JPH08184514A - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JPH08184514A
JPH08184514A JP6339497A JP33949794A JPH08184514A JP H08184514 A JPH08184514 A JP H08184514A JP 6339497 A JP6339497 A JP 6339497A JP 33949794 A JP33949794 A JP 33949794A JP H08184514 A JPH08184514 A JP H08184514A
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Japan
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diaphragm
light
light emitting
thermoelectric conversion
substrate
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JP6339497A
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Inventor
Yoshito Miyano
義人 宮野
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New Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
New Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来、光を用いる方式の圧力センサは、感度が
高く、電磁誘導ノイズや浮遊容量の影響を受け難いとい
う優れた特長をもつ反面、測定可能な温度範囲が狭い、
小型化が難しい等の問題があった。これらの問題を解消
し、高感度で、使用温度範囲が広く、小型で安価に製作
可能な圧力センサを提供する。 【構成】発光・受光部体と、該発光・受光部体の一面に
固着したカバーと、該発光・受光部体の反対面に固着し
たダイアフラム体とよりなる構成とし、前記発光・受光
部体は、光不透過性の基板、該基板の一面に被着した絶
縁支持膜、該支持膜の上面又は下面に設けた熱輻射素子
及び熱電変換素子を具備したものとし、前記各素子の下
側の前記基板部分を、それぞれ孔状に除去した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力よって変位するダ
イアフラムに発光素子からの光を当て、その反射光を受
光素子で検出し、圧力変化を反射光の強度の変化として
捉える光を利用した圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】圧力によるダイアフラムの変位を電気信
号に変換して圧力を計測するセンサには、従来、(1)
ダイアフラム上に“ひずみゲージ”を形成して抵抗変化
によって圧力を計測する方式、(2)ダイアフラムと基
板の各々に電極を設け電極間の容量変化により圧力を計
測する方式、及び(3)発光ダイオードや半導体レーザ
のような発光素子から光をダイアフラムに当て、その反
射光の強度変化又は位相変化をフォトダイオードやフォ
トトランジスタのような受光素子で検出して圧力を計測
する方式のものがあり、これらが主として用いられてき
た。
【0003】また、上記(3)の方式には、光ファイバ
を利用したもの、及び光ファイバを利用しない簡易型の
ものの2種類がある。
【0004】光ファイバを利用したものの例を図6に示
す。同図において、19は半導体レーザ、20はレンズ
系、21は全反射ミラー、22はハーフミラー、23は
受光素子、24は光ファイバ、25は取付金具、 16
はダイアフラムを示す。以下、図中における同一符号
は、同一又は相当するものを示す。ダイアフラム内側の
空洞は圧力の基準とするため、真空に保持されている。
【0005】レーザ19を発しレンズ系20で収束され
た光は、ハーフミラー22で反射光と透過光とに分か
れ、反射光は、全反射ミラー21で反射した後、ハーフ
ミラー22を通過して受光素子23に達する。一方、上
