JPH1114452A - 焦電素子 - Google Patents

焦電素子

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JPH1114452A
JPH1114452A JP16932197A JP16932197A JPH1114452A JP H1114452 A JPH1114452 A JP H1114452A JP 16932197 A JP16932197 A JP 16932197A JP 16932197 A JP16932197 A JP 16932197A JP H1114452 A JPH1114452 A JP H1114452A
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Makoto Taniguchi
良 谷口
Motoo Igari
素生 井狩
Yuji Takada
裕司 高田
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Hiroyuki Yagyu
博之 柳生
Kyosuke Iribe
恭輔 入部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料基板の表、裏面に形成される電極、導電ラ
ンドを含む導電パターンが、材料基板の表、裏面におい
て多少のズレをもって形成された場合にも、受光部の感
度バランスを保持できるようにした焦電素子を提供す
る。 【解決手段】焦電効果を有する材料基板の表、裏面に、
該材料基板の両端部に形成されたそれぞれの電極部から
枝パターンを経て延びる複数の導電ランドをほぼ同等な
形状で形成し、材料基板の表、裏面のそれぞれに形成さ
れた導電ランドで材料基板の表、裏面を挟み込んだ部分
を受光部として構成した焦電素子において、導電ランド
を、該導電ランドに付設されるようにして延びる枝パタ
ーンの枝先部とともに、材料基板の横中心線に対して、
線対称に対設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線検知器等に
使用される焦電素子に関し、特に、感度バランスのよい
受光部を量産的に製造するために好適に実施される導電
パターン形状に特徴を有したものである。
【0002】
【従来の技術】一般に人体を赤外線の変化量で検出する
素子には、焦電素子(焦電形赤外線センサ)と呼ばれる
ものが多くを占めている。このような焦電素子を用いた
赤外線検知器は、防犯用侵入検知器や、照明等の負荷の
自動制御用として急速に普及しつつある。
【0003】この種の焦電素子は、PbTiO3 、PZ
TなどのセラミックやLiTaO3などの単結晶、PV
F2 などの高分子に代表される焦電効果を有する材料を
検知素子として利用いる。ここに、焦電効果とは、分極
している焦電素子に赤外線が入射すると熱に変換され、
その温度変化により今まで空気中のイオンと平衡状態に
あった状態がバランスを崩し、これにより電荷を発生す
る特性をいうが、焦電素子では、通常このときに発生す
る電荷を、FETと高抵抗によりインピーダンス変換
し、電圧信号として取り出すものである。
【0004】図17は赤外線検知器の構造を示す分解斜
視図、図13(a)、(b)、(c)は焦電素子のイン
ピーダンス変換回路、つまり焦電素子の受光部とFE
T、高抵抗との接続関係を示している。図例の赤外線検
知器Sは、4つの受光部100aを有した焦電素子10
0が使用されており、このタイプは一般的にはクワッド
タイプあるいは4エレメントタイプと呼ばれている。
【0005】このような受光部100aを形成した焦電
素子100は、FETと高抵抗Rを組み合わせたインピ
ーダンス変換回路や、その他の電子部品(図示略)とと
もに、プリント基板104上に実装され、その際、焦電
素子100は、基板101の両端に形成された電極部1
00b,100bをプリント基板104に設けた支持部
105、105の上に橋渡し接続して、プリント基板1
04との熱的アイソレーションを確保している。そし
て、このようにして焦電素子100と、その他の電子部
品を実装したプリント基板104は、3本の導電脚部1
06aを設けた基板106に載置され、最後に赤外線フ
ィルタ窓107aを設けたCANパッケージ107が被
せられて、赤外線検知器Sとして使用される。
【0006】焦電素子の受光部102aは、電気的には
コンデンサを構成しており、図18(a)〜(c)は、
焦電素子とFET、高抵抵抗Rとを組み合わせて構成さ
れるインピーダンス変換回路のバリエーションを示して
いる。なお、図19は、焦電素子100に2つの受光部
100a、100aを設けたもので一般的にデュアルタ
イプと呼ばれ、図20(a),(b)はデュアルタイプ
のインピーダンス変換回路の接続関係を示す図である。
【0007】ところで、このような焦電素子100は、
1つの焦電素子100の大きさは約2.2mm×4.6
mmと小さい。そのため所定の電極、導電パターンを複
数個メタルマスクに形成し、例えば2.5インチサイズ
の焦電効果を有する材料のウエハの表面及び裏面に、厚
さ約200〜500ÅのNiCr等の材料を蒸着するこ
とにより図21に示したように電極、導電パターンを形
成し、ダイシング等の方法により切断して、1毎のウエ
ハWから数百個が製造されている。
【0008】このような焦電素子は、図22、図23に
示すように、焦電効果を有する材料基板101の表、裏
面に、それぞれの両端部に形成された電極部101a,
101b(101a’,101b’)から枝パターン1
02(102’)を経て延びる複数の導電ランド103
(103’)をほぼ同等なパターン形状で形成し、材料
基板101の表、裏面にそれぞれ形成された極性の異な
る導電ランド103(103’)で挟み込んだ部分を受
光部としており、このような表、裏面の導電ランド10
3(103’)を含む電極、導電パターンの位置合わせ
は、蒸着用の治具用を用いてずれが発生しない(寸法公
差内に入る)ように留意されているが、約50μm程度
のずれが発生することは一般的にもやむ得ないものとさ
れている。
【0009】ついで、このような焦電素子の製造時の問
題点について述べる。図22(a),(b)は従来より
