JP5701356B2 - 酸化物超電導線材およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物超電導線材およびその製造方法に関する。
酸化物超電導線材においては、線材への機械的強度付与や事故電流から超電導層を保護することなどを目的として、金属層を付与することがなされている。この金属層は、事故電流から超電導層を保護する観点から、良好な導電性と数十μmの厚さを有していることが望ましい。また、酸化物超電導層の中には、組成に応じて水分との反応性の高いものがあるので、酸化物超電導層への水分浸入による酸化物超電導層の劣化を防ぐ目的で、酸化物超電導層を保護する構造となっていることがなお望ましい。
上述のような厚い金属層を酸化物超電導線材に付与する方法として、金属箔をはんだ付けする手法が挙げられる。
例えば、金属基材上に中間層と酸化物超電導層を形成してなるテープ形状の高温超電導線材と補強テープ線から構成される補強高温超電導線材において、高温超電導線材を覆うように幅方向の両端部を折り曲げてこの両端部を接触しないように補強テープ線を配置した構造が知られている(特許文献1参照)。
また、特許文献1には、密封構造の複合セラミック超電導テープにおいて、高温超電導線材の全周を金属テープで覆ってこの金属テープの端縁どうしを重ね合わせて半田付けすることで密封した構造が記載されている。
特開2012−169237号公報
特許文献1には、補強超電導線材の一例として、図6に示すようにテープ状の基材100上に中間層と超電導層を具備する薄膜層101を形成してなる超電導テープ102に対し、半田層104を介し金属層103を被覆した構造が記載されている。この構造では、薄膜層101の上面側から基材100の裏面側にかけて横断面C字型に折り曲げた金属テープからなる金属層103により超電導テープ102を覆うとともに、超電導テープ102と金属層103の間に半田層104を充填して両者が接合されている。
特許文献1には、図7に示すようにテープ状の基材105上に中間層と超電導層を具備する薄膜層106を形成してなる超電導テープ107に対し、半田層108を介し金属層109で超電導テープ107の全周を被覆した構造が記載されている。この構造では、超電導テープ107の全周を金属テープの折り曲げ形成による金属層109で覆うとともに、基材105の裏面側に折り込んだ金属テープの端縁109aどうしを重ね合わせて半田付けすることで超電導テープ107の全周をシールし、密閉構造としている。
しかし、実際の製造を考慮すると、図6と図7に示す構造を長尺の超電導線材に対し連続的に形成することは容易ではない。
本発明者は、銅箔からなる金属テープに予めめっきなどの方法により半田層を付着形成しておき、長尺の超電導テープ102の周囲に前記半田層付きの金属テープを横断面C字型に折り曲げ形成して接合する方法を試みた。金属テープを折り曲げ加工するには、テープ成形用の溝ロールなどの型に沿って金属テープを折り曲げ成形しつつ超電導テープ102の周囲に金属テープを徐々に折り込んでゆく成形加工を施す必要がある。
その結果、図6に示すように理想的に超電導テープ102の周囲を金属層103が覆っている部分を形成することは可能であるものの、超電導テープ102の長手方向に沿って成形不良の部分を生じ易いことが判明した。この成形不良を生じると、超電導テープ102に対し金属層103が位置ずれを起こし、超電導テープ102の端部側を金属層103で完全に覆っていない部分を生じることがあり、半田付け不良部分を生じ易い問題があった。
また、図7に示す断面構造を実現しようとする場合も同様であり、金属テープの端縁109aどうしを重ね合わせた部分が位置ずれすること、条件によっては重ね合わせ部分が半田付け不良となるか、重ね合わせ不良の部分を生じるおそれがあった。
本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、テープ状の超電導積層体に金属箔を接合する構造において、金属箔の位置ずれ部分を無くして超電導積層体に対し正確に金属箔を配置した構造の酸化物超電導線材およびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、テープ状の基材と、前記基材上に中間層を介し形成された酸化物超電導層と、前記酸化物超電導層上に形成された保護層とを有する超電導積層体と、前記超電導積層体の第1の面に第1の接合材を介して接合された第1の金属箔と、前記超電導積層体の前記第1の面とは反対側の第2の面に、前記第1の接合材よりも低い融点を有する第2の接合材を介して接合された第2の金属箔とを備え、前記第1の接合材は、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金およびSnからなる群から選択される少なくとも1種からなり、前記第2の接合材は、Sn−Bi−Ag系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Zn系合金およびPb−Sn系合金からなる群から選択される少なくとも1種からなり、前記第1の接合材の融点は、前記第2の接合材の融点よりも10℃以上高い酸化物超電導線材に関する。
