JP6078522B2 - 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル - Google Patents

超電導線材及びこれを使用した超電導コイル Download PDF

Info

Publication number
JP6078522B2
JP6078522B2 JP2014254063A JP2014254063A JP6078522B2 JP 6078522 B2 JP6078522 B2 JP 6078522B2 JP 2014254063 A JP2014254063 A JP 2014254063A JP 2014254063 A JP2014254063 A JP 2014254063A JP 6078522 B2 JP6078522 B2 JP 6078522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
superconducting wire
width direction
thickness
bonding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014254063A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016115574A (ja
Inventor
俊男 毛利
俊男 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2014254063A priority Critical patent/JP6078522B2/ja
Publication of JP2016115574A publication Critical patent/JP2016115574A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6078522B2 publication Critical patent/JP6078522B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

本発明は、超電導線材及びこれを使用した超電導コイルに関する。
近年、一般式BiSrCaCu8+δ(Bi2212)またはBiSrCaCu10+δ(Bi2223)で表されるBi系超電導体、あるいは、一般式REBaCu7−X(RE123)で表される希土類系超電導体を用いた超電導線材の開発が進められている。なお、希土類元素REがYの場合に限らず、希土類系は、しばしばY系と呼ばれている。
希土類系の超電導線材の構成の一つとして、金属テープ等からなる基材上に中間層を介して酸化物超電導層を積層した後、酸化物超電導層を保護するAg等の保護層を形成し、さらに、Cu等の安定化材を形成した構造が知られている。安定化材は、酸化物超電導層が何らかの原因で超電導状態から常電導状態に転移した際(クエンチ時)に発生する過電流をバイパスするための電流経路(パス)として設けられている。Ni合金等の強度が高い材料からなるテープ状の基材を用いた場合、長手方向に高い引張強度を有する。しかし、テープの面に垂直な方向の応力に対する強度は、一般に長手方向の強度に比べて弱いと言われている。
超電導コイルの酸化物超電導体が超電導状態を維持するためには、液体窒素などの冷媒や冷凍機などの冷却装置を用いて酸化物超電導体の臨界温度以下に冷却する必要がある。多層巻きコイル等のコイル形状に加工した場合に、酸化物超電導層を効率よく冷却する必要がある。例えば超電導線材のコイル形状を固定するため、エポキシ樹脂などの樹脂を含浸させた超電導コイルの場合、冷却時に超電導線材と樹脂の熱収縮差により、また、通電時にフープ応力(超電導コイルを外側に拡張する方向に作用する応力)等により、基材面に垂直な方向の剥離応力が作用して、超電導線材が劣化する可能性がある。
特許文献1には、超電導線材の層間剥離を抑制するため、超電導線材の幅方向の端部に、中間部より厚い絶縁被覆層を設ける技術が提案されている。この場合、絶縁被覆層が樹脂から形成されるので、絶縁被覆層と超電導線材との間で熱収縮差等により、剥離応力が作用して、超電導線材が劣化する可能性がある。
特開2013−246881号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超電導線材の基材面に垂直な方向の応力が作用しても、その方向の応力に対する強度を向上することが可能な超電導線材及びこれを使用した超電導コイルを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と保護層がこの順に積層された構成の超電導積層体と、前記超電導積層体の周囲に設けられた金属からなる安定化材と、前記超電導積層体と安定化材とを接合する接合材と、を含む超電導線材であって、前記超電導線材の厚さを、前記超電導線材の幅方向に垂直な厚さ方向において、前記超電導積層体、前記安定化材又は前記接合材が存在する任意の2点間距離のうち最大の距離と定義して、前記超電導線材の幅方向の中央部における厚さよりも前記超電導線材の幅方向の両側端縁における厚さが大きく、かつ、前記超電導線材の厚さ方向の両面において、幅方向の中央部よりも幅方向の両側端縁が突出しており、前記超電導積層体の両側面は、前記超電導線材の幅方向の中央部の厚さよりも厚さが大きい部材で覆われていることを特徴とする超電導線材を提供する。
