JP2001031965A - 酸素掃去系及び組成物 - Google Patents

酸素掃去系及び組成物

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】改質アニオンヒドロタルサイト粒状材料と遷移
金属イオン源を含み、良好な酸素吸収活性及び酸素吸収
能の酸素掃去系及び組成物を提供する。 【解決手段】ヒドロタルサイト様材料と遷移金属化合物
の組合わせを均質に分配したキャリヤーを含む酸素スカ
ベンジャー組成物であって、ヒドロタルサイト様材料は
組成物の0.05〜90重量%存在し、一般式1 (MはN又はKを、MIIはMg、Zn、Ni、C
u、Co及びその混合物を、MIIIは、Al、Cr、
Fe及びその混合物を、Aはアニオンを表し、Aの60
モル%以上は重亜硫酸、亜ジチオン酸、アスコルビン
酸、チオール酸、フェノール酸又はその混合物からなる
酸素スカベンジャーアニオンから構成され、xは約0.
1〜0.5の数値、aはAの原子価の平均数値、yはa
が2未満のときは0を、aが2以上のときは−0〜0.
5を、nは0〜4の数値を表す)で表され、遷移金属化
合物はヒドロタルサイト様材料と遷移金属イオンのモル
比が3000:1〜1:1となる量で存在する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素感受性物質の製
品品質を維持し、保存寿命を改善するために使用可能な
新規酸素掃去系とその組成物に関する。本発明の組成物
は例えばフィルム、コーティング、三次元固体、繊維、
ウェブ等の造形構造に形成することができ、本発明は前
記組成物又は構造を容器構造に添加、塗布又はその一部
とした造形品にも関する。
【0002】
【従来技術】本発明の酸素掃去系は改質アニオンヒドロ
タルサイト様粒状材料を遷移金属イオン又は前記イオン
源と組み合わせたものである。本発明の酸素掃去系は水
分の存在下にあるときに前記系を酸素と化合させること
が可能なキャリヤー中で前記系から構成される組成物と
することができる。特に、前記組成物は以下に詳述する
ように、所定のアニオン基をもつ改質アニオンヒドロタ
ルサイト様粒状材料と遷移金属イオン又は前記イオン源
を使用する。本発明の粒状材料含有酸素掃去組成物は、
従来の掃去剤及び/又はその酸化副生物に通常付随する
ように容器に収容した包装物の色、味又は匂いを悪化さ
せることなく、容器の内側から酸素を有効に吸収できる
ことが意外にも判明した。
【0003】本発明の酸素掃去系とその組成物は高い掃
去活性及び掃去能を提供することが判明した。その組成
物は酸素掃去系の成分又はその酸化副生物を組成物のマ
トリックスから不当に移動させることなく、容器の内側
から等の酸素と有効に化学的に結合する能力をもつ。移
動の阻止は、組成物に接触している物品の色、味又は匂
いに及ぼす悪影響を有意に減らすか又はなくし、食品添
加物許容量に関する政府規則を満たしながら、高濃度の
掃去成分を使用する手段を提供するという点で特に有利
である。保存を強化するために、酸素透過性の低い層で
あるバリヤー層を一般に含む積層包装材料の内側に食品
や他の物質を包装することは日常的に行われている。薄
いシート材料の場合には被包装材料を包み、相当の厚さ
のものは造形容器本体を形成し、蓋又は他の別個クロー
ジャーを備える。ポリマーシート材料は容器又はそのク
ロージャー手段の内側暴露表面積の一部又は全部を構成
することができる。
【0004】シート材料に酸素スカベンジャー剤を添加
することは知られている。酸素スカベンジャー剤はパッ
ケージに閉じ込められているか又はパッケージに侵入す
る酸素と反応する。これは例えば米国特許第4,53
6,409号及び4,702,966号とこれらの文献
に引用されている従来技術に記載されている。例えば米
国特許第4,536,409号はこのようなシート材料
から形成され、金属蓋を備える円筒形容器を記載してい
る。容器をガラス又は金属本体から形成し、気密金属ク
ロージャーを備える場合には、本体とクロージャーを形
成する材料が不透過性であるため、酸素が本体とクロー
ジャーを透過することは理論的に不可能である。実際問
題として、金属缶は酸素侵入を確実に防止することがで
きる。しかし、容器本体とその蓋又は端部の間に配置さ
れたガスケット等を通して拡散により多少の酸素侵入が
生じる場合がある。この種の従来容器を酸素感受性物質
の保存に使用すると、保存物の保存寿命は非常に制限さ
れることが多年来認められている。一般にパッケージに
は充填時から溶存酸素が存在していることや、保存中に
生じる酸素侵入により、包装物の品質は経時的に低下す
る傾向がある。容器が缶の形態である場合には、容器か
らクロージャー全体を除去せずに容器内の流体又は他の
物質を取り出せるように夫々押し込んだり引っ張ったり
するように構成されたプッシュコンポーネント又はプル
コンポーネントを缶端又は他のクロージャーに備えるこ
とが多い。これらのプッシュ又はプルコンポーネントは
クロージャーのパネルに形成した不連続部や弱化線によ
り規定されることが多い。これらの弱化線や不連続部に
生じ得る問題としては、通常の保護ラッカー塗料は弱化
線や不連続部で亀裂を生じ、容器に酸素が浸透する危険
や、金属の腐食の危険があるという点である。
【0005】酸素感受性物質の保存用パッケージのフィ
ルム、ライナー材料、クロージャー、ガスケット又は他
のメンバーに加えるか又はその一部として製造すること
が可能な材料を使用して包装物の保存寿命を延ばすこと
が望ましい。
【0006】この目的には種々の酸素スカベンジャーが
提案されている。例えば、乾燥食品用サシェに鉄粉を包
装することはよく知られている。三菱ガス化学の文献
“Ageless(登録商標)−A New Age
in Food Preservation”(発行日
不明)参照。しかし、これらの材料は酸素掃去速度を増
すために水溶性塩を加える必要がある。水分の存在下で
塩と鉄は液体中に移動して悪臭を発生する傾向がある。
同様に、Farrellらの米国特許第4,536,4
09号はスカベンジャーとして亜硫酸カリウムを推奨し
ているが、その結果は同様である。
【0007】アスコルビン酸化合物(アスコルビン酸、
そのアルカリ金属塩、光学異性体及びその誘導体)と亜
硫酸塩、重亜硫酸、フェノール等は分子酸素により酸化
されるので、酸素掃去剤として利用できることが当技術
分野で知られている。例えば、Hofeldtらの米国
特許第5,075,362号はアスコルビン酸化合物を
容器クロージャーで酸素スカベンジャーとして使用する
ことを開示している。
【0008】Grafの米国特許第5,284,871
号は食品、化粧品及び薬品にブレンドした溶存銅種と還
元剤の溶液からなる酸素掃去組成物の使用に関する。実
施例ではアスコルビン酸銅を使用している。この文献
は、食品で掃去が有用であるためには比較的高濃度のC
2+(〜5ppm)が必要であり、Cu2+が少量で
あると、食品中の酸素と結合して食品腐食を生じ得ると
指摘している。腐食を避けるためには、ヘッドスペース
量を減らすか、容器を不活性ガスで部分的にフラッ
シュすることが必要である(第5欄、32〜39行)。
E.Grafの論文“Copper(II)Ascor
bate:A Novel Food Preserv
ation System”,Journal of
Agricultural Food Chemist
ry,第42巻,1616〜1619頁(1994)は
好ましい原料としてグルコン酸銅を挙げている。
【0009】触媒の使用によりアスコルビン酸化合物の
酸化速度を有意に増加できることも科学文献(1991
年11月4日公開、1991年5月1日出願のTeum
ac,F.N.らのWO91/17044“Polym
er Compositions Containin
g Oxygen Scavenging Compo
unds”参照)から周知である。アスコルビン酸とそ
の誘導体に典型的な酸化触媒は水溶性遷移金属塩であ
る。
【0010】上記文献の各々において、酸素掃去系の活
性成分は、食品又は他の包装製品又は材料中に移動し易
かったり、広範な包装物に悪影響を与えることが知られ
ている酸化副生物を生じる物質を使用していた。
【0011】ヒドロタルサイトは一般にクレーとして分
類される天然鉱物である。一般に、クレーは天然に広く
存在するカチオン材料と天然に稀にしか存在しないアニ
オン材料の群に主に分類される。これらの材料は工業用
吸収剤、触媒、充填剤、脱色剤等の広範な用途で使用さ
れている。天然ヒドロタルサイトは式:MgAl
(OH)16CO・4HOの水酸化物−炭酸鉱物
である。ヒドロタルサイト鉱物が炭酸に強く結合してい
ることは周知である。炭酸は熱焼成により蒸発させるこ
とができる。
【0012】最近、炭酸以外のアニオンをもつヒドロタ
ルサイトが合成されている。これらは一般にアニオンヒ
ドロタルサイト様化合物(HTLC)を含む積層複水酸
化物(LDH)である。このような化合物は米国特許第
5,399,329号及び5,507,980号と、
W.T.Reiche,Chem Tech(198
6)58−63に記載されており、これらの教示は参考
資料としてその全体を本明細書の一部とする。これらの
新規材料は交換し易いアニオンをその結晶構造中にも
つ。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】高い酸素吸収速度及び
酸素吸収能をもつ有効な酸素掃去系及び組成物を提供す
ることが非常に望ましい。
【0014】包装物の色、味又は匂いを悪化させる可能
性のある酸化副生物の放出を阻止することが可能な酸素
掃去系及び組成物を提供することも望ましい。
【0015】キャリヤーの内側に含まれ且つ高い酸素吸
収速度及び酸素吸収能を提供する活性スカベンジャー系
をもつ有効な酸素掃去組成物を提供することも望まし
い。
【0016】熱安定性であり、従って、高温加工段階を
含む従来技術により包装系を形成及び加工することが可
