JP2011515807A - リチウム二次電池用非水電解質及びそれを備えたリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用非水電解質及びそれを備えたリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明によるリチウム二次電池用非水電解質は、リチウム塩及びカーボネート系有機溶媒を含み、化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物をさらに含むことを特徴とする。本発明による非水電解質をリチウム二次電池に使用すると、低温における放電特性及び充放電サイクル寿命特性に優れるだけでなく、電池が満充電状態で高温保存されるか又は充放電されても、カーボネート系有機溶媒の分解反応を抑制して電池の膨れ現象(swelling)を改善し、高温寿命特性を向上させることができる。

Description

本発明は、リチウム二次電池用非水電解質(非水電解液)及びそれを備えたリチウム二次電池に関する。
近年、エネルギー貯蔵技術に対する関心が高まりつつある。携帯電話、カムコーダー、及びノートパソコン、さらには電気自動車のエネルギーまで適用分野が拡がるとともに、このような電子器機の電源として使用される電池の高エネルギー密度化に対する要求が高くなっている。リチウム二次電池は、このような要求に最も応えられる電池であって、これに対する研究が活発に行われている。
現在適用されている二次電池のうち1990年代の初めに開発されたリチウム二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材などからなる負極、リチウム含有酸化物などからなる正極、及び混合有機溶媒にリチウム塩が適量溶解された非水電解質で構成されている。
リチウム二次電池の平均放電電圧は約3.6V〜3.7Vであって、他のアルカリ電池、ニッケル‐カドミウム電池などに比べて動作電圧が高いことが長所の1つである。このような高い動作電圧を出すためには、充放電電圧領域である0〜4.2Vで電気化学的に安定した電解液の組成が必要である。そのために、通常エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物と、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの線状カーボネート化合物とが適切に混合された混合溶媒を電解液の溶媒として使用する。電解液の溶質であるリチウム塩としては通常、LiPF、LiBF、LiClOなどを使用するが、これらは電池内でリチウムイオンの供給源として働いてリチウム電池の作動を可能にする。
リチウム二次電池の初期充電時、リチウム金属酸化物などの正極活物質から出たリチウムイオンは、グラファイトなどの負極活物質に移動し、負極活物質の層間に挿入される。このとき、リチウムの高反応性のため、グラファイトなどの負極活物質の表面で電解液とリチウム塩とが反応してLiCO、LiO、LiOHなどの化合物を生成する。これらの化合物はグラファイトなどの負極活物質の表面に一種のSEI(Solid Electrolyte Interface)フィルムを形成する。
SEIフィルムはイオントンネルの役割を果たし、リチウムイオンのみを通過させる。イオントンネル効果により、SEIフィルムは電解液中でリチウムイオンとともに移動する分子量の大きい有機溶媒分子が負極活物質の層間に挿入されて負極構造を破壊することを防止する。よって、電解液と負極活物質との接触を防止することで電解液が分解せず、電解液中のリチウムイオンの量が可逆的に保持され、安定的な充放電が保障される。
しかし、薄い角型電池では、上述したSEIフィルム形成反応中にカーボネート系溶媒の分解から発生するCO、CO、CH、Cなどの気体により、充電時電池の厚さが膨張する。また、満充電状態で高温に放置されると、時間の経過とともに増加した電気化学的エネルギーと熱エネルギーによってSEIフィルムが徐々に崩壊され、露出した負極表面と周辺の電解液とが反応する副反応が持続的に起きる。このときの継続的な気体の発生により、電池の内圧が上昇し、その結果、角型電池とパウチ電池の場合、電池の厚さが増加する。それにより、携帯電話及びノートパソコンなどの電子機器における高温放置安全性に問題が生じる。
このような問題点を解決するため、カーボネート有機溶媒に添加剤を入れてSEIフィルム形成反応の様相を変化させようとする研究が行われてきた。例えば、特許文献1及び特許文献2には所定化学式で表されるフッ素基含有スルホネート化合物が添加された非水電解質が開示されている。
しかし、電池性能を向上させるために特定化合物を電解液に添加する場合、一部の性能は向上するものの他の性能が低下する場合が多いため、このような副作用を最小化できる添加剤を含む非水電解質の開発が持続的に求められている。
特開2006−351337号公報 特開2006−339020号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、リチウム二次電池に使用すると、低温における放電特性及び充放電サイクル寿命特性に優れるだけでなく、電池が満充電状態で高温保管されるか充放電されても、カーボネート系有機溶媒の分解反応を抑制して電池の膨れ現象(swelling)を改善し、高温寿命特性を向上させることができるリチウム二次電池用非水電解質及びそれを備えたリチウム二次電池を提供することをその目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明によるリチウム塩及びカーボネート系有機溶媒を含むリチウム二次電池用非水電解質は、下記化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物をさらに含む。
Figure 2011515807
