JP2008041309A - 電気コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタの嵌合時に結合状態を検知するとともに嵌合力を維持して嵌合の緩みをなくして接続不良をなくした電気コネクタを提供すること。
【解決手段】ハウジングの外壁面にロック突起11c'が形成され内部の空洞穴に第1コンタクト端子が装着された第1コネクタ10と、この空洞穴へ差込まれる差込突起部を有し該突起部内に第1コンタクト端子が接続される第2コンタクト端子が固定された第2コネクタ2とを有し、第2コネクタのハウジングの外壁面にロックアーム5を回転可能に装着して、その自由端に両コネクタの結合状態を検知する検知部材6を設け、この検知部材に両コネクタとの嵌合結合時にロックアーム5を両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させる弾性部材7が設けられ、ロックアーム5に設けた係合溝にロック突起11c'を係止させてロックアーム5を回転させることによりアームの梃子作用で両コネクタを嵌合結合させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、雄型コネクタと雌型コネクタとからなる電気コネクタに係り、特に、雌雄コネクタを接続するときに結合の緩み、いわゆるガタツキが発生しないようにした電気コネクタに関するものである。
雄型コネクタと雌型コネクタとからなる電気コネクタは、殆どの電気および電子制御装置を組み込んだ機器、例えば産業用ロボット、電気自動車等の機器に広く使用されている。これらの機器のうち、例えば電気自動車は、走行中にエンジンおよび道路状況により激しい振動を受けるので、使用されるコネクタは、産業用ロボット等のような比較的動きが少ない機器のものと比べて、高い耐振性および耐防水性が要求されている。そして、これらの要求に適合するコネクタが開発され特許文献にも紹介されている(例えば、下記特許文献1、2参照)。
図11は下記特許文献1に記載されたコネクタを示し、図11(a)は側面図、図11(b)図11(a)の縦断面図である。
図11に示すコネクタ20は、雌端子Tが収容された雄型コネクタ21と、雄端子Tが収容されて内部に規制面22および係合ロック突起23を有する雌型コネクタ24と、を備え、雄型コネクタ21は、その内部にガタツキ規制部25が形成され、外部に一対の円弧形のロック突起案内スリット26および板バネ部27を有する回転ロックレバー28が回動自在に取付けられた構成を有している。そして、雌雄コネクタの嵌合結合時には、ガタツキ規制部25の傾斜面25aが規制面22と面接触するとともに、板バネ部27により、この規制面22が押圧されるように係合ロック突起23が両コネクタ嵌合方向に働く弾性反発力で付勢されるようになっている。
このコネクタ20によれば、雌雄コネクタの完全嵌合時には、規制面22とガタツキ規制部25の傾斜面25aとが、回転ロックレバー28の板バネ部27の弾性反発力(弾性復元力)を受けて強固に面接触されるので、コネクタ嵌合方向に直交する方向のガタツキのみならずコネクタ嵌合方向のガタツキも防止される。しかも、雄雌両端子T、Tの電気接触部の摩耗等が確実に防止される。
また、同様のガタツキ規制部を設けた電気コネクタが下記特許文献2に記載されている。このコネクタは、インナハウジングとアウタハウジングとの間に一対のコイルバネを装着したもので、このバネは、雌雄コネクタの完全嵌合時に、傾斜面が規制面と面接触し且つ当該規制面を押圧するようにインナハウジングを雌型コネクタハウジングの嵌合方向に弾性反発力で付勢するようにしたものである。
さらに、雌雄コネクタの結合状態を検知する検知機能を備えた電気コネクタも知られている(例えば、下記特許文献3参照)。下記特許文献3に記載された嵌合検知コネクタは、一方のコネクタハウジングの外面にロックアームを設け、ハウジングとロックアームとの間に待機位置と検知位置との間で移動可能に検知部材を挿入するようにしたものであり、検知部材はハウジングおよびロックアームから分離されたもので形成されている。
特開2006−24457号公報(段落〔0041〕、〔0042〕、図1、図2) 特開2006−24458号公報(段落〔0042〕、〔0043〕、図1) 特開2004−63090号公報(段落〔0013〕〜〔0018〕、図9、図10)
