JP6350933B2 - 赤外線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線検出器に関するものである。
赤外線検出器としては、ガス分析計、放射温度計、炎検出器、侵入者警報器等に組み込まれる焦電型赤外線検出器が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、図22に示す構成の焦電型赤外線検出器200が記載されている。焦電型赤外線検出器200は、ケース201と、赤外線透過窓202と、ステム203と、回路基板204と、焦電部材205と、スペーサ206と、を備え、焦電部材205の上下両面に電極部を形成した二つの電極207、208が設けられている。
焦電型赤外線検出器200は、デュアルタイプの焦電型赤外線検出器であり、二つの電極207、208が互いに逆極性となるように直列に接続されている。
焦電型赤外線検出器200は、二つの電極207、208のうち一方の電極207のみが赤外線透過窓202に臨み、赤外線透過窓202を経た赤外光213が一方の電極207に入射し、他方の電極208には赤外光が入射しないように構成されている。以下では、一方の電極207を受光用電極207と称し、他方の電極208を温度補償用電極208と称する。
焦電型赤外線検出器200は、温度補償用電極208の厚みを受光用電極207の厚みよりも大きくすることにより、温度補償用電極208の赤外線領域における光の吸収係数を受光用電極207のそれより小さくしてある。例えば、焦電型赤外線検出器200は、受光用電極207の厚みを100Åとし、温度補償用電極208の厚みを1000Åとしてある。これにより、焦電型赤外線検出器200は、温度補償用電極208の赤外線領域における光の吸収係数が受光用電極207のそれに比べて2分の1となる。よって、焦電型赤外線検出器200は、仮に、温度補償用電極208にクロストークによって赤外光が入射しても、温度補償用電極208からは信号がほとんど出力されないから、感度が向上する。
特許第3247813号公報
焦電型の赤外線検出素子、赤外線検出器及び赤外線式ガスセンサの各分野においては、感度のより一層の向上が望まれている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高感度化を図ることが可能な赤外線検出器を提供することにある。
本発明の赤外線検出器は、赤外線検出素子と、特定波長の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記赤外線検出素子が実装された基板と、前記赤外線検出素子、前記光学フィルタ及び前記基板が収納されたパッケージと、を備える。前記パッケージは、前記基板を支持する台座と、前記赤外線検出素子及び前記光学フィルタを覆い前記台座に固着されたキャップと、前記キャップにおける天板部に形成された窓孔を塞ぎ赤外線を透過する窓材と、を備える。前記赤外線検出素子は、1つの焦電体基板に、組をなす受光用の第1焦電素子と温度補償用の第2焦電素子とが並んで形成されている。本発明の赤外線検出器は、前記組をなす前記第1焦電素子と前記第2焦電素子とが、逆並列もしくは逆直列に接続されている。前記赤外線検出素子は、前記窓孔の前記赤外線検出素子への垂直投影領域内に前記第1焦電素子が位置するように配置されている。前記光学フィルタは、前記窓材と前記第1焦電素子との間に配置されている。本発明の赤外線検出器は、前記窓材と前記赤外線検出素子との間に配置されて、前記パッケージの外部から前記窓材を透過して前記パッケージ内へ入った赤外線のうち前記第2焦電素子へ向かう赤外線を遮光する遮光部材を備える。前記遮光部材は、前記基板に保持されている。本発明の赤外線検出器では、前記赤外線検出素子は、前記第1焦電素子が前記焦電体基板の中央部に形成され、前記第2焦電素子が前記焦電体基板の周部に形成されており、前記遮光部材は、板状に形成されており、前記遮光部材の中央部に、前記第1焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域よりも大きな開口部が形成されている。前記遮光部材の前記開口部が、前記第1焦電素子の前記垂直投影領域を含んで前記垂直投影領域よりも大きくかつ前記第2焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域に重ならない。
この赤外線検出器において、前記遮光部材は、前記開口部の周辺部において、前記窓材側及び前記開口部側が開放された凹部が形成されており、前記遮光部材の前記窓材側の第1面側から前記赤外線検出素子の一部を視認可能とする窓部が、前記遮光部材における、前記第2焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域と、前記開口部と、前記凹部と、を避けて形成され、前記光学フィルタは、前記開口部を塞ぎ、前記光学フィルタの周部が、前記凹部に載置され前記遮光部材に対して位置決めされているのが好ましい。
この赤外線検出器において、前記遮光部材は、前記キャップの内周面に接触する形状に形成されており、前記キャップは、前記遮光部材によって、前記台座の厚さ方向に直交する面内での位置決めがされているのが好ましい。
この赤外線検出器において、前記遮光部材は、前記開口部の周辺部に、前記赤外線検出素子の表面側に突出した突起を備えるのが好ましい。
この赤外線検出器において、前記遮光部材は、樹脂板と、前記樹脂板に積層された金属箔と、を備えるのが好ましい。
この赤外線検出器において、前記遮光部材は、金属板であるのが好ましい。
本発明の赤外線検出器においては、温度補償用の前記第2焦電素子へ向かう赤外線を遮光する前記遮光部材が、前記基板に保持されている。これにより、本発明の赤外線検出器は、前記第2焦電素子と前記遮光部材との相対的な位置精度を向上させることが可能となり、高感度化を図ることが可能となる。
図1は、実施形態1の赤外線検出器の概略縦断面図である。 図2は、実施形態1の赤外線検出器の概略縦斜視図である。 図3は、実施形態1の赤外線検出器において、キャップ、窓材、光学フィルタ及び遮光部材を取り除いた状態の斜視図である。 図4は、実施形態1の赤外線検出器において、キャップ、窓材及び光学フィルタを取り除いた状態の斜視図である。 図5は、実施形態1の赤外線検出器において、キャップ及び窓材を取り除いた状態の斜視図である。 図6(a)は、実施形態1の赤外線検出器における赤外線検出素子の概略平面図である。図6(b)は、図6(a)のX−X概略断面図である。図6(c)は、実施形態1の赤外線検出器における赤外線検出素子の概略下面図である。 図7は、実施形態1の赤外線検出器における第1光学フィルタの概略断面図である。 図8は、実施形態1の赤外線検出器における第2光学フィルタの概略断面図である。 図9は、実施形態1の赤外線検出器の概略回路図である。 図10(a)は、実施形態1の赤外線検出器の第1変形例における赤外線検出素子の概略平面図である。図10(b)は、図10(a)のX−X概略断面図である。図10(c)は、実施形態1の赤外線検出器の第1変形例における赤外線検出素子の概略下面図である。 図11は、実施形態1の赤外線検出器の第2変形例を示す概略縦断面図である。 図12は、実施形態1の赤外線検出器の第3変形例を示す概略縦断面図である。 図13は、実施形態1の赤外線検出器の第3変形例を示す概略横断面図である。 図14は、実施形態1の赤外線検出器の第4変形例を示す概略縦断面図である。 図15は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサの概略構成図である。 図16は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサの要部の概略断面図である。 図17は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサの要部の概略分解斜視図である。 図18は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサの要部の概略斜視図である。 図19は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサの要部の一部破断した斜視図である。 図20(a)は、実施形態1の赤外線検出器を用いた赤外線式ガスセンサにおける赤外線放射素子の概略平面図である。図20(b)は、図20(a)のX−X概略断面図である。 図21は、実施形態2の人体検知センサの概略分解斜視図である。 図22は、従来例の焦電型赤外線検出器の縦断面図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の赤外線検出器2aについて、図1〜9に基づいて説明する。
赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aと、特定波長の赤外線を透過させる光学フィルタ30と、赤外線検出素子20aが実装された基板43と、赤外線検出素子20a、光学フィルタ30及び基板43が収納されたパッケージ29と、を備える。パッケージ29は、基板43を支持する台座29aと、赤外線検出素子20a及び光学フィルタ30を覆い台座29aに固着されたキャップ29bと、キャップ29bにおける天板部29baに形成された窓孔29cを塞ぎ赤外線を透過する窓材29wと、を備える。赤外線検出素子20aは、1つの焦電体基板21に、組をなす受光用の第1焦電素子22と温度補償用の第2焦電素子23とが並んで形成されている。赤外線検出器2aは、組をなす第1焦電素子22と第2焦電素子23とが、逆並列に接続されている。赤外線検出素子20aは、窓孔29cの赤外線検出素子20aへの垂直投影領域内に第1焦電素子22が位置するように配置されている。光学フィルタ30は、窓材29wと第1焦電素子22との間に配置されている。赤外線検出器2aは、窓材29wと赤外線検出素子20aとの間に配置されて、パッケージ29の外部から窓材29wを透過してパッケージ29内へ入った赤外線のうち第2焦電素子23へ向かう赤外線を遮光する遮光部材9を備える。遮光部材9は、基板43に保持されている。よって、赤外線検出器2aは、第2焦電素子23と遮光部材9との相対的な位置精度を向上させることが可能となり、高感度化を図ることが可能となる。
赤外線検出器2aは、1つの焦電体基板21に、組をなす受光用の第1焦電素子22と温度補償用の第2焦電素子23との組を、2組、備えている。赤外線検出器2aは、一方の組の第1焦電素子22の前方に配置された光学フィルタ30(以下、「第1光学フィルタ31」ともいう。)と、他方の組の第1焦電素子22の前方に配置された光学フィルタ30(以下、「第2光学フィルタ32」ともいう。)と、を備える。第1光学フィルタ31の特定波長(以下、「第1特定波長」という。)と、第2光学フィルタ32の特定波長(以下、「第2特定波長」という。)とは、それぞれ設定することができ、異なる波長でもよいし、同じ波長でもよい。
赤外線検出器2aの各構成要素については、以下に詳細に説明する。
赤外線検出素子20aは、図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示すように構成されている。
第1焦電素子22は、焦電体基板21の表面21aに形成された第1表面電極22aと、焦電体基板21の裏面21bに形成された第1裏面電極22bと、焦電体基板21において第1表面電極22aと第1裏面電極22bとで挟まれた第1部分22cと、を備える。第1焦電素子22は、第1表面電極22aと第1裏面電極22bとが対向している。
第2焦電素子23は、焦電体基板21の表面21aに形成された第2表面電極23aと、焦電体基板21の裏面21bに形成された第2裏面電極23bと、焦電体基板21において第2表面電極23aと第2裏面電極23bとで挟まれた第2部分23cと、を備える。第2焦電素子23は、第2表面電極23aと第2裏面電極23bとが対向している。
焦電体基板21の表面21aには、第1表面電極22aに電気的に接続された第1表面配線24aが形成されている。また、焦電体基板21の表面21aには、第2表面電極23aに電気的に接続された第2表面配線25aが形成されている。