超電導積層体の第1の面と第2の面に融点の異なる接合材を設けたので、第1の接合材で接合後、融点の低い第2の接合材で接合する際、第1の接合材を再溶融させることなく接合できるので第1の金属箔の位置ずれを防止できる。すなわち、第1の接合材で接合した金属箔の位置ずれを引き起こすことなく第2の金属箔を接合できる。よって、接合位置精度の高い第1と第2の金属箔を接合した酸化物超電導線材を得ることができる。
また、長尺の超電導積層体であっても、第1と第2の金属箔の接合位置精度を向上できるので、金属箔の接合位置精度の高い長尺の酸化物超電導線材を提供できる。このため、長尺の酸化物超電導線材であっても、金属箔による接合部分を介し水分が浸入するおそれのない構造の酸化物超電導線材を提供できる。
本発明において、前記第1の面側の金属箔と前記第2の面側の金属箔を前記超電導積層体の外周に沿って折曲した金属テープから構成できる。
金属テープを超電導積層体に沿って折曲して金属箔とする場合、融点の高い第1の接合材により金属テープの一部を第1の金属箔として超電導積層体に固定し、金属テープの他の部分を第2の金属箔として融点の低い第2の接合材で接合すると、超電導積層体に対し位置ずれすることなく適正な形状に成形した第1の金属箔と第2の金属箔を超電導積層体に接合できる。
このため、金属テープを折り曲げ形成した金属箔の形成位置精度の高い長尺の酸化物超電導線材を提供できる。また、長尺の酸化物超電導線材であっても、金属テープを折り曲げ形成した金属箔の接合部分を介し水分が浸入することのない構造を提供できる。
本発明は、テープ状の基材と、前記基材上に形成された酸化物超電導層と、前記酸化物超電導層上に形成された保護層とを有する超電導積層体を準備する工程と、前記超電導積層体の第1の面に第1の接合材を介し第1の金属箔を接合する工程と、前記超電導積層体の前記第1の面とは反対側の第2の面に、前記第1の接合材よりも低い融点を有する第2の接合材を介して第2の金属箔を接合する工程とを有する酸化物超電導線材の製造方法に関する。
超電導積層体の第1の面側に第1の接合材を介し第1の金属箔を第2の面側に第2の接合材を介し第2の金属箔を接合し、第2の接合材の融点を第1の接合材の融点より低くしたので、融点の低い第2の接合材による接合時に第1の接合材が再溶融しないので、融点の高い第1の接合材により接合された金属箔は、位置ずれを生じない。よって、第1の接合材により接合された第1の金属箔の接合位置を維持したまま、この第1の金属箔を基準として第2の接合材で第2の金属箔を高い位置精度で接合できる。
よって、接合位置精度の高い第1と第2の金属箔を備えた酸化物超電導線材を得ることができる。また、長尺の超電導積層体であっても、第1と第2の金属箔の形成位置精度向上をなし得るので、金属箔の形成位置精度の高い長尺の酸化物超電導線材を提供できる。このため、長尺の酸化物超電導線材であっても、金属箔による接合部分を介し水分浸入のおそれのない構造を提供できる。
本発明において、前記超電導積層体の外周に沿って金属テープを折曲して前記第1の面側の金属箔と前記第2の面側の金属箔を形成できる。
超電導積層体に対し金属テープを折り曲げ形成した金属箔を位置ずれすることなく適正な形状に成形した第1の金属箔と第2の金属箔により超電導積層体を覆うことができる。
このため、金属テープを折り曲げ形成した金属箔の形成位置精度の高い、長尺の酸化物超電導線材を提供できる。また、長尺の酸化物超電導線材であっても、金属箔の接合部分を介し水分が浸入することのない構造を提供できる。
本発明によれば、第1の接合材の融点より第2の接合材の融点が低いので、接合時に先に固化した第1の接合材により固定された第1の金属箔に支持されて第2の金属箔を接合できる構造となる。このため、第2の金属箔の位置決め精度が向上し、第1の金属箔とともに第2の金属箔で位置ずれなく超電導積層体を正確に覆った構造を提供できる。
このため、金属箔を超電導積層体に精度良く接合することができ、金属箔の接合部分を介し内部に水分等の浸入し難い優れた金属箔接合構造の酸化物超電導線材を提供できる。
