JP2012018874A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性能の低下を防止する。
【解決手段】第1ハウジング10は、内部に複数の収容凹部20が形成されたフレーム11と、複数の端子金具33を備えていて収容凹部20内に収容されるサブコネクタ31と、収容凹部20に収容されることで、サブコネクタ31から導出された電線34の外周面と収容凹部20の内周面との隙間をシールする一括ゴム栓36と、フレーム11の外面に形成され、レバー80(操作部材)と係合可能な第1カムフォロア19(係合部)とを備えている。フレーム11は、第1カムフォロア19が形成されている外面を構成する外壁部12と、外壁部12に対し分離空間17を介して分離され、収容凹部20の内周面を構成する内壁部18とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、コネクタに関するものである。
特許文献1には、第1ハウジングと第2ハウジングをレバーの操作によって嵌合させる防水タイプのコネクタが開示されている。第1ハウジングは、複数の収容凹部が形成されたフレームと、複数の端子金具を備えていて収容凹部内に収容されるサブコネクタと、収容凹部に収容されることで、サブコネクタから導出された電線と収容凹部の内周との隙間をシールする一括ゴム栓とを備えて構成されている。また、フレームの外面には、レバーに係合することでレバーを回動可能に支持する支持軸としての機能を発揮する係合部が形成されている。両ハウジングを嵌合する際には、レバーのカム溝に第2ハウジングのカムフォロアを係合させ、その状態でレバーを回動させると、カム溝とカムフォロアとの係合による倍力作用により両ハウジングが嵌合される。
特開2007−220623号公報
上記のコネクタでは、レバーに回動操作力を付与したときに、両ハウジング間の嵌合抵抗に起因する反力が係合部に作用し、それに伴ってフレームの外壁部が変形する虞がある。このような変形が生じた場合には、収容凹部の内面と一括ゴム栓の外面との間に隙間が生じ、防水性能が低下することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、防水性能の低下を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、第1ハウジングと第2ハウジングを操作部材の操作によって嵌合させるようにしたコネクタであって、前記第1ハウジングは、内部に複数の収容凹部が形成されたフレームと、複数の端子金具を備えていて前記収容凹部内に収容されるサブコネクタと、前記収容凹部に収容されることで、前記サブコネクタから導出された電線の外周面と前記収容凹部の内周面との隙間をシールする一括ゴム栓と、前記フレームの外面に形成され、前記操作部材と係合可能な係合部とを備えており、前記フレームは、前記係合部が形成されている前記外面を構成する外壁部と、前記外壁部に対し分離空間を介して分離され、前記収容凹部の前記内周面を構成する内壁部とを備えているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記第1ハウジングは、前記サブコネクタに組み付けられることで、前記一括ゴム栓と前記サブコネクタを合体状態に保持するホルダを備え、前記ホルダには、前記一括ゴム栓を包囲する筒状保護部が形成されており、前記ホルダを前記フレームに取り付けた状態では、前記筒状保護部が前記分離空間内に収容されるようになっているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記操作部材は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合方向と交差する方向の回動軸を中心として回動されるように支持され、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合方向と直交する投影面上において、前記外壁部の形状と前記収容凹部の開口形状は略方形とされており、前記分離空間は、前記外壁部及び前記収容凹部の開口縁に沿った4辺のうち、少なくとも前記操作部材の回動軸と交差する方向の辺に沿うように配されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記フレームには、内部が前記収容凹部となっている筒状収容部が、前記複数の収容凹部同士の間で独立した形態となるように複数形成されており、前記筒状収容部の一部が、前記外壁部から分離した前記内壁部として機能するようになっているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記サブコネクタと前記一括ゴム栓は、互いに組み付けられた状態とされることでコネクタユニットを構成し、前記コネクタユニットと前記フレームにおける前記複数の収容凹部の開口縁の近傍には、前記収容凹部に正しい組み合わせの前記コネクタユニットが組み付けられたときにのみ、互いに嵌合して前記コネクタユニットの組付けを許容する誤結防止部が形成されているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
