルサイトを再び水でスラリー化し、更に、ハイドロタルサイトスラリー中のハイドロタルサイトに対して鉄分が210ppmに当る塩化鉄(III)と、塩化鉄(III)に対して2.059倍のモル数のハイドロサルファイトナトリウムを合せて100gの水に溶解させた後、ハイドロタルサイトスラリーに添加し、十分に攪拌後、該懸濁液をスプレードライヤーで乾燥してハイドロタルサイト組成物を得た。
次に液温を80℃に調整し、該ハイドロタルサイト組成物の懸濁液中のハイドロタルサイト組成物に対して2.2重量%に当る、市販のステアリン酸ナトリウム65%−パルミチン酸ナトリウム35%の混合石鹸(工業用)を80℃の水に溶かしたのちに添加し、60分間攪拌してハイドロタルサイト組成物の表面処理を行った。
得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物の水懸濁液を再びプレスフィルターで脱水してケーキ状とし、次いでギアオーブンで105℃・12時間乾燥後、コロフレックス解砕機で解砕して表面処理ハイドロタルサイト組成物の最終製品を得た。
得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物の組成式はMg0.667 Al0.333 (OH)2 (CO3 0.15・0.5H2 Oで、BET比表面積8.8m2 /gの粒子で、鉄およびマンガンの含有量は各々202ppm、0.2ppm、硫黄の含有量は245ppmであった。
また、該表面処理ハイドロタルサイト組成物は、ケット式光電管白色度計で測定した白色度が87.9、該表面処理ハイドロタルサイト組成物とフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを5:10の割合で混合し分散させた混合物の色相をハンターLab表色系で表した( 以下、DOP濡色と表記) L値が67.8、b値が2.8であった。得られたハイドロタルサイト組成物の諸物性を表1に示す。
なお、上記の組成分析はICP−MS法で、CO3 はCHN測定法で、(OH)2 とH2 O量は熱量分析法で測定、算出した。
実施例2〜6,9〜14
ハイドロタルサイトスラリーに添加する塩化鉄(III)とハイドロサルファイトナトリウム、硫化物系還元剤及び量を、表1、2に記載したように変更する以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ハイドロタルサイト組成物を作成した。実施例2では添加物として塩化鉄(III)と塩化マンガンを用い、硫化物系還元剤としてハイポを使用し、実施例5では添加物として塩化鉄(II)を使用した。
得られた最終製品形態である表面処理ハイドロタルサイト組成物の物性、並びに各種色相も併せて表1、2に記載する。
実施例7
市販の24%水酸化ナトリウム水溶液(工業用)の量を2056gに変更し、市販の水酸化アルミニウム(工業用)との混合溶液中の水酸化ナトリウム/水酸化アルミニウムのモル比を4.8:1に変更し、該混合溶液に塩化マグネシウム溶液と炭酸ソーダ溶液をpHが13.0±0.05の範囲内で投入してハイドロタルサイトの反応液を作成し、更にハイドロタルサイトスラリーに添加する塩化鉄(III)とハイドロサルファイトナトリウムを、表1に記載する量に変更することと、ハイドロタルサイト組成物に対して添加する表面処理剤量を7重量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ハイドロタルサイト組成物の最終製品を作成した。
得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物の組成式はMg0.667 Al0.333 (OH)2 (CO3 0.15・0.5H2 Oで、BET比表面積28.1m2 /gの粒子で、鉄およびマンガンの含有量は各々204ppm、0.2ppm、硫黄の含有量は244ppmであった。
また、該表面処理ハイドロタルサイト組成物は、ケット式光電管白色度計で測定した白色度が88.3、該表面処理ハイドロタルサイト組成物のDOP濡色のL値が67.9、b値が2.7であった。得られたハイドロタルサイト組成物の諸物性を表1に示す。
実施例8
10Lオートクレーブでの昇温を140℃に、維持時間を2時間に変更し、更にハイドロタルサイトスラリーに添加する塩化鉄(III)とハイドロサルファイトナトリウムを、表1に記載する量に変更することと、ハイドロタルサイト組成物に対して添加する表面処理剤量を11.2重量%に変更する以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ハイドロタルサイト組成物の最終製品を作成した。
得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物の組成式はMg0.7 Al0.3 (OH)2 (CO3 0.15・0.5H2 Oで、BET比表面積45.0m2 /gの粒子で、鉄およびマンガンの含有量は各々206ppm、0.1ppm、硫黄の含有量は245ppmであった。
また、該表面処理ハイドロタルサイト組成物は、ケット式光電管白色度計で測定した白色度が88.5、該表面処理ハイドロタルサイト組成物のDOP濡色のL値が68.2、b値が2.7であった。得られたハイドロタルサイト組成物の諸物性を表1に示す。
実施例15〜17
表面処理剤を実施例15ではラウリン酸に、実施例16ではビニルトリメトキシシランに、実施例17では処理剤を添加しないことに変更する以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ハイドロタルサイト組成物の最終製品を作成した。得られたハイドロタルサイト組成物の諸物性を表2に示す。
比較例1〜3