本発明に係る工程の第1の例を示すもので、図1(a)は超電導積層体に第1の半田予備層を備えた金属テープを沿わせる工程を示す部分断面図、図1(b)は超電導積層体に第1の接合材により金属テープを固定した状態を示す部分断面図、図1(c)は超電導積層体の外周に沿って金属テープを折り曲げた状態を示す部分断面図、図1(d)は第2の接合材により超電導積層体の外周に金属テープを半田付けして得られた酸化物超電導線材の第1の例を示す部分断面図。 本発明に係る工程の第2の例を示すもので、図2(a)は超電導積層体に第1の半田予備層を備えた金属テープを沿わせる工程を示す部分断面図、図2(b)は超電導積層体に第1の接合材により金属テープを固定した状態を示す部分断面図、図2(c)は超電導積層体の外周に沿って金属テープを折り曲げた状態を示す部分断面図、図2(d)は第2の接合材により超電導積層体の外周に金属テープを半田付けして得られた酸化物超電導線材の第2の例を示す部分断面図。 本発明に係る方法を実施する場合に用いて好適な製造装置の一例を示す構成図。 接合材を溶融させる場合に用いて好適な加熱炉の一例を示す構成図。 本発明に係る工程の第三の例を示すもので、図5(a)は超電導積層体に第1の接合材により金属テープを固定した状態を示す部分断面図、図5(b)は超電導積層体の両側部に沿って金属テープを折り曲げた状態を示す部分断面図、図5(c)は第2の接合材により超電導積層体の外周に金属テープを半田付けして得られた酸化物超電導線材の第3の例を示す部分断面図。 従来の酸化物超電導線材の第1の例を示す部分断面図。 従来の酸化物超電導線材の第2の例を示す部分断面図。
以下、本発明に係る酸化物超電導線材とその製造方法の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る酸化物超電導線材を製造する方法を工程順に示すもので、図1(a)〜(d)に示す工程を順に施すことで図1(d)に示す断面構造の酸化物超電導線材を得ることができる。
図1(d)に示す酸化物超電導線材1において、テープ状の基材2の第1の面(上面)上に形成されている図示略の中間層を介し酸化物超電導層3と金属製の保護層5を積層して超電導積層体6が構成されている。超電導積層体6の周面にはこの周面を覆うように金属テープからなる金属安定化層7が後述の接合材により接合されている。金属安定化層7は、超電導積層体6の保護層5外面側を覆う第1の金属箔7Aと、超電導積層体6の側面側を覆う側壁部7Bと、超電導積層体6の基材外面側(下面側)を覆う第2の金属箔7Cを有してなる。
超電導積層体6の保護層5と、第1の金属箔7Aとの間に第1の接合材(低融点接合材)8が介在されている。また、超電導積層体6の幅方向両側端部と側壁部7Bとの間、及び、超電導積層体6の基材下面側とその外側の第2の金属箔7Cとの間に第2の接合材(低融点接合材)9が充填されている。
本実施形態において、第1の接合材8と第2の接合材9は、融点の異なる半田からなり、かつ、第1の接合材8の融点が第2の接合材9の融点より高くされている。
以下に酸化物超電導線材1を構成する各要素について説明する。
酸化物超電導線材1において基材2は、可撓性を有する長尺の酸化物超電導線材1とするためにテープ状やシート状あるいは薄板状であることが好ましい。また、基材2に用いられる材料は、機械的強度が比較的高く、耐熱性があり、線材に加工することが容易な金属を有しているものが好ましく、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)に代表されるニッケル合金やステンレスなどの耐熱性に優れた高強度の金属材料からなる。また、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金基材を適用することもできる。単結晶基板を用いてもよい。基材2の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、10〜500μmの範囲とすることができる。
基材2に形成されている中間層は、基材2の構成元素の拡散を防止する機能を有するとともに、酸化物超電導層3の結晶配向性を良好にして優れた超電導特性を発揮させるために、結晶配向性に優れたものが好ましい。前記中間層は、Al、Y、GdZr、YSZ、MgO、CeO、LaMnO等の金属酸化物から1種または2種以上選択された材料が、基材上に積層されて形成される。
中間層は一例として拡散防止層と配向層とキャップ層とを備えた構造を例示することができる。拡散防止層は例えばAlが厚さ10〜400nmに成膜される。配向性向上のため、拡散防止層の上にベッド層として例えばYを厚さ10〜100nmに形成してもよい。
配向層は例えばMgOが厚さ5〜50nmでIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法により良好な2軸配向結晶に成膜され、キャップ層は例えばCeOが50〜5000nmの厚さに形成される。
