JP6688564B2 - 酸化物超電導線材の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導線材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物超電導線材の製造方法に関し、特に、超電導層上に安定化層が形成されたテープ状の酸化物超電導線材本体を銅の保護膜で被覆して酸化物超電導線材を製造する酸化物超電導線材の製造方法に関する。
酸化物超電導体は、その臨界温度(Tc)が液体窒素温度(77K)を超えることから超電導マグネット、超電導ケーブル、電力機器及びデバイス等への応用が期待されており、多くの研究結果が報告されている。酸化物超電導体を上記の分野に適用するためには、臨界電流密度(Jc)が高く、かつ高い臨界電流(Icで示し、Jcとともに超電導特性を意味する)を有する長尺の線材を製造する必要がある。一方、長尺の線材を得るためには、強度及び可撓性の観点から金属テープ上に酸化物超電導体を形成する必要がある。また、NbSnやNbAl等の金属系超電導体と同等に実用レベルで使用可能とするためには、Icが500A/cm(77K、自己磁界中)程度の値が必要である。
これら条件を満たす酸化物超電導体を備える線材として、REBaCu系(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd及びHoから選択された1種以上の元素を示し、y≦2及びz=6.2〜7であり、以下、「RE系」とも称する)の酸化物超電導線材が知られている。
この酸化物超電導線材(以下、「超電導線材」とも称する)では、超電導体の結晶が2軸配向しているため、周知のビスマス系の銀シース線材に比べて臨界電流(Ic)が高く、液体窒素温度での磁場特性に優れている。これにより、RE系超電導線材は、現在、液体ヘリウム温度近傍の低温で使用されている超電導機器に適用して、高温状態で使用できる利点を有する。
RE系超電導線材は、基板上に、中間層、超電導層を順に成膜し、更にこの超電導層上に、導電性の高い銀を用いて安定化層を形成する。この構成において、より高い超電導特性(臨界電流)Icを確保するためには、安定化層の膜厚を一層、厚くすることが考えられるが、安定化層の材料として主に使用される銀は高価であるため、銀の安定化層の膜厚を厚くすると高コストになるという問題がある。よって、超電導線材において、銀安定化層のコストの低廉化を図るため、銀安定化層まで積層した基板(以下、テープ状の「線材本体」という)に、銀よりもコストの安い銅を用いた銅メッキで層を形成して、超電導導体層上の導電層を厚膜化することにより、安定化層の低コスト化を図ることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、超電導層を有する線材本体を、容器にメッキ浴として収容された硫酸銅水溶液中に浸漬する。線材本体の表面は、外部電源に接続され、電流が該表面を通って溶液内に通過し、銅Cuを形成する金属イオンの電子(e−)との反応を引き起こす。これにより、線材本体の表面(銀安定化層)は、溶液内で陰極として機能し、金属イオンであるCu2+はCu金属原子に還元され、線材本体の表面(銀安定化層)上に堆積される。これにより線材本体に銅保護層を形成している。一方、銅を含む陽極は、溶液内に置かれ、そこで酸化反応が起こり、銅イオンが、陰極で還元され、かつ堆積されるために溶液中に入り込む。
特開2007−80780号公報
このように銅層を備える超電導線材の従来の製造方法において、超電導線材となるテープ状の線材本体に銅メッキ層による銅保護層を成膜して形成する際に、銅メッキ層を成膜することで、溶液中に銅イオンが不足すると、メッキ浴を収容する容器内に、リン酸銅等の補充材を投入して、これを溶解することで補うことが考えられるが、この場合、銅がイオン化する際に、完全に溶解せずにCu粉末(例えば、リン酸銅Cu(PO等)が発生し、溶液に浮遊する虞がある。