係合部が形成されている外面を構成する外壁部と、収容凹部の内周面を構成する内壁部との間には、分離空間が介在しているので、操作部材の操作に伴って外壁部が変形しても、外壁部の変形の影響は内壁部には及ばない。したがって、外壁部の変形に起因して、収容凹部の内周面と一括ゴム栓の外周面との間のシール性能が低下する、という虞はない。
<請求項2の発明>
サブコネクタと一括ゴム栓を収容凹部に取り付ける前の状態では、一括ゴム栓の外周面は、筒状保護部で包囲されることによって異物の干渉から保護される。これにより、一括ゴム栓の外周面が傷付けられることに起因するシール性能の低下が防止される。また、分離空間を筒状保護部の収容スペースとして有効利用しているので、ホルダをフレームに取り付けた状態で筒状保護部がフレームの外部へ大きく突出する虞がなく、第1ハウジングの大型化を回避できる。
<請求項3の発明>
操作部材の操作に伴う外壁部の変形は、4辺のうち操作部材の回動軸と交差する方向の辺において大きく及ぶ。この点に鑑み、本発明では、分離空間を、少なくとも操作部材の回動軸と交差する方向の辺に沿うように配したので、操作部材の操作に伴う外壁部の変形の影響を、効果的に回避できる。
<請求項4の発明>
隣り合う収容凹部間では、その収容凹部を構成する筒状収容部が互いに独立した形態となっているので、万一いずれかの筒状収容部が変形したとしても、その変形の影響が他の筒状収容部に及ぶ虞はない。
<請求項5の発明>
コネクタユニットとフレームに形成した誤結防止部により、収容凹部に対して不正な組み合わせのコネクタユニットが収容されるのを防止することができる。
実施形態1の第1ハウジングであって、コネクタユニットを取り付けていない状態をあらわす背面図 第1ハウジングに1つのコネクタユニットを取り付けた状態をあらわす背面図 第1ハウジングの縦断面図 フレームからコネクタユニットを外した状態の縦断面図 第1ハウジングと第2ハウジングの嵌合前の状態をあらわす平面図 第2ハウジングの正面図 コネクタユニットの水平断面図 コネクタユニットの背面図
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図8を参照して説明する。本実施形態のコネクタは、第1ハウジング10と第2ハウジング60をレバー80(本発明の構成要件である操作部材)の回動操作によって嵌合させるようにしたものである。コネクタは、防水機能を有しており、レバー80の回動操作に起因するシール性能の低下を回避する手段を備えている。
第1ハウジング10は、合成樹脂製のフレーム11と、複数のコネクタユニット30とを備えて構成されている。フレーム11は、その正面形状(両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する投影面上における形状)が略方形をなしており、略角筒状の外壁部12(図1,2を参照)と、外壁部12で包囲された空間の前端を覆い隠す前面壁13(図3,4を参照)とを備えている。図1,2に示すように、外壁部12で包囲された空間内には、前面壁13から後方へ延出した形態であって、背面形状(両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する投影面上における形状)が横長の略方形をなす複数の筒状収容部14A,14B,14Cが形成されている。複数の筒状収容部14A,14B,14Cは、互いに独立した形態であると同時に、外壁部12からも独立した形態となっている。
複数の筒状収容部14A,14B,14Cは、上段と中段と下段の3段に分かれている。上段には、互いに同じ高さの複数の筒状収容部14Aが横並びに配置され、中段には、互いに同じ高さの複数の筒状収容部14Bが横並びに配置され、下段には、互いに同じ高さの複数の筒状収容部14Cが横並びに配置されている。また、筒状収容部14A,14B,14Cの幅寸法は、各段毎に異なっている。これらの各筒状収容部14A,14B,14Cの内部空間は、フレーム11の後面側に開放されていて、サブコネクタ31と一括ゴム栓36を収容するための収容凹部20となっている。