焦電体基板21の裏面21bには、第1裏面電極22bに電気的に接続された第1裏面配線24bが形成されている。焦電体基板21の裏面21bには、第2裏面電極23bに電気的に接続された第2裏面配線25bが形成されている。
赤外線検出素子20aは、焦電体基板21における第1焦電素子22を囲む周辺部に、第1焦電素子22の外周に沿った形状のスリット26が、第1表面配線24a及び第1裏面配線24bを避けて形成されている。スリット26は、焦電体基板21の厚さ方向に貫通して形成された孔を意味する。また、赤外線検出素子20aは、焦電体基板21における第2焦電素子23を囲む周辺部が、第2部分23cの全周に亘って連続している。要するに、赤外線検出素子20aは、スリット26を、第1焦電素子22を囲む周辺部のみに形成し、第2焦電素子23の周辺部には形成していない。よって、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組において、赤外線のクロストークによる影響を軽減することが可能となり、高感度化を図ることが可能となる。
焦電体基板21は、焦電性を有する基板である。焦電体基板21は、単結晶のLiTaO基板により構成されている。焦電体基板21の材料である焦電材料としては、LiTaOを採用している。焦電材料は、LiTaOに限らず、例えば、LiNbO3、PbTiO、PZT(:Pb(Zr,Ti)O3)、PZT−PMN(:Pb(Zr,Ti)O3−Pb(Mn,Nb)O3)等を採用してもよい。
焦電体基板21の自発分極の方向は、この焦電体基板21の厚さ方向に沿った一方向である。図6(b)で見れば、焦電体基板21の自発分極の方向は、上方向である。
焦電体基板21は、平面視形状を矩形状としてある。焦電体基板21の平面視形状は、特に限定するものではない。
焦電体基板21の厚さは、50μmに設定してあるが、この値に限定するものではない。焦電体基板21の厚さは、例えば、薄いほうが赤外線検出素子20aの感度を向上させる観点から好ましい。このため、焦電体基板21の厚さは、30μm〜150μm程度の範囲で設定するのが好ましい。赤外線検出素子20aは、焦電体基板21の厚さが30μmよりも薄いと脆弱性による焦電体基板21の破損の懸念があり、150μmよりも厚いと赤外線検出素子20aの感度が低下してしまう懸念がある。
第1表面電極22a、第1裏面電極22b、第2表面電極23a及び第2裏面電極23bは、検出対象の赤外線を吸収可能で且つ導電性を有する導電膜により構成されている。導電膜は、Ni膜により構成されている。導電膜は、Ni膜に限らず、例えば、NiCr膜や金黒膜等でもよい。導電膜は、厚さが厚いほうが、電気抵抗が小さくなる一方、厚さが薄いほうが、赤外線の吸収量を高めることが可能となる。このため、第1焦電素子22、第2焦電素子23は、第1表面電極22a、第2表面電極23aの厚さを、第1裏面電極22b、第2裏面電極23bの厚さよりも、それぞれ薄くしてもよい。また、第1焦電素子22、第2焦電素子23は、第1表面電極22a、第2表面電極23aの厚さと、第1裏面電極22b、第2裏面電極23bの厚さと、をそれぞれ同じとしてもよい。
赤外線検出素子20aは、第1表面電極22aの厚さと、第2表面電極23aの厚さと、を同じに設定してある。また、赤外線検出素子20aは、第1裏面電極22bの厚さと、第2裏面電極23bの厚さと、を同じに設定してある。
第1表面電極22a及び第2表面電極23aの厚さは、30nmに設定してあるが、この値に限定するものではない。第1表面電極22a及び第2表面電極23aの厚さは、例えば、100nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましい。第1表面電極22a及び第2表面電極23aは、例えば、蒸着法やスパッタ法等により形成することができる。
第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bの厚さは、100nmに設定してあるが、この値に限定するものではない。第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bの厚さは、40nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bは、例えば、蒸着法やスパッタ法等により形成することができる。
赤外線検出素子20aは、第1表面電極22a及び第2表面電極23aの厚さと、第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bの厚さと、を同じとする場合、これらの厚さを、例えば、40nm〜100nm程度の範囲で設定すればよい。
第1表面電極22a及び第2表面電極23aは、シート抵抗の値によって赤外線吸収率が変化する。第1表面電極22a及び第2表面電極23aの赤外線吸収率は、例えば、20%〜50%の範囲で設定するのが好ましい。第1表面電極22a及び第2表面電極23aの赤外線吸収率の理論的な最大値は、50%である。第1表面電極22a及び第2表面電極23aの赤外線吸収率が50%となる第1表面電極22a及び第2表面電極23aのシート抵抗は、189Ω/□(189Ω/sq.)である。つまり、赤外線検出素子20aは、第1表面電極22a及び第2表面電極23aのシート抵抗を189Ω/□とすれば、第1表面電極22a及び第2表面電極23aの赤外線吸収率を最大とすることが可能となる。赤外線検出素子20aは、第1表面電極22a及び第2表面電極23aにおいて例えば40%以上の赤外線吸収率を確保することが好ましい。このため、赤外線検出素子20aは、第1表面電極22a及び第2表面電極23aのシート抵抗を73〜493Ω/□の範囲で設定するのが好ましい。
第1焦電素子22の平面視形状は、半円状としてある。第2焦電素子23の平面視形状は、長方形の2つ長辺のうち第1焦電素子22側の長辺の両端部以外を円弧とした形状としてある。第1焦電素子22の平面視形状は、半円形状に限らず、例えば、半楕円形状、円形状、楕円形状、多角形状等でもよい。第2焦電素子23の平面視形状は、上述の形状に限らず、例えば、半円形状、半楕円形状、円形状、楕円形状、多角形状等でもよい。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の表面の面積と第2焦電素子23の表面の面積と、を同じに設定してあるのが好ましい。表面の面積は、平面視における面積を意味する。また、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の平面視形状と第2焦電素子23の平面視形状とが異なっているが、第1焦電素子22の平面視形状と第2焦電素子23の平面視形状とを同じとしてもよい。
第1焦電素子22は、第1表面電極22aと、第1裏面電極22bと、が同じ形状であり、第1裏面電極22bが、第1表面電極22aの垂直投影領域に一致するように配置されているのが好ましい。第1表面電極22aの垂直投影領域とは、第1表面電極22aの厚さ方向への投影領域を意味する。このため、第1焦電素子22の平面視形状は、第1表面電極22aの平面視形状により決まる。要するに、第1焦電素子22の平面視形状は、第1表面電極22aの平面視形状と同じである。第1焦電素子22は、第1表面電極22aと第1裏面電極22bと、で大きさが異なってもよい。
第2焦電素子23は、第2表面電極23aと、第2裏面電極23bと、が同じ形状であり、第2裏面電極23bが、第2表面電極23aの垂直投影領域に一致するように配置されているのが好ましい。第2表面電極23aの垂直投影領域とは、第2表面電極23aの厚さ方向への投影領域を意味する。このため、第2焦電素子23の平面視形状は、第2表面電極23aの平面視形状により決まる。要するに、第2焦電素子23の平面視形状は、第2表面電極23aの平面視形状と同じである。第2焦電素子23は、第2表面電極23aと第2裏面電極23bと、で大きさが異なってもよい。
第1表面配線24a及び第2表面配線25aは、材料、厚さそれぞれを第1表面電極22a及び第2表面電極23aと同じとしてあるのが好ましい。これにより、赤外線検出素子20aの製造時には、第1表面配線24a及び第2表面配線25aを、第1表面電極22a及び第2表面電極23aと同時に形成することが可能となる。また、赤外線検出素子20aは、第1表面配線24aと第1表面電極22aとを連続膜として形成でき、且つ、第2表面配線25aと第2表面電極23aとを連続膜として形成できる。
第1裏面配線24b及び第2裏面配線25bは、材料、厚さそれぞれを第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bと同じとしてあるのが好ましい。これにより、赤外線検出素子20aの製造時には、第1裏面配線24b及び第2裏面配線25bを、第1裏面電極22b及び第2裏面電極23bと同時に形成することが可能となる。また、赤外線検出素子20aは、第1裏面配線24bと第1裏面電極22bとを連続膜として形成でき、且つ、第2裏面配線25bと第2裏面電極23bとを連続膜として形成できる。
赤外線検出素子20aは、第1表面配線24aにおける第1表面電極22a側とは反対側の端部が、出力用の端子部24aaを構成している。また、赤外線検出素子20aは、第1裏面配線24bにおける第1裏面電極22b側とは反対側の端部が、出力用の端子部24bbを構成している。また、赤外線検出素子20aは、第2表面配線25aにおける第2表面電極23a側とは反対側の端部が、出力用の端子部25aaを構成している。また、赤外線検出素子20aは、第2裏面配線25bにおける第2裏面電極23b側とは反対側の端部が、出力用の端子部25bbを構成している。
第1焦電素子22及び第2焦電素子23は、それぞれ、赤外線を受光して光電変換した出力信号を発生することができる。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の第1表面電極22aに電気的に接続された端子部24aaと、第2焦電素子23の第2裏面電極23bに電気的に接続された端子部25bbと、が焦電体基板21の厚さ方向において重なるように配置されている。また、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の第1裏面電極22bに電気的に接続された端子部24bbと、第2焦電素子23の第2表面電極23aに電気的に接続された端子部25aaと、が焦電体基板21の厚さ方向において重なるように配置されている。赤外線検出素子20aは、平面視において第1焦電素子22と第2焦電素子23との並ぶ方向と、焦電体基板21の厚さ方向と、に直交する方向の一端部に、端子部24aa、25bbが形成され、他端部に、端子部24bb、25aaが形成されている。
赤外線検出素子20aは、端子部24aaと端子部25bbとを電気的に接続し、且つ、端子部24bbと端子部25aaとを電気的に接続することにより、第1焦電素子22と第2焦電素子23とを逆並列接続した構成とすることができる(図9参照)。
端子部24aaと端子部25bbとを電気的に接続する第1接続部(図示せず)は、例えば、導電ペーストにより形成することができる。端子部24bbと端子部25aaとを電気的に接続する第2接続部(図示せず)は、例えば、導電ペーストにより形成することができる。導電ペーストとしては、例えば、銀ペースト、金ペースト、銅ペースト等を採用することができる。赤外線検出器2aは、第1接続部と第2接続部とで、赤外線検出素子20aの一対の出力端子を構成することができる。赤外線検出器2aは、第1接続部が、一対の出力端子のうちの一方の出力端子(第1出力端子)を構成し、第2接続部が、他方の出力端子(第2出力端子)を構成することができる。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22を赤外線の受光用の焦電素子とし、第2焦電素子23を温度補償用の焦電素子として利用することを想定している。受光用の焦電素子とは、赤外線検出素子20aの検出対象の赤外線を検出するための焦電素子を意味し、赤外線検出素子20aの検出対象の赤外線が入射される焦電素子である。温度補償用の焦電素子とは、赤外線検出素子20aの周囲温度の変化による出力信号の変動を少なくするための焦電素子を意味し、理想的には、赤外線検出素子20aの検出対象の赤外線が入射されない焦電素子である。言い換えれば、温度補償用の焦電素子とは、第1焦電素子22の出力信号から周囲温度に起因した成分を取り除くための焦電素子を意味する。このため、赤外線検出素子20aは、検出対象の赤外線が、第1焦電素子22に入射する一方で、第2焦電素子23に入射しないようにして使用する。
