JP2007169234A - 歯磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)炭酸カルシウム、(B)水酸化アルミニウム、(C)硫酸ナトリウム、(D)ラウリル硫酸ナトリウム、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤を含有し、(E)/(D)の配合割合が質量比で0.25〜1.0であることを特徴とする歯磨組成物。
【効果】本発明の歯磨組成物は、研磨剤として炭酸カルシウムを用いているにもかかわらず、炭酸カルシウム由来の研磨力が低減され、研磨力が低く、しかも、液分離が生じることがなく、泡立ちも良好で、優れた製剤安定性及び使用感を有する。
【選択図】なし
【効果】本発明の歯磨組成物は、研磨剤として炭酸カルシウムを用いているにもかかわらず、炭酸カルシウム由来の研磨力が低減され、研磨力が低く、しかも、液分離が生じることがなく、泡立ちも良好で、優れた製剤安定性及び使用感を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、研磨力が低く、かつ、液分離が生じず製剤安定性が良好であり、泡立ちが良く使用感に優れた、研磨剤として炭酸カルシウムを含有する歯磨組成物に関する。
従来、炭酸カルシウムを歯磨剤の研磨剤に用いることは周知であるが、天然品を乾湿粉砕することにより粉砕時に生じた鋭い砕断面が露出しており、また、粒子自体もモース硬度が3〜3.5と研磨剤としては高いため、研磨作用が大きく、十分な配合量を確保した場合、歯牙を損傷するおそれがある。
実際、歯磨剤に用いる研磨剤としては、炭酸カルシウムの研磨力は相対的にやや高い。研磨力低減の試みとして配合量を減らすと刷掃感の低下を招く等、研磨力の点では自由度が低いのが現状である。これらの問題を解決するために様々な方法が試みられたが(特許文献1〜5参照)、いずれの手段も炭酸カルシウムの改質を目的にしたものであり、研磨剤の製造法を複雑にしてしまうといった問題が生じてしまうため、製剤化技術による研磨力低減化の実現が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、炭酸カルシウム由来の研磨力が低減され、低研磨力であり、かつ、液分離が生じず製剤安定性が良好で、泡立ちが良く使用感に優れた歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、(A)炭酸カルシウム、(B)水酸化アルミニウム、(C)硫酸ナトリウム、(D)ラウリル硫酸ナトリウムを配合し、更に、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤を配合し、(E)/(D)の配合比(質量比)を0.25〜1.0とすることにより、研磨剤としての炭酸カルシウム由来の研磨力を低減でき、研磨力が低い上、液分離が生じることがなく、泡立ちが良好で、製剤安定性及び使用感に優れた歯磨組成物が得られることを知見した。
即ち、歯磨組成物においては、清掃力を維持しつつ、できるだけ研磨力を抑えることが望ましいが、炭酸カルシウムは他の研磨剤に比べ硬度が高いため、炭酸カルシウムを配合した歯磨組成物の研磨力は高い。そこで、本発明者は、歯磨組成物の研磨力としては、ISO(International Organization for Standardization)の設けたREA(Radioactive Enamel Abrasion)試験法によるREA値15以下を目標として研磨力の低減化を検討したところ、炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを併用し、更に硫酸ナトリウムを配合することにより、炭酸カルシウムの研磨力を適度に抑えることが可能であり、更に、ラウリル硫酸ナトリウム及び下記の特定の両性界面活性剤を特定割合で配合することにより、研磨力が低い上、液分離が生じず、良好な泡立ちとなり、製剤安定性及び使用感に優れたものを得ることができることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、(A)炭酸カルシウム、(B)水酸化アルミニウム、(C)硫酸ナトリウム、(D)ラウリル硫酸ナトリウム、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤を含有し、(E)/(D)の配合割合が質量比で0.25〜1.0であることを特徴とする歯磨組成物を提供する。
本発明の歯磨組成物は、研磨剤として炭酸カルシウムを用いているにもかかわらず、炭酸カルシウム由来の研磨力が低減され、低研磨力で、しかも、液分離が生じることがなく、泡立ちも良好であり、製剤安定性及び使用感に優れる。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、(A)炭酸カルシウム、(B)水酸化アルミニウム、(C)硫酸ナトリウム、(D)ラウリル硫酸ナトリウム、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤を含有する。
本発明組成物に研磨剤として配合される(A)炭酸カルシウムとしては、特に限定されないが、重質炭酸カルシウムが好適であり、例えば備北粉化工業(株)製重質炭酸カルシウムを使用することができる。炭酸カルシウムの配合量は、組成物全体の25〜40%(質量%、以下同様。)、特に30〜35%とすることが好ましい。25%未満であると刷掃感が得られない場合があり、40%を超えると研磨力が高くなり、また、炭酸カルシウム特有の泥臭さが感じられ使用感が低下する場合がある。
(B)水酸化アルミニウムとしては、例えば昭和電工(株)製 ハイジライト H−320が使用可能である。水酸化アルミニウムの配合量は、組成物全体の5〜10%、特に5〜8%が好ましい。本発明では、上記水酸化アルミニウムの配合により炭酸カルシウム由来の研磨力を低減化できるもので、水酸化アルミニウムの配合量が5%未満であると、研磨力低減効果が確認できない場合があり、10%を超えると液分離が生じてしまう場合がある。
本発明においては、上記水酸化アルミニウムの配合により研磨力の低減化が図れるが、更に、硫酸ナトリウムを添加することにより、より研磨力を低減化でき、REA値15以下に研磨力を低減することが可能となる。
ここで、本発明組成物に使用される(C)硫酸ナトリウムとしては、例えば馬居化成工業(株)製の硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これに制限されるものではない。硫酸ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.5〜3.0%、特に1.0〜2.0%とすることが好ましい。硫酸ナトリウムの配合量が0.5%未満では研磨力低減化効果が得られない場合があり、3.0%を超えると歯磨製剤の安定性が悪くなり液分離を生じる場合がある。
