JP2012043734A - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、酸化物超電導積層体を気相法により形成された金属シード層と電解めっきによる金属製の安定化層で保護した構造の酸化物超電導線材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の酸化物超電導線材1は、基材3と、基材3上に設けられた中間層5と酸化物超電導層6と、酸化物超電導層6上に設けられたAgの安定化基層7とを備えて酸化物超電導積層体2が構成され、酸化物超電導積層体2の周面側に、少なくとも酸化物超電導積層体2の側面および基材3側の面を覆うように気相法により形成された金属シード層8が被覆され、金属シード層8の外周側および安定化基層7の上面側に電解めっきによる金属製の安定化層9が積層されてなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材上に中間層と酸化物超電導層と安定化層を備えた積層構造の酸化物超電導線材とその製造方法に関する。
近年になって発見されたRE−123系酸化物超電導体(REBaCu7−X:REはYを含む希土類元素)は、液体窒素温度以上で超電導性を示し、電流損失が低いため、実用上極めて有望な素材とされており、これを線材に加工して電力供給用の導体あるいは磁気コイル等として使用することが要望されている。この酸化物超電導体を線材に加工するための方法として、強度が高く、耐熱性もあり、線材に加工することが容易な金属を長尺のテープ状に加工し、この金属基材テープ上に酸化物超電導層を形成する方法が研究されている。
酸化物超電導体は電気的異方性を有しているので、基材上に酸化物超電導層を形成する場合、結晶の配向制御を行う必要があり、その方法の一例として、基材上に中間層を介して酸化物超電導層を積層する技術が知られている。この中間層を利用する技術の一例として、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法:Ion Beam Assisted Deposition)が知られており、この方法は、スパッタリング法によりターゲットから叩き出した構成粒子を基材上に堆積させる際、イオン銃から発生されたアルゴンイオン等を同時に斜め方向(例えば、45度方向)から照射しながら中間層を堆積させる方法として知られている。このIBAD法によれば、高い2軸配向性を示す中間層を基材上に成膜できるので、この中間層上に酸化物超電導薄膜を形成することにより、超電導特性の優れた酸化物超電導導体を得ることができる。
前記酸化物超電導導体にあっては、酸化物超電導層上に、薄い銀の安定化層を形成し、その上に銅などの良導電性金属材料からなる厚い安定化層を設けた2層構造の安定化層を積層する構造が採用されている。この2層構造の安定化層を形成する技術の一例として、酸化物超電導層の上にスパッタリングにより薄いAgの安定化層を設けた後、全体を硫酸銅水溶液中に浸漬し、この硫酸銅水溶液をめっき浴として用いる電気めっきによりAgの安定化層上にCuの安定化層を形成する技術が知られている(特許文献1参照)。
前記Agの安定化層は、酸化物超電導層を酸素熱処理する際に酸素量の変動を調節する目的のためにも設けられており、Cuの安定化層は、酸化物超電導層が超電導状態から常電導状態に遷移しようとしたとき、該酸化物超電導層の電流を転流させるバイパスとして機能させるための目的で設けられている。
また、酸化物超電導導体において、安定化層を複合した構造として、基板、バッファ層、マルチフィラメント超電導体層、安定化層からなる構造であって、基板上に複数設けたマルチフィラメント超電導体層を金属の安定化層で覆ってカプセル化した構造が知られている(特許文献2参照)。
特開2007−80780号公報 特表2009−544144号公報
酸化物超電導層上にAgの安定化層を形成した後に電解めっきを行う従来技術では、硫酸銅溶液中に線材を浸漬する過程でAgの安定化層が存在しない部分、例えば、酸化物超電導層の側面側、中間層の側面側などの部分は、直に硫酸銅溶液に浸漬されことになるので、酸化物超電導層または中間層の浸漬部分が劣化するおそれを有している。
また、酸化物超電導層の側面側のカバーなども考慮すると、酸化物超電導層の側面側にもめっき層を形成することが望ましいが、Agの安定化層上に優先的にCuのめっき層が析出し、Agの安定化層が存在しない酸化物超電導層の側面上にはめっき時間を長くしてもCuのめっき層は形成されないという問題がある。
一方、前記従来技術において、Agの安定化層を酸化物超電導線材の全周にカプセル化する技術にあっては、前述の課題は解消できるものの、高価なAgを超電導線材の全周に付着する必要があり、コストの向上が避けられない問題がある。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みなされたものであり、Agの使用量を抑えてコストアップを避けつつ酸化物超電導層の側面側を含めて酸化物超電導積層体を金属シード層と金属製の安定化層で覆って保護した構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成とした。
本発明の酸化物超電導線材は、基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられたAgの安定化基層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の周面側に、少なくとも該酸化物超電導積層体の側面および前記基材側の面を覆うように気相法により形成された金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に電解めっきによる金属製の安定化層が積層されてなることを特徴とする。
本発明の酸化物超電導線材は、前記酸化物超電導積層体の周面側に該周面全体を覆うように前記金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側に前記安定化層が積層されてなることが好ましい。
