JP7438830B2 - バンドル巻き高温超電導コイル装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、巻枠に複数の高温超電導線材を巻回してなるバンドル巻き高温超
電導コイル装置に係り、特にそのバンドル巻き高温超電導コイル装置の電磁力に対する補
強構造に関する。
超電導線材は常電導線材と比較して極めて高い電流密度での通電が可能であり、超電導
コイルは高磁場を発生させることができる。このような超電導コイルに使用する超電導線
材としては、たとえばNbTi、Nb3Snといった金属系の低温超電導線材や、Bi
SrCaCu10+x線材やRE1(REBCO)線材といった酸
化物の高温超電導線材がある。高温超電導線材は従来の低温超電導線材に比べ、20K~
77Kといった高い温度でも運転可能であり、また、低温超電導線材より高い臨界電流密
度特性を有する。そのため、高温超電導線材を巻き回した高温超電導コイルは、従来の低
温超電導コイルよりも少ないターン数、巻線体積で10Tを超えるような強磁場を発生さ
せる磁石設計が可能となる。
ただし、超電導コイルは、自身が発生する磁場、あるいは外部磁場によって、巻線部内
の超電導線材に電磁力を生ずる。特にコイル径方向に膨らむ方向の電磁力は、高温超電導
線材にとって、線材長手方向の引張り応力、所謂フープ応力となる。そこで、このような
強磁場によるフープ応力に耐えるため、REBCO線材の場合には、ハステロイ(登録商標、米国ヘインズ社製商品名)やNiWとったNi基合金のような高強度金属の基板の上に酸化物超電導層が形成されている。
しかしながら、10Tを超えるような強磁場を発生させる超電導磁石においては、高温
超電導線材の許容歪みを超えるフープ応力が発生する。そこで、例えば特許文献1のよう
に、さらに補強線材として高強度金属テープを高温超電導線材に追加し、フープ応力を分
担させることで、高温超電導線材の許容歪以下に抑える方法が提案されている。また、特
許文献2のように、複数の高温超電導線材を直接接触させながら共巻き(バンドル巻き)
することで、電磁力によって臨界電流特性が低下した場合に、互いの高温超電導線材同士
での電流の転流を可能にすることで、電気的に補強する構造が提案されている。
特開2011-40176号公報 特開2019-62005号公報
上述した従来技術を組み合わせて、図9に示すように、複数の高温超電導線材1x、1y
を巻き回してなるバンドル巻き高温超電導コイル装置25に、補強線材(高強度金属テー
プ)24を共巻きすることで、さらなる補強効果を得られると考えられる。
しかるに、バンドル巻きした高温超電導線材(バンドル線材)1x、1yに対して単に高
強度金属テープのような補強線材24を追加した場合、それぞれの超電導層にコイル径方
向に膨らむ方向の電磁力が生じると、高温超電導線材1yについては、超電導層よりもコ
イル外周側に強度の高い金属基板が配置されているのに加え、さらに隣接した補強線材2
4による変形の抑制で歪みが低減される。
しかしながら、高温超電導線材1xについては、補強線材24から離れた位置にあるた
め、微視的な観点において、線材内部で発生する歪みにコイル径方向で分布が生じ、高温
超電導線材の許容歪みを超えて臨界電流特性が低下しまう恐れがあるという課題があった
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、本発明におけるバンドル巻き高温超電
導コイル装置は、超電導層が形成されている複数枚の高温超電導線材を束ねたバンドル線
材と、少なくとも1枚以上の補強線材とを、巻枠の周囲に共巻きして巻き回してなるバン
ドル巻き高温超電導コイル装置であって、前記バンドル線材の内、前記超電導層に近い側
のテープ面がコイル外周側に向かって配置された前記高温超電導線材に配置された前記補
強線材は、前記高温超電導線材の超電導層に近い側のテープ面と直接接触して設けられて
いることを特徴とする。
また、本発明におけるバンドル巻き高温超電導コイル装置は、超電導層が形成されてい
る複数枚の高温超電導線材を束ねたバンドル線材と、少なくとも1枚以上の補強線材とを
、巻枠の周囲に共巻きして巻き回してなる高温超電導コイル装置であって、前記バンドル
線材の内、前記超電導層に近い側の線材テープ面がコイル外周側に向かって配置された前
記高温超電導線材に配置された前記補強線材は、前記高温超電導線材の超電導層に近い側
の前記線材テープ面と直接接触して設けられており、前記バンドル線材の終端に位置する
超電導層に近い側の前記線材テープ面が前記コイル外周側に向かって配置された前記高温
超電導線材において、前記補強線材の終端に延長して外部からの電流を入出する電極が設
けられていることを特徴とする。
本発明の実施形態は、補強線材によるコイルの耐電磁力性能の向上効果を有効に発揮さ
せることで、高温超電導線材の臨界電流特性の低下を防止し、安定に強磁場を発生可能な
