JP5552760B2 - 練歯磨組成物 - Google Patents

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本発明は、口腔内のプラーク除去効果に優れ、かつ使用時の口腔内刺激が少なく、保存時の液分離安定性が良好で、デキストラナーゼの経時保存安定性が良好である、デキストラナーゼ配合歯磨組成物に関する。
歯磨組成物は、清掃研磨剤等の無機粒子成分や口腔疾患予防に寄与する種々の有効成分、更に粘結剤、湿潤剤、発泡剤などからなり、ブラッシング操作による物理的な清掃作用と相まって口腔内を清潔、健康に維持する役割を担っている。
従来から、歯磨組成物にデキストラナーゼを配合し、口腔内プラークに作用させることが試みられてきたが、口腔内プラークはバイオフィルムであり、バイオフィルム内部に物質が浸透し難く、また、う蝕原因細菌であるストレプトコッカス属の細菌が産生する多糖であるデキストラン以外にも口腔内プラークには種々の構成成分が含まれていることから、デキストラナーゼを含んだ歯磨組成物の口腔内プラーク除去効果は必ずしも十分とは言えなかった。
また、歯磨組成物にはアニオン界面活性剤、特にアルキル硫酸ナトリウムが汎用的に配合されている。このようなアルキル硫酸ナトリウムは歯磨組成物の必須成分であり、歯磨組成物中の他の成分のための可溶化剤、分散剤、乳化剤、湿潤剤、及び香料の可溶化剤であり、また、歯磨き行動によって脱落した口腔内汚れを分散させる作用がある。
ところが、アルキル硫酸ナトリウムにはアニオン界面活性剤特有のタンパク変性作用があることから、アルキル硫酸ナトリウムを含有する歯磨組成物においては、配合したデキストラナーゼが変性してしまい、保存時にデキストラナーゼ活性が低下してしまう問題があった。また、アルキル硫酸ナトリウムは若干の口腔粘膜刺激性を有することから、口腔粘膜が敏感な人や幼児・子供等では歯磨組成物を使用した場合に刺激が強すぎると感じることがある。更に、アルキル硫酸ナトリウムは歯磨中の固液分離に影響を及ぼすため保存時に液分離が生じる場合がある。
デキストラナーゼとアルキル硫酸ナトリウムを含む歯磨組成物のデキストラナーゼによるプラーク除去効果を向上させる方法としては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と炭素数が14〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルと重曹とを組み合わせる歯磨組成物(特許文献1参照)が提案されているが、この技術は、口腔内プラークに含有されるタンパクを弱アルカリ下で部分的に分解するもので、プラーク除去効果は必ずしも十分でなく、改善の余地があった。また、重曹のアルカリによってデキストラナーゼの保存安定性が悪くなったり、重曹により口腔内刺激が生じる場合があった。
また、デキストラナーゼとムタナーゼを組み合わせた口腔用組成物が提案されている(特許文献2参照)が、これは口腔内プラークに含有される多糖を酵素で低分子に分解するという技術の本質に違いはなく、プラーク除去効果は十分と言えなかった。
ポリエチレングリコールと平均粒径が50〜1,000μmであり、かつ崩壊強度が10〜200g/個である粒子を併用した歯磨組成物(特許文献3参照)が提案されているが、この技術は、粒子による物理的な力を更に加えることでプラーク除去効果を向上させるものであり、その効果は十分とは言えない。
一方、使用時の口腔内刺激を少なくする技術としては、特許文献4に記載のように、脂肪酸炭素数が7〜11の脂肪酸のトリグリセライド、アルキル基の炭素数が14〜18で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8のポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、香料を組み合わせた歯磨組成物が提案されているが、この技術は香料の刺激を緩和するものであって、アルキル硫酸ナトリウムに由来する口腔粘膜刺激性の緩和については十分とは言えない。
また、特許文献5のようにポリビニルピロリドンを配合した界面活性剤無配合歯磨組成物が提案されているが、本技術は界面活性剤無配合の場合の香料刺激を少なくするものであり、アニオン界面活性剤に由来する口腔内刺激を低減させるものではない。また、ポリビニルピロリドンを歯磨剤に配合した場合には、しばしば保存時に液分離が生じることがある。
保存時の液分離安定性を向上させる技術としては、特許文献6に記載のようにアルキル硫酸塩、ラウロイルサルコシン塩、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8モルで、アルキル基の炭素数が16〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、特定の無機塩を組み合わせた歯磨組成物が提案されている。しかし、この技術では、口腔内プラークの除去効果、口腔内刺激の改善は十分とは言えない。