使用されている4エレメントクロスタイプの焦電素子1
00の表、裏面の電極、導電パターンの形状を、また図
23(a)〜(c)は焦電素子100を表面から見た場
合の電極、導電パターンの透視図を示している。
【0010】今、材料基板101の表面において、上方
に存在する電極部101aを(+)極性、下方に存在す
る電極部101bを(−)極性とすると、4つの受光部
のうち、表面において(+)電極部101aに枝パター
ン102を通じて結線されている受光部が(+)の極性
を有し、(−)電極部101bと枝パターン102を通
じて結線されている受光部が(−)の極性を有する。裏
面も同様である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
焦電素子では、焦電素子の表面の導電ランドを含む電
極、導電パターンと裏面の導電ランドを含む電極、導電
パターンが、材料基板の縦方向の中心線Lbに対して、
正当な位置(ずれのない位置)に形成された場合には、
図23(a)に示したように、4つの受光部Kの大きさ
(面積)は等しく、感度のバランスも保持されている。
【0012】しかしながら、ウエハに電極を蒸着する際
に、何らかの原因により、表、裏面に形成する導電ラン
ド103(103’)を含む電極、導電パターンが、材
料基板の縦方向中心線Lbに対して若干右方向にずれて
形成された場合(図23(b)に示す)や、左方向にず
れて形成された場合(図23(c)に示す)には、ある
受光部Kについては、表、裏面で極性の異なる枝先部1
03a,103a’どうしが重なり合い、その部分K’
も本来の受光部Kと同じ機能を果たすことになり、その
結果4つの受光部Kの有効面積のバランスが崩れ、感度
はアンバランスになってしまう。
【0013】また、このような問題は、図24(a),
(b)に示した4エレメントデュアルの焦電素子につい
ても同様であり、表、裏面に形成する導電ランドを含む
電極、導電パターンが、材料基板の縦方向中心線に対し
て若干右方向にずれて形成された場合(図23(b)に
示す)や、左方向にずれて形成された場合(図23
(c)に示す)には、ある受光部Kについては、表、裏
面で極性の異なる枝先部103a,103a’どうしで
重なり合う箇所が形成されるため、その部分K’も本来
の受光部Kと同じ機能を果たすことになり、この結果4
つの受光部の有効面積が異なり、感度はアンバランスに
なってしまう。
【0014】ところで、焦電素子において、このように
して各受光部の有効面積が異なる場合には、感度のアン
バランス状態が発生すし、定常ノイズの増大、外来ノイ
ズ(電気的軸射ノイズ、外乱交等)に弱くなる等の現象
が確認されており、結果的に信頼性が低くなるといった
問題が生じる。しかしながら、本発明者らの知る限りに
おいては、以上のような従来の焦電素子においては、焦
電素子の表、裏面に形成された導電ランドに付属して設
けられた枝先部は、導電すべき枝パターンとの距離が短
くなるように直線状に走って形成されており、これらの
位置関係や形状は、他の導電ランドに付属して設けられ
た枝先部とは調整はされておらず、材料基板の表、裏面
にズレないようにパターニングを形成すれば、受光部の
バンランスは保たれるという考え方が支配的であり、そ
のために、焦電素子を製造段階において、電極、導電パ
ターンをいかに精度良く形成するかが歩留まりを向上さ
せるための最良の方策であるとの認識に支配されてい
た。
【0015】本発明は、上記従来の問題を解消し、表面
の導電ランドを含む電極、導電パターンと、裏面の導電
ランドを含む電極、導電パターンとが、材料基板の縦方
向の中心線に対して所定の位置よりもずれて形成された
場合でも、全ての受光部の有効面積を同じ割合で増減さ
せることができ、そのため各受光部の有効面積にアンバ
ランスを生じることなく、信頼性を高くすることができ
る焦電素子を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、以下に延べる種々の態様の電極、導電パ
ターンを備えた焦電素子を提案している。すなわち、請
求項1において提案された焦電素子は、焦電効果を有す
る材料基板の表、裏面には、表、裏面のそれぞれの両端
部に形成された電極部から枝パターンを経て延びる複数
の導電ランドをほぼ同等なパターン形状で形成するとと
もに、材料基板の表、裏面のそれぞれに形成された導電
ランドで材料基板の表、裏面を挟み込んだ部分を受光部
として構成した基本構造を成しており、材料基板の表、
裏面に形成される導電ランドと、この導電ランドに付属
して枝パターンに導通される枝先部は、材料基板を横方
向に貫く中心線に対して、線対称となる位置関係に対設
された構造になっている。
【0017】ここに、材料基板の表、裏面の横方向中心
線に対して対設される枝先部は、対応するものどうしが
同じ長さ寸法である必要はなく、材料基板の縦方向に一
直線状に整列するものであればよい。この請求項1の焦
電素子の最も代表的な実施形態では、材料基板の表、裏
面を横方向に貫く中心線に対して、線対称となるように
対設される導電ランドと、それに付設される枝先部を、
材料基板の縦方向に直線状に走るパターンの対として形
成される(請求項4)。また、このような焦電素子は、
受光部の接続形態からエレメントクロス、エレメントデ
ュアルとして実現できる(請求項7,8)。
【0018】請求項2において提案された焦電素子は、
焦電効果を有する材料基板の表、裏面に、表、裏面のそ
れぞれの両端部に形成された電極部から枝パターンを経
て延びる複数の導電ランドを形成するとともに、材料基
板の表、裏面のそれぞれに形成された導電ランドで材料
基板の表、裏面を挟み込んだ部分を受光部として構成し
ており、この点は請求項1と同様な基本構成となってい
る。しかしながら、この請求項2の焦電素子の特徴で
は、導電ランドと、この導電ランドに付属して枝パター
ンに通電される枝先部とを、材料基板を縦方向に貫く中
心線から等しい距離に平行移動させた位置関係に対設し
た構成になっている。
【0019】ここに、材料基板の表、裏面の縦方向中心
線から等しい距離に平行移動させた位置関係に対設され
る枝先部は、対応するものどうしが同じ長さ寸法である
必要はない。この請求項2の焦電素子では、導電ランド
