JPWO2018216064A1 - 超電導線材および超電導コイル - Google Patents

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Abstract

超電導線材は、テープ状であって、超電導層を備える。超電導線材における長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が、200J以上500J以下である。

Description

本発明は、超電導線材および超電導コイルに関する。
従来、特開2015−28912号公報(特許文献1)に開示されている超電導線材が知られている。特許文献1に記載の超電導線材は、基板と、基板の主面上に中間層を介して配置された超電導層と、当該超電導層上に形成された保護層と、銅よりなる安定化層と、銅より柔らかい金属で形成された金属層とを備える。
特開2015−28912号公報
本開示の一態様に係る超電導線材は、テープ状であって、超電導層を備える。超電導線材における長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が、200J以上500J以下である。
図1は、実施形態に係る超電導線材の断面模式図である。 図2は、超電導線材における単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量を測定する方法を説明するための工程図である。 図3は、超電導線材における単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量を測定する方法を説明するための模式図である。 図4は、実施形態に係る超電導コイルのコイル軸に垂直な断面における断面模式図である。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に開示された超電導線材では、銅より柔らかい金属で形成された金属層を最外周に配置しているので、超電導線材を巻回して超電導コイルを形成したとき、隣り合う超電導線材の金属層間の密着性が良好であり、超電導線材間の接触抵抗を低減できる。そして、特許文献1では、超電導コイルの使用時にクエンチが生じた場合には、隣接する超電導線材の金属層へ電流を流して局部的な発熱を抑え、超電導線材を保護できる。
しかし、上述した超電導線材では、クエンチ発生時の超電導材保護を目的としており、クエンチ自体の発生を抑制することは難しかった。
本開示に係る超電導線材及び超電導コイルは、上記のような従来技術の問題点に鑑みたものである。より具体的には、クエンチの発生を抑制可能な超電導線材及び超電導コイルを提供する。
[本開示の効果]
本開示に係る超電導線材及び超電導コイルによると、クエンチの発生を抑制できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る超電導線材は、テープ状であって、超電導層を備える。超電導線材における長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が、200J以上500J以下である。
このようにすれば、超電導線材の単位領域を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が相対的に大きな値となっているので、超電導線材にたとえば局所的な傷などがあり当該傷の部分で電気抵抗値が高くなり熱が発生しても、超電導線材の温度上昇をある程度抑制できる。そのため、当該熱の発生による超電導線材の急激な温度上昇を抑制でき、結果的にクエンチの発生を抑制して超電導線材の焼損といった不良の発生を抑制できる。なお、上述した単位領域は、上記熱量を規定するためのものである。本開示の一態様に係る超電導線材は長さが1m未満、あるいは幅が4mm未満であってもよい。
(2) 上記超電導線材は、温度が77Kであるときの平均熱伝導率が100W/(m・K)以上である。
この場合、上記のように傷などにより局所的に電気抵抗値が高くなって熱が発生しても、当該熱を超電導線材の他の部分へ速やかに拡散させることができる。このため、超電導線材における局所的な温度上昇を抑制できる。なお、ここで平均熱伝導率とは、たとえば超電導線材が複数の構成要素からなる積層構造を有する場合、それぞれの構成要素の熱伝導率と厚さとの積を超電導線材全体の厚さで割ったものとして規定できる。
(3) 上記超電導線材は、基板層と超電導層と被覆層とを備える。基板層は、第1面と、当該第1面の反対面である第2面とを有する。超電導層は、第3面と、第3面の反対面である第4面とを有する。超電導層は、第3面が第2面に対向するように基板層上に配置される。被覆層は、第1面上及び第4面上に配置される。被覆層は導電体層を含む。