図3,4に示すように、外壁部12で包囲された空間内には、隣り合う筒状収容部14A,14B,14Cの外周面同士を繋ぐとともに、筒状収容部14A,14B,14Cの外周面と外壁部12の内面とを繋ぐ形態の壁状連結部15が形成されている。この壁状連結部15は、前後方向(両ハウジング10,60の嵌合方向と平行方向)において、フレーム11のほぼ中央位置に配されている。壁状連結部15により、筒状収容部14A,14B,14C同士の隙間、及び筒状収容部14A,14B,14Cと外壁部12との間の隙間が埋められている。
図1,2に示すように、上下及び左右に隣り合う筒状収容部14A,14B,14Cの間の空間には、前後方向においては壁状連結部15から後方へ壁状に延出した形態であって、両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する投影面上においては筒状収容部14A,14B,14Cを構成する壁部と平行をなす形態の複数の水平リブ16Aと複数の鉛直リブ16Bとが形成されている。これらのリブ16A,16Bは、隣り合う筒状収容部14A,14B,14C同士が対向する領域の全領域に亘って連続するように延びており、隣り合う筒状収容部14A,14B,14Cの間は、リブ16A,16Bによって仕切られている。また、一部のリブ16A,16Bは、外壁部12の内面に連なっている。
上側の水平リブ16Aは、上段の筒状収容部14Aと中段の筒状収容部14Bとを区画するように左右方向に延びて、両端部が外壁部12に連なっており、下側の水平リブ16Aは、中段の筒状収容部14Bと下段の筒状収容部14Cを区画するように左右方向に延びて、両端部が外壁部12に連なっている。また、上段において左右に隣り合う筒状収容部14Aの間を区画する鉛直リブ16Bは、上端が外壁部12の上面壁12Aに連なり、下端が上側の水平リブ16Aに連なっている。中段において左右に隣り合う筒状収容部14Bの間を区画する鉛直リブ16Bは、上端が上側の水平リブ16Aに連なり、下端が下側の水平リブ16Aに連なっている。下段において左右に隣り合う筒状収容部14Cの間を区画する鉛直リブ16Bは、上端が下側の水平リブ16Aに連なり、下端が外壁部12の下面壁12Bに連なっている。
外壁部12で包囲されたフレーム11内の空間のうち、各筒状収容部14A,14B,14Cの外周に臨む略角筒状の空間は、分離空間17となっている。各分離空間17は、夫々、各筒状収容部14A,14B,14Cを全周に亘って包囲しているとともに、リブ16A,16Bを介して互いに隔絶されている。分離空間17の一部は、筒状収容部14A,14B,14Cとリブ16A,16Bとの間を分離する空間として機能し、分離空間17のうち他の部分は、筒状収容部14A,14B,14Cと外壁部12との間を分離する空間として機能する。そして、各筒状収容部14A,14B,14Cを構成する4辺の壁部のうち、外壁部12に対して略平行に対向する壁部は、外壁部12に対し分離空間17によって分離された内壁部18となっている。
リブ16A,16Bと2つの分離空間17を介して分離された筒状収容部14A,14B,14Cの壁部同士の間では、相互間の変形の影響が及ばず、分離空間17を介して分離された内壁部18(筒状収容部14A,14B,14Cの壁部)と外壁部12との間でも、相互間の変形の影響は及ばない。つまり、分離空間17は、壁部間の変形の伝達を阻止するための変形伝達防止手段として機能する。
外壁部12を構成する4つの壁部のうち上面壁12Aの外面(上面)と下面壁12Bの外面(下面)には、上下一対の第1カムフォロア19(本発明の構成要件である係合部)が形成されている。第1カムフォロア19は、左右方向においてフレーム11のほぼ中央に位置しており、後述するレバー80と係合することで、両ハウジング10,60の嵌合・離脱の際に倍力作用を発揮するようになっている。また、前後方向において、第1カムフォロア19は、壁状連結部15よりも少し後方の位置に配されている。
また、フレーム11には、外壁部12の後端縁部と水平リブ16Aの後端縁部を切欠した形態の複数の凹状嵌合部21(本発明の構成要件である誤結防止部)が形成されている。これら複数の凹状嵌合部21は、各収容凹部20の開口縁の近傍に位置するように配されており、両ハウジング10,60の嵌合方向と平行に前後方向に延びる溝状をなしている。この凹状嵌合部21は、後述するコネクタユニット30が不正な組み合わせで収容凹部20に取り付けられるのを防止する誤結防止手段として機能する。
図3、7に示すように、各コネクタユニット30は、合成樹脂製のサブコネクタ31と、一括ゴム栓36と、合成樹脂製のホルダ41とを備えて構成され、各コネクタユニット30には、複数の雌端子金具33(本発明の構成要件である端子金具)が挿入されている。サブコネクタ31は、収容凹部20の開口形状と対応するように横長のブロック状をなし、その内部には、複数のキャビティ32が横並びに整列して形成されている。各キャビティ32内には、後方から雌端子金具33が挿入されている。雌端子金具33の後端部に接続された電線34は、サブコネクタ31の後方へ導出されている。サブコネクタ31の左右両側縁部には、一対の段差状をなすロック部35が形成されている。
