JP6652447B2 - 超電導線材の製造方法及び超電導コイルの製造方法 - Google Patents

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本発明は、超電導線材の製造方法及び超電導コイルの製造方法に関する。
イットリウム(Y)等の希土類元素(RE)を用いたRE123系超電導線材は、一般に、金属基材(基板)上に中間層、超電導層、保護層が順に積層された構造を有する。保護層は、超電導層と電極との電気的な接点としての役割を果たすほか、超電導層を物理的または化学的な変化による特性劣化を抑制する役割を有している。
保護層の材料としては、電気抵抗が低い等の観点から銀(Ag)を用いることが多い。しかし、銀はコストが高いため、保護層を薄くすることが望まれる。特許文献1では、銀層の膜厚を1.4μmまで薄くしても問題がないことが示されている。
特許第5701253号公報
従来のRE123系超電導線材における超電導層及び保護層の成膜工程では、保護層の成膜後に酸素ガス雰囲気中で熱処理(酸素アニール)が実施される。保護層を銀のスパッタリング法などで成膜した場合、銀の平均粒径は小さく均一に分布しているが、熱処理により銀粒子が凝集し、銀粒子が大きく成長する。特許文献1に記載されているように、銀粒子の凝集に伴い空孔が形成されると、超電導層が外気に露出される。超電導層が露出されると、Cu等の安定化層を半田付けやめっきにより加工する際に、半田付け不良やめっき付着不良を引き起こすおそれがある。
また、特許文献1には、銀粒子の凝集を抑制するため、熱処理温度を比較的低くすることが対策として挙げられている。しかし、熱処理温度を低温にすると、保護層と超電導層の界面において銀原子の拡散が抑制され、界面の電気抵抗値が増大するため、電極への接点部において界面抵抗による発熱等の問題が生じ得る。このため、界面抵抗の観点からは、熱処理温度は、凝集により銀の粒径が大きくなるような比較的高温が好ましい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、銀の保護層の膜厚を低減することができ、保護層を構成する銀粒子が熱処理により凝集しても超電導層の露出を抑制することが可能な超電導線材の製造方法及び超電導コイルの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、テープ状の基材の一方の面上に中間層を介して酸化物超電導層が積層された積層体を準備する準備工程と、前記酸化物超電導層を外側にして前記積層体を曲げた状態で、前記酸化物超電導層の上に保護層を積層する保護工程と、前記保護層が積層された前記積層体の曲げを戻して前記保護層に圧縮歪みを生じさせた後、前記積層体を曲げから解放した状態で熱処理を行う熱処理工程と、を有する超電導線材の製造方法を提供する。
前記保護工程において前記積層体を曲げた状態で積層された前記保護層が、前記熱処理工程で曲げを戻した際に受ける圧縮歪み量が0.15%以上であることが好ましい。
前記保護層の厚さが1μm以下であることが好ましい。
前記保護工程及び前記熱処理工程の後で、前記積層体の周囲に安定化層を形成する工程を有してもよい。
また、本発明は、前記超電導線材の製造方法により超電導線材を製造する工程と、前記超電導線材を用いて超電導コイルを製造する工程と、を有する超電導コイルの製造方法を提供する。
本発明によれば、酸化物超電導層を外側に曲げながら銀等の保護層を成膜した後、曲げを戻すことにより、保護層の密度を上昇させることができる。高温で熱処理をして保護層の平均粒径が大きくなった場合でも保護層の欠落を抑制することができる。
保護工程の一実施形態を示す模式的な斜視図である。 保護層を設けた積層体の曲げ戻しを説明する側面図である。 超電導線材の一例を示す断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、保護工程の一実施形態を示す模式図である。図2は、保護層を設けた積層体の曲げ戻しを説明する側面図である。図3は、超電導線材の一例を示す断面図である。
図3に、超電導線材の概略構造を示す。この断面図は、超電導線材の要部である超電導積層体15の長手方向に垂直な断面の構造を模式的に示している。超電導積層体15は、テープ状の基材11と、基材11の一方の面11a上に、中間層12と酸化物超電導層13と保護層14がこの順に積層された構成を有する。本明細書において、基材11、中間層12、酸化物超電導層13、保護層14等の各層が積層される方向が厚さ方向である。また、幅方向は、長手方向及び厚さ方向に垂直な方向である。
基材11は、テープ状の金属基材であり、厚さ方向の両側に、それぞれ主面(一方の面11a及びこれに対向する裏面11b)を有する。基材11を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。基材11の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜500μmの範囲である。