デキストラナーゼの保存安定性を向上させる方法としては、上記特許文献3のように脂肪酸炭素数が7〜11の脂肪酸のトリグリセライド、アルキル基の炭素数が14〜18で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が3〜8のポリオキシエチレンアルキルエーテル、エチレンオキサイドの平均付加モル数が10〜30のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、香料を組み合わせた歯磨組成物、水酸化アルミニウムを配合した歯磨剤に炭素数16〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルとポリアクリル酸ナトリウムを組み合わせた歯磨組成物(特許文献8)が提案されているが、この技術では、デキストラナーゼの保存安定性は向上するもののプラーク除去効果は変わらない。
また、ポリエチレングリコールと平均粒径が50〜1,000μmであり、かつ崩壊強度が10〜200g/個である粒子を併用した歯磨組成物(特許文献3)が提案されている。しかし、この歯磨組成物は、ポリエチレングリコールを配合した場合、保存時に液分離が生じることがあった。
ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、重曹を含有する口腔用組成物として、例えば、歯牙に損傷を与えず効果的にステインを除去し、かつ口臭予防に優れた口腔用組成物(特許文献8)が提案されている。特許文献8は、詳細な説明において有効成分としてデキストラナーゼ、発泡剤としてラウリル硫酸ナトリウムを配合し得ることが記載されているが、重曹の配合量は詳細な説明において1〜50重量%であると記載されており、いずれにしても、本発明の解決課題の示唆はなく、本発明の構成を示すこともない。
また、特許文献9〜11の実施例に、デキストラナーゼ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸ナトリウム、重曹のいずれかを含有する歯磨剤組成の記載があるが、これら技術も本発明の課題を解決し得るものではない。
以上のように、従来では口腔内のプラーク除去効果、デキストラナーゼの保存安定性、使用時の口腔内刺激のなさ、及び保存時の液分離安定性のいずれにも優れた歯磨組成物を得る技術はない。上記したような課題のいずれもが解決され、これらの優れた特性を兼ね備えたデキストラナーゼ配合歯磨組成物が要望される。
特開2008−308463号公報 特開平9−301840号公報 特開2005−68072号公報 特開2005−179290号公報 特開昭61−56213号公報 特開2008−115114号公報 特開2005−170881号公報 特開2002−302428号公報 国際公開第2005/00260号パンフレット 特開2000−319150号公報 特開平11−209255号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、口腔内のプラーク除去効果に優れ、かつ使用時の口腔内刺激がほとんどなく、保存時の液分離安定性が良好で、しかも、デキストラナーゼの製剤中での保存安定性が良好である、デキストラナーゼ配合歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を進めた結果、(A)デキストラナーゼ、(B)K値が20〜70であるポリビニルピロリドン、(C)平均分子量が1,420〜25,000のポリエチレングリコール、(D)アルキル硫酸塩、(E)重曹を併用し、適切な量で配合し、かつ成分(C)/成分(B)の質量比が1.3〜10であることで、口腔内のプラークの除去効果に優れ、かつ使用時の口腔内刺激が少なく、保存時の液分離安定性が良好で、デキストラナーゼの保存安定性が良好であるデキストラナーゼ配合歯磨組成物が得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、デキストラナーゼ含有の歯磨組成物に、(B)K値が20〜70であるポリビニルピロリドン、(C)平均分子量が1,420〜25,000のポリエチレングリコール、(D)アルキル硫酸塩、(E)重曹を併用し、適切な量で配合し、かつ成分(C)/成分(B)の質量比を1.3〜10とすることにより、上記課題を解決して、デキストラナーゼ由来の口腔内プラーク除去効果が高まり、優れたプラーク除去効果が発揮されると共に、アルキル硫酸塩や重曹に由来する口腔粘膜刺激性が緩和されて使用時の刺激性がほとんどなく良好な使用感を有し、かつアルキル硫酸塩やポリビニルピロリドンやポリエチレングリコールが配合されていても保存時に経時で液分離が生じることもなく、しかも、アルキル硫酸塩が配合されていてもデキストラナーゼが長期間に亘って安定に保持されて優れた保存安定性を有し、これらの優れた特性を兼ね備えることが可能となるもので、このような本発明の作用効果は上記必須要件のいずれかを欠く場合には達成し得ない。