一括ゴム栓36は、収容凹部20の開口形状と対応するように横長の略方形をなし、その外周には、外周リップ部37が形成されている。一括ゴム栓36には、前後方向に貫通した形態の複数の挿通孔38が、各キャビティ32と対応する配置で形成されている。各挿通孔38の内周には内周リップ部39が形成されている。また、一括ゴム栓36には、一括ゴム栓36を前後方向に貫通する形態の左右一対の位置決め孔40が形成されている。この一対の位置決め孔40は、一括ゴム栓36の左右両端部、即ち、複数の挿通孔38の形成領域を左右から挟むように配置されている。
ホルダ41は、収容凹部20と対応する横長の本体部42と、本体部42の左右両端部から前方へ突出する一対の位置決め部43と、各位置決め部43の突出端面から更に前方へ片持ち状に突出した形態のロックアーム44が形成されている。本体部42には、一括ゴム栓36の挿通孔38と対応する複数のガイド孔48が前後に貫通して形成されている。また、ホルダ41には、本体部42の外周縁から全周に亘って張り出すフランジ部45と、このフランジ部45から全周に亘って前方へ片持ち状に延出する筒状保護部46とが形成されている。
筒状保護部46には、その外周面から突出する凸状嵌合部47(本発明の構成要件である誤結防止部)が形成されている。凸状嵌合部47は、両ハウジング10,60の嵌合方向と平行に前後方向に延びるリブ状をなし、収容凹部20に対して正しい組み合わせのコネクタユニット30が取り付けられたときにのみ、凹状嵌合部21と嵌合するようになっている。つまり、凸状嵌合部47と凹状嵌合部21は、収容凹部20に対するコネクタユニット30の不正な組付けを規制するための誤結防止手段として機能する。
コネクタユニット30は、フレーム11に取り付ける前に予め合体させた状態にしておく。即ち、合体させる際には、一括ゴム栓36の位置決め孔40にホルダ41の位置決め部43を貫通させ、一括ゴム栓36の後面をホルダ41の本体部42の前面に当接させる。これにより、一括ゴム栓36とホルダ41が仮組みされる。次に、この仮組みした一括ゴム栓36とホルダ41を、サブコネクタ31に対して後面側から組み付ける。組付けに際しては、サブコネクタ31の左右両側面に形成したガイド溝49にロックアーム44を摺動させる。
そして、一括ゴム栓36がサブコネクタ31の後面に当接する状態になると、ロックアーム44がロック部35に係止し、この係止作用によって、一括ゴム栓36とホルダ41がサブコネクタ31に対して後方への離脱を規制された状態に保持される。また、ガイド溝49にロックアーム44が嵌合することにより、サブコネクタ31に対する一括ゴム栓36とホルダ41の上下方向への相対変位も規制された状態となる。以上により、サブコネクタ31と一括ゴム栓36とホルダ41が合体された状態となり、コネクタユニット30が構成される。
このようにしてコネクタユニット30が組み付けられた状態では、筒状保護部46が一括ゴム栓36を全周に亘って包囲する。これにより、一括ゴム栓36の外周リップ部37に対して異物が干渉することが防止され、外周リップ部37の損傷、傷付き、変形等が防止されている。
合体状態のコネクタユニット30には、後方から複数の雌端子金具33が挿入される。挿入に際しては、雌端子金具33をホルダ41のガイド孔48と、一括ゴム栓36の挿通孔38とを順に通過させ、キャビティ32内に収容する。雌端子金具33がキャビティ32に収容された状態では、電線34が挿通孔38に貫通され、内周リップ部39が電線34の外周面に対して液密状に密着する。
雌端子金具33が取り付けられたコネクタユニット30は、フレーム11の後方から収容凹部20に取り付けられる。取り付けに際しては、サブコネクタ31と一括ゴム栓36を収容凹部20内に挿入(収容)するとともに、ホルダ41の本体部42の前端側部分も収容凹部20内に挿入(収容)する。コネクタユニット30が正しく取り付けられた状態では、サブコネクタ31の前端がフレーム11の前面壁13に対して当接又は接近して対向するとともに、サブコネクタ31の左右両側縁の前端部に形成した係止突起50(図7を参照)が、フレーム11の係止アーム51(図1,2を参照)に係止し、これにより、コネクタユニット30が収容凹部20(フレーム11)に対して前後方向への相対変位を規制された取り付け状態に保持される。
