JP5800703B2 - 歯磨剤用顆粒 - Google Patents
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Description
一方、水不溶性の結合剤として種々の有機結合剤を用いて調製された顆粒剤は、比較的容易に粒子強度を高めることができるが、一方で顆粒の弾性が増すため、顆粒の崩壊する際の感触が変化し、口腔内で違和感が生じる等の問題があった。
〔1〕ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である、歯磨剤用顆粒。
〔2〕前記〔1〕の歯磨剤用顆粒を含有する歯磨剤。
〔3〕下記の工程(1)及び(2)を有する歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):ゼオライト、珪酸ナトリウム、及び水を混合して水スラリーを調製する工程
工程(2):工程(1)で得られた水スラリーを乾燥して、ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である顆粒を調製する工程
本発明の歯磨剤用顆粒は、良好な湿式崩壊強度を有し、水中でも形態強度を保持できるのみならず、顆粒感及び歯垢除去効果にも優れる。これは、本発明の歯磨剤顆粒は、吸水率が高く、崩壊荷重を与えたときに急激に崩壊するのでなく変形後に崩壊するという特性を有するためと考えられる。また、本発明の歯磨剤顆粒は、崩壊時に顆粒局所のpHが高くなるという特性も有するため、タンパク質汚れの分解が促進される結果、タンパク質を含有する歯垢除去効果が向上するものと考えられる。
以下、本発明に用いられる各成分について順次説明する。
本発明に用いられるゼオライトに特に制限はないが、天然のものは夾雑物を含み均質性に欠けるので、合成のもの、すなわち合成ゼオライトが好ましく、中でもA型ゼオライトが好ましい。
ゼオライトの平均粒径が小さければイオン交換能が高まり、歯垢除去効果、歯石予防効果がさらに高まるという利点がある。この場合、一次粒径が小さい程イオン交換能が高くなり、歯垢除去効果は上がるが、研摩効果との兼ね合いから、用いるゼオライトの平均粒径は0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmが更に好ましく、3〜7μmが特に好ましい。なお、この平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定することができる。
本発明において、水溶性無機結合剤である珪酸ナトリウムは、粒子(顆粒)を適度に崩壊させるために用いられる。この珪酸ナトリウムは、工程(2)の水スラリー乾燥時に、好ましくは水スラリーを噴霧乾燥する時に、水分の蒸発に伴って顆粒内に均一に分布し、顆粒の強度を高める機能を有する。珪酸ナトリウムの種類と、その量を調整することにより、顆粒の崩壊強度を適宜調整することができる。
モル比=質量比(SiO2質量%/Na2O質量%)×Na2Oの分子量/SiO2の分子量 (1)
珪酸ナトリウムの物性は前記モル比によって異なるが、法規(外原規)や得られた顆粒のpHの観点から、前記モル比は好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.4〜3.5、さらに好ましくは2.8〜3.5、特に好ましくは3.0〜3.3である。なお、mは0〜46の範囲が好ましい。
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲内で、ゼオライト及び珪酸ナトリウム以外の他の水不溶性粉末、例えば、研磨性粉体、結合剤、水不溶性繊維や、薬用成分、着色剤を配合することができる。
他の研磨性粉体としては、歯の研磨剤として一般に用いられるもの、例えば、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、複合アルミノケイ酸塩、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性無機結合剤としては、水酸基を有するケイ素系化合物、アルミニウム系化合物、カルシウム系化合物、マグネシウム系化合物等を用いることができる。その具体例としては、二酸化ケイ素の分散体であるコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、水酸化アルミニウムゲル、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる油脂としては、ワックス、パラフィン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸、及びそれらの塩等が挙げられる。