上記特許文献1、2のコネクタによれば、雄型コネクタハウジングと雌型コネクタハウジングとの嵌合結合時に、雄型ハウジングのガタツキ規制部の傾斜面が雌型ハウジングの規制面と面接触されて両ハウジングの嵌合方向に所定の弾性力で嵌合されるので、雌雄コネクタの嵌合方向およびこの嵌合方向と直交する方向でのガタツキが抑制される。しかしながら、所定の嵌合力を得るために、回転ロックレバーに板バネ部を一体に形成しなければならないので、構造が複雑になっている。また、この板バネ部が案内スリットの奥部すなわち枢支点に近いところに形成されるので、レバーの梃子作用が小さくなり嵌合力を強くすることに限界がある。また、上記特許文献2のコネクタは、アウタコネクタハウジング内にコイルスプリングを介在させてインナハウジングをバネで付勢するもので、一対のコイルスプリングを必要とし部品点数が多くなるとともに組み立てが面倒になっている。
近年、電気自動車が普及し、この普及に伴って、コネクタに要求される仕様がこれまでの小電力、小型タイプのものから大電力化および大型化し、しかも、より高い耐振性および耐水性を備えた高品質のものが要求されてきている。ところが、コネクタが大型化すると、使用される個々の部品サイズが大きくなりしかもその重量も重くなることから、これらの部品で組み立てたコネクタを結合する際の嵌合力も大きくしなければならない。しかしながら、上記特許文献1、2のコネクタでは、その構造上このような大きな嵌合力が得ることが難しい。また、下記特許文献3のコネクタは、検知部材を有しているがこの部材は嵌合力の増大に寄与するものとはなっていない。
本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、コネクタの嵌合時に結合状態を検知するとともに嵌合力を維持して嵌合の緩みをなくして接続不良をなくした電気コネクタを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、経年変化によって部品が変形しても嵌合力を維持できるようにした電気コネクタを提供することにある。
上記目的は以下の構成により達成できる。すなわち、請求項1に記載の電気コネクタの発明は、ハウジングの外壁面にロック突起が形成され内部の空洞穴に第1コンタクト端子が装着された第1コネクタと、前記空洞穴へ差込まれる差込突起部を有し該差込突起部内の装着穴に前記第1コンタクト端子が接続される第2コンタクト端子が固定された第2コネクタとを有し、前記第2コネクタのハウジングの外壁面にロックアームを回転可能に装着して、前記ロックアームに設けた係合溝に前記ロック突起を係止させて該ロックアームを回転させることによりアームの梃子作用を利用して前記第1、第2コネクタを嵌合結合させる電気コネクタにおいて、
前記ロックアームは、その自由端に前記第1、第2コネクタの結合状態を検知する検知部材を設け、前記検知部材には前記第1、第2コネクタとの嵌合結合時に前記ロックアームを両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させる方向に付勢力を生じる弾性部材が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電気コネクタにおいて、前記ロックアームは、一対の側板部を対向配置させて一端を連結部で結合した略U字状部材で形成して、前記連結部に前記弾性部材を固定し、前記連結部近傍の両側板部にガイド溝を形成して該ガイド溝に前記検出部材をスライド移動自在に装着して、前記第1、第2コネクタとの嵌合結合時に、前記検知部材で前記弾性部材を圧縮させながらスライド移動させて該検知部材の端縁を前記第2コネクタのハウジングの側壁面に設けた係止部に係止させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の電気コネクタにおいて、前記ガイド溝は、略V字状をなし、該V字の一側辺の溝が前記第1、第2コネクタの嵌合方向と平行に形成され、前記検知部材には前記V字溝に挿入されるガイドピンが形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の電気コネクタにおいて、前記V字状溝は、複数個形成され、前記検知部材は前記V字溝の数に対応した数のガイドピンが形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