JP2010176892A - 超電導線材および超電導線材の製造方法 - Google Patents

超電導線材および超電導線材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導線材の歩留まりを向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる超電導線材および超電導線材の製造方法を提供する。
【解決手段】金属基板と、金属基板上に設置された中間層と、中間層上に設置された超電導層と、超電導層上に設置された第1の銀安定化層と、金属基板と中間層と超電導層と第1の銀安定化層とを含む積層体の外表面の少なくとも一部を覆う第2の銀安定化層とを備えた超電導線材とその製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材および超電導線材の製造方法に関し、特に、超電導線材の歩留まりを向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる超電導線材および超電導線材の製造方法に関する。
現在、パウダーインチューブ法で作製されたBi2223相などを主成分とするビスマス系の超電導体を用いた超電導線材(以下、「ビスマス系の超電導線材」ということもある。)と、金属基板上に気相法あるいは液相法で形成されたRE123系の超電導体を用いた超電導線材(以下、「RE123系の超電導線材」ということもある。)との2種類の超電導線材の開発が特に進められている。
このうちRE123系の超電導線材は、液体窒素温度(77.3K)での臨界電流密度がビスマス系の超電導線材よりも高いという利点を有している。また、RE123系の超電導線材は、低温下および一定磁場下における臨界電流値が高いという利点も有している。そのため、RE123系の超電導線材は次世代の高温超電導線材として期待されている。
以下、従来のRE123系の超電導線材の製造方法について説明する(たとえば、特許文献1参照)。
まず、図14の模式的断面図に示すように、ハステロイC−276からなる基材101上に、RFスパッタ法によって、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)などからなる中間層102を形成する(特許文献1の段落[0021]参照)。
次に、図15の模式的断面図に示すように、中間層102上に、レーザ蒸着法によって、Y1Ba2Cu37-x系などのRE123系の超電導体からなる酸化物超電導層103を形成する(特許文献1の段落[0021]参照)。
次に、図16の模式的断面図に示すように、酸化物超電導層103上に、スパッタリング法によって、銀からなる下地安定化薄膜104を形成する(特許文献1の段落[0023]参照)。その後、基材101と中間層102と酸化物超電導層103と下地安定化薄膜104との積層体である素導体106について酸素ガスを含む雰囲気中で熱処理を施す(特許文献1の段落[0023]参照)。
その後、図17の模式的断面図に示すように、素導体106の下地安定化薄膜104上に、電気めっき法によって、銅からなる安定化層105を形成する(特許文献1の段落[0024]参照)。ここで、安定化層105の形成に用いられるめっき液はシアン系の組成のものが用いられる。
最後に、安定化層105の形成後の素導体106を窒素ガス雰囲気中で熱処理することによって、テープ状のRE123系の超電導線材が製造される(特許文献1の段落[0024]参照)。
特開平7−73759号公報
上記の従来のRE123系の超電導線材の製造方法において、銅などの安定化層105の形成前の素導体106は、たとえば図18の模式的平面図に示すように、素導体106の長手方向に沿ってスリット加工されることによって幅が低減された素導体本体部106aと素導体耳部106bとに分割される。その後、素導体耳部106bは廃棄されるが、素導体本体部106aはめっき液中に浸漬されて、電気めっき法により、安定化層105が形成されることになる。
ここで、素導体106のスリット加工は、たとえば図19の模式的側面図に示すように、従来から公知のギャングスリッタを用いて、ブロック上刃107aを素導体106の上面から下方へ押し付けると同時にブロック下刃107bを素導体106の下面から上方へ押し付けて素導体106を切断することによって行なわれる。
図20に、ギャングスリッタを用いて素導体106を切断して得られた素導体本体部106aの模式的な断面図を示す。ここで、素導体本体部106aの下地安定化薄膜104の側部にはギャングスリッタを用いた切断により歪(引張応力)が生じている。
しかしながら、そのような歪(引張応力)が生じている状態の素導体本体部106aをシアン系のめっき液に浸漬させた場合には、酸化物超電導層103がめっき液により溶解して下地安定化薄膜104の歪(引張応力)が開放される。これにより、図21の模式的断面図に示すように、下地安定化薄膜104が剥がれてしまい、超電導線材として使用することができないという問題があった。