バンドル巻き高温超電導コイル装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るバンドル巻き高温超電導コイル装置に用いられる高温超電導線材の一例を示す構成図。 (a)本発明の実施の形態に係るバンドル巻き高温超電導コイル装置に用いられるパンケーキコイルの一例を示す概略図、(b)は(a)に示したバンドル巻き高温超電導コイル装置の断面図。 (a)は本実施形態に係わるバンドル巻き高温超電導テープ線材を束ねたバンドル線材の要部拡大断面図、(b)は本実施形態に係わるバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の部分断面図。 本発明の第1の実施形態の変形例を示すバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の部分断面図。 本発明の第2の実施形態を示すバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の部分断面図。 本発明の第3の実施形態を示すバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の一部を、コイル上面から見た部分断面図。 本発明の第4の実施形態を示すバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の終端を、コイル上面から見た部分断面図。 本発明の第4の実施形態の変形例を示すバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の終端を、コイル上面から見た部分断面図。 従来例におけるバンドル巻き高温超電導コイル装置の巻線部の部分断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(高温超電導線材)
図1は、本発明の実施の形態に係るバンドル巻き高温超電導コイル装置30に用いられ
る超電導テープ線(高温超電導線材)1の一例を示す構成図である。
この超電導テープ線1は、少なくとも、テープ基板2と、中間層3と、超電導層4とを
有し、その両面が安定化層5で被覆されている。
また、必要に応じて、テープ基板2と中間層3との間に配向層6を、超電導層4と安定
化層5との間に保護層7を設けることもできる。
テープ基板2は、例えば、ハステロイ(登録商標)やNiWといったNi基合金の高強度金属等の材質で形成される。
中間層2は拡散防止層であり、例えば、酸化セリウム、YSZ、酸化マグネシウム、酸
化イットリウム、酸化イッテルビウム、バリウムジルコニアなどの材質からなり、テープ
基板1上に形成される。
超電導層4は、例えば、RE123系の組成(RE等)を有する超電導
体薄膜からなる。なお、「RE」の「RE」は希土類元素(例えば、ネオ
ジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)等)
及びイットリウム元素の少なくともいずれかを、「B」はバリウム(Ba)を、「C」は
銅(Cu)を、「O」は酸素(O)を意味している。
安定化層5は、超電導層4に過剰に電気が流れた場合に超電導層4が燃焼するのを防止
する目的で設けられ、導電性の銀等から形成される。
配向層6は、テープ基板2上に中間層3を配向させて形成する目的で設けられ、酸化マ
グネシウム(MgO)等から形成される。なお、配向した基板を用いる場合には省略する
ことができる。
保護層7は、超電導層4が空気中の水分に触れて劣化するのを防止する等の目的で設け
られ、銀等から形成される。なお、保護層7も超電導層4に過剰に電気が流れた場合に超
電導層4が燃焼するのを防止する役割も果たしている。
このような多層からなる超電導テープ線1のテープ幅wは例えば4~12mm、テープ
厚さtは0.1~0.2mmとされる。また、超電導テープ線1は、長手方向Bの機械強
度に優れている一方、線材テープ面の垂直方向(テープ厚さt方向)の引張応力(剥離応
力)には脆弱であるという特徴を持っている。
さらに、超電導テープ線1の周囲をポリイミドやポリイミドアミドのような絶縁材で被
覆した絶縁被覆超電導テープ線としても良い。
(バンドル巻きパンケーキコイル)
バンドル巻きパンケーキコイル(バンドル巻き高温超電導コイル装置)10の構成の一
例について、図2を用いて説明する。
図2(b)に示すように、例えば超電導層4a、4bが配置された2枚の高温超電導テ
ープ線1a、1bが束ねられたバンドル線材と、絶縁テープ線8とが重ね合わせられ、ガ
ラス繊維強化プラスチックや補強型PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の絶縁材
からなる巻枠9の周囲に渦巻状に巻回された所謂パンケーキ形状の巻線部が形成される。
また、必要に応じて巻線部11の上下面に絶縁層50を形成し、図2(a)に示すような