従って、本発明は、下記の歯磨組成物を提供する。
〔1〕
(A)デキストラナーゼを13,000単位/g品として0.016〜1.5質量%
(B)K値が20〜70であるポリビニルピロリドンを0.05〜0.5質量%
(C)平均分子量が1,420〜25,000のポリエチレングリコールを0.1〜1.2質量%
(D)アルキル硫酸塩を0.3〜1質量%、及び
(E)重曹を0.1〜0.4質量%
配合してなり成分(C)/成分(B)の質量比が1.3〜10であることを特徴とする歯磨組成物。
〔2〕
成分(B)を0.1〜0.3質量%、成分(C)を0.2〜1.0質量%、成分(E)を0.2〜0.3質量%含有し、成分(C)/成分(B)の質量比が1.5〜4である〔1〕に記載の歯磨組成物。
〔3〕
成分(A)の含有量が、13,000単位/gのデキストラナーゼの場合には0.08〜0.38質量%であり、成分(D)を0.5〜0.8質量%含有する〔1〕又は〔2〕に記載の歯磨組成物。
〔4〕
更に、研磨剤を2〜50質量%、成分(D)以外の界面活性剤を0〜2質量%、成分(C)以外の粘稠剤を0〜40質量%、成分(B)以外の粘結剤を0〜3質量%含有する〔1〕、〔2〕又は〔3〕に記載の練歯磨組成物。
本発明のデキストラナーゼ配合歯磨組成物は、口腔内プラークの除去効果に優れ、使用時の口腔内刺激が少なく、保存時の液分離安定性が良好で、デキストラナーゼの保存安定性にも優れる。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は練歯磨剤とし調製できるもので、(A)デキストラナーゼ、(B)ポリビニルピロリドン、(C)平均分子量が1,420〜25,000のポリエチレングリコール、(D)アルキル硫酸塩、(E)重曹を含有する。
(A)デキストラナーゼとしては、ケトミウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリア属、ラクトバチルス属、セルビブリオ属等に属する公知のデキストラナーゼ生産菌より公知の方法により得られるデキストラナーゼの他、他の微生物より生産されたデキストラナーゼも使用することができ、市販品としては第一三共プロファーマ株式会社製のものなどを用いることができる。
デキストラナーゼの配合量は2〜200単位/gが好ましく、特に10〜50単位/gが好ましい。2単位/g未満の場合は、十分なプラーク除去効果が得られず、200単位/gを超えると、配合量に見合ったプラーク除去効果が得られないことがある。ここで、デキストラナーゼ1単位とは、デキストランを基質として反応を行った場合に、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量である。このようなデキストラナーゼ配合量の組成物を得るには、例えば13,000単位/g品を基準とした場合、組成物に0.016〜1.5%(質量%、以下同様。)配合すればよく、特に0.08〜0.38%配合することで、好ましいプラーク除去効果を得ることができる。
成分(B)のポリビニルピロリドンは、N−ビニル−2−ピロリドンの直鎖重合体である。
ポリビニルピロリドンは、下記のフィケンチャー式により示されるK値が20〜70であ。K値が20未満の場合は十分なプラーク除去効果の向上が得られなかったり、口腔内の刺激が緩和できない。K値が70を超えると、過度の増粘が引き起こされて均一な歯磨組成物を製造することが困難になって液分離の発生が起こったり、デキストラナーゼの安定性が低下す
ここで、K値とは、ドイツの化学者H.フィケンチャーにより提案された重合度を表す定数であり、高分子の溶液について広い範囲で成立するもので、ポリビニルピロリドンの場合、分子量の尺度として一般的に用いられる。ビニルピロリドン重合体溶液のK値は、以下の測定方法によって求めることができる。即ち、上記成分(B)のポリビニルピロリドンのK値は、分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(25℃)を下記方法に準じて測定して下記のフィケンチャーの式に適用して求められた値である。なお、本試験法は、ポリビニルピロリドンに関する書籍(出典:Volker Buhler、Polyvinylpyrrolidone Excipients For Pharmaceuticals:Povidone, Crospovidone And Copovidone. Springer, 2005)に記載されている。