このように銅メッキ層を形成する際に、溶液中にCu粉末が浮遊すると、容器から導出される線材本体に付着してしまい、平滑な超電導線材を得ることが出来ないという問題があった。特に、Cu粉末が付着した超電導線材に電極を接続させると、接触抵抗値の上昇を招くという虞がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、超電導層を銅保護層で平滑に好適に被覆して低コスト化を図りつつ、超電導特性を劣化させることなく製造できる超電導線材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法の一つの態様は、テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、JIS規格のメッシュ番号16以上の番号で規定される目開きを有するフィルタと、が設けられ、前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタを通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成するようにした。
本発明の酸化物超電導線材の製造方法の一つの態様は、テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、前記銅イオンを通過させ、且つ、前記水溶液中で析出する固体を通過させない目開きを有するフィルタと、が設けられ、前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタを通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成するようにした。
本発明によれば、超電導層を銅保護層で平滑に好適に被覆して低コスト化を図りつつ、超電導特性を劣化させることなく超電導線材を製造できる。
本発明に係る一実施の形態の酸化物超電導線材の製造方法で製造される酸化物超電導線材のテープの軸方向に垂直な断面を示す概略図 本発明の一実施の形態に係る超電導線材の製造方法の説明に供するフローチャート 銅保護層を形成する銅保護層形成装置の要部構成を模式的に示す図 銅保護層を形成する銅保護層形成工程を模式的に示す図 銅保護層を形成する銅保護層形成工程の変形例を模式的に示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本実施の形態の酸化物超電導線材の製造方法で製造される酸化物超電導線材の一例について説明する。
<酸化物超電導線材>
図1は、本発明に係る一実施の形態の酸化物超電導線材の製造方法で製造される酸化物超電導線材のテープの軸方向に垂直な断面を示す概略図である。
酸化物超電導線材(以下、「超電導線材」という)10は、例えば、テープ状の金属基板11上に、中間層12、酸化物超電導層(以下、「超電導層」と称する)13、銀安定化層14を順に積層して形成した線材本体16の周囲を、銅保護層15で被覆することで形成されている。これにより、超電導線材10は、テープ状をなしており、可撓性を有する。なお、線材本体16は、超電導層13及び銀安定化層14が形成された基板11であって、銅保護層15を形成する際の水溶液中における基板に対応する。
金属基板11は、強度及び耐熱性に優れた、Cu、Ni、Ti、Mo、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Ag等の金属又はこれらの合金を用いることができる。例えば、金属基板11として、Ni又はNiに、W、Mo、Cr、Fe、Co、V及びMnから選択された一種類以上の添加元素を含むNi基合金が用いられる。また、金属基板11を、強圧延加工後の金属基板とすると、Ni基合金とステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)、インコネル(登録商標)、ニクロムから選択されたいずれか1種の耐熱金属を積層させた複合基板を用いることもできる。具体的には、金属基板11は、Ni−Cr系(具体的には、Ni−Cr−Fe−Mo系のハステロイ(登録商標)B、C、X等)、W−Mo系、Fe−Cr系(例えば、オーステナイト系ステンレス)、又は、Fe−Ni系(例えば、非磁性の組成系のもの)等の材料に代表される低磁性の結晶粒無配向・耐熱高強度金属基板にすることが望ましい。金属基板11の厚さは、例えば、0.1mm以下である。
