JP5684961B2 - 酸化物超電導線材 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物超電導線材に関する。
本願は、2013年2月15日に、日本に出願された特願2013−028222号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年のエネルギー、環境、及び資源問題を解決できる高効率かつ低電流損失の電気機器の一つに低電流損失の材料として超電導体を用いたケーブル、コイル、モーター、及びマグネットなどの超電導機器が挙げられる。これらの超電導機器に用いられる超電導体には、例えば、RE−123系(REBaCu(7−x):REはY及びGdなどを含む希土類元素)等の酸化物超電導体が知られている。この酸化物超電導体は、液体窒素温度付近で超電導特性を示し、強磁界内でも比較的高い臨界電流密度を維持することができる。そのため、他の超電導体と比べると広範囲に応用できると考えられており、実用上有望な材料として期待されている。
酸化物超電導体を電気機器に使用するためには、酸化物超電導体を線材に加工して、電力供給用の導体あるいは磁気コイル等の酸化物超電導線材として用いるのが一般的である。酸化物超電導線材は、テープ状の基材上に中間層を介して酸化物超電導層を成膜することで形成される。
酸化物超電導体は多湿環境下に置かれると水分の影響を受けて結晶構造が乱れ、超電導特性が劣化することが知られている。従って酸化物超電導層を水分から保護する必要がある。このためにAgを含む下地安定化層を、酸化物超電導層上に形成することにより、水分から保護する技術が知られている。
Agは比較的高価な金属でありその使用量は少ない方が望ましいため、Agを含む下地安定化層は薄く形成される。しかしながら、Agの下地安定化層が薄い場合、満足な耐湿性を得られない虞があるため、種々の構造が提供されている。
例えば、基材上に中間層を介して酸化物超電導層を成膜した積層体の酸化物超電導層上に下地安定化層を形成し、下地安定化層を含む積層体の外周に、電解めっき法によりCu等の安定化層を形成し、酸化物超電導線材の外周を水分から封止した構造が知られている。
しかしながら、酸化物超電導線材を構成する各層に流れる電流密度は、それぞれの電気抵抗に依存するため同等でない。従って、安定化層の厚みが不均一となる問題があった。また、基材の材料として好適とされているNi基合金(例えばハステロイ:商品名、米国ヘインズ社製)は、その上にめっきを形成することが困難な材料として知られており、Ni基合金上にCuメッキを施しても密着性が悪くCuメッキ層(安定化層)が剥離してしまう虞があった。
そこで、特許文献1には、基材と基材上に中間層を介して形成された酸化物超電導層とで形成される積層体の外周を、Agからなる下地安定化層で完全に覆い、この下地安定化層上にめっき法によりCuの安定化層を設けることで、均一な厚さの安定化層を形成する技術が開示されている。
日本国特開平7−335051号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、Agで形成される下地安定化層を、積層体の全周に形成する必要がある。この場合Agで形成される下地安定化層は、後工程で酸素を酸化物超電導層に供給し超電導特性を高める熱処理(酸素アニール処理)をする際に、Agが凝集しピンホールが発生することを抑制するために、所定の厚さ以上の膜厚を形成する必要がある。これによりAgの使用量が増加しコストが増加する問題を有していた。そこで本発明は、Agの使用量を抑制しつつ、安定化層との密着性を確保し水分により超電導特性が劣化しない酸化物超電導線材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る酸化物超電導線材は、基材と、前記基材の主面上に形成される中間層と、前記中間層の上に形成される酸化物超電導層とを有する酸化物超電導積層体と、少なくとも前記酸化物超電導層の上面を覆うように形成されAg又はAg合金からなる第1の下地安定化層と、前記酸化物超電導積層体の外周のうち少なくとも前記第1の下地安定化層で覆われていない部分を覆いCu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層とを有し、前記酸化物超電導積層体の外周に形成される下地安定化層と、前記下地安定化層上に形成され、前記下地安定化層のうち少なくとも、前記第1の下地安定化層の一部及び前記第2の下地安定化層の一部を覆う安定化層と、を備える。
上記態様に係る酸化物超電導線材は、酸化物超電導積層体の外周に下地安定化層が形成され、さらにこの下地安定化層上に安定化層が形成されている。下地安定化層は、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層とCu、Ni、Pb、Bi又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層から構成されている。これらの第1及び第2の下地安定化層は、めっきまたは半田との密着性に優れている。
したがって、安定化層としてめっき被覆層を設ける場合は、密着性が高く均一な膜厚を有するめっき被覆層を形成することが可能である。
また、安定化層として金属テープを用い、当該金属テープを半田層を介して接合する場合においては、気密性の高い安定化層を形成することができる。
さらに、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層に加えて、Cu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層を有するため、Agの使用量を抑制することが可能である。従って、コストを削減することができる。
また、前記酸化物超電導層上に前記第1の下地安定化層が形成され、前記基材の裏面上に前記第2の下地安定化層が形成され、前記酸化物超電導積層体の側面において前記第1の下地安定化層と前記第2の下地安定化層とが部分的に重なるように形成されていてもよい。