また、本発明は、テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と保護層がこの順に積層された構成の超電導積層体と、前記超電導積層体の周囲に設けられた金属からなる安定化材と、前記超電導積層体と安定化材とを接合する接合材と、を含む超電導線材であって、前記超電導線材の厚さを、前記超電導線材の幅方向に垂直な厚さ方向において、前記超電導積層体、前記安定化材又は前記接合材が存在する任意の2点間距離のうち最大の距離と定義して、前記超電導線材の幅方向の中央部における厚さよりも前記超電導線材の幅方向の両側端縁における厚さが大きく、かつ、前記超電導線材の厚さ方向の両面において、幅方向の中央部よりも幅方向の両側端縁が突出しており、前記安定化材と前記超電導積層体の側面との間を接合する前記接合材は、前記安定化材と前記保護層との間を接合する前記接合材、及び、前記安定化材と前記基材の裏面との間を接合する前記接合材よりも厚いことを特徴とする超電導線材を提供する。
前記安定化材は、前記超電導積層体の前記保護層を覆う第1の部分と、前記超電導積層体の両側面をそれぞれ覆う一対の第2の部分と、前記基材の裏面の両側端縁をそれぞれ覆う一対の第3の部分とを含み、前記第1の部分の幅方向の両側にそれぞれ前記第2の部分及び前記第3の部分をこの順で有することができる。
記保護層上の幅方向の両側端縁及び前記基材の裏面の両側端縁が、それぞれ、前記接合材で覆われていてもよい。
前記安定化材は、前記両側端縁を覆う前記接合材により、前記中央部よりも前記両側端縁が突出するように屈曲していてもよい。
前記超電導積層体の両側面、前記保護層上の幅方向の両側端縁又は前記基材の裏面の両側端縁には、前記超電導線材の幅方向の中央部に設けられる接合材よりも融点の高い接合材が設けられていてもよい。
また、本発明は、前記超電導線材を使用した超電導コイルを提供する。
本発明によれば、金属からなる安定化材又は接合材により超電導線材の厚さが幅方向の中央部よりも両側端縁で増加した構造とすることで、超電導線材の基材面に交差する方向の応力に対する強度を向上することができる。
本発明の超電導線材の一例を示す断面図である。 超電導積層体の一例を示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に、本実施形態の超電導線材の断面図を示す。この断面図は、超電導線材の長手方向に垂直な断面の構造を模式的に示している。超電導線材10は、超電導積層体15と、超電導積層体の周囲に設けられた安定化材16と、超電導積層体15と安定化材16とを接合する接合材17,18とを含む。
図2に、超電導積層体15の断面図を示す。超電導積層体15は、テープ状の基材11と、基材11の一方の面11a上に、中間層12と酸化物超電導層13と保護層14がこの順に積層された構成を有する。基材11、中間層12、酸化物超電導層13、保護層14等の各層が積層される方向が厚さ方向である。幅方向は、長手方向及び厚さ方向に垂直な方向である。
基材11は、テープ状の金属基材であり、厚さ方向の両側に、それぞれ主面(一方の面11a及びこれに対向する裏面11b)を有する。基材11を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜500μmの範囲である。
中間層12は、基材11と酸化物超電導層13との間に設けられる。中間層12は、多層構成でもよく、例えば基材11側から酸化物超電導層13側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。
拡散防止層は、基材11の成分の一部が拡散し、不純物として酸化物超電導層13側に混入することを抑制する機能を有する。拡散防止層は、例えば、Si、Al、GZO(GdZr)等から構成される。拡散防止層の厚さは、例えば10〜400nmである。
ベッド層は、基材11と酸化物超電導層13との界面における反応を低減し、ベッド層の上に形成される層の配向性を向上するために用いられる。ベッド層の材質としては、例えばY、Er、CeO、Dy、Er、Eu、Ho、La等が挙げられる。ベッド層の厚さは、例えば10〜100nmである。
配向層は、その上のキャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、例えば、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。この配向層はIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法で形成することが好ましい。
キャップ層は、上述の配向層の表面に成膜されて、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。キャップ層の材質としては、例えば、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等が挙げられる。キャップ層の厚さは、50〜5000nmの範囲が挙げられる。
酸化物超電導層13は、酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、特に限定されないが、例えば一般式REBaCu7−X(RE123)で表される希土類系酸化物超電導体が挙げられる。希土類元素REとしては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。中でも、Y、Gd、Eu、Smの1種か、又はこれら元素の2種以上の組み合わせが好ましい。超電導層の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。この厚さは、長手方向に均一であることが好ましい。酸素欠損量xは、例えば0.0〜0.5程度である。
