JP2012048850A - 酸化物超電導線材、酸化物超電導線材の製造装置、並びに酸化物超電導線材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化物超電導線材の製造方法は、テープ状の安定化層および安定化層上に形成されたはんだ層を有する保護用線材を、はんだ層が内側となるように保護用線材の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部を有する折り曲げ体を形成する折り曲げ工程S1と、金属基材と中間層と酸化物超電導層と保護層とを積層させて備えたテープ状の超電導積層体を折り曲げ体の内面に沿わせて折り曲げ体の内側に超電導積層体を収容する収容工程S2と、折り曲げ体により超電導積層体を囲み、超電導積層体の周囲に存在するはんだ層を溶融凝固させて超電導積層体を固定する固定工程S3とを備える。
【選択図】図7
Description
ここでたとえば、安定化層206は、良導電性を有する銅などの金属層からなり、たとえば、はんだ付の銅の金属テープを銀からなる保護層205の表面205aに貼り合わせてはんだ付けすることで形成されている。
特許文献4に記載の導体では、超電導複合セラミックテープの周りにシートが配置されている。シート同士を溶接することで、密封構造を構成することができる。
超電導層を含む線材を直接はんだ浴中に投入する方法も提案されているが、この方法では線材全体にはんだが載ってしまい、線材の厚さを制御することが困難である。また、はんだ浴を維持するためには大電力が必要であり、銅のシートを貼り合わせて使用するときには不要な電力を消費するため、環境負荷が大きい問題がある。
また、特許文献4に記載された導体では、セラミックテープの周りにシートを配置しているので、セラミックテープに対するシートの端部の位置が安定せず、導体を再現性高く製造することができない。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法は、テープ状の安定化層および前記安定化層上に形成されたはんだ層を有する保護用線材を、前記はんだ層が内側となるように前記保護用線材の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部を有する折り曲げ体を形成する折り曲げ工程と、金属基材と中間層と酸化物超電導層と保護層とを積層させて備えたテープ状の超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせて前記折り曲げ体の内側に前記超電導積層体を収容する収容工程と、前記折り曲げ体により前記超電導積層体を囲み、前記超電導積層体の周囲に存在する前記はんだ層を溶融凝固させて前記超電導積層体を固定する固定工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法において、前記折り曲げ工程において、前記保護用線材が幅方向の両端部が揃うように折り曲げられて前記折り曲げ体が形成され、前記固定工程では、前記折り曲げ体の前記両端部間を前記はんだ層により閉塞することが好ましい。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法において、前記収容工程の前に、前記超電導積層体を幅方向に分割する分割工程を備え、前記収容工程では、前記分割後の前記超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせることが好ましい。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法において、前記収容工程では、前記分割後の前記超電導積層体の分割した側の側面が前記折り曲げ部側となるように、前記折り曲げ体に対して前記分割後の前記超電導積層体を配置することが好ましい。
収容工程では、超電導積層体を折り曲げ部の内面に突き当てるので、折り曲げ体に対して超電導積層体を確実に位置決めすることができる。
また、本酸化物超電導線材の製造方法では、折り曲げ工程において折り曲げ体は幅方向の両端部が揃うように折り曲げられ、固定工程では折り曲げ体の両端部間ははんだ層により閉塞される。したがって、超電導積層体を確実に気密に保持するとともに、製造された酸化物超電導線材の外形をコンパクトにすることができる。
酸化物超電導線材の製造方法において、収容工程では、分割後の超電導積層体の分割された側の側面が折り曲げ部側となるように超電導積層体を配置する。超電導積層体の分割された側の側面には保護層は形成されていないので、超電導積層体の分割された側の側面を折り曲げ部側に配置することで、この分割された側の側面を確実に保護することができる。
酸化物超電導線材の製造装置は、第1リール装置、第2リール装置、搬送ローラおよび巻き取り装置を備えるので、超電導積層体、保護用線材および酸化物超電導線材を容易に搬送し、巻き取ることができる。
折り曲げ体は幅方向の両端部を揃えて形成され、両端部間ははんだ層により閉塞されているため、超電導積層体を確実に気密に保持するとともに、酸化物超電導線材の外形をコンパクトにすることができる。