即ち、K値が20未満である場合は5%(g/100mL)水溶液の粘度を測定し、K値が20以上である場合は1%(g/100mL)水溶液の粘度を測定する。試料濃度は、乾燥物換算する。従って、K値が20未満の場合は試料5.0g、K値が20以上である場合は試料1.0gをそれぞれ精密に計り取り、100mLのメスフラスコに入れ、室温で蒸留水を加え、振とうしながら完全に溶かして蒸留水を加えて正確に100mLとし、試料溶液を調製する。この試料溶液を恒温槽(25±0.1℃)で30分間放置後、ウベローデ型粘度計(Schott&Gen.No.1)を用いて測定する。溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定する。数回測定し、平均値をとる。相対粘度を規定するために、蒸留水についても同様に測定する。得られた2つの流動時間をハーゲンバッハ−キュッテの補正値に基づいて補正する。下記のフィケンチャーの粘度式によりK値が算出され、K値が高いほど分子量が高いことを示す。
Figure 0005552760
上記式中、Zは濃度Cの溶液の相対粘度(ηrel)、Cは濃度(%:g/100mL)を示し、相対粘度Zは次式より得られる。
Z(ηrel)=(溶液の流動時間)÷(水の流動時間)
ポリビニルピロリドンとしては、市販品を使用可能であり、例えばBASFジャパン社(BASF JAPAN Ltd.)製のルビスコールK−30(K値27〜33)のパウダー製品及び30%水溶液製品、ルビスコールK−60(K値52〜62)の45%水溶液製品、ISPジャパン社(ISP JAPAN Ltd.)製のプラスドンK−25(K値24〜26)、プラスドンK−29/32(K値29〜32)などを挙げることができ、これらを好適に使用できる。
ポリビニルピロリドンの含有量は、組成物の全質量に対して0.05〜0.5%、好ましくは0.1〜0.3%である。0.05%未満であるとプラーク除去効果が向上せず、使用時の口腔内刺激が生じる0.5%を超えると保存時に液分離が生、デキストラナーゼの保存安定性に劣る
成分(C)のポリエチレングリコールは、水又はエチレングリコールに酸化エチレンを付加させた重合体で、下記式
H(OCH2CH2nOH
(式中、nは酸化エチレンの付加モル数を示す。)
で表される。この重合体は、酸化エチレンの付加量によって液状の低分子量のものから固体の高分子量のものまで各種分子量の重合物ができ、その生成物の重合度には分布がある。ポリエチレングリコールはその平均分子量をもって分類することができる。
本発明において使用されるポリエチレングリコールは、平均分子量が1,420〜25,000、好ましくは2,500〜12,500のものである。平均分子量が1,290未満のものでは、保存時に室温が夏季に40℃に達するような場合にポリエチレングリコールが凝固点以上となって溶解状態となり、このためポリエチレングリコールによって妨げられていたデキストラナーゼとアルキル硫酸ナトリウムとの相互作用が生じ、デキストラナーゼの安定性が低下したり、また、ポリエチレングリコールが凝固点以上となることで、液分離安定性が低下する。平均分子量が25,000を超えるものではポリエチレングリコールの溶解性が低くなり、歯磨組成物への均一な配合が困難になるため液分離安定性に劣る。
なお、平均分子量は医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量を示し、ポリエチレングリコール1540(平均分子量1,290〜1,650)、ポリエチレングリコール2000(平均分子量1,850〜2,150)、ポリエチレングリコール4000(平均分子量2,600〜3,800)、ポリエチレングリコール6000(平均分子量7,480〜10,200)、ポリエチレングリコール20000(平均分子量15,500〜25,000)等が挙げられる。なお、凝固点は、ポリエチレングリコール1540(凝固点42〜48℃)、ポリエチレングリコール2000(凝固点48〜54℃)、ポリエチレングリコール4000(凝固点53〜57℃)、ポリエチレングリコール6000(凝固点56〜63℃)、ポリエチレングリコール20000(凝固点56〜64℃)である。
ポリエチレングリコールは市販品を使用できるが、商品によっては例えばポリエチレングリコール#4000等のように、ポリエチレングリコールと数値の間に#がつく場合がある。
成分(C)のポリエチレングリコールの配合量は、組成全体の0.1〜1.2%、好ましくは0.2〜1.0%である。0.1%未満であると、保存時にデキストラナーゼの安定性に劣り、1.2%を超えると、液分離安定性に劣る。
本発明組成物における成分(C)/成分(B)の質量比は1.3〜10であり、特に1.5〜4が好ましい。成分(C)/成分(B)の質量比が1.3未満の場合にはデキストラナーゼの安定性が低下し、10を超える場合にはプラーク除去効果が向上しなかったり、口腔内刺激が緩和できない。
(D)アルキル硫酸塩は、高級脂肪酸より合成されたアニオン性界面活性剤であり、アルキル基の炭素数が10〜16、特に12〜14であるアルキル硫酸ナトリウムが好ましい。炭素数が10未満のものはプラークの除去効果が十分でない場合があり、16より大きいものは、液分離安定性が悪くなる場合がある。