中間層12は、基材11と酸化物超電導層13との間に設けられる。中間層12は、多層構成でもよく、例えば基材11側から酸化物超電導層13側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。
拡散防止層は、基材11の成分の一部が拡散し、不純物として酸化物超電導層13側に混入することを抑制する機能を有する。拡散防止層は、例えば、Si、Al、GZO(GdZr)等から構成される。拡散防止層の厚さは、例えば10〜400nmである。
ベッド層は、基材11と酸化物超電導層13との界面における反応を低減し、ベッド層の上に形成される層の配向性を向上するために用いられる。ベッド層の材質としては、例えばY、Er、CeO、Dy、Eu、Ho、La等が挙げられる。ベッド層の厚さは、例えば10〜100nmである。
配向層は、その上のキャップ層の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から形成される。配向層の材質としては、例えば、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。この配向層はIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法で形成することが好ましい。
キャップ層は、上述の配向層の表面に成膜されて、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料からなる。キャップ層の材質としては、例えば、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、YSZ、Ho、Nd、LaMnO等が挙げられる。キャップ層の厚さは、50〜5000nmの範囲が挙げられる。
酸化物超電導層13は、酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、特に限定されないが、例えば一般式REBaCu(RE123)で表される希土類系酸化物超電導体が挙げられる。希土類元素REとしては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。中でも、Y、Gd、Eu、Smの1種か、又はこれら元素の2種以上の組み合わせが好ましい。超電導層の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。この厚さは、長手方向に均一であることが好ましい。
保護層14は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、酸化物超電導層13と保護層14の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層14の材質としては、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、金と銀との合金、その他の銀合金、銅合金、金合金などが挙げられる。酸化物超電導層13の熱処理の際に酸化物超電導層13の上を覆う保護層14として、銀層又は銀合金層が好ましい。
保護層14は、少なくとも酸化物超電導層13の表面(厚さ方向で、基材11側に対する反対側の面)を覆っている。さらに、保護層14が、酸化物超電導層13の側面、中間層12の側面、基材11の側面11c及び裏面11bから選択される領域の一部または全部を覆ってもよい。
保護層14の積層に先立って、基材11上に中間層12及び酸化物超電導層13が積層され、下地となる積層体10が準備される(準備工程)。
保護層14の積層の際は、図1に示すように、積層体10は、曲げた状態で真空チャンバー(図示せず)内に収容される。保護層14の成膜箇所における曲げの半径方向は、例えば積層体10の厚さ方向であり、曲げの周方向は、例えば積層体10の長手方向である。成膜箇所以外においては、積層体10をリールに巻回する等の曲げを含んでもよく、積層体10の曲げが解放された状態でもよい。積層体10は、基材11の裏面11b等に他の層を有してもよい。
スパッタリング法により、ターゲット20から構成元素21を積層体10の外面の酸化物超電導層13上に堆積させることにより、保護層14が成膜される(保護工程)。保護工程は、保護層14の成膜工程である。この工程により、図2(a)に示すように、外側に保護層14が積層された積層体10が得られる。保護層14を積層する前の積層体10の厚さとしては、例えば10〜500μmが挙げられる。積層される保護層14の厚さは、例えば2μm以上や1〜2μmとすることもできるが、1μm以下が好ましい。
厚さTの積層体10を曲率半径Rに曲げた場合、歪みの大きさ及び方向は、径方向の位置によって異なり得る。積層体10の外面に曲げにより生じる伸び(引張)歪みεは、ε=T/(2R+T)で表される。厚さTが曲率半径Rに比べて十分に小さい場合、ε≒T/2Rである。外面に生じる伸び歪みを百分率(%)で表すと、T/(2R+T)×100(%)≒(T/2R)×100(%)である。
