JP6721101B2 - 超電導線材及び超電導コイル - Google Patents

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Description

本発明は、超電導線材及び超電導コイルに関する。
従来から、特開2008−244249号公報(特許文献1)に記載された超電導線材が知られている。特許文献1に記載の超電導線材は、基板と、基板上に配置された超電導層と、基板及び超電導層を被覆する安定化層とを有している。特許文献1に記載された超電導線材は、巻き回されるとともにエポキシ樹脂等の含浸材で含浸され、超電導コイルとされている。特許文献1に記載された超電導コイルにおいては、含浸材と超電導線材との間の熱膨張係数差に起因した熱応力により、超電導層の破壊に伴う超電導特性の劣化が生じるおそれがあることが知られている。
上記のような熱膨張係数差に起因した熱応力による超電導層の破壊を防止するための構成として、従来から、特開2011−198469号公報(特許文献2)に記載された絶縁被覆酸化物超電導線材の構成、特開2014−22693号公報(特許文献3)に記載された複合テープの構成及び特開2016−134418号公報(特許文献4)に記載された超電導線材の構成が知られている。
特許文献2に記載された絶縁被覆酸化物超電導線材は、酸化物超電導線素材と、酸化物超電導線素材の全表面を被覆する絶縁材層と、絶縁材層上に設けられた離形材層とを有する。特許文献2に記載された絶縁被覆酸化物超電導線材は、巻き回されるとともに、熱硬化性樹脂で含浸され、コイルとされる。特許文献2に記載されたコイルにおいても、冷却時に、熱硬化性樹脂と絶縁被覆酸化物超電導線材との熱膨張係数差に起因した熱応力が生じる。特許文献2に記載されたコイルにおいては、熱硬化性樹脂と離形材層の界面が容易に剥離するため、熱応力が超電導層に作用しにくく、超電導層の破損に伴う超電導特性の劣化が生じにくい。
特許文献3に記載された複合テープは、超電導テープ線と、絶縁テープ線と、離形層とを有する。離形層は、超電導テープ線及び絶縁テープ線のうちの少なくとも一方の上に配置される。特許文献3に記載された複合テープは、巻き回されるとともに、エポキシ樹脂で含浸され、コイルとされる。特許文献3に記載されたコイルにおいても、冷却時に、熱応力が生じる。特許文献3に記載されたコイルにおいては、エポキシ樹脂と離形層との界面が剥離するため、この熱応力に起因して超電導層の破損に伴う超電導特性の劣化が生じにくい。
特許文献4に記載された超電導線材は、金属基板と、超電導層と、カーボン層とを有する。超電導層は、金属基板上に配置される。カーボン層は、超電導層及び金属基板の少なくとも一方の上に配置されている。カーボン層の破壊強度は、超電導層よりも低い。特許文献4に記載された超電導線材は、巻き回されるとともに、エポキシ樹脂組成物で含浸され、コイルとされる。特許文献4に記載されたコイルにおいても、冷却時にエポキシ樹脂組成物と超電導線材との熱膨張係数差に起因した熱応力が生じる。この熱応力により、カーボン層が容易に破断する。そのため、この熱応力に起因して超電導層の破損に伴う超電導特性の劣化が生じにくい。
特開2008−244249号公報 特開2011−198469号公報 特開2014−22693号公報 特開2016−134418号公報
本開示の一態様に係る超電導線材は、第1面と第2面とを有する基板と、第3面と第4面とを有する超電導層と、安定化層と、保護層とを備える。第2面は、第1面の反対面である。第4面は、第3面の反対面である。超電導層は、第3面が第2面に対向するように基板上に配置される。安定化層は、第1面上及び第4面上に配置される。保護層は、安定化層上に配置される。安定化層と保護層との密着強度は、超電導層の強度よりも低い。
本開示に係る超電導コイルは、上記の本開示に係る超電導線材と、絶縁体とを備える。超電導線材は、周回毎に空間を置いて巻き回された渦巻形状を有する。絶縁体は、その空間に充填されている。絶縁体の熱膨張係数は、超電導層の熱膨張係数より高い。
図1は、実施形態に係る超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。 図2は、実施形態に係る超電導コイル200のコイル軸に垂直な断面における断面図である。 図3は、図2の領域IIIの拡大断面図である。 図4は、実施形態に係る超電導線材100の製造方法の工程図である。 図5Aは、準備工程S1の終了後であって安定化層形成工程S21が行われる前における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。 図5Bは、安定化層形成工程S21の終了後であって保護層形成工程S22が行われる前における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。 図5Cは、保護層形成工程S22の終了後における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。 図6は、実施形態に係る超電導コイル200の製造方法の工程図である。 図7は、比較例に係る超電導線材110の長手方向に平行な断面での断面図である。 図8は、比較例に係る超電導コイル210の部分断面図である。 図9は、実施形態に係る超電導コイル200の冷却時における部分断面図である。