なお、アルキル硫酸ナトリウムとして具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムが挙げられ、混合アルキル基を有するものであってもよい。また、ラウリル硫酸ナトリウムとミリスチル硫酸ナトリウムとを併用して配合してもよい。この場合は、アルキル鎖長の長いミリスチル硫酸塩量が増加すると液分離安定性に劣る傾向にあることから、配合割合は、ラウリル硫酸ナトリウム及びミリスチル硫酸ナトリウムの合計に対してラウリル硫酸ナトリウムの含有割合が70〜100%であることが、液分離安定性により優れることから好ましい。一般的にヤシ油等の植物原料からアルキル硫酸ナトリウムを合成した場合にラウリル硫酸ナトリウムとミリスチル硫酸ナトリウムの混合物として得られ、混合物として工業製品化されることがあるが、上記配合割合の範囲であることが好ましい。
このようなアルキル硫酸ナトリウムとして具体的には、ラウリル硫酸ナトリウムとしてはNIKKOL SLS(日光ケミカルズ株式会社製)、ミリスチル硫酸ナトリウムとしてはNIKKOL SMS(日光ケミカルズ株式会社製)、混合アルキル基を有するものとしては、エマール10PT(花王株式会社製)、TEXAPON OC−P(Cognis Japan Ltd.製)のなどの市販品を使用できる。
アルキル硫酸塩の配合量は、組成物全体の0.3〜1%、特に0.5〜0.8%が好ましい。0.3%未満では十分なプラーク除去効果が得られない1%を超えると使用時に口腔内刺激が生じたり、保存時にデキストラナーゼの安定性に劣る
(E)重曹(炭酸水素ナトリウム)としては、具体的に旭硝子株式会社製、東ソー株式会社製等の市販品を用いることができる。本発明では、重曹が口腔内プラークに含有されるタンパクを弱アルカリ下で部分的に分解することでプラーク除去効果を向上させる作用をすると考えられる。
重曹の配合量は、組成全体の0.1〜0.4%であり、好ましくは0.2〜0.3%である。配合量が0.1%未満だとプラーク除去効果を向上できず、0.4%を超えると、デキストラナーゼの保存安定性に劣るものとなったり、口腔内刺激が起こる。
本発明の歯磨組成物は、上記必須成分に加えて任意成分として通常歯磨組成物に配合されるその他の成分を配合できる。任意成分として、例えば(A)デキストラナーゼ以外の有効成分、(B)ポリビニルピロリドン以外の粘結剤、(C)ポリエチレングリコール以外の粘稠剤、(D)アルキル硫酸ナトリウム以外の界面活性剤、研磨剤、甘味剤、防腐剤、香料、色素、pH調整剤等の適宜の成分を本発明の効果を損なわない範囲配合でき、これら成分と水とを混合し、製造できる。
各種有効成分としては、デキストラナーゼに加えて、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化第1錫、フッ化ストロンチウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物、トラネキサム酸、イプシロン−アミノカプロン酸、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、ヒノキチオール、アスコルビン酸、ジヒドロコレステロールや、α−ビサボロール、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン塩類等の殺菌成分、アズレン、グリチルリチン、グリチルレチン酸、銅クロロフィリンナトリウム、クロロフィル、グリセロホスフェートなどのキレート性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、メトキシエチレン、無水マレイン酸共重合体、エピジヒドロコレステリン、塩化ベンゼトニウム、ジヒドロコレステロール、トリクロロカルバニリド、クエン酸亜鉛、トウキ軟エキス、オウバクエキス、カミツレ、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物などが挙げられる。なお、これら有効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。
粘結剤としては、成分(B)のポリビニルピロリドンに加えて、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、カーボポール、グアガム、ゼラチン、アビセル、更にモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト等の無機粘結剤等が挙げられる。通常、これら粘結剤の配合量は組成全体の0〜3%、特に0.5〜3%であり、成分(B)との合計配合量が0.05〜3.5%の範囲が好ましい。
粘稠剤としては、成分(C)のポリエチレングリコールに加えて、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ソルビット、還元でんぷん糖化物等の糖アルコールなどの多価アルコールの1種又は2種以上が使用でき、配合量は組成全体の0〜40%で、成分(C)との合計配合量が0.1〜41%の範囲が好ましい。