本発明の酸化物超電導線材において、前記金属シード層が、スパッタ法により形成されたCuであり、前記金属製の安定化層が電解めっきにより形成されたCuであることが好ましい。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法は、基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられたAgの安定化基層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の周面側に、少なくとも該酸化物超電導積層体の側面および前記基材側の面を覆うように気相法により形成された金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に電解めっきによる金属製の安定化層が積層されてなる酸化物超電導線材を製造する方法であって、前記酸化物超電導積層体の少なくとも側面および前記基材側の面を被覆する所定の厚さの金属シード層を気相法により形成した後、Cuの電解めっき液に浸漬して電解することによりCuの安定化層を、少なくとも前記金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に形成することを特徴とする。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法は、前記酸化物超電導積層体の全周を被覆する所定の厚さの前記金属シード層を気相法により形成した後、Cuの電解めっき液に浸漬して電解することによりCuの前記安定化層を前記金属シード層の全周に形成することが好ましい。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法において、Cuをスパッタして前記金属シード層を形成することが好ましい。
本発明によれば、基材上に形成されている酸化物超電導層の表面側をAgの安定化基層で覆って保護するとともに、酸化物超電導層の側面側及び基材の裏面側、即ち、酸化物超電導積層体の少なくとも側面および基材側の面を金属シード層で覆って保護するので、電解めっきによる安定化層の形成時に酸化物超電導積層体や中間層の側面側がめっき液による浸漬を受けるおそれが無くなり、超電導特性の劣化を防止できる。
本発明において、酸化物超電導層の側面側及び基材の裏面側とAgの安定化基層の表面側、即ち、酸化物超電導積層体の全周を金属シード層で覆って保護する構成とするならば、金属シード層の外周側に形成する電解めっきによる安定化層の密着性が良くなる。
金属シード層をスパッタ法により形成したCuとし、Cuの電解めっきにより安定化層を形成することにより、電解めっきによる安定化層の密着性をより向上させることができる。
本発明に係る酸化物超電導線材の第1実施形態を示す概略断面図。 図1に示す酸化物超電導線材に組み込まれている酸化物超電導積層体の概略断面図。 図2に示す酸化物超電導積層体の層構造を詳細に示す構成図。 イオンビームアシスト成膜法を実施するための装置構成と成膜状態の一例を示す説明図。 イオンビームスパッタ法により金属シード層を成膜するための成膜装置構成と成膜状態の一例を示す説明図。 イオンビームスパッタ法により金属シード層を成膜するための成膜装置の他例を示す概略斜視図である。 本発明に係る酸化物超電導線材の他の実施形態を示す概略断面図。
以下、本発明に係る酸化物超電導線材の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態の酸化物超電導線材1を模式的に示す概略断面図であり、図2は該酸化物超電導線材1に組み込まれている酸化物超電導積層体2の概略構成図、図3は該酸化物超電導積層体2の積層構造の詳細を示す構成図である。
酸化物超電導積層体2はテープ状の基材3の上に、中間層5と酸化物超電導層6と安定化基層7を積層してなり、この酸化物超電導積層体2を中心部に備え、その全周面を覆うように金属シード層8と電解めっきによる金属製の安定化層9が形成され、安定化層9の全周面を覆うように樹脂製の被覆層10が形成され、酸化物超電導線材1が構成されている。なお、被覆層10は必須ではなく、酸化物超電導線材の使用用途に応じて適宜設けられるものであり、被覆層10を有さない構成とすることもできる。
酸化物超電導積層体2は、より詳細には図3に示す如く、基材3の上面に拡散防止層11とベッド層12と配向層15とキャップ層16とからなる中間層5が積層され、その上に酸化物超電導層6と安定化基層7を積層して構成されているが、図1、図2では図示の簡略化のために中間層5を1層のように描いている。なお、拡散防止層11とベッド層12は必須ではなく、場合によっては略しても良い。
基材3は、通常の超電導線材の基材として使用することができ、高強度であれば良く、長尺のケーブルとするためにテープ状であることが好ましく、耐熱性の金属からなるものが好ましい。例えば、ステンレス鋼、ハステロイ等のニッケル合金等の各種金属材料、もしくはこれら各種金属材料上にセラミックスを配したもの、等が挙げられる。各種耐熱性の金属の中でも、ニッケル合金が好ましい。なかでも、市販品であれば、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)が好適であり、ハステロイとして、モリブデン、クロム、鉄、コバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。基材3の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmの範囲とすることができる。
拡散防止層11は、基材3の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(GdZr)等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。拡散防止層11の厚さが10nm未満となると、基材3の構成元素の拡散を十分に防止できなくなる虞がある。一方、拡散防止層11の厚さが400nmを超えると、拡散防止層11の内部応力が増大し、これにより、他の層を含めて全体が基材3から剥離しやすくなる虞がある。また、拡散防止層11の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すれば良い。
ベッド層12は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層12は、例えば、イットリア(Y)などの希土類酸化物であり、組成式(α2x(β(1−x)で示されるものが例示できる。より具体的には、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等を例示することができる。ベッド層12の厚さは例えば10〜100nmである。また、ベッド層12の結晶性は特に問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すれば良い。