上記態様に係る酸化物超電導線材は、酸化物超電導積層体の外周のうち、基材の裏面側はCu、Ni、Pb、Bi又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層が形成されており、Agからなる第1の下地安定化層が全周に形成されていない。そのため、前周をAgからなる下地安定化層で覆う構造と比較してAgの使用量を抑制しコストを抑えることができる。また、酸化物超電導積層体の側面が第1の下地安定化層と第2の下地安定化層が部分的に重なるように形成されて被覆されているため、側面からの水分の浸入を抑制し、超電導特性が劣化することを抑制できる。
また、前記第2の下地安定化層が前記第1の下地安定化層の露出する面全体を覆うように形成されていてもよい。
上記態様に係る酸化物超電導線材によれば、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層が、Cu、Ni、Pb、Bi又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層によって覆われている。そのため、第1の下地安定化層成膜後に酸素アニール処理を行って、第1の下地安定化層上にピンホールが形成されていても、第2の下地安定化層によって係るピンホールを塞ぐことが可能となり、水分の浸入を確実に防ぐことができる。
また、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層と半田層とが直接接触すると、第1の下地安定化層が半田を構成する金属材料に浸食され、第1の下地安定化層と酸化物超電導層との界面抵抗値が上昇する虞がある。この界面抵抗値が上昇した場合、電流リード等から酸化物超電導線材に電流を供給する際の抵抗が大きくなったり、またはクエンチが起こり常電導状態に転移した時に酸化物超電導層の電流が安定化層へ転流しにくくなったりする。その結果、酸化物超電導線材が焼損するおそれがある。
一方、上記態様に係る酸化物超電導線材によれば、下地安定化層の外周を半田層を介して金属テープ(安定化層)で覆う場合においては、第1の下地安定化層が、第2の下地安定化層によって覆われているため、第1の下地安定化層と半田層が直接接触することが無い。したがって、第1の下地安定化層が半田層と接触させないことで、第1の下地安定化層と酸化物超電導層との界面抵抗値の上昇を抑制できる。
また、前記酸化物超電導層の上面における前記第1の下地安定化層の膜厚が0.1μm以上2μm以下であってもよい。
上記態様に係る酸化物超電導線材によれば、酸素アニール時の熱処理によって第1の下地安定化層にピンホールが発生し、酸化物超電導層の一部が露出することを回避しつつ、Agの使用量を抑えることができるためコストを低減できる。
また、前記安定化層がめっき被覆層であってもよい。また、前記安定化層が半田層を介し接合された金属テープであってもよい。
上記態様に係る酸化物超電導線材によれば、上記の構成を有することにより水分浸入による超電導特性の劣化を抑制できる。
上記態様に係る酸化物超電導線材は、酸化物超電導積層体の外周全体がAg又はAg合金からなる第1の下地安定化層又はCu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層によって覆われているため、酸化物超電導積層体の酸化物超電導層に水分が浸入を抑制し、超電導特性が劣化することを抑制できる。
また、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層に加えて、Cu、Ni、Pb、Bi又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層を有するため、Agの使用量を抑制することが可能であるため、コストを削減することができる。
本発明の第1実施形態に係る酸化物超電導線材を模式的に示す断面傾視図である。 本発明の第1実施形態に係る酸化物超電導線材の変形例を模式的に示す断面傾視図である。 本発明の第2実施形態に係る酸化物超電導線材を模式的に示す断面傾視図である。 本発明の第2実施形態に係る酸化物超電導線材の変形例を模式的に示す断面傾視図である。
以下、本発明の実施形態に係る酸化物超電導線材について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(酸化物超電導線材の第1実施形態)
図1に本発明の第1実施形態に係る酸化物超電導線材1を示す。酸化物超電導線材1は、酸化物超電導導体15の外周をめっき被覆層(安定化層)17で覆うように構成されている。また、酸化物超電導導体15は、テープ状の基材10と基材10の主面10aに積層された中間層11及び酸化物超電導層12とで形成される酸化物超電導積層体16と、その外周に積層された下地安定化層20と、から構成される。下地安定化層20は、Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層13と、Cu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層14とを有する。
以下、図1を基に、酸化物超電導線材1の各構成要素について詳しく説明する。
基材10は、通常の酸化物超電導線材の基材として使用できるものであれば良く、可撓性を有する長尺のテープ状であることが好ましい。また、基材10に用いられる材料は、機械的強度が高く、耐熱性があり、線材に加工することが容易な金属を有することが好ましく、例えば、ステンレス鋼、ハステロイ(商品名、米国ヘインズ社製)等のニッケル合金等の各種耐熱性金属材料、もしくはこれら各種金属材料上にセラミックスを配した材料などが挙げられる。中でも、市販品であれば、ハステロイが好適である。このハステロイの種類には、モリブデン、クロム、鉄、及びコバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等が挙げられ、本実施形態ではいずれの種類も使用できる。また、基材10として、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金テープ基材等を適用することもできる。基材10の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は10〜500μm、好ましくは20〜200μmである。
