JP2010111648A - 歯磨剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】(A)平均粒径3〜7μmの炭酸カルシウム、(B)BET比表面積300〜450m2/gの沈降性シリカ、及び(C)脂肪酸アミドプロピルベタインを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。
【効果】本発明によれば、研磨剤として配合される炭酸カルシウム由来の研磨力が適度に抑えられ、しかも、使用時の泥臭さが低減され良好な使用感となると共に、優れた低温保存後の外観安定性を実現させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨力が抑えられ、適度な研磨性を発揮し、使用時の炭酸カルシウム由来の泥臭さを低減すると共に、低温保存後の外観安定性に優れた歯磨剤組成物に関する。
従来、炭酸カルシウムを歯磨剤の研磨剤に用いることは周知である。しかし、通常使用されている炭酸カルシウムは、天然品を乾湿粉砕することにより粉砕時に生じた鋭い破断面が露出しており、また、粒子自体もモース硬度が3〜3.5と研磨剤としては高いため、研磨作用が大きく、歯磨剤組成物において、十分な配合量を確保した場合、歯牙を損傷するおそれがある。
実際、歯磨剤組成物に用いる研磨剤としては、炭酸カルシウムの研磨力は相対的にやや高い。研磨力低減の試みとして配合量を減らすと、刷掃感の低下を招くなどの問題があり、研磨力の点では自由度が低いのが現状である。これらの問題を解決するために様々な方法が試みられた(特許文献1〜6参照)。しかし、いずれの技術も、炭酸カルシウムの改質を目的とし研磨剤の製造法を複雑にしてしまうもので製造工程が面倒であったり、水酸化アルミニウム等の他の研磨剤を併用する技術などで、歯磨剤調製時の煩雑さといった点から課題が残されていた。
従って、歯磨剤組成物に研磨剤として配合される炭酸カルシウムの研磨力を適度に抑えることができ、研磨力の点で高い自由度を確保できて簡便な、新たな技術の開発が望まれる。
なお、沈降性シリカは、歯磨剤組成物に研磨剤として、あるいは増粘剤として配合される。沈降性シリカは、その製法の違いから比表面積等の性質が異なるさまざまな種類の製品が市販されているが、通常、歯磨剤組成物に配合される沈降性シリカのBET比表面積は60〜300m2/g程度である。また、沈降性シリカは歯磨剤組成物の増粘剤としても汎用に用いられているが、炭酸カルシウム由来の泥臭さの軽減や低温保存後の外観安定性向上効果については報告されていない。
特開昭51−95689号公報 特開昭53−32133号公報 特開昭57−92519号公報 特開昭57−92520号公報 特開昭57−92521号公報 特開2007−169234号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、炭酸カルシウムを研磨剤として含有する歯磨剤組成物において、炭酸カルシウム由来の研磨力が適度に抑えられ、適度な刷掃感を発揮できる満足な研磨力を有し、かつ使用時の泥臭さがほとんどなく使用感が良好な上、低温保存後の外観安定性に優れた歯磨剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、歯磨剤組成物に、(A)平均粒径3〜7μmの炭酸カルシウムと、(B)BET比表面積300〜450m2/gの沈降性シリカと、(C)脂肪酸アミドプロピルベタインとを組み合わせて配合することで、炭酸カルシウム由来の研磨力を適度に抑えることができ、よって、適度な刷掃感を発揮できる程度の満足な研磨力を有し、かつ、使用時の泥臭さが低減されて使用感が良好であると共に、低温保存後の外観安定性に優れた歯磨剤組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
なお、本発明では、炭酸カルシウムを研磨剤として配合した歯磨剤組成物において、上記平均粒径の炭酸カルシウムを配合し、かつBET比表面積が大きい沈降性シリカと、脂肪酸アミドプロピルベタインとを併用することにより、面倒な改質等の製造工程を行わなくても、あるいは水酸化アルミニウム等の他の研磨剤を併用しなくても、炭酸カルシウム由来の研磨力が適度に抑えられ、しかも、良好な使用感や保存安定性を確保できる。
従って、本発明は、(A)平均粒径3〜7μmの炭酸カルシウム、(B)BET比表面積300〜450m2/gの沈降性シリカ、及び(C)脂肪酸アミドプロピルベタインを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物を提供する。
本発明によれば、研磨剤として配合される炭酸カルシウム由来の研磨力が適度に抑えられ、しかも、使用時の泥臭さが低減され良好な使用感となると共に、優れた低温保存後の外観安定性を実現させることができる。
本発明の歯磨剤組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨、潤製歯磨等の歯磨剤、特にペースト状の練歯磨として調製されるもので、(A)平均粒径3〜7μmの炭酸カルシウム、(B)BET比表面積300〜450m2/gの沈降性シリカ、(C)脂肪酸アミドプロピルベタインを含有することを特徴とする。
(A)炭酸カルシウムは、研磨剤として配合されるもので、特に限定されないが、重質炭酸カルシウムが好適である。
炭酸カルシウムの平均粒径は3〜7μmであり、好ましくは4〜6μmである。平均粒径が3μm未満であると炭酸カルシウム特有の泥臭さが抑えられなくなり、7μmを超えると研磨力が高くなり過ぎてしまい、十分な配合量を確保できなくなることがある。
なお、平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した値である。
このような炭酸カルシウムとしては、市販品を使用でき、例えば備北粉化工業(株)製の重質炭酸カルシウム(商品名ソフトン1500)などが挙げられる。
