JP3357032B2 - めっき処理装置およびめっき処理方法 - Google Patents

めっき処理装置およびめっき処理方法

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JP3357032B2
JP3357032B2 JP2000312965A JP2000312965A JP3357032B2 JP 3357032 B2 JP3357032 B2 JP 3357032B2 JP 2000312965 A JP2000312965 A JP 2000312965A JP 2000312965 A JP2000312965 A JP 2000312965A JP 3357032 B2 JP3357032 B2 JP 3357032B2
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tank
anode
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conductive roller
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作二 長谷
徹治 早川
真澄 熊代
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    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/16Apparatus for electrolytic coating of small objects in bulk
    • C25D17/28Apparatus for electrolytic coating of small objects in bulk with means for moving the objects individually through the apparatus during treatment

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、被処理物を効率良
くめっき処理することができるめっき処理装置およびめ
っき処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性のある塊状の被処理物、例
えば板状の金属片、磁石片などをめっき処理するには、
それらの多数を横断面形状が多角形、例えば6角形で、
多数のめっき液流通孔が開設されたバレルに収容し、こ
のバレルをめっき液が収容されためっき槽に浸漬し、バ
レルを回転させながら、めっき槽に設けられた陽極とバ
レル内に設けられた陰極とにめっき電流を給電すること
によってめっき処理が行われる。また、前記バレル内に
は、通常、多数の被処理物にめっき電流が円滑に流れる
ように、陰極に電気的に接続されたメディア(鉄球)が
投入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
めっき処理方法では、被処理物が重なり合ってバレル内
に収容されるため、めっき効率が非常に悪いという問題
がある。また、メディアが用いられる場合、バレル内に
投入されたメディアにも不可避的にめっきが行われるた
め、めっき効率をより低下させる。さらに、バレル内で
はバレルの回転によって被処理物同士がぶつかり合っ
て、角部が損傷するという問題がある。
【0004】本発明はかかる問題に鑑みなされたもので
あり、めっき効率に優れ、また個々の被処理物に損傷が
生じないめっき処理装置およびめっき処理方法を提供す
ることを目的とする。この目的は以下に記載した発明に
よって達成される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1−1態様
よれば、被処理物をめっき処理するめっき処理装置であ
って、陽極を備えためっき槽と;前記めっき槽内に設け
られ、陰極を構成し、被処理物を搬送する複数の導電性
ローラと;前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を
供給するめっき電流供給部と;前記導電性ローラを正逆
転させるローラ正逆転駆動手段とを備えためっき処理装
置が提供される。また、本発明の第1−2態様によれ
ば、被処理物をめっき処理するめっき処理装置であっ
て、陽極を備えためっき槽と;前記めっき槽内に設けら
れ、陰極を構成し、被処理物を搬送する複数の導電性ロ
ーラと;前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供
給するめっき電流供給部と;前記導電性ローラによって
形成された被処理物の載置領域の両側端部に前記めっき
電流供給部の陰極側に電気的に接続された仮めっき部材
とを備えためっき処理装置が提供される。 また、本発明
の第1−3態様によれば、被処理物をめっき処理するめ
っき処理装置であって、陽極を備えためっき槽と;前記
めっき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を搬送
する複数の導電性ローラと;前記陽極と前記導電性ロー
ラにめっき電流を供給するめっき電流供給部とを備え、
前記めっき槽は、被処理物を槽内の導電性ローラに搬入
する搬入口が形成された搬入側壁部とめっき処理後の被
処理物を前記導電性ローラから槽外へ搬出する搬出口が
形成された搬出側壁部を有し、前記搬入側壁部および前
記搬出側壁部の各々には前記搬入口および前記搬出口を
通して被処理物が通過可能であるとともに槽内のめっき
液が流出するのを抑制する流出抑制手段が付設され
記流出抑制手段は、導電性ローラの搬送面を中心として
上下一対の液切りローラが外周面同士が当接するように
回転自在に設けられ、前記液切りローラの外周部はロー
ラ同士の当接部を被処理物が通過する際に被処理物の断
面形状に沿って弾性変形が可能な可撓材によって形成さ
れているめっき処理装置が提供される。 また、本発明の
第1−4態様によれば、被処理物をめっき処理するめっ
き処理装置であって、陽極を備えためっき槽と;前記め
っき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を搬送す
る複数の導電性ローラと;前記陽極と前記導電性ローラ
にめっき電流を供給するめっき電流供給部とを備え、前
記導電性ローラの軸方向に隣接して載置された被処理物
同士の接触を防止する搬送ガイドが設けられためっき処
理装置が提供される。 この第1−1から第1−4態様
めっき処理装置によると、被処理物を複数の導電性ロー
ラの上に個々に載置して搬送しながらめっき処理するこ
とができるので、被処理物同士が干渉したり、ぶつかり
合うことがなく、よって被処理物に損傷が生じることな
く、効率よくめっき処理することができる。
【0006】前記第1−3態様におけるめっき処理装置
の必須の構成として、あるいは前記第1−1,1−2,
1−4態様のめっき処理装置における好適な実施形態と
して、前記めっき槽は、被処理物を槽内の導電性ローラ
に搬入する搬入口が形成された搬入側壁部とめっき処理
後の被処理物を前記導電性ローラから槽外へ搬出する搬
出口が形成された搬出側壁部を有し、前記搬入側壁部お
よび前記搬出側壁部の各々に前記搬入口および前記搬出
口を通して被処理物が通過可能であるとともに槽内のめ
っき液が流出するのを抑制する流出抑制手段を付設する
ことができる。前記第1−3態様のめっき処理装置で
は、前記流出抑制手段として前記液切りローラが必須の
構成として設けられる。前記めっき槽の搬入側壁部に搬
入口を、搬出側壁部に搬出口を設けることにより、前記
搬入口および前記搬出口を通して被処理物をめっき槽内
に搬入し、めっき処理済みの被処理物を槽外へ搬出する
ことができるため、被処理物のめっき槽への搬入、搬出
を円滑に行うことができ、生産性が向上する。しかも、
前記流出抑制手段を設けているため、被処理物の搬入、
搬出の際に搬入口、搬出口から多量のめっき液の流出を
抑制、防止することができるので、めっき槽内のめっき
液を有効に利用することができ、めっき液の流出による
不めっきを防止することができる。
【0007】また、前記第1−1態様におけるめっき処
理装置では、必須の構成として、前記導電性ローラを正
逆転させるローラ正逆転駆動手段をさらに備える。前記
ローラ正逆転駆動手段を設けることによって、導電性ロ
ーラを正転、逆転方向に回転駆動することができる。こ
れによって、被処理物が導電性ローラによって陽極から
遮蔽される領域を導電性ローラの正逆転により所望時間
往復移動させることができ、所望の膜厚を有するめっき
皮膜を被処理物に均一に形成することができる。また、
被処理物を往復移動させながらめっき処理を行うことが
できるので、めっき槽をコンパクトにすることができ
る。
【0008】また、前記第1−1から第1−4態様のめ
っき処理装置において、好適な実施形態として、前記陽
極を導電性ローラの下方に配置された下部陽極と、上方
に配置された上部陽極とで構成することができる。前記
上部陽極と前記下部陽極を設けることにより、めっき槽
中で導電性ローラに載置された被処理物に対して上下方
向からめっきすることができ、被処理物の上下面にめっ
き皮膜を速やかに形成することができる。被処理物が例
えば、扁平状、板状のものでは特に効果的である。
【0009】また、前記第1−2態様におけるめっき処
理装置の必須の構成として、あるいは前記第1−1,1
−3,1−4態様のめっき処理装置における好適な実施
形態として、前記導電性ローラによって形成された被処
理物の載置領域の両側端部に前記めっき電流供給部の陰
極側に電気的に接続された仮めっき部材を設けることが
できる。前記仮めっき部材を設けることにより、前記載
置領域の側端部側に載置された被処理物の角部にめっき
電流が集中するのを抑制することができ、前記被処理物
の角部に生じやすいめっき皮膜の局部的な厚膜化を防止
することができる。このため、被処理物の載置位置に起
因するめっき皮膜の不均一化を防止することができる。
【0010】本発明の第2態様によれば、被処理物をめ
っき処理するめっき処理装置であって、陽極を備えため
っき槽と;陰極を構成し、被処理物を載置する複数の導
電性ローラと、前記導電性ローラを正逆転させるローラ
正逆転駆動手段とを有する被処理物収容ユニットと;前
記めっき槽に対して前記被処理物収容ユニットを着脱自
在に搬送する搬送手段と;前記陽極と前記導電性ローラ
にめっき電流を供給するめっき電流供給部とを備えるめ
っき処理装置が提供される。この第2めっき処理装置に
よると、被処理物を導電性ローラに載置してめっき処理
を行うので、被処理物に損傷を生じさせることなく、効
率よくめっき処理することができる。また、導電性ロー
ラを有する被処理物収容ユニットは搬送手段によってめ
っき槽に対して着脱自在とされているので、被処理物を
被処理物収容ユニットごとに取り扱うことができ、取り
扱い性や操作性に優れる。例えば、酸洗、水洗等のめっ
き付帯処理を被処理物収容ユニットごとに行うことがで
きる。また、前記ローラ正逆転駆動手段が設けられてい
るので、被処理物が導電性ローラによって陽極から遮蔽
される領域を導電性ローラの正逆回転により所望時間往
復移動させることができ、所望の膜厚を有するめっき皮
膜を被処理物に均一に形成することができる。また、被
処理物を往復移動させながらめっき処理を行うことがで
きるので、被処理物収容ユニットをコンパクトにするこ
とができる。
【0011】前記第2めっき処理装置において、好適な
実施形態として、前記陽極を導電性ローラの下方に配置
された下部陽極と、上方に配置された上部陽極とで構成
し、前記被処理物収容ユニットが前記めっき槽に対して
着脱される際に前記被処理物収容ユニットと干渉しない
位置に前記上部陽極を移動させる移動手段をさらに備え
ることができる。前記上部陽極、前記下部陽極を設ける
ことにより、被処理物収容ユニットをめっき槽に装着し
たとき、導電性ローラに載置された被処理物に対して上
下方向からめっきすることができ、被処理物の上下面に
めっき皮膜を速やかに形成することができる。被処理物
が例えば、扁平状、板状のものでは特に効果的である。
また、前記移動手段を設けることにより、被処理物収容
ユニットをめっき槽に装着する際、被処理物収容ユニッ
トと上部電極との干渉を防止することができる。
【0012】また、前記第2めっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記導電性ローラによって形成
された被処理物の載置領域の周縁部に前記めっき電流供
給部の陰極側に電気的に接続された仮めっき部材を設け
ることができる。前記仮めっき部材を設けることによ
り、前記載置領域の周縁部側に載置された被処理物の角
部にめっき電流が集中するのを抑制することができ、前
記被処理物の角部に生じやすいめっき皮膜の局部的な厚
膜化を防止することができる。このため、被処理物の載
置位置に起因するめっき皮膜の不均一化を防止すること
ができる。
【0013】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記めっき電流供給部は、前記
上部陽極に供給するめっき電流を制御する上部陽極電流
制御部と、前記下部陽極に供給するめっき電流を制御す
る下部陽極電流制御部とを有するものとすることができ
る。前記上部陽極電流制御部、前記下部陽極電流制御部
を設けることにより、導電性ローラによって遮蔽される
下部陽極の電流密度を上部陽極に比して上げることがで
きる。下部陽極の電流密度を上部陽極に比して上げるこ
とで、導電性ローラの影になるためにめっきが付着し難
い被処理物の下面のめっき付着量を増大することがで
き、被処理物の上下面のめっき皮膜の均一性を容易に向
上させることができる。
【0014】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記導電性ローラは、その下面
を前記下部電極から遮蔽するローラカバーを有するもの
とすることができる。前記ローラカバーを設けることに
より、下部陽極によって導電性ローラの表面にめっき皮
膜が不可避的に形成されることを抑制することができ
る。これによって、めっき皮膜の形成に起因したローラ
表面の凹凸を抑制することができ、ローラ外周面の均一
性を維持することができる。このため、被処理物と導電
性ローラの表面との接触の不均一に起因しためっきむら
を防止することができる。また、めっき皮膜が許容量を
越えた場合に実施される、導電性ローラの交換の期間を
延長することができ、メンテナンス性を向上させること
ができる。
【0015】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記導電性ローラは、駆動部材
が付設された駆動軸部と、この駆動軸部に着脱自在に取
り付けられ、被処理物を載置する載置ローラ部とを有す
るものとすることができる。前記導電性ローラを駆動軸
部と載置ローラ部とが着脱自在に取り付けられる構成と
することにより、載置ローラ部にめっき皮膜が付着した
場合、導電性ローラの載置ローラ部のみを交換すること
で、被処理物との接触性を改善することができる。従っ
て、導電性ローラの全体を交換する必要がなくなるの
で、メンテナンス性がより一層向上する。
【0016】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記上部電極の電極材がめっき
処理によって溶解する可溶性電極材で形成され、めっき
処理の際に前記可溶性電極材の溶解に伴って生じた電極
材細粉が被処理材側へ降下を防止するネット部材が前記
上部電極の下部に設けられたものとすることができる。
前記ネット部材を設けることで、めっき処理の際に生じ
た可溶性電極材の細粉が被処理材の上面に付着すること
が防止される。このため、前記電極材細粉が核となって
めっき皮膜が不均一に成長することがなく、被処理物の
表面に表面性状の良好な高品質のめっき皮膜を形成する
ことができる。
【0017】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、前記上部電極の電極材を不溶性
電極材によって形成することができる。この実施形態で
は、電極材がめっき処理の際に溶解せず、可溶性電極材
を用いた場合に生じる電極材細粉が生成しないため、め
っき皮膜の不均一な成長が生じず、高品質のめっき皮膜
を得ることができる。
【0018】また、前記第1−1〜第1−4態様のめっ
き処理装置および第2態様のめっき処理装置において、
好適な実施形態として、めっき槽内のめっき液を濾過し
てその中に混入した微細ごみを除去する濾過装置を設け
ることができる。この濾過装置を設けることによって、
可溶性電極材の溶解に伴って生じる電極材細粉やめっき
槽内のめっき液に混入した粉塵などの微細ごみを除去す
ることができる。このため、微細ごみが被処理物に付着
することによって生じるめっき皮膜の不均一を防止する
ことができ、高品質のめっき皮膜を得ることができる。
【0019】また、前記第1−4態様におけるめっき処
理装置の必須の構成として、あるいは前記第1−1,1
−2,1−3態様のめっき処理装置および第2態様のめ
っき処理装置における好適な実施形態として、導電性ロ
ーラの軸方向に隣接して載置された被処理物同士の接触
を防止する搬送ガイドを設けることができる。前記搬送
ガイドを設けることにより、導電性ローラの軸方向に隣
接して載置された被処理物同士の接触を確実に防止する
ことができる。このため、被処理物同士の接触部に生じ
るめっき不良を確実に防止することができ、被処理物に
高品質のめっき皮膜を形成することができる。
【0020】本発明の第3態様によれば、被処理物にめ
っきを施すめっき処理方法であって、陽極と、陰極を構
成し、被処理物を載置する複数の導電性ローラとを備え
ためっき槽を準備し、被処理物を前記めっき槽に搬入
し、搬入された被処理物を複数の導電性ローラの上に載
置し、被処理物を前記導電性ローラ上で移動させながら
めっきし、めっきされた被処理物を前記めっき槽から搬
出するめっき処理方法が提供される。このめっき処理方
法によると、被処理物に損傷を生じさせることなく、効
率よくめっき処理することができる。
【0021】前記めっき処理方法においては、前記導電
性ローラを正逆転させて被処理物を導電性ローラ上で往
復移動させながら行う。被処理物を導電性ローラ上で往
復移動させながらめっきすることにより、めっき時間を
任意に調整することができ、めっき槽における搬送方向
の長さに関係なく、所望の膜厚を有するめっき皮膜を容
易に形成することができる。
【0022】本発明の第4態様によれば、被処理物にめ
っきを施すめっき処理方法であって、陽極を備えためっ
き槽と、陰極を構成し,被処理物を載置する複数の導電
性ローラを備えた被処理物収納ユニットとを準備し、被
処理物収納ユニットを前記めっき槽に装着し、前記導電
性ローラを正逆転させて被処理物を導電性ローラ上で往
復移動させながらめっきし、めっきされた被処理物を前
記被処理物収納ユニットごと前記めっき槽から搬出する
めっき処理方法が提供される。このめっき処理方法によ
ると、被処理物に損傷を生じさせることなく、まためっ
き時間を任意に調整することができ、所望の膜厚を有す
るめっき皮膜を容易に形成することができる。また、被
処理物を被処理物収納ユニット単位で処理することがで
きるため、取り扱い性や操作性に優れる。また、本発明
の他の態様によれば、前記第1−1から第1−4態様お
よび第2態様におけるめっき処理装置のいずれかを用い
て行うめっき処理方法が提供される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図を参照しながら説明する。図1は第1実施形態
にかかるめっき処理装置の全体配置図を示しており、ま
ずこのめっき処理装置の全体について簡単に説明する。
以下説明の便宜上、図1に付記した座標系に従って、搬
送キャリヤ71の移動方向をx軸方向あるいは横方向
と、搬送キャリヤ71の移動方向を含む水平面内におい
て移動方向と垂直な方向をy軸方向あるいは縦方向と呼
ぶ。
【0024】このめっき処理装置は、搬入ステーション
101、酸洗槽102、第1水洗槽103、第1超音波
水洗槽104、めっき槽1、第2水洗槽105、第2超
音波水洗槽106、第3水洗槽107、複数の熱風吹き
出し口を有する乾燥室108、搬出ステーション109
およびめっき皮膜除去槽110がx軸方向に一列に配置
されている。前記めっき槽1、酸洗槽102等は各々区
別することなく処理槽と呼ぶ場合がある。これらの上部
には搬送レール70が架設され、その上に搬送キャリヤ
71が移動自在に設けられている。前記搬送キャリヤ7
1には、被処理物が収容される被処理物収容ユニット2
1を昇降自在に吊り下げて、前記各処理槽等に被処理物
収容ユニット21を着脱する昇降アーム72が設けられ
ている。また、前記搬入ステーション101、搬出ステ
ーション109には、前記被処理物収容ユニット21を
載置する載置台が設けられている。
【0025】被処理物を収納した被処理物収容ユニット
21は、前記搬送キャリヤ71によって搬入ステーショ
ン101から吊り上げられ、酸洗槽102、第1水洗槽
103、第1超音波水洗槽104、めっき槽1、第2水
洗槽105、第2超音波水洗槽106、第3水洗槽10
7、乾燥室108に順次搬送、装着されて、各部で所定
の処理が行われた後、搬出ステーション109に搬送さ
れる。本実施形態にかかるめっき処理装置の主要部は、
前記めっき槽1と、被処理物収容ユニット21と、搬送
キャリヤ71とで構成される。なお、めっき皮膜除去槽
110の役割については後述する。また、各処理槽等に
は被処理物収容ユニット21が装着されている場合があ
るが、図1では記載省略されている。
【0026】第1実施形態にかかるめっき処理装置の主
要部を図2および図3を参照して詳細に説明する。図2
および図3は、被処理物収容ユニット21がめっき槽1
に装着された状態を示している。
【0027】前記めっき槽1は上部陽極2と下部陽極3
とが上下方向に対向して配置され、これらの間に被処理
物収容ユニット21の下部が位置している。前記下部陽
極3はめっき槽1の底部に絶縁状態で固定されている。
前記上部陽極2、下部陽極3としては、めっき液と連通
する多数の通孔が開設された電極材収容ケースと、その
中に収容される電極材とで構成される。前記電極材とし
ては、めっき処理の際に溶解する可溶性電極材と、溶解
しない不溶性電極材とがある。例えばニッケルめっきを
施す場合、前記可溶性電極材としてニッケル板や、ニッ
ケルチップを用いることができ、不溶性電極材として白
金、チタン、イリジウムなどを用いることができる。一
方、前記電極材収容ケースはチタン等の不溶性電極材で
形成される。上部陽極2として板状材などの適当な不溶
性電極材を用いる場合、電極材収容ケースは必ずしも必
要でない。
【0028】前記めっき槽1は、その上部に上部陽極2
の退避領域5が形成されている。この陽極退避領域5の
上部には、図4に示すように、上部電極2をめっき位置
と前記陽極退避領域5との間を移動させる移動手段6が
設けられている。移動手段6には案内ガイド7が設けら
れており、この案内ガイド7には陽極支持アーム8がy
軸方向に移動自在に付設されている。前記陽極支持アー
ム8の前端部には陽極取付部材9が垂下されており、そ
の下端部に上部陽極2が水平に支持されている。前記陽
極支持アーム8は、図示省略した駆動手段によってy軸
方向の前後に移動可能とされており、上部陽極2を下部
陽極3に対向しためっき位置と前記陽極退避領域5との
間を移動可能としている。前記駆動手段としては、例え
ば空圧シリンダ、油圧シリンダ、ラック・ピニオン機構
等を用いることができる。前記案内ガイド7、陽極支持
アーム8および駆動手段等は前記移動手段6を構成して
いる。
【0029】また、めっき槽1のx軸方向の左右の各上
端縁には、図2、図3に示すように前記被処理物収容ユ
ニット21を支持するためのV溝12が形成された4個
の支持金具11A,11A、11B,11B(説明の便
宜上、これらをまとめていう場合は符号11を用い
る。)がめっき槽1とは絶縁されて付設されている。こ
の支持金具11は、銅や銅合金等の良電導性金属材で形
成されており、一対の支持金具11A,11Aまたは1
1B,11Bがy軸方向に所定間隔をおいてx軸方向と
平行に配置されている。そして、一方の支持金具11
A,11Aは直流電源の陰極側に導通接続され、他方の
支持金具11B,11Bは直流電源の陽極側に導通接続
されている。
【0030】前記被処理物収容ユニット21は、図5に
示すように、方形状の上枠部22と同形の下枠部23と
が4隅に立設された柱部材24を介して連結されたフレ
ーム25を備えている。前記下枠部23は、y軸方向に
所定間隔をおいてx軸方向と平行に配置された一対の下
部横方向部材26A,26Bと、前記下部横方向部材2
6A,26Bの両端に掛け渡され、y軸方向に平行に配
置された一対の下部縦方向部材27,27とで構成さ
れ、一方、上枠部22も同様に一対の上部横方向部材2
8A,28Bと、一対の上部縦方向部材29,29とで
構成されている。また、y軸方向の前後に立設された一
対の柱部材24,24の各々には、中間縦方向部材3
1,31がy軸方向に平行に架設され、この中間縦方向
部材31,31にはy軸方向に所定の間隔をおいて一対
の支持軸32A,32Bがx軸方向と平行に架設されて
いる。また、一方(図例では右方)の中間縦方向部材3
1にはモータ設置板33が取り付けられている。前記フ
レーム25は硬質塩化ビニル等の硬質合成樹脂によって
形成され、前記支持軸32A,32Bはステンレス鋼や
黄銅等の比較的強度の高い金属材によって形成されてい
る。
【0031】図2に示すように、前方の支持軸32Aは
めっき槽1の上端部の前方に付設された一対の支持金具
11A,11AのV溝12によって、また後方の支持軸
32Bはめっき槽1の上端部の後方に付設された一対の
支持金具11B,11BのV溝12によって着脱自在に
支持される。V溝12によって支持された場合、支持金
具11A,11Aと支持軸32A、11B,11Bと3
2Bとは電気的に導通状態になる。すなわち、支持金
具、支持軸は電気的接続部の役割をも果たすものであ
る。
【0032】また、前記上枠部22の上部横方向部材2
8A,28Bには、図2に示すように、逆L形のフック
部材35が対向して取り付けられており、内側に延設さ
れた上片部36には下方に開いたV形凹部37が形成さ
れている。
【0033】前記フレーム25の下枠部23の一対の下
部横方向部材26A,26Bには、被処理物Wを載置す
るための導電性ローラ41がx軸方向に一定の間隔をお
いてy軸方向に平行に多数列設されている。前方の下部
横方向部材26Aは、図6に示すように、下部材38
と、その上に液密に接合された上部材39とで構成さ
れ、その境界部に軸穴部が列設され、導電性ローラ41
の駆動軸部42がこの軸穴部に一対の軸受43,43、
シールリング44,44を介して正逆回転自在に支持さ
れている。一方、後方の下部横方向部材26Bにも軸穴
部が列設されており、この軸穴部に導電性ローラ41の
他端部が回転自在に支持されている。
【0034】前記軸受43,43の間には、駆動軸部4
2に当接する上下一対の給電部材45,45が内装され
ている。この給電部材45,45は、図8に示すよう
に、駆動軸部42の軸径よりやや小さい半径を有する凹
部46と平坦部とが繰り返して連成され、平坦部同士が
当接するように組み合わされ、前記凹部46,46の内
側に軸穴が形成される。給電部材45は、弾力性のある
導電性金属材、例えば銅合金バネ材で形成されている。
給電部材45,45は、前記下部材38と上部材39の
境界面の中央部に長さ方向(横方向)に沿って形成され
た凹部に収納されている。前記給電部材は45,45
は、リード線(図示省略)によってめっき用直流電源の
陰極側に導通する支持軸32Aに電気的に接続されてい
る。リード線は、中間縦方向部材31、柱部材24に形
成された凹溝(図示省略)に収納され、その凹溝に充填
された絶縁性充填材(図示省略)によって固定されてい
る。
【0035】図6に示すように、前記導電性ローラ41
は、前方の下部横方向部材26Aに回転支持されるとと
もに給電部材45が当接した駆動軸部42と、この駆動
軸部42の後端にねじ連結された載置ローラ部48とで
構成されている。この駆動軸部42の前端部にはエンジ
ニアリングプラスチックで形成されたウォームホイール
47が取り付けられており、駆動軸部42の後端部には
めっき防止用の合成樹脂スリーブ53が嵌着されてい
る。一方、載置ローラ部48の後部側にはフッソ樹脂等
の低摩擦係数の合成樹脂で形成された滑りスリーブ49
が付設されており、このスリーブ49が付設された軸部
は後方の下部横方向部材26Bの軸穴部に回動可能に保
持されている。また、載置ローラ部48の後端部は、下
部横方向部材26Bの外方に出ており、この後端部にス
パナ等の工具を掛けるための平面部50が形成されてい
る。従って、この平面部50を適宜の工具で把持して載
置ローラ部48を回動することで、載置ローラ部48を
駆動軸部42から容易に取り外すことができる。また、
載置ローラ部48にめっき皮膜が付着しても、軸穴部は
滑りスリーブ49が挿通可能な大きさであるので、めっ
き皮膜が付着した載置ローラ部48を軸穴部から容易に
抜き取ることができる。
【0036】前記導電性ローラ41は、黄銅、ステンレ
ス鋼等の比較的強度の高い金属材で形成されており、そ
の駆動軸部42がめっき電源の陰極側に導通する給電部
材45と当接しているので、めっき処理において陰極と
して機能する。前記導電性ローラ41は、太すぎると被
処理物の下面において下部陽極3の影になる部分が大き
くなり、めっき効率が低下する。一方、細すぎると被処
理物によっては強度が不足し、変形しやすくなったり、
ローラ表面との摩擦力が不足し、被処理物をローラの正
逆回転に応じて左右に移動させにくくなる。このため、
被処理物に応じて適宜の外径に設定されるが、重量の小
さいものでは概ね外径2〜10mm程度にすればよい。ま
た、ローラの間隔を広く取る方がめっき効率は向上する
が、被処理物の円滑な移動を確保するには、少なくとも
3本のローラの合計間隔が被処理物の移動方向の長さと
なるように、すなわち被処理物が少なくとも2本の導電
性ローラ41によって常に載置されるように、ローラの
間隔を設定するのがよい。
【0037】前記導電性ローラ41の下方には、図6、
図7に示すように、導電性ローラ41が下部陽極3によ
ってめっきされることを抑制するローラカバー51が設
けられている。このローラカバー51は、下部横方向部
材26A、26Bの内側に付設されたカバー保持板52
のU形凹部によって載置保持されている。被処理物Wが
当接する導電性ローラ41の頂部はローラカバー51の
上端より1mm程度突出しており、またローラカバー51
の内面とローラ41とは0.5〜1mm程度の若干の隙間
が形成されている。なお、ローラカバーの形状は自由で
あり、図例のU形に限らず、例えば頂部を切り欠いて解
放した円形としてもよい。
【0038】前記導電性ローラ41を陰極とし、その上
に被処理物Wを載置してめっき処理を行うと、被処理物
Wの下面は下部陽極3との間に導電性ローラ41が存在
するためにめっき皮膜が付きにくい。このため、下部陽
極3を導電性ローラ41側に接近させたり、下部陽極3
のめっき電流密度を高くしてめっき処理を行うことが被
処理物Wの下面のめっきには有効である。しかし、この
ような手段をとると、導電性ローラ41が被処理物Wよ
りも下部陽極3に近いため、導電性ローラ41にもめっ
き皮膜が付着しやすくなる。このような問題に対して、
図7に示すように、前記ローラカバー51を設けること
により、導電性ローラ41の表面へのめっき皮膜の形成
を抑制することができる。これによって、ローラ表面の
平坦性を維持することができる。また、許容量を超える
めっき皮膜が付着した際には導電性ローラ41(載置ロ
ーラ部48)の交換が必要となるが、この交換周期を延
長することができる。
【0039】一方、右方の中間縦方向部材31に付設さ
れたモータ載置板33には、図2に示すように、モータ
55、制御ボックス56が設けられている。この中間縦
方向部材31が連結した柱部材24には、両端にベベル
ギア58、58が付設された伝導軸59が回転自在に支
持されている。一方、前方の下部横方向部材26Aに
は、図3に示すように、右端にベベルギア60が付設さ
れ、各導電性ローラ41のウォームホイール47に係合
したウォーム軸61が回転自在に支持されている。前記
伝導軸59の上部のベベルギア58とモータ55の出力
軸に連結されたベベルギア57とが係合し、一方伝導軸
59の下部のベベルギア58とウォーム軸61のベベル
ギア60とが係合している。これによって、モータ出力
軸の回転が伝導軸59、ウォーム軸61を介して各導電
性ローラ41に伝達される。なお、前記モータ55、制
御ボックス56、伝導軸59、ウォーム軸61、ウォー
ムホイール47等は本発明のローラ正逆転駆動手段に相
当するものである。
【0040】前記制御ボックス56は、モータ55を所
定の周期で正逆回転させるモータ制御回路を有してい
る。この制御回路は、陰極側の支持軸32Aと、直流電
源の陽極側に導通する支持軸32Bに接続される。これ
によって、被処理物収容ユニット21がめっき槽1に装
着されると、支持金具11B、11Bおよび支持軸32
Bを介して制御回路に給電され、モータ55の制御が行
われる。
【0041】一方、図1に示す搬送キャリヤ71は、搬
送レール70に沿って移動する本体部に対して昇降自在
とされた昇降アーム72を備えている。昇降アーム72
は、流体圧シリンダによるピストンロッドの伸縮や、ワ
イヤロープの巻き上げ・巻き戻しなどによって搬送キャ
リヤ71の本体部に対しての昇降動作を行う。昇降アー
ム72の下端部には、図2、図3に示すように、上部横
方向部材28A,28Bに設けられた一対のフック部材
35,35のV形凹部37に係合可能な吊り下げ軸7
4,74がy軸方向の前後に一対設けられている。
【0042】前記昇降アーム72は、吊り下げ軸74,
74が前記フック部材35,35の上片部36と被処理
物収容ユニット21の上枠部22の上端との間に位置す
る下限位置と、吊り下げ軸74,74が前記V形凹部3
7と係合して吊り上げた被処理物収容ユニット21がめ
っき槽1等に装着された被処理物収容ユニット21の上
端と干渉しない上限位置との間を昇降する。従って、昇
降アーム72が下限位置にあるとき、めっき槽1等に装
着された被処理物収容ユニット21に干渉することなく
移動することができ、また被処理物収容ユニット21の
装着位置にて昇降アーム72を上昇させることで、被処
理物収容ユニット21を吊り上げることができる。そし
て、昇降アーム72が上限位置に上昇後、被処理物収容
ユニット21を吊り下げた状態で、搬送キャリヤ71の
本体部を目的位置まで移動させ、そこで昇降アーム72
を下限位置まで降下させることで、被処理物収容ユニッ
ト21を目的位置に設置された所定の処理槽に装着する
ことができる。勿論、被処理物収容ユニット21を処理
槽に装着するには、その処理槽の上端部に支持軸32
A,32Bと係合し、これらを支持する支持金具を設け
ておく必要がある。なお、前記搬送キャリヤは、本発明
の搬送手段に相当するものである。
【0043】前記めっき処理装置には、装置全体を制御
する制御装置が設けられている。この制御装置は、図9
に示すように、CPU82、ROM83、RAM84お
よび制御インターフェイス85を備えた主制御部81を
有し、主制御部81にはオペレータによって操作される
操作パネル86が接続されている。オペレータはめっき
処理の手順を前記操作パネル86より主制御部81に入
力し、その手順はROM83に記憶されてCPU82か
ら制御信号が出力される。
【0044】前記主制御部81には、上部陽極電流制御
部91、下部陽極電流制御部92、搬送キャリヤ制御部
93、上部陽極2の移動制御を行う移動制御部94およ
び超音波水洗槽104,106に備えられた超音波洗浄
装置を制御する超音波洗浄制御部(図示省略)、乾燥室
108に熱風を送風する熱風送風機を制御する乾燥制御
部(図示省略)が接続され、各制御部に主制御部81か
ら制御信号が入力される。一方、前記上部陽極電流制御
部91および下部陽極電流制御部92にめっき用直流電
流を供給する直流電源90が設けられている。この直流
電源90の陽極側は、めっき槽1などの陽極接続用の支
持金具11B、11Bにも接続される。一方、直流電源
90の陰極側は、前記上部陽極電流制御部91および下
部陽極電流制御部92の陰極側に接続され、さらにめっ
き槽1などの陰極接続用の支持金具11A,11Aに接
続される。
【0045】ここで、上記第1実施形態にかかるめっき
処理装置によるめっき処理について説明する。まず、被
処理物収容ユニット21の導電性ローラ41の上に被処
理物Wを適当な間隔をおいて載置し、収容する。被処理
物Wが収容された被処理物収容ユニット21は搬入ステ
ーション101に載置される。搬送キャリヤ71は、こ
の被処理物収容ユニット21を吊り上げて、酸洗槽10
2の上方に搬送し、昇降アーム72を下降して被処理物
収容ユニット21を同槽102に装着する。所定時間経
過後、再び昇降アーム72を上昇させて、この被処理物
収容ユニット21を吊り上げ、第1水洗槽103に搬送
し、装着する。処理中は、導電性ローラ41を正逆回転
させて、被処理物Wをx軸方向に往復運動させる。同様
にして第1超音波水洗槽104にて付着汚染物(コンタ
ミネーション)を超音波洗浄後、搬送キャリヤ71は被
処理物収容ユニット21をめっき槽1に搬送し、装着す
る。
【0046】搬送キャリヤ71の昇降アーム72が、被
処理物収容ユニット21をめっき槽1に装着する際に
は、上部陽極2は退避領域5に退避している。被処理物
収容ユニット21が装着された後、陽極支持アーム8が
前進し、上部陽極2は下部陽極3と対向した位置に移動
し、めっき処理が行われる。この際、導電性ローラ41
に載置された被処理物Wは、導電性ローラ41の正逆回
転に応じてx軸方向に前後に往復運動を行う。被処理物
Wの往復移動距離は、ローラカバー51を付設した場
合、少なくともカバーの幅程度とすることが好ましい。
往復移動距離を大きく取ると、一度に導電性ローラ41
に載置することができる被処理物Wの数が少なくなるか
らである。同様にローラカバー51を外してめっき処理
を行う場合は、導電性ローラ41の直径程度とすること
が好ましい。この移動距離の制御は、本実施形態ではモ
ータ制御回路に設けられた正逆回転切り替えタイマーの
調整によって行われる。めっき処理に際しては、被処理
物Wの上面、下面におけるめっき皮膜の厚さが同程度と
なるように上部陽極2、下部陽極3の電流密度を制御す
ればよい。
【0047】所定の処理時間が経過した後、陽極支持ア
ーム8を後退させて、上部陽極2を退避領域5に後退さ
せる。そして、昇降アーム72を上昇させて被処理物収
容ユニット21を吊り上げ、第2水洗槽104、第2超
音波水洗槽105、第3水洗槽107、乾燥室108へ
と順次、被処理物収容ユニット21を搬送、装着して、
各処理槽等において所定の処理を行う。その後、被処理
物収容ユニット21は搬出ステーション109に搬送脱
荷され、被処理物収容ユニット21からめっき済みの被
処理物が取り出される。
【0048】かかるめっき処理を繰り返して実施するう
ちに、導電性ローラ41の表面にはめっき皮膜が不可避
的に付着し、成長してくる。めっき皮膜がある一定の厚
さ以上になると、ローラカバー51の内面に接触するよ
うになるほか、ローラ表面に凹凸が生じて被処理物Wへ
の導通状態が変化し、各被処理物Wに対して均一なめっ
き処理ができないようになる。従って、めっき皮膜があ
る一定の厚さになると、導電性ローラ41の載置ローラ
部48を交換する。このめっき処理装置では、導電性ロ
ーラ41に付着しためっき皮膜を溶解除去するめっき皮
膜除去槽110を備えているので、被処理物収容ユニッ
ト21ごと同槽110に浸漬して、めっき皮膜を除去し
てもよい。導電性ローラ41を分割構造にしない場合
は、特に効果的である。
【0049】本発明は上記第1実施形態のめっき処理装
置によって限定的に解釈されるものではない。例えば、
下記のようにすることができる。
【0050】上記第1実施形態では、めっき処理の際に
下部陽極3と上部陽極2とを導電性ローラ41を挟んで
その上方、下方に設けるようにしたが、陽極としてはめ
っき槽1の側壁に付設するようにしてもよく、またかか
る陽極と下部陽極3とを組み合わせて使用してもよい。
実施形態にかかる上部陽極2を無くすことにより、上部
陽極2の移動手段も不要になる。
【0051】また、上記第1実施形態では、被処理物収
容ユニット21を各処理部へ搬送する手段として搬送キ
ャリヤ71を設けたが、天井クレーン、電動ホイスト等
を適宜利用することができる。
【0052】また、上記第1実施形態では、導電性ロー
ラ41を回転駆動する手段として、歯車伝導機構を用い
たが、ウォームホイール47の代わりにスプロケットを
取り付け、各導電性ローラ41のスプロケットにチェイ
ンを巻き掛け、これをモータによって正逆方向に作動さ
せるようにしてもよい。
【0053】また、上記第1実施形態では、めっき電源
とモータ制御電源として用いられる直流電源を1個設
け、x軸方向に配置した一対の支持金具11A,11A
と11B,11Bとを各々陰極側、陽極側となるように
直流電源側に導通接続したが、モータ制御用の電源を別
個に設けてもよい。この場合、この電源の陽極側、陰極
側に各々導通する一対の導電片をめっき槽1に設け、被
処理物収容ユニット21がめっき槽1に装着されたとき
に、前記導電片に当接する一対の受電片を被処理物収容
ユニット21に設けるようにすることができる。この場
合、モータ制御用電源としては、交流電源を用いること
もできる。
【0054】また、上記第1実施形態において、酸洗
槽、水洗槽等の処理槽、搬送キャリヤの数は適宜設定す
ることができる。例えば、めっき槽については、粗めっ
き(半光沢めっき)と仕上げめっき(光沢めっき)とを
行うように複数槽としてよい。また、上記めっき処理装
置においては、各処理槽等に対して被処理物収容ユニッ
ト21単位で処理するようにしたが、めっき処理の前工
程(酸洗、水洗)、後工程(水洗、乾燥)を各々別の処
理装置で処理するようにしてもよい。
【0055】次に、本発明の第2実施形態にかかるめっ
き処理装置について説明する。図10は第2実施形態に
かかるめっき処理装置の全体配置図を示している。第1
実施形態と同様、説明の便宜上、図10に付記した座標
系に従って、被処理物Wの搬送方向をx軸方向あるいは
横方向と、搬送方向を含む水平面内において搬送方向と
垂直な方向をy軸方向あるいは縦方向と呼ぶ。
【0056】このめっき処理装置は、めっき処理装置の
主要部を構成するめっき槽201、複数のシャワーノズ
ルを備えた水洗室291、複数のエアノズルを備えたエ
アブロー室292、複数の熱風吹き出し口を有する乾燥
室293、処理済みの被処理物Wを収納する収容ボック
ス294がx軸方向に沿って一列に配置されている。な
お、説明の便宜上、水洗室291、エアブロー室29
2、乾燥室293は各々区別せずに処理室と呼ぶことが
ある。
【0057】前記めっき処理装置は、図11に示すよう
に、めっき液を貯留する前記めっき槽201を備えてい
る。前記めっき槽201には、被処理物Wを搬送する多
数の導電性ローラ41が設けられている。この導電性ロ
ーラ41は、軸方向がy軸方向とされ、x軸方向に所定
の間隔をおいて並設されており、めっき槽201に貯留
されためっき液中に浸漬されている。また、これらの導
電性ローラ41は、図6に示すものと同様に、y軸方向
に所定の間隔をおいてx軸方向に平行に配置された一対
の横方向部材(図5の26A、26Bに相当)よって正
逆回転駆動自在に支持され、前方の横方向部材(図6の
26Aに相当)の内部に設けられた給電部材(図6の4
5,45に相当)によってめっき電源の陰極側に電気的
に接続されている。前記横方向部材は、その両端部およ
び中間部において、縦方向部材(図5の27に相当)が
連結されている。これらの縦方向部材は、導電性ローラ
41によって搬送される被処理物と干渉しないように、
それらの上端が導電性ローラ41の載置面(搬送面)よ
り下方になるように設けられる。前記導電性ローラ41
は、めっき槽201外に設けられた導電性ローラ駆動用
モータ(図示省略)から適宜の伝導機構を介して駆動さ
れる。なお、前記導電ローラ41は、第1実施形態にお
けるものと同様の構成を有するので同符号が付されてい
る。
【0058】また、めっき槽201には、前記導電性ロ
ーラ41の上方および下方に上部陽極202および下部
陽極203がめっき槽201に対して取り付け、取り外
し可能に付設されている。前記上部陽極202、下部陽
極203についても、第1実施形態のものと同様の構成
を有する。
【0059】前記めっき槽201の搬送方向の上流側に
ある搬入側壁部211には、扁平状の被処理物Wが通過
可能な高さを有し、導電性ローラ41とほぼ同幅の搬入
口212が開設されている。一方、めっき槽201の搬
送方向の下流側にある搬出側壁部213にも同形状の搬
出口214が開設されている。また、前記搬入側壁部2
11および搬出側壁部213には、導電性ローラ41に
よって搬送される被処理物Wが前記搬入口212および
搬出口214を通過する際、めっき槽201内のめっき
液が搬入口212および搬出口214から流出するのを
抑制防止する流出抑制装置221、222が付設されて
いる。
【0060】前記流出抑制装置221、222は、図1
1〜13に示すように、導電性ローラ41の搬送面を中
心として上下一対の液切りローラ224、225がその
外周面同士が当接するように平行に配置され、硬質合成
樹脂板で形成された枠体226の側壁部227,227
に回転自在に支持されている。下側の液切りローラ22
5のローラ軸231には、一端に液切りローラ駆動用モ
ータ(図示省略)に連動連結された第1歯車232が付
設され、他端に第2歯車233が付設されている。上側
の液切りローラ224のローラ軸231の一端には、前
記第2歯車233と歯数、ピッチ円の等しい従動歯車2
34が付設されており、この歯車234と前記第2歯車
233とは互いにかみ合っている。このため下側の液切
りローラ225が被処理物Wを下流側に搬送する方向
(搬送方向)に回転すると、その回転に従って上側の液
切りローラ224も搬送方向に同速度で回転するように
なる。前記液切りローラ224、225のローラ軸23
1の外周部には、ローラ同士の当接部において被処理物
Wの断面形状に沿って弾性変形が可能な可撓材、例えば
発泡ウレタンゴムや発泡シリコンゴム等の発泡性合成樹
脂によって形成された可撓層236が形成されている。
【0061】一方、前記枠体226の上壁部228およ
び下壁部229には、前記液切りローラ224,225
の外周部と当接して液漏れを防止するシール部材23
8,239が付設されている。前記液切りローラ22
4,225が当接する前記シール部材238,239の
内面や前記側壁部227内面には、フッソ樹脂等の低摩
擦係数の樹脂シート(図示省略)が張り付けられてお
り、これによって当接部における摩擦抵抗が低下し、ま
た摩耗が防止される。
【0062】また、前記めっき槽201には、図11に
示すように、被処理物Wが前記流出抑制装置221、2
22を通過する際に不可避的に漏れ出ためっき液を回収
して、めっき槽201に循環供給するめっき液循環供給
手段が設けられている。この循環供給手段は、前記搬入
側壁部211および搬出側壁部213に付設され、被処
理物Wが前記流出抑制装置221、222を通過する際
に不可避的に漏れ出ためっき液を受け止めて一時的に貯
留する補助槽216、217と、前記補助槽216、2
17の底部に連通接続され、前記補助槽216、217
に貯留されためっき液を返送管218を介してめっき槽
201へ送り返す返送ポンプ219とで構成されてい
る。
【0063】一方、図10に示すように、前記水洗室2
91等の処理室の各々には、搬送方向の上流側の搬入側
壁部および搬送方向下流側の搬出側壁部に前記めっき槽
201の搬入口212、搬出口214と同様の搬入口、
搬出口が開設されており、各処理室の搬入口と搬出口と
の間には搬入口から搬入された被処理物Wを搬出口側に
搬送する多数の搬送ローラ241が設けられている。ま
た、互いに隣接しためっき槽201と水洗室291等の
間や、乾燥室293の搬出側にも被処理物を下流側に搬
送する搬送ローラ242が付設されている。これらの搬
送ローラ241,242は搬送ローラ駆動用モータ(図
示省略)により駆動される。また、めっき槽201の搬
入側には被処理物Wをめっき槽201に搬入する搬入ロ
ーラ243が付設されており、この搬入ローラ243は
搬入ローラ駆動用モータ(図示省略)により駆動され
る。
【0064】前記めっき処理装置には、装置全体を制御
する制御装置が設けられている。この制御装置は、図1
4に示すように、CPU、ROM、RAMおよび制御イ
ンターフェイスを備えた主制御部251を有し、主制御
部251にはオペレータによって操作される操作パネル
252が接続されている。
【0065】前記主制御部251には、上部陽極電流制
御部254、下部陽極電流制御部255、搬入ローラ駆
動用モータ制御部257、搬入側液切りローラ駆動用モ
ータ制御部258、導電性ローラ駆動用モータ制御部2
59、搬出側液切りローラ駆動用モータ制御部260、
搬送ローラ駆動用モータ制御部261、補助槽216,
217にめっき液が所定量貯まったときに返送ポンプ2
19を作動させる返送ポンプ制御部262、および水洗
室291に備えられたスプレーノズルへの洗浄水の供給
停止を行う電磁弁を制御する洗浄水制御部(図示省
略)、エアブロー室292に備えられたエアノズルへの
エアの供給停止を行う電磁弁を制御するエア制御部(図
示省略)、乾燥室293に熱風を送風する熱風送風機を
制御する乾燥制御部(図示省略)が接続され、各制御部
には主制御部251から制御信号が入力される。一方、
前記上部陽極電流制御部254および下部陽極電流制御
部255にめっき用直流電流を供給する直流電源270
が設けられている。この直流電源270の陰極側は、前
記上部陽極電流制御部254および下部陽極電流制御部
255の陰極側に接続され、さらに導電性ローラ41の
駆動軸部42に当接する給電部材45に電気的に接続さ
れる。
【0066】以下、上記第2実施形態にかかるめっき処
理装置によるめっき処理について説明する。まず、搬入
ローラ243、導電性ローラ41および搬入側の流出抑
制装置221の液切りローラ224,225を搬送方向
に回転駆動する。そして、図11に示すように、搬入ロ
ーラ243の上に、酸洗処理等によって表面が清浄にさ
れた被処理物Wを載置し、これを液切りローラ224,
225の当接部を通して順次めっき槽201内の導電性
ローラ41に搬入する。めっき槽201内の導電性ロー
ラ41の上に所定量の被処理物Wが載置されたところ
で、前記液切りローラ224,225、搬入ローラ24
3の回転を停止して、被処理物Wのめっき槽201への
搬入を停止するとともに、めっき槽201内の導電性ロ
ーラ41を交互に正逆回転させ、導電性ローラ41上の
被処理物Wを搬送方向の前後に往復運動させながらめっ
き処理する。被処理物Wの往復移動距離は第1実施形態
と同様、少なくともローラカバーあるいはローラカバー
を付けない場合には導電性ローラ41の幅程度とすれば
よい。また、めっき処理に際して、被処理物Wの上面、
下面におけるめっき皮膜の厚さが同程度になるように上
部陽極202、下部陽極203の電流密度を制御するこ
とが好ましい。
【0067】めっき処理後、導電性ローラ41、搬出側
の流出抑制装置222の液切りローラ224,225、
搬送ローラ241,242を搬送方向に回転駆動して、
めっき処理済みの被処理物をめっき槽201から水洗室
291等の下流側に搬送する。これとともに、搬入側の
液切りローラ224,225および搬入ローラ243を
回転駆動して、再び未処理の被処理物Wをめっき槽20
1内に搬入する。所定量の未処理の被処理物Wがめっき
槽201内に搬入された後は、先に説明したように被処
理物Wを前後に往復運動させながらめっき処理を行う。
一方、めっき処理済みの一群の被処理物Wは、順次、水
洗室291で水洗された後、エアブロー室292へ搬入
されてエアジェットによって水切りが行われ、引き続い
て乾燥室293にて熱風乾燥された後、収容ボックス2
94に搬送され収容される。各処理室では最後の被処理
物Wが搬出された後、その処理室における処理、例えば
水洗室291では洗浄水の供給が停止される。また、め
っき槽201から搬出された一群の被処理物Wのすべて
が乾燥室293から搬出された後、搬送ローラ241,
242の駆動も停止される。
【0068】本発明は上記第2実施形態のめっき処理装
置によって限定的に解釈されるものではない。例えば、
下記のようにすることができる。
【0069】上記第2実施形態においても、第1実施形
態の変形態様と同様、陽極はめっき槽201の側壁に付
設するようにしてもよく、また導電性ローラ41の回転
駆動伝達手段としてチェインを用いることができる。
【0070】また、第2実施形態では、めっき槽201
の搬入側壁部211、搬出側壁部213の外側面に流出
抑制装置221,222を付設したが、この装置は前記
壁部211,213の内側面に付設してもよい。また、
流出抑制装置221,222は省略することもできる。
この場合、搬入口212、搬出口214はできるだけ小
さくすることが望ましく、また、液面から搬入口21
2、搬出口214までの深さもできるだけ浅くすること
が好ましい。また、補助槽216,217についても、
めっき槽201の搬入側壁部211、搬出側壁部213
に付設する構成に限らず、めっき槽201全体を収容す
るようにしてもよい。
【0071】また、上記第2実施形態では、めっき槽2
01内の導電性ローラ41を正逆回転させて、めっき槽
201に搬入された一群の被処理物Wを前後に往復移動
させながらめっき処理を行うようにしたが、導電性ロー
ラ41を正逆回転させることなく、搬入ローラ243、
導電性ローラ41、搬送ローラ241,242を搬送方
向に連続的に回転させて、搬入ローラ243から連続的
に被処理物Wを搬入して、めっき処理、水洗処理、エア
ブロー処理、乾燥処理を連続的に行うようにしてもよ
い。
【0072】また、上記第2実施形態では、搬送ローラ
241,242は、その全体を制御するようにしたが、
各処理室内の搬送ローラ241と、その処理室の上流側
の搬送ローラ242とを1組として制御するようにして
もよい。この場合、その処理室から1群の被処理物Wが
すべて搬出されたときに、その処理室内およびその上流
側の1組の搬送ローラ241,242の駆動と止めるよ
うにすればよい。
【0073】また、上記第2実施形態のめっき処理装置
の構成として、水洗室291の代わりに、めっき槽20
1とほぼ同様の構成を有する水洗槽を用いてもよい。こ
の場合、分割構造の導電性ローラ41、給電部材45は
必要がなく、一体形の搬送ローラを設ければよい。ま
た、めっき槽201の上流側に前記水洗槽やこれと同様
の構成を有する酸洗槽を設けるようにしてもよい。ま
た、めっき槽201の下流側の処理(水洗、乾燥)は別
の処理装置によって処理するようにしてもよい。
【0074】ここで、上記第1実施形態および第2実施
形態のめっき処理装置において、めっき品質の低下原因
と、めっき品質をより向上させる付加的構成についてさ
らに説明する。まず、前記低下原因について説明する。
【0075】被処理物Wを導電性ローラ41に載置した
状態でめっき処理を行うと、めっき槽1、201に貯留
されためっき液中の微細なごみが被処理材の上面に降下
し、付着する。付着した微細ごみが微量であっても、め
っき皮膜はその微細ごみを核として成長するので、被処
理材の上面に形成されためっき皮膜には前記微細ごみに
起因した凹凸が生じ、めっき皮膜の表面に肌荒れが生じ
る。このような肌荒れが生じると、外観が良くないばか
りか、肌荒れ部の凹凸に微細ごみが捕捉され、後工程で
めっき処理材を洗浄しても微細ごみが十分に除去されな
い場合がある。このようなめっき処理材が部品として電
子機器に搭載されると、めっき処理材の表面に残存した
微細ごみがコンタミネーションとなって、電子機器の性
能を劣化させる。前記微細ごみとしては、上部電極の電
極材として可溶性電極材が用いられている場合に、めっ
き処理の際に前記電極材の溶解に伴って生じる電極材細
粉や、めっき液中に外気から混入した粉塵などがある。
特に、第1実施形態では、めっき槽1には被処理物収容
ユニット21が着脱されるため、めっき槽1の上部が不
可避的に解放されるので、外気からの粉塵の混入が避け
られない。
【0076】一方、導電性ローラ41の外周面あるいは
被処理物の下面におけるめっき皮膜の付着状態が異な
る。このため、導電性ローラ41の上に多数の被処理物
Wを載置した場合、導電性ローラ41により被処理物を
搬送する際、あるいは往復移動させる際に被処理物が搬
送方向からローラ軸方向(横方向)にずれて、被処理物
同士が接触する場合がある。こうなると、接触部でのめ
っき皮膜が薄くなったり、著しい場合には不めっき状態
になり、めっき品質が低下する。
【0077】また、導電性ローラ41によって形成され
た被処理物の載置領域の周縁部側に載置された被処理物
は、その周縁部側の角部のめっき皮膜が厚くなる傾向が
ある。すなわち、図20に示すように、下枠部23の下
横方向部材26A,26Bおよび下部縦方向部材27,
27(図5参照)の近傍に載置された被処理物Wは、こ
れらの部材側の角部Eにめっき電流が集中する傾向があ
るため、この部分のめっき皮膜が特に厚膜化する。この
ため、被処理物の載置位置によって、めっき皮膜の形成
が不均一になる。
【0078】次に、被処理物への微細ごみの付着に起因
しためっき品質の低下を防止し、その品質を向上させる
付加的構成について第1実施形態に基づいて説明する。
その一つとして、図15に示すように、上部電極2の下
面を覆うように配設され、上部陽極2から可溶性電極材
の細粉が被処理材側に降下するのを防止するネット部材
301を設けることができる。このネット部材301は
取付部材302によって上部電極2の電極材収納ケース
に取り付けられている。
【0079】前記ネット部材301は、めっき金属イオ
ンを通過させるが、上部電極2の可溶性電極材の溶解に
よって生じた電極材細粉の降下を阻止することができる
目開きサイズ、例えば数μm 程度以下の多孔材、例えば
網、織布、腐食布等が用いられる。前記多孔材は、耐食
性、耐熱性に優れた合成樹脂、例えばフッソ樹脂や、ス
テンレス鋼、ニッケル合金等の汎用性耐食性金属材、ま
た白金、チタン等の不溶性電極材で形成される。多孔材
をステンレス鋼等のめっき処理の際に溶解する金属材で
形成する場合、前記取付部材302は合成樹脂等の絶縁
材で形成される。
【0080】図例では、ネット部材301を取付部材3
02で上部電極2の下部に付設するようにしたが、上部
電極2の電極材収容ケースの底面にネット部材301を
配設するようにしてもよい。この場合、ネット部材とし
ては、合成樹脂や不溶性電極材で形成された多孔材が使
用される。
【0081】もっとも、上部電極2の電極材を不溶性電
極材、例えば白金、チタン、イリジュームなどで形成し
た場合、可溶性電極材のように溶解による電極材細粉は
生じないので、前記ネット部材301を設けるには及ば
ない。
【0082】この場合、めっき液中のめっき金属イオン
濃度がめっき処理によって変動するので、めっき金属イ
オンの減少分を適宜補充する薬液補給装置を設けること
が望ましい。薬液補給装置304は、図15に示すよう
に、めっき金属イオン濃度を検出する濃度検出器305
と、薬液タンク(図示省略)から高濃度のめっき金属イ
オンを含有した薬液をめっき槽1に供給する流量調整バ
ルブ306とを備えている。この薬液補給装置304に
より、前記濃度検出器305によって検出された濃度が
目標濃度に一定になるようにバルブ制御器によって流量
調整バルブ306を流れる薬液の流量が調整される。
【0083】また、めっき品質を向上させる他の付加的
構成として、図15に示すように、前記ネット部材30
1と共に、あるいはそれとは別に、めっき槽1内のめっ
き液を濾過する濾過装置311を設けることができる。
前記濾過装置311は、めっき槽の底部に開設された流
入口と側面上部に開設された流出口とを連通接続する循
環流路312と、この循環流路に設けられたポンプ31
3と、前記循環流路312に設けられたフィルター31
5とを備えている。前記循環流路312には、前記ポン
プ313の下流側にめっき液加熱用のヒータ314が設
けられ、前記フィルター315はこのヒータ314の下
流側に配置されている。
【0084】前記フィルター315は、電極材細粉のほ
か、めっき液中に混入した微細なゴミを除去するもので
あり、このためフィルターの目開きは数μm 以下、好ま
しくは1μm 以下とされる。前記循環流路312の流出
口は、被処理物収容ユニット21の導電性ローラ41に
載置された被処理物の上方に位置するように設けるのが
よい。これによって、フィルター315によってゴミが
除去された清浄なめっき液が被処理物の上方からめっき
槽1内に流出され、被処理物の上方のめっき液を攪拌す
るため、被処理物の上面に微細ゴミが付着するのをより
一層防止することができる。
【0085】めっき液の温度は、めっき槽1に付設され
た液温検出器318からの温度信号により温度調節器
(図示省略)に設定した目標温度になるようにヒータ3
16の出力が制御される。
【0086】さらに、被処理物の接触によるめっき品質
の低下を防止し、その品質を向上させる付加的構成につ
いて説明する。この付加的構成として、導電性ローラ4
1によってx軸方向に移動される被処理物がローラ軸方
向に横移動し、隣接する被処理物に接触するのを防止す
る搬送ガイドがフレーム25の下枠部23に着脱自在に
設けられる。これによって、被処理物同士の接触、引い
ては接触によるめっき不良を防止することができる。
【0087】前記搬送ガイドの一例を図16および図1
7に示す。この搬送ガイド321は、被処理物収容ユニ
ット21のフレーム25の下枠部23の下部横方向部材
26A,26Bに掛け渡された複数の支持部材322
と、x軸方向に沿って下部縦方向部材27,27(図5
参照)の間に延設され、前記支持部材322の下面に付
設された複数のガイド板323とを備えている。前記複
数の支持部材322の各々の両端部には、下部横方向部
材26A,26Bの上端内面部に係合する位置決め部材
324,324が付設されている。
【0088】前記ガイド板323は、その下端が導電性
ローラ41の上端部より下方に位置しており、前記導電
性ローラ41との交差部には円弧状の凹部が設けられ、
導電性ローラ41の外周面と前記凹部の内周面とは被処
理物Wの厚さ未満の隙間が設けられている。前記支持部
材322,位置決め部材324は、強度が高く耐食性の
ある合成樹脂、例えば硬質塩化ビニル樹脂で形成すれば
よい。前記ガイド板323は、好適には前記特性のほ
か、摩擦係数の低い合成樹脂、例えばフッソ樹脂によっ
て形成される。
【0089】図例では、前記ガイド板323はその下部
に導電性ローラ41との干渉を避けるように多数の凹部
が形成されたが、前記凹部を形成することなく、その下
端が導電性ローラ41の上端より被処理物Wの厚さ未満
の隙間が形成されたガイド板を用いることができる。
【0090】搬送ガイドの他例を図18および図19に
示す。この搬送ガイド321Aは、フレーム25の下枠
部23の下部横方向部材26A,26Bに掛け渡された
複数の支持部材322と、前記支持部材322の下面に
付設され、x軸方向に沿って下部縦方向部材27,27
(図5参照)の間に延設された取付板326と、この取
付板326の下面に付設された複数のガイドローラ32
7とを備えている。前記複数の支持部材322の各々の
両端部には、導電性ローラ41の軸方向の位置決め部材
324,324が付設されている。この搬送ガイド32
1Aにおいて、前記搬送ガイド321と同部材は同符号
が付されている。
【0091】前記ガイドローラ327は、導電性ローラ
41の間に配置され、前記取付板326にその中心線が
上下方向に取り付けられたローラ回転軸328と、この
ローラ回転軸328に回転自在に設けられたローラ本体
329とを有し、ローラ本体329の下端は導電性ロー
ラ41の上端より下方に位置している。前記ローラ回転
軸328はステンレス鋼等の耐食性金属によって形成さ
れ、前記ローラ本体329は好適には摩擦係数の低い合
成樹脂、例えばフッソ樹脂によって形成される。この搬
送ガイド321Aによれば、導電性ローラ41の軸方向
に隣接する被処理物W同士の接触を防止することがで
き、しかも被処理物Wがガイドローラ327と接触して
も、点接触であり、さらにガイドローラ327間では被
処理物Wの側面に対してめっき処理が妨げられない利点
がある。
【0092】図例では、取付板326にローラ本体32
9が回転自在に設けられたガイドローラ327を設けた
が、ローラ本体329を有しないガイド軸を取付板32
6に付設するようにしてもよい。この場合、ガイド軸は
合成樹脂、好適にはフッソ樹脂等の耐食性に優れ、低摩
擦係数の合成樹脂によって形成してもよい。
【0093】さらにまた、被処理物の載置位置に起因す
るめっき皮膜の不均一化を防止する付加的構成について
第1実施形態に基づいて説明する。この付加的構成とし
て、図20に示すように、下枠部23の下横方向部材2
6A,26Bおよび下部縦方向部材27,27の内面
に、めっき用直流電源の陰極側に電気的に接続される仮
めっき部材331が設けられる。この仮めっき部材33
1を設けることにより、導電性ローラ41の載置領域の
周縁部側に載置された被処理物Wの角部Eに集中するめ
っき電流の一部を前記仮めっき部材331側に逃がすこ
とができ、前記被処理物Wの角部Eへの電流の集中を防
止することができる。これによって、被処理物はその載
置位置にかかわらず、めっき皮膜の均一化が図られる。
【0094】前記めっき皮膜の不均一化を防止する方策
として、仮めっき部材331を設けるほか、上部陽極2
と導電性ローラ41との距離を導電性ローラ41の載置
領域の中央部に対して周辺部で大きくなるように上部陽
極2を湾曲状に形成してもよい。また、上部陽極2の電
極材収容ケースに入れる電極材を載置領域の中央部に対
して周辺部で少なくなるように収容するようにしてもよ
い。もっとも、前記仮めっき部材を設けることは、これ
らの方策に比して簡便であり、寸法、形状の異なるめっ
き部材と適宜交換することで最適めっき状態に容易に調
整することができるため、推奨される。
【0095】図20では、前記搬送ガイド(図例では3
21A)が設けられているが、必ずしも必要ではない。
搬送ガイドを設ける場合、下横方向部材26A,26B
の各々に付設された仮めっき部材331と、これらの部
材26A,26B側に隣接して載置された被処理物Wと
の間にガイドローラ327やガイド板323を設けるよ
うにしてもよい。
【0096】第2実施形態のめっき処理装置において
も、第1実施形態のめっき処理装置と同様、めっき品質
の向上を図る付加的構成として、図15に示すように、
上部電極202にネット部材301を設けたり、めっき
槽201に濾過装置311を設けることができる。ま
た、図16〜19に示す搬送ガイド321,321Aを
設けることができる。さらにまた、図20に示す仮めっ
き部材331を設けることができる。この場合、仮めっ
き部材331は、縦方向部材(図5の27に相当)の上
端が導電性ローラ41の載置面より下に設定されるとい
う制約から、導電性ローラ41の載置領域の両側端部、
すなわち横方向部材(図5の26A,26Bに相当)の
みに設ければよい。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、被処理物は導電性ロー
ラの上に載置されて搬送されながら、あるいはローラの
正逆回転に応じて往復移動しながらめっき処理が行われ
るので、被処理物同士の干渉により損傷が生じるおそれ
がなく、めっき効率も良好であり、生産性に優れる。こ
のため、本発明は、比較的小形で、板状、扁平状の電子
部品、機械部品等のめっき処理に好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態にかかるめっき処理装置の全体配
置図である。
【図2】第1実施形態にかかるめっき処理装置のめっき
槽に被処理物収容ユニットが装着された状態におけるめ
っき槽の一部切り欠き側面図である。
【図3】図2に示すめっき槽の一部切り欠き正面図であ
る。
【図4】上部電極の移動手段が図示されためっき槽の断
面側面図である。
【図5】被処理物収容ユニットのフレームの構造を線図
で表した斜視図である。
【図6】下枠部に回転自在に取り付けられた導電性ロー
ラの一部を断面で表した正面図である。
【図7】図6のA線における矢印方向の部分矢視図であ
る。
【図8】導電性ローラに給電する給電部材の一部を示す
斜視図である。
【図9】第1実施形態にかかるめっき処理装置の制御シ
ステムブロック図である。
【図10】第2実施形態にかかるめっき処理装置の全体
配置図である。
【図11】第2実施形態にかかるめっき処理装置のめっ
き槽の搬送方向の縦断面図である。
【図12】流出抑制装置の斜視図である。
【図13】流出抑制装置の中央部の縦断面図である。
【図14】第2実施形態にかかるめっき処理装置の制御
システムブロック図である。
【図15】ネット部材が付設された上部電極、ブロック
図で示された濾過装置が図示された、第1実施形態にか
かるめっき槽の断面側面図である。
【図16】下枠部に装着された搬送ガイドの一例を示す
部分断面図である。
【図17】図16のA線における矢印方向の部分矢視図
である。
【図18】下枠部に装着された搬送ガイドの他例を示す
部分断面図である。
【図19】図18のA線における矢印方向の部分矢視図
である。
【図20】仮めっき部材および搬送ガイドが設けられた
下枠部をy軸方向に切断した断面図である。
【符号の説明】
1,201 めっき槽 2,202 上部陽極 3,203 下部陽極 6 移動手段 8 陽極支持アーム 21 被処理物収容ユニット 41 導電性ローラ 42 駆動軸部 48 載置ローラ部 51 ローラカバー 55 モータ 71 搬送キャリヤ 72 昇降アーム 91,254 上部陽極電流制御部 92,255 下部陽極電流制御部 221,222 流出抑制装置 301 ネット部材 304 薬液補給装置 311 濾過装置 321,321A 搬送ガイド 331 仮めっき部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊代 真澄 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社 山崎製作所内 (56)参考文献 特開2000−220000(JP,A) 特開2000−96285(JP,A) 特開 昭58−125858(JP,A) 特開 昭58−58292(JP,A) 特開 昭54−29063(JP,A) 特開 平11−61487(JP,A) 特開 平7−126887(JP,A) 実開 昭60−117865(JP,U) 特許2944963(JP,B2) 特公 平1−22357(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 7/06 C25D 17/00 C25D 17/06

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物をめっき処理するめっき処理装
    置であって、 陽極を備えためっき槽と、 前記めっき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を
    搬送する複数の導電性ローラと、 前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供給するめ
    っき電流供給部と、 前記導電性ローラを正逆転させるローラ正逆転駆動手段
    とを 備えためっき処理装置。
  2. 【請求項2】 被処理物をめっき処理するめっき処理装
    置であって、 陽極を備えためっき槽と、 前記めっき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を
    搬送する複数の導電性ローラと、 前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供給するめ
    っき電流供給部と、 前記導電性ローラによって形成された被処理物の載置領
    域の両側端部に前記めっき電流供給部の陰極側に電気的
    に接続された仮めっき部材とを備えた めっき処理装置。
  3. 【請求項3】 被処理物をめっき処理するめっき処理装
    置であって、 陽極を備えためっき槽と、 前記めっき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を
    搬送する複数の導電性ローラと、 前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供給するめ
    っき電流供給部とを備え、 前記めっき槽は、被処理物を槽内の導電性ローラに搬入
    する搬入口が形成された搬入側壁部とめっき処理後の被
    処理物を前記導電性ローラから槽外へ搬出する搬出口が
    形成された搬出側壁部を有し、前記搬入側壁部および前
    記搬出側壁部の各々には前記搬入口および前記搬出口を
    通して被処理物が通過可能であるとともに槽内のめっき
    液が流出するのを抑制する流出抑制手段が付設され前記流出抑制手段は、導電性ローラの搬送面を中心とし
    て上下一対の液切りローラが外周面同士が当接するよう
    に回転自在に設けられ、前記液切りローラの外 周部はロ
    ーラ同士の当接部を被処理物が通過する際に被処理物の
    断面形状に沿って弾性変形が可能な可撓材によって形成
    されている めっき処理装置。
  4. 【請求項4】 被処理物をめっき処理するめっき処理装
    置であって、 陽極を備えためっき槽と、 前記めっき槽内に設けられ、陰極を構成し、被処理物を
    搬送する複数の導電性ローラと、 前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供給するめ
    っき電流供給部とを備え、 前記導電性ローラの軸方向に隣接して載置された被処理
    物同士の接触を防止する搬送ガイドが設けられた めっき
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記めっき槽は、被処理物を槽内の導電
    性ローラに搬入する搬入口が形成された搬入側壁部とめ
    っき処理後の被処理物を前記導電性ローラから槽外へ搬
    出する搬出口が形成された搬出側壁部を有し、前記搬入
    側壁部および前記搬出側壁部の各々には前記搬入口およ
    び前記搬出口を通して被処理物が通過可能であるととも
    に槽内のめっき液が流出するのを抑制する流出抑制手段
    が付設された請求項1、2又は4に記載しためっき処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記陽極は、導電性ローラの下方に配
    置された下部陽極と、上方に配置された上部陽極とで構
    成される請求項1から4のいずれか1項に記載しためっ
    き処理装置。
  7. 【請求項7】 前記導電性ローラによって形成された被
    処理物の載置領域の両側端部に前記めっき電流供給部の
    陰極側に電気的に接続された仮めっき部材が設けられた
    請求項1、3又は4に記載しためっき処理装置。
  8. 【請求項8】 被処理物をめっき処理するめっき処理装
    置であって、陽極を備えためっき槽と、 陰極を構成し、被処理物を載置する複数の導電性ローラ
    と、前記導電性ローラを正逆転させるローラ正逆転駆動
    手段とを有する被処理物収容ユニットと、 前記めっき槽に対して前記被処理物収容ユニットを着脱
    自在に搬送する搬送手段と、 前記陽極と前記導電性ローラにめっき電流を供給するめ
    っき電流供給部とを備 える めっき処理装置。
  9. 【請求項9】 前記陽極は、導電性ローラの下方に配置
    された下部陽極と、上方に配置された上部陽極とで構成
    され、前記被処理物収容ユニットが前記めっき槽に対し
    て着脱される際に前記被処理物収容ユニットと干渉しな
    い位置に前記上部陽極を移動させる移動手段をさらに備
    える請求項8に記載しためっき処理装置。
  10. 【請求項10】 前記導電性ローラによって形成された
    被処理物の載置領域の周縁部に前記めっき電流供給部の
    陰極側に電気的に接続された仮めっき部材が設けられた
    請求項9に記載しためっき処理装置。
  11. 【請求項11】 前記めっき電流供給部は、前記上部陽
    極に供給するめっき電流を制御する上部陽極電流制御部
    と、前記下部陽極に供給するめっき電流を制御する下部
    陽極電流制御部とを有する請求項6又は9に記載した
    っき処理装置。
  12. 【請求項12】 前記導電性ローラは、その下面を前記
    下部電極から遮蔽するローラカバーを有する請求項6又
    は9に記載しためっき処理装置。
  13. 【請求項13】 前記導電性ローラは、駆動部材が付設
    された駆動軸部と、この駆動軸部に着脱自在に取り付け
    られ、被処理物を載置する載置ローラ部とを有する請求
    項1〜4および8のいずれか1項に記載しためっき処理
    装置。
  14. 【請求項14】 前記上部電極の電極材がめっき処理に
    よって溶解する可溶性電極材で形成され、めっき処理の
    際に前記可溶性電極材の溶解に伴って生じた電極材細粉
    が被処理材側へ降下を防止するネット部材が前記上部電
    極の下部に設けられた請求項6又は9に記載しためっき
    処理装置。
  15. 【請求項15】 前記上部電極の電極材が不溶性電極材
    によって形成された、請求項6又は9に記載しためっき
    処理装置。
  16. 【請求項16】 めっき槽内のめっき液を濾過してその
    中に混入した微細ごみを除去する濾過装置が設けられた
    請求項1〜4,6,8又は9のいずれか1項に記載した
    めっき処理装置。
  17. 【請求項17】 導電性ローラの軸方向に隣接して載置
    された被処理物同士の接触を防止する搬送ガイドが設け
    られた請求項1〜3および8のいずれか1項 に記載した
    めっき処理装置。
  18. 【請求項18】 被処理物にめっきを施すめっき処理方
    法であって、 陽極と、陰極を構成し、被処理物を載置する複数の導電
    性ローラとを備えためっき槽を準備し、 被処理物を前記めっき槽に搬入し、 搬入された被処理物を複数の導電性ローラの上に載置
    し、前記導電性ローラを正逆転させて被処理物を前記導
    電性ローラ上で往復移動させながらめっきし、 めっきされた被処理物を前記めっき槽から搬出する めっ
    き処理方法。
  19. 【請求項19】 被処理物にめっきを施すめっき処理方
    法であって、 陽極を備えためっき槽と、陰極を構成し、被処理物を載
    置する複数の導電性ローラを備えた被処理物収納ユニッ
    トとを準備し、 被処理物収納ユニットを前記めっき槽に装着し、 前記導電性ローラを正逆転させて被処理物を導電性ロー
    ラ上で往復移動させながらめっきし、 めっきされた被処理物を前記被処理物収納ユニットごと
    前記めっき槽から搬出するめっき処理方法。
  20. 【請求項20】 請求項1から17のいずれか1項に記
    載しためっき処理装置を用いて行うめっき処理方法。
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