JP2012056868A - 歯磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カチオン性殺菌剤、(B)研磨剤として炭酸カルシウム又はリン酸カルシウム、及び(C)増粘性無水ケイ酸を含有し、(C)成分の含有量が0.5〜2質量%で、かつ(C)成分/(A)成分の質量比が10〜50であることを特徴とする歯磨組成物。
【選択図】なし
Description
更に、特定の両性界面活性剤を配合することで、苦味の発現を抑えつつ殺菌効果をより向上できる。
請求項1:
(A)カチオン性殺菌剤、(B)研磨剤として炭酸カルシウム又はリン酸カルシウム、及び(C)増粘性無水ケイ酸を含有し、(C)成分の含有量が0.5〜2質量%で、かつ(C)成分/(A)成分の質量比が10〜50であることを特徴とする歯磨組成物。
請求項2:
(C)増粘性無水ケイ酸が吸液量2.0〜3.0ml/gのものである請求項1記載の歯磨組成物。
請求項3:
更に、(D)脂肪酸の炭素鎖長が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタイン又は2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを含有する請求項1又は2記載の歯磨組成物。
請求項4:
更に、(E)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、平均分子量が2,000〜20,000のポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含有する請求項1、2又は3記載の歯磨組成物。
また、これらカチオン性殺菌剤は1種又は2種以上用いることができるが、特に塩化セチルピリジニウムと塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムとの併用が高い殺菌効果を奏することから好適である。
なお、これらのカチオン性殺菌剤は、和光純薬工業(株)、日本油脂(株)、ロンザジャパン(株)などから入手できる市販品を使用できる。
なお、塩化セチルピリジニウムと塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムとを併用する場合は、塩化セチルピリジニウムの配合量を0.01〜0.05%、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムの配合量をそれぞれ0.01〜0.02%とすることができる。
炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムが挙げられ、いずれも使用できる。平均粒子径としては約3〜15μmのものが好適に用いられる。
リン酸カルシウムとしては、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸カルシウム、第3リン酸カルシウムなどが挙げられる。平均粒子径としては約10〜20μmのものが好適に用いられる。
なお、吸液量測定方法は下記のとおりである。
試料1.0gを清浄なガラス板上に量りとり、ミクロビュレットを用いて、42.5%グリセリンを少量ずつ滴下しながらステンレス製のへらで液が均一になるように試料を混合した。試料が一つの塊となり、へらでガラス板よりきれいに剥がれるようになったときを終点とし、要した液量(ml)を吸液量とした。
また、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインとしては、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。
これら両性界面活性剤の中では、特に脂肪酸アミドプロピルベタイン、とりわけヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが苦味のなさの点から好適であり、苦味の発現を抑えつつ殺菌効果をより効果的に向上できる。
N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムとしては、例えば、エナジコールC−40H(40%水溶液(固形分),ライオン(株))、アンヒトール20Y−B(花王(株))、ソフタゾリンCH(30%水溶液,川研ファインケミカル(株))、ソフタゾリンCL−R(30%水溶液,川研ファインケミカル(株))等が、N−ラウロイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムとしては、例えばソフタゾリン LHL(27%水溶液,川研ファインケミカル(株))等が用いられるが、いずれの場合も上記に限ったものではない。
ヒドロキシエチルセルロースとしては、1%水溶液での粘度が50〜10,000mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4,30rpm,20℃,2分後の測定値)のものが好適に使用できる。特に、成形性を持たせる点で500mPa・s以上のものが好ましく、溶解性の観点から8,000mPa・s以下のものが好ましい。
ヒドロキシエチルセルロースとして具体的には、ダイセル化学工業(株)からSE600、SE850、SE900などの製品名で販売されているものが使用できる。
このようなヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、信越化学工業(株)からMETOLOSE 60SH 4000、METOLOSE 60SH 10000、METOLOSE 65SH 4000などの製品名で販売されているものが使用できる。
このようなメチルセルロースとしては、信越化学工業(株)からMETOLOSE SM 1500、METOLOSE SM 4000などの製品名で販売されているものが使用できる。
平均分子量2,000〜20,000のポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール20000などが挙げられ、これらのポリエチレングリコールは、例えば三洋化成工業(株)から入手することができる市販品を使用できる。