炭酸カルシウムの配合量は、組成物全体の25〜40%(質量%、以下同様。)、特に30〜35%が好ましい。25%未満では十分な研磨力や刷掃感が得られない場合があり、40%を超えると研磨力が高くなりすぎ、また、炭酸カルシウム特有の泥臭さが抑えられなくなる場合がある。
(B)成分の沈降性シリカは、BET比表面積が300〜450m2/gのもので、好ましくは350〜450m2/g、より好ましくは370〜420m2/gのものである。BET比表面積が300m2/g未満であると炭酸カルシウム特有の泥臭さが抑えられなくなったり、低温保存後の外観安定性が低下する。450m2/gを超えるものは市販品として入手困難である。
なお、このBET比表面積は比表面積測定装置(日機装(株)製、自動比表面積計、BET多点法、測定ガス;窒素)を用いて、25℃において測定した値である。
上記沈降性シリカとしては、例えばDSLジャパン(株)CARPLEX #67等が挙げられ、市販品を使用できる。
(B)成分の沈降性シリカの配合量は、組成物全体の1〜7%、特に2〜6%が好ましい。1%未満では炭酸カルシウム特有の泥臭さが抑えられなくなる場合があり、7%を超えると低温保存後の外観安定性が低下する(歯磨剤の練表面状態につぶが認められる)場合がある。
(C)成分の脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が好適に使用できる。これらは1種単独でも2種以上を併用してもよい。
なお、ラウリン酸アミドプロピルベタインは、主としてラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸からなり、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインは、主としてヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸からなる。
脂肪酸アミドプロピルベタインとして具体的には、ラウリン酸アミドプロピルベタインとしては、例えばアンヒトール20AB(花王(株))、ソフタゾリン LPB(川研ファインケミカル(株))、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、TEGO BETAIN CK(Goldschmidt社)、アンヒトール55AB(花王(株))、NIKKOL AM−3130N(日光ケミカルズ(株))などの商品名で入手可能な市販品を使用できる。
脂肪酸アミドプロピルベタインの配合量は、組成物全体の0.2〜1.5%、特に0.3〜1.0%が好ましい。0.2%未満であると炭酸カルシウム特有の泥臭さを抑えられない場合があり、1.5%を超えると低温保存後の外観安定性が低下する場合がある。
本発明の歯磨剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記必須成分に加えて任意成分として、剤型に応じてその他の公知の添加剤を配合できる。例えば練歯磨剤の場合は、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、有効成分、着色剤、香料等を配合でき、これら成分と水とを混合し製造できる。
研磨剤としては、(A)成分の炭酸カルシウムに加えて、BET比表面積が300〜450m2/gの範囲外である研磨性を有する沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム等のリン酸系研磨剤、アルミナ、2酸化チタン、結晶性ジルコニウムシリケート、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤などを1種又は2種以上配合できる。
上記研磨剤の配合量は、組成全体の25〜60%が好適である。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビット、プロピレングリコール、分子量200〜6000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の多価アルコールなどの1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。配合量は通常、組成物全量に対して5〜70%である。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース系粘結剤、キサンタンガム、カラギーナン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、カチオン化セルロース、モンモリロナイト、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を配合できる。配合量は通常、組成物全量に対して0.1〜5%である。
界面活性剤としては、(C)成分の脂肪酸アミドプロピルベタインに加えて、通常歯磨剤組成物に用いられる他の界面活性剤を配合することができる。例えばアニオン性界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム等のアシルサルコシン塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルフォン酸ナトリウムなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、アルキルグルコシド、ラウリン酸デカグリセリル等が用いられる。
界面活性剤の配合量は、(C)成分を含めた合計配合量で通常0.2〜5%である。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチン等、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