RE123系の超電導線材の製造においては、上記のような問題をできる限り排除して超電導線材の歩留まりを向上させるとともに、製造コストを低減することも求められている。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、超電導線材の歩留まりを向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる超電導線材および超電導線材の製造方法を提供することにある。
本発明は、金属基板と、金属基板上に設置された中間層と、中間層上に設置された超電導層と、超電導層上に設置された第1の銀安定化層と、金属基板と中間層と超電導層と第1の銀安定化層とを含む積層体の外表面の少なくとも一部を覆う第2の銀安定化層とを備えた超電導線材である。
ここで、本発明の超電導線材においては、第2の銀安定化層の外表面の少なくとも一部を覆う銅安定化層をさらに備えていてもよい。
また、本発明は、金属基板上に中間層を形成する工程と、中間層上に超電導層を形成する工程と、超電導層上に第1の銀安定化層を形成する工程と、金属基板と中間層と超電導層と第1の銀安定化層とを含む積層体の外表面の少なくとも一部を覆う第2の銀安定化層を形成する工程とを含む超電導線材の製造方法である。
また、本発明の超電導線材の製造方法においては、第2の銀安定化層を形成する工程において、第2の銀安定化層は、電気めっき法により形成されることが好ましい。ここで、第2の銀安定化層は、中性シアン浴を用いて形成されることが好ましい。また、第2の銀安定化層は、10A/dm2以上の電流密度で形成されることが好ましい。
また、本発明の超電導線材の製造方法においては、第1の銀安定化層を形成する工程において、第1の銀安定化層は物理蒸着法により形成することができる。
また、本発明の超電導線材の製造方法においては、第2の銀安定化層を形成する工程の前に積層体をスリット加工する工程を含むことが好ましい。
また、本発明の超電導線材の製造方法は、第2の銀安定化層の外表面の少なくとも一部を覆う銅安定化層を電気めっき法により形成する工程を含んでいてもよい。ここで、銅安定化層は、5A/dm2以上の電流密度で形成されることが好ましい。
本発明によれば、超電導線材の歩留まりを向上させることができるとともに、製造コストを低減することができる超電導線材および超電導線材の製造方法を提供することができる。
(a)は本発明の超電導線材の一例の模式的な平面図であり、(b)は(a)の1b−1bに沿った模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材の製造方法の一例のフローチャートである。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材の製造方法の一例の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材の製造方法の一例の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材の製造方法の一例の製造工程のさらに他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材の製造方法の一例の製造工程のさらに他の一部を図解する模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材に用いられる積層体をスリット加工する方法を図解する模式的な平面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材に用いられる積層体のスリット加工後の積層体に対して電気めっき法により第2の銀安定化層を形成する方法の一例を図解する模式図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材に用いられる積層体のスリット加工後の積層体に対して電気めっき法により第2の銀安定化層を形成している途中の状態を図解する模式的な断面図である。 図1(a)および図1(b)に示す超電導線材に用いられる積層体のスリット加工後の積層体に対して電気めっき法により第2の銀安定化層を形成した後の状態を図解する模式的な断面図である。 (a)は本発明の超電導線材の他の一例の模式的な平面図であり、(b)は(a)の11b−11bに沿った模式的な断面図である。 図11(a)および図11(b)に示す超電導線材の製造方法の他の一例のフローチャートである。 図11(a)および図11(b)に示す超電導線材に用いられる積層体のスリット加工後の積層体に対して電気めっき法により第2の銀安定化層および銅安定化層を形成する方法の一例を図解する模式図である。 