JP2008266251A - 歯磨組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)平均粒径が150〜800μm、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトを3〜20質量%と、(B)ビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量が0.1質量%以下である改質ミント油と、(C)バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上とを含有してなることを特徴とする歯磨組成物。
【効果】本発明の歯磨組成物は、顆粒ゼオライトによる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)が満足に発揮されると共に、使用中の苦味や渋味及び刺激感がほとんどないもので、歯磨組成物として有用である。
【選択図】なし
【効果】本発明の歯磨組成物は、顆粒ゼオライトによる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)が満足に発揮されると共に、使用中の苦味や渋味及び刺激感がほとんどないもので、歯磨組成物として有用である。
【選択図】なし
Description
本発明は、快適な刷掃感を有し、口中での使用感が良好な顆粒ゼオライト含有の歯磨組成物に関する。
従来、ゼオライトは、イオン交換能や分子篩能などの特長がある水不溶性化合物であって、各種の分野で広く利用されている。
また、口腔分野においても、ゼオライトは、歯石形成や口臭の予防効果があることが知られており(特許文献1:特開昭55−24112号公報参照)、酸処理型ゼオライトや特定金属イオン置換ゼオライトを配合した口腔用組成物などが提案されている(特許文献2:特開昭63−146809号公報参照、特許文献3:特開昭64−38017号公報参照)。更に、ゼオライトは、その粉体物性から歯牙に対する研磨性が一般に歯磨の研磨剤として使用されている無機粉体と比べて高く、その研磨性をコントロールしつつ、歯石様の頑固な着色汚れの除去効果を向上させる方法として、崩壊性の顆粒ゼオライトを配合した歯磨が提案されている(特許文献4:特開2004−123684号公報、特許文献5:国際公開第2005/000260号パンフレット参照)。更にまた、着色汚れを除去することのみならず、歯牙に付着した汚れを効率的に除去し得、かつ汚れ除去後の歯牙への汚れ再付着を抑制する効果を有する歯磨組成物が提案されている(特許文献6:特開2006−111622号公報参照)。
更に、崩壊性の顆粒ゼオライトは、歯磨組成物等の口腔用組成物に配合した場合、その優れた研磨性と、更には、口中での顆粒の感触による汚れ落とし効果を認識できる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)を、歯を磨き終わる最後まで維持できることから、歯磨組成物に好適に配合される。
しかしながら、崩壊性の顆粒ゼオライトは、顆粒ゼオライト自体に由来する苦味や渋味と刺激感を有しており、顆粒ゼオライトを配合した組成物の使用感が著しく悪くなるという欠点があり、使用感の改善が望まれていた。
一方、従来から様々なアプローチにより口腔用組成物の口中での良好な使用感を得るための方法が検討されてきた。例えば、可溶性アルミニウム化合物を配合した口腔用組成物の使用感を、pH5以上でメントールと併用することにより、著しく改善する方法(特許文献7:特公平6−29169号公報参照)や、炭酸水素ナトリウムを配合した口腔用組成物の特有の異味を、グリチルリチン酸塩類、1,8−シネオールと併用することにより改善して、良好な使用感を得る方法(特許文献8:特開平9−132517号公報参照)が提案されている。更に、アミノ酸やペプチド含有組成物の苦味をミント類との共存で低減する方法(特許文献9:特開平2−128670号公報参照)、アミノ酸の一種であるトラネキサム酸配合時に発現する苦味を、カルボンとメントールの併用で改善する方法(特許文献10:特開昭56−158707号公報参照)も提案されている。更にまた、易崩壊性顆粒を含有する口腔用組成物において、顆粒の粉っぽさをメントール及びメントールを含む天然物及び精油類などの香料を用いて改善する方法(特許文献11:特開平4−124123号公報参照)や、ジメチルスルホンの苦味を、バニリン、バニリン誘導体及びハチミツを配合して改善する方法(特許文献12:特開2006−76930号公報参照)などの提案がなされている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激は、上記したような公知の使用感の改善策によっても抑えることができず、顆粒ゼオライトを配合した歯磨組成物の使用感を改善することは困難であった。また、苦味や渋味と共に発現している顆粒ゼオライト特有の刺激感を緩和する方法に関しては、未だ提案がなされておらず、顆粒ゼオライトによる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)を、歯を磨き終わるまで有すると共に、苦味や渋味及び刺激感がなく、使用感に優れた顆粒ゼオライト含有歯磨組成物の開発が望まれていた。