水不溶性有機結合剤として使用できる高分子や樹脂としては、(i)キサンタンガム、デキストリン、ゼラチン等の多糖類、及びそれらの誘導体、(ii)ゴム系ラテックス等、(iii)アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ヒドロキシメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、マレイン酸エステル、メチルビニルエーテル、α−オレフィン等の単独重合体、及びそれらの共重合体等が挙げられる。
上記の他の配合成分は、単独で又は2種以上を組み合せて使用することができる。
本発明の歯磨剤用顆粒中のゼオライトの含有量は、75〜99質量%であり、崩壊性、顆粒崩壊後の研磨力及び歯への損傷防止という観点から、85〜99質量%が好ましく、89〜99質量%がより好ましい。更に、崩壊性、顆粒崩壊後の研磨力及び歯への損傷防止という観点に加え、顆粒局所のpH上昇の観点から、75〜99質量%が好ましく、85〜99質量%がより好ましく、89〜99質量%がより好ましく、92〜98質量%がさらに好ましく、93〜97質量%が極めて好ましい。
歯磨剤用顆粒中の珪酸ナトリウムの含有量は、顆粒の崩壊強度、歯磨剤中での安定性の観点から、1〜25質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜11質量%がさらに好ましい。更に、顆粒の崩壊強度、歯磨剤中での安定性の観点に加え、顆粒局所のpH上昇の観点から、1〜25質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜11質量%がより好ましく、2〜8質量%がさらに好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
加えて、顆粒の吸水率を向上させ、顆粒の局所pH上昇作用を向上させ、更に顆粒に崩壊荷重で急激に崩壊せず変形後に崩壊するという崩壊挙動を生じさせ、その結果、歯垢除去効果を向上させるという観点から、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)は0.005〜0.30が好適であり、0.01〜0.28がより好ましく、0.01〜0.15がより好ましく、0.02〜0.10がより好ましく、0.03〜0.08がさらに好ましい。
任意成分である結合剤、薬用成分、着色剤の含有量は、崩壊感触の観点から、ゼオライト及び珪酸ナトリウムの合計量100質量部に対して3質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましく、配合しないことが最も好ましい。即ち、本発明の顆粒中、ゼオライト及び珪酸ナトリウムの合計量が、97〜100質量%が好ましく、98〜100質量%がより好ましく、実質100質量%が更により好ましい。
本発明の歯磨剤用顆粒は、下記工程(1)及び(2)を有する方法により製造される。
工程(1):ゼオライト、珪酸ナトリウム、及び水を混合して水スラリーを調製する工程
工程(2):工程(1)で得られた水スラリーを乾燥して、ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である顆粒を調製する工程
工程(1)は、ゼオライト、珪酸ナトリウム、及び水を混合して水スラリーを調製する工程である。
珪酸ナトリウム水溶液を用いる場合、水が含まれているため、さらに水を添加する必要がないことがあるが、通常は、水スラリーの見掛け粘度を調整する観点から、別途に水を添加することが好ましい。
水の配合量は、生産性と所望の顆粒強度を得る観点から、珪酸ナトリウム水溶液の水も含めて、水スラリー中における固形分濃度が30〜60質量%になるように調整することが好ましく、40〜60質量%になるように調整することがより好ましい。
工程(1)における各成分の混合は、公知の方法で行うことができるが、例えば、バッチ式、連続式、セミバッチ式のいずれであってもよい。その際、混合温度は、通常の室温程度であればよく、5〜40℃が好ましい。混合時間は固形分濃度がある程度均一になる時間であれば特に制限はないが、通常10〜300分間、好ましくは20〜180分間、好ましくは30〜120分間である。