に付設される枝先部は、材料基板の横方向中心線に対し
て、材料基板の縦方向に直線状に走るパターンの対と、
材料基板の斜め方向に直線状に走るパターンの対の組合
が代表的である(請求項5)。また、このような焦電素
子は、受光部の接続形態からエレメントクロスとして実
現できる(請求項9)。
【0020】請求項3において提案された焦電素子は、
材料基板の表、裏面に形成される導電ランド、枝パター
ンは、表、裏面において、ほぼ同様なパターン形状に形
成されている請求項1,2において提案したものとは異
なり、焦電効果を有する材料基板の表面には、その両端
部に形成された電極部から枝パターンを経て延びる複数
の導電ランドを形成しており、他方の材料基板の裏面に
は、その両端部に形成された電極部から延びる枝パター
ンと、複数の導電ランドとを、表面に対応したパターン
形状に形成している。それぞれの導電ランドで材料基板
の表、裏面を挟み込んだ部分を受光部としている点は、
請求項1,2と同じである。そして、この焦電素子で
は、導電ランドは、導電ランドに付属して枝パターンに
導通する枝先部とともに、材料基板の中心点に対して、
点対称な位置関係、つまり対角方向に対設している。
【0021】ここに、材料基板の表、裏面の中心点に対
して、点対称な位置関係に対設される枝先部は、対応す
るものどうしが同じ長さ寸法である必要はない。この請
求項3の焦電素子では、導電ランドに付設される枝先部
は、材料基板の中心点に対して、材料基板の縦方向に直
線状に走るパターンの対と、材料基板の斜め方向に直線
状に走るパターンの対の組合が採用できる。このような
焦電素子は、受光部の接続形態からエレメントデュアル
として実現できる(請求項10)。
【0022】ところで、以上の各構成を特徴とする本発
明の焦電素子は、材料基板の表、裏面に形成された導電
ランドは、表、裏いずれかの側のものが、他方の側のも
のよりもやや大きい面積に形成され、多少のズレに対し
ても重合する受光部の面積が一定になるようにしてお
り、材料基板の両端に形成された電極部から導電ランド
に延びる枝パターンは、受光部となる導電ランドと接近
しないように、材料基板の中心部や材料基板の縁端部を
直線状に走るように形成されており、この点は従来の焦
電素子と同様である。
【0023】したがって、材料基板に形成される枝先部
が材料基板の縦方向に直線状に走る形状に形成された場
合には、材料基板の表、裏面で極性の異なる電極部のそ
れぞれに導電ランドを接続するために延びた枝パターン
と枝先部が重合し、その部分には、図2や図4で示した
ような小さい四角状の孤立した受光部が形成されること
になる。
【0024】また一方、材料基板に形成される枝先部が
材料基板の斜め方向に走る形状に形成された場合には、
材料基板の表、裏面で極性の異なる電極部のそれぞれに
導電ランドを接続するために延びた枝パターンと枝先部
が重合し、その部分には、小さいひし形状の孤立した受
光部が形成されることになる。しかしながら、このよう
な四角やひし形の受光部は、表、裏面の導電ランドが重
合した部分に形成される受光部に比べて著しく小さく、
しかも、それぞれの極性も相反する関係に形成されるた
め、焦電素子の受光部の感度バランスには殆ど影響を与
えないことに注目すべきである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る焦電素子の実
施の形態について、図とともに説明する。 [第一の実施例]図1、図2は、第一の実施例を示して
いる。ここに、図1の(a),(b)は材料基板の表
面、裏面に形成される電極、導電パターンを示してい
る。
【0026】また、図2は材料基板の表、裏面の透視図
を示しており、(a)は、材料基板の表、裏面に形成さ
れる電極、導電パターンが縦方向の中心線に対してズレ
ることなく正しく整合している状態、(b)は裏面の電
極、導電パターンが縦方向の中心線に対して右方向にズ
レた状態、(c)は裏面の電極、導電パターンが縦方向
の中心線に対して左方向にズレた状態を、ぞれぞれ示し
ている。
【0027】この第一の実施例の特徴は、導電ランド3
と、これに付属する枝先部3aを、材料基板1の横方向
中心線Laに対して、線対称な位置関係に配置した点に
あり、図では表、裏面に4つの受光部を設けた4エレメ
ントクロスタイプの焦電素子を示している。材料基板1
の表面は、図1(a)に見るように、材料基板1の両端
に形成された電極部(インピーダス変換回路などを実装
した回路基板に設けられた支持台となっている)
(+),(−)から枝パターン2を延ばし、その先に枝
先部3aを付属させて複数の導電ランド3が形成されて
いる。
【0028】すなわち、紙面の上方に形成された(+)
電極部と、紙面の下方に形成された(−)電極部から延
びた枝パターン2は、前者のものは、材料基板1の縦方
向中心線Lbに沿って下方に延びる部分の上、下で右、
左に分岐し、その先に枝先部3aを付属させた導電ラン
ド3を形成している。また、後者のものは、紙面の下方
に形成された(−)電極部の両側部から分岐して上方向
に延び、それぞれの先には内方に向けて延び、その先に
枝先部3aを付属させた導電ランド3を形成している。
なお、4は材料基板1の表、裏面を識別するマーカとな
る導電部である。
【0029】一方の材料基板1の裏面には、図1(b)
に見るように、紙面の上方に形成された(+)電極部
と、紙面の下方に形成された(−)電極部から延びた枝
パターン2’と、その先に枝先部3a’を付属した複数
の導電ランド3’が、表面とほぼ同じパターン形状に形
成されているが、裏面に形成された導電ランド3’は、
表面に形成された導電ランド3よりもやや面積が大きく
なっている。
【0030】なお、図例のものでは、材料基板1の表面
で、横方向中心線Laに対して線対称に配置された導電
ランド3のそれぞれに付属させた枝先部3aは、上方の
ものが下方のものより長い寸法に形成されているが、同
じ寸法に形成してもよいことはいうまでもない。つい
で、図2(a)〜(c)を参照して、本発明の利点を説
明するが、これらの図では、必要な部分のみに参照符号
を付しており、参照符号のない部分は図1(a),
(b)の対応部分と同一の符号が付される。また、それ
ぞれの受光部の極性は図に示したものとして説明する。