しかしながら、赤外線検出素子20aは、赤外線が入射する入射面側に空間が存在した状態で使用されるので、赤外線のクロストーク(crosstalk)により、第2焦電素子23から信号が出力される。赤外線検出素子20aにおいて赤外線が入射する入射面とは、第1表面電極22aの表面及び第2表面電極23aの表面を意味する。赤外線のクロストークとは、第1焦電素子22へ赤外線を入射させるための窓材29wや第1光学フィルタ31、第2光学フィルタ32等を透過した赤外線が第2焦電素子23における第2表面電極23aの表面へ斜め方向から入射することを意味する。言い換えれば、赤外線のクロストークとは、第1焦電素子22での検出対象の赤外線が、赤外線の入射が阻止されることを意図した第2焦電素子23における第2表面電極23aへ斜め方向から入射することを意味する。赤外線検出素子20aは、第2焦電素子23における第2表面電極23aへ赤外線が斜め入射すると、第2焦電素子23から第1焦電素子22とは逆位相の信号が出力されるので、感度が低下してしまう。また、赤外線検出素子20aは、2つの第1焦電素子22のうち一方の第1焦電素子22に入射すべき赤外線が他方の第1焦電素子22に入射してしまう可能性もある。
赤外線検出素子20aは、検出対象の赤外線が入射することによる第1焦電素子22の温度変化や、赤外線のクロストークによる第2焦電素子23の温度変化に比べて、環境温度の変化に伴う第1焦電素子22や第2焦電素子23の温度変化が非常に緩やかである。環境温度は、赤外線検出素子20aの周囲の温度を意味し、パッケージ29の周囲の温度を意味する。パッケージ29の周囲の温度は、外気の温度である。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22への検出対象の赤外線の入射に対して、基本的に第1焦電素子22のみが暖められるので、熱容量が小さく、熱時定数が小さい。また、赤外線検出素子20aは、環境温度の上昇により、赤外線検出素子20a全体が暖められるので、熱容量が大きく、熱時定数が大きい。特に、赤外線検出素子20aは、環境温度の上昇により、パッケージ29及び赤外線検出素子20aが暖められるので、更に熱容量が大きくなり、熱時定数が大きくなる。
熱容量に関しては、環境温度の変化に対する第1焦電素子22の熱容量をH1、検出対象の赤外線の入射に対する第1焦電素子22の熱容量をH2とすると、H1>H2となる。
また、熱コンダクタンスに関しては、環境温度の変化に対する第1焦電素子22の熱コンダクタンスをG1、検出対象の赤外線の入射に対する第1焦電素子22の熱コンダクタンスをG2とすると、G2>G1となる。
また、熱時定数に関しては、熱時定数=〔熱容量〕/〔熱コンダクタンス〕であるため、環境温度の変化に対する第1焦電素子22の熱時定数をτ1、検出対象の赤外線の入射に対する第1焦電素子22の熱時定数をτ2とすると、τ1>τ2となる。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の周辺部のみにスリット26が形成されていることにより、検出対象の赤外線の入射による第1焦電素子22と第2焦電素子23との熱時定数の差に基づく感度差を生じさせることが可能となる。よって、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23とを逆並列に接続し、第1焦電素子22、第2焦電素子23をそれぞれ、受光用、温度補償用の焦電素子として使用することで、赤外線のクロストークによる影響を軽減することが可能となる。これにより、赤外線検出素子20aは、高感度化を図ることが可能となる。
焦電体基板21は、スリット26が、少なくとも、第1焦電素子22の第2焦電素子23側に形成されているのが好ましい。これにより、赤外線検出素子20aは、第2焦電素子23に比べて第1焦電素子22の感度を、低周波域で高めることが可能となるだけでなく、熱のクロストークを抑制することが可能となり、第1焦電素子22の感度の更なる向上を図ることが可能となる。熱のクロストークとは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との間で焦電体基板21を介して熱が伝達することを意味する。
赤外線検出素子20aは、スリット26が、第1焦電素子22の外周に沿って形成されていればよく、スリット26の数を特に限定するものではない。赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の周辺部において、複数のスリット26を、第1焦電素子22の外周に沿った方向において離して形成することにより、機械的強度を向上させることが可能となる。複数のスリット26は、第1焦電素子22の外周に沿った方向において等間隔で形成されているのが好ましい。
赤外線検出素子20aでは、第1表面電極22aの外周縁がスリット26の第1表面電極22a側の開孔縁から離れた構成としてもよい。これにより、赤外線検出素子20aは、高感度化を図りながらも、第1表面電極22aと第1裏面電極22bとの短絡をより確実に抑制することが可能となる。
また、赤外線検出素子20aは、第1裏面電極22bの外周縁がスリット26の第1裏面電極22b側の開孔縁から離れているのが好ましい。これにより、赤外線検出素子20aは、第1表面電極22aと第1裏面電極22bとの短絡をより確実に抑制することが可能となり、電気的安定性の低下を抑制することが可能となる。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組を複数組、備えているのが好ましい。また、焦電体基板21は、隣り合う2つの第1焦電素子22それぞれの他方の第1焦電素子22側に、スリット26が形成されているのが好ましい。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組を2組、備えている場合、2つのチャネル(channel)をもつ構成とすることができる。すなわち、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23とを備える各組それぞれを1つのチャネルとする赤外線検出素子として用いることができる。赤外線検出素子20aは、2つのチャネルをもつ構成であり、各チャネルが、第1焦電素子22、第2焦電素子23、第1表面配線24a、第1裏面配線24b、第2表面配線25a及び第2裏面配線25bを備える検出エレメントDEにより構成されている。以下では、説明の便宜上、図1における左側の検出エレメントDEを、第1検出エレメントDE1と称し。図1における右側の検出エレメントDEを、第2検出エレメントDE2と称する。
赤外線検出素子20aでは、例えば、赤外線式ガスセンサ等に用いる場合に、検出対象の赤外線の波長を、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組の数だけ設定することが可能となる。検出対象の赤外線の波長は、例えば、第1光学フィルタ31、第2光学フィルタ32等によって設定することができる。赤外線検出素子20aを備えた赤外線式ガスセンサでは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組の数に対応する複数のチャネルを有する赤外線式ガスセンサを構成することが可能となる。
赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組を2組、備える場合、各組ごとに、第1焦電素子22を受光用焦電素子とし、第2焦電素子23を温度補償用焦電素子として利用することが可能となる。よって、赤外線検出素子20aは、赤外線式ガスセンサ等に用いる場合に、受光用焦電素子ごとに、検出対象の赤外線の波長を設定することが可能となる。
赤外線検出素子20aは、上述のように、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組を2組、備えている。以下では、説明の便宜上、第1検出エレメントDE1の第1焦電素子22、第2焦電素子23を、それぞれ、第1受光素子221、第1温度補償素子231と称することもある。また、以下では、第2検出エレメントDE2の第1焦電素子22、第2焦電素子23を、それぞれ、第2受光素子222、第2温度補償素子232と称することもある。
赤外線検出素子20aは、隣り合う2つの第1焦電素子22それぞれの他方の第1焦電素子22側に、スリット26が形成されているので、隣り合う2つの第1焦電素子22間での熱伝達を抑制することが可能となる。これにより、赤外線検出素子20aは、第1検出エレメントDE1及び第2検出エレメントDE2それぞれの感度の低下を抑制することが可能となる。
なお、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22の第1表面電極22a上に、赤外線吸収層(図示せず)を設けた構成としてもよい。
赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31が、第1受光素子221の前方に配置され、第2光学フィルタ32が、第2受光素子222の前方に配置されている。
赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32がパッケージ29内に収納されている。これにより、赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32が外気に曝されるのを抑制することが可能となり、フィルタ特性の経時変化を抑制することが可能となる。第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32は、赤外線検出器2aの用途に必要とされる光学特性を有するように、特定波長、フィルタ特性を設計すればよい。
第1光学フィルタ31は、例えば、図7に示すように、第1基板31sと、第1フィルタ部31aと、第2フィルタ部31bと、を備えた構成とすることができる。また、第2光学フィルタ32は、例えば、図8に示すように、第2基板32sと、第3フィルタ部32aと、第4フィルタ部32bと、を備えた構成とすることができる。第1基板31s及び第2基板32sは、赤外線を透過可能なものである。第1基板31s及び第2基板32sとしては、例えば、シリコン基板、ゲルマニウム基板、サファイア基板、酸化マグネシウム基板等を採用することができる。
第1フィルタ部31aは、例えば、λ/4多層膜34と、波長選択層35と、λ/4多層膜36とで構成されるバンドパスフィルタとすることができる。λ/4多層膜34は、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜31aa、31abが交互に積層された多層膜である。光学膜厚は、設計波長λの1/4に設定されている。λ/4多層膜36は、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜31aa、31abが交互に積層された多層膜である。波長選択層35は、λ/4多層膜34とλ/4多層膜36との間に介在する。波長選択層35は、選択波長に応じて光学膜厚を各薄膜31aa、31abの光学膜厚とは異ならせてある。薄膜31aa、31abの材料としては、例えば、Ge、Si、MgF、Al、SiO、Ta、SiN等を採用することができる。SiOは、SiOやSiOである。SiN等は、SiN、Si等である。λ/4多層膜34及びλ/4多層膜36は、屈折率周期構造を有していればよく、3種類以上の薄膜を積層したものでもよい。
