JP2013155164A - 歯磨剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯垢又は汚れ除去性能を高めることができるとともに、口腔内でその効果を十分に触知でき、優れた使用感を発揮することのできる歯磨剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)並びに(B):(A)水不溶性粉末材料及び水溶性無機結合剤を含み、該水溶性無機結合剤が珪酸ナトリウムを含有するものである顆粒、並びに(B)オルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩 0.001〜0.2質量%を含有する歯磨剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、顆粒を含有する歯磨剤に関する。
現代社会において食生活の多様化がすすむにつれ、歯には歯垢や歯石、色性沈着物等の種々の沈着物が付着しやすい傾向にある。付着した歯垢を放置すると、虫歯や歯周病、口臭等の原因となり、付着した色性沈着物等を放置すると着色による歯の汚れとして認識され、美観が損なわれることとなる。
従来より、こうした歯垢や汚れ等を除去する際、例えば、水不溶性粉末材料を水不溶性無機結合剤で結着させて得られる顆粒を用いた歯磨剤(特許文献1参照)等が用いられている。
このように歯垢や汚れ等を除去することに加え、さらに使用後の口腔内の清掃実感が得られることも求められており、例えば、ポリリン酸塩と特定の平均粒径を有する顆粒状のゼオライトとを併用した歯磨用組成物も知られている(特許文献2参照)。
特開平1−299211号公報 特開2006−111622号公報
しかしながら、従来、十分な清掃実感を得るには、組成物中における水溶性ポリリン酸塩の含有量をある程度の量まで高めざるを得ず、その他の有用成分の配合量の自由度が低下するばかりでなく、コスト高にもつながりかねない。そのため、歯垢や汚れ除去性能をさらに高めつつ、こうした効果を十分に実感できる性能をも兼ね備える歯磨剤を得るのは、依然として困難な状況下にある。
したがって、本発明の課題は、歯垢又は汚れ除去性能を高めることができるとともに、口腔内でその効果を十分に触知でき、優れた使用感を発揮することのできる歯磨剤を提供することにある。
そこで本発明者は、水不溶性粉末材料を水溶性無機結合剤で結着させて得られる顆粒において水溶性無機結合剤として珪酸ナトリウムを用いると、特殊な崩壊挙動を示すことを見出し、かかる顆粒と特定量のオルトリン酸又はポリリン酸等と併用することにより、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮するとともに、口腔内で十分な清掃感や収斂効果を実感できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)並びに(B):
(A)水不溶性粉末材料及び水溶性無機結合剤を含み、該水溶性無機結合剤が珪酸ナトリウムを含有するものである顆粒、並びに
(B)オルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩 0.001〜0.2質量%
を含有する歯磨剤を提供するものである。
本発明によれば、水不溶性粉末材料と共に、珪酸ナトリウムを含有する水溶性無機結合剤を含む顆粒と、特定量のオルトリン酸又はポリリン酸等とが相まって、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮できるだけでなく、使用後の口腔内で歯と歯肉の間が引き締まるような感触を付与する良好な収斂感や清掃感を実感することも可能となる。したがって、オルトリン酸又はポリリン酸等の含有量を低減しながら、その他の有用成分の配合量の自由度を高めることができるとともに、コスト削減にも寄与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の歯磨剤は、水不溶性粉末材料及び水溶性無機結合剤を含み、該水溶性無機結合剤が珪酸ナトリウムを含有するものである顆粒(A)を含有する。
顆粒(A)に含有される水不溶性粉末材料としては、ゼオライト、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、複合アルミノケイ酸塩、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。中でも、本発明の効果を十分発揮する良好な顆粒を形成する点でゼオライトが好ましく、とりわけ天然のものは夾雑物を含み均質性に欠けるので、合成のもの、すなわち合成ゼオライトが好ましく、さらにA型ゼオライトが好ましい。