また、コネクタユニット30が正しく取り付けられた状態では、一括ゴム栓36の外周リップ部37が収容凹部20の内周面(シール面)に対して液密状に密着し、これにより、収容凹部20の内周と、収容凹部20を貫通している電線43の外周との間が液密状態となり、後方から収容凹部20への浸水が防止される。また、ホルダ41のフランジ部45が、筒状収容部14A,14B,14Cの後端縁に対して当接又は接近して対向するとともに、ホルダ41の筒状保護部46が分離空間17内に嵌入される。
収容凹部20に対して正しい組み合わせのコネクタユニット30が取り付けられた場合には、コネクタユニット30の凸状嵌合部47がフレーム11の凹状嵌合部21に嵌合することによって、コネクタユニット30の取付けが支障なく進む。これに対し、収容凹部20に不正な組み合わせのコネクタユニット30を取り付けようとした場合には、取付け作業の途中で、凸状嵌合部47が、フレーム11の後端縁のうちの凹状嵌合部21とは異なる位置と干渉するので、それ以上の取付け作業が不能となる。これにより、収容凹部20に対して不正な組み合わせのコネクタユニット30が誤って取り付けられることが、防止される。
図5,6に示すように、第2ハウジング60は、合成樹脂製であって、端子保持部61と、端子保持部61から前方へ片持ち状に延出する略角筒状のフード部62とを一体に形成して構成されている。端子保持部61には、複数の雄端子金具(図示省略)が保持され、各雄端子金具の先端のタブは、端子保持部61から前方へ突出してフード部62により包囲(保護)されている。フード部62を構成する上壁部の外面(上面)と下壁部の外面(下面)には、夫々、回動軸63が突出形成されている。回動軸63は、左右方向においてはフード部62のほぼ中央位置に配され、前後方向においてはフード部62の前端よりも後方の位置に配されている。また、フード部62の上壁部と下壁部には、フード部62の前端縁から回動軸63よりも少し前方の位置まで切欠した形態の逃がし溝64が形成されている。
図6に示すように、フード部62内には、タブをガイドするための周知の形態のムービングプレート65が収容されている。ムービングプレート65は、タブを貫通させる複数の貫通孔67が形成されたプレート本体66と、プレート本体66の外周から前方へ延出されたガイド壁部68とを一体に形成した形態である。ムービングプレート65は、ガイド壁部68をフード部62の内周面に摺接させることによって、姿勢の傾きを生じることなく前後方向に移動し得るようになっている。
ガイド壁部68を構成する上壁部の外面(上面)と下壁部の外面(下面)には、夫々、第2カムフォロア69が突出形成されている。第2カムフォロア69は、左右方向においてフード部62のほぼ中央位置に配されている。第2カムフォロア69には、ガイド壁部68で囲まれた空間に連通するとともに、ムービングプレート65の前方に開放された形態の連結凹部70が形成されている。ムービングプレート65がフード部62内を移動する過程では、第2カムフォロア69が逃がし溝64内を前後方向に移動するようになっている。
第2ハウジング60には、レバー80が回動可能に取り付けられている。レバー80は、上下一対の板状をなすアーム部81と、両アーム部81を連結する操作部82とを一体に形成したものである。両アーム部81には軸受孔83が形成され、この軸受孔83を回動軸63に嵌合させることにより、レバー80が回動軸63を中心として、初期位置(図5を参照)と嵌合位置との間で回動し得るようになっている。このレバー80の回動中心(回動軸63)は、両ハウジング10,60の嵌合・離脱方向と直角な方向となっている。アーム部81には、周知形態のカム溝84が形成され、このカム溝84には、第2カムフォロア69が係合されている。
両ハウジング10,60を嵌合する際には、レバー80を初期位置に保持した状態で、第1ハウジング10を第2ハウジング60のフード部62内に浅く嵌入し、第1カムフォロア19を、カム溝84の入口で待機しているムービングプレート65の第2カムフォロア69の連結凹部70に嵌入し、両カムフォロア19,69を合体させる。この後、レバー80を嵌合位置側へ回動操作すると、カム溝84とカムフォロア19,69との係合による倍力作用により両ハウジング10,60が引き寄せられて嵌合される。
両ハウジング10,60を嵌合させる過程では、レバー80に回動操作力を付与したときに、両ハウジング10,60間の嵌合抵抗(雌端子金具33と雄端子金具のタブとの間の接触抵抗)に起因する反力がカムフォロア19,69に作用し、それに伴ってフレーム11の外壁部12のうち壁状連結部15よりも後方の領域が、壁状連結部15を支点として姿勢を斜めに変えるように外面側へ変位するような変形を生じることがある。つまり、外壁部12を構成する上面壁12Aが上方へ変位するとともに、外壁部12を構成する下面壁12Bが下方へ変位するのである。