配向層15は、単層構造あるいは複層構造のいずれでも良く、その上に積層されるキャップ層16の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から選択される。配向層15の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。
この配向層15をIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、その上に形成するキャップ層16の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層16の上に成膜する酸化物超電導層6の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できる酸化物超電導層6を得るようにすることができる。
例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる配向層15は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
前記IBAD法による配向層15は例えば図4に示す装置により成膜される。
図4に示す装置は、拡散防止層11とベッド層12を備えたテープ状の基材3をその長手方向に走行するための走行系(図示略)と、その表面が基材3の表面に対して斜めに向いて対峙されたターゲット21と、ターゲット21にイオンを照射するスパッタビーム照射装置22と、基材3の表面に対して斜め方向からイオン(希ガスイオンと酸素イオンの混合イオン)を照射するイオン源23とを有しており、これらの各装置は真空容器(図示略)内に配置されている。
図4に示す装置によって基材3のベッド層12上に配向層15を形成するには、真空容器の内部を減圧雰囲気とし、スパッタビーム照射装置22及びイオン源23を作動させる。これにより、スパッタビーム照射装置22からターゲット21にイオンを照射し、ターゲット21の構成粒子を叩き出すか蒸発させてベッド層12上に堆積する。これと同時に、イオン源23から、希ガスイオンと酸素イオンとの混合イオンを放射し、基材3の表面(ベッド層12)に対して所定の入射角度(θ)で照射する。
このように、ベッド層12の表面に、ターゲット21の構成粒子を堆積させつつ、所定の入射角度でイオン照射を行うことにより、形成されるスパッタ膜の特定の結晶軸がイオンの入射方向に固定され、結晶のc軸が金属基板の表面に対して垂直方向に配向するとともに、結晶のa軸及びb軸が面内において一定方向に配向する。このため、IBAD法によってベッド層12上に形成された配向層15は、高い面内配向度、例えばΔφ=12〜16゜程度を得ることができる。
キャップ層16は、上述のように面内結晶軸が配向した配向層15表面に成膜されることによってエピタキシャル成長し、その後、横方向に粒成長して、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料であれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等が例示できる。キャップ層16の材質がCeOである場合、キャップ層16は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
例えばCeOによって構成される。キャップ層16は、上述のように自己配向していることにより、配向層15よりも更に高い面内配向度、例えばΔφ=4〜6゜程度を得ることができる。
CeO層は、例えば、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができるが、大きな成膜速度を得られる点でPLD法を用いることが望ましい。PLD法によるCeO層の成膜条件としては、基材温度約500〜1000℃、約0.6〜100Paの酸素ガス雰囲気中で行うことができる。
CeO層の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲、より好ましくは100〜5000nmの範囲とすることができる。
酸化物超電導層6は公知のもので良く、REBaCu7−X(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のもの、具体的には、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示することができる。
酸化物超電導層6は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法、化学気相成長法(CVD法)、塗布熱分解法(MOD法)等で積層することができ、なかでも生産性の観点から、PLD(パルスレーザー蒸着)法、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)又はCVD法を用いることができる。
ここで前述のように、良好な配向性を有するキャップ層16上に酸化物超電導層6を形成すると、このキャップ層16上に積層される酸化物超電導層6もキャップ層16の配向性に整合するように結晶化する。よってキャップ層16上に形成された酸化物超電導層6は、結晶配向性に乱れが殆どなく、この酸化物超電導層6を構成する結晶粒の1つ1つにおいては、基材3の厚さ方向に電気を流しにくいc軸が配向し、基材3の長さ方向にa軸どうしあるいはb軸どうしが配向している。従って得られた酸化物超電導層6は、結晶粒界における量子的結合性に優れ、結晶粒界における超電導特性の劣化が殆どないので、基材3の長さ方向に電気を流し易くなり、十分に高い臨界電流密度が得られる。
酸化物超電導層6の上に積層されている安定化基層7はAgなどの良電導性かつ酸化物超電導層6と接触抵抗が低くなじみの良い金属材料からなる層として形成される。
なお、安定化基層7をAgから構成する理由として、酸化物超電導層6に酸素をドープするアニール工程においてドープした酸素を酸化物超電導層6から逃避し難くする性質を有する点を挙げることができる。Agの安定化基層7を成膜するには、スパッタ法などの成膜法を採用し、その厚さを1〜30μm程度に形成できる。
図2、図3に示す構造の酸化物超電導積層体2は、酸化物超電導層6の上面をAgの安定化基層7で覆ってカバーしているが、酸化物超電導層6の両側面側は特に保護されておらず、露出されており、酸化物超電導層6が湿気などにより特性が劣化するおそれがあること、酸化物超電導層6の露出部分に後工程の処理でダメージを与えると、超電導特性が劣化するおそれがあること、などを考慮し、何らかのカバーで保護する必要がある。
本実施形態においては、酸化物超電導層6を保護するために、以下に説明する気相法により形成された金属シード層8と電解めっきによるCuの安定化層9を形成して酸化物超電導積層体2の全周をカバーする構造を採用する。