この場合、超電導線材の基板層や被覆層の材質や厚みを調整することで、上記熱量や平均熱伝導率を調整することができる。
(4) 本開示の一態様に係る超電導コイルは、上記超電導線材と、絶縁体とを備える。超電導線材は、周回毎に空間を置いて巻き回された渦巻形状を有する。絶縁体は、空間に充填されている。
このようにすれば、クエンチの発生が抑制されている超電導線材を用いることにより、信頼性の高い超電導コイルを実現できる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、実施形態の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(実施の形態1)
(超電導線材の構成)
図1は、本実施形態に係る超電導線材100の断面模式図である。図1は、テープ状の超電導線材の長手方向に対して垂直な方向での断面を示している。図1に示すように、本実施形態に係る超電導線材100は、基板層1と、超電導層2と、被覆導体層としての被覆層3とを有している。
基板層1は、好ましくは、長手方向の長さと比較して厚さが小さいテープ状の形状を有している。基板層1は、第1面1aと、第2面1bとを有している。第2面1bは、第1面1aの反対面である。基板層1は、複数の層により構成されていてもよい。より具体的には、基板層1は、基板11と、中間層12とを含んでいてもよい。基板11は、第1面1a側に位置しており、中間層12は、第2面1b側に位置している。
基板11は、複数の層により構成されていてもよい。例えば、基板11は、第1層11aと、第2層11bと、第3層11cとにより構成されている。第1層11aには、例えばステンレス鋼が用いられる。第2層11bには、例えば銅(Cu)が用いられる。第3層11cには、例えばニッケル(Ni)が用いられる。
中間層12は、基板11上に超電導層2を形成させるためのバッファとなる層である。中間層12は、一様な結晶配向性を有していることが好ましい。また、中間層12には、超電導層2を構成する材料との格子定数のミスマッチの小さい材料が用いられる。より具体的には、中間層12には、たとえば酸化セリウム(CeO)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)が用いられる。
超電導層2は、超電導体を含有する層である。超電導層2に用いられる材料は、例えばレアアース系の酸化物超電導体である。超電導層2に用いられるレアアース系の酸化物超電導体は、例えばREBCO(REBaCu、REはイットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)等のレアアース)である。
超電導層2は、第3面2aと、第4面2bとを有している。第4面2bは、第3面2aの反対面である。超電導層2は、基板層1上に配置されている。より具体的には、超電導層2は、第3面2aが第2面1bと対向するように、基板層1上に配置されている。基板層1と超電導層2とから線材部10が構成される。
被覆層3は、基板層1及び超電導層2を被覆している層である。被覆層3は、基板層1の第1面1a及び超電導層2の第4面2b上に配置されている。また、異なる観点から言えば、被覆層3は基板層1および超電導層2の外周を覆うように形成されている。
被覆層3は、超電導層2および基板層1の第1面1a上に形成された第1導体層としての安定化層31と、安定化層31上に形成された第2導体層としての保護層32とを含む。安定化層31は、超電導層2の第4面2b上、基板層1の第1面1a上、および超電導層2と基板層1との側面上に形成されている。つまり、安定化層31は線材部10の外周を覆うように形成されている。安定化層31は、超電導層2を保護し、超電導層2における局所的な発熱を発散させるとともに、超電導層2にクエンチ(超電導状態から通常電導状態に移行する現象)が生じた際に、電流をバイパスさせる導電体として作用する。また、安定化層31は、たとえばめっき法を用いて保護層32を形成するときに、当該めっき法に用いるめっき液から超電導層2を保護する機能も有する。安定化層31に用いられる材料は、例えば銀(Ag)である。
安定化層31は、単層構造であってもよいが、多層構造であってもよい。また、安定化層31は、超電導層2や基板11の第1面1aとの密着性を高めることができれば、任意の構成を採用し得る。安定化層31は、蒸着法またはスパッタリング法により形成された層を含んでいてもよく、めっき法により形成された層を含んでいてもよい。
たとえば、安定化層31として銀からなる層を形成した後、熱処理を行うことで安定化層31と超電導層2の密着性または安定化層31と基板11との密着性を高めてもよい。