界面活性剤としては、成分(D)のアルキル硫酸塩に加えて、例えばアニオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−ラウロイルタウリン塩、ラウロイルサルコシン塩、N−アシルグルタメート、α−オレフィンスルホン酸塩等、両性界面活性剤として、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキンエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等が配合できる。ノニオン性界面活性剤として、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、脂肪酸ポリグリセリル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等を配合することができる。なお、これら他の界面活性剤の配合量は組成全体の0〜2%程度であり、成分(D)のアルキル硫酸塩を含めた含有量は0.3〜3%が好適である。
研磨剤としては、第2リン酸カルシウム2水和物、第2リン酸カルシウム無水和物、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、二酸化チタン、結晶性ジルコニウムシリケート、ポリメチルメタアクリレート、不溶性メタリン酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損アパタイト、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、第8リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケートなどが挙げられる。なお、デキストラナーゼとの配合適性の点から、カルシウムイオンを放出しない研磨剤が好ましい。なお、研磨剤の配合量は組成物全体の2〜50%、特に10〜30%とすることができる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等、防腐剤としては、ブチルパラベン、エチルパラベン等のパラベン類、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
香料は、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、メチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、歯磨組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。
また、配合量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した賦香用香料としては、組成物中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
着色剤(色素)としては青色1号、黄色4号、緑色3号等が例示される。
なお、これら成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、酢酸、リン酸、ピロリン酸、グリセロリン酸やこれらの各種塩、水酸化ナトリウムなどを挙げることができる。なお、pH調整剤の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実施例、比較例〕
表1,2に示す組成でデキストラナーゼ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、アルキル硫酸塩、重曹等を配合した歯磨組成物(練歯磨剤)を下記方法で調製し、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる口部内径7mm、直径26mmのラミネートチューブに50g充填し、プラークの除去効果、使用時の口腔内刺激、保存時の液分離安定性、デキストラナーゼの保存安定性を下記方法で評価した。結果を表1,2に示す。
試験歯磨組成物の調製:
歯磨組成物の調製は、精製水にポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、重曹、サッカリンナトリウム、フッ化ナトリウム、ソルビット液等の水溶性物質を溶解させた後、別途、プロピレングリコールにポリビニルピロリドン以外の粘結剤を分散させた液を加え、撹拌した。その後、加熱溶解したポリオキシエチレン(5)ステアリルエーテル、香料、研磨剤、デキストラナーゼ、アルキル硫酸ナトリウム等を加え、更に減圧下(圧力4kPa)で撹拌し、歯磨組成物を得た。製造にはユニミキサー(FM−SR−25,POWEREX CORPORATION社)を用いた。