第3フィルタ部32aは、例えば、λ/4多層膜37と、波長選択層38と、λ/4多層膜39とで構成されるバンドパスフィルタとすることができる。λ/4多層膜37は、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜32aa、32abが交互に積層された多層膜である。λ/4多層膜39は、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜32aa、32abが交互に積層された多層膜である。波長選択層38は、λ/4多層膜37とλ/4多層膜39との間に介在する。波長選択層38は、選択波長に応じて光学膜厚を各薄膜32aa、32abの光学膜厚とは異ならせてある。薄膜32aa、32abの材料としては、例えば、Ge、Si、MgF、Al、SiO、Ta、SiN等を採用することができる。λ/4多層膜37及びλ/4多層膜39は、屈折率周期構造を有していればよく、3種類以上の薄膜を積層したものでもよい。
第1フィルタ部31aの薄膜31aa、31abと第3フィルタ部32aの薄膜32aa、32abとはそれぞれ同じ材料を採用することができる。
第1フィルタ部31aは、屈折率周期構造の中に光学膜厚の異なる波長選択層35を設けて屈折率周期構造に局所的な乱れを導入することにより、反射帯域の中に反射帯域幅に比べてスペクトル幅の狭い透過帯域を局在させることができる。第1フィルタ部31aは、波長選択層35の光学膜厚を適宜変化させることによって、透過波長域の透過ピーク波長を変化させることができる。
第3フィルタ部32aは、波長選択層38の光学膜厚を適宜変化させることによって、透過波長域の透過ピーク波長を変化させることができる。第3フィルタ部32aは、波長選択層38の光学膜厚を適宜変化させることによって、透過波長域の透過ピーク波長を変化させることができる。
第1フィルタ部31aの選択波長は、第1フィルタ部31aの透過波長域の中心波長である。また、第3フィルタ部32aの選択波長は、第3フィルタ部32aの透過波長域の中心波長である。
第2フィルタ部31bは、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜31ba、31bbが交互に積層された多層膜である。第2フィルタ部31bは、相対的に屈折率の高い薄膜31bbの材料として、例えば、Ge、Si等を採用することができる。また、第2フィルタ部31bは、相対的に屈折率の低い薄膜31baの材料として、例えば、MgF、Al、SiO、Ta、SiN等を採用することができる。SiOは、SiOやSiOである。SiN等は、SiN、Si等である。
第4フィルタ部32bは、屈折率が異なり且つ光学膜厚が等しい2種類の薄膜32ba、32bbが交互に積層された多層膜である。第4フィルタ部32bは、相対的に屈折率の高い薄膜32bbの材料として、例えば、Ge、Si等を採用することができる。また、第4フィルタ部32bは、相対的に屈折率の低い薄膜の材料として、例えば、MgF、Al、SiO、Ta、SiN等を採用することができる。
赤外線検出器2aは、例えば、赤外線式ガスセンサに適用することができる。赤外線式ガスセンサは、検出対象のガスの種類によって赤外線の吸収波長が異なるので、ガスの識別性を高めることが可能となる。吸収波長は、例えば、メタン(CH)が3.3μm、二酸化炭素(CO)が4.3μm、一酸化炭素(CO)が4.7μm、一酸化窒素(NO)が5.3μmである。赤外線検出器2aは、第1フィルタ部31aの中心波長を第1光学フィルタ31の第1特定波長とし、第3フィルタ部32aの中心波長を第2光学フィルタ32の第2特定波長とすることができる。
赤外線検出器2aは、赤外線式ガスセンサに適用する場合、例えば、第1フィルタ部31aの中心波長を検出対象のガスの吸収波長に設定し、第3フィルタ部32aの中心波長を参照波長に設定すればよい。参照波長とは、検出対象のガス及び他のガスでの吸収のない波長を意味する。検出対象のガスとして、COを想定している場合、他のガスとしては、例えば、HO、CH、CO、NO等が挙げられる。
第1フィルタ部31a及び第3フィルタ部32aとしては、透過スペクトルの半値全幅が狭いバンドパスフィルタが好ましい。また、赤外線検出器2aは、第1フィルタ部31aの中心波長と第3フィルタ部32aの中心波長との差が小さい方が好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、検出対象のガスが存在しないときの第1フィルタ部31aを透過する赤外線の光量と第3フィルタ部32aを透過する赤外線の光量との差を少なくすることが可能となる。赤外線検出器2aは、赤外線式ガスセンサの検出対象のガスが例えばCOの場合、第1フィルタ部31aの中心波長を4.3μmに設定し、第3フィルタ部32aの中心波長を例えば3.9μmに設定することができる。
赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31と第2光学フィルタ32とが、別体に形成されているが、これに限らず、例えば、第1光学フィルタ31と第2光学フィルタ32とが1チップ化されていてもよい。
赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aの出力信号を信号処理するIC素子40を備えているのが好ましい。IC素子40は、基板43に実装されて、パッケージ29内に収納されているのが好ましい。赤外線検出素子20aは、赤外線検出素子20aが2つの検出エレメントDEを備えている場合、検出エレメントDEごとにIC素子40を備えるのが好ましい。赤外線検出器2aは、第1検出エレメントDE1の出力信号を信号処理するIC素子40(以下、「第1IC素子41」という。)と、第2検出エレメントDE2の出力信号を信号処理するIC素子40(以下、「第2IC素子42」という。)と、を備えるのが好ましい。
第1IC素子41は、例えば、図9に示すように、電流電圧変換回路41aと、増幅回路41bと、を備えた構成とすることができる。電流電圧変換回路41aは、第1検出エレメントDE1の出力信号である電流信号を電流−電圧変換して出力する回路である。増幅回路41bは、電流電圧変換回路41aの出力信号をそれぞれ増幅する回路である。
電流電圧変換回路41aは、オペアンプOP1と、コンデンサCf1と、を備える。第1検出エレメントDE1は、第1検出エレメントDE1の一対の出力端子のうちの一方の出力端子が基準電圧源E11を介して接地され、他方の出力端子がオペアンプOP1の反転入力端子に接続されている。電流電圧変換回路41aは、オペアンプOP1の出力端子と反転入力端子との間に、コンデンサCf1が接続されている。電流電圧変換回路41aは、オペアンプOP1の非反転入力端子に、オペアンプOP1の動作点を所定レベルに設定するための基準電圧源E21が接続されている。電流電圧変換回路41aは、オペアンプOP1の出力端子が増幅回路41bに接続される。
また、第2IC素子42は、例えば、図9に示すように、電流電圧変換回路42aと、増幅回路42bと、を備えた構成とすることができる。電流電圧変換回路42aは、第2検出エレメントDE2の出力信号である電流信号を電流−電圧変換して出力する回路である。増幅回路42bは、電流電圧変換回路42aの出力信号をそれぞれ増幅する回路である。
電流電圧変換回路42aは、オペアンプOP2と、コンデンサCf2と、を備える。第1検出エレメントDE2は、第2検出エレメントDE2の一対の出力端子のうちの一方の出力端子が基準電圧源E12を介して接地され、他方の出力端子がオペアンプOP2の反転入力端子に接続されている。電流電圧変換回路42aは、オペアンプOP2の出力端子と反転入力端子との間に、コンデンサCf2が接続されている。電流電圧変換回路42aは、オペアンプOP2の非反転入力端子に、オペアンプOP2の動作点を所定レベルに設定するための基準電圧源E22が接続されている。電流電圧変換回路42aは、オペアンプOP2の出力端子が増幅回路42bに接続される。
電流電圧変換回路41a、42aの回路構成は、図9の構成以外でもよい。
赤外線検出器2aは、第1IC素子41の回路構成と第2IC素子42の回路構成とが、同じであるのが好ましい。要するに、赤外線検出器2aは、第1IC素子41の、オペアンプOP1、コンデンサCf1、基準電圧源E21及び増幅回路41bと、第2IC素子42の、オペアンプOP2、コンデンサCf2、基準電圧源E22及び増幅回路42bと、がそれぞれ同じ仕様で略同じ特性であるのが好ましい。また、赤外線検出器2aは、基準電圧源E11と、基準電圧源E12と、が同じ仕様で略同じ特性であるのが好ましい。なお、赤外線検出器2aは、電流電圧変換回路41aと電流電圧変換回路42aと増幅回路41bと増幅回路42bと、を集積化して1チップのIC素子としてもよい。
基板43は、例えば、MID(Molded Interconnect Devices)基板により構成することができる。MID基板は、樹脂成形品により形成された絶縁性基材43aに、配線が所定のパターンで形成されている。絶縁性基材43aは、電気絶縁性を有する。基板43は、MID基板に限らず、例えば、部品内蔵基板、セラミック基板、プリント基板等により構成することができる。また、基板43は、リードフレームに樹脂成形品からなる絶縁性基材43aを形成した後に、リードフレームの不要部分を除去したものでもよい。
赤外線検出器2aは、検出エレメントDEの第1出力端子、第2出力端子が、基板43の第1導体部43j(図3参照)、第2導体部それぞれと電気的に接続されている。第1導体部43j及び第2導体部は、それぞれ、基板43の配線の互いに異なる一部を構成する。赤外線検出器2aは、検出エレメントDEの第1出力端子、第2出力端子が、上述の第1接続部、第2接続部によりそれぞれ構成されている場合、第1接続部及び第2接続部が、赤外線検出素子20aと基板43との接合部を兼ねることができる。
基板43は、この基板43の厚さ方向に直交する第1面143と、第2面144と、を備える。基板43は、この基板43の厚さ方向が、台座29aの厚さ方向と一致するように配置され、台座29aに固定されている。
以下、本明細書では、赤外線検出素子20aの第1焦電素子22と第2焦電素子23とが並ぶ方向を第1方向と称し、赤外線検出素子20aの厚さ方向を第2方向と称し、第1方向と第2方向とに直交する方向を第3方向と称する。
基板43は、図3に示すように、第1面143(図1参照)から突出して、赤外線検出素子20aを位置決めする2つの第1突部43mと、2つの第2突部43nと、を備えているのが好ましい。2つの第1突部43m及び2つの第2突部43nは、基板43における赤外線検出素子20aの搭載予定領域の外側に形成されている。2つの第1突部43mは、第1方向において赤外線検出素子20aの両側に位置している。2つの第2突部43nは、第3方向において赤外線検出素子20aの両側に位置している。2つの第2突部43nそれぞれにおいて赤外線検出素子20aに臨む面には、第1導体部43j及び第2導体部(図示せず)それぞれを露出させるための凹部43pが2つずつ形成されている。よって、赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aと第1導体部43j及び第2導体部とを、導電性接着剤により接合し電気的に接続することができる。
赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aを2つの第1突部43m及び2つの第2突部43nにより位置決めでき、基板43の厚さ方向に直交する面内における赤外線検出素子20aの位置精度を高めることが可能となる。これにより、赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aの位置精度に起因する冗長設計が不要となり、小型化及び感度の向上を図ることが可能となる。
基板43の第1面143には、各第1焦電素子22及び各第2焦電素子23の垂直投影領域を含む大きさの穴43bが形成されているのが好ましい。穴43bは、各第1焦電素子22及び各第2焦電素子23と基板43との間の熱絶縁性を高める目的で、熱絶縁用の穴として形成されている。これにより、赤外線検出器2aは、各第1焦電素子22及び各第2焦電素子23それぞれの感度の向上を図ることが可能となる。穴43bは、各第1焦電素子22及び各第2焦電素子23それぞれに対して1つずつ形成してもよい。