基材10の主面10aには、中間層11が形成されている。中間層11は、一例として拡散防止層、ベッド層、配向層、及びキャップ層がこの順に積層された構造を適用することができる。
拡散防止層は、その上面に他の層を形成するために加熱処理した結果、基材10や他の層が熱履歴を受ける場合に、基材10の構成元素の一部が拡散し、不純物として酸化物超電導層12側に混入することを抑制する。拡散防止層の具体的な構造としては、上記機能を有すれば特に限定されないが、不純物の混入を防止する効果が比較的高いAl、Si、又はGZO(GdZr)等から構成される単層構造あるいは複層構造が望ましい。
ベッド層は、基材10と酸化物超電導層12との界面における構成元素の反応を抑え、この層よりも上面に設ける層の配向性を向上させるために用いられる。ベッド層の具体的な構造としては、上記機能を有すれば特に限定されないが、耐熱性が高いY、CeO、La、Dy、Er、Eu、及びHoなどの希土類酸化物から構成される単層構造あるいは複層構造が望ましい。
配向層は、その上に形成されるキャップ層及び酸化物超電導層12の結晶配向性を制御したり、基材10の構成元素が酸化物超電導層12へ拡散することを抑制したり、基材10と酸化物超電導層12との熱膨張率や格子定数といった物理的特性の差を緩和したりする。配向層の材料には、上記機能を有すれば特に限定されないが、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)等の金属酸化物を用いると、後述するイオンビームアシスト蒸着法(以下、IBAD法と呼ぶことがある。)において、結晶配向性の高い層が得られ、キャップ層及び酸化物超電導層12の結晶配向性をより良好にできるため、特に好適である。
キャップ層は、酸化物超電導層12の結晶配向性を配向層と同等以上に制御したり、酸化物超電導層12を構成する元素の中間層11への拡散を抑制したり、酸化物超電導層12の積層時に使用するガスと中間層11との反応を抑制したりする。キャップ層の材料には、上記機能を有すれば特に限定されないが、CeO、LaMnO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、及びNd等の金属酸化物が酸化物超電導層12との格子整合性の観点から好適である。そのなかでも、酸化物超電導層12とのマッチング性から、CeO、LaMnOが特に好適である。
ここで、キャップ層にCeOを用いる場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
酸化物超電導層12は、超電導状態の時に電流を流す機能を有する。酸化物超電導層12に用いられる材料には、通常知られている組成の酸化物超電導体からなるものを広く適用することができ、例えば、RE−123系超電導体、Bi系超電導体などの銅酸化物超電導体などが挙げられる。RE−123系超電導体の組成は、例えば、REBaCu(7−x)(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素、xは酸素欠損を表す。)が挙げられ、具体的には、Y123(YBaCu(7−x))、Gd123(GdBaCu(7−x))が挙げられる。Bi系超電導体の組成は、例えば、BiSrCan−1Cu4+2n+δ(nはCuOの層数、δは過剰酸素を表す。)が挙げられる。
また、本実施形態において用いられる酸化物超電導層12の材料は、銅酸化物超電導体であり、以下、特に指定がなければ、酸化物超電導層12に用いる材料を銅酸化物超電導体とする。
上述の基材10、中間層11、及び酸化物超電導層12によって、酸化物超電導積層体16が構成される。図1に示すように、酸化物超電導積層体16は、下地安定化層20によって外周が覆われており、酸化物超電導層12上に第1の下地安定化層13の主面部13bが形成され、基材10の裏面10bに第2の下地安定化層14の主面部14bが形成される。さらに、前記酸化物超電導積層体16の側面16aに第1の下地安定化層13及び第2の下地安定化層14の側面部13a、14aが形成されて、酸化物超電導導体15が構成されている。
第1の下地安定化層13は、酸化物超電導積層体16の酸化物超電導層12上に形成される主面部13bと、前記酸化物超電導積層体16の側面16aに形成される側面部13aとからなる。また、基材10の裏面10b上には第1の下地安定化層13は形成されていない。
第1の下地安定化層13は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層12と第1の下地安定化層13よりも上面に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制し、一方の層の元素の一部が他方の層側に侵入して組成がくずれることによる超電導特性の低下を防いだりするなどの機能を有する。また、第1の下地安定化層13は、酸化物超電導層12に酸素を取り込ませやすくするために、加熱時には酸素を透過しやすくさせる。第1の下地安定化層13は、AgあるいはAg合金のようなAgを主成分とする材料から形成される。
Ag又はAg合金からなる第1の下地安定化層13は、スパッタ法等の成膜法により形成することができる。スパッタ法による第1の下地安定化層13の成膜の一例について以下に説明する。
まず、Ag又はAg合金からなるターゲットと酸化物超電導積層体16を、内部を真空状態に減圧しArガスを導入した処理容器内に配置する。このとき、酸化物超電導積層体16は、酸化物超電導層12がターゲットに対向するように配置する。次に前記ターゲットに電圧を印加し放電させることでArガスをイオン化してプラズマを生成する。プラズマ中に生成されたArのイオンが、前記ターゲットをスパッタしてターゲットからAgのスパッタ粒子がはじき出され、当該スパッタ粒子が酸化物超電導層12上に堆積することで、第1の下地安定化層13が成膜される。