有効成分としては、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズなどのフッ素化合物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウム、アスコルビン酸又はその塩、酢酸dl−トコフェロール、ジヒドロコレステロール、α−ビサボロール、クロルヘキシジン塩類、アズレン、グリチルレチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸又はその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、エピジヒドロコレステリン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物などが挙げられる。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料や、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
着色剤としては青色1号、黄色4号、緑色3号等が例示される。
なお、これら成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の歯磨剤組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨剤組成物に使用される容器を使用できる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器等が使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
各例中の炭酸カルシウムの平均粒径、沈降性シリカのBET比表面積は、以下の方法により測定した。
炭酸カルシウムの平均粒径測定方法;
粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラック粒度分布計、分散媒;水)を用いて平均粒径を測定した。
沈降性シリカの比表面積測定方法;
比表面積測定装置(日機装(株)製、自動比表面積計、BET多点法、測定ガス;窒素)を用いて25℃における比表面積を測定した。サンプル量は0.1g用いた。
[実施例1〜15、比較例1〜6]
表1,2に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨剤組成物)を下記製造法により調製した。
(製造法)
(i)精製水中に水溶成分(粘結剤、プロピレングリコールを除く)を常温で混合溶解させたA相を調製した。
(ii)プロピレングリコール中に粘結剤を常温で分散させたB相を調製した。
(iii)撹拌中のA相の中にB相を添加混合し、C相を調製した。
(iv)C相中に、香料、研磨剤等の水溶性成分以外の成分を、1.5Lニーダー(石山工作所製)を用い、常温で混合し、減圧(4kPa)による脱泡を行い、歯磨剤組成物1.2kgを得た。
得られた歯磨剤組成物を、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる直径26mmのラミネートチューブ(LDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚み257μm(大日本印刷(株)製))に50g充填した。
使用したラミネートチューブの層構成における略号と名称は以下の通りであり、略号に続く数字は各層の厚み(μm)を示したものである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
得られた歯磨剤組成物の(1)研磨力、(2)泥臭さの程度、(3)低温保存後における練製剤の外観について、以下の方法により評価した。結果を表1,2に併記する。なお、表1,2中のヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン及びラウリン酸アミドプロピルベタインの配合量は純分換算の値を示した。
(1)研磨力の評価方法
ISO(International Organization for Standardization)の設けたエナメル質研磨性試験法に則って、エナメル質の研磨力評価を行った。以下に操作法を簡単に説明する。
ブラシ圧を200gと設定し、12本架傾斜型研磨試験機に歯ブラシを固定した。この研磨機に、レジンで包埋した放射化されたヒト歯牙エナメル質を取り付け、予め準備した歯磨剤組成物分散液(歯磨剤25gに水40mLを加え分散)中で5000回研磨を行った。研磨終了後、歯磨剤組成物分散液を金属皿に3mL分注し、乾燥機にて乾燥させた。乾燥後、β線自動測定装置にて1分間放射線量を測定し、研磨力を下記式にて算出した。
研磨力=(測定サンプルの放射線量/コントロール*の放射線量)×100
*;ピロリン酸カルシウムを用いた研磨
使用機器、材料等;
12本架傾斜型研磨試験機:宮川商店製
β線自動測定装置:アロカ社製 JDC−3201モデル
歯ブラシ:Pepsodent製 Medium Type
ピロリン酸カルシウム:モンサント社製
(2)泥臭さの程度の評価方法
歯磨剤組成物について、専門家パネラー10人を用いた官能試験により評価した。適量を歯ブラシ上に乗せ、約3分間通常の方法で歯を磨き、泥臭さの程度について以下の基準で評価した。なお、対照サンプルとして比較例6のサンプルを使用し、これを基準として評価を行った。
泥臭さの程度(評点);
3点:対照サンプルと比較して泥臭さの程度が弱い。
2点:対照サンプルと比較して泥臭さの程度がやや弱い。
1点:対照サンプルと比較して泥臭さの程度が同等、又は強い。
10名の評価結果を平均し、以下の評価基準で異味の程度を判断した。
評価基準;
◎:泥臭さの程度が2.5点以上3.0点以下
○:泥臭さの程度が2.0点以上2.5点未満
△:泥臭さの程度が1.5点以上2.0点未満
×:泥臭さの程度が1.5点未満
(3)低温保存後における練製剤の外観評価方法
歯磨剤組成物を上記の直径26mm、口部内径5mmのラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を−5℃で1ヶ月間保存し、わら半紙上に直ちに歯磨を15cm押出した場合の練歯磨の表面状態の滑らかさの評価として、艶、つぶ、しわ、均一性について以下の基準で評価した。