中間層12は、例えば金属基板11からの元素の拡散が超電導層13に及ぶのを防止するための第1の中間層(拡散防止層)と、超電導層13の結晶を一定の方向に配向させるための第2の中間層(配向層)など、複数の中間層を有する。中間層12は、1層以上の何層で構成されてもよい。例えば、中間層12は、金属基板11上に、酸化アルミニウム(Al)層、ガリウムドープ酸化亜鉛層(GdZr:GZO)、或いはイットリウム安定化ジルコニア(YSZ)等による第1層、Y又はLaMnO等の層である第2層、酸化マグネシウム(MgO)等から成る第3層、酸化ランタンマンガン(LaMnO)等の層である第4層、酸化セリウム(CeO)層である第5層を、順に積層することで構成される。第1層及び第2層は、スパッタリング法で成膜される。また、MgO層(第3層)をイオンビームアシスト蒸着法(IBAD:Ion Beam Assisted Deposition)により成膜し、その上のLaMnO層(第4層)を、スパッタリング法により成膜し、更に、その上のCeO層(第5層)を、スパッタリング法(PLD法でもよい)により成膜してもよい。なお、中間層12を構成する各層(1〜5層)の厚みは、例えば、約1000nmである。
超電導層13は、例えばREBaCu系超電導体(REは、Y、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbから選択される1又は2種以上の希土類元素であり、y≦2及びz=6.2〜7)等の酸化物超電導体で構成される。このRE系超電導体としては、YBaCuで表されるイットリウム系超電導体が代表的である。超電導層13の成膜には、有機金属体積法(MOD:Metal-organic deposition)、パルスレーザー蒸着法(PLD:Pulsed Laser Deposition)、スパッタ法、又は有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を適用できる。
超電導層13は、ここでは、MOD法を用いて形成される。MOD法は、有機金属化合物を原料として、アモルファス状の活性な前駆体を基板表面に形成し、これを熱処理し結晶化することにより超電導層を成膜するものである。このMOD法は、非真空中でも長尺の基材に連続的に酸化物超電導層を形成できるので、PLD法やCVD法等の気相法よりも、プロセスが簡単で低コスト化が可能である。
なお、超電導層13には、Zr、Sn、Ce、Ti、Hf、Nbのうち少なくとも1つを含む50nm以下の酸化物粒子が磁束ピンニング点として分散していることが好ましい。この場合、超電導層13の成膜法としては、三フッ化酢酸塩(TFA)を用いたTFA−MOD法が好適である。例えば、TFAを含むバリウム(Ba)溶液中に、Baと親和性の高いジルコニウム(Zr)含有ナフテン酸塩等を混合することにより、RE系超電導体からなる超電導層13に、Zrを含む酸化物粒子(BaZrO)を磁束ピンニング点として分散させることができる。なお、超電導層13中に磁束ピンニング点を分散する手法は、公知の技術を適用することができる(例えば特開2012−059468号公報)。超電導層13中に磁束ピンニング点を分散させることにより、超電導線材10が湾曲した状態で用いられても、磁場の影響を受けにくく、安定した超電導特性が発揮される。
銀安定化層14は、超電導層13の直上に形成され、主に水分等から超電導層13を保護するとともに、超電導状態が部分的に破れて抵抗が発生(常電導転移)した場合に電流を迂回させる。銀安定化層14は、電気抵抗率が低く、熱伝導率の高い材料で構成されるのが好ましく、銀(Ag)、あるいは銀の合金で構成される。銀安定化層14の成膜には、例えばスパッタリング法を適用できる。銀安定化層14の厚みはここでは1〜30μmである。
銅保護層15は、銀安定化層14上に形成されており、銀安定化層14を形成する銀を用いるよりもコスト低廉化を図ることができる。ここでは、銅保護層15は、線材本体16の周囲を覆うように設けることで、銀安定化層14上に形成された状態になっている。銅保護層15は、後述する銅保護層形成装置20(図3参照)により、例えば、メッキ法の電気メッキ法を用いて、線材本体16に形成される。なお、線材本体16の厚み、つまり、銅保護層15を形成する際の金属基板11の底面から銀安定化層14の表面までの厚みは、50〜130μmとしている。
<本実施の形態に係る超電導線材の製造方法の概要>
図2は、本発明の一実施の形態に係る超電導線材の製造方法の説明に供するフローチャートである。