赤外線検出器2aは、基板43の第1面143側に赤外線検出素子20aが配置され、基板43の第2面144側に第1IC素子41及び第2IC素子42が配置されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、基板43の第1面143側において赤外線検出素子20aの側方に第1IC素子41及び第2IC素子42が配置されている場合に比べて、小型化を図ることが可能となる。また、赤外線検出器2aは、第1IC素子41及び第2IC素子42それぞれで発生した熱が赤外線検出素子20aへ伝熱されることを、より抑制することが可能となる。
第1IC素子41及び第2IC素子42の各々は、ベアチップであり、基板43の第2面144に設けた凹部43yの内底面に、ダイボンド材により固定されている。ダイボンド材としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。なお、第1IC素子41及び第2IC素子42は、基板43の配線と導電性ワイヤ等により電気的に接続されている。第1IC素子41及び第2IC素子42は、封止材料により形成された封止部(図示せず)で覆われているのが好ましい。封止材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等を採用することができる。
パッケージ29は、上述のように、台座29aと、キャップ29bと、窓材29wと、を備えている。
台座29aは、金属製であるのが好ましい。台座29aは、円板状に形成されている。台座29aは、外周部から外方へ突出した第1フランジ29abを一体に備えている。キャップ29bは、金属製であるのが好ましい。キャップ29bは、円筒状の筒部29bbの一端側に、円板状の天板部29baが形成され、他端側に、第2フランジ29bdが形成されている。キャップ29bは、天板部29baの中央部に窓孔29cが形成されている。
パッケージ29は、台座29aの第1フランジ29abとキャップ29bの第2フランジ29bdとが、溶接等によって接合されている。
台座29aは、平面視形状が円形状であるが、これに限らず、例えば、多角形状でもよい。また、キャップ29bの形状は、台座29aの形状に応じて適宜変更すればよい。例えば、台座29aの平面視形状が矩形状の場合、キャップ29bの平面視形状は、円形状でもよいし、矩形状でもよい。
パッケージ29は、4本のリードピン29dを備えている。4本のリードピン29dは、台座29aに保持されている。4本のリードピン29dは、台座29aに対して、台座29aの厚さ方向に貫通して設けられている。各リードピン29dは、基板43に結合されている。4本のリードピン29dは、給電用、グラウンド用、第1IC素子41の出力信号の取り出し用、及び第2IC素子42の出力信号の取り出し用それぞれに、1本ずつ利用される。グラウンド用のリードピン29dは、台座29aに対して導電性の封止材料で固定されており、台座29aと電気的に接続されている。それ以外のリードピン29dは、台座29aに対して電気絶縁性の封止材料で固定されており、台座29aと電気的に絶縁されている。なお、赤外線検出器2aは、基板43に、グラウンド用のリードピン29dが電気的に接続されるシールド板やシールド層を設けてもよい。
窓孔29cは、第1受光素子221と第2受光素子222とを併せたサイズよりも大きな開口サイズとしてある。窓孔29cの開口形状は、矩形状であるが、これに限らず、例えば、円形状や矩形以外の多角形状等でもよい。
窓材29wは、赤外線を透過する機能を備えている。窓材29wは、平板状のシリコン基板により構成してある。窓材29wは、窓孔29cの開口サイズよりもやや大きな矩形板状に形成されている。窓材29wは、キャップ29bに固着されている。窓材29wは、キャップ29bに対して、導電性材料により固着されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、窓材29wをキャップ29bと略同電位とすることが可能となり、外来の電磁ノイズの影響を受けにくくなるという利点がある。窓材29wは、シリコン基板に限らず、例えば、ゲルマニウム基板や硫化亜鉛基板等でもよいが、シリコン基板を用いたほうが低コスト化の点で有利である。導電性材料としては、例えば、半田、導電性接着剤等を採用することができる。
パッケージ29は、窓孔29cの赤外線検出素子20aへの垂直投影領域内に第1焦電素子22、22が位置するように窓孔29cが形成されている。パッケージ29は、窓孔29cの赤外線検出素子20aへの垂直投影領域外に第2焦電素子23、23が位置するように、窓孔29cを形成してもよい。この場合、赤外線検出器2aは、第1焦電素子22、22それぞれの検出対象の赤外線が第2焦電素子23、23へ入射するのを、パッケージ29によって、より抑制することが可能となる。
ところで、赤外線検出素子20aは、第1焦電素子22が焦電体基板21の中央部に形成され、第2焦電素子23が焦電体基板21の周部に形成されているのが好ましい。そして、遮光部材9は、板状に形成されており、遮光部材9の中央部に、第1焦電素子22、22の厚さ方向への垂直投影領域よりも大きな開口部91が形成されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、窓材29wを透過して第1焦電素子22へ向かった検出対象の赤外線が遮光部材9によって遮光されるのを抑制することが可能となる。開口部91の大きさは、第1焦電素子22の数に応じて適宜設定すればよく、第1焦電素子22が2つの場合、2つの焦電素子22、22それぞれの垂直投影領域を合わせた領域よりも大きくすればよい。
遮光部材9は、基板43に対して固定されている。遮光部材9は、基板43の2つ第1突部43m(図1、3参照)及び2つの第2突部43n(図3参照)に載置されている。基板43は、2つの第2突部43nそれぞれの上に、第1方向及び第3方向において遮光部材9を位置決めする第3突部43e(図3参照)が1つずつ形成されている。遮光部材9は、第3方向の両端面から突出して第1方向において第3突部43eの両側に配置される2つの突片97(図4、5参照)を一体に備えている。よって、赤外線検出器2aは、基板43の厚さ方向に直交する面内における遮光部材9の位置精度を高めることが可能となる。
2つの第3突部43eの互いの対向面には、凹部43q(図3参照)が2つずつ形成されている。第3突部43eの凹部43qは、第2突部43nの凹部43pに対応する位置に形成されている。遮光部材9は、第3突部43eの凹部43qに入れた接着剤により、基板43に固定してあるのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、遮光部材9と赤外線検出素子20aとの相対的な位置精度を高めることが可能となる。
基板43は、2つの第1突部43m、43m及び2つの第2突部43n、43nの高さを赤外線検出素子20aの厚さよりも大きく設定してある。これにより、赤外線検出器2aは、基板43の厚さ方向における遮光部材9と赤外線検出素子20aとの相対的な位置精度を高めることが可能となり、遮光部材9と赤外線検出素子20aとのギャップ長Lgの精度も高めることが可能となる。
赤外線検出器2aは、赤外線検出素子20aと遮光部材9とが同じ基板43に対して固定されているので、赤外線検出素子20aと遮光部材9との相対的な位置精度を向上させることが可能となり、高感度化を図ることが可能となる。
第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32は、遮光部材9に対して固定してある。第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32は、遮光部材9に対して接着剤等により固定することができる。赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32で開口部91を塞ぐように、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32が配置されているのが好ましい。第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32は、遮光部材9の第1面9a側において、開口部91の周辺部94に固着されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32と赤外線検出素子20aとの間に間隙を形成することができる。
遮光部材9は、遮光部材9の第1面9a側から赤外線検出素子20aの一部を視認可能とする窓部92(図4、5参照)が形成されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2aは、製造時に、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32を予め固着した遮光部材9を基板43に対して固定した後で、赤外線検出素子20aの有無や位置ずれの有無の確認等の検査工程を行うことが可能となる。また、赤外線検出器2aは、製造時に、遮光部材9を基板43に対して固定した後で、遮光部材9と赤外線検出素子20aとの相対的な位置関係を外観検査で評価することが可能となる。窓部92は、遮光部材9の周部において赤外線検出素子20aの四隅それぞれに対応して形成されているのが好ましい。窓部92は、遮光部材9の外周面に形成された切欠部である。窓部92は、遮光部材9の厚さ方向に貫通する貫通孔でもよいし、可視光を透過する透明な部材でもよい。
遮光部材9は、例えば、樹脂板と、樹脂板に積層された金属箔と、を備えた構成とすることができる。これにより、赤外線検出器2aは、遮光部材9を、例えば、プリント配線板等を利用して形成することが可能となる。この場合は、プリント配線板の樹脂基材が樹脂板を構成し、銅箔が、金属箔を構成する。樹脂基材としては、例えば、フェノール系樹脂基板や、ガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂基板等を採用することができる。また、金属箔は、赤外線を反射等して遮光することができる材料であればよく、銅箔に限らず、例えば、アルミニウム箔、金箔等を採用してもよい。遮光部材9は、プリント配線板を利用して形成する場合、プリント配線板を所定の形状に切断して用いればよく、樹脂板を樹脂成形により成形しなくてもよくなるという利点がある。
遮光部材9は、例えば、金属板であってもよい。これにより、赤外線検出器2aは、遮光部材9の熱容量をより低減することが可能となる。金属板の材料は、赤外線を反射等して遮光することができる材料であればよい。金属板の材料は、熱容量が小さな材料が好ましく、例えば、アルミニウムを採用することができる。金属板の材料は、ステンレス鋼等でもよい。
赤外線検出器2aの第1変形例の赤外線検出器では、赤外線検出素子20aの代わりに、例えば、図10(a)、図10(b)及び図10(c)に示す構成の赤外線検出素子20bを採用することができる。
赤外線検出素子20bは、第1焦電素子22と第2焦電素子23とが逆直列に接続されている点が、赤外線検出素子20aと相違する。なお、赤外線検出素子20bについては、赤外線検出素子20aと同様の構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。
赤外線検出素子20bは、組をなす第1焦電素子22の第1表面電極22aと第2焦電素子23の第2表面電極23aとが、第1表面配線24a及び第2表面配線25aを介して電気的に接続されている。これにより、赤外線検出素子20bは、組をなす第1焦電素子22と第2焦電素子23とが逆直列に接続されている。要するに、第1変形例の赤外線検出器における第1検出エレメントDE及び第2検出エレメントDE2は、第1焦電素子22と第2焦電素子23とが逆直列に接続されている。赤外線検出素子20bは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組ごとに、一対の出力端子28c、28dを備えている。赤外線検出素子20bは、端子部24bbが、一方の出力端子28c(第1出力端子28c)を構成し、端子部25bbが、他方の出力端子28d(第2出力端子28d)を構成している。