酸化物超電導積層体2の製造工程についてこれまで説明してきたように、テープ状の長尺の基材3の上に、拡散防止層11、ベッド層12、配向層15、キャップ層16の各層を成膜する過程においては、真空雰囲気において雰囲気を制御して行う成膜法を駆使し、テープ状の長尺の基材3を成膜装置の内部で移動させながら、必要に応じて数100℃の高温度に繰り返し加熱しながら各層を成膜するが、このため、基材3の側面側と裏面側は、繰り返し成膜雰囲気に曝されながら、成膜する層によっては数100℃の高温に加熱される。
このため、基材3の側面側と裏面側には、拡散防止層11、ベッド層12、配向層15、キャップ層16を成膜する工程を経る内に、不要な堆積物や高温生成物などが僅かに付着してしまう。また、基材3を構成する材料がハステロイである場合、基材3上に各層を成膜する際の加熱により、基材3の表面が酸化されてしまう。そのため、基材3の側面側と裏面側は、電解めっきの付きが特に悪いことを勘案し、気相法により金属シード層8をテープ状の酸化物超電導積層体2の全周(周面全体)を覆うように必要な厚さ形成する。
ここで、酸化物超電導積層体2を金属シード層8で被覆する前に、基材3の裏面側に付着した不純物や酸化物を逆スパッタにより除去することも好ましい。
金属シード層8を構成する材料としては、良導電性の金属が好ましく、Cu、Alなどが挙げられ、高い導電性を有するためCuが特に好ましい。
金属シード層8は気相法で形成されており、気相法としては、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法等の物理的蒸着法、化学気相成長法(CVD法)が挙げられるが、比較的簡便に成膜が可能であり、コストも安価であるため、スパッタ法が特に好ましい。スパッタ法としては、イオンビームスパッタ法、DC(直流)スパッタ法、RF(高周波)スパッタ法、マグネトロンスパッタ法のいずれの方法でもよい。
酸化物超電導積層体2の全周を覆うようにCuをスパッタして金属シード層8を形成し、次に、金属シード層8の全周を覆うようにCuを電解めっきして安定化層9を形成するならば、金属シード層8と安定化層9の密着性を向上させることができる。
スパッタ法により金属シード層8を形成する方法の一例として、イオンビームスパッタ法によりCuをスパッタして金属シード層8を成膜する方法について説明する。
図5は、イオンビームスパッタ法により酸化物超電導積層体2の全周を覆うようにCuを成膜する場合に使用される成膜装置の一例の要部を示す概略構成図である。
図5に示す成膜装置は、基材3と中間層5と酸化物超電導層6と安定化基層7がこの順に積層されて構成された、テープ状の酸化物超電導積層体2をその長手方向に走行するための走行系(図示略)と、その表面が酸化物超電導積層体2の安定化基層7側の表面に対して斜めに向いて対峙された第1のターゲット31Aと、第1のターゲット31Aにイオンを照射する第1のスパッタビーム照射装置32Aと、その表面が酸化物超電導積層体2の基材3側の表面に対して斜めに向いて対峙された第2のターゲット31Bと、第2のターゲット31Bにイオンを照射する第2のスパッタビーム照射装置32Bとを有しており、これらの各装置は真空容器(図示略)内に配置されている。なお、図5においては、図面を見やすくするために中間層5と酸化物超電導層6は省略されている。
図5に示す成膜装置によって酸化物超電導積層体2の全周を覆うように金属シード層8を形成するには、真空容器の内部を減圧雰囲気とし、第1のスパッタビーム照射装置32A及び第2のスパッタビーム照射装置32Bを作動させる。これにより、第1のスパッタビーム照射装置32Aから第1のターゲット31Aにイオンを照射し、第1のターゲット31Aの構成粒子であるCuを叩き出すか蒸発させて酸化物超電導積層体2の安定化基層7側の表面上に堆積するとともに、第2のスパッタビーム照射装置32Bから第2のターゲット31Bにイオンを照射し、第2のターゲット31Bの構成粒子であるCuを叩き出すか蒸発させて酸化物超電導積層体2の基材3側の表面上に堆積する。この際、酸化物超電導積層体2の厚さは、通常数100μm程度と薄いため、第1のターゲット31A及び第2のターゲット31Bより叩き出されたCu粒子は、酸化物超電導積層体2の側面側にもまわり込むため、酸化物超電導積層体2の全周に亘ってCuがスパッタされる。
なお、図5に示す成膜装置では、第1のターゲット31Aおよび第2のターゲット31Bは、夫々、酸化物超電導積層体2の表面に対して斜めに向いて対峙された例を示しているが、本発明はこの例に限定されない。前述の如く、酸化物超電導積層体2の厚さは数100μm程度と薄いため、第1のターゲット31Aおよび第2のターゲット31Bを酸化物超電導積層体2に対向配置しても、第1のターゲット31A及び第2のターゲット31Bより叩き出されたCu粒子は、酸化物超電導積層体2の側面側にもまわり込むため、酸化物超電導積層体2の全周に亘ってCuがスパッタされる。
また、イオンビームスパッタ法により金属シード層8を形成する方法は、図5に示す成膜装置を使用するものに限られず、例えば、図6に示すような構成の成膜装置50を用いて金属シード層8を形成することも好ましい。
図6は、イオンビームスパッタ法により酸化物超電導積層体2の全周を覆うように金属シード層8を形成する場合に使用される成膜装置の他例を示す概略斜視図である。以下の説明においても、スパッタ法により金属シード層8を形成する方法の他の例として、図6に示す成膜装置を使用してCuをスパッタして金属シード層8を成膜する方法について説明する。
図6に示す成膜装置50は、基材3と中間層5と酸化物超電導層6と安定化基層7がこの順に積層されて構成されたテープ状の酸化物超電導積層体2を、長手方向に走行させて連続成膜することができる装置である。
成膜装置50は、テープ状の酸化物超電導積層体2を巻回するリール等の巻回部材を複数個同軸的に配列してなり、離間して対向配置された一対の第1ロール54、第2ロール55より構成される酸化物超電導積層体2が走行する走行系51と、走行系51に酸化物超電導積層体2を送り出す送出リール52と、走行系51から排出される酸化物超電導積層体2を巻き取る巻取リール53と、酸化物超電導積層体2に対して金属シード層8を形成する第1の成膜系56及び第2の成膜系57とを備えている。成膜装置50は真空容器S1に収容されており、真空容器S1には真空排気装置S2が接続され、この真空排気装置S2により真空容器S1内を所定の圧力に減圧するようになっている。