能な有効な酸素掃去組成物を提供することも望ましい。
【0017】収容した酸素感受性物品の貯蔵安定性を強
化するパッケージ又は容器の少なくとも一部を形成する
のに適したキャリヤーの内側に含まれた系をもつ有効な
酸素掃去系及び組成物を提供することも望ましい。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、組成物の成分
の不当な移動とキャリヤーからの生成物によるその酸化
を避けながら、高い初期酸素掃去活性と高い酸素掃去能
を示すことが可能な酸素掃去系を均質に分配したキャリ
ヤーを含む組成物に関する。移動の阻止は、前記組成物
を含む容器と接触しているか又はこの容器に収容された
包装物の色、味及び匂いに及ぼす悪影響を有意に減らす
か又はなくす。特に、本発明の組成物は以下に詳述する
ように改質アニオンヒドロタルサイト様材料と遷移金属
イオン源の組み合わせをもつキャリヤーを含む。
【0019】本発明は更に本発明の組成物を含むか又は
このような組成物から誘導される造形構造にも関する。
このような構造としては、本発明の組成物から形成され
るか又は該組成物を含み、密閉パッケージ(例えばパウ
チ)を形成するのに適したフィルムの1層以上と、クロ
ージャーシーラント、クロージャーガスケット、流体塗
布シーラント組成物(例えば溶融液塗布クラウンキャッ
プガスケット組成物)、キャップライナーディスク等の
クロージャーを含む半剛性又は剛性容器が挙げられる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に詳述するように
改質アニオンヒドロタルサイト様材料と遷移金属イオン
源を分配した有効な酸素掃去系を均質に分配したキャリ
ヤーを含む酸素掃去組成物に関する。
【0021】本発明は更に、酸化分解し易い食品、飲料
等の物質を包装するための改善された容器も提供する。
本発明の改善された容器は本発明の酸素掃去組成物によ
り包装物の色、味又は匂いを悪化させることなしに包装
物の製品品質と優れた保存寿命を維持することが可能で
ある。本発明は更に、食品に含まれる酸素スカベンジャ
ー剤の量に関する政府規則基準を満たしながら、高い酸
素スカベンジャー剤濃度をもつことができる包装系を提
供する。
【0022】本明細書及び請求の範囲で使用する「系」
なる用語は、少なくとも1種の遷移金属イオン源と共に
少なくとも1種の改質アニオンヒドロタルサイト様材料
を含む活性酸素掃去剤を意味する。遷移金属イオン源は
改質アニオンヒドロタルサイト様材料と共に実質的に均
質な混合物を形成する遷移金属化合物として存在してい
てもよいし、改質アニオンヒドロタルサイト様粒状材料
の表面に塗布した遷移金属化合物として存在していても
よいし、改質アニオンヒドロタルサイト粒状材料の非遷
移金属イオンMII及びMIIIの少なくとも一部に置
換した遷移金属イオンとして存在していてもよいし、こ
れらの組み合わせでもよい。
【0023】本明細書及び請求の範囲で使用する「組成
物」なる用語は、系を形成する活性酸素掃去剤とキャリ
ヤー成分を意味する。キャリヤーは本発明の酸素掃去系
を形成する粒状材料を実質的に均質に分配したポリマー
マトリックスでもよいし、粒状材料を実質的に均質に分
配又は堆積したフィルム又はマット(織布又は不織布)
でもよいし、本発明の粒状材料を分配した透湿性パウチ
又はサシェでもよい。
【0024】本発明の酸素スカベンジャー系の成分であ
るアニオンヒドロタルサイト様材料は一般式:
【0025】
【化2】 をもち、式中、MIIはマグネシウム(好適例)、カル
シウム、亜鉛、ニッケル、銅もしくはコバルト又は+2
原子価状態のその混合物を表し、MIIIはアルミニウ
ム(好適例)、クロムもしくは鉄又は+3原子価状態の
その混合物を表す。場合により、本発明のHTLCは更
にナトリウム(好適例)、カリウム又は+1原子価状態
をもつその混合物から選択されるアルカリ金属カチオン
を表すカチオンMを含んでいてもよい。Mは(以下
に定義するような)「a」が少なくとも2の値をもつ場
合には0〜約0.5の値に等しいモル量yで存在するこ
とができる。MII対MIIIのモル比は1〜5であ
り、OHはヒドロキシル基を表し、xは約0.1〜0.
5の数値をもち、nは0〜4、一般に1〜4の数値をも
つ。
【0026】上記式の記号Aは酸素スカベンジャー基含
有アニオンを少なくとも部分的に表す。このような酸素
スカベンジャー基含有アニオンは例えば酸素と反応する
ことが可能な重亜硫酸、亜ジチオン酸等の無機アニオン
でもよいし、酸素と反応することが可能なアスコルビン
酸、チオール酸又はフェノール酸等の有機アニオンでも
よい。アニオンAの残余は以下に詳述するように前駆物
質HTLCの残留アニオンである。アニオンAは少なく
とも約60モル%、好ましくは少なくとも約80モル
%、最も好ましくは少なくとも約90モル%が上記酸素
掃去無機又は有機アニオンの形態であり、残余が元のヒ
ドロタルサイトの残留アニオン及び/又は他のアニオン
であることが望ましい。上記式の記号「a」はアニオン
Aの原子価の数値を表す。例えば、亜ジチオン酸アニオ
ンの「a」の値は2であり、重亜硫酸、アスコルビン酸
又はフェノール酸の「a」の値は1である。残留アニオ
ンの「a」の値はアニオンの種類によって異なり、一般
に1〜3の値をもつ。
【0027】一般に、本発明の改質アニオンヒドロタル
サイト様材料が上記のように重亜硫酸、フェノール酸又
はアスコルビン酸等の1価アニオンを主に表すアニオン
Aをもつか、生成物の一部としてMを生じないように
形成されている場合には、本発明の酸素スカベンジャー
剤は一般式:
【0028】
【化3】 により表すことができ、式中、各記号は上記に定義した
通りである。
【0029】本明細書及び請求の範囲で使用する「アス
コルビン酸アニオン」なる用語は、D又はL形のアスコ
ルビン酸の脱プロトン化種とその任意誘導体又は類似体
を意味し、例えばエリソルビン酸とその混合物が挙げら
れる。アスコルビン酸アニオンはD−もしくはL−アス
コルビン酸の脱プロトン化種、又はアスコルビン酸の脂
肪酸誘導体及びその混合物から選択することが好まし
い。
【0030】本明細書及び請求の範囲で使用する「フェ
ノール酸アニオン」なる用語は、(i)フェノール、ピ
ロカテコール、レソルシノール、ピロガロール、ピロカ
テコールモノエチルエーテル、レソルシノールモノエチ
ルエーテル、ヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキ
シベンゼン、テトラヒドロキノン、2,4−ジブチルフ
ェノール等のフェノール化合物から誘導可能な脱プロト
ン化ヒドロキシル基含有芳香族環もしくは縮合芳香族環
化合物、又は(ii)サリチル酸アニオン、3−ヒドロ
キシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、3,4,5−
トリヒドロキシ安息香酸等のような脱プロトン化カルボ
ン酸基も含むヒドロキシル基含有芳香族環もしくは縮合
芳香族環化合物を意味する。
【0031】「ヒドロタルサイト様」なる用語は当技術
分野で認められている用語であり(Cavaniら,C
atalyst Today 11 173 1991
参照)、本明細書ではこのような用法に従って使用す
る。
【0032】本発明の改質アニオンヒドロタルサイト様
材料は種々の手段により形成することができる。1例で
は、置換活性アニオンをもつアニオンHTLCを前駆物
質として使用して本発明の材料を形成することができ
る。前駆物質アニオンヒドロタルサイト様材料のアニオ
ンは酸素スカベンジャーアニオンと容易に交換されるに
十分に置換活性であるべきである。C−Cモノカル
ボン酸アニオン(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸又は
酪酸等のアニオン)等の低級アルカン酸アニオンをもつ
HTLCが前駆物質材料として使用するのに好ましいア
ニオンHTLCである。このような前駆物質材料の形成
は、参考資料としてその教示全体を本明細書の一部とす
る米国特許第5,399,329号に開示されている。
本発明の系の酸素掃去アニオンヒドロタルサイト様成分
は酸素の不在下に上記前駆物質材料と上記酸素スカベン
ジャーアニオンのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩
のアニオン交換により形成される。
【0033】あるいは、本発明の改質アニオンヒドロタ
ルサイト様材料は酸素の不在下に本発明の酸素スカベン
ジャーアニオンの少なくとも1種の塩又は共役酸(プロ
トン化形)を炭酸アニオンをもつHTLCと反応させる
ことにより形成することもできる。反応は反応媒体とし
て脱酸素水中で実施することができる。反応生成物を大
気酸素の不在下に脱酸素水で洗浄すると、本発明の非水
溶性酸素スカベンジャー活性材料が生成される。
【0034】本発明の改質アニオンヒドロタルサイト様
材料の別の形成方法は予め焼成したヒドロタルサイトを
使用する。会合アニオンをもたない焼成ヒドロタルサイ
トを酸素の不在下に上記酸素掃去アニオンの共役酸と反
応させると、本発明の材料が得られる。重亜硫酸の場合
には、二酸化硫黄の水溶液を使用して実施することがで
きる。更に別の方法では、適当な3価金属源(例えば水
酸化アルミニウム)を酸素の不在下に適当な2価金属源
(例えば酸化マグネシウム又は水酸化ニッケル)と上記
酸素掃去アニオンの共役酸の存在下で反応させると、本
発明の材料が得られる。
【0035】本発明の酸素スカベンジャー系を形成する
ために使用する好適改質アニオンヒドロタルサイト様材
料はMIIとしてマグネシウムをもつ。但し、マグネシ
ウムはニッケル、コバルト、亜鉛、銅、マンガン又はそ
の混合物から選択されるカチオン等の遷移金属イオンで
少なくとも部分的に置換してもよい。更に、好適材料は
IIIとしてアルミニウムをもつ。但し、アルミニウ