ハイドロタルサイトスラリーに添加する塩化鉄(III)、またはハイドロサイファイトナトリウム、またはその両者を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ハイドロタルサイト組成物を作成した。
得られた最終製品形態である表面処理ハイドロタルサイト組成物の物性、並びに各種色相も併せて表2に記載する。
Figure 2012076933
Figure 2012076933
実施例18〜34、比較例4〜6
実施例1〜17、比較例1〜3で得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物を、下記の配合組成で混合後、150℃に設定した混練押出機でペレットを作成した。
配合組成
塩化ビニル樹脂(重合度1300) 100重量部
DOP 50重量部
ステアリン酸亜鉛 0.5重量部
ハイドロタルサイト組成物 10重量部
更に、得られたペレットをロールと圧力プレス、および成形機を使用し150℃で成形し、厚さ1mmのシートとアイゾッド試験用ピース80mm×4mm×10mmを作成した。
<耐熱劣化性評価>
作成したシートを20mm×10mmに切り取り、170℃でダンパー開度50%にしたギアオーブン( タバイエスペック社製ギアオーブンGPHH−100) 中に置いて15分毎に取り出し、試験片が黒色化するまでの時間を求めた。
<コンゴーレッド試験>
JIS K6723に準拠し、下記の手順で測定した。
作成したシートを1mm×1mmに切り取り2gを試験管に入れる。幅7mm、長さ40mmのコンゴーレッド用紙を規定のグリセリンで潤し、その余分を濾紙の間に挟んでぬぐったのち、試験管の上端10mm以下を精製綿で保持して、試験紙の下端が試験管の底から100mmの位置に、試験管の中央になるように固定する。180±0.3℃に保った油槽に、該試験管の底が油面から70mm下になるよう垂直に浸漬し、浸漬開始時から試験紙の先端が明瞭な青に変化するまでの時間を測定する。
<発煙性試験>
作成したシートを20mm×10mmに切り取り、ASTM E662−79に準拠し、作成したシートをNBSスモークチャンバー内で4分間加熱、燃焼させ、発生した煙の濃度をパナソニック電工エンジニアリング(株)製光透過式排煙濃度計ST−400で測定した。
<塩化水素量>
作成したシートを20mm×10mmに切り取り、NBSスモークチャンバーで4分間加熱、燃焼させ、発生した塩化水素濃度を北川式ガス検知管AP−20で測定した。
<色相評価>
作成したシートを40mm×40mmに切り取り、日本電飾工業(株)製測色色差系ZE2000で成形体の色相を測定し、ハンターLab表色系のL値、b値で表した。
<体積固有抵抗試験>
JIS K6723に準拠して下記の手順で測定した。
作成したシートから縦横120mm以上のシートを打ち抜き、試験片の厚みを5個所測定してその平均値を厚みとし、試験装置と打ち抜いたシートを30℃に設定した恒温槽に30分以上置き、印加電圧500V、充電時間1分で体積固有抵抗を測定する。
なお、装置は、Agilent Technologies製の4339B High Resistance Meterを使用した。
<耐衝撃性>
JIS K7144に準拠し、作成した試験片に残り幅8mmとなるようノッチを作成した。得られたアイゾッド衝撃試験用ピースを用いて、JIS K7110に準拠し、アイゾッド衝撃試験を行った。
実施例18〜34、比較例4〜6の樹脂成形体の評価結果を表3、4に示す。
Figure 2012076933
Figure 2012076933
実施例35〜51,比較例7〜9
実施例1〜17、比較例1〜3で得られた表面処理ハイドロタルサイト組成物を、下記の配合組成で混合後、150℃に設定した混練押出機でペレットを作成した。
配合組成
エチレンプロピレンコポリマー 100重量部
Irganox ヒンダードフェノール系酸化防止剤 0.05重量部
Irgafos168 リン系熱加工安定剤 0.05重量部
ハイドロタルサイト組成物 0.1重量部
更に、得られたペレットをロールと圧力プレス、および成形機を使用し150℃で成形し、厚さ1mmのシートとアイゾット試験用ピース80mm×4mm×10mmを作成した。
<耐衝撃性試験>
JIS K7144に準拠し、作成した試験片に残り幅8mmとなるようノッチを作成した。得られたアイゾッド衝撃試験用ピースを用いて、JIS K7110に準拠し、アイゾッド衝撃試験を行った。
<耐熱劣化性評価>
得られたペレットを更に同じ条件で混練を5回繰り返し、JIS K7210に準拠してメルトフローレートを測定し、1回だけの混練のものの結果と比較した。
<色相評価>
作成したシートを40mm×40mmに切り取り、日本電飾工業(株)製測色色差系ZE2000で成形体の色相を測定し、ハンターLab表色系のL値、b値で表した。
実施例35〜51、比較例7〜9の樹脂成形体の評価結果を表5、6に示す。
Figure 2012076933
Figure 2012076933
叙上のとおり、本発明のハイドロタルサイト組成物は、例えば、塩化ビニル系樹脂に配合された場合に、紫外線や加熱などによって塩化ビニルの分子鎖から脱離する塩化水素ないし塩素イオンの吸収剤・安定剤として、また、オレフィン系樹脂の重合時に使用する触媒から発生するハロゲンの受酸剤・吸収剤として有用である。
更に、特定の金属元素と硫化物系還元剤とを含有させることにより、塩化ビニル系樹脂やオレフィン系樹脂の難燃性を向上させるとともに、金属元素が原因で生じる色相の悪化を防止することができる。

Claims (17)

  1. ハイドロタルサイトと、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と、硫化物系還元剤とを含有することを特徴とするハイドロタルサイト組成物。