【0031】以上のような本発明の焦電素子において、
電極、導電パターンが、材料基板1の表、裏面におい
て、それぞれの縦方向中心線Lbに対してズレることな
く正しい位置に形成された場合には、表、裏面の電極、
導電パターンの透視図は図2(a)に示したようにな
る。すなわち、表面の(+)電極部あるいは(−)電極
部に、枝パターン2を通じ、その先に枝先部3aを付属
させて形成されたそれぞれの導電ランド3は、裏面に形
成された極性の異なる導電ランド3’とすべての部分が
重合され、その部分に受光部A(図では黒塗部分で示
す)が形成される。そして、このとき基板1の表、裏面
の極性の異なる枝先部3a,3a’と枝パターン3,
3’とは小さい四角の重合した部分5が1組形成され、
この部分も受光部として機能することになる。しかしな
がら、この重合した部分5は、基板1の表、裏の極性の
異なる導電ランド3,3を重合した部分に形成される受
光部Aに比べて十分に小さく、センサの受光部として見
た場合にも極性が相反しており、受光部Aとは孤立して
形成され、その面積も等しい。そのため、各極性の感度
バランスが悪化したり、感度が低下するといった問題も
なく、受光部A’のバランスは保持されることになる。
【0032】ところが、一方、裏面の電極、導電パター
ンが縦方向の中心線Lbに対して右方向にズレた状態に
は、表、裏面の電極、導電パターンの透視図は図2
(b)に示したようになる。すなわち、表面、裏面の
(+)電極部あるいは(−)電極部の各々に、枝パター
ン2,2’を通じて接続された導電ランド3,3’は、
その内の面積の小さい表面の導電ランド3は面積の大き
い裏面の導電ランド3’から一部が左方向にはみ出し、
そのため4つの受光部A’の有効面積はいずれもが減少
する。また、このとき表、裏面の極性の異なる枝先部3
a,3a’の一部も重合するので、その重合部5’は導
電ランド3,3’に導通して受光部A’に付加されるた
め、減少した受光部A’の面積は補充されることにな
る。したがって、この状態では、4つの受光部A’は、
いずれも面積の増減度合が等しくなり、その結果として
バランスは保持されることになる。
【0033】また、裏面の電極、導電パターンが縦方向
の中心線に対して左方向にズレた状態には、表、裏面の
電極、導電パターンの透視図は図2(c)に示したよう
になる。すなわち、表面の(+)電極部あるいは(−)
電極部に、枝パターン2,2’を通じて接続された導電
ランド3,3’は、その内の面積の小さい表面の導電ラ
ンド3は面積の大きい裏面の導電ランド3’から図2
(b)の場合とは逆方向にはみ出し、そのため4つの受
光部A”の有効面積はいずれもが減少する。また、この
とき表、裏の極性の異なる枝先部と枝パターンの一部も
重合して導電ランドとは孤立した四角い重合部5が形成
され、受光部として機能することになるが、この重合部
5も、それぞれの極性が異なり、その面積も等しいた
め、結果として図2(a)の場合と同様に相殺され、全
体の受光部A”のバランスは保持される。
【0034】以上より理解されるように、図2(a)〜
(c)の各場合では、1つの受光部の有効面積(極性の
異なる表、裏面の導電ランドが重合した部分)は、それ
ぞれが異なることになるが、それらの場合における4つ
の受光部における増減度合はいずれも等しいため、結果
として、4つの受光部A,A’,A”としてはバランス
が保持されることになる。
【0035】また、以上のような第一の実施例は、種々
の変形例をもって実施される。図3(a),(b)は4
つの受光部を4エレメントデュアルタイプの接続形態に
構成した場合の材料基板の表、裏面に形成される電極、
導電パターン例を示している。この例の場合、材料基板
の表、裏面に形成される電極、導電パターンが縦方向の
中心線に対してズレることなく正しく整合している図4
(a)に示した状態や、裏面の電極、導電パターンが縦
方向の中心線に対して右方向にズレた図4(b)の場合
では、受光部に対して孤立した重合部5はいずれも対角
方向に1組が形成されるが、裏面の電極、導電パターン
が縦方向の中心線に対して左方向にズレた状態では、図
4(c)に示したように、重合部6は、受光部Aに接続
付加されるように形成される。ところが、図4(a)〜
(c)を見れば分かるように、1つの受光部の有効面積
(極性の異なる表、裏面の導電ランドが重合した部分)
は異なっても、それぞれの場合における4つの受光部に
おける増減度合はいずれも等しいため、結果として、4
つの受光部A,A’,A”としては、いずれの場合もバ
ランスが保持されることになる。 [第二の実施例]図5、図6は、第二の実施例を示して
いる。
【0036】ここに、図5の(a),(b)は材料基板
の表面、裏面に形成される電極、導電パターンを示して
いる。また、図6は材料基板の表、裏面を重合させた場
合の透視図を示しており、(a)は、材料基板の表、裏
面に形成される電極、導電パターンが縦方向の中心線に
対してズレることなく正しく整合している状態、(b)
は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中心線に対して
右方向にズレた状態、(c)は裏面の電極、導電パター
ンが縦方向の中心線に対して左方向にズレた状態を、ぞ
れぞれ示している。
【0037】この第二の実施例の特徴は、材料基板1の
表、裏面に形成される導電ランド3,3’と、この導電
ランド3,3’に付属する枝パターン2,2’の枝先部
3a,3a’とを、材料基板1を縦方向に貫く中心線L
bから等しい距離に平行移動させた位置関係に対設して
いる。この焦電素子では、焦電効果を有する材料基板1
の表、裏面の各々には、表、裏面のそれぞれの両端部に
形成された(+),(−)電極部から枝パターン2,
2’を経て延びる複数の導電ランド3,3’を形成し、
これらの導電ランド3,3’で材料基板1の表、裏面を
挟み込んだ部分を受光部Aとして構成しており、この点
は第一の実施例と同様な基本構造をなしている。
【0038】図例のものでは、4エレメントクロスの受
光部を構成しており、導電ランド3,3’に付属する枝
先部は、材料基板1の横方向中心線Laに対して、材料
基板1の縦方向に直線状に走るパターンの対3a,3