スパッタ法による成膜において、第1の下地安定化層13は、図1に示すように、基材10、中間層11、及び酸化物超電導層12の側面側にもスパッタ粒子(Ag粒子)が回り込んで側面部13aが形成される。これは、スパッタ粒子が処理容器中のArに衝突して運動方向を変えることによる。したがって、第1の下地安定化層13の側面部13aは、主面部13bと比較して薄い層となる。また、側面部13aの膜厚は、主面部13bから離れるに従って徐々に薄くなる。成膜圧力などの成膜条件によっては、基材10の裏面10b側にもAgの薄い層(図示略)が形成される。
なお、第1の下地安定化層13は、少なくとも酸化物超電導積層体16の酸化物超電導層12上に形成される主面部13bを有していればよく、酸化物超電導積層体16の側面16aに形成される側面部13aは形成されていなくても良い。
第1の下地安定化層13の酸化物超電導層12上に形成される主面部13bの膜厚は、10nm以上10μm以下とすることができる。主面部13bの膜厚が10μm以下の薄い層とすることでコストの低減を図ることができる。また、主面部13bの膜厚が10nm未満である場合には、酸素アニール時の熱処理によってAgが凝集し、第1の下地安定化層13にピンホールが発生し、酸化物超電導層12の一部が露出する虞がある。したがって、主面部13bの酸化物超電導層12上に形成される膜厚は、10nm以上10μm以下であることが好ましい。また、より確実に酸化物超電導層12の露出を防ぐため、上記膜厚が0.1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
また、第1の下地安定化層13のAgが後述の半田層のSnによって溶食されるおそれがない場合は、さらなるコスト低減の観点から上記膜厚範囲の上限値を2μmとすることもできる。
第1の下地安定化層13の成膜後に、酸素雰囲気下において300〜500℃、5〜20hの熱処理を行う(酸素アニール処理)。酸化物超電導層12は、成膜後には酸素が不足した結晶構造となっているため、上記の酸素アニール処理を行うことによって、酸化物超電導層12に酸素を供給して結晶構造を整えることができる。
第2の下地安定化層14は、基材10の裏面10b上に形成される主面部14bと、前記酸化物超電導積層体16の側面16a側に形成される側面部14aからなる。
第2の下地安定化層14は、前記第1の下地安定化層13と共に、事故時の過電流をバイパス可能である。第2の下地安定化層14は、Cu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる材料から形成される。Cu合金としては、Cu−Zn合金、Cu−Ni合金等が例示される。
以下に、一例としてCuからなる第2の下地安定化層14の形成手段を説明する。Cuからなる第2の下地安定化層14は、第1の下地安定化層13と同様にスパッタ法により形成することができる。Cuターゲットを基材10の裏面10bと対向して配置し、基材10上に第2の下地安定化層14を成膜する。この時、第2の下地安定化層14は、基材10の裏面10bのみならず、図1に示すように、基材10、中間層11、酸化物超電導層12の側面にもスパッタ粒子(Cu粒子)が回り込んで形成される。基材10、中間層11、酸化物超電導層12の側面には、第1の下地安定化層13の側面部13aが形成されているため、当該第1の下地安定化層13の側面部13a上に第2の下地安定化層14の側面部14aが形成される。
基材10、中間層11、及び酸化物超電導層12の側面に形成される第1の下地安定化層13の側面部13aは薄い層であるため、酸素アニール処理によって、Agが凝集し、側面部13aにはピンホールが形成されている虞がある。しかしながら、本実施形態では、第1の下地安定化層13の側面部13aに第2の下地安定化層14の側面部14aが形成されることで前記ピンホールを覆う。従って、酸化物超電導積層体16を第1の下地安定化層13及び第2の下地安定化層14で形成される下地安定化層20により完全に覆うことができる。
第2の下地安定化層14の主面部14bの膜厚は、10nm以上10μm以下とすることができる。膜厚が10μmを超える主面部14bを形成しようとすると、成膜時の熱によって上述した酸素アニール処理によって酸化物超電導層12に供給された酸素が活性化され、酸化物超電導層12から抜けてしまう虞がある。
スパッタ法による成膜において、スパッタ粒子が被成膜体に衝突すると衝突時の運動エネルギーが熱エネルギーに変換され、被成膜体の表面が発熱する。スパッタ法によって第2の下地安定化層14を成膜する際も、成膜によって基材10の裏面10bが発熱する。
発熱量は、成膜する第2の下地安定化層14の膜厚と相関関係を有し、第2の下地安定化層14の膜厚が10μm以上であると、この熱が酸化物超電導層12に伝わり酸化物超電導層12の酸素が活性化して抜け出てしまう。したがって、第2の下地安定化層14の膜厚は10μm以下であることが望ましい。
また、第2の下地安定化層14の基材10上に形成される膜厚が10nm未満であると、酸化物超電導積層体16を、当該酸化物超電導積層体16上に成膜された第1の下地安定化層13と共に完全に被覆することができなくなるため、10nm以上であることが望ましい。
なお、図1の第1の下地安定化層13の側面部13aは、酸化物超電導積層体16の側面16aを完全に被覆している。また、第2の下地安定化層14の側面部14aも同様に第1の下地安定化層13の側面部13aを完全に被覆している。しかしながら、第1の下地安定化層13の側面部13a又は第2の下地安定化層14の側面部14aのいずれか一方が酸化物超電導積層体16の表面を被覆していれば良い。