図2に示すように、超電導線材10(図1参照)の製造方法は、ステップS1では、金属基板11上に、中間層12を形成する。この中間層12は、ここでは、複数層で形成し、例えば、金属基板11上に、スパッタリング法でAl層及びLaMnOを成膜し、LaMnO層上にIBAD(Ion Beam Assisted Deposition)法によりMgO層を成膜する。次いで、MgO層上に、スパッタリング法によりLaMnO層を形成し、LaMnO層上に、スパッタリング法によりCeO層を成膜する。これら各層を順に成膜することで中間層12を形成する。
ステップS2では、テープ状の金属基板11に形成した中間層12上に、ここでは、金属基板11に中間層12を形成してなるテープ状の基材上に、MOD法により超電導層13を形成する。MOD法では、先ず、金属基板11上に中間層12を成膜してなるテープ状の基材を、超電導原料溶液(有機金属塩を有機溶媒に溶解させたもの)に浸して、引き上げること(いわゆるディップコート法)により、基材の表面、つまり中間層12の表面に超電導原料溶液を付着させて、仮焼成炉内で、仮焼成する。そして、これらの処理(ディップコートと仮焼成)を適宜繰り返すことで、超電導前駆体を形成する。次いで、本焼成炉内で、基材上の超電導前駆体に対して本焼成を行うことにより、酸化物超電導層(超電導層13)を形成する。なお、これらディップコート、仮焼成、本焼成等の各処理は、各処理を施す機器(例えば、超電導原料溶液を貯留した容器、仮焼成炉、本焼成炉)内を、送り出しリールから巻き取りリールに送られる基材を通過させることで行うことが望ましい。
ステップS3では、超電導層13上にスパッタリング法により銀安定化層14を形成する。これにより、金属基板11上に、中間層12、超電導層13及び銀安定化層14を順に積層されて構成されるテープ状の線材本体(超電導層13及び銀安定化層14が形成された基板)16(図1参照)が形成される。
そして、ステップS4では、線材本体16における銀安定化層14上に銅保護層15を形成する。これにより、超電導線材10が製造される。
本実施の形態における銅保護層形成工程は、銅保護層形成装置20(図3参照)を用いて行う。
具体的には、銅保護層15(図1参照)の形成は、ステップS3を経て、線材本体16を形成した後、ステップS4において、線材本体16(詳細には銀安定化層14)に対して行われる。ここでは、銀安定化層14上に銅保護層を成膜することによって、銀安定化層14上に銅保護層15を形成、詳細には、線材本体16(図1参照)の周囲に銅保護層15を形成する。
銅保護層形成工程(図2のステップS4の工程に相当)では、銅保護層形成装置20は酸化物超電導線材製造システムの一部を構成し、酸化物超電導線材製造システムでは、線材本体16を水洗洗浄した後、後述する銅保護層形成装置20で、線材本体16の銀安定化層14上に銅を成膜して銅保護層15を形成する。その後、再び、銅保護層15が形成された線材本体16を水洗い洗浄した後、乾燥することにより酸化物超電導線材として仕上げる。
線材本体16は、供給リール31(図3参照)に巻回されており、この供給リール31から銅保護層形成装置20に供給され、銅保護層形成装置20(図3参照)で銅保護層15を形成した後、酸化物超電導線材10(図1参照)として巻き取りリール32(図3参照)で巻き取られる。
銅保護層形成装置20を有する酸化物超電導線材製造システムでは、銅保護層形成前の線材本体16の洗浄、線材本体16への銅保護層の形成、銅保護層形成後の洗浄及び乾燥は、供給リール31から供給される線材本体16を巻き取りリール32により巻き取ることで各処理を行う装置内を搬送させて行う所謂リールトゥリール方式で行われる。
なお、銅保護層形成前の水洗は、供給リール31から送り出される線材本体16を、洗浄水(イオン交換水)を貯留する水洗槽内に導入して通過させる。これにより、線材本体16は洗浄されて、銀安定化層14の表面に付着した異物は洗い流される。
また、線材本体16に銅保護層15を形成した後の洗浄も、銅保護層形成前の洗浄と同様に、洗浄水(イオン交換水)を貯留する水洗槽内に、銅保護層15が形成された線材本体16を導入して通過させて、銅保護層15の外面を洗浄し、外面に付着した異物を洗い流す。この水洗槽から搬送される銅保護層付きの線材本体16にエアを吹き付けることで乾かすことにより、線材本体16、具体的には銅保護層15に付着した水分を落として除去して乾燥する。このときのエアは、ドライエア、クリーンドライエアのいずれかであることが望ましい。また、銅保護層付きの線材本体16をヒータで加熱して乾燥するようにしてもよい。具体的には、内部にヒータを配置した乾燥室内に、銅保護層15が形成された線材本体16を通過させることにより乾燥する。