ムはクロム、鉄又はその混合物から選択される類のカチ
オンで部分的に(約50モル%まで)置換してもよい。
【0036】本発明を制限するものではないが、前駆物
質HTLCは上記酸素スカベンジャーアニオンをHTL
Cの構造の一部にする能力をもつと考えられる。本発明
の酸素掃去HTLCは約0.005〜0.1μm(一般
に0.02〜0.06μm)の小さい厚みと、少なくと
も約50、一般には50〜5000、典型的には50〜
1000の幅対厚みのアスペクト比をもつプレート様構
造をもつので、主要なイオン交換はプレート表面で生じ
る。このため、酸素スカベンジャーアニオンは水分の存
在下に酸素と容易に反応して所望の酸素スカベンジャー
剤を提供することができる。更に、本発明の改質HTL
Cは(ヒドロキシル基を介して)任意酸化副生物と反応
するか、又は酸化副生物が形成される場合には本発明の
改質HTLCの結晶構造に吸着又はその内側に吸収され
ると考えられる。
【0037】本発明の酸素スカベンジャー剤はアニオン
交換により形成され、上記のような酸素スカベンジャー
アニオン含有HTLCを提供する。本発明の酸素スカベ
ンジャー剤のアニオンAは酸素スカベンジャーアニオン
が少なくとも約60モル%、好ましくは少なくとも約8
0モル%、最も好ましくは少なくとも約90モル%であ
ることが望ましい。少量でも特定用途に十分な酸素掃去
活性が得られる場合には、もっと低いモル百分率でもよ
い。的確な百分率は当業者が容易に決定できる。但し、
HTLCの表面に配置するアニオン部位の程度が高い
と、掃去能の高い酸素スカベンジャーを提供することが
できる。このような掃去能により包装製品の長い保存能
を達成することができる。酸素掃去剤の量は得られる掃
去組成物の所期用途に依存する。(缶コーティング用の
ように)多量の組成物を使用して少量の酸素を掃去する
場合には、酸素掃去剤の量は組成物の約0.5重量%程
度、好ましくは組成物の少なくとも1重量%とすること
ができる。例えばキャップライナー等のようにポリマー
キャリヤー中の粒状材料の添加量が少ないか及び/又は
組成物の量が少ない他の慣用用途では、酸素掃去剤の量
は組成物の重量を基にして少なくとも約2重量%、好ま
しくは2〜20重量%、より好ましくは4〜15重量%
にすべきである。特定用途に必要な酸素掃去剤の的確な
量は当業者が容易に決定できる。本発明は高い重量百分
率を含む広範なスカベンジャー剤濃度を達成する手段を
提供する。
【0038】本発明の酸素掃去系は酸素と水分の存在下
におくと高度の酸素掃去活性、速度及び掃去能を提供す
ることが判明した。従って、本発明のHTLC系は形成
中は酸素の不在下に維持し、保存中は酸素又は水分の不
在下に維持する必要がある。本発明の系をポリマーマト
リックス等のキャリヤーをもつ酸素掃去組成物に配合す
る場合には、キャリヤーは所期包装製品の保存を提供す
るように高い酸素掃去速度を誘発(開始)するために必
要な程度まで系を実質的に無水分に維持できることが望
ましい。
【0039】改質HTLCは単独で使用しても酸素掃去
能をもつが、改質HTLCと遷移金属イオン源を含む本
発明の系は高い酸素掃去活性及び掃去能をもつ組成物を
提供することが意外にも判明した。従って、本発明の系
及び組成物は高い初期速度で容器の雰囲気内の酸素をま
ず除去することができ、改質HTLCしか含まない組成
物により得られるよりも多量の系単位当たり酸素を除去
する能力をもつ。更に、この予想外の高い掃去活性及び
掃去能は、本発明の系の初期成分及び/又は任意酸化副
生物がその容器に収容した物品内に移動してその色、味
又は匂いを悪化させることなく、本発明の系により提供
される。
【0040】本発明の系の改質HTLC酸素掃去成分は
少量の遷移金属イオンと共に使用される。これらのイオ
ンは無機又は有機金属化合物の存在により及び/又はH
TLCの所定のMII及び/又はMIIIで置換するこ
とにより提供することができる。この混合物又は併用は
高い酸素掃去活性及び掃去能をもつ組成物を提供するこ
とが判明した。
【0041】上記改質HTLCを遷移金属化合物と組み
合わせることにより非常に有効な酸素スカベンジャーが
得られることが意外にも判明した。遷移金属化合物は遷
移金属がイオン又は共有結合により他の元素又は基に会
合している塩、キレート、錯体又は化合物の形態とする
ことができる。
【0042】本発明で有用であることが判明した遷移金
属は、最外殻の8電子までの充填を妨げ、2番目の殻を
8電子から12又は32電子にした周期表の金属系列の
金属である。これらの元素は2番目の殻の軌道と最外殻
軌道を結合に使用する。従って、遷移元素としては、元
素21〜29(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni及びCu又はその混合物)から構成される周期
表の第1遷移系列の元素が挙げられ、これらのうちで好
ましい金属はコバルト、銅、鉄、錫、ニッケル及びマン
ガン又はその混合物であり、銅とコバルトが最も好まし
い。系の一部として導入する場合の金属の+酸化状態は
必ずしも系に高い活性及び能を生じる活性状態でなくて
もよい。
【0043】金属イオンの存在を提供するのに適した遷
移金属化合物は有機遷移金属錯体、キレート又は有機カ
ルボン酸塩の形態とすることができる。利用可能な有機
遷移金属化合物の例を以下に挙げる。 (1)C−C20程度の炭素鎖長をもつモノ、ジ及び
ポリカルボン酸の金属塩。炭素鎖は脂肪族でも芳香族で
もよく、置換されていてもいなくてもよく、不飽和を含
んでいてもよいし、脂肪酸でもよい。このような金属塩
の具体例を以下に挙げる。 ・ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン
酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸等の脂肪族モノカル
ボン酸; ・蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸; ・クエン酸等のポリカルボン酸; ・オレイン酸、リノール酸、ソルビン酸、グルタコン
酸、ヒドロムコン酸、オクテンジオン酸等の不飽和含有
酸; ・置換されていてもいなくてもよい安息香酸、サリチル
酸等の芳香族酸; ・好ましくは末端カルボキシル基をもつ高級炭素一酸等
の脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、ノナデ
カン酸等。
【0044】これらの酸は、直鎖又は分枝鎖から構成さ
れ得るヒドロカルビル基、一般に炭素原子数1〜6の脂
肪族基又は芳香族基で置換されていてもよい(例えばシ
クロヘキサン酪酸や2−エチルヘキサン酸)。更に、こ
れらの酸はグリオキシル酸、グリコール酸又はグルコン
酸等に含まれるようなアルデヒド又はヒドロキシル基等
の他の置換基で置換されていてもよい。 (2)エチレンジアミン四酢酸、フタロシアニン、テト
ラフェニルポルフィン及びナフタロシアニン等と共に形
成されるような金属キレート酸/塩基錯体。 (3)p−トルエンスルホン酸等のような金属スルホン
酸含有化合物。 (4)ポリマー対イオンを使用する金属イオノマー塩。
このようなイオノマーは当技術分野で周知である。 (5)遷移金属がアセチルアセトン酸、ベンゾイルアセ
トン酸、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプ
タンジオン酸等と会合した金属リガンド。
【0045】好ましい有機遷移金属化合物は例えばネオ
デカン酸コバルト(II)、オレイン酸コバルト(I
I)、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、ステア
リン酸銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、
パルミチン酸銅(II)、酢酸銅(II)、グルコン酸
銅(II)、酢酸コバルト(II)、酢酸鉄(II)、
アセチルアセトン酸鉄(III)、グルコン酸鉄(I
I)、酢酸マンガン(II)、2−エチルヘキサン酸ニ
ッケル(II)等である。
【0046】あるいは、遷移金属化合物は無機遷移金属
塩の形態でもよい。塩は水溶性塩でも非水溶性塩でもよ
い。このような塩としては遷移金属ハロゲン化物、亜硫
酸塩、硫酸塩、硫化物、亜リン酸塩、リン酸塩、ピロリ
ン酸塩、リン化物、次亜リン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、
酸化物、炭酸塩、水酸化物、塩素酸塩、臭素酸塩、クロ
ム酸塩、亜クロム酸塩、チタン酸塩、ホウ化物、過塩素
酸塩、テトラフルオロ硼酸塩、タングステン酸塩等及び
その混合物が挙げられる。
【0047】このような塩の例としては、硫化銅(I又
はII)、臭化銅(I又はII)、塩化銅(I又はI
I)、酸化銅(I又はII)、炭酸銅(II)、弗化銅
(II)、水酸化銅(II)、ヨウ化銅(I又はI
I)、硝酸銅(II)、亜硝酸銅(II)、硫酸銅(I
I)、臭化コバルト(II)、炭酸コバルト(II)、
塩化コバルト(II)、水酸化コバルト(II)、硝酸
コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、酸化コバル
ト(II又はIII)、臭化鉄(II又はIII)、塩
化鉄(II又はIII)、弗化鉄(II又はIII)、
硝酸鉄(III)、酸化鉄(II又はIII)、過塩素
酸鉄(II又はIII)、リン酸鉄(III)、硫酸鉄
(II又はIII)、硫化鉄(II)、臭化マンガン
(II)、炭酸マンガン(II)、塩化マンガン(I
I)、酸化マンガン(II、III又はIV)、次亜リ
ン酸マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、硫酸マ
ンガン(II)、臭化ニッケル(II)、塩化ニッケル
(II)、水酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(I