化学式1において、xは1から4の整数であり、yは1または2の整数であり、R11及びR12は相互独立して水素原子もしくは炭素数1または2のアルキル基である。
本発明の非水電解質において、フッ素基含有スルホネート化合物としては、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,3‐ヘプタフルオロプロパン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,2‐ペンタフルオロエタンスルホネート、1,1,1‐トリフルオロプロパン‐2‐イル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートなどをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用することが望ましい。
本発明の非水電解質において、カーボネート系有機溶媒は環状カーボネート化合物、線状カーボネート化合物またはこれらの混合物を使用することができる。環状カーボネート系化合物としては、下記化学式2で表される化合物、下記化学式3で表される化合物、またはこれらを混合して使用し得る。また、線状カーボネート化合物としては、下記化学式4で表される化合物を使用し得る。
Figure 2011515807
化学式2において、R1からR4はそれぞれ相互独立して水素原子、フルオリン、及び炭素数が1から4のアルキル基からなる群より選択されたいずれか1つである。
Figure 2011515807
化学式3において、R5及びR6はそれぞれ相互独立して水素原子または炭素数が1から4のアルキル基である。
Figure 2011515807
化学式4において、R7及びR8はそれぞれ相互独立して少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換されるかまたは非置換され、炭素数が1から4のアルキル基である。
また、本発明の非水電解質は、下記化学式5で表される線状エステル系化合物をさらに含むことが望ましい。このような線状エステル系化合物としては、エチルプロピオネート、エチル3‐フルオロプロパノアート、エチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、エチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアート、2‐フルオロエチルプロピオネート、2,2‐ジフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチル3‐フルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアートなどをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用することが望ましい。
Figure 2011515807
化学式5において、R9及びR10はそれぞれ相互独立して少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換されるかまたは非置換され、炭素数が1から4のアルキル基である。望ましくは、R9の炭素数は2である。
上記のようなリチウム二次電池用非水電解質は、負極及び正極を備える通常のリチウム二次電池に有用に使用し得る。
以下、本発明について詳しく説明する。本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
本発明のリチウム塩及び有機溶媒を含むリチウム二次電池用非水電解質は、下記化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物をさらに含む。
Figure 2011515807
化学式1において、xは1から4の整数であり、yは1または2の整数であり、R11及びR12は相互独立して水素原子もしくは炭素数1または2のアルキル基である。
化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物を含む非水電解質は、前述したカーボネート系有機溶媒の使用による問題点を改善し、電池が満充電状態で高温保存されるかまたは充放電されても、カーボネート系有機溶媒の分解反応を抑制する。これにより、電池の膨れ現象が最小化され、電池の高温寿命特性も向上する。
このような化学式1のフッ素基含有スルホネート化合物としては、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,3‐ヘプタフルオロプロパン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,2‐ペンタフルオロエタンスルホネート、1,1,1‐トリフルオロプロパン‐2‐イル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートなどをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用し得るが、これらに限定されることはない。
本発明の非水電解質において、前記化学式5のフッ素基含有スルホネート化合物の含量は、非水電解質100重量部を基準に0.1から10重量部であることが望ましい。
本発明のリチウム二次電池の非水電解質において、電解質として含まれるリチウム塩はリチウム二次電池用電解液に通常使用されるものなどを制限なく使用し得る。前記リチウム塩の代表的な例としては、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(CSO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(CFSO、LiBOB(LiCBO)などが挙げられる。勿論、リチウム二次電池の非水電解質には、本発明の目的から逸脱しない限度内でラクトン、エーテル、エステル、アセトニトリル、ラクタム、ケトンなどの化合物をさらに添加し得る。