以下、本発明に係る酸化物超電導線材の第1実施形態を、図1から図9を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の酸化物超電導線材1の横断面図であり、図2は、同酸化物超電導線材1の一部を構成する超電導積層体10の斜視図である。
図1に示すように、酸化物超電導線材1は、テープ状の超電導積層体10と、超電導積層体10の外周面を囲うように取り付けられた折り曲げ体20Aとを備えている。
なかでも、市販品であれば、ハステロイが好適であり、ハステロイとして、モリブデン、クロム、鉄、コバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。金属基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すればよく、通常は、10〜500μmである。
本実施形態においては、金属基材11とベッド層13との間に拡散防止層12が介在されているが、この拡散防止層12は必須の構成ではない。拡散防止層12は、金属基材11の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化アルミニウム(Al2O3)、あるいは希土類金属酸化物等から構成され、その厚さは例えば10〜400nmである。なお、拡散防止層の結晶性は問われないので、通常のスパッタ法等の成膜法により形成すればよい。
この中間層14をイオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、中間層14の上に形成するキャップ層15の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層15の上に成膜する酸化物超電導層16の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できるようにすることができる。
中間層14は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と略記する)、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;塗布熱分解法(MOD法);溶射等、酸化物薄膜を形成する公知の方法で積層できる。特に、IBAD法で形成された金属酸化物層は結晶配向性が高く、酸化物超電導層16やキャップ層15の結晶配向性を制御する効果が高い点で好ましい。IBAD法とは、蒸着時に、下地の蒸着面に対して所定の角度でイオンビームを照射することにより、結晶軸を配向させる方法である。通常は、イオンビームとして、アルゴン(Ar)イオンビームを使用する。例えば、Gd2Zr2O7、MgO又はZrO2−Y2O3(YSZ)からなる中間層14は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔΦ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
キャップ層15の材質は、上記機能を発現し得るものであれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO2、Y2O3、Al2O3、Gd2O3、Zr2O3、Ho2O3、Nd2O3等が例示できる。キャップ層15の材質がCeO2である場合、キャップ層15は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
キャップ層15の膜厚は、50nm以上であればよいが、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましく、300nm以上であれば更に好ましい。但し、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、300〜1000nmとすることが好ましい。
酸化物超電導層16の厚みは、0.5〜5μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
酸化物超電導層16は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;塗布熱分解法(MOD法)等で積層することができ、なかでも生産性の観点から、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)、PLD法又はCVD法を用いることが好ましい。
これまで説明してきた超電導積層体10の各構成のうち、拡散防止層12、ベッド層13及びキャップ層15は必須の要素ではなく、超電導積層体10の設計条件により適宜用いられるものである。
安定化層21を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが、Cu等の比較的安価なものを用いるのが好ましい。これにより、材料コストを低く抑えながら安定化層21を厚膜化することが可能となる。安定化層21の厚さは、20〜150μmが好ましく、50μm程度がより好ましい。