図3は、銅保護層を形成する銅保護層形成装置の要部構成を模式的に示す図である。
銅保護層形成装置20は、銅保護層形成前に洗浄された線材本体16に対して銅を付着させる、つまり、銀安定化層14上に銅を成膜することにより銅保護層15を形成する。
銅保護層形成装置20は、メッキ法の電気メッキ法を用いて銀安定化層14に銅を成膜することで銅保護層15を形成する。銅保護層形成装置20は、銅保護層形成用のメッキ浴としてのメッキ水溶液(以下、「水溶液」という)21を貯留するメッキ槽22と、メッキ槽22内に浸漬する線材本体16の張力を調整する張力調整部24と、銅イオン補充部26と、電極27と、を有する。
このメッキ槽22では、巻き取りリール32が回転して線材本体16を巻き取る動作により、上流側の水洗槽(図示省略)から搬送される線材本体16を、一側面から搬入し、銅層形成用の水溶液21中に浸漬して他側面から搬出する。たつまり、水溶液21中をメッキ沿う銅層形成用の水溶液21は、例えば、硫酸銅及び硫酸を含む硫酸銅溶液である。なお、この水溶液21には、光沢剤などの従来から公知の添加剤が適宜添加されていてもよい。
メッキ槽22内には、線材本体16とともに、電極27としての銅アノードが浸されており、これらには外部電源から電流を供給可能となっている。線材本体16は、メッキ槽22内の水溶液(硫酸銅溶液)21中において、カソードとして機能する。ここでは、線材本体16の銀安定化層14と電極27とが外部電源に接続される。
このように、銅保護層形成装置20では、水溶液21が貯留されたメッキ槽22内において、水洗い洗浄を行う水洗部から導入される線材本体16をカソードとして、銅アノードである電極27とともに、水溶液21に浸し、外部直流電源から直流を印加する。すなわち、水溶液中に陰極として浸漬した銀安定化層14と、正極として浸漬した電極(銅カソード)27との間に、電極27の方が銀安定化層14よりも電位が高くなるように外部電源から電圧を印加して電気メッキを行う。
これにより、カソード反応して線材本体16の表面に銅保護層15が成膜される。なお、メッキ槽22中の水溶液21は、メッキ槽22の周囲(例えば、前後)に設けられた液受け23の中にオーバーフロー(フロー部分21a参照)する。オーバーフローすることで液受け23に回収される水溶液21は、液受け23に接続されたポンプ29により、再びメッキ槽22内の水溶液21中に戻される。
張力調整部24は、銅保護層15が形成されるとき、つまり、供給リール31と巻き取りリール32との間で張架した状態で水溶液21中に浸漬している線材本体16の張力を調整する。ここでは、張力調整部24は、メッキ槽22前でテープ状の線材本体16を押さえて、巻き取りリール32で巻き取られることでメッキ槽22に搬送される線材本体16の移動を規制する。これにより、供給リール31と巻き取りリール32との間で張架される(張力がかかった状態で架け渡される)線材本体16が、メッキ槽22内を移動する際の張られた状態を調整する。
例えば、張力調整部24は、メッキ槽22の上流側に配置され、且つ、線材本体16を挟むローラ対241(ローラ241a、241b)を有し、このローラ対241の一方のローラ241aの回転方向に負荷をかけることで、ローラ対241を経由してメッキ槽22に送出される線材本体16の移動速度を規制する。ローラ対241の一方のローラ241aをモータ(図示省略)により回転可能に構成し、このモータに、モータの回転を制御する駆動部244を介して、搬送方向への線材本体16の移動を規制するよう、電流を供給する。これにより、メッキ槽22内における線材本体16は、張力調整部24により一端部側で固定され、他端部側で搬送方向に引っ張られた状態、つまり、両端で矢印T1方向、T2方向に引っ張られた状態となり、引っ張り荷重が付与され張力が発生する。線材本体16の他端部側は、巻き取りリール32により一定の力で搬送方向に引かれた状態であるので、張力調整部24における線材本体16の搬送方向へ移動を調整することで、メッキ槽22内の線材本体16の張力を調整できる。