保護層14を有する超電導積層体15の熱処理を行う(熱処理工程)前に、図2(b)に示すように積層体10の曲げを戻す。曲げを戻すことにより、積層体10に生じていた曲げによる伸び歪みが解放される一方、保護層14には長手方向に圧縮歪みを生じる。これにより、保護層14の密度を効率的に上昇させることができる。この密度上昇により、保護層14の膜厚を比較的薄くしても、熱処理時の保護層14の欠落を防止することができる。
熱処理時の温度を、比較的低温(200〜300℃)にしなくても銀の欠落が抑制されるので、熱処理時の温度を比較的高温(400〜500℃)にして、保護層から超電導層との界面に銀原子を拡散させ、界面抵抗を低減することができる。保護層14に圧縮歪を作用させることにより、銀の金属組織が緻密になり、粒界における結合が強化されることも考えられる。熱処理後の保護層14の厚さは、例えば2μm以上や1〜2μmとすることもできるが、1μm以下が好ましい。
本実施形態により保護層を成膜する場合、曲げから解放した後に保護層14に加わる圧縮歪が大きいほど、保護層14の欠落防止の効果が期待できる。その一方で、超電導線材を曲げた際に曲率半径が所定値以下となると、酸化物超電導層13にクラック等の損傷を与え、超電導特性、機械的強度等の特性が劣化するおそれがある。このため、酸化物超電導層13の特性が劣化しない範囲で、保護工程における積層体10の曲率半径を小さくすることが好ましい。
保護工程における積層体10の曲率半径Rは、例えば15mm以上が好ましい。曲率半径Rの具体例としては、15mm、20mm、25mm、30mm等が挙げられる。これらの値は、曲率半径Rの範囲の上限値または中間値であってもよい。
保護工程における積層体10の外面側(酸化物超電導層13)の曲げによる伸び歪みは、例えば0.15%以上が好ましい。積層体10の外面側(酸化物超電導層13)の曲げによる伸び歪みは、成膜工程と熱処理工程との間で、0.00%程度まで解放することが好ましい。保護工程において積層体10を曲げた状態で積層された保護層14が、熱処理工程で曲げを戻した際に受ける圧縮歪み量εは、0.15%以上であることが好ましい。あるいは、保護工程における積層体10の外面側の歪みと、熱処理工程における積層体10の外面側の歪みとの差Δεは、例えば0.15%以上が好ましい。
ε又はΔεとしては、0.15%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.7%、0.75%、0.8%、1.0%等が挙げられる。これらの値は、ε又はΔεの範囲の上限値または中間値であってもよい。
積層体10を曲げた状態では、酸化物超電導層13の伸び歪みが増大し、積層体10の曲げを戻した状態では、酸化物超電導層13の伸び歪みが減少する。また、積層体10を曲げた状態で保護層14を成膜し、その後で積層体10の曲げを戻すと、保護層14の圧縮歪みが増大する。圧縮歪みは、負値の伸び歪みとみなすことができる。前記歪みの差Δεとしては、積層体10を曲げた状態の酸化物超電導層13の歪みから、積層体10の曲げを戻したときの酸化物超電導層13の歪みを差し引いた差でもよく、積層体10を曲げた状態で成膜した保護層14の歪みから、積層体10の曲げを戻したときの保護層14の歪みを差し引いた差でもよい。
保護工程において曲率半径Rに曲げた厚さTの積層体10の外面に保護層14を成膜した状態から、積層体10の曲げを解放(曲率半径を無限大に)したとき、保護層14が受ける圧縮歪み量は、T/(2R+T)≒T/2Rで表される。この歪みを百分率(%)で表すと、T/(2R+T)×100(%)≒(T/2R)×100(%)である。
保護工程における積層体10の曲率半径をR、曲げを戻した状態における積層体10の曲率半径をRとしたとき、保護層14が受ける圧縮歪み量εは、{T/(2R+T)−T/(2R+T)}×100(%)≒{(T/2R)−(T/2R)}×100(%)で概算することもできる。Rが無限大である場合、Rの逆数は0とみなすことができる。曲率半径としては、積層体の内面における曲率半径、積層体の厚さ方向の中心位置における曲率半径などが挙げられるが、曲率半径Rに対して積層体の厚さTが無視できる(R≫T)場合は、いずれでも実質的な差異はない。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
超電導線材は、超電導積層体15の周囲に安定化層、接合層等を有することができる。これらの形成工程を行う時期としては、保護工程及び熱処理工程の後が挙げられる。