酸化物超電導層3は高温超電導体として公知のもので良く、具体的には、REBaCu(REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうち、1種または2種以上の希土類元素を示す)なる材質のものを例示できる。この酸化物超電導層3として、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示できる。酸化物超電導層3の厚みは、0.5〜10μm程度であって、均一な厚みであることが好ましい。
保護層5は、AgまたはAg合金などの良電導性かつ酸化物超電導層3と接触抵抗が低くなじみの良い層として形成される。保護層5の厚さは1〜30μm程度に形成できる。
金属安定化層7は、通常はCuなどの良導電性の金属テープの箔からなるが、金属安定化層7の構成材料は、酸化物超電導線材1の用途により異なる。例えば、酸化物超電導線材1を超電導ケーブルや超電導モーターなどに使用する場合は、何らかの事故によりクエンチが起こり、酸化物超電導層3が常電導状態に転移した時に発生する電流を転流させるバイパスのメイン部として用いられる。このとき、金属安定化層7に用いられる材料は、銅、Cu−Zn合金(黄銅)、Cu−Ni合金等の銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等の比較的安価な材質からなるものを用いることが好ましい。また、酸化物超電導線材1を超電導限流器に使用する場合、安定化層は、クエンチが起こり常電導状態に転移した時に発生する過電流を瞬時に抑制するために用いられる。この用途の場合、金属安定化層7に用いられる材料は、例えば、Ni−Cr等のNi系合金等の高抵抗金属が挙げられる。
なお、保護層5を構成する材料を基材2の裏面側に形成することもできる。保護層5を構成する材料を成膜する場合に基材2の裏面側にも成膜しておくことで、基材2にめっきや半田を付き易くすることができる。基材2にめっきや半田を付き易くするために、保護層5の構成材料に限らず、Cuなどの金属材料を基材2の裏面側に成膜しても良い。
第1の接合材8と第2の接合材9として、いずれも以下に記載する半田等の低融点接合材を用いることができ、中でも半田材料としてのスズ(Sn)あるいはスズ合金からなる。半田材料として例えば、Sn(融点232℃)あるいは、Sn−Ag系合金(融点217℃)、Sn−Bi−Ag系合金(融点138℃)、Sn−Cu系合金(融点227℃)、Sn−Ag−Cu系合金(融点199℃)、Sn−Zn系合金(融点187〜196℃)などのSnを主成分とする合金よりなる鉛フリー半田、Pb−Sn系合金半田(融点183℃)、共晶半田、低温半田などが挙げられ、これらの半田を1種、又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
従って、これらの半田を適宜用いて第1の接合材8と第2の接合材9を形成することができる。一例として、融点の高い方の第1の接合材8として、上述の中からSn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Snのいずれかの半田を用い、融点の低い方の第2の接合材9としてSn−Bi−Ag系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Zn系合金、Pb−Sn系合金のいずれかの半田を用いることができる。
これらの組み合わせを用いる場合、第1の接合材8の融点は、第2の接合材9の融点よりも10℃以上、例えば、15℃〜100℃程度高いことが好ましい。
この理由は、後述する如く第1の接合材8で第1段階目の半田付けを行った後、第2の接合材9を溶融させる第2段階目の半田付けを行う場合、第1の接合材8を再溶融させないためである。
以上のように構成された酸化物超電導線材1を製造する方法について図1(a)〜(d)を参照して工程順に以下に説明する。
本実施形態の酸化物超電導線材の製造方法においては、まず、水平に配置したテープ状の基材2の上面側に図示略の中間層と酸化物超電導層3と保護層5とをこの順に積層した図1(a)に示す積層構造の超電導積層体6を準備する。
次に、超電導積層体6よりも幅広で、且つ片面に第1の接合層10を形成した金属テープ11を図1(a)に示すように用意する。金属テープ11の片面に形成する第1の接合層10の幅は超電導積層体6の幅よりも若干広い幅とすることができる。第1の接合層10を形成するにはめっき法、塗布法など通常の半田層形成手段を適用することができる。
次に、テープ状の超電導積層体6の保護層5側に第1の接合層10を対向させて金属テープ11を超電導積層体6に互いの幅方向中央位置を位置合わせして沿わせる。この状態で第1の接合層10の融点あるいは融点近くの温度に加熱して第1の接合層10を溶融させ、溶融後に冷却して第1の接合材8を形成することで、図1(b)に示すように超電導積層体6に金属テープ11を位置合わせした状態で正確に位置決め固定することができる。