かかる水不溶性粉末材料の粒子の大きさは、好ましくは0.1〜20μmの平均粒径のものが用いられるが、より好ましくは10μm以下の平均粒径のものが用いられる。本発明の歯磨剤であれば、このように平均粒径が小さく低研摩性の粒子を造粒した顆粒(A)を含有する歯磨剤であっても、歯の表面に強く吸着した着色ペリクルを除くに十分な研摩力を生じさせて歯を白くし、顆粒の崩壊後は研摩力が減少し、長時間の歯磨き操作でも歯を傷つけない(低為害性)という特徴を付与することができ、優れた歯垢除去効果及び着色汚れ等の汚れ除去効果を発揮することができる。
水不溶性粉末材料がゼオライトの場合、ゼオライトの平均粒径が小さければイオン交換能が高まり、歯垢又は汚れ除去効果、歯石予防効果がさらに高まるという利点がある。この場合、粒径が小さい程イオン交換能が高くなり、歯垢除去効果は上がるが、研摩効果との兼ね合いから、用いるゼオライトの一次粒子の平均粒径は、0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましく、2〜7μmがさらに好ましい。なお、この平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定することができる。
顆粒(A)に用いられる水溶性無機結合剤は、本発明の効果を良好に発揮させるため、珪酸ナトリウムを含有する。かかる珪酸ナトリウムとしては、メタ珪酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルト珪酸ナトリウム(Na4SiO4)、二珪酸ナトリウム(Na2Si25)、四珪酸ナトリウム(Na2Si49)及びそれらの水和物が挙げられるが、一般にNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式で表される。係数n(SiO2・Na2Oの分子比)はモル比と呼ばれ、下記式(I)で表すことができる。
モル比=質量比(SiO2質量%/Na2O質量%)×Na2Oの分子量/SiO2の分子量 ・・・(I)
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、法規(外原規)や得られた顆粒のpHの観点から、前記モル比は好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.4〜3.5、さらに好ましくは2.8〜3.5、またさらに好ましくは3.0〜3.3である。なお、mは0〜46の範囲が好ましい。
顆粒(A)の崩壊強度は、好ましくは1〜10gf/個(顆粒1個あたり3〜10gの荷重で崩壊)であり、より好ましくは2〜7gf/個であり、またさらに好ましくは3〜4gf/個である。
また、顆粒(A)の湿式崩壊強度は、本発明の歯磨剤に配合して使用したとき、歯と歯の隙間の狭小な領域にも侵入し、ブラッシングの荷重によってかかる領域においても歯面と顆粒との間に生じる摩擦力を有効に高める観点、口中で顆粒を触知でき、歯垢又は汚れ除去効果を認識できる観点、及び異物感を抑制しつつ顕著な研磨力を発揮させる観点から、好ましくは10〜55%、より好ましくは20〜50%である。
なお、顆粒(A)の崩壊強度及び湿式崩壊強度は、実施例に記載の方法により測定される。
顆粒(A)の平均粒径は、十分な研磨力を有し、顆粒崩壊後は歯と歯の隙間の狭小な領域にも侵入して、かかる領域においても歯面と顆粒との間に生じる摩擦力を有効に増大させる観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは50〜500μm、より好ましくは75〜350μm、さらに好ましくは100〜300μmである。なお、平均粒径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
顆粒(A)は、顆粒崩壊後の10%希釈液のpHが顆粒崩壊前の10%希釈液のpHに比べて高くなるという性質、すなわち崩壊時pH上昇性をも有する。したがって、顆粒(A)の崩壊後における10%希釈液のpHは、好ましくは8.0〜12.0であり、より好ましくは9.0〜11.8であり、さらに好ましくは9.5〜11.6である。さらに、顆粒(A)の崩壊後における10%希釈液のpHと崩壊前における10%希釈液のpHとの差(崩壊後pH−崩壊前pH)は、好ましくは0.1〜2.0であり、より好ましくは0.2〜1.5であり、さらに好ましくは0.5〜1.0である。
このpH上昇性という性質により、本発明の歯磨剤は、通常の汚れ除去効果に優れるだけでなく、顆粒(A)が歯と歯の隙間で崩壊した時にpHが局所的に上昇するため、歯と歯の隙間に特に存在するタンパク質を含有する歯垢に対して有効に作用し、アルカリによる歯垢の粘着構造を破壊するため歯垢除去効果も著しく優れているものと考えられる。なお、顆粒(A)の崩壊後の10%希釈液のpH及び崩壊前の10%希釈液のpHは、実施例に記載の方法で測定することができる。