工程(2)は、工程(1)で得られた水スラリーを乾燥して、ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である顆粒を調製する工程である。
ゼオライトの含有量、及びゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)の調整は、工程(1)における各成分の配合量、乾燥条件等を調整することにより行うことができる。
乾燥法は、水スラリーの水分を除去できる方法であれば特に制限はないが、生産性の観点から、噴霧乾燥機、流動層乾燥機を用いる方法が好ましく、得られる顆粒の崩壊強度や顆粒の真球度及び熱効率の観点から、噴霧乾燥法がより好ましい。
噴霧乾燥法としては、並流式噴霧乾燥塔や向流式噴霧乾燥塔を用いる方法が挙げられるが、向流式噴霧乾燥塔を用いる方法がより好ましい。
本発明の歯磨剤用顆粒の崩壊強度は、歯磨剤に配合して使用したとき、口の中での顆粒を触知でき、歯垢除去効果を認識できるにもかかわらず、異物感をほとんど感ずることなく、また歯のエナメル質を傷つけることなく研磨力を発揮させる観点から、好ましくは3〜10g/個(顆粒1個あたり3〜10gの荷重で崩壊)、より好ましくは3〜8g/個、さらに好ましくは3〜7g/個である。
なお、崩壊強度、湿式崩壊強度は、実施例に記載の方法により測定される。
また、本発明の歯磨剤用顆粒の吸水率は、歯磨剤の分離安定性向上という観点から、顆粒自重に対して好ましくは60〜150質量%であり、より好ましくは80〜130質量%であり、さらに好ましくは100〜120質量%である。本発明の歯磨剤用顆粒はこのように多量の水を吸水しても顆粒自体は崩壊せず、口腔内で崩壊したときに内部に吸水されていたpHの高い水分が多量に放出され、タンパク質系の汚れを破壊するため非常に好ましい。なお、吸水率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
さらに、本発明の歯磨剤用顆粒は、崩壊荷重において急速に崩壊するのではなく、形状が変化し、崩壊に対する耐久性を有する。すなわち、本発明の歯磨剤用顆粒の荷重3.0g/個時の変形量は、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは2〜8μmであり、さらに好ましくは3〜6μmである。また、本発明の歯磨剤用顆粒の変形率は、好ましくは5〜50%であり、より好ましくは10〜40%であり、さらに好ましくは15〜35%である。このように崩壊に対する耐久性を有しつつ上述のとおりの崩壊時pH上昇性を有するため、歯間の奥の歯垢まで有効に除去することが可能である。なお、変形率は、実施例に記載の方法で測定することができる。
以上のとおり、本発明の歯磨剤用顆粒は、吸水率、崩壊に対する耐久性、及び崩壊時pH上昇性を併せ持つことから、歯磨中に水の存在下で崩壊するのに一定の時間を要し、当該顆粒崩壊部位にて局所的にpHを高く維持することができる。本発明の歯磨剤用顆粒は、かかる特性に基づき、通常の汚れ除去効果に優れるだけでなく、タンパク質を含有する歯垢除去効果も著しく優れているものと考えられる。
本発明の歯磨剤用顆粒や本発明の方法により得られた顆粒は、歯磨剤中に好ましくは1〜50質量%、より好ましくは3〜30質量%配合される。前記組成の顆粒を配合した歯磨剤を使用すると、口腔内で顆粒の触知ができて、みぞれ状の感触(シャリシャリ感)を与えるが、徐々に崩壊していき、清掃効果感を認知できるという特徴を有し、また優れた歯垢除去効果を奏する。
粘結剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ペクチン等が挙げられる。
湿潤剤としては、ソルビット、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、キシキリット、マルチット、ラクチット、エリスリトール等が挙げられ、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、タイマチン(ソーマチン)、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
防腐剤としては、パラベン、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