I)が挙げられる。本発明の酸素スカベンジャー系及び
組成物を形成するのに有用な好ましい無機塩は硫酸銅
(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸コバル
ト(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸
鉄(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸錫(II)及
び硫酸ニッケル(II)である。
【0048】本明細書及び請求の範囲で使用する「化合
物」なる用語は特に指定しない限り、ゼロ以外の原子価
状態の遷移金属をもち、塩、錯体、キレート又は安定な
材料を提供する他の形態におけるように対部分に結合し
た材料を意味する。
【0049】本発明の酸素掃去系は改質HTLC酸素ス
カベンジャーと遷移金属イオン源を含む。遷移金属イオ
ン源が上述のような無機又は有機遷移金属化合物の形態
であるときには、粒状改質HTLCと物理的に混合する
と、改質HTLCと遷移金属化合物の実質的に均質な混
合物が得られる。この混合物をキャリヤーに均質に分配
すると、本発明の酸素掃去組成物が得られる。物理的混
合物は、まず改質HTLCと遷移金属化合物を混合した
後、この混合物をキャリヤーに導入することにより形成
することができる。あるいは、改質HTLCと遷移金属
化合物を別々にキャリヤーと混合した後、これらのキャ
リヤーの各々を相互に混合し、キャリヤーマトリックス
中に遷移金属化合物と改質HTLCの均質混合物を提供
することもできる。
【0050】あるいは、改質HTLCに遷移金属化合物
を塗布しても、本発明の酸素スカベンジャー系を形成す
る2成分の均質混合物を提供することができる。上述の
ように、改質HTLCは積層構造をもつので、少なくと
も部分的に遷移金属化合物を塗布することが可能な高い
表面積を提供する。この塗布は改質HTLCを初期湿潤
点まで遷移金属化合物の溶液で処理した後、溶剤を除去
するなどの任意慣用方法により実施することができる。
本発明の改質HTLC/遷移金属化合物系は、改質HT
LCと遷移金属化合物の均質混合物と、遷移金属化合物
を塗布した改質HTLCを組み合わせてもよい。
【0051】更に、改質HTLCの非遷移金属(例えば
Ca+2、Mg+2)の一部とイオン交換した遷移金属
イオン源として遷移金属化合物を使用してもよい。これ
は、改質HTLCを形成するために使用する試薬に遷移
金属化合物を(好ましくは塩として)導入することによ
り実施することができる。あるいは、予め形成した改質
HTLCを遷移金属塩の溶液と所定時間(例えば少なく
とも60分間、好ましくは120〜360分間の接触時
間)高温で接触させてイオン交換させてもよい。得られ
た改質HTLCを水又は水−アルコール混合物で洗浄し
て交換塩副生物を除去することが望ましい。得られた生
成物は遷移金属化合物と均質に混合しているか及び/又
は遷移金属化合物をその表面に塗布した改質HTLC
と、改質HTLCの一部としての遷移金属イオンから構
成され得る。
【0052】改質HTLCに遷移金属化合物を塗布する
ため及び/又は遷移金属イオンをイオン交換させるため
に使用する水溶液は無酸素でなければならない。工程は
無酸素雰囲気で実施すべきである。本発明の酸素掃去併
用剤は酸素と水分の存在下におくと有効な酸素掃去活性
及び速度を提供することが判明した。従って、本発明の
酸素掃去組成物は形成中は酸素の不在下に維持し、保存
中は酸素又は水分の不在下に維持する必要がある。本発
明の系をポリマーマトリックス等のキャリヤーと共に酸
素掃去組成物に配合する場合には、キャリヤーは高い酸
素掃去速度を誘発(開始)するために必要な程度まで掃
去剤を実質的に無水分に維持できることが望ましい。
【0053】系の改質HTLC酸素掃去成分の量は、最
終掃去組成物の所期用途によって異なる。多量の組成物
を使用して少量の酸素を掃去する場合(例えば比較的厚
いポリマーコーティングを使用して缶の内面全体を被覆
する場合)には、改質HTLC酸素掃去成分の量は組成
物の約0.05重量%程度、好ましくは組成物の少なく
とも1重量%でよい。一般に、改質HTLCは組成物の
総重量を基にして0.05〜90%、より好ましくは
0.5〜40%、最も好ましくは組成物の総重量を基に
して1.0〜25%を使用することができる。キャップ
ライナー、クラウンガスケット組成物、缶シーラント等
のように、ポリマーキャリヤー中の粒状材料の添加量が
少ないか及び/又は組成物の量が少ない所定の慣用用途
では、改質ヒドロタルサイト酸素掃去成分の量は組成物
の重量を基にして少なくとも約1重量%、好ましくは2
〜40重量%、より好ましくは3〜25重量%とするこ
とができる。
【0054】特定用途に必要な改質HTLC酸素掃去成
分の量は当業者が容易に決定できる。酸素スカベンジャ
ー粒状材料をガスケットに添加する場合には、その量は
一般に組成物の総重量を基にして少なくとも0.05重
量%(例えば0.05〜90%)、一般に少なくとも1
%、好ましくは少なくとも2%(例えば2〜9%、好ま
しくは2〜40%、より好ましくは2〜25%)であ
る。他方、キャリヤーをガスケットとして使用せずにク
ロージャーの中心パネルに塗布するプラスチゾル、ラッ
カー又はホットメルトの場合には、量は著しく多くな
る。例えば、20〜60重量%、又は場合によっては9
0重量%までの添加量を利用できる。組成物がフィル
ム、マット、パウチ又はサシェの形態である場合には、
酸素スカベンジャーは適当な内容物の容器の所期保存期
間中に有効に酸素を掃去する量で存在すべきである。掃
去剤の量を約0.01〜2gとすると、普通寸法の容器
から酸素を有効に掃去できる。本発明は高い重量百分率
を含む広範囲の改質HTLCスカベンジャー剤濃度を達
成する能力を提供する。
【0055】上記遷移金属成分は遷移金属化合物の遷移
金属に対する改質HTLCのモル比が約3000:1〜
1:1、好ましくは2000:1〜5:1、最も好まし
くは100:1〜10:1となるように本発明の組成物
中に存在すべきである。用途によっては、有効な酸素掃
去を提供するように比を増減してもよい。
【0056】本発明で使用するのに適した改質HTLC
と遷移金属化合物の例は、本発明の所期用途であるシー
ラント、コーティング又はフィルム組成物で一般に使用
される充填剤の一部又は全部に置換するのに特に適した
微粉砕固体である。これらの成分の粒度は10〜500
μm、好ましくは20〜50μmとすることができる。
【0057】全体としての本発明の組成物は事実上無水
であり、即ち酸素掃去を誘発(実質的速度で開始)する
ために必要とされるよりも低い含水率を提供する。従っ
て、組成物のキャリヤー成分は好ましくは同様に無水で
あるポリマーマトリックスであることが好ましい。一般
に、ポリマーマトリックスは標準大気条件下でスカベン
ジャーを水分から実質的に保護するので、酸素スカベン
ジャー剤は掃去活性に対して実質的に不活性に維持され
る。他方、食品の密閉パッケージ環境のように高い含水
率に達すると、掃去活性が開始又は誘発される。組成物
を担持するポリマーマトリックスへの水分侵入は熱充
填、滅菌、低温殺菌、レトルト等の慣用方法により従来
通りに促進される。ポリマーマトリックスは水分と酸素
がマトリックス内部に侵入して粒状材料と接触できるよ
うに十分透過性であることが望ましい。
【0058】本発明の1態様では、本発明の組成物のキ
ャリヤーはポリマーマトリックス材料即ち本発明の酸素
掃去系を分配した固体マトリックスを形成するポリマー
材料(可塑剤、充填剤、界面活性剤等の任意添加剤を添
加)を含む。ポリマーマトリックスキャリヤーは組成物
の種類(フィルム、分散液、ラテックス、プラスチゾ
ル、ドライブレンド、溶液又は溶融液)と従来通りの容
器及び/又はクロージャーの一部としてのその使用を考
慮して選択すべきである。
【0059】キャリヤーは固体又は半固体マトリックス
を形成することが可能な少なくとも1種のポリマー材料
から選択することができる。ポリマーキャリヤーはフィ
ルム、分散液、ラテックス、プラスチゾル、ドライブレ
ンド、溶液又は溶融液(例えば熱可塑性溶融性ポリマ
ー)等の種々のバルク物理形状から得られる種々のポリ
マーから誘導することができる。選択するポリマーの特
定物理形状は本発明の組成物を最終的に形成又は添加す
る最終構造に依存する。ポリマーマトリックスは熱可塑
性又は熱硬化性のいずれのポリマー型から誘導してもよ
い。
【0060】本発明の目的にポリマーマトリックスによ
り提供される主機能は上記に詳述した酸素掃去系に適合
可能なキャリヤー(標準包装温度条件下で安定であり、
本発明の改質ヒドロタルサイト遷移金属イオン系の酸素
スカベンジャー活性を失活させない材料)を提供し、系
の成分と接触できるように指定条件下で酸素と水分の両
者を組成物に侵入させることである。ポリマーの範囲は
一般に非常に広くすることができる。他方、造形又は添
加する最終構造に提供される物理形状に依存して付加機
能を実現するようにポリマーマトリックスを選択しても
よい。従って、最終的に選択する特定ポリマー又はポリ
マー混合物はその酸素掃去効果を発揮する最終用途によ
り決定される。
【0061】従って、ポリマーマトリックスを誘導する
ことが可能な利用可能なポリマーとしては、ポリオレフ
ィン、ビニルポリマー、ポリエーテル、ポリエステル、
ポリアミド、フェノール−ホルムアルデヒド縮合ポリマ
ー、ポリシロキサン、イオンポリマー、ポリウレタン、
アクリル系誘導体及び天然ポリマー(例えばセルロース
樹脂、タンニン、多糖類及び澱粉類)が挙げられる。
【0062】ラテックス組成物のポリマーマトリックス
成分として例えば缶用途に使用するのに適した材料は米
国特許第4,360,120号、米国特許第4,36
8,828号及びヨーロッパ特許第0182674号に
記載されている。組成物が有機溶液又は水性分散液であ