記透過光は光ファイバ24を経由、ダイアフラム16で
反射した後、同ファイバを戻り、ハーフミラー22で反
射して上記受光素子に達する。
【0006】受光素子に達する二つの光相互には、光路
長の差による位相差を生じるので、外部圧力の変化によ
るダイアフラム面の変位は位相変化として捉えられ、こ
れを電気的に検出することにより、圧力を測定すること
ができる。
【0007】次に、光ファイバを利用しない簡易型のも
のの例を図7に示す。同図において、26は樹脂、27
は発光ダイオード、28は金線、29はパッケージ、3
0はリード線を示す。発光ダイオード27及び受光素子
23は、発光ダイオードからの直接光が受光素子に入射
しないようした仕切りをもつパッケージ29内に組み込
まれ、充填した樹脂26により保護されている。
【0008】ダイアフラム16は取付金具25を介して
同パッケージに接合されている。ダイアフラム内部の空
洞は、上例と同様、真空に保持されている。この方式の
場合は、ダイアフラムの変位による反射光の受光素子入
力の変化を捉えることにより、圧力変化を検出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の圧力セン
サには、以下のような問題点がある。すなわち、(1)
の“ひずみゲージ”抵抗変化型のものは、他の方式のも
のに比べ感度が低く、(2)の容量変化型のものは、共
振回路を用いることにより比較的高い感度を得ることが
可能であるが、容量変化が高々数ピコファラッドしかな
いため浮遊容量の影響を受け易いという問題がある。
【0010】また、(3)の光を用いる方式のものは、
一般に、感度が高く、電磁誘導ノイズや浮遊容量の影響
を受け難いという優れた特長をもっているが、光ファイ
バを用いたものは、光ファイバ自体が一般に高価である
上、発光ダイオードや半導体レーザのような発光素子、
フォトダイオードやフォトトランジスタのような受光素
子は、温度によって出力が変動し易いため、これらの素
子は恒温装置内に収納して使用する必要があった。
【0011】また、(3)のうち、簡易型のものにつて
は、発光素子、受光素子とも測定しようとする流体の温
度を直接受け易い構造であるため、測定可能な温度範囲
が著しく制限されるという欠点があった。
【0012】また、このようなセンサを構成するには、
発光素子、受光素子のチップを別々に作成した後、パッ
ケージ内に接着・固定、ワイヤボンド、樹脂モールドを
し、最後にダイアフラムを気密封止するという長い製作
工程を必要とし、また、このように別個に作成した発光
素子、受光素子を組み立てる方式では小型化に限界があ
った。
【0013】本発明は、上記問題点を解消し、高感度
で、使用温度範囲が広く、小型で安価な圧力センサを提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、光を用いる方式の圧力センサにおいて、その
構造を以下のようにした。
【0015】すなわち、全体の構成を、板状に形成した
発光・受光部体と、該発光・受光部体の一面に固着した
カバーと、該発光・受光部体の反対面に固着したダイア
フラム体との、三つの部分からなるものとし、前記発光
・受光部体には、光不透過性の基板と、該基板の一面に
設けた絶縁支持膜と、該絶縁支持膜の上面又は下面(前
記基板面側)に設けたそれぞれ薄膜状の熱輻射素子及び
熱電変換素子を設け、前記熱輻射素子及び熱電変換素子
の下側に位置する基板部分を、それぞれ孔状に除去し
た。
【0016】また、前記カバーは、光不透過性の板状体
よりなるものとし、該カバーの前記熱輻射素子及び熱電
変換素子に、又はそれらに接する絶縁支持膜部分に対面
する面には、対面するこれら各素子、又は前記絶縁支持
膜部分との接触を防ぐためのそれぞれの凹部を設けた。
【0017】また、前記ダイアフラム体は、光不透過性
で薄膜状のダイアフラムと、該ダイアラムをその周縁部
において支持し、前記発光・受光部体上ヘの固着に寄与
する光不透過性の枠部とよりなるものとし、前記ダイア
フラムの少なくとも内面は反射率の大きい材料で形成し
た。
【0018】また、前記ダイアフラム体、発光・受光部
体及びカバーにより囲まれた空洞内は、圧力の基準とな
るよう真空に保持されるようにした。