保護層32は、安定化層31上に形成される。保護層32は安定化層31および線材部10を保護する。さらに、保護層32は、超電導層2にクエンチが生じた際に、電流をバイパスさせる導電体としても作用し得る。安定化層31を介して、保護層32は、基板層1と超電導層2とからなる線材部の外周の少なくとも一部を覆うように形成される。図1では、保護層32は線材部の外周全体を覆うように形成される。
図1に示した超電導線材100では、長さを1m、幅を4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が、200J以上500J以下である。当該熱量の測定方法については後述する。
また、上記超電導線材100は、温度が77Kであるときの平均熱伝導率が100W/(m・K)以上である。当該平均熱伝導率は、超電導線材100を構成する材料層の温度77Kにおける熱伝導率と各材料層の厚みとから算出できる。
上記のような熱量や平均熱伝導率は、たとえば基板11の構成や被覆層3の構成を調整することにより実現できる。
(熱量の測定方法)
図2は、超電導線材100における単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量を測定する方法を説明するための工程図である。図3は、超電導線材100における単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量を測定する方法を説明するための模式図である。図2および図3を用いて、超電導線材における上記熱量の測定方法を説明する。
超電導線材100の熱量の測定方法では、まず図2に示すように室温での抵抗測定工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、一般的な抵抗測定における4端子法と同様の方法を用いることができる。具体的には、図3に示すように、例えば150mm長に切断した超電導線材の試料200を用意し、当該試料200の両端に電流端子53をはんだ付けする。また、試料の中央部に電圧端子54を、例えば端子間隔100mmではんだ付けする。電流端子53は電流測定部55に接続される。電圧端子54は電圧測定部56に接続される。そして、上記のように端子を接続した試料200について、室温(300K)における抵抗値を測定する。
次に、液体窒素中での測定工程(S20)を実施する。具体的には、上記のように電流端子53および電圧端子54を接続した試料200を、図3に示すように容器51に保持された液体窒素52に浸漬して冷却する。液体窒素52の温度である77Kに冷却された試料200に対して、試料である線材の臨界電流値(Ic)よりも十分に高い電流を印加した状態で、電圧端子54間の電圧値を測定することにより、当該電圧端子54間の抵抗値を測定する。このとき、印加する電流の値はたとえば臨界電流値の3倍程度とすることができる。そして、測定された抵抗値が上記室温における抵抗値と同じになったところで、電流の印加を停止する。なお、電流の印加を停止した時点では、試料の温度は工程(S10)で測定した温度条件である室温と同等になっていると考えられる。
この工程(S20)では、電流の印加開始から停止までの時間、電流の印加開始から停止までの間における電圧値および電流値の変化を測定する。ここで、抵抗値が室温での値になるまでにかかる時間が50ミリ秒より長くなる場合、試料200へ印加する電流値を高くし、より短い時間で抵抗値が室温での抵抗値まで上昇するようにする。たとえば、上記電流値は、抵抗値が室温での抵抗値まで上昇する時間が数ミリ秒から20ミリ秒程度となるように決定してもよい。このように上記時間を短く設定するのは、上記のように数ミリ秒から20ミリ秒程度であれば、試料200から単位時間、単位面積当たりに液体窒素52により除去される熱量である冷却量が、液体窒素の臨界熱流束qに等しいと見なせるからである。
次に、熱量の算出工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、具体的には、以下のように熱量を算出する。
上記工程(S20)で求めたデータ、つまり電流の印加開始から停止までの間の昇温過程における電流の時間変化をI(t)、電圧端子54間の電圧変化をV(t)、電流の印加開始から停止までの時間をt300Kとする。これらのパラメータを用いて、昇温過程において試料200に供給される熱量Qは以下の式(1)で表される。
Figure 2018216064
また、昇温過程において液体窒素により冷却される熱量Qcoolは、試料200の(電圧端子54間の)表面積をSとして、以下の式(2)で表される。
Figure 2018216064
これらより、試料200の単位領域を77Kから300Kまで温度上昇させるのに必要な熱量Q77-300は、電圧端子間隔をL(単位:m)、線材幅をW(単位:mm)として、以下の式(3)で表される。なお、単位領域とは試料200における長さ1m、幅4mmの領域である。