る場合に使用するのに適したポリマー材料は米国特許第
4,360,120号、米国特許第4,368,828
号及び英国特許第2,084,601号に記載されてい
る。熱可塑性組成物で使用するのに適した材料として
は、米国特許第4,619,848号、米国特許第4,
529,740号、米国特許第5,014,447号、
米国特許第4,698,469号、英国特許第1,11
2,023号、英国特許第1,112,024号、英国
特許第1,112,025号及びヨーロッパ特許第12
9309号に提案されている材料を挙げることができ
る。上記文献の各々の教示はその全体を参考資料として
本明細書の一部とする。
【0063】特に、ポリマーキャリヤーは一般にポリオ
レフィンから選択することができ、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマ
ー、酸改質エチレン/プロピレンコポリマー、ポリブタ
ジエン、ブチルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、カル
ボキシル化スチレン/ブタジエン、ポリイソプレン、ス
チレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー、ス
チレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー、ス
チレン/エチレン/ブチレン/スチレンブロックコポリ
マー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/ア
クリレート及びエチレン/(メタ)アクリレートコポリ
マー(例えばエチレン/アクリル酸ブチル又はエチレン
/メタクリル酸ブチルコポリマー)、エチレン/ビニル
アルコールコポリマー、エチレン又はプロピレン/一酸
化炭素交互コポリマー、塩化ビニルホモポリマー及びコ
ポリマー、二塩化ビニリデンポリマー及びコポリマー、
スチレン/アクリルポリマー、ポリアミド、及び酢酸ビ
ニルポリマー、並びにこれらの1種以上のブレンドが挙
げられる。本発明の組成物を形成するのに有用であるこ
とが判明したポリエチレンとしては、高密度ポリエチレ
ン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエ
チレン(ULDPE)等と、エチレンと1種以上の他の
低級アルケン(例えばオクテン)等から形成されるコポ
リマーが挙げられる。
【0064】フィルム等を形成するために特に有用な本
発明の組成物は、例えばポリエチレン又はポリエチレン
コポリマー(例えばエチレン/酢酸ビニル等)又はポリ
エチレンブレンド(例えばHDPEとブチルゴムのブレ
ンド);ポリエチレン及びエチレン/酢酸ビニルコポリ
マー;並びにポリエチレン及びスチレン/ブタジエン/
スチレンブロックポリマー等の熱可塑性ポリマーを含む
ことができる。ポリエチレンを使用する場合には低密度
ポリエチレンが好ましく、低密度又は超低密度ポリエチ
レンでもよく、直鎖又は分枝鎖のいずれでもよい。エチ
レン/酢酸ビニルコポリマーを使用する場合には、3〜
15、好ましくは5〜10のメルトインデックスをも
ち、一般に5〜40%、好ましくは5〜30%の酢酸ビ
ニルを含むものが好ましい。
【0065】半剛性パッケージ(例えば缶)のライナー
等に使用するのに特に好ましい組成物はプラスチゾル又
はポリマーのドライブレンドである。これらは可塑剤と
併用してポリマーマトリックスを形成することができ
る。組成物がプラスチゾルである場合に使用するのに適
した材料としては、塩化ビニルホモポリマー及びコポリ
マーが挙げられる。純プラスチゾルとしてこのような組
成物を製造する代わりに、ポリマーと可塑剤のドライブ
レンドとして提供してもよい。ビニル樹脂プラスチゾル
中に存在する可塑剤の割合は任意慣用割合とすることが
でき、一般にビニル樹脂100重量部当たり可塑剤30
〜150重量部である。
【0066】ポリマーキャリヤーはポリウレタン、フェ
ノール樹脂、エポキシ−エステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル及びアルキド等の種々の熱硬化性樹脂から
形成してもよい。これらの樹脂は一般に有機液体と共に
溶液又は懸濁液を形成して容器の内面に塗布した後、高
温を加えて液体を除去し、支持体上の樹脂塗料を(例え
ば架橋により)凝固させる。
【0067】本発明の組成物のポリマーマトリックスキ
ャリヤーは、パッケージ(例えば缶、缶蓋、箱、カート
ン等の剛性容器)の内面の少なくとも一部にコーティン
グを形成するために使用されるものから選択することが
できる。ポリマーマトリックスはエポキシド、フェノー
ル樹脂(例えばフェノール−ホルムアルデヒド縮合ポリ
マー)、ラッカー(例えばセルロースエステル又はエー
テル、セラック、アルキル樹脂等)、ポリウレタン等と
一般に呼ばれるポリマー類から選択することができる。
キャリヤーマトリックスを上記酸素スカベンジャー系の
成分と混合すると、封入粒状材料を提供することがで
き、その後、第2のポリマーマトリックスで使用した
り、(例えば溶剤又は溶融液塗布により)第2のキャリ
ヤー材料の表面に塗布することができる。
【0068】組成物を形成するために使用するポリマー
キャリヤーは更に、フタル酸塩、アジピン酸塩、グリコ
ール、クエン酸塩及びエポキシ化油等の慣用可塑剤を加
えてもよく、このような可塑剤としては例えば容易に入
手可能なフタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソオクチル
又はフタル酸ジイソデシルが挙げられる。他の使用可能
な可塑剤はフタル酸ブチルベンジル、クエン酸アセチル
トリブチル、リン酸エチルジフェニル及びフタル酸ジイ
ソブチルである。塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー樹
脂と併用するのに特に有用な可塑剤の組み合わせは、重
量比約7〜8:1のフタル酸ジイソデシルとフタル酸ジ
イソオクチルの混合物である。
【0069】更に、本発明のキャリヤーは組成物の種類
とその最終用途に依存して慣用量の不活性充填剤、スリ
ップ剤、加工助剤、顔料、安定剤、酸化防止剤、粘着付
与樹脂、発泡剤及び他の慣用添加剤を加えてもよい。
【0070】キャリヤーが熱可塑性ポリマーを含む場合
には、このような添加剤の合計量は一般に組成物の総重
量を基にして10%未満、最も好ましくは3%未満であ
る。他方、キャリヤーがプラスチゾル、分散液、有機溶
液又はラテックスの形態である場合には、組成物の総重
量に対する添加剤の量はもっと多くてもよい。酸化防止
剤を加える場合には、加工中に形成されるフリーラジカ
ルによる分解に対してポリマー組成物を安定化すること
が可能な量を加えるべきである。但し、酸化防止剤の量
は本発明の組成物の改質HTLC/遷移金属化合物酸素
スカベンジャー系が分子酸素と有効に反応できるように
十分に少量にすべきである。具体的な量は酸化防止剤に
より異なり、簡単な実験により決定することができる。
場合により、充填剤の使用量は一般に上述のように、遷
移金属化合物と混合、塗布又はイオン交換した本発明の
必要な固体粒状改質HTLC酸素掃去剤により少なくと
も部分的に置換してもよい。
【0071】本発明の好適側面は、組成物が密閉容器に
加えられるまで酸素スカベンジャー系が組成物中及び本
組成物から形成されるガスケット又は他の固体堆積物中
で実質的に不活性に維持される点である。従って、密閉
容器の内側に通常存在する高湿度に組成物を暴露する
と、水分が組成物に十分に浸透し、本発明の酸素スカベ
ンジャー系は高度まで酸素掃去を開始する。この結果、
包装物の保存寿命が改善される。更に、密閉容器に入れ
たままで水分の浸透を増すように組成物を十分に加熱す
ることにより、掃去反応を更に加速することができる。
従って、酸素スカベンジャー系は水分の存在下に加熱す
ることにより掃去反応が加速されるまでキャリヤー内で
実質的に不活性に維持されることが好ましい。
【0072】本発明の組成物の掃去反応は、水性充填物
を充填して密閉した後に容器を(一般に50〜100℃
で)低温殺菌又は(一般に100〜150℃で)滅菌す
ることにより加速することができる。この誘発は、本発
明の組成物を加熱すると組成物に水分が浸透して本発明
の酸素スカベンジャー系と接触する結果として生じると
思われる。水分は組成物に閉じ込められるので、スカベ
ンジャー系は存在する酸素と反応を生じるために十分な
水と接触する。この酸素は充填時に容器内に閉じ込めら
れたか又はその後に周囲大気から容器に侵入する酸素か
ら組成物に浸透することができる。
【0073】慣用酸素掃去剤は高温に暴露されると分解
することがあるが、本発明の酸素スカベンジャー系はポ
リマーをフィルム又はコーティングに加工したり、プラ
スチゾル組成物から溶剤を除去したり、低温殺菌、滅菌
等の包装技術で一般に実施される工程で一般に利用され
る高温に安定であることが判明した。
【0074】本発明の組成物は溶融押出液、プラスチゾ
ル、有機溶液、ドライブレンド、ラテックス又は分散液
等の任意の慣用形態に配合することができる。酸素スカ
ベンジャー系とキャリヤー以外の組成物の主成分は、所
期目的に従来使用されている通りである。組成物全体は
組成物内でスカベンジャーの反応が開始しないように非
水性(即ち無水溶液、プラスチゾル又は熱可塑性溶融
液)であることが好ましい。
【0075】本発明の組成物は本発明の酸素スカベンジ
ャー系を担持するフィルムを形成するために使用するこ
とができる。キャリヤーはフィルムを形成することが可
能な上述のようなポリマー材料から形成することがで
き、その表面に本発明の酸素スカベンジャー組成物を堆
積する。フィルムは単層から構成してもよいし、複数の
層から構成してもよい。粒状材料のポリマー懸濁液又は
分散液を形成し、吹付又はナイフ塗り等の慣用手段によ
り懸濁液又は分散液をキャリヤーフィルムの表面に直接