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、顆粒ゼオライトによる口中での顆粒の感触による汚れ落とし効果を認識できる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)を有すると共に、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激感がほとんどなく、使用感に優れた歯磨組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、平均粒径が150〜800μmで、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトを3〜20質量%と、ミント原油の高沸点成分を除去することによって得ることができるビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量が0.1質量%以下である改質ミント油と、バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上とを併用して歯磨組成物に配合することにより、口中での顆粒の感触による汚れ落とし効果を認識できる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)を有し、かつ、苦味や渋味及び刺激感がほとんどない優れた使用感が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明によれば、上記顆粒ゼオライトを特定量配合し、かつビリジフロロール含有量を0.1質量%以下とした改質ミント油と、バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる香料成分とを組み合わせて配合することにより、後述する実施例から明らかなように、これら成分が相乗的に作用し、顆粒ゼオライトによる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)が満足かつ顕著に発揮される上、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激感が著しく改善され、使用感に優れた歯磨組成物を得ることができる。
従って、本発明は、(A)平均粒径が150〜800μm、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトを3〜20質量%と、(B)ビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量が0.1質量%以下である改質ミント油と、(C)バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上とを含有してなることを特徴とする歯磨組成物を提供する。
本発明の歯磨組成物は、顆粒ゼオライトによる快適な刷掃感(ブラッシング感覚)が満足に発揮されると共に、使用中の苦味や渋味及び刺激感がほとんどないもので、練歯磨、液状歯磨等として有用である。
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の歯磨組成物は、練歯磨、湿潤歯磨、液状歯磨等の歯磨類として調製できるもので、(A)平均粒径が150〜800μm、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトと、(B)ビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量が0.1質量%以下である改質ミント油と、(C)バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上を必須に含有する。
本発明組成物に配合される顆粒ゼオライトは、特定範囲の平均粒径及び平均崩壊強度を有するものであり、原料としてゼオライトと、酸化チタンと無水ケイ酸とを含有し、顆粒状に調製された顆粒ゼオライトが好適に使用される。
本発明において、顆粒ゼオライトの平均粒径は、JIS篩により篩分けを行い、その粒度分布から50%粒径を算出するとき、その平均粒径が150〜800μm、好ましくは200〜500μmの範囲である。顆粒ゼオライトの平均粒径が150μmより小さいと、刷掃感が十分に得られず、800μmを超えると、異物感を感じるため、歯磨の使用感が悪くなる。
また、顆粒ゼオライトの平均崩壊強度は、サン科学社製のレオメーター(サンレオメーターCR−200D)により顆粒30個の自動破断強度測定値(顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に顆粒ゼオライトが崩壊する時の荷重を測定した値。)の平均値を平均崩壊強度とするとき、15〜100g/個であり、特に20〜50g/個の範囲であることが好適である。平均崩壊強度が15g/個より小さいと顆粒ゼオライトの崩壊が平易に起こり、刷掃感が十分に得られず、100g/個を超えると異物感を感じるため、使用感が悪くなる。