所謂パンケーキ形状の超電導コイルが形成され、バンドル巻きパンケーキコイル10とな
る。
(実施例1)
図3、図4を参照して実施例1に係るバンドル巻き高温超電導コイル装置30を説明す
る。
図3(a)は本実施形態に係わるバンドル巻き高温超電導線材を束ねたバンドル線材の
要部拡大断面図であり、図3(b)は本実施形態に係わるバンドル巻き高温超電導コイル
装置の巻線部の部分断面図である。また、図4は本実施形態に係わるバンドル巻き高温超
電導コイル装置の変形例を示す。
本実施形態のバンドル巻き高温超電導コイル装置30のバンドル線材12は、図3(a
)に示すように、高温超電導テープ線材1c、1dに挟まれるように補強線材20が隣接
して配置された構成となっており、バンドル線材12は、超電導層4c、4dに近い側の
線材テープ面同士を対向させて重ね合わされて配置されている。なお、高温超電導テープ
線材1c、1dと、補強線材20とは、巻線時には互いに接触しているのみで摺動可能と
してもよいし、もしくは、ハンダなどの接合層を介して一体化してもよい。
さらに、図3(b)に示すように、バンドル線材12は絶縁テープ線8とともに巻枠に
巻き回されて、バンドル巻き高温超電導コイル装置25が構成される。樹脂含浸コイルの
場合には、ターン間等の巻線部の隙間には薄い樹脂層が形成され、巻線後は一体化される
補強線材20の材質としては、補強効果を得るため、高温超電導線材1aよりもヤング
率が高い材質が好適であり、たとえばステンレスやハステロイ(登録商標)、NiWといったNi基合金、銅合金、銀合金などの高強度金属が適用される。
なお、補強線材20の厚さは、高温超電導コイル装置が発生するフープ応力によって高
温超電導線材1c、1dに生じる歪みが、各々の超電導層4c、4dの許容歪み以下とな
るように設計された厚さとなっており、高温超電導線材1d、1cの厚さと同じか、それ
よりも厚いことが好ましい。
たとえば発生するフープ応力が650MPaである場合、仮に高温超電導線材のヤング
率を150GPa、許容歪みを0.4%とすると、補強線材が無い場合、発生する歪みが
0.43%となり、許容歪みを超えるため、高温超電導線材の臨界電流特性は劣化してし
まう。一方、補強線材20を設ける場合、補強線材20のヤング率を仮に200GPaと
すると、仮に補強線材20の厚さを高温超電導線材1c、1dの1枚の厚さと同じに設定
した場合、2枚の高温超電導線材1c、1dと補強線材20を合わせたバンドル線材全体
の見掛け上のヤング率は、150×2/(2+1)+200×1/(2+1)≒166.
7GPaとなる。この時、高温超電導線材1c、1dに生じる歪みは0.39%まで低下
し、許容歪み0.4%以下に抑えられる。
本実施例の形態において、バンドル線材12の内、超電導層4に近い側の線材テープ面
Cがコイル外周側に向かって配置された高温超電導テープ線材1cは、超電導層4cに近
い側の線材テープ面Cに隣接して補強線材20がコイル外周側に配置される。
本実施形態によれば、超電導層4に近い側の線材テープ面Cがコイル外周側に向かって
配置された高温超電導テープ線材1cは、超電導層4cに近い側の線材テープ面Cに隣接
して補強線材20がコイル外周側に隣接して配置されるため、高温超電導テープ線材1c
の超電導層4cにコイル径方向に膨らむ方向の電磁力が生じた際、微視的な観点において
も、隣接した補強線材20による変形の抑制で発生する歪みが低減され、補強線材20に
よるコイルの耐電磁力性能の向上効果が有効に発揮され、高温超電導線材の臨界電流特性
の低下を防止でき、安定に強磁場を発生可能なバンドル巻き高温超電導コイル装置25を
提供することができる。
一方、超電導層4に近い側の線材テープ面Dがコイル内周側に向かって配置された高温
超電導線材1dについては、超電導層4dよりもコイル外周側に強度の高い金属基板が配
置されていることから、高温超電導線材1dに隣接してコイル外周側に補強線材を設けな
い構成としているが、図4に示す変形例のように、高温超電導線材1dの超電導層4dに
近い側と相対するテープ面に隣接してコイル外周側に補強線材21を追加して設置するこ
ともできる。
なお、本実施形態では、補強線材を巻線部の全ターンにわたって共巻きした例を示した
が、フープ応力の分布に応じて、高温超電導線材1c、1dの許容歪みを超えないターン
については、補強線材を共巻きせずとも良い。
さらに、本実施形態では、同心円状に巻き回してなる所謂パンケーキ形状の超電導コイ
ル(パンケーキコイル)の例を示したが、パンケーキコイルを中心軸方向に2つ積層し、
かつ最内周では高温超電導線材が軸方向に転移する所謂ダブルパンケーキ方式の超電導コ
イルにも適用可能であり、また、円形に限らず、D形状や楕円形状、レーストラック形状
、3次元形状などの非円形のコイル形状でも同様の効果を得ることができる。
(実施例2)