評価基準;
4点:表面状態に艶があり、つぶ、しわなどが無く、練表面が均一で滑らかである。
3点:表面状態につぶ、しわが僅かに認められるが、練表面はほぼ均一で滑らかである

2点:表面状態につぶ又はしわが認められ、練表面の均一性がない。
1点:表面状態に著しくつぶ又はしわが認められ、練表面が不均一で連続性がない。
表面状態の程度(評点);
3本の評価点の平均値を求め、下記基準で判定し、◎及び○のものを、低温保存後における練製剤の外観の劣化(表面肌荒れ)を生じない優れた歯磨剤組成物であると判断した。
◎:表面状態の度合いが3.5点以上4.0点以下
○:表面状態の度合いが3.0点以上3.5点未満
△:表面状態の度合いが2.0点以上3.0点未満
×:表面状態の度合いが2.0点未満
Figure 2010111648
Figure 2010111648
*1;備北粉化工業(株) ソフトン1500
*2;DSLジャパン(株) CARPLEX #67
*3;DSLジャパン(株) CARPLEX #67
*4;備北粉化工業(株) ソフトン3200
*5;備北粉化工業(株) BF300
*6;DSLジャパン(株) CARPLEX FPS−101
*7;花王(株) アンヒトール55AB 30%水溶液
*8;花王(株) アンヒトール20AB 30%水溶液
表1,2の結果から、本発明の歯磨剤組成物は、研磨力が抑えられ、使用時の泥臭さがほとんどない上、低温保存後の外観安定性に優れていることが確認された。
次に、上記と同様の炭酸カルシウム、沈降性シリカ、脂肪酸アミドプロピルベタインを使用し、下記組成の歯磨剤組成物を調製し、同様に評価したところ、いずれも使用中の研磨力が抑えられ、使用時の泥臭さが低減され、低温保存後の外観安定性に優れていることを確認した。
[実施例16]練歯磨
炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 30.0%
沈降性シリカ(BET比表面積370m2/g) 4.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.6
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.2
塩化ベンザルコニウム 0.005
ε−アミノカプロン酸 0.03
ラウリル硫酸ナトリウム 1.3
ラウロイルサルコシンナトリウム 0.2
香料 1.3
ソルビット液(70%) 45.0
サッカリンナトリウム 0.15
プロピレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
水 残
計 100.0%
[実施例17]練歯磨
炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 35.0%
沈降性シリカ(BET比表面積410m2/g) 2.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.4
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
キサンタンガム 0.2
トラネキサム酸 0.03
ラウリル硫酸ナトリウム 2.0
ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.3
香料 1.0
ソルビット液(70%) 20.0
塩化ナトリウム 15.0
サッカリンナトリウム 0.15
プロピレングリコール 2.5
パラオキシ安息香酸エチル 0.02
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
水 残
計 100.0%
[実施例18]練歯磨
炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 30.0%
沈降性シリカ(BET比表面積370m2/g) 5.0
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
カラギーナン 0.3
オウバクエキス 0.05
塩化セチルピリジニウム 0.05
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
香料 1.0
ソルビット液(70%) 35.0
サッカリンナトリウム 0.15
プロピレングリコール 2.5
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
パラオキシ安息香酸ブチル 0.01
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
水 残
計 100.0%
[実施例19]練歯磨
炭酸カルシウム(平均粒径5μm) 25.0%
沈降性シリカ(BET比表面積370m2/g) 5.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 0.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム 0.4
塩化ベンザルコニウム 0.005
安息香酸ナトリウム 0.5
ゼオライト 4.0
ε−アミノカプロン酸 0.03
ラウリル硫酸ナトリウム 1.4
香料 1.2
ソルビット液(70%) 30.0
サッカリンナトリウム 0.18
プロピレングリコール 3.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.73
水 残
計 100.0%

Claims (1)

  1. (A)平均粒径3〜7μmの炭酸カルシウム、(B)BET比表面積300〜450m2/gの沈降性シリカ、及び(C)脂肪酸アミドプロピルベタインを含有してなることを特徴とする歯磨剤組成物。
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