赤外線検出素子20bは、第1焦電素子22を受光用の焦電素子として使用し、第2焦電素子23を温度補償用の焦電素子として使用することで、赤外線のクロストークによる影響を軽減することが可能となる。これにより、赤外線検出素子20bは、高感度化を図ることが可能となる。
赤外線検出素子20bは、第1焦電素子22と第2焦電素子23との組を2組、備えている。よって、赤外線検出素子20bは、各組ごと、第1焦電素子22と第2焦電素子23とが逆直列に接続されている。
図11は、赤外線検出器2aの第2変形例の赤外線検出器2cを示している。赤外線検出器2cは、赤外線検出器2aと基本構成が略同じであり、遮光部材9の形状が相違する。なお、赤外線検出器2cについては、赤外線検出器2aと同様の構成要素について同一の符号を付して説明を適宜省略する。
赤外線検出器2cの遮光部材9は、開口部91の周辺部94に、窓材29w側及び開口部91側が開放された凹部93が形成されている。また、遮光部材9は、赤外線検出器2aと同様、第1面9a側から赤外線検出素子20aの一部を視認可能とする窓部92が形成されている。また、遮光部材9は、窓部92が、遮光部材9における、第2焦電素子23の厚さ方向への垂直投影領域と、開口部91と、凹部93と、を避けて形成されている。光学フィルタ30は、開口部91を塞ぎ、光学フィルタ30の周部が、凹部93に載置され遮光部材9に対して位置決めされている。これにより、赤外線検出器2cは、光学フィルタ30と赤外線検出素子20aとの相対的な位置精度をより高めることが可能となる。特に、赤外線検出器2cは、第1光学フィルタ31、第2光学フィルタ32と第1受光素子221、第2受光素子222との相対的な位置精度を高めることが可能となり、高感度化を図ることが可能となる。
図12及び13は、赤外線検出器2aの第3変形例の赤外線検出器2dを示している。赤外線検出器2dは、赤外線検出器2aと基本構成が略同じであり、遮光部材9の形状が相違する。なお、赤外線検出器2dについては、赤外線検出器2aと同様の構成要素について同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、図12は、図13のX−X断面に対応する概略縦断面図である。
赤外線検出器2dの遮光部材9は、キャップ29bの内周面29bcに接触する形状に形成されている。そして、キャップ29bは、遮光部材9によって、台座29aの厚さ方向に直交する面内での位置決めがされている。これにより、赤外線検出器2dは、窓材29wと遮光部材9との相対的な位置精度を高めることが可能となる。よって、赤外線検出器2dは、窓材29wと光学フィルタ30と赤外線検出素子20aとの相対的な位置精度をより向上させることが可能となり。より高感度化を図ることが可能となる
遮光部材9は、円形の板状に形成されており、外周面から複数の突出片96が突出して形成されており、各突出片96それぞれの先端面が、キャップ29bの筒部29bbの内周面29bcに接触している。遮光部材9は、複数の突出片96が、キャップ29bの内周面29bcの周方向に沿った方向において、等間隔で形成されているのが好ましい。これにより、赤外線検出器2dは、台座29aに対するキャップ29bの位置精度をより高めることが可能となる。
図14は、赤外線検出器2aの第4変形例の赤外線検出器2eを示している。赤外線検出器2eは、赤外線検出器2aと基本構成が略同じであり、遮光部材9の形状が相違する。なお、赤外線検出器2eについては、赤外線検出器2aと同様の構成要素について同一の符号を付して説明を適宜省略する。
赤外線検出器2eの遮光部材9は、開口部91の周辺部94に、赤外線検出素子20aの表面側に突出した突起95を備える。これにより、赤外線検出器2eは、光学フィルタ30に斜め入射した赤外線や迷光となった赤外線等が第2焦電素子23、23に入射するのを抑制することが可能となり、S/N比の向上による更なる高感度化を図ることが可能となる。
赤外線検出器2c、2d、2eは、赤外線検出素子20aの代わりに、赤外線検出素子20bを備えた構成としてもよい。また、赤外線検出器2aは、第1変形例〜第4変形例を適宜組み合わせて構成してもよい。
以下では、赤外線検出器2aを備えた赤外線式ガスセンサ100について図15〜20に基づいて説明する。
赤外線式ガスセンサ100(以下、「ガスセンサ100」ともいう。)は、検出対象のガスの種類によって赤外線の吸収波長が異なることを利用して、ガスを検知するので、ガスの識別性を高めることが可能となる。
ガスセンサ100は、赤外光源1と、赤外線検出器2aと、赤外光源1と赤外線検出器2aとの間に配置され検出対象のガスの出入りが可能な試料セル6(図17〜20参照)と、を備える。また、ガスセンサ100は、赤外光源1に間欠的に通電する駆動回路5と、駆動回路5を制御する制御部51と、第1IC素子41及び第2IC素子42の出力信号を信号処理して検出対象のガスの濃度を求める信号処理回路4と、を備える。これにより、ガスセンサ100は、高感度化を図ることが可能となる。
赤外線検出器2aにおける第1光学フィルタ31は、測定対象のガスの吸収波長の赤外線を透過するように第1透過波長域が設定されている。第1透過波長域は、上述の第1フィルタ部31a(図7参照)の透過波長域である。第1光学フィルタ31は、測定対象のガスの吸収波長を第1特定波長として設定してある。
赤外線検出器2aにおける第2光学フィルタ32は、測定対象のガスに吸収されない参照波長の赤外線を透過し第1透過波長域に重複しない第2透過波長域が設定されている。第2透過波長域は、上述の第3フィルタ部32a(図8参照)の透過波長域である。第2光学フィルタ32は、参照波長を第2特定波長として設定してある。
信号処理回路4は、第1IC素子41の出力信号と第2IC素子42の出力信号との比に基づいて検出対象のガスの濃度を求め、この濃度に相当する出力信号を発生するように構成されている。第1IC素子41の出力信号は、第1検出エレメントDE1の出力信号を電流電圧変換回路41aで電流−電圧変換してから、増幅回路41bで増幅して出力されるアナログの電圧信号である。第2IC素子42の出力信号は、第2検出エレメントDE2の出力信号を電流電圧変換回路42aで電流−電圧変換してから、増幅回路42bで増幅して出力されるアナログの電圧信号である。信号処理回路4は、第1IC素子41の出力信号と第2IC素子42の出力信号との差分に基づいて検出対象のガスの濃度を求める、この濃度に相当する出力を発生するようにしてもよい。
ガスセンサ100の各構成要素については、以下に、より詳細に説明する。
赤外光源1は、熱放射により赤外線を放射するように構成されている。赤外光源1は、熱放射により赤外線を放射するように構成されているから、赤外発光ダイオードに比べて広い波長域の赤外線を放射することができる。赤外光源1は、第1透過波長域の中心波長及び第2透過波長域の中心波長を含む広帯域の赤外線を放射することができる。要するに、赤外光源1は、第1光学フィルタ31の第1透過波長域と第2光学フィルタ32の第2透過波長域とを包含する波長域の赤外線を放射することができる。
赤外光源1は、熱放射により赤外線を放射する赤外線放射素子10と、赤外線放射素子10を収納したパッケージ19(図16参照)と、を備えている。図16中の矢印付きの線は、ガスセンサ100において赤外光源1から放射された赤外線の進行経路を模式的に示したものである。
赤外線放射素子10は、図20に示すように、半導体基板11と、半導体基板11の表面111側に形成された薄膜部12と、半導体基板11に形成され薄膜部12における半導体基板11側の第1面121の一部を露出させる開口部11aと、を備える。また、赤外線放射素子10は、薄膜部12の第2面122に形成され、通電されることによる熱放射により赤外線を放射する赤外線放射層13を備える。赤外線放射層13は、駆動回路5から通電されることによって、熱放射により赤外線を放射する。赤外光源1は、熱放射により赤外線を放射するものであるから、赤外発光ダイオードに比べて広い波長域の赤外線を放射することができる。
赤外線放射素子10は、保護層14と、赤外線放射層13に電気的に接続された複数の端子部16と、を備えている。保護層14は、薄膜部12の第2面122側で赤外線放射層13を覆うように形成されている。保護層14は、赤外線放射層13から放射される赤外線を透過可能な材料により形成されている。赤外線放射層13と各端子部16とは、配線15を介して電気的に接続されている。
赤外線放射素子10は、MEMS(micro electro mechanical systems)の製造技術等を利用して製造することができる。
赤外線放射素子10は、赤外線放射層13への通電により赤外線放射層13が発熱し、赤外線放射層13から熱放射により赤外線が放射される。赤外線放射素子10の赤外線放射層13は、赤外光源1における発熱体を構成している。
半導体基板11としては、単結晶のシリコン基板を採用している。半導体基板11は、単結晶のシリコン基板に限らず、例えば、多結晶のシリコン基板等を採用することができる。
薄膜部12は、例えば、半導体基板11側のシリコン酸化膜12aと、シリコン酸化膜12aにおける半導体基板11側とは反対側に積層されたシリコン窒化膜12bとの積層膜により構成することができる。薄膜部12は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜の単層構造でもよい。
赤外線放射層13の材料は、窒化タンタルを採用している。つまり、赤外線放射層13は、窒化タンタル層により構成されている。赤外線放射層13の材料は、窒化タンタルに限らず、例えば、窒化チタン、ニッケルクロム、タングステン、チタン、トリウム、白金、ジルコニウム、クロム、バナジウム、ロジウム、ハフニウム、ルテニウム、ボロン、イリジウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、オスミウム、レニウム、ニッケル、ホルミウム、コバルト、エルビウム、イットリウム、鉄、スカンジウム、ツリウム、パラジウム、ルテチウムを採用してもよい。また、赤外線放射層13の材料は、導電性ポリシリコンを採用してもよい。つまり、赤外線放射層13は、導電性ポリシリコン層により構成してもよい。赤外線放射層13について、高温で化学的に安定であり、且つ、シート抵抗の設計容易性という観点からは、窒化タンタル層、窒化チタン層、導電性ポリシリコン層等を採用することが好ましい。窒化タンタル層及び窒化チタン層の各々は、その組成を変えることにより、シート抵抗を変えることが可能である。導電性ポリシリコン層は、不純物濃度を変えることにより、シート抵抗を変えることが可能である。
開口部11aは、半導体基板11の厚さ方向に貫通した孔により形成されている。この開口部11aは、半導体基板11の裏面112から半導体基板11の一部を半導体基板11の表面111までエッチングすることにより形成されている。開口部11aは、半導体基板11の厚さ方向に貫通した孔に限らず、半導体基板11の表面111に形成された穴でもよい。
保護層14は、シリコン窒化膜により構成してある。保護層14は、シリコン窒化膜に限らず、例えば、シリコン酸化膜により構成してもよいし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造を有していてもよい。保護層14は、耐湿性等の信頼性を確保するためのパッシベーション膜である。保護層14は、赤外線放射層13への通電時に赤外線放射層13から放射される所望の波長域の赤外線に対する透過率が高いほうが好ましいが、透過率が100%であることを必須とするものではない。
赤外線放射層13の厚さは、赤外線放射層13の低熱容量化を図るという観点から0.2μm以下とするのが好ましい。