酸化物超電導積層体16を第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層14とによって、外周を覆い、Agの使用量を抑制することが可能となり、Agを主成分とする第1の下地安定化層13のみによって外周を覆う場合と比較して、コストを削減することができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る酸化物超電導導体15は、基材10、中間層11、及び酸化物超電導層12によって構成される酸化物超電導積層体16と、当該酸化物超電導積層体16の外周を覆う下地安定化層20とを有する。下地安定化層20は、第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層14とからなり、酸化物超電導積層体16の酸化物超電導層12上に第1の下地安定化層13の主面部13bが形成され、基材10の裏面10bに第2の下地安定化層14の主面部14bが形成され、前記酸化物超電導積層体16の側面16a、16aに少なくとも第1の下地安定化層13の側面部13a、及び第2の下地安定化層14の側面部14aのうちの一方が形成されている。
また、酸化物超電導導体15とその外周を外部と気密に被覆するめっき被覆層(安定化層)17とで酸化物超電導線材1を構成する。
基材10及び酸化物超電導層12は、第1の下地安定化層13や第2の下地安定化層14と比較してめっきの密着性が悪い。また、基材10及び常温の酸化物超電導層12は、第1の下地安定化層13及び第2の下地安定化層14と比較して著しく電気抵抗値が高い。そのため、電解めっきにより、基材10及び酸化物超電導層12の表面に均一な厚みを有するめっき層を形成することは困難である。
しかしながら、本実施形態に係る酸化物超電導積層体16は、第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層14によって、完全に被覆されているため、めっき被覆層17は、第1の下地安定化層13又は第2の下地安定化層14との上にのみ形成される。したがって、酸化物超電導導体15の外周のめっき被覆層17は、酸化物超電導導体15との密着性に優れる。加えて、第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層14との電気抵抗値の差は、比較的小さいためより均一な膜厚を有するめっき被覆層17を形成することができる。
酸化物超電導導体15上に積層されためっき被覆層17は、良導電性の金属材料からなり、酸化物超電導層12が何らかの原因で超電導状態から常電導状態に遷移しようとした時に、下地安定化層20とともに、酸化物超電導層12の電流が転流するバイパスとなる安定化層として機能する。
また、めっき被覆層17により、酸化物超電導導体15を外部から完全に遮断することが可能となり、より確実に水分の浸入を防ぐことができる。
めっき被覆層17に使用する金属としては、銅、ニッケル、金、銀、クロム、及び錫などを挙げることができ、これらの金属のうち一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酸化物超電導線材1を超電導限流器に使用する場合、めっき被覆層(安定化層)14は、クエンチが起こり常電導状態に転移した時に発生する過電流を瞬時に抑制するために用いられる。この用途の場合、めっき被覆層17に用いられる材料は、例えば、Ni−Cr等のNi系合金等の高抵抗金属が挙げられる。
めっき被覆層17の厚さは特に限定されず、適宜調整可能であるが、10〜100μmとすることができる。めっき被覆層17の厚さが10μm未満の場合においては、めっき被覆層17にピンホールが発生する可能性があり、水分の浸入を確実に防ぐことができない虞がある。また、めっき被覆層17の厚さが100μmを超える場合は、酸化物超電導線材1の厚みが肥大化し屈曲性が悪くなるため望ましくない。したがって、めっき被覆層の厚さは10μm以上、100μm以下であることが望ましい。
(酸化物超電導線材の第1実施形態の変形例)
図2は、上述した本発明の第1実施形態の変形例である酸化物超電導線材2を表す模式図である。なお、上述の実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
酸化物超電導線材2は、上述した第1実施形態に係る酸化物超電導線材1と比較すると、酸化物超電導導体15の外周を覆う構成が異なっている。
即ち、変形例の酸化物超電導線材2は、酸化物超電導導体15とその外周を気密に覆う金属テープ(安定化層)18とにより構成されている。
酸化物超電導線材2は、半田層19を設けた金属テープ18の面上に酸化物超電導導体15を配置し、酸化物超電導導体15の周面を横断面略C字型をなすように包み込んで折り曲げ加工し、半田層19を加熱溶融させてロールにより加圧することにより形成されている。
金属テープ18は、横断面略C字型に折り曲げられ、表面壁18aと側壁18bと裏面壁18cとからなり、酸化物超電導導体15の酸化物超電導層12から基材10の一部を覆っている。また、金属テープ18の内周面側には半田層19が形成される。
以上のように、金属テープ18によって酸化物超電導導体15を被覆することで、内部に水分を浸入させない気密な構造を実現できる。
なお、変形例において金属テープ18の半田層19は、酸化物超電導導体15と接する面(内側面)のみに形成されているが、金属テープ18の両面に半田層19を設けていても良い。
また、酸化物超電導導体15を金属テープ18によって略C字型に被覆する以外にも、酸化物超電導導体15の外周に半田層19を設けた金属テープ18を螺旋巻きにするなどして気密に被覆しても良い。
金属テープ18を構成する金属材料としては、良導電性を有するものであればよく、特に限定されないが銅、黄銅(Cu−Zn合金)、Cu−Ni合金等の銅合金、ステンレス等の比較的安価な材質で形成されることが好ましく、中でも高い導電性を有し、安価であることから銅製が好ましい。また、酸化物超電導線材2を超電導限流器に使用する場合においては、金属テープ18に用いられる材料は、例えば、Ni−Cr等のNi系合金等の高抵抗金属を用いる事が良い。