しかし、外壁部12を構成する上面壁12Aと下面壁12Bは、鉛直リブ16Bと水平リブ16Aを介して互いに連結されているので、上下両面壁12A,12Bの外面側への変形が生じ難くなっている。さらに、外壁部12と筒状収容部14A,14B,14Cとの間には分離空間17が介在していて、外壁部12における変位領域と筒状収容部14A,14B,14Cとは直接連結されていない。したがって、外壁部12が変形したとしても、その変形が筒状収容部14A,14B,14Cに伝達することはなく、筒状収容部14A,14B,14Cが変形を生じる虞はない。
本実施形態のコネクタは、第1ハウジング10と第2ハウジング60をレバー80の操作によって嵌合させるようにしたものであって、第1ハウジング10は、内部に複数の収容凹部20が形成されたフレーム11と、複数の雌端子金具33を備えていて収容凹部20内に収容されるサブコネクタ31と、収容凹部20に収容されることで、サブコネクタ31から導出された電線34の外周面と収容凹部20の内周面との隙間をシールする一括ゴム栓36と、フレーム11の外面に形成され、レバー80と係合可能な第1カムフォロア19とを備えている。そして、フレーム11は、第1カムフォロア19が形成されている外面を構成する外壁部12と、外壁部12に対し分離空間17を介して分離され、収容凹部20の内周面を構成する内壁部18とを備えている。
このように、第1カムフォロア19が形成されている外面を構成する外壁部12と、収容凹部20の内周面を構成する内壁部18との間には、分離空間17が介在しているので、レバー80の操作に伴って外壁部12が変形しても、外壁部12の変形の影響は内壁部18には及ばない。したがって、外壁部12の変形に起因して、収容凹部20の内周面と一括ゴム栓36の外周面との間のシール性能が低下する、という虞はない。
また、レバー80の操作に伴う外壁部12の変形は、上下左右の4辺のうちレバー80の回動軸63と交差する水平方向の上面壁12Aと下面壁12Bにおいて大きくなる。この点に鑑み、本実施形態では、両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する投影面上における外壁部12の形状と収容凹部20の開口形状を、略方形とした上で、分離空間17を、外壁部12と収容凹部20の開口縁に沿った4辺のうち、少なくともレバー80の回動軸63と交差する方向の水平な辺に沿うように配した。これにより、レバー80の操作に伴う外壁部12の変形の影響を、効果的に回避できる。
また、フレーム11には、内部が収容凹部20となっている筒状収容部14A,14B,14Cが、複数の収容凹部20同士の間で独立した形態となるように複数形成されており、筒状収容部14A,14B,14Cの一部が、外壁部12から分離した内壁部18として機能するようになっている。この構成によれば、隣り合う収容凹部20間では、その収容凹部20を構成する筒状収容部14A,14B,14Cが互いに独立した形態となっているので、万一いずれかの筒状収容部14A,14B,14Cが変形したとしても、その変形の影響が他の筒状収容部14A,14B,14Cに及ぶ虞はない。
また、サブコネクタ31と一括ゴム栓36を収容凹部20に取り付ける前の状態では、一括ゴム栓36の外周面は、筒状保護部46で包囲されることによって異物の干渉から保護される。これにより、一括ゴム栓36の外周面が傷付けられることに起因するシール性能の低下が防止される。また、分離空間17を筒状保護部46の収容スペースとして有効利用しているので、ホルダ41をフレーム11に取り付けた状態で筒状保護部46がフレーム11の外部へ大きく突出する虞がなく、第1ハウジング10の大型化を回避できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、複数の収容凹部の全てが、全周に亘って外壁部から分離された内壁部を有しているが、一部の収容凹部に関しては、周方向の一部のみが外壁部から分離した内壁部となっていて、他の部分が外壁部と合体した形態となっていてもよい。
(2)上記実施形態では、複数の収容凹部において、各収容凹部毎に独立した筒状収容部を有し、この筒状収容部の一部が外壁部から分離された内壁部として機能するようにしたが、これに替えて、隣り合う収容凹部間において、筒状収容部の一部が連なった形態又は共有化された形態であってもよい。
(3)上記実施形態では、隣り合う収容凹部の内壁部の間に外壁部に連なるリブを設けたが、このようなリブを設けず、隣り合う内壁部同士が直接対向する形態であってもよい。
(4)上記実施形態では、レバー(操作部材)を第2ハウジングに取り付け、係合部をカムフォロアとした場合について説明したが、本発明は、レバー(操作部材)を第1ハウジングに取り付けるようにして、係合部を、レバー(操作部材)を回動可能に支持する支持軸とした場合にも適用できる。