なお、市販品のポリエチレングリコールの平均分子量は医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量を示し、ポリエチレングリコール2000(平均分子量1,850〜2,150)、ポリエチレングリコール 4000(平均分子量2,600〜3,800)、ポリエチレングリコール6000(平均分子量7,480〜10,200)、ポリエチレングリコール20000(平均分子量15,500〜25,000)等が挙げられるが、本発明では平均分子量が2,000〜20,000であるものを好適に使用できる。なお、ポリエチレングリコールの市販品は、商品によっては例えばポリエチレングリコール#4000等のように、ポリエチレングリコールと数値の間に#がつく場合がある。
これら研磨剤の配合量は、(B)成分の炭酸カルシウム又はリン酸カルシウム以外に組成物全体の0〜20%、特に0〜5%が好適である。
これらの界面活性剤の配合量は0〜10%、特に0〜3%が好適である。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
LDPE:低密度ポリエチレン 白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
表1〜4に示す組成の歯磨組成物(練歯磨)を下記方法で調製し、直径26mm、口部内径8mmのラミネートチューブに充填した。得られた歯磨組成物について、殺菌力、歯ブラシ上での成形性、苦味のなさ、清掃感、製剤の液分離安定性、経時での押出し易さについて、下記方法で評価した。結果を表1〜4に示す。
精製水にサッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、(E)成分のポリエチレングリコール等の水溶性物質を溶解させ、(C)成分の増粘性無水ケイ酸、ソルビットを加えた後、別途、ポリエチレングリコール#400に(A)成分のカチオン性殺菌剤、(E)成分のヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、粘結剤等を分散させた液を加え、攪拌した。その後、香料、(B)成分の炭酸カルシウム等の研磨剤、(D)成分の脂肪酸アミドプロピルベタイン等の界面活性剤を順次加え、更に減圧下(5.3kPa)で攪拌し、歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社製)を用いた。
使用原料としては、塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業(株))、塩化ベンザルコニウム(日本油脂(株))、塩化ベンゼトニウム(ロンザジャパン(株))、重質炭酸カルシウム(平均粒径5μm、カルファイン(株))、第二リン酸カルシウム・2水和物(平均粒径20μm、東ソー・アクゾ(株))、増粘性無水ケイ酸(湿式法による沈降性シリカ、吸液量2.5ml/g、BET法による比表面積値405m2/g、商品名 カープレックス #67Q、DSLジャパン株式会社)、ヒドロキシエチルセルロース(SE900、1%水溶液5,000mPa・s、ダイセル化学工業(株)製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(METOLOSE 60SH 4000、2%水溶液4,000mPa・s、信越化学工業(株)製)、メチルセルロース(METOLOSE SM 4000、2%水溶液4,000mPa・s、信越化学工業(株)製)、ポリエチレングリコール4000(平均分子量3,390、PEG−4000S、三洋化成工業(株))、ポリエチレングリコール20000(平均分子量19,800、PEG−20000、三洋化成工業(株))、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液(30%水溶液品、TEGO BETAIN CK,Goldschmidt社製)を用いた。また、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ソルビット(70%水溶液品)、キサンタンガム、ポリエチレングリコール#400、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、サッカリンナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、水については医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
香料としては、表5に示す香料A〜香料Iを、表6〜11に示すフレーバー組成を用い作成し、配合した。
歯磨組成物を人工唾液(最終濃度が50mM KCl,1mM KH2PO4,1mM CaCl2,0.1mM MgCl2となるようにし、KOHでpHを7.0に調整し、蒸留水で1Lにした。)で4倍希釈した遠心上清(12,000g×10分間,20℃)を得た。この上清液にTSB培地(Becton、Dickinson company社製)培養液を加え、倍々希釈により、歯磨剤希釈倍率として100〜6,400倍となるように各々の歯磨希釈培養液2mLを作成した。
別途、ストレプトコッカス ミュータンス(S.mutans 10449)菌をTSB培地培養液4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)し菌液とした。この菌液50μLを上記で作成した歯磨希釈培養液の各々に添加し、37℃、2日間嫌気培養後、菌の生育の有無を目視で判断した。なお、殺菌力は菌の生育が見られなかった最高希釈倍率で示した。
(評価基準)
◎:最高希釈倍率が3,200倍以上
○:最高希釈倍率が1,600倍以上3,200倍未満
△:最高希釈倍率が400倍以上1,600倍未満
×:最高希釈倍率が400倍未満
歯磨組成物を上記ラミネートチューブに充填し、歯ブラシ上に1.5g載せたときの歯ブラシ上での形状変化を下記基準で評価した。
(評価基準)
4点:歯ブラシ上での型くずれが観察されない
3点:歯ブラシ上での型くずれが若干観察されるが使用上問題ない
2点:歯ブラシ上で徐々に型くずれする
1点:歯ブラシ上ですぐに型くずれする