また、硫酸ナトリムを配合すると、泡立ちが低減し使用感の低下を招く場合があるが、本発明では、更に、(D)ラウリル硫酸ナトリウムと、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤とを配合することにより、研磨力を低減できると共に、泡立ちを確保し、使用感の低下を防ぐことができる。
本発明組成物に使用されるラウリル硫酸ナトリウムとしては、例えば東邦化学工業(株)製のラウリル硫酸ナトリウムなどが使用可能である。ラウリル硫酸ナトリウムの配合量は、組成物全体の0.5〜1.5%、特に0.8〜1.2%とすることが好ましく、配合量が0.5%未満では、良好な泡立ちの確保ができず、また、歯磨製剤の安定性が悪くなり液分離を生じる場合がある。一方、1.5%を超えると、歯磨製剤の安定性が悪くなり液分離を生じる場合がある。
更に、本発明において、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤としては、泡立ちや液分離の点から、アルキル鎖長の炭素数が8〜20、特に10〜18であるものが好ましい。
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインとしては、アルキル基の炭素数が8〜20、特に10〜18であるものが好ましく、例えば商品名エナジコールC−40Hとしてライオン(株)より販売されている2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム水溶液等が挙げられる。
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、アルキル基の炭素数が8〜20、特に10〜18であるものが好ましく、例えば商品名NIKKOL AM−301として日光ケミカルズ(株)より販売されているラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン水溶液等が用いられる。
脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、脂肪酸のアルキル鎖の炭素数が10〜18であるものが好適であり、例えば商品名TEGO BetainCKやTEGO BetainF50、TEGO BetainZFとしてDegussa.社より販売されているヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン水溶液等が用いられるが、いずれの場合も上記に限ったものではない。
これら両性界面活性剤の中では、特に2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウムが好ましい。
これらの(E)成分の両性界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用しても良いが、その配合量は組成物全体の0.15〜1.5%、特に0.2〜0.5%とすることが好ましい。配合量が0.15%未満では良好な泡立ちの確保ができない場合があり、1.5%を超えると歯磨製剤の安定性が悪くなり液分離を生じる場合がある。
また、本発明では、上記(E)両性界面活性剤/(D)ラウリル硫酸ナトリウムの配合割合((E)/(D))を質量比で0.25〜1.0、好ましくは0.3〜0.5の範囲とする。この質量比が0.25未満であると、良好な泡立ちの確保ができず、1.0を超えると、良好な泡立ちの確保ができない上、液分離が生じてしまう。
本発明の歯磨組成物は、練、湿潤、液状、液体等の各種剤型の歯磨剤に調製できるが、チクソトロピー性を持った練から液状の剤型が好ましい。その際には、その剤型に応じ、上記必須成分に加えて上記効果に影響を与えない範囲で下記のような任意成分を配合することができる。配合することのできる他の成分としては、粘結剤、粘稠剤(保湿剤)、研磨剤、甘味剤、香料、防腐剤等がある。これらの他の成分は剤型によって必要とする成分及びその配合量が異なるので、その成分及び配合量の選択は従前の場合と同様に行われると共に本発明の効果を妨げない範囲で行うことが必要である。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム以外のアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、上記(E)成分以外の両性界面活性剤が配合可能である。他のアニオン性界面活性剤としては、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタメート、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等のN−アシルタウレート等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、EO付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、EO付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プルロニック等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
他の両性界面活性剤としては、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、EO付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、EO付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プルロニック等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
他の両性界面活性剤としては、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシンなどが挙げられる。
また、上記(D)及び(E)成分以外の界面活性剤の配合量は、上記(D)及び(E)成分の合計量に加えて、組成物全体の0〜2%、特に0〜1%の範囲が好適である。
粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、ビーガム、増粘性シリカ等が挙げられる(配合量は、通常、組成物全体の0.1〜10%)。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、平均分子量100〜10000の範囲であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、マルチトール、ラクトール等がある(配合量は、通常、組成物全体の10〜70%)。
研磨剤としては、上記炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウム以外に、ピロリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸チタニウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
また、これら他の研磨剤の配合量は、上記(A)及び(B)成分の合計量に加え、組成物全体の0〜5%、特に0〜3%の範囲とすることが好適である。
また、清掃助剤として、重曹、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びその塩も配合できる(配合量は、通常、組成物全体の0.1〜10%)。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある(配合量は、通常、組成物全体の0.01〜1.0%)。
香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を併用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
防腐剤としては、各種パラベンのほか安息香酸ナトリウム、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性抗菌剤、精油成分等が配合可能である(配合量通常0.001〜1%)。
有効成分としては、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミンC,E等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、セチルピリジウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤も配合できる。なお、有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
歯磨組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨組成物に使用される容器を使用でき、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器、ラミネート(AL(アルミニウム)−プラスチック)容器、金属容器等が使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実施例、比較例〕
表1,2に示す歯磨組成物を下記方法で調製し、下記評価を行った。結果を表1に示す。
表1,2に示す歯磨組成物を下記方法で調製し、下記評価を行った。結果を表1に示す。
〈歯磨組成物の調製法〉
歯磨組成物の調製は、プロピレングリコールに粘結剤を加え膨潤させる一方、精製水に直鎖状水溶性ポリリン酸塩、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、ソルビット液等の水溶性物質を溶解させた後、先のプロピレングリコール分散溶液を加え撹拌した。その後、4kPaまで減圧し、香料、研磨剤、界面活性剤の順に加え撹拌し、歯磨組成物を得た。なお、製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION)を用いた。
得られた歯磨組成物を最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30(大日本印刷(株)製))に50g充填し、保存にかけた。研磨力、泡立ちの評価は室温で2週間保存し、液分離の評価は45℃で3週間保存した後に行った。使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は、LDPE:低密度ポリエチレン、白LDPE:白色低密度ポリエチレン、LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、AL:アルミニウム、EAA:エチレン・アクリル酸の共重合体樹脂、PET:ポリエチレンテレフタレート、EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂であり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
歯磨組成物の調製は、プロピレングリコールに粘結剤を加え膨潤させる一方、精製水に直鎖状水溶性ポリリン酸塩、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、ソルビット液等の水溶性物質を溶解させた後、先のプロピレングリコール分散溶液を加え撹拌した。その後、4kPaまで減圧し、香料、研磨剤、界面活性剤の順に加え撹拌し、歯磨組成物を得た。なお、製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION)を用いた。
得られた歯磨組成物を最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30(大日本印刷(株)製))に50g充填し、保存にかけた。研磨力、泡立ちの評価は室温で2週間保存し、液分離の評価は45℃で3週間保存した後に行った。使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は、LDPE:低密度ポリエチレン、白LDPE:白色低密度ポリエチレン、LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン、AL:アルミニウム、EAA:エチレン・アクリル酸の共重合体樹脂、PET:ポリエチレンテレフタレート、EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂であり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
〈研磨力評価〉
ISO(International Organization for Standardization)の設けたREA試験法に則って、エナメル質の研磨力評価を行った。以下に操作法を簡単に説明する。