従来のRE123系の超電導線材の製造方法の製造工程の一部を図解する模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材の製造方法の製造工程の他の一部を図解する模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材の製造方法の製造工程のさらに他の一部を図解する模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材の製造方法の製造工程のさらに他の一部を図解する模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材をスリット加工する方法を図解する模式的な平面図である。 従来のRE123系の超電導線材の作製に用いられる素導体をギャングスリッタによりスリット加工する方法を図解する模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材の作製に用いられる素導体の外表面に電気めっき法により安定化層を形成する前の模式的な断面図である。 従来のRE123系の超電導線材の作製に用いられる素導体の外表面に電気めっき法による安定化層の形成の際に下地安定化薄膜が剥がれた状態を図解する模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
図1(a)に本発明の超電導線材の一例の模式的な平面図を示し、図1(b)に図1(a)の1b−1bに沿った図1(a)に示す超電導線材の模式的な断面図を示す。
ここで、図1(a)に示すように、本発明の超電導線材10はテープ状の形状を有している。また、図1(b)に示すように、超電導線材10は、第1の銀安定化層4aと、第1の銀安定化層4aの表面上に設置された金属基板1と、金属基板1の一方の表面上に設置された中間層2と、中間層2の表面上に設置された超電導層3と、超電導層3の表面上に設置された第1の銀安定化層4aとがこの順序で積層された積層体を有しており、この積層体の外表面を覆うように第2の銀安定化層4bが形成された構成を有している。
図2に、図1(a)および図1(b)に示す超電導線材10の製造方法の一例のフローチャートを示す。以下、図2のフローチャートに沿って、図1(a)および図1(b)に示す超電導線材10の製造方法の一例について説明する。
まず、ステップS1aにおいて、金属基板1の表面上に中間層2を形成する。ここで、中間層2は、たとえば図3の模式的断面図に示すように、金属基板1の表面上に形成することができる。
金属基板1としては、たとえば、ニッケルを主成分とする合金などからなるテープ状の導電性基板を用いることができる。なかでも、金属基板1としては、ニッケルを主成分とする合金を用いることが好ましく、特にニッケルを主成分とする合金はタングステンを含むことが好ましい。なお、本発明において、「主成分」は、金属基板を構成する原子の総原子数の50%以上を占めることを意味する。
また、金属基板1の厚さは特には限定されないが、たとえば80μm以上120μm以下の厚さとすることができる。
また、中間層2としては、たとえば、酸化セリウム層、イットリア安定化ジルコニア層(YSZ層)、ガドリニアとジルコニアとからなるGdZrO層および酸化マグネシウム層の群から選択された少なくとも1種のセラミック層などを用いることができる。
なかでも、中間層2としては、金属基板1側から酸化セリウム層、YSZ層および酸化セリウム層の順序で積層された3層の積層体を用いることが好ましい。この場合には、たとえば、YSZ層の厚さを0.3μm以下とし、YSZ層の両側に配置された酸化セリウム層の厚さをそれぞれ0.1μm以下とすることができる。
なお、YSZ層は、以下の組成式(1)で、その組成を表わすことができる。
(ZrO21-x(Y23x …(1)
上記の組成式(1)において、1−xはZrO2(ジルコニア)の組成比を示し、xはY23(イットリア)の組成比を示す。なお、上記の組成式(1)において、xは0.03≦x≦0.1を満たす実数である。
また、中間層2は、たとえば、スパッタリング法、レーザアブレーション法、電子ビーム蒸着法およびIBAD(Ion Beam Assist Deposition)法からなる群から選択された少なくとも1種の方法などにより形成することができる。
次に、ステップS2aにおいて、中間層2の表面上に超電導層3を形成する。ここで、超電導層3は、たとえば図4の模式的断面図に示すように、金属基板1上の中間層2の表面上に形成することができる。
超電導層3としては、たとえば、RE−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体であるRE123系の超電導体を用いることができる。なお、REは希土類元素(ランタン(La)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、イットリウム(Y)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテニウム(Lu)からなる群から選択された少なくとも1種)を示しており、Baはバリウムを示し、Cuは銅を示し、Oは酸素を示している。