薄膜部12の厚さと赤外線放射層13の厚さと保護層14の厚さとの合計厚さは、薄膜部12と赤外線放射層13と保護層14との積層構造の低熱容量化を図るという観点から、例えば、0.1μm〜1μm程度の範囲で設定することが好ましく、0.7μm以下とするのがより好ましい。
配線15の材料としては、アルミニウム合金(Al−Si)を採用している。配線15の材料は、特に限定するものではなく、例えば、金、銅等を採用してもよい。また、配線15は、赤外線放射層13と接する部分が赤外線放射層13とオーミック接触が可能な材料であればよく、単層構造に限らず、多層構造でもよい。例えば、配線15は、その厚さ方向において、赤外線放射層13側から順に、第1層、第2層、第3層が積層された3層構造として、赤外線放射層13に接する第1層の材料を高融点金属(例えば、クロム等)とし、第2層の材料をニッケルとし、第3層の材料を金としてもよい。高融点金属としては、例えば、クロム等を採用することができる。
端子部16は、パッド電極を構成している。端子部16の材料としては、アルミニウム合金(Al−Si)を採用している。端子部16の材料は、配線15と同じ材料を採用しているが、端子部16の材料と異なる材料でもよい。
ガスセンサ100は、駆動回路5から赤外線放射素子10の一対の端子部16間に与える入力電力を調整することにより、赤外線放射層13に発生するジュール熱を変化させることができ、赤外線放射層13の温度を変化させることができる。よって、赤外線放射素子10は、赤外線放射層13の温度を変化させることで赤外線放射層13から放射される赤外線のピーク波長を変化させることができる。
パッケージ19は、赤外線放射素子10が実装される台座19aと、赤外線放射素子10を覆うように台座19aに固着されるキャップ19bと、を備える。パッケージ19は、キャップ19bにおける赤外線放射素子10の前方に形成された窓孔19rと、窓孔19rを塞ぐように配置され、赤外線を透過可能な窓材19wと、を備える。
台座19aは、金属製である。台座19aは、円板状に形成されている。キャップ19bは、金属製である。キャップ19bは、円筒状の筒部19bbの一端側に、円板状の天板部19baが形成されており、天板部19baの中央部に窓孔19rが形成されている。
台座19aは、平面視形状が円形状であるが、これに限らず、例えば、多角形状でもよい。また、キャップ19bの形状は、台座19aの形状に応じて適宜変更すればよい。例えば、台座19aの平面視形状が矩形状の場合、キャップ19bの平面視形状は、円形状でもよいし、矩形状でもよい。
パッケージ19は、赤外線放射素子10への給電用の端子として、2本のリードピン19dを備えている。赤外線放射素子10の端子部16とリードピン19dとは、金属細線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
2本のリードピン19dは、台座19aに保持されている。2本のリードピン19dは、台座19aに対して、台座19aの厚さ方向に貫通して設けられている。2本のリードピン19dは、台座19aに対して電気絶縁性の封止材(ガラス)で固定されており、台座19aと電気的に絶縁されている。
窓材19wは、赤外線を透過する機能を有する。窓材19wは、平板状のシリコン基板により構成してある。窓材19wは、シリコン基板に限らず、例えば、ゲルマニウム基板や硫化亜鉛基板等でもよいが、シリコン基板を用いたほうが低コスト化の点で有利である。また、窓材19wとしては、レンズを採用することもできる。
ガスセンサ100は、駆動回路5から赤外線放射素子10の赤外線放射層13へ与える入力電力を調整することにより、赤外線放射層13に発生するジュール熱を変化させることができ、赤外線放射層13の温度を変化させることができる。よって、ガスセンサ100では、赤外線放射層13の温度を変化させることで赤外線放射層13から放射される赤外線のピーク波長を変化させることができる。
駆動回路5は、赤外光源1を間欠的に駆動する。駆動回路5は、赤外光源1に対して、所定パルス幅の電圧(以下、「パルス電圧」ともいう。)を一定の時間間隔で印加する。したがって、ガスセンサ100は、駆動回路5から赤外光源1へ、パルス電圧が周期的に印加される。赤外光源1は、パルス電圧が印加されている期間が通電期間となり、パルス電圧が印加されていない期間が非通電期間となる。
試料セル6は、筒状に形成されている。試料セル6は、その内部空間と外部とを連通させる複数の通気孔69が、試料セル6の軸方向に直交する方向に貫通して形成されているのが好ましい。試料セル6が、円筒状に形成されている場合、通気孔69は、試料セル6の径方向に貫通して形成されているのが好ましい。試料セル6は、通気孔69を通して外部からの気体が導入されたり、内部空間の気体が導出されたりする。
ガスセンサ100は、試料セル6の軸方向の一端部側に赤外光源1が配置され、試料セル6の軸方向の他端部側に赤外線検出器2aが配置されている。ガスセンサ100は、通気孔69を通って試料セル6の内部空間に、例えば、外部からの検出対象のガス、あるいは検出対象のガスを含む気体が導入される。ガスセンサ100は、試料セル6の内部空間にある検出対象のガスの濃度が増加すると、赤外線検出器2aへ入射する赤外線の光量が低下し、試料セル6の内部空間にある検出対象のガスの濃度が低下すると、赤外線検出器2aへ入射する赤外線の光量が増加する。
ガスセンサ100では、検出対象のガスの種類によって赤外線の吸収波長が異なるので、ガスの識別性を高めることが可能となる。赤外線検出器2aは、例えば、第1フィルタ部31a(図7参照)の中心波長を検出対象のガスの吸収波長に設定し、第3フィルタ部32a(図8参照)の中心波長を検出対象のガス及び他のガスでの吸収のない波長に設定すればよい。第1フィルタ部31a及び第3フィルタ部32aとしては、透過スペクトルの半値全幅が狭いバンドパスフィルタが好ましい。また、ガスセンサ100は、第1フィルタ部31aの中心波長と第3フィルタ部32aの中心波長との差が小さい方が好ましい。これにより、ガスセンサ100は、検出対象のガスが存在しないときの第1フィルタ部31aを透過する赤外線の光量と第3フィルタ部32aを透過する赤外線の光量との差を少なくすることが可能となる。ガスセンサ100は、検出対象のガスが例えば二酸化炭素の場合、第1フィルタ部31aの中心波長を4.3μmに設定し、第3フィルタ部32aの中心波長を例えば3.9μmに設定することができる。
試料セル6は、この試料セル6の中心軸を含む平面で分割された対になる半割体64、65(図17〜19参照)を結合することにより形成されている。半割体64と半割体65とは、例えば、嵌め合い、超音波溶着、接着等から選択される技術により結合することができる。
試料セル6は、赤外光源1から放射された赤外線を赤外線検出器2a側へ反射する光学要素を兼ねているのが好ましい。試料セル6は、例えば、合成樹脂により形成されている場合、内面側に、赤外線を反射する反射層を備えた構成とするのが好ましい。試料セル6の材料は、合成樹脂に限らず、例えば、金属を採用してもよい。
要するに、試料セル6は、筒状であり、その内面が、赤外光源1から放射された赤外線を反射する反射面66(図17、19参照)を構成するのが好ましい。上述の反射層を備えている場合には、この反射層の表面が反射面66を構成することができる。
ガスセンサ100は、赤外光源1を保持する保持部材70(図17〜19参照)を備え、この保持部材70が試料セル6に取り付けられている。また、ガスセンサ100は、赤外線検出器2aを保持する保持部材80を備え、この保持部材80が試料セル6に取り付けられている。
保持部材70は、キャップ部71と、押さえ板72と、を備えている。キャップ部71は、円盤状であって、試料セル6側の端面に、試料セル6の一端部が挿入される凹部71aが設けられ、凹部71aの底部の中央に、赤外光源1が挿入される貫通孔71bが形成されている。押さえ板72は、キャップ部71に対して赤外光源1を押さえるためのものである。
保持部材70は、押さえ板72の孔72b及びキャップ部71の孔71dに通された複数のねじ(図示せず)が、試料セル6の一端部のめねじ部64d、65dにねじ込まれることによって、試料セル6に取り付けられている。
保持部材80は、キャップ部81と、押さえ板82と、を備えている。キャップ部81は、円盤状であって、試料セル6側の端面に、試料セル6の他端部が挿入される凹部81aが設けられ、凹部81aの底部の中央に、赤外線検出器2aが挿入される貫通孔81bが形成されている。押さえ板82は、キャップ部81に対して赤外線検出器2aを押さえるためのものである。
保持部材80は、押さえ板82の孔82b及びキャップ部81の孔81cに通されたねじ(図示せず)が、試料セル6の他端部のめねじ部(図示せず)にねじ込まれることによって、試料セル6に取り付けられている。
なお、保持部材70,80それぞれの構造は、特に限定するものではない。また、試料セル6への保持部材70,80それぞれの取付構造も特に限定するものではない。
ところで、試料セル6の反射面66は、試料セル6の中心軸上に規定した長軸を回転軸とする回転楕円体の長軸方向の両端部それぞれを長軸に直交する2つの平面によりカットした形状としてある。よって、試料セル6は、回転楕円体(長楕円体)の一部に対応する内部空間が形成されている。
ガスセンサ100は、赤外光源1を、試料セル6の中心軸上において、上記回転楕円体の一方の焦点に配置し、赤外線検出器2aを、試料セル6の中心軸上において、上記回転楕円体の他方の焦点よりも赤外光源1に近い側に配置するのが好ましい。
なお、ガスセンサ100は、赤外光源1と赤外線検出器2aとの間に配置される部材(試料セル6等)の形状や数、配置等を特に限定するものではない。
信号処理回路4は、A/D変換回路45aと、濃度演算部45bと、を備える。A/D変換回路45aは、第1IC素子41の出力信号(以下、「第1出力信号」ともいう。)、第2IC素子42の出力信号(以下、「第2出力信号」ともいう。)それぞれをアナログ−ディジタル変換して出力するように構成されている。濃度演算部45bは、A/D変換回路45aにてそれぞれディジタル化された第1出力信号と第2出力信号との比に基づいて測定対象のガスの濃度を演算するように構成されている。
濃度演算部45bは、第1IC素子41の第1出力信号と第2IC素子42の第2出力信号との比から、濃度を演算するように構成されている。濃度演算部45bでは、〔第1IC素子41の第1出力信号〕/〔第2IC素子42の第2出力信号〕の値が大きいほど、濃度が高くなる。
濃度演算部45bは、A/D変換回路45aにてそれぞれディジタル化された第1出力信号と第2出力信号との差分に基づいて測定対象のガスの濃度を演算するように構成してもよい。この場合、濃度演算部45bでは、|〔第1IC素子41の第1出力信号〕−〔第2IC素子42の第2出力信号〕|の値が大きいほど、濃度が高くなる。
ガスセンサ100は、制御部51と濃度演算部45bとを備える演算部が、マイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより構成されている。演算部は、例えば、カスタムIC等により構成してもよい。
ガスセンサ100は、濃度演算部45bでの演算により求めた濃度を表示させる表示部8を備えていてもよい。表示部8は、例えば、液晶表示装置や、有機EL表示装置や、発光ダイオードを用いた表示装置等により構成することができる。
ガスセンサ100は、制御部51に、赤外光源1の抵抗値を設定する設定部52が接続されている。制御部51は、設定部52により設定された抵抗値に基づいて、駆動回路5から赤外光源1への投入電力が規定値となるように所定パルス幅を決定するように構成されている。
赤外光源1の抵抗の測定値とは、室温(例えば、25℃)下において赤外光源1に電圧を印加したときに赤外光源1に流れる電流を測定し、オームの法則から求めた値である。赤外光源1の抵抗は、ガスセンサ100の製造段階或いはガスセンサ100の製造前に、予め測定すればよい。赤外光源1の抵抗の測定値は、赤外線放射素子10の赤外線放射層13の抵抗と、パッケージ19のリードピン19dと赤外線放射層13との間の電路の抵抗と、の合成抵抗の値である。赤外光源1は、赤外線放射層13で発生するジュール熱を大きくし、赤外線放射層13から効率良く赤外線を放射させるという観点から、赤外線放射層13の抵抗値が、電路の抵抗値よりも十分に大きいのが好ましい。言い換えれば、赤外光源1は、赤外光源1の抵抗の測定値が、赤外線放射層13の抵抗値とみなせる程度に電路の抵抗値が小さいのが好ましい。