これら歯磨組成物の調製に用いた各成分としては、デキストラナーゼ(第一三共プロファーマ株式会社)は13,000単位/gのもの、ポリビニルピロリドンK−30(BASF JAPAN Ltd.、PVP−K30、パウダー製品、K値29.7)、ポリビニルピロリドン(BASF JAPAN Ltd.、PVP−K60、45%水溶液、K値60.0)、ポリエチレングリコール1000(東邦化学工業株式会社、トーホーポリエチレングリコール1000、平均分子量1,010)、ポリエチレングリコール1540(東邦化学工業株式会社、トーホーポリエチレングリコール1540、平均分子量1,420)、ポリエチレングリコール4000(東邦化学工業株式会社、トーホーポリエチレングリコール4000、平均分子量3,300)、ポリエチレングリコール6000(東邦化学工業株式会社、トーホーポリエチレングリコール6000、平均分子量8,200)、ポリエチレングリコール20000(純正化学工業株式会社、ポリエチレングリコール20000、平均分子量21,000)、高重合ポリエチレングリコール(ダウ・ケミカル株式会社、POLYOX WSR N−10、平均分子量100,000)、ラウリル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社、NIKKOL SLS)、ミリスチル硫酸ナトリウム(日光ケミカルズ株式会社、SMS−L)、重曹(東ソー株式会社)、シリカ(ローディア日華株式会社、TIXOSIL 73)、ソルビット(三菱商事フードテック株式会社)、POE(5)ステアリルエーテル(日本エマルジョン株式会社、製品名EMALEX605)、フッ化ナトリウム(ステラケミファ株式会社)を使用し、その他、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、酸化チタン、精製水は医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
ソルビットについては、70%水溶液品を用いて歯磨組成物を調製した。香料については、表3に示す香料A〜香料Iを、表4〜9に示すフレーバー組成を用いて作製し、配合した。上記ポリビニルピロリドンのK値は、上述の測定方法による値である。
また、以下の評価において使用した、最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる口部内径7mm直径26mmのラミネートチューブ(大日本印刷株式会社製)は、最外層よりLDPE55/PET12/LDPE20/白LDPE60/EMAA20/AL10/EMAA30/LDPE20/LLDPE30、厚さ257μm、口部内径7mm、直径26mm、充填量50g、数値は厚さ(μm)を示す。略号の示すところは以下の通りである。
LDPE:低密度ポリエチレン
白LDPE:白色低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
AL:アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
EMAA:エチレン・メタクリル酸の共重合体樹脂
1)プラークの除去効果
歯磨組成物を人工唾液(最終濃度が50mM KCl,1mM KH2PO4,1mM CaCl2,0.1mM MgCl2となるようにし、KOHでpHを7.0に調整し、蒸留水で1Lにした。)で4倍希釈した遠心上清を試料サンプル液とした。ストレプトコッカス ソブリヌス(S.Sobrinus NIDR6715)を1%スクロース含有のTSB培地(Becton、Dickinson company社製)で傾斜培養し、試験管(KIMBLE社製 13×100mm)壁にプラークを付着させた。0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄後、プラークを上記の試料サンプル液4mL中、37℃で、3分間処置(浸漬)し、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で2回洗浄して分解剥離したプラークを除去後、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)4mLを加え、残存したプラークを超音波ホモジナイザー(BRANSON製 250)で分散し、プラーク量を濁度として測定した。
濁度はOD550nmで測定し、ブランク(歯磨組成物を加えない人工唾液で処置)に対するプラーク量(濁度)の減少率をプラーク除去率とした。実験は繰り返し3回行って3回の平均値を算出し、以下の基準で◎及び○の結果となるものをプラーク除去効果が高い歯磨組成物であると判断した。
◎:プラーク除去率90%以上
○:プラーク除去率70%以上90%未満
△:プラーク除去率30%以上70%未満
×:プラーク除去率30%未満
2)使用時の口腔内刺激の評価