の電気コネクタにおいて、前記第1コネクタは、前記空洞穴内にガタ規制部が形成され、前記第2コネクタの差込突起部には、前記ガタ規制部に対応する箇所に当接部が形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の電気コネクタにおいて、前記第1コネクタのガタ規制部は、前記空洞穴の差込口近傍および奥部に第1、第2ガタ規制部が形成され、前記第2コネクタの差込突起部には、前記第1、第2ガタ規制部に対応する箇所に第1、第2当接部が形成されていることを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えることにより以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、第1、第2コネクタの嵌合結合時に、検知部材に設けた弾性部材がロックアームを両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させるので、ロックアームの回動によりこのアームの長さを利用した梃子作用により小さい回転力で両コネクタを嵌合結合ができ、且つ安定した嵌合力を維持できる。すなわち、第1、第2コネクタの嵌合結合時には、常時、弾性部材の付勢力によりロックアームを両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させる力が働いているので、安定した嵌合結合となり、振動に対しても緩むことがなく第1、第2コネクタの接触磨耗をなくして良好な電気接触が維持される。
請求項2の発明によれば、第1、第2コネクタとの嵌合結合時に、検知部材で弾性部材を圧縮させながらスライド移動させて検知部材の端縁を第2コネクタのハウジングの側壁面に設けた係止部に係止させるので、簡単な構成で弾性部材にロックアームを両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させる回動力を付与することができる。
請求項3の発明によれば、ガイド溝を略V字状とし、このV字の一側辺の溝を第1、第2コネクタの嵌合方向と平行に形成することにより、第1、第2コネクタとの嵌合結合時に、検知部材で弾性部材を圧縮させることができ、また、両コネクタの結合後に両コネクタの組み立て誤差或いは経年変化等により変形(クリープ)が発生しても十分な嵌合力を発揮させるための弾性力を得ることができる。すなわち、V字状溝のうち、例えば左側辺の溝は、スライド移動に利用し、右側辺の溝は嵌合方向と平行にすることにより第1、第2コネクタの組み立て誤差或いは経年変化等によりクリープが発生しても、ガイドピンが右側辺溝内で上昇移動し、反対にロックアームが下方へ押下げられるので、嵌合力が維持されることになる。
請求項4の発明によれば、V字状溝およびガイドピン数を増やすことにより、より安定した嵌合力を維持させることができる。
請求項5の発明によれば、第1コネクタの空洞穴内にガタ規制部、第2コネクタの差込突起部にガタ規制部に対応する当接部を形成することにより、第1、第2コネクタの嵌合方向およびこの嵌合方向と直交(嵌合方向と水平および垂直方向で直交)する方向でのガタが規制されて安定した嵌合結合となる。
請求項6の発明によれば、第1コネクタの空洞穴には、差込口近傍および奥部に第1、第2ガタ規制部を、第2コネクタの差込突起部には、第1、第2ガタ規制部に対応する箇所に第1、第2当接部を形成することにより、空洞部の差込口から奥部へ向かって前後2段でガタ規制ができるので、より安定した嵌合結合が可能になる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための電気コネクタを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1は本発明の実施形態に係る電気コネクタの結合状態を示し、図1(a)はコネクタの上面図、図1(b)は図1(a)のX方向からみた側面図、図2は図1(b)のA−A線断面図、図3は図1(a)のコネクタの分解斜視図、図4は図1の雌型コネクタを示し、図4(a)は外観斜視図、図4(b)は図4(a)の正面からみた正面図、図5は図4(b)のB−B断面図、図6は図3のA部分の拡大斜視図である。