香料としては、メントール及びメントールを含む天然物;バジル、カンファー、キャラウェイ、カルダモン、コリアンダー、ゼラニウム、ジンジャー、ローレル、ラベンダー、メース、ナツメグ、ペッパー、ローズ、ローズマリー、タイム、イランイラン、ジャスミン、バニラ、ヒソップ、ラバンジン、オリス、キャロットシード、ダバナ、エレミ、オスマンタスの精油及び抽出物;ボルネオール及びその誘導体;ヘリオトロピン;α−、β−、γ−、δ−イオノン及びこれらの誘導体;チモール、バニリン、エチルバニリン、マルトール並びにエチルマルトール等が挙げられる。
薬用成分及び着色剤としては、前記のものが挙げられる。
上記成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(1)水不溶性粉末及び珪酸ナトリウム水溶液の固形分
赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、FD240)を用い、105℃、Autoの条件で測定した揮発自由水分を除くことで算出した。
(2)顆粒の平均粒径
JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、篩分け法による篩下重量分布について50%平均径を算出し、これを平均粒径とする。具体的には、JISZ8801−1(2000年5月20日制定、2006年11月20日最終改正)規定の2000、1400、1000、710、500、355、250、180、125、90、63、45μmの篩を用いて受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの顆粒を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した当該顆粒の質量を測定し、各篩上の当該顆粒の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さな篩上の当該顆粒の質量割合を積算していき合計が50%となる粒径を平均粒径とする。なお、崩壊強度は、崩壊時の一個当たりの荷重(g)である。
(3)顆粒の崩壊強度
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒径付近の乾燥状態の顆粒を10個測定し、数平均値で表した。
まず、JISZ8801−1規定の500、355、250、180、150、125、90、63、45μmの篩を用いて5分間振動させた後、150〜180μm粒度の顆粒をサンプルとした。次に、スクリュー管(株式会社マルエム製、No.6)に、ステンレス球(直径4mm)を15g、顆粒サンプルを3g、イオン交換水を30mL投入し、1度逆さにした。その後、30分間静置し、錠剤摩損試験機(萱垣医理科工業株式会社製)にて、75r/minで2分30秒間回転させた。
得られた顆粒サンプルを150μmの篩で濾過し、105℃、30分間乾燥した後、デシケーターで常温に冷まし、150μmの篩をミクロ型電磁振動機(筒井理化学器械株式会社製、ミクロ型電磁振動ふるい器、M−2)にて振動強度5.5、1分間振盪させ、その後秤量した。以下の計算式にて算出した値を湿式崩壊強度とした。
湿式崩壊強度(%)=150μm篩に残留する顆粒質量÷初期サンプル質量×100
顆粒配合歯磨剤を2g取り、乳鉢で完全にすり潰し、イオン交換水を20mL投入した後、得られた液をpHメーターで測定し、安定した(約1分程度)時点の値を顆粒崩壊生地のpHの値とした。
顆粒抜き歯磨剤は、JISZ8801−1規定の45μmの篩を用いて歯磨剤をろ過した後、歯磨剤を2g取り、イオン交換水を20mL投入し、得られた液をpHメーターで測定し、安定した(約1分程度)時点の値を顆粒抜き生地のpHの値とした。
8gの顆粒を50mLビーカーに測り取り、イオン交換水を少量ずつ滴下、顆粒表面に離水が発生した時点の水の質量を秤量した。以下の計算式にて算出した値を吸水率とした。
吸水率(%)=顆粒表面に離水が発生した時点の水の質量÷8×100
微小圧縮試験機(株式会社島津製作所製、商品名:MCTM−500)を用いて平均粒径付近の顆粒を荷重3.0g/個にて圧縮した時に得られた崩壊までの変形量の値とした。以下の計算式にて算出した値を変形率とした。
崩壊時の変形量(μm)=初期に測定した粒子径−崩壊直前の粒子径
変形率(%)=崩壊時の変形量÷初期に測定した粒子径×100