安定化層に用いられる材料は、超電導線材の用途により異なってもよい。例えば、超電導ケーブルや超電導モータなどに使用する場合は、常電導状態への転移時に発生する過電流を転流させるバイパスのメイン部として機能する必要があるため、良導電性の金属が好適に用いられる。良導電性の金属として、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属が挙げられる。また、超電導限流器に使用する場合は、常電導状態への転移時に発生する過電流を瞬時に抑制する必要があるため、高抵抗金属が好適に用いられる。高抵抗金属として、例えば、Ni−Cr等のNi系合金などが挙げられる。
安定化層は、めっき等により超電導積層体15の周囲の一部または全部に堆積された金属層であってもよい。また、安定化層は、接合層によりテープ状等の安定化材を接合した構造であってもよい。接合層を構成する材料(接合材)としては、例えばSn−Pb系、Pb−Sn−Sb系、Sn−Pb−Bi系、Bi−Sn系、Sn−Cu系、Sn−Pb−Cu系、Sn−Ag系などの半田、Sn、Sn合金、In(インジウム)、In合金などの金属が挙げられる。
テープ状の超電導線材を用いて超電導コイルを作製する方法としては、超電導線材を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状(多層巻きコイル)とした後、巻き付けた超電導線材を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させる方法が挙げられる。樹脂の含浸により、超電導線材がコイル状に固定される。
また、超電導線材は、外部端子を有することができる。外部端子を有する箇所では、他の箇所と異なる断面構造を有してもよい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例)
ハステロイ(米国ヘインズ社商品名)基材上に、スパッタリング法によりAlの拡散防止層を成膜した。次いで、拡散防止層上に、イオンビームスパッタ法によりYのベッド層を成膜した。次いで、ベッド層上に、イオンビームアシスト蒸着法(IBAD法)によりMgOの配向層を形成した。配向層の上にパルスレーザー蒸着法(PLD法)によりCeOのキャップ層を成膜した。次いで、キャップ層上にPLD法によりREBaCuの酸化物超電導層を形成した。基材から酸化物超電導層までの厚さは、約70〜100μmである。基材上に中間層及び酸化物超電導層を成膜する際には、少なくとも成膜箇所においては曲げを解放した状態とした。
この酸化物超電導層を含む積層体を曲げた状態で、曲げの外周側における酸化物超電導層上にスパッタリング法により厚さ1μm程度のAgの保護層を形成した。保護層の成膜後に、積層体を曲げから解放した状態で、酸素ガスを含む雰囲気中に入れ、積層体を熱処理した。熱処理により、保護層上のAg粒子は、平面視で数μm程度の粒界で囲まれる凝集した粒子を含むことができる。熱処理後の保護層にはAgの欠落がなく、超電導層の露出を有しない超電導線材が得られた。
(比較例)
Agの保護層を成膜する際を含めて、基材上に中間層、酸化物超電導層及び保護層を成膜する際には、少なくとも成膜箇所においては積層体の曲げが解放された状態とした。保護層は厚さ1μm程度のAgである。その後の熱処理により、保護層上のAg粒子は、平面視で数μm程度の粒界で囲まれる凝集した粒子を含む。しかし、熱処理後の保護層には、Agが欠落して超電導層が露出した箇所がみられた。
10…積層体、11…基材、11a…一方の面、11b…裏面、11c…側面、12…中間層、13…酸化物超電導層、14…保護層、15…超電導積層体、20…ターゲット、21…構成元素。

Claims (5)

  1. テープ状の基材の一方の面上に中間層を介して酸化物超電導層が積層された積層体を準備する準備工程と、
    前記酸化物超電導層を外側にして前記積層体を曲げた状態で、前記酸化物超電導層の上に保護層を積層する保護工程と、
    前記保護層が積層された前記積層体の曲げを戻して前記保護層に圧縮歪みを生じさせた後、前記積層体を曲げから解放した状態で熱処理を行う熱処理工程と、
    を有する超電導線材の製造方法。
  2. 前記保護工程において前記積層体を曲げた状態で積層された前記保護層が、前記熱処理工程で曲げを戻した際に受ける圧縮歪み量が0.15%以上であることを特徴とする請求項1に記載の超電導線材の製造方法。
  3. 前記保護層の厚さが1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導線材の製造方法。
  4. 前記保護工程及び前記熱処理工程の後で、前記積層体の周囲に安定化層を形成する工程を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導線材の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の超電導線材の製造方法により超電導線材を製造する工程と、
    前記超電導線材を用いて超電導コイルを製造する工程と、
    を有する超電導コイルの製造方法。
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