電気コネクタ1は、図1〜図3に示すように、雌型ハウジング3内に複数本の雌型コンタクト端子Tが装着された雌型コネクタ2と、これらの雌型コンタクト端子Tと接続される雄型コンタクト端子Tが雄型ハウジング12内に装着された雄型コネクタ10と、を有し、雌型コネクタ2は、そのハウジング3の外壁面に回動可能にロックアーム5が装着されて、このロックアーム5の自由端に雌雄コネクタ2、10の嵌合状態を検知する検知部材(Connector Position Assurance;以下、CPAという)6が装着された構成を有している(図6参照)。以下、この電気コネクタ1を構成する雌型コネクタ2および雄型コネクタ10を順に説明する。
雌型コネクタ2は、図3に示すように、3本の雌型コンタクト端子Tと、これらの雌型コンタクト端子Tが収容される雌型ハウジング3と、この雌型ハウジング3の差込口内に装着されるリング状パッキンRおよび雌型コンタクト端子Tに接続された電線Wの周囲を覆い水の浸入を阻止する防水パッキンRとを有している。
雌型ハウジング3は、図4及び図5に示すように、全体が扁平状のブロック体からなり、樹脂成型体で形成されている。またこの雌型ハウジング3の前方に差込口3eおよびこの差込口3eから所定深さの奥行きを有する空洞穴3を有し、この空洞穴3には、その奥壁3fの面3f'から差込口3eへ向けて所定太さの3本の差込突起部4A〜4Cが所定間隔で立設されている。なお、差込突起部4A〜4Cは、3本に限定されず任意の本数、例えば1本又は2本、あるいは4本以上でもよい。この雌型ハウジング3の差込口3eは対向する短辺および長辺を有する矩形状をなし、外周囲が対向する左右側壁3a、3bおよび上下壁3c、3dで覆われて、上下壁3c、3dの略中央部にロックアーム5が回転可能に装着される支軸3c'、3d'が形成されている(図5参照)。これらの支軸3c'、3d'は、上下壁3c、3dを隆起させて形成される。また、一方の側壁3aには、差込口3eの近傍に、側壁面を横断する所定幅の突条部3a'が形成され、この突条部3a'の段部3にCPA6が係止される(図10参照)。
3本の差込突起部4A〜4Cは、図4(a)及び図4(b)に示すように、それぞれほぼ同じ形状を有している。これらの差込突起部は、長手方向と直交する断面が略八角形状をなし、その上下に一対の隆起部4、4および両側に浅溝4、4を有し、差込口3eから若干前方へ突出する長さを有している。また、各差込突起部4A〜4Cは、図5に示すように、内部に雌型コンタクト端子Tを収容できる大きさの収容孔4が形成されている。この収容孔4は、奥部の開口4bが雌型コンタクト端子Tを差込みできるようにその直径が大きくなっている。また、前壁4aは雄型コンタクト端子Tが差し込まれる細溝4aとリリース穴4aとなっている。上下一対の隆起部4、4には、差込口3eの近傍および奥壁面の近傍にそれぞれガタ規制部4、4および41'、42'が形成されている(図5参照)。また、各浅溝4、4の奥部にもガタ規制部4、45'が形成されている。これらのガタ規制部は、所定角度の傾斜面で形成されている。なお、各差込突起部4A〜4Cの奥壁3fの面3f'と接する基部にも傾斜面を設けると更に好ましい。
ロックアーム5は、図5及び図6に示すように、対向する一対の所定幅を有する側板部5a、5bと、これらの側板部の一端を連結した連結部5cと、を有し、全体が略U字状をなした樹脂成型体で形成されている。なお、このロックアーム5は金属で形成してもよい。
このU字状ロックアーム5は、そのU字状開放部分近傍の側板部5a、5bに枢支穴5a'、5b'(図5参照)が形成され、また、これらの枢支穴5a'、5b'の近接した箇所の各側板部の対向面に係合溝5、5が形成されている(図9参照、なお係合溝5は側板部5bに形成されているがこの図では隠れている)。これらの係合溝5、5は、雄型コネクタ10との結合時に雄型コネクタ10のロック突起11c'、11d'が係合されて、ロックアーム5を回転させることにより、雄型コネクタを梃子作用により雌型コネクタ10に引き込ませる働きをする。