次に、酸化物超電導積層体6を取り囲むように金属テープ11をロールフォーミングなどの方法により折り曲げて変形させるとともに、変形させる前、あるいは、変形と同時にテープ状の第2の接合層12を超電導積層体6の基材2の裏面側に設置しながら金属テープ11を図1(c)に示すよう折り曲げ加工する。
この折り曲げ加工の段階において超電導積層体6に対し金属テープ11を第1の接合材8で固定しているので、超電導積層体6と金属テープ11を位置ずれすることなく折り曲げ加工ができる。
金属テープ11を折り曲げ加工したならば、第2の接合層12の溶融温度近傍以上の温度であって、第1の接合層10の融点よりも低い温度にロールあるいは熱板等で加熱押圧する。
この工程によって第2の接合層12を溶融させるとともに、折り曲げ加工した金属テープ11を超電導積層体6の側面側及び裏面側に密着させ、溶融させた第2の接合層12を冷却する。これにより図1(d)に示すように、超電導積層体6の保護層5の外面側を第1の金属箔7Aで覆い、超電導積層体6の側面側を側壁部7Bで覆い、超電導積層体6の基材2の裏面側を金属テープ11の折り曲げ加工による第2の金属箔7Cで覆った構造の酸化物超電導線材1を得ることができる。また、金属テープ11の折り曲げ加工した先端側の端縁部分には重ね合わせ部7dが形成される。
ロールあるいは熱板により第2の接合層12を溶融させる場合、第2の接合層12に近い側のロールあるいは熱板のみを加熱し、第2の接合層12側に主に熱を伝達して第2の接合層12を溶融させることができる。このようにすることで、第1の接合材8を再溶融させることなく第2の接合層12のみを溶融できるので好ましい。
図1(a)〜(d)に示す工程順に酸化物超電導線材1を製造するならば、第1の接合材8により固定した状態で金属テープ11を折り曲げ加工するので、超電導積層体6に対し金属テープ11を位置ずれしない状態に正確に折り曲げ加工することができる。そして、正確に折り曲げ加工した金属テープ11を基に第2の接合材9により第2の金属箔7Cを超電導積層体6の基材裏面側に固定するので、超電導積層体6の裏面側を確実に第2の金属箔7Cで覆った構造であり、第2の金属箔7Cによる接合精度の高い密閉構造を得ることができる。
このため、図1(d)に示す断面構造の酸化物超電導線材1が、長尺の構造であってもその全長に渡り確実に金属安定化層7で隙間無く覆った構造にできるので、長尺物であっても第1の金属箔7Aの接合部分および第2の金属箔7Cの接合部分を介する水分浸入のおそれのない密閉構造を得ることができる。
また、重ね合わせ部7dは酸化物超電導線材1の幅方向中央部に正確に位置決めされた状態となり、重ね合わせ部7dを介する水分浸入のおそれはなく、長さ方向に蛇行することなく位置ずれのない状態の重ね合わせ部7dを形成できる。
ところで、本実施形態において、超電導積層体6を金属安定化層7で覆った上に更に別の金属安定化層で覆う2重構造を採用し、金属安定化層の厚さを増加する構造を採用できる。2重構造として安定化層の厚さを増加することで安定化層としての導電性を向上できる。
図2は金属安定化層7による密閉構造を有するが、図1と構造が異なる酸化物超電導線材15を製造する場合に適用できる工程を説明するための工程説明図である。
図2に示す工程により得られる酸化物超電導線材15は、図2(d)に示すように、超電導積層体6の周囲を取り囲む金属安定化層7の内面側全面に第1の接合材16が形成されている。また、金属安定化層7の側壁部7Bと超電導積層体6の側部との間の部分に第2の接合材9と第1の接合材16が積層形成され、超電導積層体6の基材裏面側と第2の金属箔7Cとの間の部分に第2の接合材9と第1の接合材16が形成されている。
図2(d)に示す構造の酸化物超電導線材15は、図2(a)に示すように片面側全面に第1の接合層17を形成した金属テープ11を用いて製造することができる。なお、金属テープ11の表裏両面全面に第1の接合層17を形成しても良い。
図2(a)に示すようにテープ状の超電導積層体6の保護層5側に第1の接合層17を対向させて金属テープ11を超電導積層体6に互いの幅方向中央位置を位置合わせして沿わせる。この状態で第1の接合層17の融点あるいは融点近くの温度に加熱して第1の接合層17を溶融させ、溶融後に冷却して第1の接合材16とすることで、図2(b)に示すように超電導積層体6に金属テープ11を位置合わせした状態で一体化できる。
次に、酸化物超電導積層体6を取り囲むように金属テープ11をロールフォーミングなどにより変形させるとともに、変形させる前、あるいは、変形と同時にテープ状の第2の接合層12を超電導積層体6の基材2の裏面側に配置しながら金属テープ11を図2(c)に示すよう折り曲げ加工する。この折り曲げ加工の段階において超電導積層体6に対し金属テープ11を第1の接合材16で固定しているので、超電導積層体6と金属テープ11を位置ずれさせることなく折り曲げ加工ができる。