a’と、材料基板1の斜め方向に直線状に走るパターン
の対3b,3b’とが形成されている。材料基板1の表
面、裏面に形成された電極、導電パターンは、図1に示
した部分に対応する箇所には同じ符号を付して、説明を
省略する。
【0039】このような第二の実施例について、図6
(a)〜(c)を参照して、本発明の利点を説明する。
これらの図も必要な部分のみに参照符号を付している
が、参照符号のない部分は図5(a),(b)の対応部
分と同一の符号が付される。また、それぞれの受光部の
極性を図に示したものとして説明する。以上のような本
発明の焦電素子において、電極、導電パターンが、材料
基板の表、裏面において、それぞれの縦方向中心線Lb
に対してズレることなく正しい位置に形成された場合に
は、表、裏面の電極、導電パターンの透視図は図2の
(a)に示したようになる。
【0040】すなわち、表面の(+)電極部あるいは
(−)電極部に、枝パターン2を通じ、その先に枝先部
3aを付属させて形成されたそれぞれの導電ランド3
は、裏面に形成された極性の異なる導電ランド3’とす
べての部分が重合され、その部分に受光部A(図では黒
塗部分で示す)が形成される。そして、このとき表、裏
の極性の異なる枝先部3a,3a’は、それぞれが材料
基板1の表、裏面を斜め方向に走っているため、小さい
ひし形の重合した部分6が受光部Aから孤立して1組形
成され、この部分も受光部として機能することになる。
しかしながら、この重合した部分6は導電ランド3,
3’を重合させて形成される本来の受光部Aに比べて十
分に小さく、それぞれの極性が相反しており、その面積
も等しいため、各極性の感度バランスが悪化したり、感
度が低下するといった問題もなく、1つの焦電素子とし
て見た場合には、全体の受光部Aのバランスは保持され
ることになる。
【0041】ところが、一方、裏面の電極、導電パター
ンが縦方向の中心線Lbに対して右方向にズレた状態に
は、表、裏面の電極、導電パターンの透視図は図7
(b)に示したようになる。すなわち、表面、裏面の
(+)電極部あるいは(−)電極部の各々に、枝パター
ン2,2’を通じて接続された導電ランド3,3’は、
その内の面積の小さい表面の導電ランド3は面積の大き
い裏面の導電ランド3’から一部が右方向にはみ出し、
そのため4つの受光部A’の面積はいずれもが減少す
る。また、このとき表、裏面において極性が異なり、斜
め方向に延びた枝先部3a,3a’の一部も重合する。
そして、このとき表、裏の極性の異なる枝先部3b,3
b’は、それぞれが材料基板1の表、裏面を斜め方向に
走っているため小さいひし形の重合した部分6が本来の
受光部A’から孤立した位置に1組形成され、この部分
も受光部として機能することになる。しかしながら、こ
の重合した部分6は導電ランドを重合させて形成される
受光部A’に比べて十分に小さく、それぞれの極性が相
反しており、その面積も等しいため、各極性の感度バラ
ンスが悪化したり、感度が低下するといった問題もな
く、1つの焦電素子として見た場合には、受光部A’の
バランスは保持されることになる。
【0042】一方、裏面の電極、導電パターンが縦方向
の中心線に対して左方向にズレた状態には、表、裏面の
電極、導電パターンの透視渦は図6(c)に示したよう
になる。すなわち、表面の(+)電極部あるいは(−)
電極部に、枝パターン2,2’を通じて接続された導電
ランド3,3’は、その内の面積の小さい表面の導電ラ
ンド3は面積の大きい裏面の導電ランド3’から図6
(b)の場合とは逆方向にはみ出し、そのため4つの受
光部A”の有効面積はいずれもが減少する。そして、こ
のとき表、裏の極性の異なる枝先部3a,3a’は、そ
れぞれが材料基板1の表、裏面を斜め方向に走っている
ため小さいひし形の重合した部分6が本来の受光部A”
とは孤立して1組形成され、この部分も受光部として機
能することになる。しかしながら、この重合した部分6
は導電ランドを重合させて形成される受光部A”に比べ
て十分に小さく、それぞれの極性が相反しており、その
面積も等しいため、各極性の感度バランスが悪化した
り、感度が低下するといった問題もなく、1つの焦電素
子として見た場合には、全体の受光部Aのバランスは保
持されることになる。
【0043】以上に説明したように、この第二の実施例
においても、図6(a)〜(c)に示した各場合では、
1つの受光部の有効面積(極性の異なる表、裏面の導電
ランドが重合した部分)は異なることになるが、それぞ
れの場合における4つの受光部における増減度合はいず
れも等しいため、結果として、4つの受光部A,A’,
A”としてはバランスが保持されることになる。 [第三の実施例]図7、図8は、第三の実施例を示して
いる。
【0044】ここに、図7の(a),(b)は材料基板
の表面、裏面に形成される電極、導電パターンを示して
いる。また、図8は材料基板の表、裏面を重合させた場
合の透視図を示しており、(a)は、材料基板の表、裏
面に形成される電極、導電パターンが縦方向の中心線に
対してズレることなく正しく整合している状態、(b)
は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中心線に対して
右方向にズレた状態、(c)は裏面の電極、導電パター
ンが縦方向の中心線に対して左方向にズレた状態を、ぞ
れぞれ示している。
【0045】この第三の実施例の特徴は、材料基板1の
表、裏面に形成される導電ランド3,3’、枝パターン
2,2’は、第一の実施例一や第二の実施例として示し
たものとは異なり、焦電効果を有する材料基板1の表面
には、その両端部に形成された(+),(−)電極部か
ら枝パターン2を経て延びる複数の導電ランド3を形成
しており、他方の材料基板1の裏面には、その両端部に
形成された(−),(+)電極部から延びる枝パターン
2’と、複数の導電ランド3’とを、表面に形成した電
極、導電パターンに対応させたパターン形状に形成して
いる。材料基板1の表、裏面に形成した導電ランド3,
3’で挟み込んだ部分を受光部としている点は、第一の
実施例や第二の実施例と同じである。
【0046】また、この第三の実施例では、材料基板1
の表、裏面に形成された導電ランド3,3’は、導電ラ
ンド3,3’に付属して枝パターン2,2’に導通する