本発明にかかわる顆粒ゼオライトは、ゼオライトに、酸化チタン及び無水ケイ酸、更には必要により後述するような任意成分を添加し、特定の平均粒径を有し、更に特定の平均崩壊強度を有するように造粒して顆粒に調製することで得ることができる。
ここで、顆粒ゼオライトの原料として使用するゼオライトは、WmZnO2n・sH2O(WはNa、Ca、K、Ba又はSrで、ZはSi+Al(Si:Al>1)、sは一定しない。)で示されるアルミノケイ酸塩であり、それには天然のものと、合成のものの両者があり、天然ものには約40種、合成ものでは200種以上のものが既に知られている。本発明においては、これらゼオライトはいずれも使用可能である。天然ゼオライト及び合成ゼオライトを例示すると、天然ゼオライトとして利用価値のあるものとしては、クリノプチロライト、モルデナイト、アナルサイム、シャバサイト、エリオナイト、ローモンタイト、フィリップサイト、フェリエライト、ワイラカイトなどがある。また、合成ゼオライトとしては、A(3A、4A、5A等)型ゼオライト、L型ゼオライト、フォージャサイト(X型ゼオライト、Y型ゼオライト)、オフレタイト、エリオナイト、モルデナイトなどがある。しかし、天然ゼオライトは夾雑物を含み均質性に欠けるため、合成ゼオライトがより好ましく使用される。また、合成ゼオライトの中でも、A(3A、4A、5A)型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライトが好ましく、その中でも歯磨組成物に配合した時の効果の点でA型ゼオライトがより好ましい。更に、A型ゼオライトの中でも、とりわけ4A型ゼオライトは他のA型ゼオライトに比べてカルシウム捕捉力に優れており、歯石防止効果の点から特に好ましい。4A型ゼオライトは市販されており、例えばDegussa社製Sasil、東ソー(株)製トヨビルダー、ゼオラム、水澤化学工業(株)製シルトン等が挙げられ、これらを使用することができる。
本発明にかかわる顆粒ゼオライトの原料として使用するゼオライトの平均粒径は特に制限されないが、1〜100μm、特に20〜80μmが好ましく、平均粒径が1μmより小さいと、顆粒ゼオライトの強度が低くなり、適度な崩壊強度が維持できない場合があり、また、100μmより大きいと顆粒粒径が大きくなり、適度な粒径に調製できない場合がある。なお、この平均粒径は、日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計による50%粒径の測定値である(以下、同様。)。
このゼオライトの顆粒ゼオライト中での含有量は、50〜99%(質量%、以下同様)、特に70〜90%であることが、ゼオライト由来の刷掃感を十分に発揮させるために好ましい。
また、酸化チタンとしては、ルチル型及びアナタース型の2種類が挙げられるが、本発明では、特にルチル型の酸化チタンが好ましい。この酸化チタンとしては、市販品を用いることができ、具体的には、石原産業(株)製TIPAQUE、富士チタン工業(株)製TR−600等がある。また、酸化チタンの平均粒径(上記ゼオライトと同様の測定法による平均粒径)は0.05〜10μmであることが好ましく、特に0.1〜5μmがより好ましい。平均粒径が10μmより大きいと、異物感が強くなってしまう場合があり、また、0.05μmより小さいと刷掃感が十分に得られない場合がある。
酸化チタンの顆粒ゼオライト中の含有量は特に制限されないが、顆粒ゼオライトの造粒に使用する原料全体の0.5〜25%、特に1〜20%とすることが好ましく、25%を超えると相対的にゼオライトの量が少なくなり、ゼオライト由来の刷掃感が十分に得られない場合がある。また、0.5%未満であると、ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激が発現しやすくなる場合がある。
また、無水ケイ酸は、工業的に乾式法と湿式法の2種類の製造方法があるが、本発明では、特に湿式法による沈降性シリカを使用することが好ましい。例えば湿式法により製造した沈降性シリカとしては、ローディア社製TIXOSIL43等が挙げられる。その平均粒径(上記ゼオライトの場合と同様の測定法による平均粒径)は、0.1〜50μm、特に1〜20μmであることがより好ましい。平均粒径が50μmより大きかったり、0.1μmより小さいと、顆粒ゼオライトの崩壊強度が弱くなり、刷掃感が十分に得られない場合がある。なお、乾式法により得られた無水ケイ酸を使用すると、研磨力が高くなり過ぎて歯牙を傷めてしまう場合がある。
無水ケイ酸の含有量は、顆粒ゼオライト全体の0.5〜25%、特に1〜20%とすることが好ましく、含有量が0.5%未満であると顆粒ゼオライトの崩壊強度が低くなり、刷掃感が十分に得られない場合があり、25%を超えると相対的にゼオライトの量が少なくなり、やはりゼオライト由来の刷掃感が十分に得られない場合がある。