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献2に記載された絶縁被覆超電導線材及びそれを用いたコイルにおいては、離形材層を形成するための新たな工程を追加する必要がある。特許文献3に記載された複合テープ及びそれを用いたコイルにおいても、離形層を形成するための新たな工程を追加する必要がある。特許文献4に記載された超電導線材及びそれを用いたコイルにおいても、カーボン層を形成するための新たな工程を追加する必要がある。そのため、特許文献2ないし特許文献4に記載された超電導線材等及びそれを用いたコイルには、製造工程が複雑化するとの問題点がある。
本開示に係る超電導線材及び超電導コイルは、上記のような従来技術の問題点に鑑みたものである。より具体的には、本開示は、製造工程を複雑化させることなく、絶縁体と超電導線材との熱膨張係数差に起因した熱応力による超電導特性の劣化を抑制することができる超電導線材及び超電導コイルを提供する。
[本開示の効果]
本開示に係る超電導線材及び超電導コイルによると、製造工程を複雑化させずに、絶縁体と超電導線材との熱膨張係数差に起因した熱応力による超電導特性の劣化を抑制することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係る超電導線材は、第1面と第2面とを有する基板と、第3面と第4面とを有する超電導層と、安定化層と、保護層とを備える。第2面は、第1面の反対面である。第4面は、第3面の反対面である。超電導層は、第3面が第2面に対向するように、基板上に配置される。安定化層は、第1面上及び第4面上に配置される。保護層は、安定化層上に配置される。安定化層と保護層との密着強度は、超電導層の強度よりも低い。
上記(1)の超電導線材の製造においては、カーボン層等を形成するための新たな工程は不要である。そのため、上記(1)の超電導線材によると、製造工程が複雑化しない。また、上記(1)の超電導線材は、超電導コイルとされる際に渦巻状に成形されるとともに超電導線材の間に絶縁体が充填されるが、上記(1)の超電導線材によると、超電導線材と絶縁材との間の熱膨張係数差に起因した熱応力により超電導層が破壊する前に、安定化層と保護層との界面が剥離する。そのため、上記(1)の超電導線材によると、超電導特性の劣化を抑制することができる。
(2)上記(1)の超電導線材において、第1面上に配置される安定化層の厚さは、第4面上に配置される安定化層の厚さよりも小さくてもよい。
上記(2)の超電導線材によると、超電導層から遠い第1面側の安定化層又は保護層が先に剥離しやすくなるため、より確実に超電導層を保護することできる。
(3)上記(2)の超電導線材において、第1面上に配置される安定化層は、単層で構成され、第4面上に配置される安定化層は、複数層で構成されていてもよい。
上記(3)の超電導線材によると、超電導層から遠い第1面側の安定化層又は保護層が先に剥離しやすくなるため、より確実に超電導層を保護することできる。
(4)上記(3)の超電導線材において、第1面上に配置される安定化層は、スパッタ層で構成され、第4面上に配置される安定化層は、第4面上に配置されるスパッタ層と、スパッタ層上に配置されるめっき層とにより構成されていてもよい。
上記(4)の超電導線材によると、超電導層から遠い第1面側の安定化層又は保護層が先に剥離しやすくなるため、より確実に超電導層を保護することできる。
(5)本開示の一態様に係る超電導コイルは、上記(1)〜(4)の超電導線材と、超電導層よりも熱膨張係数が大きい絶縁体とを備える。超電導線材は、周回毎に空間を置いて巻き回された渦巻形状を有する。絶縁体は、その空間に充填される。
上記(5)の超電導コイルによると、製造工程を複雑化させずに、絶縁体と超電導線材との熱膨張係数差に起因した熱応力による超電導特性の劣化を抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、実施形態の詳細について説明する。
(実施形態に係る超電導線材の構成)
以下に、実施形態に係る超電導線材の構成について、図を参照して説明する。なお、各図中同一または相当部分には同一符号を付している。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、実施形態に係る超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。図1に示すように、実施形態に係る超電導線材100は、基板1と、超電導層2と、安定化層3と、保護層4とを有している。