第1の成膜系56と第2の成膜系57は、走行系51を走行する酸化物薄膜積層体2を挟んで対向配置されている。第1の成膜系56は、第1ロール54側から第2ロール55側に向かう直線経路(図6中、矢印Aで示す順方向の往路)を走行する酸化物超電導積層体2の安定化基層7と対向するように配置された第1のターゲット56aと、第1のターゲット56aにイオンを照射する第1のスパッタビーム照射装置56bとを備え、第2の成膜系57は、第2ロール55側から第1ロール54側に向かう直線経路(図6中、矢印Bで示す逆方向の復路)を走行する酸化物超電導積層体2の安定化基層7と対向するように配置された第2のターゲット57aと、第2のターゲット57aにイオンを照射する第2のスパッタビーム照射装置57bとを備えている。第1のターゲット56a及び第2のターゲット57aは、Cuなどの目的とする金属シード層8の材質に応じた金属材料により構成されている。
この形態では、第1ロール54は、送出リール52と巻取リール53との間に設けられ、第2ロール55は、第1ロール54と離間して対向配置されている。この形態において、第1ロール54と第2ロール55はそれらの回転中心軸を鉛直向きとして配置され、第1ロール54の周面と第2ロール55の周面にはテープ状の酸化物超電導積層体2が、これらの間を複数ターン相互に離間しながら周回するように巻き付けられ、この周回された酸化物超電導積層体2は、安定化基層7の表面を外周側にして複数周(図6に示す例では7周)、各周がレーストラック状になるように複数列が互いに離間して並設した状態で掛け渡されている。
第1ロール54、第2ロール55、送出リール52及び巻取リール53を駆動装置(図示略)により互いに同期して駆動させることにより、送出リール52から送り出された酸化物超電導積層体2が第1ロール54の周面上に供給され、第1ロール54及び第2ロール55にガイドされて各周においてレーストラック状に複数周走行した後、巻取リール53に巻き取られるようになっている。酸化物超電導積層体2が走行系51をレーストラック状に走行している間、酸化物超電導積層体2には、第1の成膜系56及び第2の成膜系57によって、夫々、イオンの照射により第1のターゲット56a及び第2のターゲット57aから叩き出すか蒸発された各ターゲット56a、57aの構成粒子であるCuが成膜される。
図6に示す構成の成膜装置50を用いてテープ状の酸化物超電導積層体2の全周を覆うように金属シード層8を成膜するには、第1のターゲット56a及び第2のターゲット57aを所定の位置に設置し、次いで、送出リール52に巻回されている酸化物超電導積層体2を引き出しながら、第1ロール54及び第2ロール55に順次、相互に離間するように複数ターン巻回し、その後、酸化物超電導積層体2の先端側を巻取リール53に巻き取り可能に取り付ける。
これによって、走行系51である一対の第1ロール54及び第2ロール55に巻回された酸化物超電導積層体2が、第1ロール及び第2ロールを周回し、第1のターゲット57aに対向する位置および第2のターゲット56aに対向する位置に複数列並んで移動するようになる。その後、真空排気装置を駆動し、真空容器内を減圧する。
次に、駆動手段(図示略)を作動させて、第1ロール54、第2ロール55、送出リール52及び巻取リール53を互いに同期して駆動させることにより、走行系51に酸化物超電導積層体2を走行させるとともに、第1のスパッタビーム照射装置56b及び第2のスパッタビーム照射装置57bを作動させる。
これにより、第1のスパッタビーム照射装置56bから第1のターゲット56aにイオンを照射し、第1のターゲット56aの構成粒子であるCuを叩き出すか蒸発させて、第1の成膜系56を図6中矢印A方向に走行中の酸化物超電導積層体2の安定化基層7側の表面上に堆積するとともに、第2のスパッタビーム照射装置57bから第2のターゲット57aにイオンを照射し、第2のターゲット57aの構成粒子であるCuを叩き出すか蒸発させて、第2の成膜系57を図6中矢印B方向に走行中の酸化物超電導積層体2の安定化基層7側の表面上に堆積する。
この際、走行系51を走行する酸化物超電導積層体2は、図6に示す如く互いに離間して複数レーンが並設した状態で第1ロール54、第2ロール55に複数周掛け渡されている。そのため、イオンの照射により第1のターゲット56aから叩き出されるか蒸発された第1のターゲット56aの構成粒子であるCuは、第1の成膜系56を走行中の複数列が互いに離間して並設された酸化物超電導積層体2間の隙間を通り抜けて、第1の成膜系56と走行系51を介して対向する第2の成膜系57を走行中の酸化物超電導積層体2の裏面まで到達し、第2の成膜系57を走行中の酸化物超電導積層体2の裏面上(基材3側)に堆積する。同様に、イオンの照射により第2のターゲット57aから叩き出されるか蒸発された第2のターゲット57aの構成粒子であるCuは、第2の成膜系57を走行中の複数列が互いに離間して並設された酸化物超電導積層体2間の隙間を通り抜けて、第2の成膜系57と走行系51を介して対向する第1の成膜系56を走行中の酸化物超電導積層体2の裏面まで到達し、第2の成膜系56を走行中の酸化物超電導積層体2の裏面上(基材3側)に堆積する。また、酸化物超電導積層体2の厚さは、通常数100μm程度と薄いため、第1のターゲット56a及び第2のターゲット57aより叩き出されたCu粒子は、酸化物超電導積層体2の側面側にもまわり込むため、酸化物超電導積層体2の全周に亘ってCuがスパッタされる。
酸化物超電導積層体2は、走行系51を走行中にその全周に亘ってCuの金属シード層8が形成された後、巻取リール53に巻き取られる。
以上の工程により、酸化物超電導積層体2の全周を覆うように金属シード層8を形成することができる。
図6に示す構成の成膜装置50を使用して金属シード層8を形成するならば、イオンの照射により第1のターゲット56a及び第2のターゲット57aから叩き出すか蒸発された各ターゲット56a、57aの構成粒子であるCuを、良好な収率で酸化物超電導積層体2の表面、裏面、及び両側面に堆積させることができ、生産工程の短縮化、及びターゲットの有効利用が可能となる。
ここで形成する金属シード層8の膜厚は、5〜200nmの範囲であることが好ましく、20〜100nmの範囲であることがより好ましい。
金属シード層8の膜厚が5nm未満では、薄すぎるため、電解めっきによりCuの安定化層9を形成する際、所定の電流密度で電解めっきを行うためには大きな電圧をかける必要があり電解めっき工程の安全性を考慮すると好ましくない。また、金属シード層8の膜厚が5nm未満では、薄すぎて、酸化物超電導積層体2の全周を覆う場合に特に基材3の裏面側にムラが出やすく、金属シード層8に厚さムラが生じた場合は、金属シード層8の上に電解めっきによりCuの安定化層9を形成する際、電解集中を生じて電解めっきに支障を来たすとともに、電解めっきのムラの原因となる。