【0019】また、更に、周囲温度の変動に、より有効
に対応する手段として、前記熱電変換素子を複数個設
け、その一部を温度補償用素子として利用できるよう配
線・接続した。
【0020】
【作用】本発明の圧力センサを動作させるには、熱輻射
素子に電流を通じて発熱させ、輻射線を発生させる。輻
射線は、加熱された絶縁支持膜から又は直接同素子から
ダイアフラム側に放射するが、この輻射線が圧力によっ
て変位するダイアフラムに当たると、反射光はその変位
に伴って強度変化を生じる。この反射光を同絶縁支持膜
を介して又は直接、熱電変換素子にて受光し、反射光の
強度変化を電気的出力の変化として捉えることにより、
圧力変化を検知することができる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の主要部・断面
図、図2は、そのA−A断面図、図3は、そのB−B断
面図、図4は底面図、図5はそのC−C断面図である。
【0022】本実施例の圧力センサは、大要、センサの
発光部・受光部を備えた発光・受光部体1と、それを被
うカバー11と、圧力差によって変形するダイアフラム
を備えたダイアフラム体15の三つの部分により構成さ
れており、これらを接合して作られている。
【0023】発光・受光部体1は、図1と共に、図2及
び図3によりその構成が示される。図中、2は半導体基
板、3は基板2の一面に形成された絶縁支持膜(その表
面に素子や配線を支持できる絶縁性の皮膜)、4は基板
3の除去部分を示す。
【0024】また、5は熱輻射素子としての、薄膜状の
抵抗体からなるマイクロヒータ、6は検出用の熱電変換
素子、7は補償用の熱電変換素子、8は配線、9は電極
で、これらは全て上記絶縁支持膜3の上に形成されてい
る。10は絶縁支持膜3の、基板の各除去部分4に接す
る部分に開けられた通気孔で、これにより基板2の上側
と絶縁支持膜3の下側の空間をつないでいる。
【0025】図2及び図3に示すように、検出用の熱電
変換素子6の近傍に、それを囲むように3個の補償用の
熱電変換素子7が設けられており、これらは直列に接続
され、その最−側端は検出用熱電変換素子6の−側に接
続され、前者の最+側端と後者の+側端とはそれぞれの
電極9に接続され、検出用素子と補償用素子の差動出力
が得られるようになっている。
【0026】カバー11は、図1と共に、図4及び図5
により示される。カバー11も、半導体基板より作ら
れ、その発光・受光部体1側には、上記各素子5、6、
7との接触を防ぐための複数の凹部12が、上記電極9
の各対応位置には、電極取出し配線用の切欠孔13が設
けられている。図5に示されるように、切欠孔13の内
面とその周りのカバー外面には半田付け用の電極14が
設けられ、電極9の露出した部分と接続されている。
【0027】ダイアフラム体16は、図1にのみ示され
るが、この部分も半導体基板を用いて作られ、上記各素
子5、6、7に対面する部分に設けられた薄膜状のダイ
アフラム16とこれをその周縁部で支える枠部とで構成
され、ダイアフラム16の内面には反射特性をよくする
ため金、アルミニウム等が被着されている。
【0028】本実施例の圧力センサは、半導体加工技術
を利用し、以下のようにして作製される。
【0029】例えば、基板2の材料として、面方位が<
100>又は<110>の厚さ0.3〜0.4mmのシ
リコン・ウェーハを用い、赤外線を吸収して透過しない
ようにするため、予め不純物を1016個/cm3 以上の
濃度とドーピングしておく。
【0030】次に、ウェーハ表面に、CVD法によりS
iO2 、Si3 N4 のような絶縁性の皮膜(厚さ2〜3
μm程度)を堆積して絶縁支持膜3を形成し、更にその
上に、薄膜状のマイクロヒータ5や熱電変換素子6を蒸
着やCVD法等により形成する。
【0031】上記素子の材料としては、マイクロヒータ
には、TiやNi−Cr或いは高濃度に不純物を拡散し
たシリコン、ゲルマニウム等を用いる。また、熱電変換
素子として、サーモパイルやボロメータを形成する場合
は、Te系合金、シリコン、ゲルマニウム等を用いる。
また、焦電センサを形成する場合には、PZT、PLZ
T等を用いるが、その場合は、スパッタ法や塗布(ゾル
ゲル)法により堆積する。
【0032】素子用材料の堆積を終了した後、エッチン