金属テープ11を折り曲げ加工したならば、第2の接合層12の溶融温度近傍以上の温度であって、第1の接合材16の融点よりも低い温度にロールあるいは熱板等で加熱押圧し、その後に冷却する。
この工程によって第2の金属層12を溶融させるとともに、折り曲げ加工した金属テープ11を超電導積層体6の側面側及び裏面側に密着させ、溶融させた第2の接合層12を冷却する。この工程により図2(d)に示すように超電導積層体6の側面部分を金属テープ11を加工した側壁部7Bで覆うとともに、基材2の裏面側を金属テープ11の折り曲げ加工による第2の接合材7Cで覆った構造の酸化物超電導線材15を得ることができる。
また、金属テープ11の折り曲げ先端側の端縁部分には重ね合わせ部7eが形成される。この重ね合わせ部7eは、酸化物超電導線材15の幅方向中央部に正確に位置決めされて形成される。
なお、図1と図2の構造ではいずれも重ね合わせ部7dを形成して第2の金属箔7Cの端縁どうしを重ね合わせた構造としたが、図1、図2よりも第2の金属箔7Cを幅の小さい形状として重ね合わせ部が生じないように、即ち、基材2の裏面側に折り返した第2の金属箔7Cの端縁どうしが重ならない構造としても良い。その場合、基材2の裏面側に折り曲げた第2の金属箔7Cの端縁どうしの間には隙間が空くこととなる。
図3は、図1あるいは図2に示す金属テープ11の折り曲げ加工を行い、超電導積層体6の周囲に金属安定化層7を形成して酸化物超電導線材1を製造する場合に用いて好適な装置の一例を示す。
図3に示す製造装置20は、前述した積層構造のテープ状の超電導積層体6に金属安定化層7を形成するための幅広の金属テープ11を沿わせ、この金属テープ11をC字型に折り返して金属安定化層7を形成するための折り曲げ機構22と加熱装置23と加圧ロール24を備えている。
折り曲げ機構22の前段側に設けられている第1の送出リール25にテープ状の超電導積層体6が巻き付けられ、第2の送出リール26に超電導積層体6より幅広の金属テープ11が巻き付けられ、第1の送出リール25から送り出された超電導積層体6に導体沿わせ機構27と搬送ローラ28により金属テープ11が沿わせられる。なお、金属テープ11の片面中央側に金属テープ11の全長にわたり予め第1の接合層10を形成した金属テープ11が第2の送出リール26に巻き付けられている。
導体沿わせ機構27と折り曲げ機構22の間であって、折り曲げ機構22の手前側にテープ状の第2の接合層12を巻き付けた第3の送出リール31が設けられ、折り曲げ機構22の手前に設けられたリール32を介してテープ状の第2の接合層12を折り曲げ機構22側に供給できる。また、導体沿わせ機構27とリール32との間に第1の接合層10を溶融するための加熱装置35が設けられている。
超電導積層体6に沿わせられた幅広の金属テープ11は、加熱装置35によって加熱され、第1の接合層10が溶融されて第1の接合材8となるので、金属テープ11が加熱装置35を通過後は超電導積層体6と金属テープ11とが第1の接合材8を介し接合された状態となる。このため、超電導積層体6と金属テープ11の相対位置が後工程で位置ずれすることがない。加熱装置23、35は一例として加熱ヒーターを組み込んだ熱板を備えた構造を採用できる。
第1の接合材8により固着された超電導積層体6と金属テープ11にはテープ状の第2の接合層12が供給され、続いて折り曲げ機構22により図1(c)に示すように金属テープ11を横断面C字型に成形して超電導積層体6の外周を取り包むように塑性加工される。
続いて加熱装置23と加圧ロール24により成形されて図1(d)に示すように超電導積層体6の外周を緻密に取り囲む金属安定化層7を備えた酸化物超電導線材1を製造することができ、巻取リール29に巻き取ることができる。
ここで、前記加熱装置35を用いて第1の接合層10を溶融して第1の接合材8とすることにより金属テープ11を超電導積層体6に固定した状態から、金属テープ11と超電導積層体6を加熱装置23と加圧ロール24に移送している。加圧ロール24において金属テープ11と超電導積層体6を塑性加工するが、金属テープ11を超電導積層体6に第1の接合材8で一体化したものを加圧ロール24に供給するので、加工中に金属テープ11と超電導積層体6が位置ずれすることがない。
図4は超電導積層体6の外周に第1の接合材8により接合された金属テープ11を折り曲げ加工し、折り曲げ部分内側に第2の接合層12を備えた状態において、第2の接合層12のみを溶融させる場合に用いて好適な加熱装置の一例を示す。