堆積することにより、本発明の酸素スカベンジャー組成
物をフィルムの表面に塗布することができる。キャリヤ
ーフィルムの特定種は所期用途と、形成されたキャリヤ
ーが酸素スカベンジャーをその表面に付着させて使用中
にその一体性を実質的に維持する能力に依存する。
【0076】キャリヤーは繊維状(織布又は不織布)マ
ットの形態でもよい。本発明の酸素スカベンジャー組成
物はマット構造の細隙に加える。マットを形成する繊維
は綿、ガラス、ナイロン、ポリエチレン、エチレンと1
種以上のエチレン性不飽和モノマーのコポリマー、ポリ
プロピレン、プロピレンと1種以上のエチレン性不飽和
モノマーのコポリマー等の任意の適当な材料又は合成繊
維から形成することができる。キャリヤーマットの特定
種はその用途と、マットが使用中にマット構造の細隙内
に酸素スカベンジャー系の成分を維持する能力に依存す
る。スカベンジャーはマットをスカベンジャー系の分散
液又は懸濁液に浸漬した後、マットから液体を除去する
か、又はまずスカベンジャー/ポリマー組成物の粒状材
料を形成し、マット構造上及びマット構造内に溶融堆積
する等の任意手段によりマット構造に堆積することがで
きる。
【0077】別の態様では、本発明の酸素スカベンジャ
ー系は酸素感受性物質を入れた容器に挿入するのに適し
た寸法のパウチ又はサシェの形態のキャリヤーの内側に
保持することができる。パウチ又はサシェは周囲温度条
件でパウチ又はサシェ形成材料に水分と酸素を透過させ
るために十分多孔質であることが望ましい。従って、本
発明の酸素スカベンジャー組成物はサシェ構造の内部に
粒状材料を保持できるように十分な粒度の小粒子形態で
提供される酸素スカベンジャー系をそのまま又はポリマ
ーマトリックスに入れて収容したパウチ又はサシェキャ
リヤーから構成される。パウチ又はサシェは包装技術に
周知の方法で紙、綿布、ポリマーフィルム等の天然又は
合成材料から形成することができる。
【0078】第4の態様は、本発明の酸素スカベンジャ
ー系を分配したセラミック等の多孔質無機材料の形態の
キャリヤーの使用である。セラミックは酸素感受性物質
を入れた容器に挿入するのに適した任意の所望形状(例
えば球形、立方体、円筒形等)及び寸法に形成すること
ができる。
【0079】上記酸素スカベンジャー組成物は周囲条件
で保存される酸素感受性食品の保存に使用できることが
判明した。本発明の組成物は食品を汚染する恐れのある
スカベンジャー剤及び/又は酸化副生物の放出を阻止す
るので、酸素スカベンジャーをポリマーマトリックスに
直接混合してポリマーマトリックスの充填剤を形成する
組成物にまさる利点がある。本発明の酸素スカベンジャ
ー系は水分で誘発可能な酸素掃去部分をその構造の一部
として含む粒状材料から構成される。系の性質は、酸素
掃去部分が包装物への酸素掃去部分又はその酸化物の移
動を実質的に防止するようにヒドロタルサイトに結合し
ながら分子酸素に高反応性となるような性質であること
が判明した。従って、本発明は包装した食品の変色を生
じたり味を損なうことのない非常に望ましい酸素スカベ
ンジャー組成物を予想外に提供する。
【0080】本発明の酸素スカベンジャー剤を含む粒状
材料の量は用途によって異なる。粒状材料をガスケット
に添加する場合には、その量はポリマーマトリックス材
料を基にして通常は少なくとも0.5重量%、一般に少
なくとも1%、好ましくは少なくとも2%である。一般
に20%を越える量は不要であり、多くの場合には4%
〜10%が好都合な最大値である。
【0081】マトリックスをガスケットとして使用せず
にクロージャーの中心パネルに塗布するプラスチゾル、
ラッカー又はホットメルトの場合には、スカベンジャー
粒状材料添加量を著しく多くすることができる。例え
ば、20〜60重量%、場合によっては90%までの添
加量を利用できる。
【0082】組成物がフィルム、マット、パウチ又はサ
シェの形態である場合には、酸素スカベンジャーは適当
な内容物の容器の所期保存期間に酸素を有効に掃去する
量で存在すべきである。少なくとも約60モル%の酸素
掃去アニオンAをもつ酸素掃去剤の量を0.01〜2g
とすると、普通寸法(50〜1000ml)容器に所望
酸素掃去能を提供するために通常は十分である。
【0083】本発明の組成物は包装物の味、香り又は匂
いを損なわずにこの物質に貯蔵安定性を提供することが
可能なパッケージ容器の一部として使用することができ
る。本発明の組成物は容器本体又はクロージャー手段
(例えば蓋、缶端)の内面の全部もしくは一部に形成し
たコーティング等の任意形態で、又はフィルム、マッ
ト、パウチ、サシェもしくはセラミック構造の形態のイ
ンサートとして密閉容器の内側雰囲気に暴露することが
望ましい。
【0084】フィルムの形態の本発明の組成物は例えば
破風天頂カートンを形成するように板紙に積層すること
ができる。フィルムは更に酸素バリヤー層及び/又はヒ
ートシール可能層を含むことができる。
【0085】フィルムの形態のポリマーキャリヤーから
形成した本発明の組成物は中心パネルライニングとして
容器クロージャーに塗布することができる。クロージャ
ーはキャップ、缶端、蓋ストック又はフィルムとするこ
とができる。本発明は更にポリマーマトリックス又はフ
ィルム組成物からクロージャー上に形成され、クロージ
ャーの周囲又はクロージャーに形成された弱化線の上に
密封するように配置された固体堆積物を担持する容器ク
ロージャーも含む。固体堆積物はクロージャーの周囲に
堆積され且つ組成物から形成されるガスケットとするこ
とができる。ガスケット等の堆積物の代わりに又はそれ
に加え、クロージャーにより密閉された容器を開放する
ためのプッシュ又はプルコンポーネントの周囲に不連続
部又は弱化線が配置された位置でクロージャーの内面に
組成物を堆積してもよい。クロージャーは従来通りに密
閉容器の露出表面積の小部分のみ、多くの場合には表面
積の25%未満を占める。従って、固体堆積物の面積は
容器の面積に対して非常に小さくすることができる。そ
れにも拘わらず、本発明は内容物に対する貯蔵安定性を
著しく改善することができる。
【0086】本発明は更にこのようなクロージャーで密
閉した充填容器も含む。密閉容器は容器本体と、これに
装着したクロージャーと、容器本体の内側に収容した包
装物を含む。容器本体はガラス又は金属から構成するこ
とが好ましい。クロージャーは金属から構成することが
好ましい。包装物は容器に保存すべき任意飲料、食品又
は他の物質とすることができるが、本発明は保存中の酸
素侵入又は汚染により保存寿命又は製品品質が一般に制
限される物質を充填する場合に特に有用である。容器本
体は一般に金属缶とすることができ、その場合にはクロ
ージャーは缶端である。一般に、クロージャー全体を金
属又はポリマー材料から構成するが、クロージャーのパ
ネルに金属又はポリマー材料の取り外し可能なコンポー
ネントを加えてもよい。
【0087】容器本体は缶本体でなく、瓶又はジャーで
もよく、その場合にはクロージャーはキャップである。
瓶又はジャーはガラスから構成することが好ましいが、
酸素透過性の非常に低いポリマー材料から構成してもよ
い。キャップはポリマー材料、例えばポリプロピレンか
ら構成することができ、バリヤー層を加えてもよい。一
般に、キャップは金属から形成され、金属又はポリマー
材料のプッシュ又はプルコンポーネントを含むことがで
きる。キャップは引き外しもしくはねじ開けクラウン、
ねじ付けキャップ、ラグキャップ、押し付け/ねじ開け
もしくは押し付け/引き外しキャップ、ねじキャップ、
ロールオン金属キャップ、連続ねじキャップ、又は瓶も
しくはジャーを閉鎖するのに適した他の任意の慣用形態
の金属キャップもしくはポリマーキャップ等のクラウン
キャップとすることができる。
【0088】通常は、容器本体とクロージャーの間にガ
スケットを配置する。このガスケットを使用すると、ガ
スケット組成物中のブレンドとして又はガスケットもし
くはその近傍に塗布した別個の成分として(特にポリマ
ーマトリックスを含む組成物としての)本発明の組成物
を担持することができるが、クロージャーの別の場所又
は容器の別の場所に本発明の組成物を使用することも可
能である。その場合には、ガスケット形成組成物はガス
ケットを形成するのに適した任意の非改質慣用組成物と
することができる。
【0089】クロージャーがキャップである場合には、
本発明のスカベンジャー組成物はガスケット全体又はガ
スケット全体の一部を形成することができる。これは、
直径50mm未満等の小直径の場合に一般に該当する。
もっと直径の大きいキャップでは、ガスケットはリング
様ガスケットであり、ガスケット形成組成物から慣用方
法で堆積することができる。例えば、リング様ガスケッ
トはリングとして液体形態で塗布することによりキャッ
プに形成することができ、その後、適宜乾燥、加熱硬化
又は冷却して熱可塑性材料を硬化させることにより固体
形態にすることができる。酸素掃去組成物はガスケット
材料にブレンドし、ガスケット材料に堆積するか、又は
ガスケットで覆われていないキャップの領域(パネルの
中心)に塗布することができる。ガスケット形成組成物
はこの目的では分散液、ラテックス、プラスチゾル、ド
ライブレンド、適当な熱可塑性組成物又は有機溶液とす
ることができる。その後、ガスケットを支持するキャッ
プを充填容器本体の開放端の周囲の適当な密閉面に押し
当て、慣用方法で閉鎖する。
【0090】組成物を熱可塑性ポリマーマトリックスか
ら形成する場合には、キャップを紡糸しながら低粘度溶
融液として塗布し、組成物をリング形状に成形するか、
又は溶融液として塗布した後に、多くの場合には肉厚リ
ング様部分をもつディスクである所望形状に成形するこ
とができる。更に、ガスケットはキャップ内に(例えば
機械的又は接着手段により)保持された予備成形リング
又はディスクの形態でもよい。
【0091】クロージャーが缶端である場合には、典型
的缶継ぎ合わせ条件下ではガスケットはパック内で実質