本発明においては、顆粒ゼオライトの原料として、上記したようなゼオライト、酸化チタン及び無水ケイ酸のほかに、顆粒ゼオライトの性能を妨げない範囲で種々の不溶性材料等の任意成分を添加することが可能である。具体的には、第2リン酸カルシウム(2水和物あるいは無水物)、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム等が挙げられる。なお、上記不溶性材料の添加量は、顆粒ゼオライト中に20%以下、特に0〜10%とすることが好ましい。
更に、顆粒ゼオライトには、原料として上記不溶性材料のほかに、一般に歯磨組成物に配合される薬効成分、着色剤、香料成分、その他賦形剤等を配合することもできる。なお、この場合、着色剤としては、グンジョウ、コンジョウ、ベンガラ、雲母チタン、レーキ色素等の水不溶性のものが好ましく配合される。
顆粒ゼオライトを形成する方法としては、圧縮成形法、押出し成形法、噴霧乾燥法等があるが、焼結法を用いることが上記平均崩壊強度範囲の顆粒を得易いことから好適である。この場合、焼結法では、造粒時間を15〜50分とし、90〜150℃で15〜30分焼結することが好ましく、このような条件で焼結することで上記した特定の平均粒径及び平均崩壊強度の顆粒を容易に得ることができる。
本発明の歯磨組成物において、上記顆粒ゼオライトは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合量は、組成物全体の3〜20%であり、特に5〜15%が好ましい。配合量が3%未満であると、顆粒ゼオライトによる刷掃感が十分に得られず、逆に20%を超えると顆粒ゼオライト由来の異物感が強まると共に、苦味や渋味及び刺激が強く、歯磨の使用感が悪くなる。
次に、本発明に用いられる改質ミント油は、ビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量を0.1%以下とした改質ミント油である。このような改質ミント油は、ミント原油から高沸点成分、特に沸点240℃以上の高沸点成分を分離、除去することにより得ることができる。ここで、本発明の改質ミント油の出発原料となるミント原油は、一般にはミント油と総称され、例えばペパーミント油、スペアミント油、あるいは和種薄荷油等が市販され、これら市販のミント油を使用できる。また、ミント原油は、一般に原料植物の水蒸気蒸留により得られるものであり、本発明においても、水蒸気蒸留によって製造されたものが好適に使用される。
このミント原油に含まれる代表的な高沸点成分がビリジフロロール(Viridiflorol)であり、ミント原油には通常、ビリジフロロールが0.2〜0.3%含有されている。このビリジフロロールは、セスキテルペンアルコールで、その沸点は290℃である。本発明の改質ミント油は、このビリジフロロールの含有量が改質ミント油全体の0.1%以下であり、好ましくは0.05%以下で、下限は0%以上である。ビリジフロロールの含有量が0.1%を超えると、ビリジフロロール自体の香味が顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激感を増強してしまうため、歯磨組成物の顆粒ゼオライト由来の苦味や渋み及び刺激感を改善できず、本発明の目的を達成できない。
上記改質ミント油は、ミント原油(100%を基準として)から蒸留等の分離手段により、上記高沸点成分を含む留分(後述する実施例の釜残に該当)を2〜30%、好ましくは3〜12%、より好ましくは4〜10%除去することによって得ることができる。なお、蒸留条件は、上記高沸点成分が分離除去できればよい。このような分離処理を行うことにより、ビリジフロロールの含有量が0.1%以下である改質ミント油を容易に得ることができる。なお、低沸点成分を含む留分については適宜除去してもよい。
この場合、分離手段としては蒸留が好ましく採用され、蒸留により上記高沸点成分を除去するには、留出量により調節するのが好ましく、例えば、上記条件でミント原油の仕込量の90%を留出させて得られたフラクションを、高沸点成分を含む留分を10%除去した改質ミント油として用いることができる。この蒸留は、水蒸気蒸留あるいは通常の減圧蒸留等の蒸留のいずれでもよいが、水蒸気蒸留が好ましい。なお、ミント原油からの高沸点成分を含む留分の除去量が前記範囲より少ない場合は、ビリジフロロール含有量が0.1%を超えてしまい、配合効果が十分に発揮されない場合があり、除去量が前記範囲より多い場合にはミント油本来の爽快で良好な使用感が損なわれることがある。
高沸点成分を含む留分を除去する他の分離手段として、カラムクロマトあるいは超臨界抽出による分画を採用しても差し支えないが、官能的に良好な改質ミント油を得るためには水蒸気蒸留が最も好ましい。水蒸気蒸留については、実験室的手法は岩波書店発行「理化学辞典」第3版増補版第676頁に記載の「水蒸気蒸留」が好例であり、本発明でもこれに準拠するのがよい。なお、後述する実施例で使用した改質ミント油は、この水蒸気蒸留の方法によって得たものであり、具体的には、初留及び釜残を除いた、本留と後留を合せた留分に相当する。