ここで、RE−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体は、以下の組成式(2)で、その組成を表わすことができる。
REaBabCucd …(2)
上記の組成式(2)において、aは希土類元素の組成比を示し、bはバリウムの組成比を示し、cは銅の組成比を示し、dは酸素の組成比を示す。なお、上記の組成式(2)において、aは0.7≦a≦1.3を満たす実数であり、bは1.7≦b≦2.3を満たす実数であり、cは2.7≦c≦3.3を満たす実数であり、dは6≦d≦8を満たす実数である。RE−Ba−Cu−O系の酸化物超伝導体のなかでも超電導層3としては上記の組成式(2)中のREがHoとなる組成式でその組成が表わされるHo−Ba−Cu−O系の酸化物超伝導体を用いることが好ましい。
また、超電導層3は、たとえば、スパッタリング法、レーザアブレーション法、MOD(Metal Organic Deposition)法およびMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法からなる群から選択された少なくとも1種の方法などにより形成することができる。
次に、ステップS3aにおいて、超電導層3の表面上に第1の銀安定化層4aを形成する。ここで、第1の銀安定化層4aは、たとえば図5の模式的断面図に示すように、超電導層3の表面上に形成することができる。
超電導層3の表面上の第1の銀安定化層4aは、たとえば、スパッタリング法などの物理蒸着法を用いて、超電導層3上に銀からなる膜を成膜することによって形成することができる。
また、超電導層3の表面上の第1の銀安定化層4aの厚みは特には限定されないが、たとえば8μm以下の厚みに形成されることが好ましい。第1の銀安定化層4aの厚みが8μmよりも厚く形成された場合には第1の銀安定化層4aの形成に多量の銀を用いることによって製造コストが高くなる傾向にあり、また銀の機械的強度の低さに起因して超電導線材の十分な機械的強度が得られない傾向にある。
また、超電導層3の表面上の第1の銀安定化層4aの厚みは特には限定されないが、たとえば2μm以上の厚みに形成されることが好ましい。超電導層3の表面上の第1の銀安定化層4aの厚みが2μmよりも薄く形成された場合には、超電導層3の保護が不十分となるおそれがある。したがって、上記の理由によれば、銀安定化層4の厚みは2μm以上8μm以下であることが好ましい。
次に、ステップS4aにおいて、金属基板1の中間層2の設置側とは反対側の表面である裏面上に第1の銀安定化層4aを形成する。ここで、第1の銀安定化層4aは、たとえば図6の模式的断面図に示すように、金属基板1の中間層2の設置側とは反対側の表面である裏面上に形成することができる。これにより、第1の銀安定化層4a、金属基板1、中間層2、超電導層3および第1の銀安定化層4aがこの順序で積層された積層体6が形成される。
次に、ステップS5aにおいて、第1の銀安定化層4a、金属基板1、中間層2、超電導層3および第1の銀安定化層4aがこの順序で積層された積層体6の外表面を覆うようにして第2の銀安定化層4bを形成する。
ここで、第2の銀安定化層4bを形成する前に、上記の積層体6はスリット加工されることが好ましい。積層体6のスリット加工は、たとえば図7の模式的平面図に示すように、積層体6の長手方向に沿って積層体6を切断して幅を低減した積層体6aと積層体の耳部6bとに分割することによって行なうことができる。なお、積層体6を切断する方法としては、たとえば上記で説明した従来から公知のギャングスリッタを用いる方法などがある。
また、第2の銀安定化層4bは、上記の積層体6の外表面を覆うようにして電気めっき法により形成される。ここで、第2の銀安定化層4bは、たとえば図8の模式図に示すようにして形成することができる。
まず、上記のスリット加工後の積層体6aを第1のロール7aと第2のロール7bとの間に掛け渡す。
次に、第1のロール7aから積層体6aを繰り出した後、銀めっき槽8中に収容された銀めっき液9中に積層体6aを浸漬させ、電気めっき法によって、積層体6aの外表面を覆うように銀めっき液9から銀を析出させて、第2の銀安定化層4bを形成して超電導線材10を形成する。
その後、上記の積層体6aの外表面を第2の銀安定化層4bで被覆して形成された超電導線材10は第2のロール7bに巻き取られて回収される。
以上により、図1(a)および図1(b)に示される本発明の超電導線材10が製造されることになる。
ここで、電気めっき法は、たとえば、銀めっき液9中に浸漬された電極に正の電位を印加し、銀めっき液9中に浸漬された積層体6aに負の電位を印加することによって、銀めっき液9中の電極と積層体6aとの間に電界を形成することによって行なうことができる。