グによりマイクロヒータ5、熱電変換素子6、7及び通
気孔10を形成し、次にアルミニウム、金等を蒸着し、
エッチングにより配線8及び電極9を形成する。
【0033】最後に、基板2の、裏側にマイクロヒータ
や各素子の位置する部分(除去部分4)を、KOH、N
aOH等のアルカリ溶液による異方性エッチングにより
除去し、その部分の絶縁支持膜、マイクロヒータ等の各
素子を宙吊りの状態にする。以上により、センサの本体
部分に当たる発光・受光部体1の作製が終了する。
【0034】カバー11及びダイアフラム体15も上記
と同様な方法で作製する。すなわち、不純物をドーピン
グした上記と同様なシリコンウェーハを用いて、これに
異方性エッチングを施し、カバーについては、凹部12
及び切欠孔13を、ダイアフラム体については、ウェー
ハを空洞状に大きく除去することにより、ダイアフラム
16及び枠部17を形成する。ダイアフラムの厚さは2
0〜30μm程度に加工し、その内面に金やアルミニウ
ムを蒸着する。
【0035】以上のようにして発光・受光部体、カバー
及びダイアフラム体の各部が作製され、これら各部は、
ウェーハ同志を、低融点ガラスや低融点金属或いは接着
剤等の接合剤18を介して、真空中で、熱圧着や静電気
力を利用した陽極接合法等により、張り合わせることで
組み立てられる。
【0036】次に、カバー11の切欠孔13内部とその
周辺部に、半田付用金属材料の蒸着或いは導電ペースト
の印刷を行い、半田付用電極14を形成する。最後に、
張り合わされたウェーハを賽の目に切断・分離し、個々
の圧力センサが完成する。完成寸法として、3〜4mm
角、厚さ1mm程度のものが得られる。この大きさは、
従来、簡易型センサに用いられてるいるTO−5型メタ
ルパッケージのキャップ部寸法(φ9.14x2.75
mm)に比べ、各寸法とも、その1/3〜1/2程度に
小さいものである。
【0037】本実施例の圧力センサは次のようにして動
作する。まず、電極14より電流を流してマイクロヒー
タ5を発熱させると、加熱された絶縁支持膜から放射す
る赤外線はダイアフラム16で反射されて各熱電変換素
子6、7に入射する。前述のように、検出用熱電変換素
子6と補償用熱電変換素子7とは互いに逆極性で直列に
接続されているので、それらの差動出力が電極14から
取り出され、その出力変化から圧力変化を検出する。
【0038】なお、ダイアフラム部分が熱せられると余
分な輻射が発生するが、そのような輻射は、図1に示し
たような密閉された空間内では、空洞輻射の原理により
各素子に均等に加わるので、差動を取ることにより、や
はりその影響は除去され、熱輻射素子による輻射のみに
感応した検出出力を得ることができる。
【0039】なお、設計に当たっては、上記動作におけ
る検出感度、温度補償効果を上げるために、次のような
調整を行っておく。
【0040】ダイアフラム16と検出用素子6との距離
は、設定した基準圧力の状態でほぼ最大の出力が同検出
素子から得られるように調整しておく。また、同検出用
素子の周辺に設けられている複数個の補償用素子7は、
やはり基準圧力の状態で、全体として検出用素子6と大
きさの等しい出力が得られ、検出用と補償用の素子の差
動出力が0となるように、寸法や素子数を調整してお
く。
【0041】このように構成されたセンサに外部から圧
力が加わると、ダイアフラムが変形し中央部分の変位量
が最大となるため、その直下に位置する検出用素子6へ
の入射光量が減少し、出力が減少する。一方、周辺の補
償用素子7では、ダイアフラムの変位量が小さいため入
射光量の減少、出力の減少も少ない。従って、各素子に
よる差動出力は、圧力の増加につれて増加するようにな
る。
【0042】なお、各熱電変換素子がサーモパイルやボ
ロメータの場合は、マイクロヒータに流す電流は直流で
よいが、焦電センサの場合は、交流やパルス電流を流し
て入射光量を変動させる必要がある。
【0043】また、本発明の圧力センサは、取付方法・
利用方法としては、プリント基板上に直接ハンダ付け
し、測定対象の流体中に暴露して使用するか、或いは従
来のように、金属ステム上に接着し、その上に孔付きの
金属キャップを溶接したもので利用する等の方法が可能
である。
【0044】上記実施例では、ダイヤフラム体、発光・