保護層14は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層13と保護層14の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層14の材質としては、例えば銀(Ag)、金(Au)、金と銀との合金、その他の銀合金又は金合金が挙げられる。
安定化材16は、図1に示すように、超電導積層体15の周囲で保護層14側から幅方向に屈曲した断面形状を有する金属テープからなる。これにより、酸化物超電導層13の側面を安定に覆うことができるため、超電導線材10の耐水性を向上することができる。安定化材16に用いられる材料は、超電導線材10の用途により異なってもよい。例えば、超電導ケーブルや超電導モータなどに使用する場合は、常電導状態への転移時に発生する過電流を転流させるバイパスのメイン部として機能する必要があるため、良導電性の金属が好適に用いられる。良導電性の金属として、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属が挙げられる。また、超電導限流器に使用する場合は、常電導状態への転移時に発生する過電流を瞬時に抑制する必要があるため、高抵抗金属が好適に用いられる。高抵抗金属として、例えば、Ni−Cr等のNi系合金などが挙げられる。
本実施形態の場合、安定化材16は、超電導積層体15の保護層14を覆う第1の部分16aと、超電導積層体15の両側面を覆う一対の第2の部分16b,16bと、基材裏面11bの両側端縁を覆う一対の第3の部分16c,16cとを含む。安定化材16を構成する金属テープは、第1の部分16aの幅方向の両側にそれぞれ第2の部分16b及び第3の部分16cをこの順で有することができる。第3の部分16cは、基材11の裏面11b上において、両側端縁から幅方向の中央部に向けてさらに延在することができる。
安定化材16は、接合材17,18により、超電導積層体15と接合される。例えば、安定化材16の第1の部分16aと保護層14との間(接合材17a)、安定化材16の第2の部分16bと超電導積層体15の側面との間(接合材17b)、安定化材16の第3の部分16cと基材裏面11bとの間(接合材17c)に、それぞれ接合材17a,17b,17cを設けてもよい。図1では、超電導積層体15の側面及び基材裏面11bの両側端縁を覆う接合材17bは、第1の部分16aと保護層14との間を覆う接合材17a、及び、第3の部分16cと基材裏面11bとの間を覆う接合材17cよりも厚い。
接合材17は、安定化材16の内面と超電導積層体15の外面との間に設けられる。接合材17を構成する材料としては、例えばSn−Pb系、Pb−Sn−Sb系、Sn−Pb−Bi系、Bi−Sn系、Sn−Cu系、Sn−Pb−Cu系、Sn−Ag系などの半田、Sn、Sn合金、In(インジウム)、In合金などの金属が挙げられる。
接合材18は、基材11の裏面11bと安定化材16の第3の部分16cとで囲まれる部分に設けられる。接合材18は、接合材17の材料として例示されたのと同様な半田などの金属を供給して形成することができる。このほか、溶接部により接合材18を構成することもできる。溶接部は、溶接時に周囲の部材から拡散した材料、例えば基材11、安定化材16、接合材17(17c)等の材料を含んでもよい。溶接部を形成する際、さらに外部から金属等の材料が供給されてもよい。図1では、基材11の裏面11bは、安定化材16又は接合材17c,18により全面が覆われているが、裏面11bの一部が露出されることもあり得る。また、図1では、接合材18と接合材17cとの境界を明瞭に図示しているが、接合材18が半田付け、溶接等により形成された結果、接合材18と接合材17cとの境界が明瞭でなくともよい。接合材18を形成する前に、接合材17cが裏面11bの全面等(接合材18が形成される領域を含む範囲)を覆っていてもよい。
本実施形態では、超電導線材10の幅方向の中央部における厚さよりも、超電導線材10の幅方向の両側端縁における厚さが大きい。図1の場合、超電導線材10は幅方向に両側端縁21,22と中央部23とを含み、両側端縁21,22における厚さが、中央部23における厚さよりも大きい。また、超電導線材10の厚さ方向の両面において、幅方向の中央部23よりも幅方向の両側端縁21,22が突出している。中央部23には、超電導線材10の長手方向に連続した溝状の凹部24が形成される。また、両側端縁21,22には、超電導線材10の長手方向に連続した突出部25が形成される。
ここで、超電導線材10の厚さは、幅方向に垂直な厚さ方向において、超電導積層体15、安定化材16又は接合材17,18が存在する任意の2点間距離のうち最大の距離と定義される。この定義による厚さの範囲には、超電導積層体15、安定化材16又は接合材17,18のうち1又は2以上が含まれるが、範囲内にさらに他の部材や空隙等からなる領域が含まれてもよい。図1の場合、第1の部分16aと第3の部分16c又は接合材18との間の距離(外面間の最大距離)が、超電導線材10の厚さに相当する。
超電導線材10をコイル状にしたとき、含浸樹脂の収縮等により超電導線材10に生じる応力は、中央部23より両側端縁21,22で大きくなる。そこで、両側端縁21,22における超電導線材10の厚さを、中央部23における超電導線材10の厚さよりも大きくすることにより、超電導線材10の基材11の面に交差する方向の応力に対する強度を向上することができる。
図1において、接合材17は、保護層14上の幅方向の両側端縁、超電導積層体15の両側面及び基材裏面11bの幅方向の両側端縁を覆うように形成されている。接合材17の厚さは、例えば10〜50μmである。