的に酸素に暴露されないので、一般にガスケット組成物
中に酸素掃去組成物を使用しない。また、シームは特に
酸素侵入を受けにくい。酸素掃去組成物は一般に缶のコ
ーティングとして塗布するなどして缶の中心パネル又は
他の内面に塗布する。
【0092】流体ポリマーマトリックスから形成した本
発明の流体又は溶融組成物を塗布し、クロージャー上で
凝固させることにより容器クロージャーにガスケット又
はコーティングを形成すると、特に好ましい。塗布及び
凝固方法は一般に従来通りである。ガスケットを形成す
るために規定組成物を使用すると特に有益な結果が得ら
れると思われるので、容器と缶端の両者を金属から構成
するか、容器本体をガラスから構成し、クロージャーを
金属又はプラスチックから構成すると特に好ましい。特
に、容器本体がガラス瓶であり、クロージャーが金属キ
ャップである場合に優れた結果を達成できる。
【0093】ガスケットを形成するために本発明の流体
又は溶融性ポリマーマトリックス組成物を使用する代わ
りに又はその使用に加えて、クロージャーの内面の別の
場所に組成物を堆積してもよい。クロージャーのパネル
の内面の全面コーティングとして塗布してもよいし、内
面の一部のみに塗布してもよい。特に、パネルが不連続
部又は弱化線によりパネルに規定された1個以上のプッ
シュ又はプルコンポーネントを含む場合には、主に不連
続部又は弱化線をちょうど覆うように組成物を塗布する
ことができる。例えば、ある種のクロージャー(通常は
缶端)は、指の力でパネルの円形領域を容器に押し込ん
で容器の内容物に取り出せるように、金属パネルを通る
部分切り込み線により規定される少なくとも1個、多く
の場合には2個のプッシュコンポーネントを含む。例え
ば、圧力の解放を可能にするための小プッシュコンポー
ネントと、容器から液体の流出を可能にする大プッシュ
コンポーネントを備えることができる。このようなシス
テムは例えばドイツ特許第3,639,426号に記載
されている。特に、本発明の第1の態様の組成物は弱化
線を覆う環(又はディスク)として堆積することができ
る。弱化線は単に金属パネルに形成した弱化線でもよい
が、例えばドイツ特許第3,639,426号に記載さ
れているようにプッシュコンポーネントの周囲全体を切
り取ってもよく、その場合には、プッシュコンポーネン
トは一般に切り込み線により規定されるパネルの開口よ
りも僅かに大きい面積をもち、従って、本発明の組成物
はプッシュコンポーネントとクロージャーのパネルの残
部の間にシールを形成することができる。
【0094】金属パネルの内側にプッシュ又はプルコン
ポーネントを形成しようとすると、プッシュ又はプルコ
ンポーネントの形成により金属パネルの内面に一般に存
在するポリマーラッカーコーティングを損傷するという
重大な危険が常に伴う。このため、金属が腐食する恐れ
がある。本発明の組成物を本明細書に記載するように容
器に塗布すると、金属容器の腐食を阻止すると共に、容
器の内容物、特にビール等の水性内容物の貯蔵安定性を
改善することができる。
【0095】金属、ガラス及びプラスチック容器の使用
に加え、組成物はジュースボックス等の板紙又は積層容
器でも使用することができる。このような容器は内側ラ
イナーを備える板紙カートン又はチューブである。組成
物はパッケージクロージャーの弱化線に沿って又はパッ
ケージの任意の他の適当な位置で板紙パッケージの内側
ライナーに配置又は積層することができる。あるいは、
容器の内側にフィルム、マット又はサシェとして本発明
の組成物を配置してもよい。
【0096】更に、本発明の組成物はポリマーマトリッ
クスが熱可塑性樹脂である場合には所望形状に配合及び
押出、射出成形又は熱成形することができる。例えば、
本発明の組成物はフィルム自体に成形してもよいし、フ
ィルム組成物の1成分として形成し、これを使用してバ
ッグ等の軟質パッケージングを作製してもよいし、フィ
ルムを金属ストックに積層した後、缶とクロージャーに
成形してもよい。また、組成物を多層フィルム又はラミ
ネート等の軟質パッケージングに添加してもよいし、熱
可塑性バッグ又は蓋ストックにリボン、パッチ、ラベル
又はコーティングとして加えてもよい。本発明の組成物
が多層フィルムの一部である場合には、本発明の組成物
から形成される層は得られる軟質パッケージの内面に暴
露される表面層でもよいし、本発明の組成物を含む層に
と水分を侵入させて該層と接触させるために十分な
透過性をもつ表面層に覆われた内層でもよい。従って、
本明細書及び請求の範囲で使用する「内側に暴露」なる
用語は、包装製品を収容した密閉容器の内側雰囲気に本
発明の組成物が直接又は間接的に暴露されることを意味
する。
【0097】本発明の組成物は薬品及び食品の不正防止
膜と併用又はその一部として使用することもできる。
【0098】以下の実施例は単に例示を目的とし、本明
細書の教示又は請求の範囲を制限するものではない。全
ての部及び百分率は特に指定しない限り重量に基づく。
【0099】酸素掃去能を試験するために、隔壁を取り
付けた気体不透過性真空密閉容器に各試料を入れ、ガス
を導入し、ガス試料を取り出して周期的に分析すること
により三重反復試験した。試料を入れた容器に室内空気
(約20.6%O)100ccを注入し、60℃で4
5分間低温殺菌した後、光酸化を避けるために暗所に保
存した。試料を抽出した後、MOCON(登録商標)モ
デルHS−750 Headspace Oxygen
Analyzerを使用して分析することにより、ヘ
ッドスペース酸素濃度を一定間隔で測定した。全試料は
3個ずつ調製して試験し、データを平均して報告値を得
た。
【0100】実施例I 重亜硫酸官能性ヒドロタルサイトの製造 窒素雰囲気下に、予めアルゴンでパージしておいた脱イ
オン水225部に重亜硫酸ナトリウム45部を溶かし
た。この溶液にMg/Al比1.0の未焼成炭酸官能性
ヒドロタルサイト([Mg.5Al.5(OH)
(CO.25・xHO)(Alcoa製品HTC
−10L)20部を加えた。スラリーを約60℃まで加
熱しながらアルゴン下に1時間撹拌した。次に、アルゴ
ン雰囲気下に減圧濾過により固形分を集め、脱酸素窒素
パージ水600部で洗浄した。次に、アルゴンパージ水
300部に固形分を取り、1時間撹拌した後、再び濾過
し、窒素パージ水1500部で洗浄した。生成物を80
℃の真空オーブンで6時間乾燥すると、白色微粉末が得
られた。この生成物を「HTLC/重亜硫酸I」と命名
した。
【0101】実施例II 実施例IのHTLC/重亜硫酸I0.2部を3”×4”
気体不透過性パウチに導入した後、下表1に記載する量
の遷移金属塩を加えることにより一連の試料を作製した
(全塩添加量は金属イオンを等モルにした)。パウチに
隔壁を取り付け、減圧下にヒートシールした。各パウチ
に水0.2部を加えた後、隔壁を通して空気100cc
を導入した。その後、ガスシリンジでパウチ内の雰囲気
から試料3ccを抽出してMOCON(登録商標)モデ
ルHS750 Headspace O Analy
zerに注入することにより、各パウチの酸素濃度を一
定間隔で測定した。水を加えなかった試料もモニターし
て空気中安定性を試験した処、これらの乾燥試料は有機
掃去を示さなかった。
【0102】
【表1】 上記データから明らかなように、遷移金属塩の存在はア
ニオンヒドロタルサイトの酸素活性及び容量を増し、改
善された酸素掃去系を提供した。
【0103】実施例III 遷移金属イオン濃度の高いアニオンHTLCを生成する
ようにヒドロタルサイトのマグネシウムイオンの一部を
遷移金属イオンでイオン交換した一連の試料を調製し
た。窒素雰囲気下に遷移金属塩1部を脱イオンアルゴン
パージ水85部に導入し、溶けるまで撹拌した。この溶
液に未焼成炭酸官能性ヒドロタルサイト(Mg/Al比
1.0;[Mg0.5Al0.5(OH)](C
25・xHO)(HTC−10 Alcon)
20部を加え、スラリーをアルゴン下に撹拌しながら9
5℃まで1時間加熱した。スラリーを40℃まで放冷さ
せた後、重亜硫酸ナトリウム15部をスラリーに加え
た。スラリーを再び95℃まで加熱し、この温度に1時
間維持した。次に、スラリーを室温まで放冷させた。ス
ラリーを窒素雰囲気下に減圧濾過し、窒素パージ水50
0部で洗浄してマグネシウム塩副生物を除去した。得ら
れた湿潤固形分を80℃の真空オーブンで約6時間乾燥
した。下表2は使用した遷移金属塩の種類と量、イオン
交換物収量及びICPにより分析した(夫々の塩の)遷
移金属量と(重亜硫酸塩の)硫黄量を示す。
【0104】
【表2】
【0105】実施例IV 重亜硫酸官能性ヒドロタルサイトの製造 窒素雰囲気下に、予め窒素で酸素をパージしておいた脱
イオン水510部に重亜硫酸ナトリウム90部を溶かし
た。この溶液にシート様形態と式[Mg.75Al
.25(OH)](OCCH.25・xH
をもつ未焼成酢酸HTLC(LaRoche Indu
stries,Inc.製品)100部を加えた。スラ
リーを窒素下に1時間撹拌した後、窒素雰囲気下に減圧
濾過により固形分を集めた。生成物を窒素パージ脱イオ
ン水600部に取り、1時間撹拌した。固形分を再び減
圧濾過により集め、窒素パージ水6000部で洗浄し
た。生成物を真空オーブンで80℃で9時間乾燥する
と、白色微粉末約60部が得られ、これを「HTLC/
重亜硫酸II」と命名した。表3に示す量のHTLC/
重亜硫酸IIとコバルト化合物の物理的混合物を形成す
ることにより、上記HTLC/重亜硫酸IIから一連の
酸素掃去系を調製した。使用量は試験パウチ中で酸素2
0.6ccと反応するために必要な量に基づいて決定し
た。形成された酸素掃去系に遷移金属が含まれている場
合には常に酸素は試験の最初の1時間以内に迅速に消費
された。結果を下表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】実施例V 重亜硫酸と交換したCo:Alシート様ヒドロタルサイ
ト 米国特許第5,518,704号(Aristech