受光部体の基板部の材料として半導体材料を用いている
が、これらの材料は半導体材料に限定されるものではな
い。ただし、センサの外囲器や発光素子・受光素子間の
仕切り部分の光の透過は誤動作や感度低下の原因となる
ので、光不透過性の材料を用いる必要がある。
【0045】なお、上述の実施例の説明では、基板の一
面に設けた絶縁支持膜の上面に、熱輻射素子、熱電変換
素子等を形成して発光・受光部体を構成した場合の例に
ついて述べたが、それら素子を絶縁支持膜の下面(基板
側)に設けた構成も可能である。絶縁支持膜と上記素子
の材料の組み合わせによっては、堆積する順序を上述と
逆にすることが望ましい場合があるが、そのようなと
き、この構成が有効である。
【0046】この場合は、基板上に先ず薄い絶縁皮膜を
被せ、その上に素子材料、配線材料等を堆積し、エッチ
ングにより所要素子形状、配線・電極形状に加工した
後、それらの上に絶縁支持膜を堆積する。なお、電極部
分については、上記堆積後エッチングにより穴開けして
電極を露出させ、電極取出しができるようにする。これ
らの工程の後、上述の実施例の場合と同様、各素子の下
側に位置する基板部分を異方性エッチングにより除去す
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧力セン
サにおいては、先ず全体の構成を、それぞれ板形状に形
成した発光・受光部体、カバー及びダイアフラム体の三
つの部分を接合して組み立てられる構成とし、発光・受
光部体は、熱輻射素子及び熱電変換素子を、基板上に形
成した同一絶縁支持膜の上面又は下面に設けた構成とし
たため、製作工程を極めて短いものにすることができ
る。
【0048】また、上記素子の下側に位置する基板部分
を、それぞれ孔状に除去した構造とし、かつ、カバー
の、上記素子又は上記素子に接する絶縁支持膜部分に対
面する部分に、それぞれの凹部を設け、また、各素子を
薄膜状に形成したため、各素子部は極めて熱容量の小さ
いものとなり、光ファイバを使用しない簡易型の構造で
ありながら、従来のセンサに比し遜色のない高感度、高
応答速度(応答周波数、数Hz〜数10Hz程度まで
可。)の特性を実現することが可能となった。
【0049】また、発光素子として、熱輻射素子を利用
するため、その温度を周囲温度より十分高い温度に上げ
て動作させることにより、周囲温度の変動による出力の
変動は半導体レーザや発光ダイオードの場合に比べて少
なくなり、より安定化させることができる。また、同素
子の材料として金属や、高濃度に不純物を拡散したシリ
コン等、正の温度係数をもつものを用いると、温度の上
昇とともに抵抗値が増加して電流を制限するように働く
ので、素子温度の安定度をよりよくすることができる。
【0050】また、印加する電流を計測して同素子の抵
抗値を計算し、それによって素子温度を推定することは
容易なので、外部から同温度をより精密に制御すること
も可能である。同素子の寸法は、辺長0.1〜1mmの
方形、厚さ1〜2μm程度の小さいもので済み、熱容量
が極めて小さいものになるので、その制御は容易であ
り、従来用いられたような恒温装置は不要となる。
【0051】また、マイクロヒータ等の熱輻射素子は赤
外線の放射効率が高く、かつ、本センサの構成では熱輻
射素子と検出素子の距離を小さくとれるので、消費電力
は極めて少なくて済む。検出素子として一般に感度の低
いサーモパイルを使用する場合、1mm角程度の大きさ
の素子で1mVの出力を得るのに数μW程度の赤外線入
射を要するが、これに必要な熱輻射素子の入力は数10
μWで済む。因みに、半導体レーザや発光ダイオード等
では数mWの入力が必要である。
【0052】また、熱電変換素子を複数個設け、一部を
温度補償用素子として利用できるよう構成した場合は、
周囲温度の変動によって各素子の出力に変動を生じて
も、差動を取ることによって、その影響を打ち消すこと
ができるので使用温度範囲を広く取ることが可能とな
る。
【0053】なお、本発明は、半導体材料を用いて製作
されるものに限定するものではないが、その構造は半導
体基板、半導体加工技術を利用しての製作に適したもの
であり、その場合、効果は顕著となる。
【0054】半導体加工技術を用いて加工する場合、ウ