金属テープ18の厚さは特に限定されず、適宜調整可能であるが、9〜60μmとすることができる。金属テープ18の厚さが薄すぎると破れが生じる虞があり、また厚すぎると、金属テープ18を横断面略C字型に成形することが困難となるのみならず、成形時に高い応力を加える必要があるため酸化物超電導層12が劣化する虞がある。
半田層19に用いる半田は、特に限定されるものではなく従来公知の半田を使用可能である。例えば、Sn、Sn−Ag系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Zn系合金などのSnを主成分とする合金よりなる鉛フリー半田、Pb−Sn系合金半田、共晶半田、低温半田などが挙げられ、これらの半田を一種又は二種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、融点が300℃以下の半田を用いることが好ましい。これにより、300℃以下の温度で金属テープ18と第1の下地安定化層13又は第2の下地安定化層14を半田付けすることが可能となるので、半田付けの熱によって酸化物超電導層12の特性が劣化することを抑止できる。
変形例として示した酸化物超電導線材2においても、金属テープ18は、酸化物超電導層12の電流が転流するバイパスとなる安定化層として機能する。また、金属テープ18により、酸化物超電導導体15を外部から完全に遮断することが可能となり、より確実に水分の浸入を防ぐことができる。
変形例として示した酸化物超電導線材2において、酸化物超電導積層体16の外周は、半田と密着性の良い、第1の下地安定化層13又は第2の下地安定化層14によって覆われて酸化物超電導導体15を形成しているため、半田層19と酸化物超電導導体15は、容易に密着し気密性の高い酸化物超電導線材2を形成することができる。
(酸化物超電導線材の第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係る酸化物超電導線材3について図3に基づいて説明する。なお、上述の第1実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態に係る酸化物超電導線材3は、第1実施形態に係る酸化物超電導線材1と比較して下地安定化層21の構成、特に第2の下地安定化層24の構成が相違している。即ち、図3に示すように、第2実施形態に係る酸化物超電導線材3では、第1の下地安定化層13を成膜した酸化物超電導積層体16の外周全体を覆うよう第2の下地安定化層24が形成されている。
なお、本実施形態において、酸化物超電導導体25の外周は、めっき被覆層17によって被覆されて酸化物超電導線材3を構成しているが、第1実施形態の変形例である酸化物超電導線材2(図2参照)に示すように、酸化物超電導導体25の外周を半田層19を介して金属テープ18によって覆った構造としても良い。
第2の下地安定化層24は、上述の第1実施形態と同様に、スパッタ法等の成膜法により形成することができる。第1の下地安定化層13の主面部13b上に形成される第2の下地安定化層24の裏面部24cは、側面部24aと同様に、スパッタ粒子が処理容器中のArに衝突して運動方向を変えることによって、酸化物超電導積層体16の酸化物超電導層12が積層されている側に回り込むことによって形成される。
第2の下地安定化層24をスパッタ法により成膜する際の処理容器内のArの圧力(成膜圧力)を高めることで裏面部24cを形成することができる。具体的には成膜圧力を0.5Pa以上とすることで、裏面部24cを形成することができる。しかしながら、成膜圧力を高めると成膜レートが低下しコスト上昇が懸念されるため、成膜圧力は、10Pa以下であることが好ましい。
第2の下地安定化層24の主面部24bの膜厚は、第1実施形態に係る酸化物超電導線材1における第2の下地安定化層14の主面部14bの膜厚と同様に、10nm以上10μm以下とすることができる。10μmを超える厚さの主面部24bを形成しようとすると、上述した酸素アニール処理によって酸化物超電導層12に供給された酸素が成膜時の熱によって活性化され抜けてしまう虞がある。
また、第2実施形態に係る第2の下地安定化層24は、基材10の裏面10b及び第1の下地安定化層13の側面部13aだけでなく、第1の下地安定化層13の主面部13b上にも形成されている。さらに、第1の下地安定化層13の側面部13a及び主面部13b上に形成される第2の下地安定化層24の側面部24a及び裏面部24cは、スパッタ法による成膜において、処理容器中のArに衝突し、運動方向を変えることにより形成される。そのため、スパッタ粒子はArとの衝突時に運動エネルギーの大半を失っており、積層時に発生する熱エネルギーは少ない。したがって、裏面部24cを形成することによる熱影響は微小であり、第1実施液体の第2の下地安定化層14と同様に主面部24bの膜厚が10μm以下であれば酸素が抜けてしまうおそれがなく望ましい。
また、第2の下地安定化層24の基材10上に形成される膜厚が10nm未満であると、当該酸化物超電導積層体16上に成膜された第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層24とで、酸化物超電導積層体16を完全に被覆することができなくなるため、10nm以上であることが望ましい。
上述したように、スパッタ粒子の回り込みにより、第2の下地安定化層24の裏面部24cを形成する以外にも、主面部24bを形成する工程と裏面部24cを形成する工程を分けて行うこともできる。即ち、ターゲットに対して酸化物超電導積層体16の基材10の裏面10bを対向して配置して主面部24bを形成した後に、酸化物超電導積層体16の第1の下地安定化層13の主面部13b側をターゲットに対して対向して配置して、裏面部24cを形成しても良い。