金属シード層8の膜厚が、200nmを超える場合、スパッタ法により金属シード層8を形成するには長時間を要するため、生産性が低下するため好ましくない。
上記の如く酸化物超電導積層体2の全周を覆うように金属シード層8を形成した線材を、硫酸銅水溶液等の電解めっき槽に浸漬させて電解めっきを行うことにより、金属シード層8の全周を覆ってCuの安定化層9を形成することができる。安定化層9の厚さは特に限定されず、適宜変更可能であるが、10〜300μm程度とすることが好ましい。下限値以上とすることにより酸化物超電導層6を安定化する一層高い効果が得られ、上限値以下とすることで酸化物超電導線材1を薄型化できる
以上説明した本実施形態の酸化物超電導線材1によれば、基材3上に中間層5を介し形成されている酸化物超電導層6の表面側をAgの安定化基層7で覆って保護するとともに、酸化物超電導層6の両側面側及び基材3の裏面側とAgの安定化基層7の表面側、即ち、酸化物超電導積層体2の全周をCuの金属シード層8で覆って保護するので、Cuの電解めっきを行う場合の硫酸銅水溶液に浸漬して電解処理する安定化層9の形成時、酸化物超電導積層体2の両側面、即ち、中間層15の両側面側、具体的には、拡散防止層11とベッド層12と配向層15とキャップ層16の両側面側と酸化物超電導層6の両側面側がいずれも硫酸銅水溶液による浸漬を受けるおそれが無くなり、超電導特性の劣化を防止できる。また、酸化物超電導積層体2の全周面を気相法により形成されたCuの金属シード層8と電解めっきによるCuの安定化層9で完全に覆うことができるので、酸化物超電導線材1を湿分の雰囲気中で長期間使用しても湿分が酸化物超電導層6側に侵入するおそれを回避することができ、酸化物超電導線材1の特性劣化も防止できる。さらに、酸化物超電導層6の表面側のみにAgの安定化基層7を設けた構成とすることにより、Agの使用量を抑えてコストアップを避けることができる。
本実施形態の酸化物超電導線材1にあっては、酸化物超電導積層体2のほぼ全周を気相法により形成されたCuの金属シード層8がムラ無く覆うので、金属シード層8の外周側に電解めっきを行う場合の電解めっきの付きが良くなり、ムラのない電解めっきができるので、酸化物超電導積層体2の全周に亘って厚さムラのない安定化層9の形成ができ、且つ安定化層9の密着性も良くなる。また、本実施形態の酸化物超電導線材1は、前記のように酸化物超電導積層体2の全周に亘って厚さが均一な安定化層9が形成されているため、酸化物超電導層6が常電導状態へと遷移しようとした場合に、酸化物超電導層6の電流を安定化層9へと転流させることで、酸化物超電導線材1の全周に均一に電流を流すことができる。
さらに、金属シード層8の厚さを5〜200nmの好適な範囲とすることにより、酸化物超電導積層体2の側面側の保護が充分であって、電解めっき時に安定的なめっきが全周に可能であり、ムラのない電解めっき層である安定化層9を備えた酸化物超電導線材1を得ることができる。
また、本実施形態の酸化物超電導線材1と、Ag層上のみにCuテープを貼り合わせて安定化層を形成した従来の酸化物超電導線材を比較すると、本実施形態の酸化物超電導線材1は、酸化物超電導積層体2の両側面側にも安定化層9が形成されていることにより、酸化物超電導層6が超電導状態から常電導状態へと遷移しようとした場合に、酸化物超電導層6の電流を転流させるバイパスとして機能するに十分な断面積の安定化層9を、従来の酸化物超電導線材よりも薄い線材厚みで実現できる。具体的には、例えば、厚さ112μm、幅0.1mmの酸化物超電導積層体に、断面積3mmのCuの安定化層を形成する場合、得られる酸化物超電導線材の厚さを表1に示す。なお、表1において、Cuの断面積および厚さは、Cuにより形成された金属シード層と安定化層の断面積および厚さの合計を示す。表1から明らかなように、本実施形態の酸化物超電導線材1によれば、酸化物超電導層6を安定化しつつ、線材を薄型化することができる。
Figure 2012043734
次に、本発明に係る酸化物超電導線材およびその製造方法の他の実施形態について説明する。
図7は、本発明に係る他の実施形態の酸化物超電導線材1Bを模式的に示す概略断面図である。図7に示す酸化物超電導線材1Bにおいて、図1に示す第1実施形態の酸化物超電導線材1と同じ構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図7に示す本実施形態の酸化物超電導線材1Bは、酸化物超電導積層体2の側面および基材3側の面(基材3の裏面)を覆うように金属シード層8Bが形成され、金属シード層8Bの外周面と金属安定化基層7の上面を覆うように電解めっきによる金属製の安定化層9が形成され、さらに、安定化層9の全周面を覆うように樹脂製の被覆層10が形成されて構成されている。なお、被覆層10は必須ではなく、酸化物超電導線材の使用用途に応じて適宜設けられるものであり、被覆層10を有さない構成とすることもできる。
図7に示す酸化物超電導線材1Bは、上記した第1実施形態の酸化物超電導線材1とは、安定化基層7の上面に金属シード層8が設けられておらず、安定化層9が設けられている点で異なっている。
本実施形態の酸化物超電導線材1Bは、基材3上に中間層5を介し形成されている酸化物超電導層6の表面側をAgの安定化基層7で覆って保護するとともに、酸化物超電導層6の両側面側及び基材3の裏面側を金属シード層8Bで覆って保護するので、Cuの電解めっきを行う場合の硫酸銅水溶液に浸漬して電解処理する安定化層9の形成時、酸化物超電導積層体2の両側面、即ち、酸化物超電導層6の両側面側が硫酸銅水溶液による浸漬を受けるおそれが無くなり、上記した第1実施形態の酸化物超電導線材1と同様に、超電導特性の劣化を防止できる。
また、酸化物超電導積層体2の全周面を電解めっきによるCuの安定化層9で完全に覆うことができるので、酸化物超電導線材1Bを湿分の雰囲気中で長期間使用しても湿分が酸化物超電導層6側に侵入するおそれを回避することができ、酸化物超電導線材1Bの特性劣化も防止できる。さらに、酸化物超電導層6の表面側のみにAgの安定化基層7を設けた構成とすることにより、Agの使用量を抑えてコストアップを避けることができる。
本実施形態の酸化物超電導線材1Bを製造するには、テープ状の基材3上に中間層5、酸化物超電導層6、及び安定化基層7が、順次積層された酸化物超電導積層体2を準備し、この酸化物超電導積層体2の側面および基材3側の面、即ち、基材3の側面、中間層5の側面、酸化物超電導層6の側面、安定化基層7の側面、および基材3の裏面に、金属シード層8Bを気相法により形成する。