超電導積層体15の表裏両面で、接合材17が超電導積層体15の両側端縁を覆うことにより、安定化材16に使用される金属テープの厚さを部分的に変化しなくても、両側端縁21,22における超電導線材10の厚さを大きくすることができる。
また、接合材17が超電導積層体15の両側面を覆うことにより、超電導積層体15を構成する各層が、側面に接する端部から剥離することを抑制することができる。この場合、接合材17が超電導積層体15の両側面に密着することが好ましい。
超電導積層体15の周囲に安定化材16及び接合材17を設ける方法は特に限定されないが、接合材17を超電導積層体15の外面又は安定化材16の内面に設ける工程、超電導積層体15の周囲に安定化材16を配置する工程、超電導積層体15の外形に沿って安定化材16を折り曲げる工程(フォーミング)、超電導積層体15及び安定化材16を加熱及び加圧して接合材17の一部又は全部を溶融させる工程(再溶融、リフロー)、加圧を継続しながら全体を冷却して接合材を固化させる工程を含む方法が挙げられる。
安定化材16の材料として準備される金属テープの幅は、超電導積層体15の外周よりも短いことが好ましい。これにより、金属テープが超電導積層体15の外周を囲むように成形したとき、金属テープの幅方向の両端部同士が重なり合わないので、安定化材16の端部が超電導積層体15から浮き上がりにくくなる。金属テープの幅方向の両端部の間に生じる隙間は、半田や溶接等により接合材18(接合部、溶接部等)を設けて密閉することが好ましい。
図1に示すように、局所的に厚さが大きい接合材17を形成する方法として、安定化材16と重ね合わせる前に、超電導積層体15の両側面及び両側端縁に高融点の接合材(第1の接合材)を積層した後、超電導積層体15と安定化材16との間を低融点の接合材(第2の接合材)で接合する方法が挙げられる。フォーミングの際、両側面及び両側端縁に設けた接合材17に沿って安定化材16を折り曲げることにより、凹部24と突出部25とが形成される。フォーミングに使用する治具が、凹部24の溝に対応した形状を有すると、第1の部分16a及び第3の部分16cを超電導積層体15の表裏両面に対して、よりよく密着させることができるので好ましい。
第1の接合材と第2の接合材との融点差は、第2の接合材を再溶融させる際に、第1の接合材が溶融せず、局所的な厚さを維持できることが望ましい。これらの接合材の融点差は、例えば50℃以上が好ましい。第2の接合材は、第1の接合材が積層されていない超電導積層体の表面、超電導積層体上に積層された第1の接合材の表面、安定化材の表面(特に内面)の1又は2以上の領域で、全体的又は部分的に設けることができる。第1の接合材は、超電導積層体の両側面のうち一方又は両方の側面、保護層上の幅方向の両側端縁のうち一方又は両方の側端縁、基材の裏面の両側端縁のうち一方又は両方の側端縁から選択される1又は2以上の部分の一部又は全部に設けることができる。
接合材は、1種類又は2種類に限らず、3種類以上使用することも可能である。このうち2種以上が第1の接合材に該当してもよく、また2種以上が第2の接合材に該当してもよい。
フォーミングの具体例として、平坦な金属テープの上に超電導積層体を配置した後、フォーミングロール等を用いて、金属テープの幅方向の両端部をそれぞれ超電導積層体の側面に向けて折り曲げ、さらに、金属テープの幅方向の両端部を基材裏面に向かって折り曲げる工程が挙げられる。フォーミングによれば、同様の断面形状が超電導線材の長手方向に連続した製品を効率よく製造することができる。
金属テープの上に超電導積層体を配置する前に、金属テープの所定箇所で所定の折り曲げ角度の一部又は全部を予め折り曲げておくことも可能である。この場合、折り曲げた金属テープの内部に超電導積層体を容易に挿入できるよう、挿入の前は、超電導積層体の側面を覆うべき第2の部分と、基材裏面を覆うべき第3の部分との間で、折り曲げの角度を直角より小さくして、金属テーブの幅方向の両端部の隙間を広げておくことが好ましい。
安定化材16の幅方向の両端部の隙間を覆う接合材18は、安定化材16を超電導積層体15に接合する工程の後で設けることも可能である。また、安定化材16を超電導積層体15に接合する工程中、再溶融した第2の接合材を基材11の裏面11b又は安定化材16の内面に沿って濡れ拡がらせることにより、隙間を塞いで接合材18を形成することも可能である。基材11の裏面11bは、接合材が濡れやすいよう、メッキ等の表面処理を施してもよい。また、第1の接合材又は第2の接合材の濡れる範囲を規制するため、表面処理の有無や種類を領域ごとに異ならせることもできる。
テープ状の超電導線材10を用いて超電導コイルを作製するには、超電導線材10を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状(多層巻きコイル)とした後、巻き付けた超電導線材10を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させて超電導線材10を固定することができる。超電導線材10をコイル形状に巻き付ける際、主として超電導線材10の厚さ方向がコイルの径方向となればよい。超電導積層体15における基材11側(裏側)と保護層14側(表側)のいずれかコイルの巻き中心側になるかは限定されない。
超電導線材10の両側端縁21,22は、主としてコイルの軸方向に向かう。コイルで隣接するループ間では、主として超電導線材10の表側と裏側(場合により表側同士又は裏側同士)が向かい合う。そして、向かい合う超電導線材10の間には、含浸樹脂が充填されて、超電導線材10を相互に接着する。なお、局所的に超電導線材10にねじれや折り曲げ、接続部等を設けてコイルにおける超電導線材10の向きを変更することも可能である。