枝先部3a,3b,3a’,3b’とともに、材料基板
1の中心点Oに対して、点対称な位置関係、つまり対角
方向に対設している。図例では、材料基板1の表、裏面
に形成される導電ランド3,3’に付設される枝先部3
a,3a’は、材料基板1の中心点Oに対して、材料基
板1の縦方向に直線状に走るパターンの対3a,3a’
と、材料基板1の斜め方向に直線状に走るパターンの対
3b,3b’を組合せているが、このような組合せに限
定されるものではない。
【0047】このような第三の実施例について、図8
(a)〜(c)を参照して、本発明の利点を説明する。
これらの図も必要な部分のみに参照符号を付している
が、参照符号のない部分は図7(a),(b)の対応部
分と同一の符号が付される。また、それぞれの受光部の
極性も図に示したものとして説明する。以上のような本
発明の焦電素子において、電極、導電パターンが、材料
基板の表、裏面において、それぞれの縦方向中心線Lb
に対してズレることなく正しい位置に形成された場合に
は、表、裏面の電極、導電パターンの透視図は図8
(a)に示したようになる。
【0048】すなわち、表面の(+)電極部あるいは
(−)電極部に、枝パターン2を通じ、その先に枝先部
3a,3bを付属させて形成されたそれぞれの導電ラン
ド3は、裏面に形成された極性の異なる導電ランド3’
とすべての部分が重合され、その部分に受光部A(図で
は黒塗部分で示す)が形成される。そして、このとき材
料基板1の表、裏面に形成された枝先部3b,3b’
は、いずれも材料基板1の表、裏面を斜め方向に走って
いるため小さいひし形の重合した部分6が1組形成さ
れ、この部分も受光部として機能することになる。しか
しながら、この重合した部分6は導電ランド3,3’を
重合させて形成される受光部Aに比べて十分に小さく、
それぞれの極性が相反しており、その面積も等しいた
め、各極性の感度バランスが悪化したり、感度が低下す
るといった問題もなく、1つの焦電素子として見た場合
には、全体の受光部Aのバランスは保持されることにな
る。
【0049】ところが、一方、裏面の電極、導電パター
ンが縦方向の中心線Lbに対して右方向にズレた状態に
は、表、裏面の電極、導電パターンの透視図は図8
(b)に示したようになる。すなわち、表面、裏面の
(+)電極部あるいは(−)電極部の各々に、枝パター
ン2,2’を通じて接続された導電ランド3,3’は、
その内の面積の小さい表面の導電ランド3は面積の大き
い裏面の導電ランド3’から一部がはみ出し、そのため
4つの受光部A’の面積はいずれもが減少する。また、
このとき表、裏面において極性が異なり、斜め方向に延
びた枝先部3b,3b’の一部も重合する。そして、こ
のとき表、裏の極性の異なる枝先部3b,3b’は、そ
れぞれが材料基板1の表、裏面を斜め方向に走っている
ため小さいひし形の重合した部分6が1組形成され、こ
の部分も受光部として機能する。しかし、この重合した
部分6は導電ランドを重合させて形成される受光部A’
に比べて十分に小さく、それぞれの極性が相反してお
り、その面積も等しいため、各極性の感度バランスが悪
化したり、感度が低下するといった問題もなく、1つの
焦電素子として見た場合には、全体の受光部A’のバラ
ンスは保持されることになる。
【0050】一方、裏面の電極、導電パターンが縦方向
の中心線に対して左方向にズレた状態には、表、裏面の
電極、導電パターンの透視図は図2(c)に示したよう
になる。すなわち、表面の(+)電極部あるいは(−)
電極部に、枝パターン2,2’を通じて接続された導電
ランド3,3’は、その内の面積の小さい表面の導電ラ
ンド3は面積の大きい裏面の導電ランド3’から図8
(b)の場合とは逆方向にはみ出し、そのため4つの受
光部A”の有効面積はいずれもが減少する。そして、こ
のとき表、裏の極性の異なる枝先部3b,3b’は、そ
れぞれが材料基板1の表、裏面を斜め方向に走っている
ため小さいひし形の重合した部分6が1組孤立して形成
され、この部分も受光部として機能する。しかし、この
重合した部分6は導電ランドを重合させて形成される受
光部A”に比べて十分に小さく、それぞれの極性が相反
しており、その面積も等しいため、各極性の感度バラン
スが悪化したり、感度が低下するといった問題もなく、
1つの焦電素子として見た場合には、全体の受光部A”
のバランスは保持されることになる。
【0051】以上、図8(a)〜(c)の各場合では、
1つの受光部A,A’,A”の有効面積(極性の異なる
表、裏面の導電ランドが重合した部分)は異なることに
なるが、それぞれの場合における4つの受光部における
増減度合はいずれも等しいため、結果として、4つの受
光部としてはバランスが保持されることになる。以上の
ような本発明の焦電素子は、材料基板の表、裏面に形成
する電極、導電パターンの形状を種々変更することによ
って実施できる。図9(a),(b),図11(a),
(b),図13(a),(b),図15(a),(b)
は、前述した第一、第一の変形例、第二、第三の実施例
を更に変更した態様をそれぞれ示している。
【0052】図9,図10に示した実施形態は、4エレ
メントクロスタイプのもので、導電ランドとその枝先部
の中央の枝パターンからの距離を、前述した図1に示し
た実施形態の場合とは異ならせている。図10(a)は
材料基板の表、裏面に形成される電極、導電パターンが
縦方向の中心線に対してズレることなく正しく整合して
いる状態、図10(b)は裏面の電極、導電パターンが
縦方向の中心線に対して右方向にズレた状態、図10
(c)は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中心線に
対して左方向にズレた状態を、それぞれ示している。ま
た、A,A’,A”は受光部、5,5’は、材料基板1
の表、裏面において極性を異ならせた枝先部と枝パター
ン、枝先部どうしが重合して形成される余分な受光部を
示している。
【0053】図11,図12に示した実施形態は、4エ
レメントデュアルタイプのもので、導電ランドとその枝
先部の中央の枝パターンからの距離を、前述した図3に
示した実施形態の場合とは異ならせている。図12
(a)は材料基板の表、裏面に形成される電極、導電パ