このU字状ロックアーム5は、図6に示すように、各側板部5a、5bの、ロックアーム5のU字状底部分近傍の端縁が連結部5cで結合されて、この底部の一部が開放されて所定幅のCPA6が装着される隙間5dが形成されている。この隙間5d部分の各側板部5a、5bには、CPA6のガイドピンが挿入される2個のV字溝5、5、および51'、52'が形成されている(なお、V字溝52'は側板部5bに設けられているが、図6では隠れている)。これらのV字溝5、5、および51'、52'は同じ形状を有している。すなわち、このV字溝5、5、および51'、52'は、CPA6の押し込みをガイドする所定角度の第1側溝Vと、電気コネクタ1が嵌合結合されたときにその嵌合方向と平行になるように設けた第2側溝Vと、V字形状底部の底溝Vで形成されている。なお、ガイド溝としてのV字溝5、5、および51'、52'は、V字状に限定されず、任意の形状でよい。また、その個数は2個でなく1個でもよい。
また、連結部5cは、所定の肉厚を有して両側板部5a、5bを連結する部分に平坦面を有する基台5c'が形成されて、この基台5c'の略中央部にはガイド突起5eが形成され、また、この基台5c'の平坦面にはCPA6を押し上げる波状のばね体7が装着されている。このばね体7は、波状にプレス加工された金属ばねで形成されている。なお、このばね体7は波状の金属ばねに限定されず、任意の形状、例えばコイルスプリングでもよい。
CPA6は、所定の幅長を有する平坦部6aおよびこの平坦部から直角に折曲されて垂下する垂下部6bと、を有し全体形状が略L字状をなし、さらに平坦部6aの両端縁から垂直に立設された側壁部6c、6dを有し、これらが一体に形成された樹脂成型体で形成されている。なお、CPA6は樹脂成型体に限定されず金属板材でもよい。
このCPA6の平坦部6aには、ガイド突起5eと係合されるガイド溝6が形成されている。このガイド溝6は幅方向と直交する方向に所定長さ、すなわち、CPA6をスライド移動させて平坦部6aの端部6a'が雌型ハウジング3の段部に係止させる長さになっている。各側壁部6c、6dは、その外面に2本のガイドピン6、6および61'、62'が隣接して設けられている。これらのガイドピンは、各V字溝5、5、および51'、52'に挿入される。また、垂下部6bは、スライド移動させる押し部となっている。
この雌型コネクタ2の組み立ては、予め、ロックアーム5にCPA6を取付ける。この取付けは、先ず、連結部の平坦面5c'に波状ばね体7を装着する。次いで、ロックアーム5の隙間5dを押し広げてCPA6の各ガイドピン6、6および61'、62'を各側板部5a、5bの各V字溝5、5および51'、52'へ挿入するとともに、CPA6のガイド溝6をガイド突起5eへ挿入する。この取付けにより、CPA6は隙間5d内に各側板部5a、5bの弾性によりスライド移動が自在に装着される。一方、CPA6の平坦部6aの裏側がばね体7で押し上げられた状態になる。ロックアーム5にCPA6を取付けた後に、このロックアーム5の枢支穴5a'、5b'を雌型ハウジング3の支軸3c'、3d'に嵌め込んで、ロックアーム5をハウジング3に固定する。
次いで、このCPA6を取付けた雌型ハウジング3に電線Wを接続した雌型コンタクト端子Tを取付ける。その取付けは、電線Wを接続した3本の雌型コンタクト端子Tを各差込突起部4A〜4Cの各収容孔4の後方の開口4bから挿入して、各雌型コンタクト端子Tの先端部を前壁4aへ当接させ、先端部の係止穴に貫通孔の係止部を係合固定する。一方、電線Wの外周囲のシールド線は、リング状の接続環を使用して、一端をシールド線に固定し、他端を差込部の溝内に差込んで接続する。次いで、電線Wの外周囲にリング状の防水パッキンRおよびこのパッキン固定部材8を装着して電線を固定する。各差込突起4A〜4Cの基部には、リング状パッキンRを装着する。
次に、図7〜図8を参照して雄型コネクタの構造を説明する。なお、図7は雄型コネクタを示し、図7(a)は外観斜視図、図7(b)は図7(a)の雄型コネクタを正面からみた正面図、図8は図7(b)のC−C部断面図である。
雄型コネクタ10は、図3、図7及び図8に示すように、3本の雄型コンタクト端子Tと、これらの雄型コンタクト端子Tが収容される雄型ハウジング12と、この雄型ハウジング12の外周囲を覆うカバー体11と、雄型ハウジング12の後端に装着されるリング状パッキンRと、雄型コンタクト端子Tに接続された電線Wの周囲を覆い水の浸入を阻止する防水パッキンRと、を有している。