はんだ層22は、たとえば錫で形成され、その厚さは、2〜10μmが好ましく、6μm程度がより好ましい。
折り曲げ体20Aの安定化層21の両端部21a、21bは、超電導積層体10の他方の側面10bを越えて、揃えた形状に延出されている。両端部21a、21b間は、はんだ層22の一端縁22aにより閉塞されている。
図4に示すように、本実施形態の製造装置30は、テープ状の保護用線材20を折り曲げて折り曲げ部23を有する折り曲げ体20Aを形成する折り曲げ機構40と、折り曲げ体20Aの内側に超電導積層体10を収容する収容機構50と、折り曲げ体20Aに超電導積層体10を固定する固定機構60とを備えている。
さらに詳しくは、製造装置30は、超電導積層体10を巻き付けて備え、超電導積層体10を送り出し可能な第1リール装置31と、保護用線材20を巻き付けて備え、保護用線材20を送り出し可能な第2リール装置32と、送り出された超電導積層体10および折り曲げ体20Aを、超電導積層体10が折り曲げ体20Aの内側に配置されるように案内する搬送ローラ51と、固定機構60により形成された酸化物超電導線材1を巻き取る巻き取り装置33とを備えている。
押し当て部材42は、支持台41の上方に配置され、上下方向に延びるように形成されている。押し当て部材42は、下端に湾曲部41aの上方の面より小さな曲率半径で円柱を軸線方向に2分割した形状に形成された先端部42aを有している。押し当て部材42は、不図示の駆動機構により上下方向に移動することで、湾曲部41aの内面に対して接近および離間可能とされている。
図6に示すように、収容機構50は、水平面に沿う方向に延びる押し出し部材52と、押し出し部材52を水平面に沿う方向に移動させる不図示の駆動機構とを有している。なお、収容機構50が、折り曲げ部23を形成することにより2つ折りに折り曲げられた折り曲げ体20Aを保持する折り曲げ形状保持機構を有するように構成してもよい。
超電導積層体10および折り曲げ体20Aは、本加熱機構61内を挿通することにより所定の温度に加熱される。加圧ローラ62は、不図示のヒータ、および加圧ローラ62の外周面上に取付けられた不図示のブラシを有している。
本製造方法は、保護用線材20を折り曲げて折り曲げ部23を有する折り曲げ体20Aを形成する折り曲げ工程S1と、折り曲げ体20Aの内側に超電導積層体10を収容する収容工程S2と、折り曲げ体20Aに超電導積層体10を固定する固定工程S3とを備えている。
超電導積層体10および保護用線材20は、一対の搬送ローラ51、および一対の加圧ローラ62の間をそれぞれ通され、一対の搬送ローラ51および巻き取り装置33により下流D2側に搬送される。
本実施形態では、折り曲げ部23は、保護用線材20の幅方向に湾曲した形状となっている。
次に、収容工程S2において、図6に示すように、不図示の駆動機構により押し出し部材52を移動させ、折り曲げ体20Aの内面に沿わせて超電導積層体10を挿入し、超電導積層体10の一方の側面10aを折り曲げ部23の内面に突き当てる。
このとき、両端部21a、21bから外側にはみ出たはんだ層22を加圧ローラ62の外周面上に取付けられたブラシで除去する。
以上の工程により、酸化物超電導線材1が製造される。
収容工程S2では、超電導積層体10の一方の側面10aを折り曲げ部23の内面に突き当てるので、折り曲げ体20Aに対して超電導積層体10を確実に位置決めすることができる。
また、本酸化物超電導線材の製造方法では、折り曲げ工程S1において折り曲げ体20Aは両端部20a、20bが揃うように折り曲げられ、固定工程S3では折り曲げ体20Aの両端部20a、20b間ははんだ層22により閉塞される。したがって、超電導積層体10を確実に気密に保持するとともに、製造された酸化物超電導線材1の外形をコンパクトにすることができる。
製造装置30は、第1リール装置31、第2リール装置32、搬送ローラ51および巻き取り装置33を備えるので、超電導積層体10、保護用線材20および酸化物超電導線材1を容易に搬送し、巻き取ることができる。
そして、折り曲げ体20Aは両端部20a、20bを揃えて形成され、両端部20a、20b間ははんだ層22により閉塞されているため、超電導積層体10を確実に気密に保持するとともに、酸化物超電導線材1の外形をコンパクトにすることができる。
折り曲げ機構70をこのように構成することで、折り曲げ機構70により保護用線材20に形成される折り曲げ部73は、保護用線材20の幅方向に屈曲した形状となり、折り曲げ部73を有する折り曲げ体20Bが形成される。
この場合においても、固定工程S3において、加圧ローラ62により超電導積層体10の両側から折り曲げ体20Bを押し当てることで、超電導積層体10の外形に沿って折り曲げ体20Bが変形し、図1に示す酸化物超電導線材1が製造される。
次に、本発明の第2実施形態について図10から図12を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、本実施形態の酸化物超電導線材81は、前記実施形態の酸化物超電導線材1より幅が狭く構成されていることのみが異なる。