金属シード層8Bを形成する気相法としては、上記した第1実施形態と同様の方法が挙げられるが、本実施形態の酸化物超電導線材1Bは、安定化基層7の上面に金属シード層8Bが形成されない構成であるため、酸化物超電導積層体2の基材3側及び側面側のみが成膜されるようにして金属シード層8Bを形成する必要がある。具体的には、図5に示す成膜装置を用いて金属シード層8Bを形成する場合は、酸化物超電導積層体2の安定化基層7側に対向配置された第1のターゲット31A及び第1のスパッタビーム照射装置32Aは使用せず、酸化物超電導積層体2の基材3側に対向配置された第2のターゲット31B及び第2のスパッタビーム照射装置32Bのみを用いて成膜する。このように酸化物超電導積層体2の基材3側より成膜することにより、第2のターゲット31Bより叩き出されたスパッタ粒子(Cu粒子)は、厚さ数100μm程度と薄い酸化物超電導積層体2の側面側にまで回り込むため、酸化物超電導積層体2の基材3側及び側面側を覆うように金属シード層8Bを形成することができる。
また、図6に示す成膜装置を用いて金属シード層8Bを形成する場合は、酸化物超電導積層体2がレーストラック状に走行する走行系51の内側(すなわち、第1ロール54と第2ロール55の間)に、ターゲットを酸化物超電導積層体2の基材3側と対向するように配置し、このターゲットにスパッタビームを照射して、ターゲットより叩き出されたスパッタ粒子(Cu粒子)を酸化物超電導積層体2の基材3側及び側面側に堆積させて、金属シード層8Bを形成する。なお、図6に示す成膜装置を用いて金属シード層8Bを形成する場合、ターゲット及びスパッタビーム照射装置の数は特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
次に、酸化物超電導積層体2の側面および基材3側の面に金属シード層8Bを形成した線材を、硫酸銅水溶液等の電解めっき槽に浸漬させて電解めっきを行うことにより、金属シード層8の外周及び安定化基層7の上面を覆ってCuの安定化層9を形成することができる。安定化層9の厚さは、上記した第1実施形態の安定化層9と同様の範囲とすることができる。
以上の工程により、基材3上に中間層5を介し形成されている酸化物超電導層6の表面側をAgの安定化基層7で覆って保護するとともに、酸化物超電導層6の両側面側及び基材3の裏面側を金属シード層8Bで覆って保護し、さらに、金属シード層8Bの外周及び安定化基層7の上面を安定化層9で覆って保護した酸化物超電導線材1を製造することができる。
以上、本発明の酸化物超電導線材およびその製造方法について説明したが、上記実施形態において、酸化物超電導線材の各部、酸化物超電導線材の製造方法に使用する装置を構成する各部は一例であって、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
「実施例1」
ハステロイC276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ1000mmのテープ状の基材を用意し、このテープ状基材の表面を平均粒径3μmのアルミナ砥粒を用いて研磨し、表面を鏡面に仕上げた。
このテープ基材をエタノール、アセトンの有機溶剤を用いて脱脂、洗浄した。
次に、イオンビームスパッタ法を用いてテープ基材の表面にAlからなる厚さ100nmの拡散防止層を形成し、更にその上にイオンビームスパッタ法を用いてYからなる厚さ30nmのベッド層を形成した。イオンビームスパッタ法の実施にあたりテープ状の基材はスパッタ装置の内部においてリールに巻回しておき、一方のリールから他方のリールに繰り出す間に成膜できるようにしてテープ状基材の全長にわたり、拡散防止層とベッド層を形成した。
次に、図4に示す構造のイオンビームアシストスパッタ装置を用いてIBAD法を実施し、イオンビームアシスト蒸着によりベッド層上に厚さ5〜10nmのMgOの配向層を形成した。この場合、アシストイオンビームの入射角度は、テープ状基材成膜面の法線に対し、45゜とした。IBAD法の実施にあたりテープ状の基材はスパッタ装置の内部においてリールに巻回しておき、一方のリールから他方のリールに繰り出す間に成膜できるようにしてテープ状基材の全長にわたり、MgOの配向層を形成した。
続いてパルスレーザー蒸着法(PLD法)を用いてMgOの配向層上にCeOの厚さ500nmのキャップ層を形成した。更に、このキャップ層上にパルスレーザー蒸着法によりGdBaCu7−xの厚さ1μmの酸化物超電導層を形成した。パルスレーザー蒸着法の実施にあたり成膜装置内部でテープ状の基材をリールからリールへ供給する間に成膜するようにした
次に、スパッタ法により酸化物超電導層上に厚さ10μmのAgの安定化基層を形成した。このスパッタ法においてもテープ状の基材をリールからリールへ供給する間に成膜できるようにしている。次に、酸素アニールを500℃で10時間行い、26時間炉冷後、取り出した。以上の方法により、テープ状の長尺の基材上に拡散防止層とベッド層と配向層とキャップ層と酸化物超電導層と安定化基層を備えた構造の酸化物超電導積層体を作製した。
次いで、図6に示す構造のイオンビームスパッタ装置を用いて、スパッタ法により前記酸化物超電導積層体の全周にCuからなる厚さ20nmの金属シード層を形成した。イオンビームスパッタ法の実施にあたりテープ状の酸化物超電導積層体はスパッタ装置の内部においてリールに巻回しておき、一方のリールから他方のリールに繰り出す間に成膜できるようにしてテープ状の酸化物超電導積層体の全周、全長にわたり、Cuの金属シード層を形成した。なお、Cuのスパッタは、無酸素雰囲気中、ビーム電流200mA、ビーム電圧1200V、アクセレレーター電圧200V、成膜時間2分で行った(図6に示す成膜装置50において、酸化物超電導積層体が、第1の成膜系56及び第2の成膜系57を走行するの総走行時間を成膜時間とした。)。
次に、Cuの金属シード層形成後の酸化物超電導積層体を硫酸銅水溶液のめっき液中に浸漬して電解Cuめっきを行い、厚さ75μmのCuの電解めっき層を形成した。硫酸銅水溶液に浸漬する際、Cuの金属シード層を備えた酸化物超電導積層体をリールから繰り出して電解めっき液に浸漬後、めっき液から引き出して他のリールに巻き取るようにして金属シード層を備えたテープ状の酸化物超電導積層体の全長にわたり、Cuの電解めっき層からなる安定化層を形成した。なお、Cuの電解めっきは、被めっき体の電流密度が9A/dmとなるように設定し、電解めっき浴温度26〜28℃、浸漬時間19.3分で行った。なお、電解めっき浴への浸漬時間6.3分の時点では、厚さ25μmのCuの電解めっき層が形成されていた。以上の工程により、実施例1の酸化物超電導線材を作製した。