本発明においては、超電導層3の端部が銀めっき液9に溶解して第1の銀安定化層4aが剥がれ出す前に、電気めっき法により、上記の積層体6aの外表面を覆うように第2の銀安定化層4bを形成する。そのためには、電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成速度が、超電導層3の溶解速度よりも速いことが必要とされる。
たとえば図9の模式的断面図に示すように、超電導層3の端部は、金属基板1および第1の銀安定化層4aと比べて電流が流れにくいために、電気めっき法では第2の銀安定化層4bで被覆されにくい。
そこで、電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成速度を超電導層3の溶解速度よりも速くすることによって、たとえば図10の模式的断面図に示すように、金属基板1の端部を被覆する第2の銀安定化層4bと、超電導層3上の第1の銀安定化層4aを被覆する第2の銀安定化層4bとが超電導層3の溶解前につながって、第2の銀安定化層4bが超電導層3の端部を被覆することになる。
ここで、銀めっき液9としては、電気めっき法で銀を析出して第2の銀安定化層4bを形成することが可能なたとえば従来から公知のシアン化物イオンと銀イオンとを含むものであればよいが、特に、中性シアン浴を用いることが好ましい。銀めっき液9として中性シアン浴を用いた場合には、超電導層3の溶解を抑止しつつ第2の銀安定化層4bを形成することができる傾向が大きくなる。なお、中性シアン浴とは、シアン化物イオンと銀イオンとを含むめっき液であって、pHが8以上9以下であるもののことを意味する。
なお、銀めっき液9には、たとえば平滑剤などの従来から公知の添加剤が適宜添加されていてもよい。
また、電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成において、第2の銀安定化層4bは10A/dm2以上の電流密度で形成されることが好ましく、15A/dm2以上の電流密度で形成されることがより好ましい。電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成時の電流密度が10A/dm2以上である場合、特に15A/dm2以上である場合には、超電導層3の溶解による第1の銀安定化層4aの剥がれをより有効に抑止することができる傾向にある。
このように、電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成速度を銀めっき液9による超電導層3の溶解速度よりも速くすることによって、超電導層3の溶解による第1の銀安定化層4aの剥がれを抑止することができるために超電導線材10の歩留まりを向上させることができる。
さらには、電気めっき法による第2の銀安定化層4bの形成速度を速くすることができるため、超電導線材10の製造コストを低減することもできる。
すなわち、従来においては、特許文献1に記載のように、超電導線材の製造コストを低減する観点からは、特許文献1に記載されているように、超電導層の安定化層として、銀層に、銀よりも安価な銅からなる銅層を組み合わせたものが用いられてきた。これは、銅は銀よりも材料費が安価であるためである。
しかしながら、電気めっき法においては、同じ膜厚のめっき膜を形成する場合に、銀めっき膜は銅めっき膜の10倍以上速く形成することができるため、図8に示す第1のロール7aの積層体6aの繰り出しから第2のロール7bの巻き取りまでの速度を10倍以上とすることができる。
これにより、本発明においては、上記の積層体6aの外表面を被覆する安定化層として、特許文献1のように電気めっき法により形成された銅層ではなく、電気めっき法により形成された第2の銀安定化層4bを用いることによって、電気めっきの加工費を特許文献1に記載の方法と比べて約1/10とすることができる。
すなわち、超電導線材の製造コストは加工費と材料費との和に大きく依存するため、本発明においては、高価な銀を使用して材料費が高くなった場合でもそれ以上に加工費を大きく低減させることによって、超電導線材全体の製造コストを低減することができるのである。
<実施の形態2>
本実施の形態においては、第1の銀安定化層、金属基板、中間層、超電導層および第1の銀安定化層がこの順序で積層された積層体の外表面を覆う第2の銀安定化層4bの外表面をさらに銅安定化層で覆うことを特徴としている。
すなわち、実施の形態1で説明した第2の銀安定化層4bの一部を銅安定化層で置き換えることによっても、実施の形態1で述べた理由と同様の理由により、本発明の第2の銀安定化層4bに相当する部分のすべてを銅層で形成する特許文献1に記載の方法と比べて、超電導線材の歩留まりを向上させることができるとともに超電導線材の製造コストを低減することができる。
図11(a)に本発明の超電導線材の他の一例となる本実施の形態の超電導線材の模式的な平面図を示し、図11(b)に図11(a)の11b−11bに沿った図11(a)に示す超電導線材20の模式的な断面図を示す。