駆動回路5は、制御部51にて決定された所定パルス幅の電圧を赤外光源1へ供給するように構成されている。
駆動回路5は、制御部51からの制御信号を昇圧してパルス電圧を生成するように構成されている。駆動回路5は、制御信号として与えられる入力電圧を昇圧する昇圧機能を有している。制御信号は、所定パルス幅を指示する信号である。
ガスセンサ100は、駆動回路5から赤外光源1へ供給するパルス電圧が同じでも、赤外光源1の抵抗値の違いによって、赤外線放射層13の温度が異なる。
そこで、ガスセンサ100は、制御部51が、設定部52により設定された抵抗値に基づいて、駆動回路5から赤外光源1への投入電力が規定値となるように所定パルス幅を決定するように構成されている。設定部52は、例えば、不揮発性記憶素子により構成することができる。設定部52は、例えば、ガスセンサ100の出荷検査時等に、別途に測定した赤外光源1の抵抗の測定値を、赤外光源1の抵抗値として記憶させることで設定するものである。制御部51は、所定パルス幅を決定する際、設定部52から赤外光源1の抵抗値を読み出し、所定の演算式に当該抵抗値を代入して演算を行うことで所定パルス幅を決定する。更に、ガスセンサ100は、駆動回路5が、制御部51にて決定された所定パルス幅のパルス電圧を赤外光源1へ間欠的に供給するように構成されている。これにより、ガスセンサ100は、赤外光源1の製造ばらつき等に起因して赤外光源1の抵抗値がばらついていても、製造時に、予め測定した赤外光源1の抵抗の測定値を設定部52により抵抗値として設定することができる。よって、赤外光源1への投入電力のばらつきを抑制することが可能となり、測定精度の高精度化を図ることが可能となる。要するに、ガスセンサ100は、製造時に所定パルス幅を赤外光源1の抵抗の測定値に基づいて初期調整する機能を有しており、測定精度の高精度化を図ることが可能となる。
ガスセンサ100は、赤外線検出器2aの代わりに、第1変形例の赤外線検出器、第2変形例の赤外線検出器2c、第3変形例の赤外線検出器2d、第4変形例の赤外線検出器2e等を用いてもよい。
ガスセンサ100は、第1検出エレメントDE1と第2検出エレメントDE2との組を、1組だけ備えているが、これに限らず、第1検出エレメントDE1と第2検出エレメントDE2との組を、複数組、備えていてもよい。これにより、ガスセンサ100は、第1検出エレメントDE1と第2検出エレメントDE2との組の数に1対1で対応する種類、のガスの濃度を測定することが可能となる。つまり、ガスセンサ100は、測定対象のガスの種類を1種類だけに限らず、複数種類とすることもできる。
なお、赤外光源1は、赤外線放射素子10とパッケージ19とを備えた構成に限らず、例えば、ハロゲンランプ等を採用することもできる。
(実施形態2)
以下では、実施形態1で説明した赤外線検出器2aを用いた赤外線応用装置として、図21に示す構成を備えた人体検知センサ150を例示する。人体検知センサ150は、赤外線を放射する物体である人の動きを検知して検知信号を出力するものである。人体検知センサ150は、例えば、照明負荷と電源との間に設けたスイッチ要素(スイッチング素子、リレー等)をオンオフさせる制御回路等と合わせて用いることもできる。また、人体検知センサ150は、例えば、人の移動方向に関する検知信号を出力するものでもよい。
人体検知センサ150は、赤外線検出器2aと、IC素子153と、回路基板151と、カバー152とを備えている。
赤外線検出器2aは、人体検知センサ150に適用する場合、第1IC素子41び増幅回路41b及び第2IC素子42の増幅回路42bを、例えば、人の動きに近い周波数成分(1Hzを中心とする成分)の電圧信号を増幅するバンドパスアンプで構成することが好ましい。
人体検知センサ150では、検出対象の赤外線の波長が8〜13μm程度であり、中心波長が10μm程度である。このため、第1光学フィルタ31及び第2光学フィルタ32は、8μmよりも短波長の所定波長(例えば、5μm)以下の波長の電磁波をカットするようにフィルタ特性が設定されているのが好ましい。
IC素子153は、赤外線検出器2aの出力信号を信号処理して検知信号を出力する信号処理回路が形成されている。
赤外線検出器2a及びIC素子153は、回路基板151に実装される。回路基板151は、例えば、プリント配線板により構成することができる。
カバー152は、赤外線検出器2aのパッケージ29を覆うように回路基板151に取り付けられるのが好ましい。この場合、赤外線検出器2aは、台座29aと回路基板151との間に隙間が形成されるように回路基板151に実装されているのが好ましい。これにより、人体検知センサ150は、カバー152とパッケージ29と回路基板151とで囲まれた空間が、空気層からなる気体層を構成する。よって、人体検知センサ150は、回路基板151から台座29aへの熱伝導を抑制することが可能となり、人体検知センサ150の周囲の熱のゆらぎに起因した誤検知の発生を抑制することが可能となる。カバー152は、赤外線検出器2aに取り付けるようにしてもよい。
カバー152は、赤外線を透過可能とするために、ポリエチレン製であるのが好ましい。カバー152の形状は、例えば、ドーム状の形状とすることができる。カバー152は、パッケージ29における窓材29w側とは反対側から入射する赤外線を透過する領域が、当該反対側から入射する赤外線を赤外線検出素子20a(例えば、図1参照)へ集光可能なレンズ状の形状に形成されていることが好ましい。このレンズ形状は、複数のレンズ部が組み合わされ各レンズ部の焦点位置が同じであるアレイレンズでもよいし、1つのレンズとしてもよい。
信号処理回路は、例えば、検知回路と、出力回路とを備えていればよい。検知回路は、例えば、増幅回路41b、増幅回路42bで増幅された各出力信号を適宜設定した閾値と比較し各出力信号が閾値を越えた場合に検知信号を出力する。このような検知回路は、例えば、コンパレータ等を用いた比較回路で構成することができる。出力回路は、検知回路の検知信号を所定の人体検出信号として出力する。
また、検知回路は、増幅回路41bで増幅された出力信号と増幅回路42bで増幅された出力信号との差分もしくは比を求め、その値を適宜設定した閾値と比較し閾値を越えた場合に検知信号を出力するようにしてもよい。この場合は、例えば、第1光学フィルタ31のフィルタ特性を、検出対象の赤外線を透過するように設定し、第2光学フィルタ32のフィルタ特性を、検出対象の赤外線を透過しないように設定すればよい。
検知回路は、増幅回路41bで増幅された出力信号が閾値を越えるタイミングと、増幅回路42bで増幅された出力信号が閾値を越えるタイミングとに基づいて人の移動方向を判別するようにしてもよい。この場合、検知回路は、例えば、マイクロコンピュータに適宜のプログラムを搭載することにより実現することができる。また、この場合は、第1光学フィルタ31のフィルタ特性と第2光学フィルタ32のフィルタ特性とを同じに設定するのが好ましい。
赤外線応用装置は、赤外線式ガスセンサ100や人体検知センサ150に限らず、赤外線を利用する装置であればよい。赤外線応用装置は、例えば、非分散型ガス分析計、火災時に炎の中の炭酸ガス(COガス)の共鳴放射(「CO共鳴放射」とも呼ばれている。)により発生する特定波長(4.3μm乃至4.4μm)の赤外線を検出して炎検知を行う赤外線式炎検知器等でもよい。
上述の実施形態1〜2等において説明した各図は、模式的なものであり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際のものの寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1〜2等に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
2a、2c、2d、2e 赤外線検出器
9 遮光部材
20a 赤外線検出素子
21 焦電体基板
22 第1焦電素子
23 第2焦電素子
29 パッケージ
29a 台座
29b キャップ
29ba 天板部
29bc 内周面
29c 窓孔
29w 窓材
31 光学フィルタ(第1光学フィルタ)
32 光学フィルタ(第2光学フィルタ)
43 基板
91 開口部
92 窓部
93 凹部
94 周辺部
95 突起

Claims (6)

  1. 赤外線検出素子と、特定波長の赤外線を透過させる光学フィルタと、前記赤外線検出素子が実装された基板と、前記赤外線検出素子、前記光学フィルタ及び前記基板が収納されたパッケージと、を備え、
    前記パッケージは、前記基板を支持する台座と、前記赤外線検出素子及び前記光学フィルタを覆い前記台座に固着されたキャップと、前記キャップにおける天板部に形成された窓孔を塞ぎ赤外線を透過する窓材と、を備え、
    前記赤外線検出素子は、1つの焦電体基板に、組をなす受光用の第1焦電素子と温度補償用の第2焦電素子とが並んで形成され、
    前記組をなす前記第1焦電素子と前記第2焦電素子とが、逆並列もしくは逆直列に接続されており、
    前記赤外線検出素子は、前記窓孔の前記赤外線検出素子への垂直投影領域内に前記第1焦電素子が位置するように配置され、
    前記光学フィルタは、前記窓材と前記第1焦電素子との間に配置され、
    前記窓材と前記赤外線検出素子との間に配置されて、前記パッケージの外部から前記窓材を透過して前記パッケージ内へ入った赤外線のうち前記第2焦電素子へ向かう赤外線を遮光する遮光部材を備え、
    前記遮光部材は、前記基板に保持されており、
    前記赤外線検出素子は、前記第1焦電素子が前記焦電体基板の中央部に形成され、前記第2焦電素子が前記焦電体基板の周部に形成されており、
    前記遮光部材は、板状に形成されており、前記遮光部材の中央部に、前記第1焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域よりも大きな開口部が形成されており、
    前記遮光部材の前記開口部が、前記第1焦電素子の前記垂直投影領域を含んで前記垂直投影領域よりも大きくかつ前記第2焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域に重ならない、
    ことを特徴とする赤外線検出器。
  2. 前記遮光部材は、前記開口部の周辺部において、前記窓材側及び前記開口部側が開放された凹部が形成されており、前記遮光部材の前記窓材側の第1面側から前記赤外線検出素子の一部を視認可能とする窓部が、前記遮光部材における、前記第2焦電素子の厚さ方向への垂直投影領域と、前記開口部と、前記凹部と、を避けて形成され、
    前記光学フィルタは、前記開口部を塞ぎ、前記光学フィルタの周部が、前記凹部に載置され前記遮光部材に対して位置決めされている、
    ことを特徴とする請求項1記載の赤外線検出器。
  3. 前記遮光部材は、前記キャップの内周面に接触する形状に形成されており、
    前記キャップは、前記遮光部材によって、前記台座の厚さ方向に直交する面内での位置決めがされている、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の赤外線検出器。
  4. 前記遮光部材は、前記開口部の周辺部に、前記赤外線検出素子の表面側に突出した突起を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の赤外線検出器。
  5. 前記遮光部材は、樹脂板と、前記樹脂板に積層された金属箔と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の赤外線検出器。
  6. 前記遮光部材は、金属板である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の赤外線検出器。
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