ェーハ上に多数個の熱輻射素子、熱電変換素子、配線、
電極をもつ発光・受光部体、及び同様にしてカバー、ダ
イアフラム体も、それぞれ多数個を同時に作製し、かつ
組立もウェーハ同志を張り合わせ、その後、切断・分離
して個々の圧力センサとすることができるので、従来の
ように個別の部品を組み立てる方法に比べ著しく短い工
程で製作でき、コストの低減が可能となる。また、同時
に小型化も可能となる。
【0055】以上述べたように、圧力センサを、本発明
のように構成することにより、簡易型の構造でありなが
ら、高感度で使用温度範囲が広く、小型で安価な圧力セ
ンサを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧力センサの一実施例の断面図であ
る。
【図2】同上実施例のA−A断面図である。
【図3】同上実施例のB−B断面図である。
【図4】同上実施例の底面図である。
【図5】同上実施例のC−C断面図である。
【図6】従来の圧力センサの一例の説明図である。
【図7】従来の圧力センサの別例の説明図である。
【符号の説明】
1:発光・受光部体、2:半導体基板、3:絶縁支持
膜、4:基板の除去部分、5:マイクロヒータ、6:検
出用熱電変換素子、7:補償用熱電変換素子、8:配
線、9:電極、10:通気孔、11:カバー、12:凹
部、13:切欠孔、14:ハンダ付用電極、15:ダイ
アフラム体、16:ダイアフラム、17:枠部、18:
接合剤。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力により変位するダイアフラムに輻射
    エネルギを放射し、反射した輻射エネルギを検出するこ
    とにより圧力変化を検出する方式の圧力センサにおい
    て、 板状に形成した発光・受光部体と、該発光・受光部体の
    一面に固着したカバーと、該発光・受光部体の反対面に
    固着したダイアフラム体とを具備し、 前記発光・受光部体は、光不透過性の基板と、該基板の
    一面に設けた絶縁支持膜と、該絶縁支持膜の上面又は下
    面に設けたそれぞれ薄膜状の熱輻射素子及び熱電変換素
    子を具備し、前記熱輻射素子及び熱電変換素子の下側に
    位置する基板部分が、それぞれ孔状に除去されており、 前記カバーは、光不透過性の板状体よりなり、該カバー
    の前記熱輻射素子及び熱電変換素子に、又はそれらに接
    する絶縁支持膜部分に対面する面には、対面す前記各素
    子又は前記絶縁支持膜部分との接触を防ぐためのそれぞ
    れの凹部が設けられており、 前記ダイアフラム体は、光不透過性で薄膜状のダイアフ
    ラムと、該ダイアラムをその周縁部において支持し、前
    記発光・受光部体上ヘの固着に寄与する光不透過性の枠
    部とよりなり、前記ダイアフラムの少なくとも内面は反
    射率の大きい材料で形成されており、 前記ダイアフラム体、発光・受光部体及びカバーにより
    囲まれた空洞内が、真空に保持されてなることを特徴と
    する圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記ダイアフラム体、前記発光・受光部
    体の基板及び前記カバーの、又はそれらの中の少なくと
    も一つの材料として、半導体結晶基板を用いたことを特
    徴とする請求項1の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 熱電変換素子を複数個設け、その一部を
    温度補償用素子として配線・接続してなることを特徴と
    するとする請求項1又は2の圧力センサ。
JP6339497A 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ Pending JPH08184514A (ja)

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JP6339497A JPH08184514A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ

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