基板1は、好ましくは、長手方向の長さと比較して厚さが小さいテープ状の形状を有している。基板1は、第1面1aと、第2面1bとを有している。第2面1bは、第1面1aの反対面である。基板1は、複数の層により構成されていてもよい。より具体的には、基板1は、基板層11と、中間層12とを含んでいてもよい。基板層11は、第1面1a側に位置しており、中間層12は、第2面1b側に位置している。
基板層11は、複数の層により構成されていてもよい。例えば、基板層11は、第1層11aと、第2層11bと、第3層11cとにより構成されている。第1層11a、第2層11b及び第3層11cは、それぞれ異なる材料により構成されている。第1層11aには、例えばステンレス鋼が用いられる。第2層11bには、例えば銅(Cu)が用いられる。第3層11cには、例えばニッケル(Ni)が用いられる。
中間層12は、基板1上に超電導層2を形成させるためのバッファとなる層である。中間層12は、一様な結晶配向性を有していることが好ましい。また、中間層12には、超電導層2を構成する材料との格子定数のミスマッチの小さい材料が用いられる。より具体的には、中間層12には、酸化セリウム(CeO)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)が用いられる。
超電導層2は、超電導体を含有する層である。超電導層2に用いられる材料は、例えばレアアース系の酸化物超電導体である。超電導層2に用いられるレアアース系の酸化物超電導体は、例えばREBCO(REBaCu、REはイットリウム(Y)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロビウム(Eu)、ガドリウム(Gd)、ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)等のレアアース)である。
超電導層2は、第3面2aと、第4面2bとを有している。第4面2bは、第3面2aの反対面である。超電導層2は、基板1上に配置されている。より具体的には、超電導層2は、第3面2aが第2面1bと対向するように、基板1上に配置されている。このことを別の観点からいえば、超電導層2は、中間層12上に配置されている。
安定化層3は、超電導層2を保護し、超電導層2における局所的な発熱を発散させるとともに、超電導層2にクエンチ(超電導状態から通常電導状態に移行する現象)が生じた際に、電流をバイパスさせる層である。安定化層3は、第1面1a及び第4面2b上に配置されている。安定化層3に用いられる材料は、例えば銀(Ag)である。
第1面1a上に配置されている安定化層3は、好ましくは、単層で構成されている。さらに好ましくは、第1面1a上に配置されている安定化層3は、スパッタ層31である。スパッタ層31は、スパッタリングにより形成された層である。
第4面2b上に配置されている安定化層3は、単層で構成されていてもよく、複数層で構成されていてもよい。第4面2b上に配置されている安定化層3が単層で構成されている場合、第4面2b上に配置されている安定化層3は、例えばスパッタ層31により構成されている。
第4面2b上に配置されている安定化層3が複数層で構成されている場合、第4面2b上に配置されている安定化層3は、例えばスパッタ層31とめっき層32とにより構成されている。スパッタ層31は、第4面2b上に配置されている。めっき層32は、スパッタ層31上に配置されている。めっき層32は、めっきにより形成される層である。
上記のことを別の観点からいえば、第1面1a及び第4面2b上に配置されている安定化層3の最外層は、保護層4との密着性を確保するための層となっていない。安定化層3と保護層4との密着性を確保するための層は、例えばストライクめっき層である。ストライクめっき層は、ストライクめっきにより形成される層である。
第1面1a上に配置されている安定化層3は、第1の厚さT1を有している。第4面2b上に配置されている安定化層3は、第2の厚さT2を有している。第1の厚さT1は、第2の厚さT2よりも小さいことが好ましい。第1の厚さT1は、例えば1μm以上10μm以下であり、第2の厚さは、例えば2μm以上40μm以下である。
保護層4は、安定化層3を保護するための層である。保護層4は、安定化層3上に配置されている。保護層4に用いられる材料は、例えばCuである。
安定化層3と保護層4との密着強度は、超電導層2の強度よりも低い。安定化層3と保護層4との密着強度が超電導層2の強度よりも低いとは、超電導層2が破壊されるよりも先に安定化層3と保護層4との間で剥離が生じる場合をいう。