なお、通常、ミント油は香料組成物に配合し、これを更に歯磨組成物に配合して汎用的に使用されるものであり、本発明の改質ミント油も同様にして歯磨組成物に配合してもよい。本発明において、改質ミント油の配合量は、歯磨組成物全体の0.01〜1%、特に0.1〜0.7%が好ましい。配合量が0.01%未満であると、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激感のマスキング効果が十分に発揮されない場合があり、1%を超えると、改質ミント油自体の苦味や刺激が強くなり、歯磨組成物の使用感が悪くなることがある。
本発明の歯磨組成物においては、バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上の香料成分を配合するが、中でもバニリン,エチルマルトールが好ましい。
バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上の香料成分の配合量は、組成物全体の0.00001〜0.03%、好ましくは0.0001〜0.02%、特に好ましくは0.001〜0.01%が好適である。配合量が0.00001%未満であると、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激のマスキング効果が十分でなくなる場合があり、0.03%を超えると、これらの成分自体の香味が強くなり、歯磨の使用感が悪くなることがあると共に、歯磨組成物に着色が発生し、組成物の品質が悪くなることがある。
バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上の香料成分の配合量は、組成物全体の0.00001〜0.03%、好ましくは0.0001〜0.02%、特に好ましくは0.001〜0.01%が好適である。配合量が0.00001%未満であると、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激のマスキング効果が十分でなくなる場合があり、0.03%を超えると、これらの成分自体の香味が強くなり、歯磨の使用感が悪くなることがあると共に、歯磨組成物に着色が発生し、組成物の品質が悪くなることがある。
本発明の歯磨組成物は、練歯磨、湿潤歯磨、上記顆粒ゼオライト等が分散した液状歯磨等の各種剤型の歯磨に調製できるが、チクソトロピー性を持った練歯磨から液状歯磨の剤型が好ましい。その際には、その剤型に応じ、上記必須成分に加えて上記効果に影響を与えない範囲で下記に示すその他の任意成分を配合することができる。配合することのできる上記必須成分以外の他の成分としては、研磨剤、粘稠剤(保湿剤)、粘結剤、界面活性剤、甘味剤、香料、防腐剤等がある。これらの任意成分は剤型によって必要とする成分及びその配合量が異なるので、その成分及び配合量の選択は従前の場合と同様に行われると共に本発明の効果を妨げない範囲で行うことが必要である。
研磨剤としては、リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸チタン、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。研磨剤としては、清掃力という効果の面から特に無水ケイ酸を配合することが好ましい。研磨剤の配合量は、代表的な練歯磨の場合には、組成物全体の5〜80%、特に10〜50%の範囲が好適である。
また、清掃助剤として、重曹、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸等の有機酸及びその塩も配合できる。
粘結剤としては、カラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキエチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、カーボポール、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイト等が挙げられ、その配合量は組成物全体の0.1〜10%が好ましい。
粘稠剤としては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、平均分子量が100〜10000の範囲であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、マルチトール、ラクトール、キシリトール等があり、その配合量は組成物全体の10〜60%が好ましい。