本酸化物超電導線材81は、幅が超電導積層体10の幅の半分になるように形成された(半裁された)テープ状の超電導積層体90と、超電導積層体90の外周面を囲うように取り付けられた折り曲げ体100Aとを備えている。
折り曲げ体100Aは、テープ状の安定化層101と、安定化層101上に形成されたはんだ層102とを有している。折り曲げ体100Aには、はんだ層102が内側となるように、保護用線材100の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部103が形成されている。
本酸化物超電導線材81の製造方法は、前記実施形態の酸化物超電導線材1の製造方法の各工程に加えて、収容工程S2の前に、超電導積層体10を幅方向に分割する分割工程を備えている。
まず、図11に示すように、超電導積層体10を幅方向に分割して一対の超電導積層体90を形成する。そして、図4に示すように製造装置30の第1リール装置31に超電導積層体90を、第2リール装置32に保護用線材100を、それぞれ巻き付けておく。ここで、保護用線材100は、保護用線材20を幅方向に2分割したものである。
次に、収容工程S2において、図12に示すように、折り曲げ体100Aの内面に沿わせて超電導積層体90を挿入し、超電導積層体90の分割された側の側面90aを折り曲げ部103の内面に突き当てる。
続いて行われる固定工程S3は、前記第1実施形態と同様なので説明を省略する。
さらに、収容工程S2の前に分割工程を備え、収容工程では超電導積層体90を折り曲げ体100Aの内面に沿わせるため、超電導積層体10が幅方向に長い場合であっても幅寸法を好適に調節することができる。
収容工程S2では、超電導積層体90の分割された側の側面90aが折り曲げ部103側となるように超電導積層体90を配置する。超電導積層体90の側面90aには保護層17は形成されていないので、超電導積層体90の側面90aを折り曲げ部103側に配置することで、この分割された側の側面90aを確実に保護することができる。
例えば、前記第1実施形態および第2実施形態では、はんだ層として錫を用いたが、はんだ層の材料は特に限定されず、錫−銀系合金や錫−ビスマス系合金等を適宜用いることができる。
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、折り曲げ体の内面に沿わせて超電導積層体を挿入し、超電導積層体の一方の側面を折り曲げ部の内面に突き当てるとした。しかし、超電導積層体の一方の側面を折り曲げ部の内面に突き当てることは必須ではない。く、折り曲げ部の内面に突き当てなくても、折り曲げ体に対する超電導積層体の位置決めは可能であるからである。
前記第2実施形態の酸化物超電導線材81を、以下に説明するような手順で作製した。
保護用線材100として、Cu製の安定化層101の厚さが50μm、はんだ層102の厚さが10μmにそれぞれ設定されたものを用いた。
幅10mm、厚さ0.1mmのハステロイ(米国ヘインズ社、商品名)製の金属基材11の上に、IBAD法により1.2μm厚のGd2Zr2O7(GZO;中間層14)を形成し、さらに中間層14の上にPLD法により1.0μm厚のCeO2(キャップ層15)を成膜した。次に、キャップ層15の上にPLD法により1.0μm厚のGdBa2Cu3O7−X(酸化物超電導層16)を形成し、さらに酸化物超電導層16の上に10μm厚の銀層(保護層17)を形成して超電導積層体10を作製した。
超電導積層体10を幅方向に半裁することで5mm幅の超電導積層体90を作製した。なお、超電導積層体90の臨界電流(超電導状態で流すことができる最大の電流量)は、100Aであった。
保護用線材100に折り曲げ部103を形成して折り曲げ体100Aとし、超電導積層体90を折り曲げ体100Aで囲み、折り曲げ体100Aを超電導積層体90に溶融させたはんだ層22で接続させることで、酸化物超電導線材81を10m作製した。作製した酸化物超電導線材81内の超電導積層体90の臨界電流は、超電導積層体90単体での臨界電流から低下することはなかった。
この試験経過から、酸化物超電導線材81が十分な気密性(防水性)を有することが分かった。
10、90 超電導積層体
10a、90a 側面
11 金属基材
14 中間層
16 酸化物超電導層
17 保護層
20、100 保護用線材
20A、20B、100A 折り曲げ体
21、101 安定化層
22、102 はんだ層
23、73 折り曲げ部
30 酸化物超電導線材の製造装置
31 第1リール装置
32 第2リール装置
33 巻き取り装置
40、70 折り曲げ機構
41a 湾曲部(曲がり支持部)
42、72 押し当て部材
50 収容機構
51 搬送ローラ
52 押し出し部材
60 固定機構
61 本加熱機構(加熱部)
62 加圧ローラ
71 支持台
71a 屈曲部(曲がり支持部)
D 送り出し方向
S1 折り曲げ工程
S2 収容工程
S3 固定工程
Claims (9)