ここで、図11(a)に示すように、本発明の超電導線材20はテープ状の形状を有している。また、図11(b)に示すように、超電導線材20は、第1の銀安定化層4aと、第1の銀安定化層4aの表面上に設置された金属基板1と、金属基板1の一方の表面上に設置された中間層2と、中間層2の表面上に設置された超電導層3と、超電導層3の表面上に設置された第1の銀安定化層4aとがこの順序で積層された積層体を有しており、この積層体の外表面を覆うように第2の銀安定化層4bが形成されるとともに、第2の銀安定化層4bの外表面を覆うように銅安定化層5が形成された構成を有している。
図12に、図11(a)および図11(b)に示す超電導線材20の製造方法の一例のフローチャートを示す。以下、図12のフローチャートに沿って、図11(a)および図11(b)に示す超電導線材20の製造方法の一例について説明する。
まず、ステップS1bにおいて金属基板1の表面上に中間層2を形成した後に、ステップS2bにおいて中間層2の表面上に超電導層3を形成する。
次に、ステップS3bにおいて超電導層3の表面上に第1の銀安定化層4aを形成した後に、ステップS4bにおいて金属基板1の中間層2の設置側とは反対側の表面である裏面上に第1の銀安定化層4aを形成する。
次に、ステップS5bにおいて、第1の銀安定化層4a、金属基板1、中間層2、超電導層3および第1の銀安定化層4aがこの順序で積層された積層体6の外表面を覆うようにして第2の銀安定化層4bを形成する。
本実施の形態においても、第2の銀安定化層4bを形成する前に、上記の積層体6はスリット加工されることが好ましい。
次に、ステップS6bにおいて、第2の銀安定化層4bの外表面を覆う銅安定化層5を形成する。ここで、第2の銀安定化層4bおよび銅安定化層5は、たとえば図13の模式的構成図に示すようにして形成することができる。
まず、上記のスリット加工後の積層体6aを第1のロール7aと第2のロール7bとの間に掛け渡す。
次に、第1のロール7aから積層体6aを繰り出した後、銀めっき槽8中に収容された銀めっき液9中に積層体6aを浸漬させ、電気めっき法によって、積層体6aの外表面を覆うように銀めっき液9から銀を析出させて、第2の銀安定化層4bを形成する。
続いて、第2の銀安定化層4bの形成後の積層体6aを銅めっき槽28中に収容された銅めっき液29中に浸漬させ、電気めっき法によって、第2の銀安定化層4bの外表面を覆うように銅めっき液29から銅を析出させて銅安定化層5を形成する。
その後、上記の第2の銀安定化層4bの外表面を銅安定化層5で被覆して形成された超電導線材20は第2のロール7bに巻き取られて回収される。
以上により、図11(a)および図11(b)に示される本発明の超電導線材20が製造されることになる。
ここで、銅安定化層5は、たとえば、銅めっき液29中に浸漬された電極に正の電位を印加し、銅めっき液29中に浸漬された第2の銀安定化層4bの形成後の積層体に負の電位を印加することによって、銅めっき液29中の電極と上記積層体との間に電界を形成することによって行なうことができる。
ここで、銅めっき液29としては、たとえば、電気めっき法で銅を析出して銅安定化層5を形成することが可能なものを用いることができるが、銅安定化層5を安定して形成する観点からは、なかでも硫酸銅5水和物と硫酸との水溶液を用いることが好ましい。
なお、銅めっき液29には、たとえば光沢剤などの従来から公知の添加剤が適宜添加されていてもよい。
また、電気めっき法による銅安定化層5の形成において、銅安定化層5は5A/dm2以上の電流密度で形成されることが好ましく、10A/dm2以上の電流密度で形成されることがより好ましい。電気めっき法による銅安定化層5の形成時の電流密度が5A/dm2以上である場合、特に10A/dm2以上である場合には、超電導線材20の製造コストを大きく低減することができる傾向にある。
本実施の形態における上記以外の説明は、実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
(実施例1)
まず、幅10mm×長さ100m×厚さ0.1mmのテープ状のニッケルとタングステンとの合金からなる配向性の金属基板を用意した。ここで、金属基板中において、ニッケルは金属基板を構成する原子の総原子数の95%を占めており、タングステンは金属基板を構成する原子の総原子数の5%を占めていた。
次に、この金属基板上にRFスパッタリング法によって厚さ0.1μmの第1酸化セリウム層を形成した。続いて、この第1酸化セリウム層上にRFスパッタリング法によって厚さ0.3μmのYSZ層を形成した。さらに、YSZ層上にRFスパッタリング法によって厚さ0.1μmの第2酸化セリウム層を形成した。これにより、上記の第1酸化セリウム層、YSZ層および第2酸化セリウム層が基板側からこの順序で積層された3層の積層体からなる中間層を基板上に形成した。ここで、YSZ層は、(ZrO20.92(Y230.08の組成式で表わされるZrO2とY23との固溶体であった。