界面活性剤としては、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が配合可能である。両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシンあるいはN−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ラウロイルサルコシンナトリウム等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクトール脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、アルキロールアマイド、エチレンオキサイド(EO)付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、EO付加モル数が1〜30の範囲であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ラウリル酸モノ又はジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プルロニック等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。これら界面活性剤は単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよく、これら界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.1〜10%とすることができる。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、スクラロース、エリスリトール、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルヒドロカルコン、ペルラルチン、グリチルリチン、ソーマチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル等がある。
香料としては、上記必須成分の香料に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で他の香料を配合でき、例えばアニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、アブソリュートタイム、ジンジャーオレオレジン、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、 及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ヘキサラクトン、ノナラクトン、デカラクトン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、各種の調合香料等、歯磨組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。なお、他の香料としてビリジフロロールは配合されない。
防腐剤としては、各種パラベンのほか安息香酸ナトリウム、トリクロサン等の非イオン性抗菌剤、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等のカチオン性抗菌剤、精油成分等が配合可能である。
有効成分としては、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテナーゼ、ムタナーゼ等の酵素、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミンC、ビタミンE等の抗炎症剤、銅クロロフィル、グルコン酸銅、セチルピリジニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類等の歯石予防剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、乳酸アルミニウム、硝酸カリウム等の知覚過敏予防剤も配合できる。なお、有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる。
本発明の歯磨組成物は、上記成分を配合して剤型に応じて常法により調製することができる。また、歯磨組成物を収容する容器の材質は特に制限されず、通常、歯磨組成物に使用される容器を使用でき、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等のプラスチック容器、ラミネート(アルミニウム−プラスチック)容器、金属容器等が使用できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
〔実施例1、比較例1〜9〕
表1に示す成分及び配合比率でゼオライトに無水ケイ酸、酸化チタン、酸化アルミニウムを配合した顆粒ゼオライトを焼結法により調製し、表1に示す平均崩壊強度、平均粒径を有する顆粒を得た。なお、顆粒の平均崩壊強度、平均粒径は下記方法で測定した。結果を表1に示す。
表1に示す成分及び配合比率でゼオライトに無水ケイ酸、酸化チタン、酸化アルミニウムを配合した顆粒ゼオライトを焼結法により調製し、表1に示す平均崩壊強度、平均粒径を有する顆粒を得た。なお、顆粒の平均崩壊強度、平均粒径は下記方法で測定した。結果を表1に示す。
顆粒の平均崩壊強度の測定:
サン科学社製のレオメーター(サンレオメーターCR−200D)を用い、顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に顆粒が崩壊する時の荷重を繰り返し30回測定した時の平均値を求め、顆粒の平均強度とした。