  2. 下記式(a) 〜(c) の少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項1記載のハイドロタルサイト組成物。
    (a)5.0≦Sw≦35 (m2 /g)
    (b)100<M≦1000 (ppm)
    (c)100<S≦1800 (ppm)
    ただし、
    Sw : 窒素吸着法で測定したハイドロタルサイト組成物のBET比表面積(m2 / g)。
    M : 原子吸光分光光度計で測定した、ハイドロタルサイト組成物が含有する鉄と マンガンの含有量(ppm)。
    S : 赤外線吸収法で測定したハイドロタルサイト組成物中の硫黄の含有量(pp m)。
  3. 更に、下記式(d)を満足することを特徴とする請求項2記載のハイドロタルサイト組成物。
    (d)1.0≦S/M≦1.9 (−)
  4. 色相が、下記式(e)〜(g)の少なくとも1つを満足することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のハイドロタルサイト組成物。
    (e)W≧85 (−)
    (f)L≧65 (−)
    (g)b≦3.5 (−)
    ただし、
    W : ケット式光電管白色度計で測定したハイドロタルサイト組成物の白色度(−)
    L : ハイドロタルサイト組成物をフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下、DOP と略記)中に5:10の割合で分散させた混合物の色相をハンターLab表色 系で表した時のL値 (−)
    b : ハイドロタルサイト組成物をDOPに5:10の割合で分散させた混合物の色 相をハンターLab表色系で表した時のb値 (−)
  5. 脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸、これらの酸の塩、界面活性剤、カップリング剤、多価アルコールからなるエステル、燐酸エステルから選択した少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のハイドロタルサイト組成物。
  6. 合成反応で得られたハイドロタルサイトスラリー、または、ハイドロタルサイトを表面処理して得られる表面処理ハイドロタルサイトのスラリーに、塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液と硫化物系還元剤を混合した溶液を添加し、鉄および/またはマンガンからなる金属元素と硫化物系還元剤をハイドロタルサイト、または、表面処理した表面処理ハイドロタルサイトの表面および/またはハイドロタルサイトの層間に担持させることを特徴とする請求項1記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
  7. 塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンの含有量M1が、ハイドロタルサイト、または、表面処理した表面処理ハイドロタルサイトに対して、下記式(h)の範囲内にあることを特徴とする請求項6記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
    (h)100<M1≦1000 (ppm)
  8. 塩化鉄溶液および/または塩化マンガン溶液中の鉄および/またはマンガンのモル数Mmに対する硫化物系還元剤中の硫黄のモル数Smが、下記式(i)の範囲内にあることを特徴とする請求項6又は7記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
    (i)1.8≦Sm/Mm≦3.2 (−)
  9. 硫化物系還元剤が、チオ硫酸系化合物、デクロリンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
  10. ハイドロタルサイトを脂肪酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸、樹脂酸、これらの酸の塩、界面活性剤、カップリング剤、多価アルコールからなるエステル、燐酸エステルから選択した少なくとも1種の表面処理剤で表面処理することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト組成物と安定剤を含有してなることを特徴とする樹脂用安定剤。
  12. ハイドロタルサイト組成物の含有量が、安定剤100重量部に対して0.01〜80重量部であることを特徴とする請求項11記載の樹脂用安定剤。
  13. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイドロタルサイト組成物と樹脂を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
  14. 樹脂がハロゲン含有樹脂であることを特徴とする請求項13記載の樹脂組成物。
  15. ハロゲン含有樹脂が塩化ビニル系樹脂であり、ハイドロタルサイトの含有量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜15重量部であることを特徴とする請求項14記載の樹脂組成物。
  16. 樹脂がオレフィン系樹脂であり、ハイドロタルサイトの含有量が、オレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜15重量部であることを特徴とする請求項13記載の樹脂組成物。
  17. 請求項13〜16のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
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