なお、図1においては図示されていないが、安定化層3及び保護層4は、実施形態に係る超電導線材100の長手方向に垂直な方向における端面上を被覆していてもよい。
(実施形態に係る超電導コイルの構成)
以下に、実施形態に係る超電導コイル200の構成について、図を参照して説明する。図2は、実施形態に係る超電導コイル200のコイル軸に垂直な断面における断面図である。図2に示すように、実施形態に係る超電導コイル200は、超電導線材100と、絶縁体150とを有している。
超電導線材100は、コイル軸を中心とした渦巻形状を有している。すなわち、超電導線材100は、コイル軸を中心として巻き回されている。超電導線材100は、周回毎に空間を置いて巻き回されている。
絶縁体150は、巻き回された超電導線材100の間の空間に充填されている。これにより、巻き回された超電導線材100が相互に絶縁され、相互に固着される。図3は、図2の領域IIIの拡大断面図である。図3に示すように、超電導線材100は、絶縁体150により挟み込まれている。
絶縁体150には、例えば熱硬化性樹脂が用いられる。絶縁体150に用いられる熱硬化性樹脂は、硬化前の状態において、巻き回された超電導線材100の間の空間に含浸されうる程度の低い粘度を有していることが好ましい。絶縁体150に用いられる熱硬化性樹脂は、例えばエポキシ樹脂である。
絶縁体150の熱膨張係数は、超電導線材100よりも熱膨張係数が大きい。具体的には、絶縁体150は、超電導層2よりも熱膨張係数が大きい。絶縁体150の熱膨張係数は、基板1の熱膨張係数より大きくてもよい。例えば、絶縁体150にエポキシ樹脂を用いた場合、室温から77Kまで冷却した際に、絶縁体150の寸法は、約1パーセント収縮する。他方、基板1を同様に冷却した際には、基板1の寸法は0.3パーセント程度収縮する。超電導層2を同様に冷却した際には、超電導層2の寸法の収縮率は、0.3パーセント未満である。
(実施形態に係る超電導線材の製造方法)
以下に、実施形態に係る超電導線材100の製造方法について説明する。図4は、実施形態に係る超電導線材100の製造方法の工程図である。図4に示すように、実施形態に係る超電導線材100の製造方法は、準備工程S1と、被覆層形成工程S2とを有している。被覆層形成工程S2は、安定化層形成工程S21と、保護層形成工程S22とを含んでいる。
図5Aは、準備工程S1の終了後であって安定化層形成工程S21が行われる前における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。準備工程S1においては、図5Aに示すように、基板1上に超電導層2が形成される。より具体的には、基板層11上に、中間層12が形成され、中間層12上に超電導層2が形成される。基板層11上への中間層12の形成及び中間層12上への超電導層2の形成は、従来公知の方法により行われる。
図5Bは、安定化層形成工程S21の終了後であって保護層形成工程S22が行われる前における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。図5Bに示すように、安定化層形成工程S21においては、第1面1a及び第4面2b上に、安定化層3が形成される。
安定化層形成工程S21においては、第1に、スパッタリングが行われる。スパッタリングは、第1面1a側及び第4面2b側に対して行われる。これにより、第1面1a上に安定化層3としてのスパッタ層31が形成され、第4面2b上に配置される安定化層3の一部を構成するスパッタ層31が形成される。
安定化層形成工程S21においては、第2に、めっきが行われる。めっきは、第4面2b側に対してのみ行われる。これにより、第4面2b上に配置される安定化層3の一部であるめっき層32が形成される。
図5Cは、保護層形成工程S22の終了後における超電導線材100の長手方向に平行な断面での断面図である。図5Cに示すように、保護層4が安定化層3上に形成される。保護層4の形成は、従来公知の方法、例えばめっきにより行われる。
(実施形態に係る超電導コイルの製造方法)
以下に、実施形態に係る超電導コイル200の製造方法について説明する。図6は、実施形態に係る超電導コイル200の製造方法の工程図である。図6に示すように、実施形態に係る超電導コイル200の製造方法は、線材巻き回し工程S3と、絶縁体充填工程S4とを有している。
線材巻き回し工程S3においては、超電導線材100が、例えば巻枠の周囲に巻き回される。これにより、超電導線材100が、渦巻形状に成形される。絶縁体充填工程S4においては、超電導線材100の間の空間に、エポキシ樹脂等が含浸されるとともに、エポキシ樹脂等を加熱硬化させることで、渦巻形状に成形された超電導線材100の間の空間に絶縁体150が充填される。
(実施形態に係る超電導線材及び超電導コイルの効果)