雄型ハウジング12は、図7及び図8に示すように、前方に差込口12aおよびこの差込口12aから所定深さの奥行きを有する空洞穴12を有し、この空洞穴12が3個の雄型コンタクトTが収容される3個の空室12A〜12Cに区画され、各空室12A〜12Cの奥壁12fに雄型コンタクトTが挿通される溝穴12f'が形成された、全体が扁平状のブロック体からなり、樹脂成型体で形成されている。各空室12A〜12Cは、雌型コネクタ2の差込突起部4A〜4Cが嵌合される大きさを有し、各空室12A〜12Cの隣接する部分には隙間が形成されている。各空室12A〜12Cは、上下壁に雌型コネクタ2の隆起部が挿入される凹状溝12、12が形成されている。各凹状溝12、12内には、その差込口12aに近い箇所およびこの箇所から所定距離離れた奥部にそれぞれ所定の角度を有する傾斜面12、12、121'、122'が形成されている。また、各空室12A〜12Cからなる空洞穴12の左右壁には凹状溝12、12が形成され、これらの凹状溝12、12内にも所定の角度を有する傾斜面12、12が形成されている。
このように各空室12A〜12Cは、上下壁の凹状溝12、12内および両サイドの空室12A、12Cにあっては両側壁面にそれぞれ傾斜面12〜12、121'、122'を設けることにより、これらの傾斜面12〜12、121'、122'は、雌型コネクタ2との嵌合結合時に、これらの傾斜面12〜12、121'、122'が雌型コネクタ2の差込突起部4A〜4Cの傾斜面であるガタ規制部4、4、41'、42'、4、45'と当接されて、両コネクタの嵌合方向およびこの嵌合方向と直交する方向において、緩みのない嵌合を達成するガタ規制構造となる。特に、このガタ規制構造は、差込突起部4A〜4Cおよびこの差込突起部4A〜4Cが挿入される空室12A〜12Cに前後2段に形成されているのでガタツキ規制が良好になる。なお、差込突起部4A〜4Cおよび空室12A〜12Cの形状は、八角形状に限定されるものでなく、円形でも他の形状でもよい。また、ガタ規制構造は、傾斜面により形成することに限定されず任意の形状でよく、また、前後2段でなくより多く設けてもよい。
カバー体11は、前方に雌型コネクタ2への差込部11Aとハウジング挿入部11Bとを有し、内部にハウジング12を収容できる大きさの収容孔11を有し、全体が扁平状の筒状体からなり、金属材(例えばアルミニウム)で形成されている。なお、このカバー体は、金属材に限定されず樹脂成型体で形成してもよい。
このカバー体11は、開口部11eが対向する短辺および長辺を有する矩形状をなし、外周囲が対向する側壁11a、11bおよび上下壁11c、11dで覆われて、上下壁面11c、11dの略中央部にロックアーム5の係合溝5、5と係合されるロック突起11c'、11d'が形成されている。これらのロック突起11c'、11d'は、上下壁面11c、11dを隆起させてこれらの部材と一体に形成される。また、左右壁11a、11bには、機器取付け用のフランジ11a'、11b'が形成されている。
雄型コネクタ10の組み立ては、雄型ハウジング12の後方開口部から電線Wを接続した雄型コンタクト端子Tを挿通して固定する。次いで電線Wの外周囲に防水パッキンRを介在させて固定具13で固定する。そして、雄型コンタクト端子Tを装着したハウジング12を間にリング状パッキンRを介在してカバー体11で覆い雄型コネクタ10の組み立てを終了する。
次に、主に図9、図10を参照して、雌型および雄型コネクタの嵌合結合を説明する。なお、図9は雌雄コネクタの結合プロセスを説明するもので、図9(a)は雌雄コネクタの仮係止状態を示す平面図、図9(b)は図9(a)に示す状態からロックレバーを回転した状態を示す平面図、図9(c)は図9(b)に示す状態から更にCPAを挿入した状態を示す平面図、図9(d)は図9(a)のB部拡大図、図9(e)は図9(b)のB部拡大図、図9(f)は図9(c)のB部拡大図、図10は図9(c)の状態を別の角度からみたもので、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)のロックアームの端部を一部切除した斜視図、図10(c)は図10(b)とは異なる位置で図10(a)のロックアームの端部を一部切除した斜視図、図10(d)は図10(a)のC部拡大図、図10(e)は図10(b)のC部拡大図、図10(f)は図10(c)のC部拡大図である。
先ず、雌型コネクタ2の差込口3eへ雄型コネクタ10の差込部11Aを挿入し、雄型コネクタ10のロック突起11c'、11d'を雌型コネクタ2の係合溝5A、に挿入して、雄型コネクタ10を雌型コネクタ2に仮係止する。この仮係止状態では、CPA6のガイドピン6、6は、各V字状溝5、5の各第1側溝V、Vの上方に位置している(図9(d)参照)。なお、図9(d)では一方の側板部5aについて示しているが、他の側板部5bの各ガイドピン61'、62'も各第1側溝V、Vと同じ位置にある。