超電導コイルの使用時には、含浸樹脂により周囲を覆われた状態で冷媒や冷却装置により冷却される。このとき、含浸樹脂は超電導積層体より熱膨張係数が大きいので、常温から低温に冷却される過程で、含浸樹脂の収縮、変形により超電導線材10に応力が作用する。この応力に対し、超電導線材10の中央部23よりも両側端縁21,22の厚さが大きいので、両側端縁21,22でより大きな応力が作用しても、超電導線材10の剥離や劣化を抑制することができる。
本実施形態では、安定化材が、1枚の金属テープから、屈曲した断面形状を有するように成形されるので、耐久性が高く、加工コストも低減することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
超電導線材は、安定化材の内部に空隙を有してもよい。例えば、屈曲した断面形状の安定化材と超電導積層体の側面との間に空隙を設けることもできる。
安定化材は、溶融押出や切削加工などにより、屈曲した断面形状となるように成形することも可能である。
安定化材の外面に、半田、メッキ等により局所的に金属層を形成することにより、両側端縁で超電導線材の厚さを増大することも可能である。
超電導線材は、外部端子を有することができる。外部端子を有する箇所では、他の箇所と異なる断面構造を有してもよい。
10…超電導線材、11…基材、11a…一方の面、11b…基材の裏面、12…中間層、13…酸化物超電導層、14…保護層、15…超電導積層体、16…安定化材、17,18…接合材、21,22…超電導線材の幅方向の側端縁、23…超電導線材の幅方向の中央部、24…凹部、25…突出部。

Claims (7)

  1. テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と保護層がこの順に積層された構成の超電導積層体と、
    前記超電導積層体の周囲に設けられた金属からなる安定化材と、
    前記超電導積層体と安定化材とを接合する接合材と、
    を含む超電導線材であって、
    前記超電導線材の厚さを、前記超電導線材の幅方向に垂直な厚さ方向において、前記超電導積層体、前記安定化材又は前記接合材が存在する任意の2点間距離のうち最大の距離と定義して、前記超電導線材の幅方向の中央部における厚さよりも前記超電導線材の幅方向の両側端縁における厚さが大きく、かつ、前記超電導線材の厚さ方向の両面において、幅方向の中央部よりも幅方向の両側端縁が突出しており、
    前記超電導積層体の両側面は、前記超電導線材の幅方向の中央部の厚さよりも厚さが大きい部材で覆われていることを特徴とする超電導線材。
  2. テープ状の基材の一方の面上に中間層と酸化物超電導層と保護層がこの順に積層された構成の超電導積層体と、
    前記超電導積層体の周囲に設けられた金属からなる安定化材と、
    前記超電導積層体と安定化材とを接合する接合材と、
    を含む超電導線材であって、
    前記超電導線材の厚さを、前記超電導線材の幅方向に垂直な厚さ方向において、前記超電導積層体、前記安定化材又は前記接合材が存在する任意の2点間距離のうち最大の距離と定義して、前記超電導線材の幅方向の中央部における厚さよりも前記超電導線材の幅方向の両側端縁における厚さが大きく、かつ、前記超電導線材の厚さ方向の両面において、幅方向の中央部よりも幅方向の両側端縁が突出しており、
    前記安定化材と前記超電導積層体の側面との間を接合する前記接合材は、前記安定化材と前記保護層との間を接合する前記接合材、及び、前記安定化材と前記基材の裏面との間を接合する前記接合材よりも厚いことを特徴とする超電導線材。
  3. 前記安定化材は、前記超電導積層体の前記保護層を覆う第1の部分と、前記超電導積層体の両側面をそれぞれ覆う一対の第2の部分と、前記基材の裏面の両側端縁をそれぞれ覆う一対の第3の部分とを含み、前記第1の部分の幅方向の両側にそれぞれ前記第2の部分及び前記第3の部分をこの順で有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材。
  4. 前記保護層上の幅方向の両側端縁及び前記基材の裏面の両側端縁が、それぞれ、前記接合材で覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導線材。
  5. 前記安定化材は、前記両側端縁を覆う前記接合材により、前記中央部よりも前記両側端縁が突出するように屈曲していることを特徴とする請求項4に記載の超電導線材。
  6. 前記超電導積層体の両側面、前記保護層上の幅方向の両側端縁又は前記基材の裏面の両側端縁には、前記超電導線材の幅方向の中央部に設けられる接合材よりも融点の高い接合材が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の超電導線材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の超電導線材を使用した超電導コイル。
JP2014254063A 2014-12-16 2014-12-16 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル Expired - Fee Related JP6078522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254063A JP6078522B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254063A JP6078522B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016115574A JP2016115574A (ja) 2016-06-23