ところで、酸素アニール処理により第1の下地安定化層13を加熱すると、第1の下地安定化層13のAg原子が酸化物超電導層12の表面上で局所的に凝集し、孤立分散した複数のAg粒子の集合体となる場合がある。これにより、第1の下地安定化層13にピンホールが形成され酸化物超電導層12が露出してしまう虞がある。
第1の下地安定化層13上にめっき被覆層17を形成する場合、この露出した部分において酸性であるめっき液と酸化物超電導層12が接触するため、酸化物超電導層12が腐食し超電導特性の劣化を引き起こす虞がある。
本実施形態においては、第1の下地安定化層13が第2の下地安定化層24によって完全に被覆されている。そのため、第1の下地安定化層13上にピンホールが形成されている場合であっても、めっき被覆層17を形成することによる、超電導特性の劣化が生じない。
また、本実施形態における酸化物超電導導体25の外周は第2の下地安定化層24によって完全に被覆されており、めっき被覆層17は、第2の下地安定化層24上に形成される。したがって、酸化物超電導導体25の外周のめっき被覆層17は、酸化物超電導導体25との密着性に優れ、さらに均一な膜厚を有する。
(酸化物超電導線材の第2実施形態の変形例)
第2実施形態の酸化物超電導線材3において、めっき被覆層17にかえて半田層19を介して金属テープ18によって被覆することもできる。
図4は、上述した本発明の第2実施形態の変形例である酸化物超電導線材4を表す模式図であり、酸化物超電導導体25とその外周を外部と気密に覆う金属テープ18により構成されている。なお、上述の実施形態と同一の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
酸化物超電導導体25は、その外周が半田と密着性の良い第2の下地安定化層24によって覆われており、半田層19を介して金属テープ18が容易に密着し、酸化物超電導線材4を形成することができる。
また、第1の下地安定化層上に金属テープを直接半田付けする際に、第1の下地安定化層13上にピンホールが形成されていると半田と酸化物超電導層12との反応によって超電導特性が低下するおそれがある。酸化物超電導線材4では、第1の下地安定化層13が第2の下地安定化層24によって完全に被覆されているため、第1の下地安定化層13上にピンホールが形成されている場合であっても、半田を使用することによる、超電導特性の劣化が生じない。
なお、酸化物超電導層12と第1の下地安定化層13との界面抵抗値を抑制する観点から、第2の下地安定化層24の裏面部24c膜厚は、0.1μm以上5μm以下とすることが好ましい。第2の下地安定化層24の裏面部24c膜厚が0.1μmより薄い場合、第2の下地安定化層24のCuと半田層19のSnとが合金化し、第1の下地安定化層13と第2の下地安定化層24との密着性が悪くなる虞がある。
第1の下地安定化層13上に金属テープ18を直接半田付けすると、半田層19を構成する金属(一例としてSn)が第1の下地安定化層13に侵食し、第1の下地安定化層13がAgと半田を構成する金属との合金となる。半田層19を構成する金属の浸食は、第1の下地安定化層13において半田層19との界面付近に限られるが、第1の下地安定化層13が薄く形成される場合(例えば2μm以下)は、第1の下地安定化層13の全厚が合金化される。第1の下地安定化層13全体が合金化すると、第1の下地安定化層13と酸化物超電導層12との界面状態に変化が生じ、酸化物超電導層12と第1の下地安定化層13との界面抵抗が高くなる。
表1に、酸化物超電導層上に第1の下地安定化層を形成し、更に当該第1の下地安定化層上にSnによる半田層を形成したサンプル1と、酸化物超電導層上に第1の下地安定化層のみを形成したサンプル2と、酸化物超電導層上に形成した第1の下地安定化層の上に第1の下地安定化層を形成し、更に当該第2の下地安定化層上にSnによる半田層を形成したサンプル3とにおける、酸化物超電導層と第1の下地安定化層との間の界面抵抗値の比較を示す。なお、線材の幅は10mmであり、界面抵抗値を測定した領域の線材の長さは20mmである。なお、サンプル1〜3の第1の下地安定化層の厚さは2μmであり、サンプル3の第2の下地安定化層の厚さは1μmである。
Figure 0005684961
表1からわかるように、第1の下地安定化層13の膜厚が2μm以下と薄い場合、第1の下地安定化層13上に直接半田層を形成すると、酸化物超電導層と第1の下地安定化層13との界面抵抗値が大幅に上昇することがわかる。これは、第1の下地安定化層13にSnが浸入し第1の下地安定化層13がAg−Sn合金となり、第1の下地安定化層13と酸化物超電導層12の界面状態が変化するためであると考えられる。
また、第1の下地安定化層と半田層との間に第2の下地安定化層24が設けられていれば、第1の下地安定化層13の膜厚が2μm以下と薄い場合であっても、酸化物超電導層12と第1の下地安定化層13との界面抵抗値は上昇しないことがわかる。
酸化物超電導線材4は、第1の下地安定化層13を第2の下地安定化層24によって完全に被覆している。そのため、半田層19は、第1の下地安定化層13と接触しない。したがって、第1の下地安定化層13に半田が浸入しAgとの合金となる事がないため、表1からわかるように第1の下地安定化層13と酸化物超電導層12の界面抵抗値が上昇することを抑制できる。
さらに、第1の下地安定化層13の膜厚が2μm以下と薄い場合、Agが半田層のSnによって溶食されることで第1の下地安定化層13全体がAg−Sn合金となってしまう。この場合、Snと酸化物超電導層12との密着性が悪いため、金属テープ18が剥離してしまう。しかしながら、本構成では、第1の下地安定化層13と半田層19との間に設けられる第2の下地安定化層24がSn拡散防止層としての機能を果たすため、Agが半田層のSnによって溶食されず、金属テープ18の密着性を確保することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(試料の作製)
まず、ハステロイC−276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ1000mmのテープ状の基材の表面を平均粒径3μmのアルミナを使用して研磨した。次に、前記基材の表面をアセトンにより脱脂、洗浄した。