図9(a)に示すように、両コネクタの仮係止が完了すると、次にロックアーム5を反時計方向に回転させる(図9(b)参照)。このロックアーム5の回転に伴って雄型コネクタ10のロック突起11c'、11d'が係合溝5、5に沿って移動し、これに伴って雄型コネクタ10が雌型コネクタ2に引き込まれて、両コネクタが嵌合結合される。このとき、ロックアーム5は所定の長さを有し、一端が支軸3c'、3d'に枢支されているので、ロックアーム5を時計方向へ回転させることにより、梃子作用を利用して小さい回転力で両コネクタを結合させることができる。また、結合状態では、各V字状溝5、5内のCPA6のガイドピン6、6は、仮係止の状態と同じ位置にある(図9(e)参照)。
この嵌合結合によると、各空室12A〜12Cの壁面に傾斜面12〜12、121'、122'が設けられているので、これらの傾斜面12〜12、121'、122'が雌型コネクタ2の差込突起部4A〜4Cのガタ規制部4、4、41'、42'、4、45'に当接して、両コネクタの嵌合方向およびこの嵌合方向と直交(水平および垂直)する方向で緩みのない嵌合を達成するガタ規制構造となる。特に、このガタ規制構造は、差込突起部4A〜4Cおよび空室12A〜12Cに前後2段に形成されているのでガタツキ規制が良好になる(図2参照)。
雌型コネクタ2と雄型コネクタ10とを結合した後に、CPA6の垂下部6bを押して、CPA6をロックアーム5の隙間5d内へ押し込む。この押込みにより、図9(c)に示すように、CPA6の平坦部6aがガイド溝6で案内されてスライド移動し、一方で、CPA6のガイドピン6、6が右下がりに押し込まれ、すなわち、各V字状溝5、5の各第1側溝V、Vの上方から右下がりにスライド移動して底溝Vを経て各第2側溝V、V下方へ到達するとともに、平坦部6aの端縁6a'(図6参照)が雌型ハウジング3の側壁3aに当接し段部3に係止される。一方、この押し込みにより、平坦部6aの裏面でばね体7を押圧し、この押圧力、すなわち、ばね体7の復元力により、ロックアーム5が図10に示すように、この図の上方へ持ち上げられて雌型コネクタ2と雄型コネクタ10との嵌合力が増大する方向への力が働く。この嵌合力は、ロックアーム5の梃子作用により大きなものとなっている。また、この嵌合状態では、各V字状溝5、5内の各ガイドピン6、6は、第2側溝Vの下方(図9(c)参照)に位置しているので、両コネクタ2、10の嵌合状態に緩みが発生した場合は、ばね体7の復元力により各ガイドピンが上方へ移動、すなわち、ロックアーム5を下方へ押し下げて両コネクタの嵌合力を維持することになる。したがって、雌型コネクタ2と雄型コネクタ10とを嵌合させた際に、両コネクタの組み立ての誤差或いは経年変化により部品が変形(クリープ)しても所定の嵌合力を維持することができる。
図1は本発明の実施形態に係る電気コネクタの結合状態を示し、図1(a)はコネクタの上面図、図1(b)は図1(a)のX方向からみた側面図である。 図2は図1(b)のA−A線断面図である。 図3は図1(a)のコネクタの分解斜視図である。 図4は図1の雌型コネクタを示し、図4(a)は外観斜視図、図4(b)は図4(a)の正面からみた正面図である。 図5は図4(b)のB−B断面図である。 図6は図3のA部分の拡大斜視図である。 図7は雄型コネクタを示し、図7(a)は外観斜視図、図7(b)は図7(a)の雄型コネクタを正面からみた正面図である。 図8は図7(b)のC−C部断面図である。 図9は雌雄コネクタの結合プロセスを説明するもので、図9(a)は雌雄コネクタの仮係止状態を示す平面図、図9(b)は図9(a)に示す状態からロックレバーを回転した状態を示す平面図、図9(c)は図9(b)に示す状態から更にCPAを挿入した状態を示す平面図、図9(d)は図9(a)のB部拡大図、図9(e)は図9(b)のB部拡大図、図9(f)は図9(c)のB部拡大図である。 図10は図9(c)の状態を別の角度からみたもので、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)のロックアームの端部を一部切除した斜視図、図10(c)は図10(b)とは異なる位置で図10(a)のロックアームの端部を一部切除した斜視図、図10(d)は図10(a)のC部拡大図、図10(e)は図10(b)のC部拡大図、図10(f)は図10(c)のC部拡大図である。 図11は従来技術のコネクタを示し、図11(a)は側面図、図11(b)は図11(a)の縦断面図である。