以下に、実施形態に係る超電導線材100及び超電導コイル200の効果について、比較例と対比することにより説明する。図7は、比較例に係る超電導線材110の長手方向に平行な断面での断面図である。図7に示すように、比較例に係る超電導線材110は、実施形態に係る超電導線材100と同様に、基板1と、超電導層2と、安定化層3と、保護層4とを有している。
しかし、比較例に係る超電導線材110は、第1面1a及び第4面2b上に配置されている安定化層3の最外層がストライクめっき層33となっている点において、実施形態に係る超電導線材100と異なっている。すなわち、比較例に係る超電導線材110においては、第1面1a及び第4面2b上に配置される安定化層3が、スパッタ層31と、めっき層32と、ストライクめっき層33とにより構成されている。その結果、比較例に係る超電導線材110においては、安定化層3と保護層4との密着強度が、超電導層2の強度よりも低くなっていない。
図8は、比較例に係る超電導コイル210の部分断面図である。図8に示すように、比較例に係る超電導コイル210は、比較例に係る超電導線材110が用いられている点を除いて、実施形態に係る超電導コイル200と同様の構成を有している。
比較例に係る超電導コイル210は、動作時には、液体窒素等により、極低温にまで冷却される。絶縁体150の熱膨張係数は、上記のとおり、基板1及び超電導層2の熱膨張係数よりも小さい。すなわち、冷却に伴う絶縁体150の収縮は、超電導層2の冷却に伴う収縮よりも小さい。その結果、超電導層2には、冷却に伴う引張応力TSが作用する。この引張応力TSにより、超電導層2内に破壊Bが生じ、超電導線材110及び超電導コイル210の超電導特性が劣化する。
図9は、実施形態に係る超電導コイル200の冷却時における部分断面図である。図9に示すように、実施形態に係る超電導コイル200においても、同様に、冷却に伴って引張応力TSが発生する。
しかし、実施形態に係る超電導コイルにおいては、安定化層3の最外層が保護層4との密着性を確保するための層(例えばストライクめっき層33)となっていないため、安定化層3と保護層4との密着強度が、超電導層2の強度よりも低くなっている。そのため、超電導層2に過大な引張応力TSが作用する前に、安定化層3と保護層4との界面が容易に剥離する。
そのため、実施形態に係る超電導線材100及び超電導コイル200によると、超電導層2内に熱膨張係数差に起因した破壊の発生を抑制することができ、ひいては超電導特性の劣化を抑制することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、1a 第1面、1b 第2面、11 基板層、11a 第1層、11b 第2層、11c 第3層、12 中間層、2 超電導層、2a 第3面、2b 第4面、3 安定化層、31 スパッタ層、32 めっき層、33 ストライクめっき層、4 保護層、100,110 超電導線材、150 絶縁体、200,210 超電導コイル、B 破壊、S1 準備工程、S2 被覆層形成工程、S3 線材巻き回し工程、S4 絶縁体充填工程、S21 安定化層形成工程、S22 保護層形成工程、T1 第1の厚さ、T2 第2の厚さ、T3 第3の厚さ、T4 第4の厚さ、TS 引張応力。

Claims (4)

  1. 第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有する基板と、
    第3面と、前記第3面の反対面である第4面とを有し、前記第3面が前記第2面に対向するように前記基板上に配置される超電導層と、
    前記第1面上及び前記第4面上に配置される安定化層と、
    前記安定化層上に配置される保護層とを備え、
    前記安定化層と前記保護層との密着強度は、前記超電導層の強度よりも低
    前記第1面上に配置される前記安定化層の厚さは、前記第4面上に配置される前記安定化層の厚さよりも小さい、超電導線材。
  2. 前記第1面上に配置される前記安定化層は、単層で構成され、
    前記第4面上に配置される前記安定化層は、複数層で構成される、請求項に記載の超電導線材。
  3. 前記第1面上に配置される前記安定化層は、スパッタ層で構成され、
    前記第4面上に配置される前記安定化層は、前記第4面上に配置されるスパッタ層と、前記スパッタ層上に配置されるめっき層とにより構成される、請求項に記載の超電導線材。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の前記超電導線材と、
    前記超電導線材よりも熱膨張係数が大きい絶縁体とを備え、
    前記超電導線材は、周回毎に空間を置いて巻き回された渦巻形状を有し、
    前記絶縁体は、前記空間に充填される、超電導コイル。
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