Figure 2018216064
(超電導線材の製造方法)
以下に、本実施形態に係る超電導線材100の製造方法について説明する。超電導線材100の製造方法としては、任意の方法を用いることができる。たとえば、超電導線材100の製造方法は、基板準備工程(S100)、中間層形成工程(S200)、超電導層形成工程(S300)、および被覆層形成工程(S400)を備えている。
工程(S100)は、基板11を準備する工程である。基板11を準備する工程では、従来周知の任意の方法を用いて基板11を形成する。たとえば、ステンレスなどの金属製のテープからなる第1層11aを準備し、当該第1層11a上に第2層11bおよび第3層11cを順に形成する。これらの層の形成方法としては、めっき法やスパッタ法など任意の方法を用いることができる。
工程(S200)は、中間層を形成する工程である。この工程(S200)では、基板11の第3層11c上に中間層12を形成する。中間層12の形成方法としては、めっき法やスパッタ法など任意の方法を用いることができる。このようにして、基板11と中間層12とからなる基板層1を得る。
工程(S300)では、中間層12上に超電導層2を形成する。この工程(S300)では、従来周知の任意の方法を用いて超電導層2を形成する。このようにして、線材部10が得られる。
工程(S400)は、被覆導体層としての被覆層3を形成する工程であって、安定化層31を形成する工程と、保護層32を形成する工程とを含む。安定化層31を形成する工程は、少なくとも超電導層2の第4面2b上および基板層1の第1面1a上に第1導体層としての安定化層31を形成する。安定化層31を形成する工程では、線材部10の側面全体を覆うように安定化層31を形成してもよい。安定化層31を形成する方法としては、スパッタ法やめっき法など任意の方法を用いることができる。
保護層32を形成する工程としては、たとえばめっき法を用いて保護層を安定化層31上に形成してもよい。保護層32の形成方法としては上述しためっき法に替えて、任意の方法を用いてもよい。このようにして、図1に示した超電導線材を得ることができる。
(超電導線材の作用効果)
本実施形態に係る超電導線材によれば、超電導線材100の単位領域を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量Q77-300が相対的に大きな値となっている。このため、超電導線材100にたとえば局所的な傷などがあり当該傷の部分で電気抵抗値が高くなっても、当該傷の部分での熱による超電導線材100の温度上昇をある程度抑制できる。そのため、当該熱の発生による超電導線材100の急激な温度上昇を抑制でき、結果的に超電導線材100の焼損といった不良の発生を抑制できる。
また、超電導線材100は、温度が77Kであるときの平均熱伝導率が100W/(m・K)以上となっている。このため、傷などにより局所的に超電導線材100の電気抵抗値が高くなって熱が発生しても、当該熱を超電導線材100の他の部分へ速やかに拡散させることができる。このため、超電導線材100における局所的な温度上昇を抑制できる。
図1に示すように、超電導線材100は、基板層1と超電導層2と被覆層3とを備える。基板層1は、第1面1aと、当該第1面1aの反対面である第2面1bとを有する。超電導層2は、第3面2aと、第3面2aの反対面である第4面2bとを有する。超電導層2は、第3面2aが第2面1bに対向するように基板層1上に配置される。被覆層3は、第1面1a上及び第4面2b上に配置される。この場合、超電導線材100の基板層1や被覆層3の材質や厚みを調整することで、上記熱量Q77-300や平均熱伝導率を調整することができる。
(実施の形態2)
以下に、本実施形態に係る超電導コイル300の構成について、図を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る超電導コイル300のコイル軸に垂直な断面における断面図である。図4に示すように、本実施形態に係る超電導コイル300は、超電導線材100と、絶縁体150とを有している。
超電導線材100は、上述した実施の形態1に示した超電導線材100であって、コイル軸を中心とした渦巻形状を有している。すなわち、超電導線材100は、コイル軸を中心として巻き回されている。超電導線材100は、周回毎に空間を置いて巻き回されている。
絶縁体150は、巻き回された超電導線材100の間の空間に充填されている。これにより、巻き回された超電導線材100が相互に絶縁され、相互に固着される。異なる観点から言えば、超電導線材100は、絶縁体150により挟み込まれている。