符号の説明
1 電気コネクタ
2 雌型コネクタ(第2コネクタ)
3 雌型ハウジング
4A〜4C 差込突起部
、4、41'、42'、4、45' ガタ規制部
5 ロックアーム
、5、51'、52' V字状溝(ガイド溝)
5a、5b 側板部
5c 連結部
6 嵌合検知部材(CPA)
、6 ガイドピン
10 雄型コネクタ(第2コネクタ)
11 カバー体
11c'、11d' ロック突起
12 ハウジング
12 空洞穴
12〜12 傾斜面
雌型コンタクト端子(第2コンタクト端子)
雄型コンタクト端子(第1コンタクト端子)

Claims (6)

  1. ハウジングの外壁面にロック突起が形成され内部の空洞穴に第1コンタクト端子が装着された第1コネクタと、前記空洞穴へ差込まれる差込突起部を有し該差込突起部内の装着穴に前記第1コンタクト端子が接続される第2コンタクト端子が固定された第2コネクタとを有し、前記第2コネクタのハウジングの外壁面にロックアームを回転可能に装着して、前記ロックアームに設けた係合溝に前記ロック突起を係止させて該ロックアームを回転させることによりアームの梃子作用を利用して前記第1、第2コネクタを嵌合結合させる電気コネクタにおいて、
    前記ロックアームは、その自由端に前記第1、第2コネクタの結合状態を検知する検知部材を設け、前記検知部材には前記第1、第2コネクタとの嵌合結合時に前記ロックアームを両コネクタの嵌合力を増大する方向へ移動させる方向に付勢力を生じる弾性部材が設けられていることを特徴とする電気コネクタ。
  2. 前記ロックアームは一対の側板部を対向配置させて一端を連結部で結合した略U字状部材からなり、前記連結部に前記弾性部材を固定し、前記連結部近傍の前記一対の側板部にガイド溝を形成して該ガイド溝に前記検知部材をスライド移動自在に装着して、前記第1、第2コネクタとの嵌合結合時に、前記検知部材で前記弾性部材を圧縮させながらスライド移動させ、該検知部材の端縁を前記第2コネクタのハウジングの側壁面に設けた係止部に係止させることを特徴とする請求項1に記載の電気コネクタ。
  3. 前記ガイド溝は実質的にV字状をなし、該V字状のガイド溝の一側辺の溝が前記第1、第2コネクタの嵌合方向と平行に形成され、前記検知部材には前記V字溝に挿入されるガイドピンが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電気コネクタ。
  4. 前記V字状溝は複数個形成され、前記検知部材は前記V字溝の数に対応した数のガイドピンが形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気コネクタ。
  5. 前記第1コネクタは、前記空洞穴内にガタ規制部が形成され、前記第2コネクタの差込突起部には、前記ガタ規制部に対応する箇所に当接部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気コネクタ。
  6. 前記第1コネクタのガタ規制部は、前記空洞穴の差込口近傍および奥部に第1、第2ガタ規制部が形成され、前記第2コネクタの差込突起部には、前記第1、第2ガタ規制部に対応する箇所に第1、第2当接部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の電気コネクタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101728558B1 (ko) * 2010-07-09 2017-04-19 스미토모 덴소 가부시키가이샤 커넥터
US10468821B2 (en) 2017-04-14 2019-11-05 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Lever-type connector
CN113544909A (zh) * 2019-01-15 2021-10-22 皇家精密制品有限责任公司 带有内部弹簧部件的屏蔽电连接器系统

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