ターンが縦方向の中心線に対してズレることなく正しく
整合している状態、図12(b)は裏面の電極、導電パ
ターンが縦方向の中心線に対して右方向にズレた状態、
図12(c)は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中
心線に対して左方向にズレた状態を、それぞれ示してい
る。A,A’,A”は受光部、5,5’は、材料基板1
の表、裏面において極性を異ならせた枝先部と枝パター
ン、枝先部どうしが重合されて形成される四角形の余分
な受光部を示している。
【0054】図13,図14に示した実施形態は、4エ
レメントクロスタイプのもので、導電ランドとその枝先
部を設けた位置関係を、前述した図5に示した実施形態
の場合とは反転させている。図14(a)は材料基板の
表、裏面に形成される電極、導電パターンが縦方向の中
心線に対してズレることなく正しく整合している状態、
図14(b)は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中
心線に対して右方向にズレた状態、図14(c)は裏面
の電極、導電パターンが縦方向の中心線に対して左方向
にズレた状態を、それぞれ示している。6は、材料基板
1の表、裏面において極性を異ならせた枝先部どうしが
重合されて形成されるひし形の余分な受光部を示してい
る。
【0055】図15,図16に示した実施形態は、4エ
レメントデュアルタイプのもので、材料基板の中心点O
に対して、点対称に配置される導電ランドと、斜め方向
に走る枝先部の対を、前述した図5に示した実施形態の
場合とは異ならせ反転させている。図16(a)は材料
基板の表、裏面に形成される電極、導電パターンが縦方
向の中心線に対してズレることなく正しく整合している
状態、図16(b)は裏面の電極、導電パターンが縦方
向の中心線に対して右方向にズレた状態、図16(c)
は裏面の電極、導電パターンが縦方向の中心線に対して
左方向にズレた状態を、それぞれ示している。A,
A’,A”は受光部、6は、材料基板1の表、裏面にお
いて極性を異ならせた枝先部どうしが重合して形成され
る余分な受光部を示している。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、いずれの請求項におい
て提案した実施形態の焦電素子であっても、材料基板の
表、裏面の各々に形成される電極、導電パターンが、材
料基板の縦方向中心線から多少の程度、ズレて形成され
た場合であっても、すべての受光部において、その有効
面積が同じ程度で増減する。そのため、従来の製造プロ
セスにおいて要求されていた厳しい精度で、材料基板の
表、裏面に電極、導電パターンを形成しなくても、商品
の歩留まりを低下させることがないので、製造効率を上
げ、製造コストも低減できるなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明の焦電素子の第一の実
施例における表、裏面に形成された電極、導体パターン
を示す図。
【図2】(a)〜(c)は、図1に示した実施例におい
て、材料基板の表、裏面を重合させて受光部を形成した
場合の説明図。
【図3】(a),(b)は本発明の焦電素子の第一の実
施例の変形態様における表、裏面に形成された電極、導
体パターンを示す図。
【図4】(a)〜(c)は、図3に示した第一の実施例
の変形態様において、材料基板の表、裏面を重合させて
受光部を形成した場合の説明図。
【図5】(a),(b)は本発明の焦電素子の第二の実
施例における表、裏面に形成された電極、導体パターン
を示す図。
【図6】(a)〜(c)は、図5に示した第二の実施例
において、材料基板の表、裏面を重合させて受光部を形
成した場合の説明図。
【図7】(a),(b)は本発明の焦電素子の第三の実
施例における表、裏面に形成された電極、導体パターン
を示す図。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の焦電素子の第三の
実施例において、材料基板の表、裏面を重合させて受光
部を形成した場合の説明図。
【図9】(a),(b)は本発明の焦電素子の第一の実
施例における別の変形例の表、裏面に形成された電極、
導体パターンを示す図。
【図10】(a)〜(c)は、図9に示した実施例にお
いて、材料基板の表、裏面を重合させて受光部を形成し
た場合の説明図。
【図11】(a),(b)は本発明の焦電素子の第一の
実施例における更に別の変形例の表、裏面に形成された
電極、導体パターンを示す図。
【図12】(a)〜(c)は、図11に示した実施例に
おいて、材料基板の表、裏面を重合させて受光部を形成
した場合の説明図。
【図13】(a),(b)は本発明の焦電素子の第二の
実施例の変形態様における表、裏面に形成された電極、
導体パターンを示す図。
【図14】(a)〜(c)は、図13に示した実施例の
変形態様において、材料基板の表、裏面を重合させて受
光部を形成した場合の説明図。
【図15】(a),(b)は本発明の焦電素子の第三の
実施形態の別の変形態様における表、裏面に形成された
電極、導体パターンを示す図。
【図16】(a)〜(c)は、図15に示した実施例に
おいて、材料基板の表、裏面を重合させて受光部を形成
した場合の説明図。
【図17】焦電素子(4レメントタイプ)を用いた赤外
線検出器の分解斜視図。
【図18】(a),(b)は、4エレメントタイプの焦
電素子とインピーダンス変換回路の例図。
【図19】焦電素子(デュアルタイプ)を用いた赤外線
検出器の分解斜視図。
【図20】(a),(b)は、デュアルタイプの焦電素
子とインピーダンス変換回路の例図。
【図21】複数の焦電素子を取り出すウエハの平面図。
【図22】(a),(b)は従来の焦電素子(4エレメ
ントクロスタイプ)の表、裏面に形成した電極、導電パ
ターンを示す図。
【図23】(a),(b)は、図22に示した従来の焦
電素子の問題を説明する図で、焦電素子の表、裏面の電
極、導電パターンによって形成される受光部の説明図。
【図24】(a),(b)は従来の焦電素子(4エレメ
ントデュアルタイプ)の表、裏面に形成した電極、導電
パターンを示す図。
【図25】(a),(b)は、図24に示した従来の焦