この基材の主面上にスパッタ法によりAl(拡散防止層;膜厚100nm)を成膜し、その上に、イオンビームスパッタ法によりY(ベッド層;膜厚30nm)を成膜した。
次いで、このベッド層上に、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)によりMgO(金属酸化物層;膜厚5〜10nm)を形成し、その上にパルスレーザー蒸着法(PLD法)により500nm厚のCeO(キャップ層)を成膜した。次いでCeO層上にPLD法により2.0μm厚のGdBaCu7−δ(酸化物超電導層)を形成した。
さらに酸化物超電導層側からスパッタ法により酸化物超電導層上に2μm厚のAgからなる第1の下地安定化層を形成し、炉の中で500℃で10時間、酸素雰囲気中において酸素アニールし、さらに炉の中で26時間冷却した後に取り出した。
次に基材の裏面側からスパッタ法により基材上に1μm厚のCuからなる第2の下地安定化層を形成し、酸化物超電導導体を得た。この酸化物超電導導体を以下の実施例1、2で共通して使用する。
(実施例1)
上述の手順を経て得た酸化物超電導導体の外周にめっき法によりめっき被覆層を形成し、図1に示す酸化物超電導線材1と同構造の実施例1の酸化物超電導線材を作製した。
めっき法の手順は、コイル巻きした上述の酸化物超電導導体を、コイルから巻出し、巻き取りコイルにより再びコイル巻きする行程の最中に、硫酸銅水溶液に酸化物超電導導体を浸漬させ、電解めっきを行い、Cuからなる75μmの厚みを有するめっき被覆層を形成した。なお、電解めっきは、被めっき体(酸化物超電導導体)の電流密度が5A/dmとなるように設定し、めっき処理条件はめっき浴温度25℃、浸漬時間18分に設定した。
(実施例2)
上述の手順を経て得た酸化物超電導導体の外周を、半田層を介して金属テープにより被覆し、図2に示す実施例2の酸化物超電導線材2と同構造の酸化物超電導線材を作製した。
まず、片面に厚さ5μmのSnめっき(融点230℃、半田層)が形成された幅10mm、厚さ50μm、長さ1000mm超のCuからなる金属テープを用意する。この金属テープのSnめっきが施された面上に、前記酸化物超電導導体を金属テープと長手方向が一致しかつ第1の下地安定化層と金属テープのSnめっきが施された面とが対向するように載置し、加熱・加圧ロールに通過させて金属テープ上のSnを溶融させて半田層を形成し、酸化物超電導導体の第1の下地安定化層と金属テープとを接合させた。
次に、金属テープの幅方向両端側を曲げてコ字型に加工し、さらに金属テープの両端側を基材裏面側に折り曲げて横断面略C字型をなすよう金属テープを成形した。
次に、再度、加熱・加圧ロールに通過させて、金属テープ上のSnを溶融させて半田層を形成し、酸化物超電導導体の側端部及び基材側の一部を金属テープと接合させた。この加熱・加圧ロールによる加熱・加圧処理により、金属テープとその内側に設けられた酸化物超電導導体との間の隙間をSnで埋め、図2の実施例2と同構造の酸化物超電導線材を得た。
なお、加熱・加圧ロールは、シリコン製ロールを用い、加熱温度240℃、加圧力10〜20MPa、線材搬送速度100m/hで加熱・加圧処理を行った。
実施例1、2に対して、高温(120℃)・高湿(100%)・高圧力(2気圧)環境下に100時間放置するプレッシャークッカー試験を行い、その前後での臨界電流値の比を測定した。放置前の臨界電流値(Ic)に対する放置後の臨界電流値(Ic)の比をIc/Icとして求めたところ、実施例1、2共に、Ic/Ic=1.0であり、プレッシャークッカー試験のような過酷な条件であっても、超電導特性が劣化しないことが確認された。
1、2、3、4…酸化物超電導線材、10…基材、10a…主面、10b…裏面、11…中間層、12…酸化物超電導層、13…第1の下地安定化層、13a、14a、24a…側面部、13b、14b、24b…主面部、14、24…第2の下地安定化層、15、25…酸化物超電導導体、16…酸化物超電導積層体、16a…側面、17…めっき被覆層(安定化層)、18…金属テープ(安定化層)、19…半田層、20、21…下地安定化層、24c…裏面部

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の主面上に形成される中間層と、前記中間層の上に形成される酸化物超電導層とを有する酸化物超電導積層体と、
    少なくとも前記酸化物超電導層の上面を覆うように形成されAg又はAg合金からなる第1の下地安定化層と、前記酸化物超電導積層体の外周のうち少なくとも前記第1の下地安定化層で覆われていない部分を覆いCu、Ni、Pb、Bi、又はこれらを主成分とする合金からなる第2の下地安定化層とを有し、前記酸化物超電導積層体の外周に形成される下地安定化層と、
    前記下地安定化層上に形成され、前記下地安定化層のうち少なくとも、前記第1の下地安定化層の一部及び前記第2の下地安定化層の一部を覆う安定化層と、を備え、
    前記酸化物超電導層上に前記第1の下地安定化層が形成され、
    前記基材の裏面上に前記第2の下地安定化層が形成され、
    前記酸化物超電導積層体の側面において前記第1の下地安定化層と前記第2の下地安定化層とが部分的に重なるように形成されている酸化物超電導線材。
  2. 前記第2の下地安定化層が前記第1の下地安定化層の露出する面全体を覆うように形成されている請求項1に記載の酸化物超電導線材。
  3. 前記酸化物超電導層の上面における前記第1の下地安定化層の膜厚が0.1μm以上2μm以下である請求項2に記載の酸化物超電導線材。
  4. 前記安定化層がめっき被覆層である請求項1から3の何れか一項に記載の酸化物超電導線材。
  5. 前記安定化層が半田層を介し接合された金属テープである請求項1からの何れか一項に記載の酸化物超電導線材。
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