絶縁体150には、例えば熱硬化性樹脂が用いられる。絶縁体150に用いられる熱硬化性樹脂は、硬化前の状態において、巻き回された超電導線材100の間の空間に含浸されうる程度の低い粘度を有していることが好ましい。絶縁体150に用いられる熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂である。
(超電導コイルの製造方法)
超電導コイル300の製造方法としては、任意の方法を採用できる。たとえば、コイル軸を中心として超電導線材100を巻き回し、その後超電導線材100の間に絶縁体150となるべき樹脂を含浸させる。その後、樹脂の硬化処理を行う。硬化処理としては、たとえば熱処理を行う。なお、超電導線材100には図示していない電極端子などを接続してもよい。このようにして、図4に示した超電導コイル300を得る。
(超電導コイルの作用効果)
図4に示した超電導コイル300では、クエンチの発生が抑制されている超電導線材100を用いることにより、信頼性の高い超電導コイル300を実現できる。
(実施例)
本発明の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
<試料>
実施例の試料:
実施用の試料として、長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量がそれぞれ200J、300J、400J、500Jである超電導線材を用いた。
比較例の試料:
比較例の試料として、長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が150J、550Jである超電導線材を用いた。
上記実施例および比較例の試料について、長さ150mmの試験片を切り出し、当該試験片に対して実施の形態1における熱量の測定時と同様に、4端子法による測定のための電流端子および電圧端子を設置した。実施例および比較例の試料はそれぞれ10本用意した。
<実験>
実験1:
実施例および比較例の試料について、液体窒素温度まで冷却して臨界電流値に相当する電流を流し、クエンチが発生しないことを確認した。
実験2:
上記の実験1でクエンチが発生しないことを確認した実施例および比較例の試料に対して、電圧端子の間の中央部において、超電導線材の表面に模擬傷を形成した。具体的には、超電導線材の長手方向に0.1mm、幅方向に2mmの平面サイズとなるように、罫書き針により超電導層にまで達する傷を付けた。
その後、当該傷を付けた試験片に対して、再び液体窒素温度まで冷却してから臨界電流値に相当する電流を流し、クエンチの発生の有無を確認した。
<結果>
実施例の試料については、すべての試料について実験2においてもクエンチは発生せず、試料の損傷などは発生しなかった。一方、比較例の試料については、すべての試料についてクエンチが発生し、試料が傷の付近で焼損した。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 基板層、1a 第1面、1b 第2面、2 超電導層、2a 第3面、2b 第4面、3 被覆層、10 線材部、11 基板、11a 第1層、11b 第2層、11c 第3層、12 中間層、31 安定化層、32 保護層、51 容器、52 液体窒素、53 電流端子、54 電圧端子、55 電流測定部、56 電圧測定部、100 超電導線材、150 絶縁体、200 試料、300 超電導コイル。

Claims (4)

  1. 超電導層を備えるテープ状の超電導線材であって、
    前記超電導線材における長さが1m、幅が4mmとした単位領域について、温度を77Kから300Kまで上昇させるために必要な熱量が、200J以上500J以下である、超電導線材。
  2. 温度が77Kであるときの平均熱伝導率が100W/(m・K)以上である、請求項1に記載の超電導線材。
  3. 第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有する基板層を備え、
    前記超電導層は、第3面と、前記第3面の反対面である第4面とを有し、前記第3面が前記第2面に対向するように前記基板層上に配置され、さらに、
    前記第1面上及び前記第4面上に配置される被覆層を備える、請求項1または請求項2に記載の超電導線材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の前記超電導線材と、
    絶縁体とを備え、
    前記超電導線材は、周回毎に空間を置いて巻き回された渦巻形状を有し、
    前記絶縁体は、前記空間に充填されている、超電導コイル。
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