「比較例1」
スパッタ法によりCuの金属シード層を作製しないこと以外は、実施例1と同様にして酸化物超電導線材を作製した。比較例1では、酸化物超電導積層体のAgの安定化基層上には厚さ75μmのCuの電解めっき層からなる安定化層が形成されていたが、酸化物超電導積層体の基材側や側面側のCuの電解めっき層の厚さは10〜50μmとAgの安定化基層上のCuの電解めっき層よりも薄くなっており、且つ、厚い部分と薄い部分でバラつきがあり、酸化物超電導積層体の全周に亘って均一にCuの安定化層を形成することができなかった。
「比較例2」
実施例1と同様にして酸化物超電導積層体を作製した。
次に、作製した酸化物超電導積層体の全周に、表2に示す条件でCuを無電解めっきして、厚さ10μmの無電解めっき層を形成した。続いて、硫酸銅水溶液への浸漬時間を16.7分としたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ65μmのCuの電解めっき層を形成した。
Figure 2012043734
実施例1、比較例1および2で作製した酸化物超電導線材について、Cuの電解めっき層である安定化層の密着性や厚さの均一性を評価した。
実施例1の酸化物超電導線材は、機械的に折り曲げても、Cuの電解めっき層に歪みが発生したり、剥離が起こることが無く、Cuの電解めっき層の密着性が良好であった。また、実施例1の酸化物超電導線材は、酸化物超電導積層体の全周に亘って均一に75μmの電解めっき層が形成されていた。
比較例1の酸化物超電導線材は、機械的に折り曲げるとCuの電解めっき層に歪みが発生し、密着性は実施例1の酸化物超電導線材よりも劣っていた。また、比較例1の酸化物超電導線材は、酸化物超電導積層体のAgの安定化基層上には厚さ75μmのCuの電解めっき層からなる安定化層が形成されていたが、酸化物超電導積層体の基材側や側面側のCuの電解めっき層の厚さは10〜50μmとAgの安定化基層上のCuの電解めっき層よりも薄くなっており、且つ、厚い部分と薄い部分でバラつきがあり、酸化物超電導積層体の全周に亘って均一にCuの安定化層を形成することができなかった。
比較例2の酸化物超電導線材は、Cuの電解めっき層が密着しておらず、ところどころ剥離していた。また、電解めっき層の厚さも不均一であった。
以上の結果より、酸化物超電導積層体の外周を覆うように気相法により金属シード層を形成し、この金属シード層の外周に電解めっきにより安定化層を形成することにより、安定化層の密着性が良好な酸化物超電導線材を提供することができることが明らかとなった。また、本発明によれば、安定化層を全周に亘って均一な厚みで形成することができることが明らかとなった。
本発明は、例えば超電導モータ、限流器など、各種電力機器に用いられる酸化物超電導線材に利用することができる。
1、1B…酸化物超電導線材、2…酸化物超電導積層体、3…基材、5…中間層、6…酸化物超電導層、7…安定化基層、8、8B…金属シード層、9…安定化層(電解めっき層)、10…被覆層、11…拡散防止層、12…ベッド層、15…配向層、16…キャップ層、21…ターゲット、22…スパッタビーム照射装置、23…イオン源、31A…第1のターゲット、31B…第2のターゲット、32A…第1のスパッタビーム照射装置、32B…第2のスパッタビーム照射装置、50…成膜装置、51…走行系、52…送出リール、53…巻取リール、54…第1ロール、55…第2ロール、56…第1の成膜系、56a…第1のターゲット、56b…第1のスパッタビーム照射装置、57…第2の成膜系、57a…第2のターゲット、57b…第2のスパッタビーム照射装置、S1…真空容器、S2…真空排気装置。

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられたAgの安定化基層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の周面側に、少なくとも該酸化物超電導積層体の側面および前記基材側の面を覆うように気相法により形成された金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に電解めっきによる金属製の安定化層が積層されてなることを特徴とする酸化物超電導線材。
  2. 前記酸化物超電導積層体の周面側に該周面全体を覆うように前記金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側に前記安定化層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材。
  3. 前記金属シード層が、スパッタ法により形成されたCuであり、前記金属製の安定化層が電解めっきにより形成されたCuであることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物超電導線材。
  4. 基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と、該酸化物超電導層上に設けられたAgの安定化基層とを備えて酸化物超電導積層体が構成され、該酸化物超電導積層体の周面側に、少なくとも該酸化物超電導積層体の側面および前記基材側の面を覆うように気相法により形成された金属シード層が被覆され、該金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に電解めっきによる金属製の安定化層が積層されてなる酸化物超電導線材を製造する方法であって、前記酸化物超電導積層体の少なくとも側面および前記基材側の面を被覆する所定の厚さの金属シード層を気相法により形成した後、Cuの電解めっき液に浸漬して電解することによりCuの安定化層を、少なくとも前記金属シード層の外周側および前記安定化基層の上面側に形成することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。
  5. 前記酸化物超電導積層体の全周を被覆する所定の厚さの前記金属シード層を気相法により形成した後、Cuの電解めっき液に浸漬して電解することによりCuの前記安定化層を前記金属シード層の全周に形成することを特徴とする請求項4に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  6. Cuをスパッタして前記金属シード層を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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