また、顆粒(A)の吸水率は、歯磨剤の分離安定性向上という観点から、顆粒(A)の自重に対して、好ましくは60〜150質量%であり、より好ましくは80〜130質量%であり、さらに好ましくは100〜120質量%である。顆粒(A)は、このように多量の水を吸水しても顆粒自体は崩壊せず、口腔内で崩壊したときに内部に吸水されていたpHの高い水分が多量に放出され、タンパク質系の汚れを破壊するため非常に好ましい。なお、吸水率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
さらに、顆粒(A)は、ブラッシングの荷重によって急速に崩壊するのではなく、形状が変化し、崩壊に対する耐久性を有する。すなわち、顆粒(A)の変形率は、好ましくは3〜40%であり、より好ましくは5〜35%であり、さらに好ましくは10〜30%である。このように崩壊に対する耐久性を有するため、歯間の奥の歯垢まで有効に除去することが可能である。特に、成分(B)が少量であるにもかかわらず、歯間の奥まで作用させることが可能であるため、歯間の奥の歯垢まで有効に除去することが可能である。なお、変形率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
顆粒(A)中の水不溶性粉末材料の含有量は、乾燥状態及び水中での崩壊性、顆粒崩壊後の研磨力及び歯への損傷防止という観点から、好ましくは75〜99質量%であり、より好ましくは85〜98質量%であり、さらに好ましくは89〜97.5質量%であり、またさらに好ましくは93〜97質量%である。なお、顆粒(A)中の水不溶性粉末材料の含有量は、顆粒(A)を歯磨剤から抽出し、溶剤で洗浄し、水分を加熱乾燥等で除いたものを測定したものである。
顆粒(A)中の珪酸ナトリウムの含有量は、顆粒の乾燥状態及び水中での崩壊強度、歯磨剤中での安定性の観点や、顆粒(A)の局所においてpH上昇性を発揮させる観点から、1〜25質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、2.5〜11質量%がさらに好ましく、3〜7質量%がまたさらに好ましい。なお、顆粒(A)中の珪酸ナトリウムの含有量は、顆粒(A)を歯磨剤から抽出し、溶剤で洗浄し、水分を加熱乾燥等で除いたものを測定したものである。
顆粒(A)において、水不溶性粉末材料に対する珪酸ナトリウムの質量比は、顆粒の乾燥状態及び水中での崩壊強度や歯磨剤中での安定性を向上させる観点から、好ましくは0.005〜0.30であり、より好ましくは0.01〜0.28であり、さらに好ましくは0.01〜0.15であり、またより好ましくは0.02〜0.13であり、またさらに0.02〜0.10であり、0.03〜0.08がさらに好ましい。通常、顆粒の崩壊強度や歯磨剤中での安定性を高めるためには結合剤の配合量を増加させる必要がある。しかしながら、理由は定かではないものの、水溶性成分である珪酸ナトリウムを結合剤として用いた場合は、通常とは逆に、結合剤である珪酸ナトリウムの配合量を、水不溶性粉末材料に対して特定の範囲以下にすることで、歯磨剤のような多水分組成物中での顆粒の強度がより向上し、安定性がより高められる。
加えて、顆粒(A)の吸水率を向上させつつ、顆粒(A)の局所pH上昇作用を向上させ、更に顆粒に崩壊荷重で急激に崩壊せず変形後に崩壊するという崩壊挙動を生じさせ、その結果、後述するオルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩(B)の収斂効果や清掃感を最大限に発揮させながら歯垢又は汚れ除去効果を十分に発揮させる観点から、水不溶性粉末材料がゼオライトを含む場合、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比は0.005〜0.30が好適であり、0.01〜0.28がより好ましく、0.01〜0.15がより好ましく、0.02〜0.10がより好ましく、0.03〜0.08がさらに好ましい。
顆粒(A)は、さらに水不溶性粉末材料及び珪酸ナトリウム以外の他の成分、例えば、水不溶性繊維、薬用成分、着色剤も、本発明に影響を及ぼさない程度であれば含むことができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合せて用いてもよい。
上記水不溶性繊維、薬用成分、着色剤の含有量は、崩壊感触の観点から、水不溶性粉末材料及び珪酸ナトリウムの合計量100質量部に対して、合計で3質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下がさらに好ましく、配合しないことが殊更に好ましい。