粘膜刺激に敏感な被験者10名を用い、歯磨組成物約1gを市販品歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行った際の口腔粘膜に対する刺激の程度を、(i)全くない、(ii)ほとんどない、(iii)ややある、(iv)ある、の4段階で回答を得た。この回答のうち、(i)全くないを4点、(ii)ほとんどないを3点、(iii)ややあるを2点、(iv)あるを1点として、10名の評価結果を平均し、以下の基準で◎及び○の評価が確保されるものを、口腔粘膜刺激のない歯磨組成物であると判断した。
◎:平均点3.5点以上〜4.0点以下
○:平均点3.0点以上〜3.5点未満
△:平均点2.0点以上〜3.0点未満
×:2.0点未満
3)液分離安定性の評価
歯磨組成物を最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる口部内径7mm、直径26mmのラミネートチューブに50g充填し、各組成3本を50℃、1ヶ月間保存し、わら半紙上に10cm歯磨組成物を押出し、わら半紙に染み出た液の長さを測定し、下記の4段階で液分離の度合いを評価した。
4点:液分離は全く観察されない。
3点:押し出した時、口元に僅かに液分離が認められる。
2点:押し出した時、口元に液分離が1〜3cm認められる。
1点:押し出した時、口元に液分離が3cmを越えて認められる。
3本の評価点の平均値を求め、以下の基準で◎及び○となる歯磨組成物を中高温時における製剤の液分離安定性に優れる歯磨組成物であると判断した。
◎:液分離の度合いが3.5点以上〜4.0点以下
○:液分離の度合いが3.0点以上〜3.5点未満
△:液分離の度合いが2.0点以上〜3.0点未満
×:液分離の度合いが2.0点未満
4)デキストラナーゼの安定性評価
デキストラナーゼ配合の歯磨組成物を最内層が直鎖状低密度ポリエチレンからなる口部内径7mm、直径26mmのラミネートチューブに50g充填し、40℃で1ヶ月間保存した後、この歯磨組成物0.6gを0.1Mリン酸緩衝液15mLで懸濁し、その遠心上清を被検液とした。
上記被検液1mLをデキストラン(SIGMA−ALDRICH Corporation製)の1%水溶液2mLに加え、35℃の恒温槽で正確に10分間反応させ、生じた還元糖量をソモギーネルソン法を用いて測定した。デキストラナーゼ1単位は、1分間あたりにグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じるデキストラナーゼの量とし、繰り返し3回の平均値が以下の基準で◎及び○の結果となるものをデキストラナーゼの経時保存安定性に優れる歯磨組成物であると判断した。
◎:デキストラナーゼ残存率90%以上
○:デキストラナーゼ残存率80%以上90%未満
△:デキストラナーゼ残存率60%以上80%未満
×:デキストラナーゼ残存率60%未満
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表1,2の結果から、成分(A)〜(E)のいずれかに欠く場合や、これら成分の配合量が不適切な場合や成分(C)/成分(B)の割合が不適切な場合は、プラーク除去効果、使用時の口腔内刺激、液分離安定性、及びデキストラナーゼの経時保存安定性のいずれかに劣るのに対して、本発明の歯磨組成物(実施例)は、いずれもプラークの除去効果に優れ、使用時の口腔内刺激が少なく、保存時の液分離安定性が良好で、かつデキストラナーゼの経時保存安定性が良好であり、これら優れた特性を兼ね備えることがわかった。
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Claims (4)

  1. (A)デキストラナーゼを13,000単位/g品として0.016〜1.5質量%
    (B)K値が20〜70であるポリビニルピロリドンを0.05〜0.5質量%
    (C)平均分子量が1,420〜25,000のポリエチレングリコールを0.1〜1.2質量%
    (D)アルキル硫酸塩を0.3〜1質量%、及び
    (E)重曹を0.1〜0.4質量%
    配合してなり成分(C)/成分(B)の質量比が1.3〜10であることを特徴とする歯磨組成物。
  2. 成分(B)を0.1〜0.3質量%、成分(C)を0.2〜1.0質量%、成分(E)を0.2〜0.3質量%含有し、成分(C)/成分(B)の質量比が1.5〜4である請求項1記載の歯磨組成物。
  3. 成分(A)の含有量が、13,000単位/gのデキストラナーゼの場合には0.08〜0.38質量%であり、成分(D)を0.5〜0.8質量%含有する請求項1又は2記載の歯磨組成物。
  4. 更に、研磨剤を2〜50質量%、成分(D)以外の界面活性剤を0〜2質量%、成分(C)以外の粘稠剤を0〜40質量%、成分(B)以外の粘結剤を0〜3質量%含有する請求項1、2又は3記載の練歯磨組成物。
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