表1に示す配合割合で、ゼオライト(ゼオビルダー株式会社製、商品名:ゼオライト(パウダー)、固形分91.9%、平均粒径約3μm)と、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ(前記式(1)で表されるモル比:3.0〜3.3、ボーメ度:40〜53)、固形分:54.3%)と、水とを、ディスパー翼(アシザワ・ニロアトマイザー株式会社製、型式:HS−P3)で混合し、固形分が47.7%の水スラリーを得た。なお、水スラリー調製は、先ず混合槽に水を投入し、次いで珪酸ナトリウム水溶液を投入し、次にゼオライトを添加し、混合することによって行った。
得られた水スラリーを、送風温度190℃で噴霧乾燥した後、室温条件下に置き、珪酸ナトリウムを1質量%含有する、平均粒径205μm、崩壊強度4.0g/個、湿式崩壊強度12.6%の顆粒を得た。
実施例1において、 表1に示すスラリー組成割合とした以外は、実施例1と同様にして、顆粒を得た。
表1に示す配合割合で水スラリーを作製し、送風温度を、各々220℃(実施例3)、240℃(実施例4)、又は230℃(実施例5〜6)として噴霧乾燥した後、室温条件下に置き、顆粒を得た。
炭酸カルシウム(東洋電化工業株式会社製、商品名:トヨホワイト、固形分99.7%、平均粒径約2μm、比表面積約4m2/g)と、珪酸ナトリウム水溶液(富士化学株式会社製、商品名:3号珪酸ソーダ、固形分:54.3%)と、水とを、 表1に示すスラリー組成割合で混合し、実施例1と同様にして水スラリーを得た。
得られた水スラリーを送風温度190℃で噴霧乾燥した後、室温条件下に置き、顆粒を得た。
実施例、及び比較例で得られた顆粒を評価するために、顆粒を下記の組成の歯磨剤に配合し、顆粒感の評価を行った。
(歯磨剤組成)
(質量%)
顆粒 15.0
炭酸カルシウム 5.0
ポリエチレングリコール 5.0
ソルビット液 30.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
サッカリンナトリウム 0.1
香料 1.0
水 残 量
計 100.0
下記表2のとおり、実施例3、比較例1及び2の顆粒の吸水率、変形率を測定した。
実施例で得られた顆粒の歯磨剤への配合によるpHの変化を評価するために、顆粒を下記表4の組成の歯磨剤に配合し、歯磨剤を40℃1週間保存後、これらの歯磨剤から顆粒を抜き出した生地をイオン交換水にて10倍に希釈したもののpHと、これらの歯磨剤から顆粒を抜かずに乳鉢で完全にすり潰した生地をイオン交換水にて10倍に希釈したもののpHを測定した。結果を表3に示す。
パネラー:10名
1種類づつ渡して評価項目をモナディック評価する。
使用方法:いつものハミガキ剤に変え、評価サンプルを一定量取りブラッシングする。
評価項目:
1.全体評価
2.粒の感じ
4.歯がツルツルする感じ
5.汚れが落ちた感じ
(良い評価〜悪い評価:5点、4点、3点、2点、1点)
上記評価の合計点数を表記する。
歯間モデル(φ4のパスツールピペットを5本並べ接着固定)の溝に赤い口紅(オーブ:RD305)を塗り込む。その後、余分な口紅をハブラシ(毛先が球:ふつう)と食洗でブラッシング洗浄(赤色が出なくなるまで)した。各種歯磨剤サンプルをモデルの上に一定量取り、口紅がハブラシに付着しなくなるまで刷掃行った。モデルに残った口紅をエタノール90mLで10分間超音波洗浄し、抽出液を540nmにて吸光度測定(Abs)した。なお、歯磨剤を使用せずに、口紅が歯ブラシに付着しなくなるまで刷掃行い、モデルに残った口紅をエタノール90mlで10分間超音波洗浄し、抽出液540nmにて吸光度測定(Abs)したものを100%として評価した。
Claims (5)
- ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である、歯磨剤用顆粒。
- 顆粒の平均粒径が500μm以下である、請求項1に記載の歯磨剤用顆粒。
- 請求項1又は2に記載の歯磨剤用顆粒を含有する歯磨剤。
- 下記の工程(1)及び(2)を有する歯磨剤用顆粒の製造方法。
工程(1):ゼオライト、珪酸ナトリウム、及び水を混合して水スラリーを調製する工程
工程(2):工程(1)で得られた水スラリーを乾燥して、ゼオライト及び珪酸ナトリウムを含有し、ゼオライトの含有量が75〜99質量%、ゼオライトに対する珪酸ナトリウムの質量比(珪酸ナトリウム/ゼオライト)が0.005〜0.30である顆粒を調製する工程 - 工程(2)における乾燥が噴霧乾燥である、請求項4に記載の歯磨剤用顆粒の製造方法。
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