本発明で用いる顆粒(A)は、例えば、水不溶性粉末材料、珪酸ナトリウム、及び水をバッチ式、連続式、セミバッチ式等により混合して水スラリーを調製し、次いで得られた水スラリーを乾燥することにより製造される。珪酸ナトリウムは、この水スラリー乾燥時に、好ましくは水スラリーを噴霧乾燥する時に、水分の蒸発に伴って顆粒内に均一に分布し、顆粒の強度を高める機能を有する。
水溶性無機結合剤に含有される珪酸ナトリウムは、SiO2が28.0〜38.0質量%の水溶液であり、Na2Oが9.0〜19.0質量%、15℃でのボーメ度が40以上のものを用いるのが好ましく、SiO2が28.0〜36.0質量%の水溶液であり、Na2Oが9.0〜15.0質量%、15℃でのボーメ度が40〜57のものを用いるのがより好ましく、SiO2が28.0〜30.0質量%の水溶液であり、Na2Oが9.0〜10.0質量%、15℃でのボーメ度が40〜53のものを用いるのがさらに好ましい。なお、ボーメ度は、JISZ8804(1960年9月1日制定、1994年3月1日最終改正)の記載に従って、測定することができる。
上述のような珪酸ナトリウム水溶液を用いる場合、水が含まれているため、さらに水を添加する必要がないことがあるが、通常は、別途に水を添加することが好ましい。水の配合量は、生産性と所望の崩壊強度を得る観点から、水溶性無機結合剤水溶液の水も含めて、水スラリー中における固形分濃度が30〜60質量%になるように調整することが好ましく、40〜60質量%になるように調整することがより好ましい。
各成分の混合温度は、通常の室温程度であればよく、5〜40℃が好ましい。混合時間は固形分濃度がある程度均一になる時間であれば特に制限はないが、通常10〜300分間、好ましくは20〜180分間、好ましくは30〜120分間である。
水スラリーを乾燥する方法は、生産性の観点から、噴霧乾燥機、流動層乾燥機を用いる方法が好ましく、得られる顆粒の崩壊強度や顆粒の真球度及び熱効率の観点から、向流式噴霧乾燥塔等の噴霧乾燥法がより好ましい。
本発明の歯磨剤中における成分(A)の含有量は、後述する微量の成分(B)を有効に作用させて、歯垢及び汚れ除去効果を向上させる観点、及び使用後において口腔内が引き締まるような感触の収斂感を実感する観点から、好ましくは1〜25質量%であり、より好ましくは2〜20質量%であり、さらに好ましくは3〜15質量%である。なお、歯磨剤中における顆粒(A)の含有量は、顆粒(A)を歯磨剤から抽出し、溶剤で洗浄し、水分を加熱乾燥等で除いたものを測定したものである。
本発明の歯磨剤は、オルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩(B)を0.001〜0.2質量%含有する。かかる成分(B)は、上記成分(A)と併用することにより、歯垢や汚れの除去効果を飛躍的に高めることができ、従来よりも低い含有量でありながら十分な効果を発揮することが可能である。また、歯と歯肉の間が引き締まるような感触を付与することができ、使用後の口腔内に良好な収斂感や清掃感をもたらすことが可能である。このように低い含有量であるが故に、多量に含有させることにより生じがちな口腔内粘膜における刺激をもたらすおそれがなく、また香味とのバランスを考慮する必要も低く、容易にコスト減を実現することも可能となる。
成分(B)としては、オルトリン酸のほか、ポリリン酸として、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸が挙げられる。また、これらオルトリン酸及びポリリン酸の塩としては、ナトリウム、カリウムが挙げられる。なかでも、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及びトリポリリン酸カリウムが好ましく、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムがより好ましい。
本発明の歯磨剤中における成分(B)の含有量は、良好な歯垢や汚れの除去効果と収斂感や清掃感とを兼ね備える観点、及びコスト低減の点から、0.001〜0.2質量%であり、好ましくは0.003〜0.09質量%であり、より好ましくは0.005〜0.04質量%である。
なお、本発明の歯磨剤中における成分(A)の合計含有量と成分(B)の含有量との質量比(A:B)は、口腔内で歯垢や汚れの除去効果と収斂効果や清掃感とを効果的に高める観点から、好ましくは1:0.001〜1:0.008であり、より好ましくは1:0.002〜1:0.0075であり、さらに好ましくは1:0.003〜1:0.007である。