Chemical Corporation)の実施例
6を次のように変形した。冷却器を取り付けた3L容フ
ラスコで疑似ベーマイト(Versal 700,La
Roche)15.13gと酢酸13.7gを水500
mLにスラリー化した後、撹拌下に55℃まで30分間
加熱した。Co(OH)40.9gをスラリーに加え
た後、窒素パージ水1.5Lを加えた。混合物をアルゴ
ン下に90℃まで6時間加熱した後、周囲温度まで放冷
させた。スラリーを減圧濾過するのは著しく困難であっ
たため、粘稠スラッジになるまで60℃で回転蒸発させ
た。この一部を80℃の真空オーブンで部分的に乾燥し
た。メタ重亜硫酸ナトリウム22.5gを水127.5
gに溶かしたアルゴンパージ溶液にこの粗生成物25g
を加え、一晩撹拌した。スラリーを減圧濾過し、水1L
で濯ぎ、80℃の真空オーブンで6時間乾燥すると、紫
色粉末2.5gが得られた。
【0108】実施例VI 重亜硫酸と交換したMg:Al:Coシート様ヒドロタ
ルサイト 冷却器を取り付けた3L容フラスコで疑似ベーマイト
(Versal 700,LaRoche)7.75g
と酢酸6.85gを水500mLにスラリー化した後、
撹拌下に55℃まで30分間加熱した。Mg(OH)
(MagChem−325,Martin Magne
sia Specialties)8.41gとCo
(OH)1.02gをスラリーに加えた後、窒素パー
ジ水750mLを加えた。混合物をアルゴン下に90℃
まで6時間加熱した後、40℃まで放冷させた。重亜硫
酸ナトリウム36.0gを加え、1時間撹拌した。一晩
撹拌後、スラリーは部分的に沈殿した。これを容易に減
圧濾過し、水2Lで洗浄した。80℃の真空オーブンで
6時間乾燥後に得られた紫色粉末の収量は19.4gで
あった。
【0109】実施例VII 上記実施例IVの手順に従い、実施例V及びVIのイオ
ン交換試料の酸素吸収能を試験した。その結果、下表4
に示すようにイオン交換物による非常に迅速な酸素掃去
が判明した。
【0110】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/17 C08K 5/17 5/37 5/37 C08L 101/00 C08L 101/00 C09K 15/32 C09K 15/32 Z (72)発明者 ジヨン・スコツト・ハロツク アメリカ合衆国、メリーランド・20854、 ポトマツク、コニストン・コート・10313

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロタルサイト様材料と遷移金属化合
    物の組み合わせを実質的に均質に分配したキャリヤーを
    含む酸素スカベンジャー組成物であって、前記ヒドロタ
    ルサイト様材料が前記組成物の0.05〜90重量%存
    在しており、式: 【化1】 (式中、Mはナトリウム又はカリウムから選択される
    アルカリ金属を表し、M IIはマグネシウム、亜鉛、ニ
    ッケル、銅、コバルト及びその混合物を表し、M III
    はアルミニウム、クロム、鉄及びその混合物を表し、A
    はアニオンを表し、前記アニオンの少なくとも60モル
    %は重亜硫酸、亜ジチオン酸、アスコルビン酸、チオー
    ル酸、フェノール酸又はその混合物から選択される酸素
    スカベンジャーアニオンから構成され、xは約0.1〜
    0.5の数値であり、aはAの原子価の平均数値であ
    り、yはaが2未満であるときには0を表し、aが少な
    くとも2であるときには0〜0.5の値を表し、nは0
    〜4の数値である)により表され、前記遷移金属化合物
    はヒドロタルサイト様材料と遷移金属イオンのモル比が
    3000:1〜1:1となるような量で存在している前
    記酸素スカベンジャー組成物。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属化合物がSc、Ti、V、
    Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Sn、Cu又はその混
    合物から選択される遷移金属をもつ請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 遷移金属がCo、Cu、Fe又はその混
    合物から選択される請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 酸素スカベンジャーアニオンAがアスコ
    ルビン酸アニオン、チオール酸アニオン、フェノール酸
    アニオン又はその混合物から選択される請求項1に記載
    の組成物。
  5. 【請求項5】 酸素スカベンジャーアニオンAがアスコ
    ルビン酸アニオン、チオール酸アニオン、フェノール酸
    アニオン又はその混合物から選択される請求項2に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 酸素スカベンジャーアニオンAが重亜硫
    酸、ジチオン酸又はその混合物である請求項1に記載の
    組成物。
  7. 【請求項7】 酸素スカベンジャーアニオンAが重亜硫
    酸、ジチオン酸又はその混合物である請求項2に記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 酸素スカベンジャーアニオンAがアスコ
    ルビン酸アニオンである請求項4に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 酸素スカベンジャーアニオンAがアスコ
    ルビン酸アニオンである請求項5に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 キャリヤーがポリエチレン、エチレン
    /酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルホモポリマー、塩
    化ビニルコポリマー及びそのブレンドから構成される群
    から選択される熱可塑性樹脂である請求項1に記載の組
    成物。
  11. 【請求項11】 キャリヤーがポリエチレン、エチレン
    /酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルホモポリマー、塩
    化ビニルコポリマー及びそのブレンドから構成される群
    から選択される熱可塑性樹脂である請求項5に記載の組
    成物。
  12. 【請求項12】 キャリヤーがポリエチレン、エチレン
    /酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニルホモポリマー、塩
    化ビニルコポリマー及びそのブレンドから構成される群
    から選択される熱可塑性樹脂である請求項7に記載の組
    成物。
  13. 【請求項13】 キャリヤーが高密度、低密度、超低密
    度、超々低密度及び線状低密度ポリエチレン、そのブレ
    ンド並びに前記ポリエチレンと他のポリマーのブレンド
    から構成される群から選択されるポリエチレンを含むポ
    リマーマトリックスである請求項1に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 キャリヤーが少なくとも1種のポリエ
    チレンと少なくとも1種のエチレン/酢酸ビニルコポリ
    マーの混合物を含むポリマーマトリックスである請求項
    1に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 キャリヤーがポリオレフィン、エチレ
    ン/酢酸ビニルコポリマー、ブチルゴム、スチレン/ブ
    タジエンゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンブロッ
    クコポリマー、イソプレン、スチレン/イソプレン/ス
    チレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブチ
    レン/スチレンブロックコポリマー及びその混合物から
    構成される群から選択されるポリマーを含むポリマーマ
    トリックスである請求項1に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 キャリヤーがエポキシド、フェノール
    樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルホモポリマー、ポ
    リ塩化ビニルコポリマー及びその混合物を含むポリマー
    マトリックスである請求項1に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 酸素感受性物質を収容するのに適した
    内腔をもつ容器であり、前記容器の内側に暴露される請
    求項1に記載の組成物を前記容器の少なくとも一部とし
    てもつ製品。
  18. 【請求項18】 酸素感受性物質を収容するのに適した
    内腔をもつ容器であり、前記容器の内側に暴露される請
    求項2に記載の組成物を前記容器の少なくとも一部とし
    てもつ製品。
  19. 【請求項19】 酸素感受性物質を収容するのに適した
    内腔をもつ容器であり、前記容器の内側に暴露される請
    求項5に記載の組成物を前記容器の少なくとも一部とし
    てもつ製品。
  20. 【請求項20】 酸素感受性物質を収容するのに適した
    内腔をもつ容器であり、前記容器の内側に暴露される請
    求項7に記載の組成物を前記容器の少なくとも一部とし
    てもつ製品。
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