銅イオン補充部26は、メッキ槽22において、電気メッキ処理により線材本体16の銀安定化層14上に銅保護層15が形成される際に、水溶液中21中で不足する銅イオン(例えば、Cuイオン)を補充するものである。
銅イオン補充部26は、主に、電極27としての銅アノードの溶解により銅イオンが供給されなくなる場合に、メッキ槽22内に浸漬される。銅イオン補充部26では、メッキ槽22内で銅イオンを発生し、発生する銅イオンを、フィルタを介して、線材本体16上で還元させて金属銅を析出させて銅保護層を成膜する。
図4は、銅保護層を形成する銅保護層形成工程を模式的に示す図である。
銅イオン補充部26は、メッキ槽22内の水溶液21中に浸漬することで溶解して銅イオンを発生する銅塩262と、銅化合物から発生する銅イオンを通過させるフィルタ部(ここでは袋)264とを有する。
銅塩262は、ここでは、球状のリン酸銅(II)(Cu(PO)としたが、これに限らない。
フィルタ部264は、メッキ槽22内の水溶液21中において、銅塩262と、線材本体16との間に配置される。フィルタ部264は、銅イオン(具体的には、Cuでありイオン半径0.060〜0.091、Cu2+でありイオン半径0.071〜0.087)を通過させ、且つ、銅イオンより径の大きく水溶液21中で発生するCu粉末(水溶液21中で析出する固体であり、例えば、金属銅、リン酸銅Cu(PO等の銅化合物)を通さないように目開きを有する。フィルタ部264は、ここでは、銅イオンの最大径以下の大きさの複数の目開きを有するメッシュ状の生地により構成され、且つ、球状の銅塩262を包む袋である。この袋は、例えば、JIS規格のメッシュ番号で16メッシュ以上の目開きを有する。これにより、袋であるフィルタ部264の目開きは、Cu粉末(例えば、金属銅、リン酸銅Cu(PO等の銅化合物)を通さずに、銅イオン(最大径0.120〜0.182nm)を通す。すなわち、フィルタ部264の目開きは、Cu粉末を通さない大きさであればよい。
また、フィルタ部264は、耐酸性を有する金網や、布等の材料によって構成される。図4では、フィルタ部264を複数の目開きを有する袋としたが、袋の一部にフィルタ機能を設けた構成としてもよい。また、内部に銅塩262を収容する中空の箱状に形成されてもよく、その形状はどのような形状であってもよい。
このような銅イオン補充部26をメッキ槽21内の水溶液21中に浸漬させて、線材本体16の銀安定化層14と電極27とに直流を印加し、銀安定化層14の表面で、反応Cu+e→Cuが起こるようにする。すると、銀安定化層14は、水溶液21内で陰極として機能し、金属イオンがCu金属原子に還元されて、銀安定化層14上、つまり、線材本体16に堆積される結果となる。一方、銅を含む陽極は、溶液内に置かれ、そこで酸化反応が起こり、銅イオンが、陰極で還元され、かつ堆積されるために溶液中に入り込むこととなる。
このように、基板11上に中間層12,超電導層13、銀安定化層14を順に積層してなる線材本体16を、メッキ槽22内の水溶液21に浸漬して、直流を印加すると、Cuがイオン化する際に固体が析出、具体的には、Cu粉末が発生する。発生したCu粉末は、フィルタ部(袋)264内に収容され、フィルタ部(袋)264の外部に出ることがなく、メッキ槽21内の水溶液21中に浮遊することを防ぐことができる。
これにより、水溶液21中に浸漬する線材本体16に、Cu粉末が付着することが無く、線材本体16に効果的に銅保護層15を形成できる。
よって、一な厚みの銅保護層15を好適に形成することができる。また、線材本体16を銅保護層15で被覆することで超電導線材10を形成する。これにより、超電導特性Icの高い超電導線材を製造する際に必要な所定厚(例えば数10μmの膜厚)の安定化層を、全て銀ではなく、一部を銀に代えて銅で形成することになり、材料コストの低廉化が図られた導電性の高い安定化層を形成できる。
したがって、超電導層13を銅保護層15で被覆した構成を有した酸化物超電導線材10を、超電導層13を銅保護層15で平滑に好適に被覆して低コスト化を図りつつ、超電導特性を劣化させることなく好適に製造することができる。
なお、銅イオン補充部26は、メッキ槽22内での直流印加時に発生する銅イオンを、フィルタ(実施の形態ではフィルタ部264)を介して線材本体16側に通過させて、それ以外のCu粉末は通過させない構成であればどのような形態であってもよい。
例えば、図5に示すように、銅イオン補充部26Aが、メッキ槽22内での直流印加時に銅イオンを発生する銅塩262Aと、メッキ槽22内において、銅塩262Aと、線材本体16との間に、銅イオンだけを通過させるフィルタ部264Aを仕切るように設置されてもよい。フィルタ部264Aは、銅イオンを通過させ、且つ、メッキ層22内の水溶液21中で析出するCu粉末等の固体を通過させない目開きを有する。また、図5に示すフィルタ部264Aは、銅塩262A側から線材本体16側に銅イオンを通過させるが、メッキ層22内の水溶液21中で析出するCu粉末等の固体は通過させない板状体である。これにより、線材本体16(少なくとも銀安定化層14)上で、銅イオンを還元させて金属銅を析出させて銅保護層15を成膜する。よって、上述した銅イオン補充部26と同様に、超電導層13を銀安定化層15で平滑に好適に被覆して低コスト化を図りつつ、超電導特性を劣化させることない酸化物超電導線材10を好適に製造することができる。
(実施例1)
銅保護層形成装置20を用いて、テープ状の線材本体16を、−電極に接触させつつ、メッキ槽22内の硫酸銅及び硫酸の水溶液(メッキ浴)21中に走行させて、線材本体16に銅保護層15を形成して長さ10m、幅5mm、100μm厚の酸化物超電導線材10を製造した。線材本体16がメッキ槽22を走行する速度を0.5m/分として線材本体16を、メッキ槽22内で移動させてメッキ処理(銅保護層形成)を行う。
実施例1では、銅保護層15の形成を行うことによりメッキ槽22内で不足したCuイオンを補充するために、水溶液中に、銅イオン補充部26を設けた。この銅イオン補充部26はJIS規格のメッシュ番号200の複数の開き目を有する袋(フィルタ部264)内に球状のリン酸銅(銅塩262)を収容して構成した。生成した酸化物超電導線材を、超電導ケーブルが接続される電極に接続して液体窒素中(at77K、自己磁場環境下)に浸漬し、この状態で酸化物超電導線材と筒状電極との接続抵抗値を調べた。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、銅イオン補充部26のフィルタ部264として、JIS規格のメッシュ番号100の複数の開き目を有する袋を用いて、酸化物超電導線材10を製造した。生成した酸化物超電導線材を、超電導ケーブルが接続される電極に接続して液体窒素中(at77K、自己磁場環境下)に浸漬し、この状態で酸化物超電導線材と筒状電極との接続抵抗値を調べた。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、銅イオン補充部26のフィルタ部264として、JIS規格のメッシュ番号50の複数の開き目を有する袋を用いて、酸化物超電導線材10を製造した。生成した酸化物超電導線材を、超電導ケーブルが接続される電極に接続して液体窒素中(at77K、自己磁場環境下)に浸漬し、この状態で酸化物超電導線材と筒状電極との接続抵抗値と、超電導特性(臨界電流値)Icを調べた。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、銅イオン補充部26のフィルタ部264として、JIS規格のメッシュ番号16の複数の開き目を有する袋を用いて、酸化物超電導線材10を製造した。生成した酸化物超電導線材を、超電導ケーブルが接続される電極に接続して液体窒素中(at77K、自己磁場環境下)に浸漬し、この状態で酸化物超電導線材と筒状電極との接続抵抗値を調べた。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、銅イオン補充部26の構成においてフィルタ部264を用いずに、球状のリン酸銅(銅塩262)をそのまま水溶液21中に浸漬して、酸化物超電導線材10を製造した。生成した酸化物超電導線材を、超電導ケーブルが接続される電極に接続して液体窒素中(at77K、自己磁場環境下)に浸漬し、この状態で酸化物超電導線材と筒状電極との接続抵抗値を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0006688564