- テープ状の安定化層および前記安定化層上に形成されたはんだ層を有する保護用線材を、前記はんだ層が内側となるように前記保護用線材の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部を有する折り曲げ体を形成する折り曲げ工程と、
金属基材と中間層と酸化物超電導層と保護層とを積層させて備えたテープ状の超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせて前記折り曲げ体の内側に前記超電導積層体を収容する収容工程と、
前記折り曲げ体により前記超電導積層体を囲み、前記超電導積層体の周囲に存在する前記はんだ層を溶融凝固させて前記超電導積層体を固定する固定工程と、
を備えることを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。 - 前記収容工程では、前記超電導積層体の一方の側面を折り曲げ部の内面に突き当てることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
- 前記折り曲げ工程において、前記保護用線材が幅方向の両端部が揃うように折り曲げられて前記折り曲げ体が形成され、
前記固定工程では、前記折り曲げ体の前記両端部間を前記はんだ層により閉塞することを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物超電導線材の製造方法。 - 前記収容工程の前に、前記超電導積層体を幅方向に分割する分割工程を備え、
前記収容工程では、前記分割後の前記超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。 - 前記収容工程では、前記分割後の前記超電導積層体の分割された側の側面が前記折り曲げ部側となるように、前記折り曲げ体に対して前記分割後の前記超電導積層体を配置することを特徴とする請求項4に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
- テープ状の安定化層および前記安定化層上に形成されたはんだ層を有する保護用線材を、前記はんだ層が内側となるように前記保護用線材の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部を有する折り曲げ体を形成する折り曲げ機構と、
金属基材と中間層と酸化物超電導層と保護層とを積層させて備えたテープ状の超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせて前記折り曲げ体の内側に前記超電導積層体を収容する収容機構と、
前記折り曲げ体により前記超電導積層体を囲み、前記超電導積層体の周囲に存在する前記はんだ層を溶融凝固させて前記超電導積層体を固定する固定機構と、
を備えることを特徴とする酸化物超電導線材の製造装置。 - テープ状の前記超電導積層体を巻き付けて備え、前記超電導積層体を送り出し可能な第1リール装置と、
テープ状の前記保護用線材を巻き付けて備え、前記保護用線材を送り出し可能な第2リール装置と、
送り出された前記超電導積層体および前記折り曲げ体を、前記超電導積層体が前記折り曲げ体の内側に配置されるように案内する搬送ローラと、
前記固定機構により形成された酸化物超電導線材を巻き取る巻き取り装置と、
を備え、
前記折り曲げ機構は、前記保護用線材を送り出す送り出し方向に直交する方向の中間部に曲がった形状の曲がり支持部を有する支持台と、前記曲がり支持部の内面に対して接近および離間可能とされた押し当て部材と、を有し
前記収容機構は、前記超電導積層体を前記折り曲げ体の内面に沿わせて移動させる押し出し部材を有し、
前記固定機構は、前記折り曲げ体および前記折り曲げ体の内側に収容された前記超電導積層体を加熱する加熱部と、前記超電導積層体に前記折り曲げ体を押し付ける加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項6に記載の酸化物超電導線材の製造装置。 - 金属基材と中間層と酸化物超電導層と保護層とを積層させて備えたテープ状の超電導積層体と、
テープ状の安定化層および前記安定化層上に形成されたはんだ層を有する保護用線材に、前記はんだ層が内側となるように前記保護用線材の幅方向の中間部を中心に折り曲げて折り曲げ部を形成した折り曲げ体と、
を備える酸化物超電導線材であって、
前記超電導積層体は、前記折り曲げ体の内面に沿わせるとともに、前記保護用線材により囲われた状態で前記はんだ層により前記安定化層に接続されていることを特徴とする酸化物超電導線材。 - 前記折り曲げ体は、幅方向の両端部を揃えて形成され、
前記両端部間は前記はんだ層により閉塞されていることを特徴とする請求項8に記載の酸化物超電導線材。
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- 2010-08-24 JP JP2010187386A patent/JP5723553B2/ja active Active
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