次に、図5を参照して実施例2を説明する。なお、実施例1と同一の構成には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のバンドル巻き高温超電導コイル装置31は、図5に示す巻線部の部分断面
図のように、実施例1の補強線材20が分割された構成となっており、複数枚の補強線材
21b、22a、22bが束ねられて構成されている。ここで、各補強線材は、たとえば
21bと22a、22bとが異なる材質で形成されており、そのため、異なるヤング率を
有している。
また、前述のとおり、補強線材21b、22a、22bは、高温超電導線材1c、1d
よりもヤング率が高い材質が好適である。本実施形態では、高温超電導線材1c、1dに
接している補強線材22a、22bのヤング率を、補強線材21bのヤング率よりも低く
、かつ高温超電導線材1c、1dのヤング率よりも高く設定されている。たとえば、高温
超電導線材1c、1dのヤング率を150GPaとしたとき、補強線材21bのヤング率
を250GPaに、補強線材22a、22bのヤング率は中間の200GPaに設定され
ている。すなわち複数枚の補強線材21b、22a、22bは、ヤング率が高温超電導線
材1c、1dのヤング率に近い順に、前記高温超電導線材1c、1dに隣接して束ねられ
ている。
このように構成された本実施の形態において、補強線材21bと高温超電導線材との間
に、それぞれのヤング率の中間のヤング率を有する補強線材が配置される。
本実施形態によれば、補強線材21bと高温超電導線材1c、1dとの間に、それぞれ
のヤング率の中間のヤング率を有する補強線材22a、22bが配置されるため、視的な
観点において、高温超電導線材1c、1dの内部で発生する歪みのコイル径方向での分布
を、実施例1と比較して、さらに緩和することができ、より確実に高温超電導線材の臨界
電流特性の劣化を防止可し、安定に強磁場を発生可能なバンドル巻き高温超電導コイル装
置を提供することができる。
なお、本実施形態では、補強線材を3枚に分割した構成を示したが、さらに枚数を増や
しても良く、その場合、高温超電導線材の内部で発生する歪みのコイル径方向での分布を
さらに緩和することができる。
(実施例3)
次に、図6を参照して実施例3を説明する。なお、実施例1または実施例2と同一の構
成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図6は、本実施形態に係わるバンド
ル巻き高温超電導コイル装置32の巻線部の一部を、コイル上面から見た部分断面図であ
る。
本実施形態のバンドル巻き高温超電導コイル装置32は、巻線部の一部にハンダ層13
を介した接続部Aが設けられており、高温超電導線材1eが架設された構成となっている
。高温超電導線材1eは、高温超電導線材同士の接続抵抗を低減するため、超電導層4e
に近い側の線材テープ面Eがコイル内周側に向かって配置されているが、補強線材21c
が延長され、接続部、および高温超電導線材1eと共巻きされた構成となっている。
このように構成された実施例3において、巻線部の一部に接続部Aが設けられた場合で
も、補強線材21cが巻線部の内部で連続して配置され、切断されることがない。
本実施形態によれば、巻線部の一部に接続部Aが設けられた場合でも、補強線材21c
が巻線部の内部で連続して配置されているため、コイル径方向に膨らむ方向の電磁力が、
高温超電導線材1a、1bおよび補強線材21cにとって、線材長手方向の引張り応力、
所謂フープ応力となった際、補強線材21cに発生する応力が不連続になって高温超電導
線材1a、1bに局所応力が加わることがなく、巻線部の一部に接続部Aが設けられた場
合においても、確実に高温超電導線材1a、1bの臨界電流特性の劣化を防止可し、安定
に強磁場を発生可能なバンドル巻き高温超電導コイル装置32を提供することができる。
(実施例4)
次に、図7,8を参照して実施例4を説明する。なお、実施例1乃至3と同一の構成に
は同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図7は、本実施形態に係わるバンドル巻
き高温超電導コイル装置の巻線部の終端を、コイル上面から見た部分断面図である。また
、図8は、本実施形態に係わるバンドル巻き高温超電導コイル装置の変形例を示している
本実施形態のバンドル巻き高温超電導コイル装置33は、図7に示すように、巻線部の
終端において、補強線材23の終端に延長して外部から電流を入出する電極14が設けら
れており、該電極14は高温超電導線材1a、1bとハンダ層13bを介して電気的に接
続された構成となっている。また、電極14と補強線材23とは、ハンダ層13bで機械
的に接続されることが好ましい。
バンドル巻き高温超電導コイル装置33に電流を通電するためには、外部から電流を入
出できる電極が必要となる。しかしながら、実施例1の図3に示すようなバンドル線材1