JP6078522B2 true JP6078522B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=56142123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014254063A Expired - Fee Related JP6078522B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6078522B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110392915A (zh) * 2017-03-07 2019-10-29 住友电气工业株式会社 超导线材、超导线圈和超导电缆导体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150318083A1 (en) * 2012-12-28 2015-11-05 Fujikura Ltd. Oxide superconductor wire
JP6225851B2 (ja) * 2014-07-31 2017-11-08 住友電気工業株式会社 超電導線材

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110392915A (zh) * 2017-03-07 2019-10-29 住友电气工业株式会社 超导线材、超导线圈和超导电缆导体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016115574A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190172612A1 (en) Oxide superconducting wire
WO2013187353A1 (ja) 酸化物超電導線材および超電導コイル
JP5847009B2 (ja) 酸化物超電導線材
WO2016080524A1 (ja) 超電導コイル
JP6012658B2 (ja) 酸化物超電導線材とその製造方法
JP6101491B2 (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JP6274975B2 (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体の製造方法、及び酸化物超電導線材の接続構造体
JP2014154320A (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体及び超電導機器
JP6078522B2 (ja) 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル
WO2017104297A1 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法及び超電導コイルの製造方法
JP2013247011A (ja) 酸化物超電導線材及びその製造方法
JP2014130730A (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体及び接続方法並びに接続構造体を用いた酸化物超電導線材
JP6031494B2 (ja) 超電導線材及びこれを使用した超電導コイル
JP2017091808A (ja) 酸化物超電導線材の製造方法及び超電導コイルの製造方法
JP6484658B2 (ja) 酸化物超電導線材及び超電導コイル
JP2014130793A (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体とその製造方法
JP2013186966A (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
JP5640022B2 (ja) 超電導線材と外部端子の接合方法、および超電導線材の外部端子接合構造体
JP7292257B2 (ja) 超電導線材の接続構造体および超電導線材の接続構造体の製造方法
JP2018206521A (ja) 高温超電導線材及び超電導コイル
JP5775810B2 (ja) 酸化物超電導線材の製造方法
WO2014104333A1 (ja) 酸化物超電導線材の接続構造体およびその製造方法と超電導機器
JP5701356B2 (ja) 酸化物超電導線材およびその製造方法
WO2018078877A1 (ja) 超電導線材
JP2019128982A (ja) 超電導線材および超電導線材の製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161004

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170116

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6078522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees