JP2012027010A - 焦電型赤外線検知素子およびそれを用いた赤外線センサ - Google Patents

焦電型赤外線検知素子およびそれを用いた赤外線センサ Download PDF

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Abstract

【課題】焦電体基板の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が出力端子部から出力されるのを抑制することが可能な焦電型赤外線検知素子およびそれを用いた赤外線センサを提供する。
【解決手段】焦電体基板10の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の電極21,21と焦電体基板10において2つ1組の電極21,21に挟まれた部分11とで構成される受光部20と、焦電体基板10の両端部に形成された一対の出力端子部30,30と、焦電体基板10の両面それぞれに形成され受光部20と一対の出力端子部30,30とを接続する2つ1組の配線部40,40とを備える。焦電体基板10の両面において配線部40とは反対の面側に形成されて配線部40と対をなすダミー配線50が設けられるとともに、ダミー配線50が、受光部20に直接接続されることなく対をなす配線部40と同電位に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線を検知する焦電型赤外線検知素子およびそれを用いた赤外線センサに関するものである。
焦電効果によって赤外線を検知する焦電型赤外線検知素子(焦電素子)は、人体の動きを検知する人体検知センサなどの赤外線センサに広く用いられている。
焦電効果は、温度変化により表面に電荷が発生する現象であり、焦電型赤外線検知素子では、自発分極による電荷が外気中のイオンなどによって中和されている平衡状態において赤外線が入射すると、赤外線が熱に変換されて焦電体基板の温度が変化し、この温度変化により電荷の平衡状態が崩れ、焦電体基板の表面に電荷が発生する。
焦電型赤外線検知素子を用いた赤外線センサとしては、焦電型赤外線検知素子と、焦電型赤外線検知素子で発生した電荷の移動により流れる電流を電流電圧変換して電圧信号を出力する電流電圧変換回路とを1つのパッケージに収納したものが広く知られている。この種の赤外線センサでは、焦電型赤外線検知素子のインピーダンスが100GΩ程度と非常に大きく、焦電型赤外線検知素子から出力される電流(出力電流)が非常に微弱である。そこで、電流電圧変換回路としては、焦電型赤外線検知素子がゲートに接続されるインピーダンス変換用の電界効果トランジスタ(FET)と、この電界効果トランジスタのゲート電位を設定するための抵抗とを用いたものが広く知られている。
上述の焦電型赤外線検知素子としては、1枚の焦電体基板に2個の受光部(赤外線受光部)を形成したデュアル素子(デュアルタイプの焦電型赤外線検知素子)や、1枚の焦電体基板に4個の受光部を形成したクワッド素子(クワッドタイプの焦電型赤外線検知素子)が広く実用化されている。なお、焦電型赤外線検知素子としては、1枚の焦電体基板に1個の受光部を形成したシングル素子(シングルタイプの焦電型赤外線検知素子)も実用化されている。
上述の焦電型赤外線検知素子は、焦電体基板の材料として、PbTiO、PZT(:Pb(Zr,Ti)O3)などのセラミック材料、LiTaOなどの単結晶材料や、PVFなどの高分子材料、などの焦電材料が採用されている。また、受光部は、焦電体基板の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の電極と、焦電体基板において当該2つ1組の電極に挟まれた部分とで構成されている。なお、各電極の材料としては、NiCrなどの導電性を有する赤外線吸収材料が採用されている。
また、上述の焦電型赤外線検知素子としては、焦電体基板の中央部において複数の受光部が形成され、焦電体基板の両端部それぞれに出力端子部が形成され、焦電体基板の厚み方向の両面それぞれに、受光部の電極と出力端子部とを接続する配線部が形成されたものが広く知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された焦電型赤外線検知素子は、受光部の電極、出力端子部および配線部の材料として、NiCrが採用されている。
ところで、焦電型赤外線検知素子を用いた赤外線センサでは、焦電型赤外線検知素子の受光部への検知対象(例えば、人体など)からの赤外線の入射がない状態においても、周囲環境(使用環境)の温度変化によって誤動作が発生することがある。そこで、この種の赤外線センサでは、2個の受光部に同時に入力する外部雑音(周囲環境の温度変化など)が打ち消されるように構成されたデュアルタイプの焦電型赤外線検知素子が用いられている(例えば、特許文献2,3)。
ここにおいて、特許文献3には、焦電型赤外線検知素子を、一面が開放された箱状のパッケージ本体と、このパッケージ本体の上記一面を閉塞し赤外線を透過する光学フィルタとで構成されるパッケージに収納した赤外線センサが記載されている。また、特許文献3には、パッケージ本体として金属製のものに代えて、絶縁性のセラミックにより形成されたものを用いることが記載されている。
また、従来から、周囲環境の温度変化によって突発的に発生するポップコーンノイズを低減することが可能な焦電型赤外線検知素子が提案されている(例えば、特許文献4)。特許文献4に開示された焦電型赤外線検知素子は、単結晶のLiTaO基板において、2つ1組の電極に挟まれた第1の部分を、自発分極の方向が一定である単分域構造とし、第1の部分以外の第2の部分を、自発分極の方向がランダムである多分域構造としてある。
特許第3773623号公報 国際公開WO2006/120863 国際公開WO2006/112122 特開平10−300570号公報
従来の赤外線センサにおいて、周囲環境の温度変化が焦電型赤外線検知素子に伝達される経路としては、例えば、パッケージから当該パッケージ内の気体を介して焦電型赤外線検知素子に伝達される経路や、パッケージから当該パッケージ内において焦電型赤外線検知素子を支持している物体を介して焦電型赤外線検知素子に伝達される経路や、パッケージからの熱放射により焦電型赤外線検知素子に伝達される経路などが考えられる。
したがって、従来の赤外線センサにおいては、パッケージの形状や材料や、パッケージと焦電型赤外線検知素子との距離、電流電圧変換回路を構成する回路部品と焦電型赤外線検知素子との相対的な位置関係などによって、周囲環境の温度変化が焦電型赤外線検知素子の受光部へ与える影響は異なるものと考えられる。
このため、赤外線センサにおいて、焦電型赤外線検知素子として単にデュアルタイプあるいはクワッドタイプの焦電型赤外線検知素子を用いただけでは、外部雑音に関して、複数の受光部に同時に入力する温度変化以外の温度変化については影響を打ち消すことができない。つまり、従来の赤外線センサでは、焦電型赤外線検知素子に対して特定方向から入力される温度変化の影響に対しては打ち消すことができたとしても、上記特定方向以外の方向から入力される温度変化の影響を受けてしまう。
ところで、焦電型赤外線検知素子は、焦電体基板の温度変化に伴って焦電体基板の厚み方向の両面の全域で電荷が発生する。したがって、従来の焦電型赤外線検知素子では、受光部において発生した電荷だけでなく、受光部以外で発生した電荷も、出力端子部から外部回路である電流電圧変換回路へ出力されるため、周囲環境の温度変化の影響によってS/N比が低下してしまうことがある。
また、特許文献4に開示された焦電型赤外線検知素子では、製造時に、単結晶のLiTaO基板の厚み方向の両面に電極を形成した後、LiTaO基板をキュリー温度において加熱することにより焦電性を消失させ、その後、対向する電極間に高電界を印加しながら室温まで冷却する必要があるので、工程数が増え、コストが高くなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、焦電体基板の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が出力端子部から出力されるのを抑制することが可能な焦電型赤外線検知素子およびそれを用いた赤外線センサを提供することにある。
本発明の焦電型赤外線検知素子は、焦電体基板の中央部で前記焦電体基板の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の電極と前記焦電体基板において前記2つ1組の電極に挟まれた部分とで構成される受光部と、前記焦電体基板の両端部に形成された一対の出力端子部と、前記焦電体基板の前記両面それぞれに形成され前記受光部と前記一対の出力端子部とを接続する2つ1組の配線部とを備え、前記焦電体基板の前記両面において前記配線部とは反対の面側に形成されて前記配線部と対をなすダミー配線が設けられるとともに、前記ダミー配線が、前記受光部に直接接続されることなく前記対をなす前記配線部と同電位に接続されてなることを特徴とする。
この焦電型赤外線検知素子において、前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、前記配線部が接続されている前記出力端子部において同電位に接続されてなることが好ましい。
この焦電型赤外線検知素子において、前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、互いに対向して配置されてなることが好ましい。
この焦電型赤外線検知素子において、前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、線幅が略同じであることが好ましい。
この焦電型赤外線検知素子において、前記焦電体基板において偶数個×偶数個の前記受光部がマトリクス状に配列されてなることが好ましい。
この焦電型赤外線検知素子において、前記焦電体基板は、平面視において前記受光部を取り囲み前記厚み方向に貫通するスリットが形成されてなることが好ましい。
本発明の赤外線センサは、前記焦電型赤外線検知素子を備えることを特徴とする。
この赤外線センサにおいて、前記焦電型赤外線検知素子の出力電流を信号処理する信号処理部と、前記焦電型赤外線検知素子および前記信号処理部が収納されたパッケージとを備え、前記パッケージの一部が前記焦電型赤外線検知素子での検知対象の赤外線を透過する赤外線透過部材により構成されてなることが好ましい。
本発明の焦電型赤外線検知素子においては、焦電体基板の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が出力端子部から出力されるのを抑制することが可能となる。
本発明の赤外線センサにおいては、焦電型赤外線検知素子の焦電体基板の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が出力端子部から出力されるのを抑制することが可能となる。
実施形態1の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図、(c)は(a)のC−C’概略断面図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の等価回路図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の動作説明図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の動作説明図である。 比較例1の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の等価回路図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の動作説明図である。 同上の焦電型赤外線検知素子の動作説明図である。 実施形態2の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 比較例2の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 実施形態3の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 比較例3の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 実施形態4の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 同上の焦電型赤外線検知素子を示し、図13(a)のC−C’概略断面図である。 実施形態5の焦電型赤外線検知素子を示し、(a)は一表面側から見た平面図、(b)は一表面側から他表面を透視した平面図である。 実施形態6の赤外線センサの概略分解斜視図である。 実施形態7の赤外線センサの概略分解斜視図である。 同上の赤外線センサの要部概略断面図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の焦電型赤外線検知素子について図1を参照しながら説明するが、同図の(a)は一表面側から見た平面図、(b)は上記一表面側から他表面を透視した平面図、(c)は(a)のC−C’概略断面図である。
焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の中央部に2個の受光部20が形成され、焦電体基板10の両端部それぞれに出力端子部30が形成されている。ここにおいて、各受光部20は、焦電体基板10の厚み方向の両面(上記一表面および上記他表面)に形成され互いに対向する2つ1組の電極21,21と、焦電体基板10において2つ1組の電極21,21に挟まれた部分11とで構成される。
本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10が矩形板状であり、焦電体基板10の長手方向の中央部において2個の受光部20が焦電体基板10の長手方向に並設され、焦電体基板10の長手方向の両端部に出力端子部30が形成されている。また、各電極21は、平面形状が矩形状であり、各電極21の長手方向が焦電体基板10の短手方向に一致するように形成されている。また、各電極21は、焦電体基板10の短手方向の中央部に形成されている。焦電体基板10の自発分極の方向は、この焦電体基板10の厚み方向に沿った一方向であり、図1(c)の上方向である。
また、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の厚み方向の両面それぞれに、受光部20の電極21と出力端子部30とを接続する配線部40が形成されている。受光部20の2つ1組の電極21,21に接続される2つの配線部40のうち、一方の配線部40は直線状に形成され、他方の配線部40は他の受光部20を避けるように逆J字状に形成されている。
各出力端子部30は、焦電体基板10の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の導体パターン31,31と、組をなす導体パターン31,31同士を電気的に接続した接続部32(図1(c)参照)とで構成されている。この焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10が、単結晶のLiTaO基板により構成され、各電極21、各配線部40および各導体パターン31が、赤外線吸収材料(例えば、NiCrなど)からなる薄膜により形成されており、接続部32が、導電性接着剤により形成されている。
本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、2個の受光部20を備えたデュアルタイプの焦電型赤外線検知素子であり、図2に示す等価回路図のように、2個の受光部20が逆並列接続されている。すなわち、受光部20は、電気的には極性のあるコンデンサであり、2個の受光部20は、逆極性で並列に接続されている。なお、図1(a),(b)中の各電極21に付記した「+」あるいは「−」の記号は、左側の出力端子部30の極性を「+」、右側の出力端子部30の極性を「−」とした場合の、各電極21の極性を示している。
ところで、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の両面において配線部40とは反対の面側に形成されて配線部40と対をなすダミー配線50が設けられている。ダミー配線50は、赤外線吸収材料(例えば、NiCrなど)からなる薄膜により形成されており、受光部20に直接接続されることなく対をなす配線部40と同電位に接続されている。ここにおいて、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の上記一表面側の電極21、配線部40、導体パターン31およびダミー配線50が、蒸着法やスパッタ法などにより同時に形成されている。また、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の上記他表面側の電極21、配線部40、導体パターン31およびダミー配線50が同時に形成されている。そして、対をなす配線部40とダミー配線50とは、配線部40が接続されている出力端子部30において同電位に接続されている。具体的には、対をなす配線部40とダミー配線50とのうち、配線部40が、出力端子部30の組をなす導体パターン31,31の一方の導体パターン31および当該配線部40に接続される電極21と一体に形成されて電気的に接続され、ダミー配線50が、出力端子部30の組をなす導体パターン31,31の他方の導体パターン31と一体に形成されて電気的に接続されている。
また、焦電型赤外線検知素子1は、対をなす配線部40とダミー配線50とが、互いに対向して配置されている。また、対をなす配線部40とダミー配線50とは、線幅を同じとしてある。
また、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の厚み方向の両面それぞれにおいて、各電極21、各配線部40、各導体パターン31および各ダミー配線50が、焦電体基板10の中心を通る対称軸の周りで2回回転対称となるように配置されている。
また、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の厚み方向に直交する一面を対称面として、ダミー配線50と配線部40とが略面対称となるようにダミー配線50を形成してある。ただし、この場合、配線部40においてダミー配線50と面対称になるのは、当該配線部40における電極21側の端部を除いた部分である。
焦電体基板10の厚み方向に直交する一面を対称面として、ダミー配線50と配線部40とが面対称となるようにダミー配線50を形成することが好ましいが、ダミー配線50と配線部40とが同電位に接続されていればよく、必ずしもダミー配線50と配線部40とが面対称でなくてもよい。
配線部40の線幅とダミー配線50の線幅とは、同じであることが好ましいが、略同じであればよく、また、ダミー配線50の線幅が配線部40の線幅よりも狭くても広くてもよい。
以上説明した焦電型赤外線検知素子1の等価回路図は、上述の図2のようになり、4つの配線部40それぞれを構成要素として含む4つのコンデンサ60それぞれの両端が2つの出力端子部30のいずれか1つに接続された回路構成となる。ここで、各コンデンサ60は、配線部40と、当該配線部40と対をなすダミー配線50と、焦電体基板10における配線部40とダミー配線50との間の部分12(図1(c)参照)とで構成される寄生コンデンサである。したがって、4つのコンデンサ60のうち、2つのコンデンサ60が、一方の出力端子部30に接続され、残りの2つのコンデンサ60が、他方の出力端子部30に接続されている。
なお、焦電体基板10の材料は、LiTaOに限らず、例えば、LiNbO3などの他の単結晶材料や、PbTiO、PZT、PZT−PMN(:Pb(Zr,Ti)O3−Pb(Mn,Nb)O3)などのセラミック材料、PVFなどの高分子材料、などを採用してもよい。また、上述の赤外線吸収材料は、NiCrに限らず、例えば、Ni、金黒などを採用してもよい。
ところで、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1におけるダミー配線50を設けたことによる効果について説明する前に、ダミー配線50を備えていない以外は図1と同じ構造を有する図5の比較例1の焦電型赤外線検知素子1’について説明する。
比較例1の焦電型赤外線検知素子1’についても、2個の受光部20が逆並列に接続されている点は、図6の等価回路図に示すように同様である。しかしながら、比較例1の焦電型赤外線検知素子1’は、図6に示したように、4つの配線部40それぞれを構成要素として含む4つのコンデンサ60’が一対の出力端子部30,30間に接続された等価回路となる。各コンデンサ60’は、配線部40と、当該配線部40に接続された出力端子部30とは別の出力端子部30の1組の導体パターン31,31のうち当該配線部40とは異なる面に形成された導体パターン31と、焦電体基板10とで構成される。
ここで、比較例1の焦電型赤外線検知素子1’に対して、図7(a)に示すように焦電体基板10の温度が上昇する温度変化を与えた場合に発生する電荷の時間変化について、図7および図8を参照しながら説明する。
温度変化時に焦電体基板10に発生する電荷のうち、受光部20で発生する電荷は、図8(a)に示す模式図のように当該受光部20に接続された配線部40,40を通して出力端子部30,30へ放電されるので、温度変化がなくなると、図7(b)に示すように瞬時になくなる(短い時定数でなくなる)。これに対して、配線部40で発生する電荷は、図8(b)に示す模式図のように当該配線部40が接続されている出力端子部30へ放電される。この放電された電荷は出力電流としてそのまま、外部回路である電流電圧変換回路へ出力される。ここにおいて、配線部40は、焦電体基板10の厚み方向の両面のうちの一方の面にしか形成されていないので、焦電体基板10の他方の面で発生した電荷の放電時間が焦電体基板10の表面抵抗(シート抵抗)の値によって決定される(律速される)。ここで、焦電体基板10の表面抵抗の値が非常に高いので、配線部40で発生する電荷がなくなるまでの時定数が図7(c)に示すように長くなる。このように比較例1の焦電型赤外線検知素子1’においては、周囲環境の温度変化によって配線部40に発生した電荷が出力端子部30から出力電流(信号)として出力される。
次に、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1に対して、図3(a)に示すように焦電体基板10の温度が上昇する温度変化を与えた場合に発生する電荷の時間変化について、図3および図4を参照しながら説明する。
温度変化時に焦電体基板10に発生する電荷のうち、受光部20で発生する電荷は、図4(a)に示す模式図のように当該受光部20に接続された2つの配線部40それぞれを通して出力端子部30へ放電されるので、温度変化がなくなると、図3(b)に示すように瞬時になくなる(短い時定数でなくなる)。
これに対して、配線部40および当該配線部40と対をなすダミー配線50で発生する電荷は、図4(b)に示す模式図のように当該配線部40および当該ダミー配線50が接続されている出力端子部30へ放電されるので、図3(c)に示すように瞬時になくなる(短い時定数でなくなる)。ここで、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、配線部40で発生する電荷の極性とダミー配線50で発生する電荷の極性とが異なり、且つ、互いに極性の異なる電荷が同電位の出力端子部30に略同じ時定数で放電されるので、配線部40で発生した電荷とダミー配線50で発生した電荷とが相殺されることとなり、出力電流として出力されるのを抑制することが可能となる。なお、図3(c)では、配線部40で発生する電荷の時間変化を「A」、ダミー配線50で発生する電荷の時間変化を「B」で示してある。
以上説明した本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の電極21,21と焦電体基板10において2つ1組の電極21,21に挟まれた部分11とで構成される受光部20と、焦電体基板10の両端部に形成された一対の出力端子部30,30と、焦電体基板10の両面それぞれに形成され受光部20と一対の出力端子部30,30とを接続する2つ1組の配線部40,40とを備え、焦電体基板10の両面において配線部40とは反対の面側に形成されて配線部40と対をなすダミー配線50が設けられるとともに、ダミー配線50が、受光部20に直接接続されることなく対をなす配線部40と同電位に接続されている。これにより、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、配線部40で発生する電荷をダミー配線50で発生する電荷により相殺することが可能となる。しかして、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、焦電体基板10の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が各出力端子部30から出力されるのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、デュアルタイプなので、焦電型赤外線検知素子1全体に温度変化が生じた場合、受光部20で発生した電荷は出力端子部30から出力電流として出力されないので、周囲環境の温度変化の影響により出力電流が流れるのを、より抑制することが可能となる。
また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、出力端子部30において配線部40とダミー配線50とを同電位に接続しているので、配線部40とダミー配線50とを最短距離で接続することが可能となる。
また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、対をなす配線部40とダミー配線50とが、互いに対向して配置されているので、配線部40で発生した電荷が、焦電体基板10の表面抵抗の値に依存せず、速やかに放電される。要するに、上述のように、焦電体基板10の厚み方向に直交する一面を対称面として、ダミー配線50と配線部40とが略面対称となるようにダミー配線50を形成すれば、周囲環境の温度変化時に配線部40で発生した電荷が、焦電体基板10の表面抵抗の値に依存せず、瞬時に放電される。
また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、対をなす配線部40の線幅とダミー配線50の線幅とを略同じとしてあるので、配線部40で発生する電荷の量と、ダミー配線50で発生する電荷の量とを略等しくすることが可能となり、周囲環境の温度変化により発生する電荷が各出力端子部30から出力されるのを、より抑制することが可能となる。
また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、上述のように、焦電体基板10の厚み方向の両面それぞれにおいて、各電極21、各配線40、各導体パターン31および各ダミー配線50が、焦電体基板10の中心を通る対称軸の周りで2回回転対称となるように配置されているので、図1(a)の左右を入れ換えて使用しても同等の性能が得られるから、パッケージや実装基板、回路基板などへ実装する際に、一対の出力端子部30,30の極性に関係なく実装することが可能となる。
(実施形態2)
図9に示す本実施形態の焦電型赤外線検知素子1の基本構成は実施形態1と略同じであり、1枚の焦電体基板10に4個の受光部20が形成されたクワッドタイプである点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、1枚の焦電体基板10に4個の受光部20が2×2のアレイ状に配列されている。ここで、各受光部20の電極21は、平面視形状を正方形状としてあり、焦電体基板10の中央部において焦電体基板10の外周線よりも内側の仮想正方形の角に受光部20の中心が位置するように配置されている。
また、焦電型赤外線検知素子1は、4個の受光部20のうち、対角位置にある2個の受光部20同士が並列接続され、互いに異なる対角に位置する2個の受光部20同士は逆並列に接続されている。要するに、焦電型赤外線検知素子1は、焦電体基板10の両面に平行な一平面内で、一対の出力端子部30,30の並設方向をX方向(水平方向)、上記一平面内で一対の出力端子部30,30の並設方向に直交する方向をY方向(垂直方向)とすると、X方向に沿って並んで形成されている2個の受光部20同士が逆並列に接続され、かつ、Y方向に沿って並んで形成されている2個の受光部20同士が逆並列に接続されている。
しかして、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、逆並列に接続されている受光部20,20同士で、周囲環境の温度変化により2個の受光部20に発生する電荷が相殺される。また、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1は、クワッドタイプなので、焦電型赤外線検知素子1全体に温度変化が生じた場合、各受光部20で発生した電荷は信号として出力されない。
しかして、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、逆並列に接続されている受光部20,20同士で、周囲環境の温度変化などにより2個の受光部20に発生する電荷が相殺される。X方向およびY方向いずれの方向からの温度変化に対しても出力電流が出力されるのを抑制することが可能である。
しかも、本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、実施形態1と同様のダミー配線50を備えているので、焦電体基板10の焦電性を変えることなく、焦電型赤外線検知素子1全体として、X方向およびY方向いずれの方向からの温度変化に対しても出力電流が出力されるのを、より抑制することが可能となる。本実施形態の焦電型赤外線検知素子1の実施例では、ダミー配線50を備えていない図10に示した比較例2の焦電型赤外線検知素子1’に比べて、温度変化時の出力電流を抑制することが確認できた。
(実施形態3)
図11に示す本実施形態の焦電型赤外線検知素子1の基本構成は実施形態2と略同じであり、焦電体基板10の平面形状が正方形状であり、配線部40およびダミー配線50のレイアウトが相違するだけである。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の焦電型赤外線検知素子1では、ダミー配線50を備えていない図12に示した比較例3の焦電型赤外線検知素子1’に比べて、焦電体基板10の焦電性を変化させることなく、周囲環境の温度変化により発生する電荷が各出力端子部30から出力されるのを抑制することが可能となる。
(実施形態4)
図13および図14に示す本実施形態の焦電型赤外線検知素子1の基本構成は実施形態1と略同じであり、対をなす配線部40とダミー配線50とを、出力端子部30以外で、導電性接着剤からなる接続部33によって同電位に接続している点が相違する。ただし、実施形態2,3で説明したクワッドタイプの焦電型赤外線検知素子1のようにデュアルタイプの焦電型赤外線検知素子1に比べて配線部40の数が多くなり配線部40のレイアウトが複雑になる場合には、対をなす配線部40とダミー配線50とを、出力端子部30において同電位に接続することが好ましい。これにより、ダミー配線50のレイアウト設計の自由度が高くなり、対をなす配線部40とダミー配線50とを対向して配置させるレイアウト設計が容易になる。
(実施形態5)
図15に示す本実施形態の焦電型赤外線検知素子1の基本構成は実施形態3と略同じであり、焦電体基板10に、各受光部20それぞれを当該焦電体基板10の他の部位と熱絶縁するためのスリット13が形成されている点が相違する。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
焦電体基板10は、各受光部20ごとに、平面視において受光部20の4辺のうちの3辺を取り囲むように上述のスリット13が形成されている。したがって、焦電型赤外線検知素子1は、各受光部20が、焦電体基板10の一部で片持ち支持された構造となっており、スリット13が形成されていることにより、焦電体基板10を通して受光部20へ熱が伝達される方向が単一方向となり、各受光部20と配線部40およびダミー配線50とが熱的に相互干渉するのを抑制することが可能となる。また、焦電型赤外線検知素子1は、スリット13が形成されていることにより、周囲環境の温度変化によって各受光部20で発生する電荷が放電される際の時定数が受光部20ごとにばらつくのを抑制することが可能となり、周囲環境の温度変化により発生する電荷が各出力端子部30から出力されるのを、より抑制することが可能となる。
なお、他の実施形態1〜4の焦電型赤外線検知素子1において、焦電体基板10にスリット13を形成してもよい。また、デュアルタイプやクワッドタイプに限らず、シングルタイプでも同様のスリット13を形成してもよい。
(実施形態6)
本実施形態の赤外線センサは、図16に示すように、焦電型赤外線検知素子1と、この焦電型赤外線検知素子1の出力電流を信号処理する信号処理回路を形成したIC素子2と、IC素子2に外付けされるコンデンサ(図示せず)と、焦電型赤外線検知素子1、IC素子2、上記コンデンサなどが実装されたMID(Molded Interconnect Devices)基板120とで構成される3次元回路ブロック130がパッケージ3に収納されている。MID基板120は、樹脂成形品121の表面に回路パターン122が形成されている。なお、本実施形態では、IC素子2と上記コンデンサとMID基板120とで、焦電型赤外線検知素子1の出力電流を信号処理する信号処理部を構成している。また、この信号処理部の回路構成としては、例えば上記特許文献1などに開示された周知の回路構成を採用すればよい。
本実施形態におけるパッケージ3は、いわゆるキャンパッケージである。このパッケージ3は、円盤状のステム131と、このステム131に接合される有底円筒状のキャップ132と、このキャップ132の底部に形成された開口部132aを閉塞するように配置され赤外線を透過する機能を有する赤外線透過部材133とで構成されている。ステム131およびキャップ132は、いずれも金属製である。赤外線透過部材133としては、シリコン基板の両面あるいは一面に光学多層膜などからなるフィルタ部を設けた平板状の光学フィルタを用いているが、これに限らず、例えば、陽極酸化技術を応用した半導体レンズの製造方法(特許第3897055号公報、特許第3897056号公報など参照)により形成した半導体レンズを用いてもよい。ステム131は、上記信号処理部に電気的に接続される3本のリードピン140(図16には2本のみ図示されている)を保持している。各リードピン140は、MID基板120に結合されて上記信号処理部と電気的に接続される。なお、3本のリードピン140は、1本がIC素子2への給電用、他の1本が信号出力用、残りの1本がグランド用である。
本実施形態の赤外線センサは、人体検知センサであり、焦電型赤外線検知素子1として、実施形態2で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いているが、これに限らず、実施形態3で説明した焦電型赤外線検知素子1や実施形態5で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いてもよい。
しかして、本実施形態の赤外線センサにおいても、実施形態2で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いていることにより、周囲環境の温度変化の影響を受けにくくなるため、周囲環境の温度変化の影響を抑制することが可能となる(ここでは、人体の誤検知を抑制することが可能となる)。
また、本実施形態の赤外線センサにおいて、実施形態5で説明した焦電型赤外線検知素子1のように各受光部20の各々を取り囲むスリット13が形成されたものを用いれば、各受光部20の平面視形状が正方形状であり、平面視においてスリット13が受光部20の4辺のうちの3辺を取り囲んでいるので、実施形態2で説明したX方向およびY方向のいずれの方向からの人体の動きも安定して検知することが可能となる。
(実施形態7)
本実施形態の赤外線センサは、図17および図18に示すように、焦電型赤外線検知素子1と、この焦電型赤外線検知素子1の出力電流を信号処理する信号処理部200と、焦電型赤外線検知素子1および信号処理部200が収納されたパッケージ3とを備えている。
本実施形態における信号処理部200は、焦電型赤外線検知素子1がゲートに接続されるインピーダンス変換用の電界効果トランジスタ202と、この電界効果トランジスタ202のゲート電位を設定するための高抵抗値の抵抗203とを用いた電流電圧変換回路である。すなわち、信号処理部200は、焦電型赤外線検知素子1と、電界効果トランジスタ202と、抵抗203と、これらが実装されたプリント配線基板からなる回路基板201とで構成されている。回路基板201は、円板状に形成されている。
本実施形態の赤外線センサは、人体検知センサであり、焦電型赤外線検知素子1として、実施形態5で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いているが、これに限らず、実施形態2で説明した焦電型赤外線検知素子1や実施形態3で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いてもよい。焦電型赤外線検知素子1は、回路基板201の一表面上に配置された2つの支持台204,204により支持されている。
パッケージ3の構成は実施形態6と略同じであり、金属製のステム131と、金属製のキャップ132と、赤外線透過部材133とで構成されている。なお、ステム131は、信号処理部200の出力を外部に取り出すための3本のリードピン140を保持している。各リードピン140は、回路基板201に結合されて信号処理部200と電気的に接続される。
以上説明した本実施形態の赤外線センサにおいても、実施形態2で説明した焦電型赤外線検知素子1を用いていることにより、周囲環境の温度変化の影響を受けにくくなるため、周囲環境の温度変化の影響を抑制することが可能となる(ここでは、人体の誤検知を抑制することが可能となる)。
実施形態2,3,5,6,7における焦電型赤外線検知素子1は、2個×2個の受光部20がマトリクス状に配列されているが、これに限らず、偶数個×偶数個の受光部20がマトリクス状に配列されたものであればよく、例えば、4個×4個の受光部20がマトリクス状に配列されたものでもよいし、6個×6個の受光部20がマトリクス状に配列されたものでもよい。
また、実施形態5,6,7では、赤外線センサとして、人体検知センサを例示したが、赤外線センサは、これに限らず、例えば、ガスセンサ、炎センサなどでもよく、用途に応じて、焦電型赤外線検知素子1のタイプを、デュアルタイプ、クワッドタイプ、シングルタイプの中から適宜選択すればよい。
ここで、赤外線センサを人体検知センサとして用い、照明負荷と電源との間に設けたスイッチ要素(スイッチング素子、リレーなど)を人体検知センサの出力に基づいてオンオフさせる制御回路などと合わせて用いるようにすれば、焦電型赤外線検知素子1の周囲環境の温度変化があったときに、人体検知センサの検知エリア内に人体が存在しないにもかかわらず照明負荷が点灯してしまう誤動作が発生するのを防止することが可能となり、省エネルギ化を図れる。
また、赤外線センサをガスセンサや炎センサとして用いる場合、焦電型赤外線検知素子1の周囲環境の温度変動があったときに、検知エリア内に検知対象のガスや炎が存在しないにもかかわらず発報してしまう誤動作が発生するのを防止することが可能となり、信頼性を高めることが可能となる。
1 焦電型赤外線検知素子
2 IC素子(信号処理部)
3 パッケージ
5 パッケージ蓋(赤外線透過部材)
6 支持体
10 焦電体基板
11 焦電体基板において2つ一組の電極に挟まれた部分
13 スリット
20 受光部
30 出力端子部
32 接続部
40 配線部
50 ダミー配線
133 赤外線透過部材
200 信号処理部

Claims (8)

  1. 焦電体基板の中央部で前記焦電体基板の厚み方向の両面に形成され互いに対向する2つ1組の電極と前記焦電体基板において前記2つ1組の電極に挟まれた部分とで構成される受光部と、前記焦電体基板の両端部に形成された一対の出力端子部と、前記焦電体基板の前記両面それぞれに形成され前記受光部と前記一対の出力端子部とを接続する2つ1組の配線部とを備え、前記焦電体基板の前記両面において前記配線部とは反対の面側に形成されて前記配線部と対をなすダミー配線が設けられるとともに、前記ダミー配線が、前記受光部に直接接続されることなく前記対をなす前記配線部と同電位に接続されてなることを特徴とする焦電型赤外線検知素子。
  2. 前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、前記配線部が接続されている前記出力端子部において同電位に接続されてなることを特徴とする請求項1記載の焦電型赤外線検知素子。
  3. 前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、互いに対向して配置されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の焦電型赤外線検知素子。
  4. 前記対をなす前記配線部と前記ダミー配線とは、線幅が略同じであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の焦電型赤外線検知素子。
  5. 前記焦電体基板において偶数個×偶数個の前記受光部がマトリクス状に配列されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の焦電型赤外線検知素子。
  6. 前記焦電体基板は、平面視において前記受光部を取り囲み前記厚み方向に貫通するスリットが形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の焦電型赤外線検知素子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の焦電型赤外線検知素子を備えることを特徴とする赤外線センサ。
  8. 前記焦電型赤外線検知素子の出力電流を信号処理する信号処理部と、前記焦電型赤外線検知素子および前記信号処理部が収納されたパッケージとを備え、前記パッケージの一部が前記焦電型赤外線検知素子での検知対象の赤外線を透過する赤外線透過部材により構成されてなることを特徴とする請求項7記載の赤外線センサ。
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