この加熱装置40は、ハウジング41の内底部に加熱ヒーター42が水平に設けられ、ハウジング41の上部側に入口部41aと出口部41bが形成され、この入口部41aから内部に金属テープ11を一体化した超電導積層体6を引き込み、出口部41bから引き出すことができる。
ハウジング41に引き込まれた金属テープ11付きの超電導積層体6は加熱ヒーター42の上方を水平に搬送されるが、加熱ヒーター42に近い側がより高い温度に加熱され、加熱ヒーター42から離れた側がより低い温度に加熱される。よって、加熱ヒーター42の温度設定を第2の接合層12の溶融温度近傍に設定しておくことが好ましい。
このように温度勾配を与えながら第2の接合層12を確実に溶融できる温度であって、第1の接合材8を溶融させない温度に加熱する場合に、上述の構造の加熱装置40を用いることが好ましい。
図5は、前述の構造の超電導積層体6に対し、上下両面にそれぞれ個別に金属箔50、51を接合した酸化物超電導線材52の構造を示す。
この例の酸化物超電導線材52は、超電導積層体6の保護層5の外面側に第1の接合材53を介し金属箔50が接合され、超電導積層体6の基材2の外面側に第2の接合材54を介し金属箔51が接合されている。また、超電導積層体6の端部側は、第1の接合材53の端部53aと第2の接合材54の端部54aにより覆われて密閉されている。
図5に示す構造において、第1の接合材53の融点が第2の接合材54の融点よりも高くされている。第1の接合材53は先の第1の接合材8と同等の材料からなり、第2の接合材54は先の第2の接合材9と同等の材料からなる。
図5に示す構造は金属テープの折り曲げではなく、平板状の金属箔50、51で超電導積層体6の両面を覆った構造である。
図5に示す構造を採用した場合においても、金属箔50を第1の接合材53で先に接合しておくことで、金属箔51を後で第2の接合材54により接合する際、第1の接合材53を再溶融することがないので、金属箔50、51の正確な位置決めと接合ができる点は先の実施形態の構造と同等に効果を得ることができる。
以下、本発明の内容を、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
ハステロイC−276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ50mのテープ状の基材上に、Alの拡散防止層(a−Alの厚さ80nm)と、Yのベッド層(a−Yの厚さ30nm)と、MgOの中間層(IBAD−MgOの厚さ10nm)と、CeOのキャップ層(厚さ300nm)とYBaCu7−xなる組成の酸化物超電導層とAgの保護層(厚さ6μm)を積層した超電導積層体を用意した。幅25mm、長さ50m、厚さ20μmの銅箔を用意し、この銅箔の幅方向中央部に幅12mmの帯状のSn(第1の接合材:以下、半田Aと呼称する)からなる半田層をめっき法により形成した。
前記Cu箔の幅方向中央部に沿って前記超電導積層体を互いの幅方向中心位置を重ねるように位置合わせしながら、加熱装置35において250℃に加熱した第1熱板に接触させ両者を加熱して一体化する方法により超電導積層体と銅箔を重ね合わせて一体化する第1の半田付け工程を行った。一体化する際、銅箔は、超電導積層体の保護層側に半田付けした。
次いで、超電導積層体の基材裏面側にテープ状の幅10mm、厚さ5μmの半田(第2の接合材:Sn−8Zn−3Bi:以下半田Bと呼称する)を沿わせつつ、全体をフォーミングロールに通し、超電導積層体の幅方向両端側に突出している銅箔の両端側を超電導積層体の基材裏面側に折り返し成形した後、加熱装置23の第2熱板に接触させて半田Bの融点より高い温度(210℃)に加熱する第2の半田付け工程を行った。本実施例の条件において銅箔の突合せ端部同士の重なり幅は4〜5mmに設定した。
なお、超電導積層体と銅箔を加熱する際、第1の半田付け工程で形成した半田層の再溶融を生じさせないために、超電導積層体の両側に配置される第2熱板のうち、超電導積層体の基材裏面側の銅箔を加圧する第2熱板側のみ半田Bの融点より高い温度(210℃)まで加熱した。
以上の工程により、図1(d)に示す断面構造を有する酸化物超電導線材を製造した。
他の半田の接合性を調べるために、半田AをSnに規定し、半田Bを以下の表1に示す種々の半田に替え、第1熱板と第2熱板の温度をそれぞれ表1のように調節して酸化物超電導線材を製造する試験を繰り返し行ない、表1に示すNo.1〜6の酸化物超電導線材を製造した。
製造した各々の酸化物超電導線材において、半田A側の密着性について評価するために、半田Aの部分の銅箔表面から1mm間隔25マスで切り込みラインを入れ(1mm間隔で5本×5本の切り込みをAgの保護層を貫通させて基材の手前まで形成)、剥離性を評価するクロスカット試験に供した。また、各酸化物超電導線材において1mおきに5箇所取り出して断面観察を行い、銅箔の端縁同士を接合した部分の重なり幅、および、幅方向位置を測定することで成形精度を評価した。