サン科学社製のレオメーター(サンレオメーターCR−200D)を用い、顆粒1個を10mm/分の速度で圧縮した時に顆粒が崩壊する時の荷重を繰り返し30回測定した時の平均値を求め、顆粒の平均強度とした。
平均粒径の測定:
粉体100gをJIS篩(JIS Z8801−1:2000)により篩分けをして粒度分布を求め、50%粒度を算出し、これを平均粒径とした。
粉体100gをJIS篩(JIS Z8801−1:2000)により篩分けをして粒度分布を求め、50%粒度を算出し、これを平均粒径とした。
また、表2に示す蒸留条件にてミント原油の水蒸気蒸留を行い、表2に示すビリジフロロール含有量の改質ミント油及びテルペンレスミント油を得た。なお、ミント油中のビリジフロロールの含有量は下記方法で測定した。結果を表2に示す。
ミント油のビリジフロロール含有量の測定:
試料0.3gをスクリューキャップバイアル瓶に分取し、ジエチルエーテル0.7gを加え測定用サンプルとした。Agilent Technologies社製のガスクロマトグラフィー(6890N Network GC System、検出器:FID)を用いて測定し、得られたチャートのピーク面積%をビリジフロロールの含有率とした。
試料0.3gをスクリューキャップバイアル瓶に分取し、ジエチルエーテル0.7gを加え測定用サンプルとした。Agilent Technologies社製のガスクロマトグラフィー(6890N Network GC System、検出器:FID)を用いて測定し、得られたチャートのピーク面積%をビリジフロロールの含有率とした。
得られた顆粒ゼオライト、改質ミント油、テルペンレルミント油を用い、表3に示す組成の歯磨組成物を常法により調製し、使用時の刷掃感と異物感及び苦味や渋味と刺激感を下記方法で評価した。結果を表3に示す。
刷掃感の評価:
◎:刷掃感を非常に感じる
○:刷掃感を感じる
△:刷掃感をあまり感じない
×:刷掃感を感じない
異物感の評価:
◎:異物感を感じない
○:異物感をほとんど感じない
△:異物感をやや感じる
×:異物感を感じる
苦味・渋味の評価:
◎:苦味や渋味を感じない
○:苦味や渋味をほとんど感じない
△:苦味や渋味をやや感じる
×:苦味や渋味を感じる
刺激の評価:
◎:刺激を感じない
○:刺激をほとんど感じない
△:刺激をやや感じる
×:刺激を感じる
◎:刷掃感を非常に感じる
○:刷掃感を感じる
△:刷掃感をあまり感じない
×:刷掃感を感じない
異物感の評価:
◎:異物感を感じない
○:異物感をほとんど感じない
△:異物感をやや感じる
×:異物感を感じる
苦味・渋味の評価:
◎:苦味や渋味を感じない
○:苦味や渋味をほとんど感じない
△:苦味や渋味をやや感じる
×:苦味や渋味を感じる
刺激の評価:
◎:刺激を感じない
○:刺激をほとんど感じない
△:刺激をやや感じる
×:刺激を感じる
使用感総合評価:
◎:非常に良い(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感・苦味・渋味・刺激を感じ
ない)
○:良い(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感・苦味・渋味・刺激をほとんど感
じない)
△:あまり良くない(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感を感じないが、苦味・
渋味・刺激をやや感じる、又は苦味・渋味・刺激は感じないが、刷掃感を感じない)
×:良くない(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感及び/又は苦味・渋味・刺激
を感じる)
◎:非常に良い(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感・苦味・渋味・刺激を感じ
ない)
○:良い(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感・苦味・渋味・刺激をほとんど感
じない)
△:あまり良くない(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感を感じないが、苦味・
渋味・刺激をやや感じる、又は苦味・渋味・刺激は感じないが、刷掃感を感じない)
×:良くない(顆粒ゼオライトによる刷掃感を感じ、異物感及び/又は苦味・渋味・刺激
を感じる)
*1:ゼオライト(4A型ゼオライト、Degussa社製 Sasil、平均粒径25
μm)
*2:無水ケイ酸(沈降性シリカ、ローディア社製 TIXOSIL43、平均粒径25
μm)
*3:酸化アルミニウム(平均粒径1μm、α化度60%)
*4:酸化チタン(ルチル形、石原産業(株)製 TIPAQUE)
μm)
*2:無水ケイ酸(沈降性シリカ、ローディア社製 TIXOSIL43、平均粒径25
μm)
*3:酸化アルミニウム(平均粒径1μm、α化度60%)
*4:酸化チタン(ルチル形、石原産業(株)製 TIPAQUE)
水蒸気蒸留の条件:
原料:ペパーミント原油(米国産、ビリジフロロール含量:0.3%)
蒸留塔:ヘリパック20cm充填塔(理論段数10段)