実施例1〜4と比較例1を比較して、銅保護層を電気メッキ法で形成する際に、開き目を有する袋(フィルタ部264)を使用する場合と使用しない場合とで、接触抵抗値が大幅に異なり、実施例1〜5の接触抵抗値(0.1〜0.18μΩ)よりも比較例1の接触抵抗値(8μΩ)が大きかった。これは、銅保護層15を形成する際に、銅イオンを補充するリン酸銅が溶解するときにイオン化せずに生成されるCu粉末が、線材本体16(銀安定化層14或いは、成膜する銅保護層15)に付着することにより、銅保護層を安定して成膜できず、さらに、電極との接続具合が甘く、好適に接触していない、つまり、接触抵抗値が高くなることが考えられる。これにより表面が平滑な超電導線材は形成されない。これに対して、実施例1〜4の接触抵抗値は、比較例1より遙かに小さく、銅保護層を安定して成膜して、これにより平滑な超電導線材を形成できるので、更に、電極との接触具合もよい、つまり、接触抵抗値が極力0に近づくことが考えられる。また、実施例1〜4を比較すると、フィルタとして機能する開き目が小さければ小さいほど、より接触抵抗値が低くなった。これは、袋(フィルタ部264)によってCu粉末が袋の開き目を通らず線材本体15により付着しにくくなったことが考えられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
本発明に係る酸化物超電導線材の製造方法は、超電導層を銅保護層で好適に被覆して低コスト化を図りつつ、超電導特性を劣化させることなく製造できる効果を有し、送電ケーブル、変圧器、電力貯蔵装置等の電力分野で応用でき、NMR、医療要加速器等の医療分野で応用でき、更にこれらの超電導機器への接続に用いる電流リードにも適用できる。
10 超電導線材
11 金属基板(基板)
12 中間層
13 超電導層
14 銀安定化層
15 銅保護層
16 線材本体
20 銅保護層形成装置
21 水溶液
22 メッキ槽
23 液受け
24 張力調整部
26、26A 銅イオン補充部
27 電極
29 ポンプ
31 供給リール
32 巻き取りリール
241 ローラ対
244 駆動部
262、262A 銅塩
264、264A フィルタ部

Claims (5)

  1. テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、
    前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、
    前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、JIS規格のメッシュ番号16以上の番号で規定される目開きを有するフィルタ部と、
    が設けられ、
    前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタ部を通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成する、
    酸化物超電導線材の製造方法。
  2. テープ状の基板上に、中間層、超電導層、銀安定化層が順に形成された超電導線材本体を、メッキ槽が収容する銅保護層形成用の水溶液中に浸漬して、前記水溶液をメッキ浴として電気メッキ法により前記安定化層上に前記銅保護層を形成する工程を有し、
    前記メッキ槽には、前記水溶液中に銅イオンを発生する銅塩と、
    前記水溶液中において、前記超電導線材本体と前記銅塩との間に、前記銅イオンを通過させ、且つ、前記水溶液中で析出する固体を通過させない目開きを有するフィルタ部と、
    が設けられ、
    前記銅保護層を形成する工程は、前記フィルタ部を通過する前記銅イオンにより前記超電導線材本体の前記銀安定化層上に銅保護層を形成する、
    酸化物超電導線材の製造方法。
  3. 前記銅塩はリン酸銅である、
    請求項1または2記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  4. 前記フィルタ部は、前記銅塩を包む袋体である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  5. 前記フィルタ部は、前記メッキ槽内で前記超電導線材本体と前記銅塩とを仕切る板状体である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
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