2に単に電極を接続しても、テープ基板2に近い側の線材テープ面に接続されるため、接
続抵抗が高くなり、局所的な発熱を生じて熱的に不安定になってしまう。このように構成
された本実施の形態において、巻線部の終端に電極14が設けられた場合でも、高温超電
導線材1a、1bは、低抵抗に接続可能な超電導層4a、4bに近い側のテープ面C,D
での電極14との接続が確保される。
本実施形態によれば、巻線部の終端に電極14が設けられた場合でも、高温超電導線材
1a、1bは、低抵抗に接続可能な超電導層に近い側の線材テープ面C,Dで電極14と
の接続が確保されるため、熱的な不安定性を生じるさせることなく、安定に強磁場を発生
可能なバンドル巻き高温超電導コイル装置33を提供することができる。
なお、電極14は、矩形でなくともよく、図8に示す電極14bのようにコイル外周側
に延長することによって、巻線部の終端のコイル外周面を円形に保つことができる。また
、電極は、外部電源から電流を入出するための所謂、口出し電極にのみ適用されるもので
はなく、パンケーキコイル同士を電気的に接続するためのコイル間接続電極に適用しても
、同様の効果が得られる。また、電極は1つの部材で形成せずともよく、複数の部材を組
み合わせ、ハンダ層を介して一体化させてもよい。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1x、1y…高温超電導線材(超電導テープ線)、2
…テープ基板、3…中間層、4、4a、4b、4c、4d、4e…超電導層、5…安定化
層、6…配向層、7…保護層、8…絶縁テープ線、9…巻枠、10…バンドル巻きパンケ
ーキコイル、11…巻線部、12…バンドル線材、13、13b…ハンダ層、14、14
b…電極、20、21、21b、21c、22a、22b、23、24…補強線材、25
、30、31、32、33…バンドル巻き高温超電導コイル装置、50…絶縁層。

Claims (7)

  1. 超電導層が形成されている複数枚の高温超電導線材を束ねたバンドル線材と、
    材質の異なる複数枚の補強線材が束ねられて構成された補強線材とを、巻枠の周囲に共巻きして巻き回してなるバンドル巻き高温超電導コイル装置であって、
    前記バンドル線材の内、前記超電導層に近い側の線材テープ面がコイル外周側に向かって配置された前記高温超電導線材に配置された前記補強線材は、前記高温超電導線材の超電導層に近い側の前記線材テープ面と直接接触して設けられていることを特徴とするバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  2. 前記バンドル線材は、前記高温超電導線材2本ごとにその高温超電導線材を構成する超電導層に近い側の線材テープ面同士を対向さて重ね合わされていることを特徴とする請求項1に記載のバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  3. 前記補強線材は、前記高温超電導線材よりもヤング率が高い金属材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  4. 請求項に記載の複数枚の補強線材は、ヤング率が前記高温超電導線材のヤング率に近い順に、前記高温超電導線材に隣接して束ねられていることを特徴とするバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  5. 前記バンドル線材は、前記超電導層に近い側の線材テープ面がコイル外周側に向かって配置された前記高温超電導線材に接続部を含み、前記接続部においても、前記補強線材が共巻きされていることを特徴とする請求項1乃至に記載のバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  6. 超電導層が形成されている複数枚の高温超電導線材を束ねたバンドル線材と、
    材質の異なる複数枚の補強線材が束ねられて構成された補強線材とを、巻枠の周囲に共巻きして巻き回してなる高温超電導コイル装置であって、
    前記バンドル線材の内、前記超電導層に近い側の線材テープ面がコイル外周側に向かって配置された前記高温超電導線材に配置された前記補強線材は、前記高温超電導線材の超電導層に近い側の前記線材テープ面と直接接触して設けられており、
    前記バンドル線材の終端に位置する超電導層に近い側の前記線材テープ面が前記コイル外周側に向かって配置された前記高温超電導線材において、
    前記補強線材の終端に延長して外部からの電流を入出する電極が設けられていることを特徴とするバンドル巻き高温超電導コイル装置。
  7. 請求項に記載の前記電極は、前記補強線材の終端と機械的に接続されていることを特徴とするバンドル巻き高温超電導コイル装置。
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