本発明の歯磨剤の調製は常法により行うことができる。この際、成分(A)及び成分(B)以外の他の成分として、歯磨剤に通常使用される成分、例えば、粘結剤、湿潤剤、甘味剤、界面活性剤、防腐剤、香料、薬用成分、着色剤、賦形剤等を含有させることができる。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ペクチン等が挙げられる。本発明の歯磨剤中における粘結剤の含有量は、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮できるだけでなく、使用後の口腔内で歯と歯肉の間が引き締まるような感触を付与する良好な収斂感や清掃感を実感させる観点から、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%であり、さらに好ましくは1〜3質量%である。
湿潤剤としては、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール等が挙げられ、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、タイマチン(ソーマチン)、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。本発明の歯磨剤中における湿潤剤の含有量は、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮できるだけでなく、使用後の口腔内で歯と歯肉の間が引き締まるような感触を付与する良好な収斂感や清掃感を実感させる観点から、好ましくは1〜60質量%であり、より好ましくは5〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%である。
上記成分は1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の歯磨剤中における水の含有量は、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮できるだけでなく、使用後の口腔内で歯と歯肉の間が引き締まるような感触を付与する良好な収斂感や清掃感を実感させる観点から、本発明の歯磨剤中に、好ましくは10〜65質量%であり、さらに好ましくは20〜55質量%である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
なお、各物性値の測定は、以下の方法により行った。
(1)水不溶性粉末及び珪酸ナトリウム水溶液の固形分
赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、105℃、Autoの条件で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。
(2)顆粒の平均粒径
JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下重量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒径とする。
(3)顆粒の崩壊強度
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒径付近の顆粒を10個測定し、平均値で表した。
(4)顆粒の湿式崩壊強度
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、150〜180μm粒度の顆粒をサンプル(崩壊前の顆粒)として秤量した。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプル(崩壊後の顆粒)を150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を湿式崩壊強度とした。
湿式崩壊強度(%)=150μm篩に残留する崩壊後の顆粒質量÷崩壊前の顆粒質量×100
(5)顆粒の崩壊前後におけるpHの変化
顆粒を2g取り、イオン交換水を20mL投入し、得られた液をpHメーターで測定し、安定した(約1分程度)時点の値を顆粒崩壊前のpHの値とした。その後、スターラーピースを投入し、30分間撹拌した後、上記同様な条件で測定した値を顆粒崩壊後のpHの値とした。
(6)顆粒の吸水量
8gの顆粒を50mLビーカーに測り取り、イオン交換水を少量ずつ滴下、顆粒表面に離水が発生した時点の水の重量を秤量した。以下の計算式にて算出した値を吸水率とした。
吸水率(%)=(顆粒表面に離水が発生した時点の水の重量(g)÷8×100
(7)顆粒の変形率
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒径付近の顆粒を荷重3.0gf/個にて圧縮した時に得られた崩壊までの形状変位値を崩壊時の顆粒の形状変位とし、以下の計算式にて算出した値を変形率とした。
変形率(%)=崩壊時の顆粒の形状変位(μm)÷崩壊前の顆粒の粒子径(μm)×100