次いで、上記の中間層上に、パルスレーザデポジション法によって上記の組成式(2)を満たすHoBa2Cu37-δの組成式で表わされる組成のHo−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体からなる厚さ1μmの超電導層を形成した。
そして、超電導層上に、DCスパッタリング法によって厚さ3μmの第1の銀安定化層を形成した。
次に、金属基板の中間層の設置側とは反対側の表面上にもDCスパッタリング法によって厚さ3μmの第1の銀安定化層を形成した。
その後、上記の第1の銀安定化層、金属基板、中間層、超電導層および第1の銀安定化層がこの順序で積層された幅10mmのテープ状の積層体6をギャングスリッタで図7に示すようにスリット加工することによって幅2mmのテープ状の積層体6aとした。
そして、図8に示すように、繰り出し用の第1のロール7a、銀めっき液9が収容された銀めっき槽8および巻き取り用の第2のロール7bを備えた電気めっき装置を用いて、電気めっき法により積層体6a第1の銀安定化層の外表面に銀を析出させて20μmの厚さの銀めっき膜からなる第2の銀安定化層を形成して、実施例1の超電導線材10を作製した。
ここで、銀めっき液9としては下記の表1に示す組成の水溶液を用い、表1に示す平滑剤としては下記の表2に示す組成のものを用いた。なお、表1における数値は、銀めっき液9を構成するそれぞれの成分の水1リットルに対する含有量(g/l)を示しており、表2における数値は、平滑剤を構成するそれぞれの成分の質量比を示している。
Figure 2010176892
Figure 2010176892
また、上記の電気めっき法による第2の銀安定化層の形成は、負極となる積層体6aの第1の銀安定化層の外表面の電流密度が10A/dm2以上20A/dm2以下の範囲となるように電流量を調整して、中性シアン浴である銀めっき液9(pH=8〜9)の温度を45℃とした条件で、負極となる積層体6a第1の銀安定化層の外表面と銀めっき液9中に浸漬された正極との間に電流を流すことにより行なった。
そして、上記の実施例1の超電導線材10の第1の銀安定化層に剥がれが生じているか否かについて目視で確認したところ、第1の銀安定化層には剥がれが生じていなかった。
したがって、実施例1の超電導線材10の形成においては、超電導層が銀めっき液9に溶解する前に電気めっき法により第2の銀安定化層を形成することができた。
(実施例2)
図13に示すように、繰り出し用の第1のロール7a、銀めっき液9が収容された銀めっき槽8、銅めっき液29が収容された銅めっき槽28および巻き取り用の第2のロール7bを備えた電気めっき装置を用いて、電気めっき法により積層体6a第1の銀安定化層の外表面に銀を析出させて18μmの厚さの銀めっき膜からなる第2の銀安定化層を形成するとともに、第2の銀安定化層の外表面に銅を析出させて2μmの厚さの銅めっき膜からなる銅安定化層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の超電導線材20を作製した。
ここで、銀めっき液9としては上記の表1に示す組成の水溶液を用い、表1に示す平滑剤としては上記の表2に示す組成のものを用いた。
また、銅めっき液29としては下記の表3に示す組成の水溶液を用い、表3に示す光沢剤としては従来から公知の光沢剤が用いられた。なお、表1における数値は、銅めっき液29を構成するそれぞれの成分の水1リットルに対する含有量(g/l)を示している。
Figure 2010176892
また、上記の電気めっき法による第2の銀安定化層の形成は、負極となる積層体6aの第1の銀安定化層の外表面の電流密度が10A/dm2以上20A/dm2以下の範囲となるように電流量を調整して、中性シアン浴である銀めっき液9(pH=8〜9)の温度を45℃とした条件で、負極となる積層体6aの第1の銀安定化層の外表面と銀めっき液9中に浸漬された正極との間に電流を流すことにより行なった。
また、上記の電気めっき法による銅安定化層の形成は、負極となる第2の銀安定化層の外表面の電流密度が5A/dm2となるように電流量を調整して、銅めっき液29の温度を25℃とした条件で、負極となる第2の銀安定化層の外表面と銅めっき液29中に浸漬された正極との間に電流を流すことにより行なった。
そして、上記の実施例2の超電導線材20の第1の銀安定化層に剥がれが生じているか否かについて目視で確認したところ、第1の銀安定化層には剥がれが生じていなかった。
したがって、実施例2の超電導線材20の形成においても、超電導層が銀めっき液9に溶解する前に電気めっき法により第2の銀安定化層を形成することができた。
(比較例1)