(5)上記実施形態では、操作部材が、両ハウジングの嵌合方向と交差する回動軸を中心として回動変位するレバーである場合について説明したが、操作部材は、両ハウジングの嵌合方向と交差する方向にスライド(平行移動)するスライダであってもよい。
(6)上記実施形態では、サブコネクタと一括ゴム栓が、収容凹部から取り出した状態でもホルダによって合体状態に保持されて、コネクタユニットを構成するようにしたが、収容凹部外へ取り出した状態では、サブコネクタと一括ゴム栓が分離されるようにしてもよい。この場合、ホルダは、一括ゴム栓とサブコネクタの両方に対して分離されるようにしてもよく、サブコネクタからは分離するが一括ゴム栓には組付けられるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ホルダに、一括ゴム栓を包囲する筒状保護部を形成したが、ホルダは、筒状保護部が形成されない形態であってもよい。
(8)上記実施形態では、フレーム側の誤結防止部を、リブ又は外壁部に形成したが、誤結防止部は、筒状収容部に形成してもよい。
10…第1ハウジング
11…フレーム
12…外壁部
14A,14B,14C…筒状収容部
17…分離空間
18…内壁部
19…第1カムフォロア(係合部)
20…収容凹部
21…凹状嵌合部(誤結防止部)
30…コネクタユニット
31…サブコネクタ
33…雌端子金具(端子金具)
34…電線
36…一括ゴム栓
41…ホルダ
46…筒状保護部
47…凸状嵌合部(誤結防止部)
60…第2ハウジング
63…回動軸
80…レバー(操作部材)

Claims (5)

  1. 第1ハウジングと第2ハウジングを操作部材の操作によって嵌合させるようにしたコネクタであって、
    前記第1ハウジングは、
    内部に複数の収容凹部が形成されたフレームと、
    複数の端子金具を備えていて前記収容凹部内に収容されるサブコネクタと、
    前記収容凹部に収容されることで、前記サブコネクタから導出された電線の外周面と前記収容凹部の内周面との隙間をシールする一括ゴム栓と、
    前記フレームの外面に形成され、前記操作部材と係合可能な係合部とを備えており、
    前記フレームは、
    前記係合部が形成されている前記外面を構成する外壁部と、
    前記外壁部に対し分離空間を介して分離され、前記収容凹部の前記内周面を構成する内壁部とを備えていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記第1ハウジングは、前記サブコネクタに組み付けられることで、前記一括ゴム栓と前記サブコネクタを合体状態に保持するホルダを備え、
    前記ホルダには、前記一括ゴム栓を包囲する筒状保護部が形成されており、
    前記ホルダを前記フレームに取り付けた状態では、前記筒状保護部が前記分離空間内に収容されるようになっていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記操作部材は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合方向と交差する方向の回動軸を中心として回動されるように支持され、
    前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの嵌合方向と直交する投影面上において、前記外壁部の形状と前記収容凹部の開口形状は略方形とされており、
    前記分離空間は、前記外壁部及び前記収容凹部の開口縁に沿った4辺のうち、少なくとも前記操作部材の回動軸と交差する方向の辺に沿うように配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記フレームには、内部が前記収容凹部となっている筒状収容部が、前記複数の収容凹部同士の間で独立した形態となるように複数形成されており、
    前記筒状収容部の一部が、前記外壁部から分離した前記内壁部として機能するようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコネクタ。
  5. 前記サブコネクタと前記一括ゴム栓は、互いに組み付けられた状態とされることでコネクタユニットを構成し、
    前記コネクタユニットと前記フレームにおける前記複数の収容凹部の開口縁の近傍には、前記収容凹部に正しい組み合わせの前記コネクタユニットが組み付けられたときにのみ、互いに嵌合して前記コネクタユニットの組付けを許容する誤結防止部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
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