なお、本発明の歯磨剤に配合された顆粒(A)の顆粒組成、顆粒の平均粒径、顆粒の崩壊強度、顆粒の湿式崩壊強度、顆粒の吸水量、変形率は、歯磨剤から抽出し、溶剤で洗浄し、水分を加熱乾燥等で除いたものを測定したものである。
[製造例1]
表1に示す配合割合で、ゼオライト(ゼオビルダー株式会社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、固形分91.9%、平均粒径約3μm)と、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ(前記式(I)で表されるモル比:3.0〜3.3、ボーメ度:40〜53)、固形分:54.3%)と、水とを、ディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー株式会社製、型式:HS−P3)で混合し、固形分が47.7%の水スラリーを得た。なお、水スラリー調製は、先ず混合槽に水を投入し、次いで珪酸ナトリウム水溶液を投入し、次にゼオライトを添加し、混合することによって行った。
得られた水スラリーを、送風温度190℃で噴霧乾燥した後、室温条件下に置き、珪酸ナトリウムを1質量%含有する、表2に示す顆粒特性を有する顆粒(A)を得た。
Figure 2013155164
Figure 2013155164
[実施例1〜6、比較例1〜4]
製造例1で得られたゼオライト顆粒(A)及びを用い、表3に示す組成の歯磨剤を製造して、下記方法にしたがって、収斂感及び歯垢除去効果の評価を行った。結果を表3に示す。
(1)収斂感の評価方法
パネラー:40名により、1種類ずつ渡して評価項目をモナディック評価する。
使用方法:いつもの歯磨剤に変え、評価サンプルを一定量取りブラッシングする。
評価項目:
磨けた感じ
汚れが落ちた感じ
歯ぐきの引き締まった感じ
口の中がきれいになった感じ
評価:感じた 1 感じない 0
として各項目について合計(MAX40ポイント)で評価した。ポイントの高い評価のサンプルが、汚れの落ちが良く、歯ぐきの引き締まりの効果も感じられた歯磨剤と判断できる。
(2)歯垢除去効果の評価方法
歯間モデル(φ4のパスツールピペットを5本並べ接着固定)の溝に赤い口紅(オーブ:RD305)を塗り込む。その後、余分な口紅をハブラシ(毛先が球(登録商標):ふつう)と食洗でブラッシング洗浄(赤色が出なくなるまで)した。各種歯磨きサンプルをモデルの上に一定量取り、口紅が落ちなくなるまで刷掃を行った。モデルに残った口紅をエタノール90mLで10分間超音波洗浄し、注出液を540nmにて吸光度測定(Abs)した。
なお、コントロール(初期値)として、上記ブラッシング洗浄後、エタノール90mLで10分間超音波洗浄した注出液を用いた。評価モデル1の歯垢又は汚れ除去率(%)は、コントロールの吸光度(X0)に対する各歯磨剤での評価後の吸光度(X)の減少率((X0−X)/X0)×100)から算出した。
Figure 2013155164
表3の結果によれば、顆粒(A)とオルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩(B)とを併用した実施例1〜6は、成分(A)又は成分(B)を単独で使用した比較例1〜4に比べ、優れた歯垢又は汚れ除去効果を発揮しつつ、口腔内において良好な収斂感をもたらすことによる、効果感の向上をもたらすことがわかる。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)並びに(B):
    (A)水不溶性粉末材料及び水溶性無機結合剤を含み、該水溶性無機結合剤が珪酸ナトリウムを含有するものである顆粒、並びに
    (B)オルトリン酸若しくはポリリン酸又はこれらの塩 0.001〜0.2質量%
    を含有する歯磨剤。
  2. 成分(A)の合計含有量と成分(B)の含有量との質量比(A:B)が、1:0.001〜1:0.008である請求項1に記載の歯磨剤。
  3. 成分(A)の湿式崩壊強度が、10〜55%である請求項1又は2に記載の歯磨剤。
  4. 成分(A)における、水不溶性粉末材料に対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/水不溶性粉末材料)が、0.005〜0.30である請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯磨剤。
  5. 成分(A)における水不溶性粉末材料が、ゼオライトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯磨剤。
  6. 成分(B)が、オルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯磨剤。
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