また、比較のために、半田Aと半田Bに同種のものを用い、他は上述と同じ方法で接合した比較例の酸化物超電導線材を製造した。加熱の方法は、熱板を半田A側に押し付けた。
成形精度については、銅箔の端縁どうしの重なり部分の幅が0を下回る(重なっていない状態)箇所が1箇所以上見られるもの、あるいは、重なり部分の幅方向位置測定の結果、5箇所の最大差が2mmを超える場合のいずれかを満たすものを×印で示した。
第1熱板と第2熱板において、表1に示す熱板接触面、A→Aとは、加熱手段としての熱板において第1熱板は半田A側、第2熱板も半田A側に配置されている例であり、A→Bとは、加熱手段としての熱板が第1熱板は半田A側、第2熱板は半田B側に配置されている例である。基板は線材の片側の面にのみ接触させて温度制御できるようにしている。なお、線材を挟むように熱板の反対側には保温のための蓋部材を設けている。
Figure 0005701356
No.5、6(比較例)の試料とNo.1(実施例)の試料の結果比較から、融点の異なる2種の半田を用いて高い融点の半田で銅箔の一部を固定した後、折り曲げ成形して再度融点の低い半田により超電導積層体の外周に成形後の銅箔を半田付けすることにより、容易かつ安定な成形を実現できることが判る。
また、No.3の試料のように半田A、Bの融点の差が少ない場合は密着性試験の剥離マス数において若干の剥離を生じたが、No.4の試料のように加熱方向を変えることで剥離マス数を削減できたので、加熱の方向を変更することで対処可能であり、融点の差が20℃であっても密着性を向上できることが判る。
なお、本発明において、融点に差を有する第1の接合材と第2の接合材を用いるならば、表1に示す半田に限るものではなく、また、3種以上の半田を用い、3回以上の半田付けによる接合を行うこともできる。
また、加熱方法についても、融点の高い第1の接合材(半田)に比べて融点の低い第2の接合材(半田)の温度を該第2の接合材の融点より高い状態にできる方法であれば、前記実施例に限るものではない。
そのような方法として例えば、図4を基に先に説明したように、温度勾配を付与した加熱装置(加熱炉)の加熱空間内を線材が通過するように構成し、温度を高くした領域に半田Bを位置させるように、温度を低くした領域に半田Aを位置させて加熱する方法を採用することができる。
1、15…酸化物超電導線材、2…基材、3…酸化物超電導層、5…保護層、7…金属安定化層、7A…第1の金属箔、7C…第2の金属箔、8、16…第1の接合材、9…第2の接合材、50、51…金属安定化層、52…酸化物超電導線材、53…第1の接合材、54…第2の接合材。

Claims (4)

  1. テープ状の基材と、前記基材上に中間層を介し形成された酸化物超電導層と、前記酸化物超電導層上に形成された保護層とを有する超電導積層体と、
    前記超電導積層体の第1の面に第1の接合材を介し接合された第1の金属箔と、
    前記超電導積層体の前記第1の面とは反対側の第2の面に、前記第1の接合材よりも低い融点を有する第2の接合材を介し接合された第2の金属箔と、
    を備え
    前記第1の接合材は、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金およびSnからなる群から選択される少なくとも1種からなり、前記第2の接合材は、Sn−Bi−Ag系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Zn系合金およびPb−Sn系合金からなる群から選択される少なくとも1種からなり、
    前記第1の接合材の融点は、前記第2の接合材の融点よりも10℃以上高い酸化物超電導線材。
  2. 前記第1の面側の金属箔と前記第2の面側の金属箔が前記超電導積層体の外周に沿って折曲した金属テープからなる請求項1に記載の酸化物超電導線材。
  3. テープ状の基材と、前記基材上に形成された酸化物超電導層と、前記酸化物超電導層上に形成された保護層とを有する超電導積層体を準備する工程と、
    前記超電導積層体の第1の面に第1の接合材を介し第1の金属箔を接合する工程と、
    前記超電導積層体の前記第1の面とは反対側の第2の面に、前記第1の接合材よりも低い融点を有する第2の接合材を介して第2の金属箔を接合する工程と、
    を有する酸化物超電導線材の製造方法。
  4. 前記超電導積層体の外周に沿って金属テープを折曲して前記第1の面側の金属箔と前記第2の面側の金属箔を形成する請求項3に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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