ブラシ圧を200gと設定し、12本架傾斜型研磨試験機にハブラシを固定した。この研磨機に、レジンで包埋した放射化されたヒト歯牙エナメル質を取り付け、あらかじめ準備した歯磨分散液中で5000回研磨を行った。研磨終了後、歯磨分散液を金属皿に3mL分注し、乾燥機にて乾燥させた。乾燥後、β線自動測定装置にて1分間放射線量を測定し、研磨力を下記式にて算出した。
研磨力=(測定サンプルの放射線量/コントロール*の放射線量)×100
*;ピロリン酸カルシウムを用いた研磨
ISO(International Organization for Standardization)の設けたREA試験法に則って、エナメル質の研磨力評価を行った。以下に操作法を簡単に説明する。
ブラシ圧を200gと設定し、12本架傾斜型研磨試験機にハブラシを固定した。この研磨機に、レジンで包埋した放射化されたヒト歯牙エナメル質を取り付け、あらかじめ準備した歯磨分散液中で5000回研磨を行った。研磨終了後、歯磨分散液を金属皿に3mL分注し、乾燥機にて乾燥させた。乾燥後、β線自動測定装置にて1分間放射線量を測定し、研磨力を下記式にて算出した。
研磨力=(測定サンプルの放射線量/コントロール*の放射線量)×100
*;ピロリン酸カルシウムを用いた研磨
使用機器、材料等:
12本架傾斜型研磨試験機:宮川商店製
β線自動測定装置:アロカ社製 JDC−3201モデル
ハブラシ:Pepsodent製 Medium Type
ピロリン酸カルシウム:モンサント社製
12本架傾斜型研磨試験機:宮川商店製
β線自動測定装置:アロカ社製 JDC−3201モデル
ハブラシ:Pepsodent製 Medium Type
ピロリン酸カルシウム:モンサント社製
〈歯磨組成物の液分離の評価〉
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。各パネラーに上記方法で調製した歯磨剤を45℃で3週間保存し、1本ずつ渡し、歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、歯磨組成物の表面での液分量を、以下の基準で評価した。
《液分離の評価基準》
○:液分離がない。
×:液分離がある。
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。各パネラーに上記方法で調製した歯磨剤を45℃で3週間保存し、1本ずつ渡し、歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、歯磨組成物の表面での液分量を、以下の基準で評価した。
《液分離の評価基準》
○:液分離がない。
×:液分離がある。
〈歯磨時の泡立ちの評価〉
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。上記方法で調製した歯磨剤を室温で2週間保存し、1本ずつ渡し、歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、通常の方法で歯を磨き、使用中の口腔内での歯磨組成物の泡立ちについて以下の基準で評価した。
《泡立ち》
3点:泡立ちが極めて良好。
2点:泡立ちが良好。
1点:泡立ちが不良。
10名の評価結果を平均し、以下の通り使用感を判断した。
《泡立ち》
◎:口腔内での泡立ちが2.5点以上〜3.0点以下
○:口腔内での泡立ちが2.0点以上〜2.5点未満
△:口腔内での泡立ちが1.5点以上〜2.0点未満
×:口腔内での泡立ちが1.0点以上〜1.5点未満
専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。上記方法で調製した歯磨剤を室温で2週間保存し、1本ずつ渡し、歯ブラシ上に約1.5cmの試験歯磨組成物を乗せ、通常の方法で歯を磨き、使用中の口腔内での歯磨組成物の泡立ちについて以下の基準で評価した。
《泡立ち》
3点:泡立ちが極めて良好。
2点:泡立ちが良好。
1点:泡立ちが不良。
10名の評価結果を平均し、以下の通り使用感を判断した。
《泡立ち》
◎:口腔内での泡立ちが2.5点以上〜3.0点以下
○:口腔内での泡立ちが2.0点以上〜2.5点未満
△:口腔内での泡立ちが1.5点以上〜2.0点未満
×:口腔内での泡立ちが1.0点以上〜1.5点未満
炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製 重質炭酸カルシウム
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製 ハイジライトH−320
硫酸ナトリウム:馬居化成工業(株)製
ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学工業(株)製
2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム:ライオン(株)製 エナジコールC−40H
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:日光ケミカルズ(株)製 NIKKOL AM−301
水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製 ハイジライトH−320
硫酸ナトリウム:馬居化成工業(株)製
ラウリル硫酸ナトリウム:東邦化学工業(株)製
2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム:ライオン(株)製 エナジコールC−40H
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン:日光ケミカルズ(株)製 NIKKOL AM−301
香料については、表3に示す香料A〜香料Iまでを作成し、配合した。
表1,2の結果より、本発明の必須要件のいずれかを欠く歯磨組成物(比較例1〜7)では、研磨力、歯磨製剤の液分離、泡立ちのいずれかの点で十分な効果が発揮されていないのに対して、本発明の歯磨組成物(実施例1〜9)は、いずれも研磨力が低く、液分離が生じず、泡立ちが良好であり、製剤安定性及び使用感に優れることが確認された。
Claims (1)
- (A)炭酸カルシウム、(B)水酸化アルミニウム、(C)硫酸ナトリウム、(D)ラウリル硫酸ナトリウム、(E)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインから選ばれる少なくとも1種の両性界面活性剤を含有し、(E)/(D)の配合割合が質量比で0.25〜1.0であることを特徴とする歯磨組成物。
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