水蒸気蒸留−1;圧力を4kPaに減圧し、充填塔の塔頂温度が55℃から77℃になる
様に徐々に昇温し、初留を得た。次に、圧力を3.3kPaまで減圧し
た後、更に1.1kPaまで徐々に減圧すると共に、塔頂温度が77℃
から105℃になる様に徐々に昇温し、本留を得た。
水蒸気蒸留−2;圧力を3.3kPaに減圧し、更に2.9kPaまで徐々に減圧すると
と共に、充填塔の塔頂温度が55℃から100℃になる様に徐々に昇温
し、初留を得た。次に、圧力を1.3kPaまで減圧した後、塔頂温度
が75℃になる様に徐々に下げ、本留を得た。
各々の本留部分(後留を含む)を、それぞれ改質ミント油(ビリジフロロール含量:0.1%以下、本発明品)とテルペンレスミント油(ビリジフロロール含量:0.2%、比較品)として使用した。
原料:ペパーミント原油(米国産、ビリジフロロール含量:0.3%)
蒸留塔:ヘリパック20cm充填塔(理論段数10段)
水蒸気蒸留−1;圧力を4kPaに減圧し、充填塔の塔頂温度が55℃から77℃になる
様に徐々に昇温し、初留を得た。次に、圧力を3.3kPaまで減圧し
た後、更に1.1kPaまで徐々に減圧すると共に、塔頂温度が77℃
から105℃になる様に徐々に昇温し、本留を得た。
水蒸気蒸留−2;圧力を3.3kPaに減圧し、更に2.9kPaまで徐々に減圧すると
と共に、充填塔の塔頂温度が55℃から100℃になる様に徐々に昇温
し、初留を得た。次に、圧力を1.3kPaまで減圧した後、塔頂温度
が75℃になる様に徐々に下げ、本留を得た。
各々の本留部分(後留を含む)を、それぞれ改質ミント油(ビリジフロロール含量:0.1%以下、本発明品)とテルペンレスミント油(ビリジフロロール含量:0.2%、比較品)として使用した。
なお、組成表中の基剤(*)及び香料(**)は、表4に示す基剤A、及び表5に示す香料Aを用いたが、同様に表4に示す基剤B〜C、及び表5に示す香料B〜Iを用いても、いずれにおいても同様の結果が得られた。
表3の結果から、改質ミント油、及び/又はバニリン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上を含有しない場合(比較例1,2,3)や、顆粒ゼオライトの配合量が3〜20%の範囲外である場合(比較例4,5)、顆粒ゼオライトの平均崩壊強度が15〜100g/個の範囲外である場合(比較例6)、顆粒ゼオライトの平均粒径が150〜800μmの範囲外である場合(比較例7)、またビリジフロロール含有量が0.1%を超えるミント油を配合した場合(比較例8,9)に比較して、平均粒径が150〜800μm、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライト3〜20%と、ビリジフロロールの含有量が0.1%以下である改質ミント油と、バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上を含有した本発明の歯磨組成物(実施例1)は、口中での顆粒の感触による汚れ落とし効果を認識できる快適な刷掃感を有すると共に、顆粒ゼオライト由来の苦味や渋味及び刺激感がなく、使用感に優れており、本発明の目的を達成できることがわかった。
〔実施例2〜10〕
表1に示すゼオライト顆粒A〜C、表2に示す改質ミント油を使用して、表6に示す組成の歯磨組成物を常法により調製し、上記と同様に試験を行ない、使用時の刷掃感と異物感及び苦味や渋味と刺激感を評価した。結果を表6に示す。
なお、組成表中の基剤(*)及び香料(**)は、表4に示す基剤A、及び表5に示す香料Aを用いたが、同様に表4に示す基剤B〜C、及び表5に示す香料B〜Iを用いても、いずれにおいても同様の結果が得られた。
表1に示すゼオライト顆粒A〜C、表2に示す改質ミント油を使用して、表6に示す組成の歯磨組成物を常法により調製し、上記と同様に試験を行ない、使用時の刷掃感と異物感及び苦味や渋味と刺激感を評価した。結果を表6に示す。
なお、組成表中の基剤(*)及び香料(**)は、表4に示す基剤A、及び表5に示す香料Aを用いたが、同様に表4に示す基剤B〜C、及び表5に示す香料B〜Iを用いても、いずれにおいても同様の結果が得られた。
Claims (1)
- (A)平均粒径が150〜800μm、かつ平均崩壊強度が15〜100g/個の顆粒ゼオライトを3〜20質量%と、(B)ビリジフロロール(Viridiflorol)の含有量が0.1質量%以下である改質ミント油と、(C)バニリン,エチルバニリン,マルトール,エチルマルトールから選ばれる1種又は2種以上とを含有してなることを特徴とする歯磨組成物。
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WO2022034846A1 (ja) * | 2020-08-11 | 2022-02-17 | ライオン株式会社 | 口腔用組成物 |
-
2007
- 2007-04-24 JP JP2007113765A patent/JP2008266251A/ja active Pending
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