銀めっき液9として下記の表4に示す組成の水溶液を用い、電気めっき法における電気めっきの条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の超電導線材を作製した。なお、表4に示す光沢剤としては従来から公知のアンチモンやセレンを含むものが用いられた。
Figure 2010176892
また、上記の電気めっき法による第2の銀安定化層の形成は、負極となる積層体6aの第1の銀安定化層の外表面の電流密度が5A/dm2以上10A/dm2未満の範囲となるように電流量を調整して、銀めっき液9(pH=11)の温度を42〜45℃とした条件で、負極となる積層体6a第1の銀安定化層の外表面と銀めっき液9中に浸漬された正極との間に電流を流すことにより行なった。
そして、上記の比較例1の超電導線材の第1の銀安定化層に剥がれが生じているか否かについて目視で確認したところ、第1の銀安定化層に剥がれが生じていることが確認された。
したがって、比較例1の超電導線材の形成においては、電気めっき法により第2の銀安定化層が形成される前に超電導層が溶解していた。
(評価)
上記の実施例1、実施例2および比較例1のそれぞれの超電導線材の作製における電気めっき条件と第1の銀安定化層の剥がれの有無との関係を下記の表5にまとめる。
Figure 2010176892
表5に示すように、実施例1および実施例2の超電導線材の作製における銀めっき条件では超電導層の溶解速度よりも速く銀めっきを行なって第2の銀安定化層を形成ことができたが、比較例1の超電導線材の作製における銀めっき条件では超電導層の溶解速度よりも速く銀めっきを行なうことができなかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の超電導線材は、たとえば超電導ケーブル、超電導モータ、発電機、磁気分離装置、単結晶引上げ炉用マグネット、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)、リニアモーターカーまたは変圧器などの超電導機器に用いることができる可能性がある。
1 金属基板、2 中間層、3 超電導層、4a 第1の銀安定化層、4b 第2の銀安定化層、5 銅安定化層、6,6a 積層体、6b 耳部、7a 第1のロール、7b 第2のロール、8 銀めっき槽、9 銀めっき液、10,20 超電導線材、28 銅めっき槽、29 銅めっき浴、101 基材、102 中間層、103 酸化物超電導層、104 下地安定化薄膜、105 安定化層、106 素導体、106a 素導体本体部、106b 素導体耳部、107a ブロック上刃、107b ブロック下刃。

Claims (10)

  1. 金属基板と、
    前記金属基板上に設置された中間層と、
    前記中間層上に設置された超電導層と、
    前記超電導層上に設置された第1の銀安定化層と、
    前記金属基板と前記中間層と前記超電導層と前記第1の銀安定化層とを含む積層体の外表面の少なくとも一部を覆う第2の銀安定化層と、を備えた、超電導線材。
  2. 前記第2の銀安定化層の外表面の少なくとも一部を覆う銅安定化層をさらに備えたことを特徴とする、請求項1に記載の超電導線材。
  3. 金属基板上に中間層を形成する工程と、
    前記中間層上に超電導層を形成する工程と、
    前記超電導層上に第1の銀安定化層を形成する工程と、
    前記金属基板と前記中間層と前記超電導層と前記第1の銀安定化層とを含む積層体の外表面の少なくとも一部を覆う第2の銀安定化層を形成する工程と、を含む、超電導線材の製造方法。
  4. 前記第2の銀安定化層を形成する工程において、前記第2の銀安定化層は、電気めっき法により形成されることを特徴とする、請求項3に記載の超電導線材の製造方法。
  5. 前記第2の銀安定化層を形成する工程において、前記第2の銀安定化層は、中性シアン浴を用いて形成されることを特徴とする、請求項4に記載の超電導線材の製造方法。
  6. 前記第2の銀安定化層を形成する工程において、前記第2の銀安定化層は、10A/dm2以上の電流密度で形成されることを特徴とする、請求項4または5に記載の超電導線材の製造方法。
  7. 前記第1の銀安定化層を形成する工程において、前記第1の銀安定化層は、物理蒸着法により形成されることを特徴とする、請求項3から6のいずれか1つに記載の超電導線材の製造方法。
  8. 前記第2の銀安定化層を形成する工程の前に前記積層体をスリット加工する工程を含むことを特徴とする、請求項3から7のいずれか1つに記載の超電導線材の製造方法。
  9. 前記第2の銀安定化層の外表面の少なくとも一部を覆う銅安定化層を電気めっき法により形成する工程を含むことを特徴とする、請求項3から8のいずれか1つに記載の超電導線材の製造方法。
  10. 前記銅安定化層を形成する工程において、前記銅安定化層は、5A/dm2以上の電流密度で形成されることを特徴とする、請求項9に記載の超電導線材の製造方法。
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