(評価基準)
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
被験者10名を用いて、歯磨組成物約1gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた苦味を、「ない」、「ややある」、「ある」、の3段階で回答を得た。この回答のうち、「ない」を3点、「ややある」を2点、「ある」を1点として、10名の平均点から以下の基準で使用感を評価した。
(評価基準)
◎:平均点2.5点以上3.0点以下
○:平均点2.0点以上2.5点未満
△:平均点1.5点以上2.0点未満
×:1.5点未満
専門家パネラー10人を用いた官能試験を実施した。歯磨組成物約1gを市販品歯ブラシにのせて、通常歯を磨く方法で3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた清掃感について、歯面の刷掃感(汚れを落とす実感)を以下の評点に従って評価した。10名の評価結果の平均値を求め、以下の基準で◎、○の評価が確保されるものを、良好な清掃感が感じられる歯磨組成物であると判断した。
(評点)
4点:刷掃感を強く感じる
3点:刷掃感を感じる
2点:刷掃感を僅かに感じる
1点:刷掃感を殆ど感じない
(評価基準)
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
歯磨組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に歯磨組成物を10cm押出し、わら半紙に染み出た液の長さを測定し、下記の4段階で液分離の度合いを評価した。なお、製剤の液分離安定性は温度に依存して液分離が促進される傾向を示し、1ヶ月間の保存期間で評価が可能である保存温度として50℃を選択した。
(評点)
4点:液分離は全く観察されない
3点:押出した時、口元に僅かに液分離が認められるが、使用上問題ない
2点:押出した時、口元に液分離が1〜3cm認められる
1点:押出した時、口元に液分離が3cmを超えて認められる
(評価基準)
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
歯磨組成物を上記ラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存した後、わら半紙上に歯磨組成物を指先で押出し、練(歯磨組成物)の押出し易さを下記の4段階で評価した。
(評点)
4点:一気に押出して10cm以上の長さで練が出る
3点:一気に押出して5cm以上10cm未満の長さで練が出る
2点:一気に押出して2cm以上5cm未満の長さで練が出る
1点:一気に押出して2cm未満の長さで練が出る
(評価基準)
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%
(B)重質炭酸カルシウム 45
(C)増粘性無水ケイ酸 2.0
(D)N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム** 1.0
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 1.0
ポリエチレングリコール400 3.0
ソルビット* 21
サッカリンナトリウム 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.05
アルギン酸ナトリウム 0.5
キサンタンガム 0.7
香料A 1.3
水 残量
計 100.0%
(C)/(A)=40
**:N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムには、エナジコールC−40H(ライオン(株))を用い、純分換算した値を示した。
(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%
(B)重質炭酸カルシウム 25
(C)増粘性無水ケイ酸 1.5
水酸化アルミニウム 20
(D)ラウリン酸アミドプロピルベタイン*** 1.5
ポリエチレングリコール400 3.0
ソルビット* 21
サッカリンナトリウム 0.2
ポリアクリル酸ナトリウム 0.3
アルギン酸ナトリウム 0.6
キサンタンガム 0.3
香料A 1.3
水 残量
計 100.0%
(C)/(A)=30
***:ラウリン酸アミドプロピルベタインとしては、アンヒトール20AB(30%水溶液,花王(株))を用い、純分換算した値を示した。
(A)塩化セチルピリジニウム 0.05%
(B)重質炭酸カルシウム 45
(C)増粘性無水ケイ酸 2.0
(D)ラウリン酸アミドプロピルベタイン*** 1.0
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油 1.5
ポリエチレングリコール400 3.0
ソルビット* 14
グリセリン 10
サッカリンナトリウム 0.2
アルギン酸ナトリウム 0.3
キサンタンガム 0.6
香料A 1.3
水 残量
計 100.0%
(C)/(A)=40
Claims (4)
- (A)カチオン性殺菌剤、(B)研磨剤として炭酸カルシウム又はリン酸カルシウム、及び(C)増粘性無水ケイ酸を含有し、(C)成分の含有量が0.5〜2質量%で、かつ(C)成分/(A)成分の質量比が10〜50であることを特徴とする歯磨組成物。
- (C)増粘性無水ケイ酸が吸液量2.0〜3.0ml/gのものである請求項1記載の歯磨組成物。
- 更に、(D)脂肪酸の炭素鎖長が12〜14の脂肪酸アミドプロピルベタイン又は2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインを含有する請求項1又は2記載の歯磨組成物。
- 更に、(E)ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、平均分子量が2,000〜20,000のポリエチレングリコールから選ばれる1種以上を含有する請求項1、2又は3記載の歯磨組成物。
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