電素子の問題を説明する図で、焦電素子の表、裏面の電
極、導電パターンによって形成される受光部の説明図。
【符号の説明】
1・・・焦電効果を有した材料基板 2,2’・・・枝パターン 3,3’・・・導電ランド 3a,3b,3a’,3b’・・・枝先部 A,A’,A”・・・受光部 5,5’・・・受光部とは孤立して形成される重合部分 6・・・受光部と連続して形成される重合部分 La・・・材料基板の横方向に走る中心線 Lb・・・材料基板の縦方向に走る中心線 O ・・・材料基板の中心点
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】ところで、このような焦電素子100は、
1つの焦電素子100の大きさは約2.2mm×4.6
mmと小さい。そのため所定の電極、導電パターンを複
数個メタルマスクに形成し、例えば2.5インチサイズ
の焦電効果を有する材料のウエハの表面及び裏面に、厚
さ約200〜500ÅのNiCr等の材料を蒸着するこ
とにより図21に示したように電極、導電パターンを形
成し、ダイシング等の方法により切断して、1枚のウエ
ハWから数百個が製造されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】ところで、焦電素子において、このように
して各受光部の有効面積が異なる場合には、感度のアン
バランス状態が発生し、定常ノイズの増大、外来ノイズ
(電気的軸射ノイズ、外乱光等)に弱くなる等の現象が
確認されており、結果的に信頼性が低くなるといった問
題が生じる。しかしながら、本発明者らの知る限りにお
いては、以上のような従来の焦電素子においては、焦電
素子の表、裏面に形成された導電ランドに付属して設け
られた枝先部は、導電すべき枝パターンとの距離が短く
なるように直線状に走って形成されており、これらの位
置関係や形状は、他の導電ランドに付属して設けられた
枝先部とは調整はされておらず、材料基板の表、裏面に
ズレないようにパターニングを形成すれば、受光部のバ
ンランスは保たれるという考え方が支配的であり、その
ために、焦電素子を製造段階において、電極、導電パタ
ーンをいかに精度良く形成するかが歩留まりを向上させ
るための最良の方策であるとの認識に支配されていた。
フロントページの続き (72)発明者 松嶋 朝明 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 柳生 博之 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 入部 恭輔 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焦電効果を有する材料基板の表、裏面に、
    表、裏面のそれぞれの両端部に形成された電極部から枝
    パターンを経て延びる複数の導電ランドをほぼ同等なパ
    ターン形状で形成し、材料基板の表、裏面のそれぞれに
    形成された導電ランドで材料基板の表、裏面を挟み込ん
    だ部分を受光部として構成した焦電素子において、 上記導電ランドを、該導電ランドに付属して枝パターン
    に導通する枝先部とともに、上記材料基板の横中心線に
    対して、線対称な位置関係に対設したことを特徴とする
    焦電素子。
  2. 【請求項2】焦電効果を有する材料基板の表、裏面に、
    表、裏面のそれぞれの両端部に形成された電極部から枝
    パターンを経て延びる複数の導電ランドをほぼ同様な形
    状で形成し、それぞれの導電ランドで材料基板の表、裏
    面を挟み込んだ部分を受光部として構成した焦電素子に
    おいて、 上記導電ランドを、該導電ランドに付属して枝パターン
    に導通する枝先部とともに、上記材料基板の縦中心線か
    ら等しい距離に平行移動させた位置関係に対設したこと
    を特徴とする焦電素子。
  3. 【請求項3】焦電効果を有する材料基板の表面には、そ
    の両端部に形成された電極部から枝パターンを経て延び
    る複数の導電ランドを形成する一方、その材料基板の裏
    面には、その両端部に形成された電極部から枝パターン
    を経て延びる複数の導電ランドを対応したパターン形状
    に形成するとともに、それぞれの導電ランドで材料基板
    の表、裏面を挟み込んだ部分を受光部として構成した焦
    電素子において、 上記導電ランドを、該導電ランドに付属して枝パターン
    に導通する枝先部とともに、上記材料基板の中心点に対
    して、点対称な位置関係に対設したことを特徴とする焦
    電素子。
  4. 【請求項4】請求項1において、 上記材料基板の横中心線に対して、線対称な位置関係に
    対設された枝先部が、材料基板面上を縦方向に走るパタ
    ーンである焦電素子。
  5. 【請求項5】請求項2において、 上記材料基板の縦中心線から等しい距離に平行移動させ
    た位置関係に対設された枝先部のそれぞれの組が、材料
    基板面上を縦方向に走るパターンと、材料基板面上を斜
    め方向に走るパターンとを組み合わせている焦電素子。
  6. 【請求項6】請求項3において、 上記材料基板の中心点に対して点対称な位置関係に対設
    された枝先部のそれぞれの組が、材料基板面上を縦方向
    に走るパターンと、材料基板面上を斜め方向に走るパタ
    ーンとを組み合わせている焦電素子。
  7. 【請求項7】請求項1において、 上記材料基板に形成された複数の受光部は、エレメント
    クロスタイプの直列並列接続になっている焦電素子。
  8. 【請求項8】請求項1において、 上記材料基板に形成された複数の受光部は、エレメント
    デュアルタイプの直列並列接続になっている焦電素子。
  9. 【請求項9】請求項2において、 上記材料基板に形成された複数の受光部は、エレメント
    クロスタイプの直列並列接続になっている焦電素子。
  10. 【請求項10】請求項3において、 上記材料基板に形成された複数の受光部は、エレメント
    デュアルタイプの直列並列接続になっている焦電素子。
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