また、本発明の非水電解質に含まれるカーボネート系有機溶媒としては、リチウム二次電池用電解液に通常使用されるものなどを制限なく使用し得、例えば、環状カーボネート化合物、線状カーボネート化合物またはこれらの混合物を使用し得る。
環状カーボネート系化合物としては、下記化学式2で表される化合物、下記化学式3で表される化合物、またはこれらを混合して使用し得る。
Figure 2011515807
化学式2において、R1からR4はそれぞれ相互独立して水素原子、フルオリン及び炭素数が1から4のアルキル基からなる群より選択されたいずれか1つである。
Figure 2011515807
化学式3において、R5及びR6はそれぞれ相互独立して水素原子または炭素数が1から4のアルキル基である。
化学式2または化学式3の環状カーボネート化合物は、電解質内のリチウム塩をよく解離させるため、電池の充放電容量の向上に寄与する。化学式1で表されるカーボネート化合物としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用し得る。特に、エチレンカーボネートまたはエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの混合物は、誘電率が高く電解質内のリチウム塩をさらによく解離させる。エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの混合物を使用する場合、望ましいプロピレンカーボネートの混合体積比はエチレンカーボネートの1/4〜1である。化学式3で表されるカーボネート化合物にはビニレンカーボネートが含まれ得る。
線状カーボネート化合物としては、下記化学式4で表される化合物を使用し得る。
Figure 2011515807
化学式4において、R7及びR8はそれぞれ相互独立して少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換されるかまたは非置換され、炭素数が1から4のアルキル基である。
また、本発明の非水電解質は、下記化学式5で表される線状エステル系化合物をさらに含むことが望ましい。
Figure 2011515807
化学式5において、R9及びR10はそれぞれ相互独立して少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換されるかまたは非置換され、炭素数が1から4のアルキル基である。望ましくは、R9の炭素数は2である。
化学式5の線状エステル系化合物は、氷点が低く、沸点が比較的高く、優れた低温特性を示す低粘度、低融点の有機溶媒である。また、このようなプロピオネート系エステルのような線状エステル系化合物は、炭素材負極に対する反応性が比較的低い。このような線状エステル系化合物は、前述した環状カーボネートと混合されてリチウム二次電池の低温放電特性及び寿命の改善に寄与する。すなわち、線状エステル系化合物は、リチウムイオンを適切に配位して常温及び低温で高いイオン伝導度を示すことで、電池の低温放電特性及び高率放電特性を向上させる。また、溶媒の固有特性である酸化電圧が4.5V以上であり、充電時、正極における電解液分解反応に対する抵抗性を持たせることで電池の寿命性能を向上させる。さらに、炭酸エステル系溶媒のみを非水電解質として使用するときより電極に対する濡れ性(wettability)が向上するため、電極表面にリチウムデントライト(dendrite)の形成を抑制し、電池の安全性向上に寄与する。
このような線状エステル系化合物としては、エチルプロピオネート、エチル3‐フルオロプロパノアート、エチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、エチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアート、2‐フルオロエチルプロピオネート、2,2‐ジフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチル3‐フルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアートなどをそれぞれ単独でまたはこれらのうち2種以上を混合して使用することが望ましい。
前述したような非水電解質において、リチウム二次電池の低温放電特性、高率充放電特性、および寿命サイクル特性を考慮して、環状カーボネート化合物(a)と、線状カーボネート化合物と線状エステル化合物との混合溶媒(b)との混合体積比(a:b)を望ましくは10:90から70:30に、より望ましくは20:80から60:40に調節する。
前述したリチウム二次電池用非水電解質は、本発明のリチウム二次電池に使用されるリチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材、金属合金、リチウム含有酸化物、リチウムと結合し得るシリコン含有材料などの負極、及びリチウム含有酸化物などからなる正極を備えたリチウム二次電池に使用される。
リチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材としては、低結晶性炭素及び高結晶性炭素など、リチウム二次電池の炭素材負極として使用し得るものであれば全て使用し得る。低結晶性炭素としては軟質炭素及び硬質炭素が代表的であり、高結晶性炭素としては天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維(mesophase pitch based carbon fiber)、メソカーボンマイクロビーズ(meso−carbon microbeads)、メソフェーズピッチ(Mesophase pitches)、及び石油または石炭系コークスなどの高温焼結炭素が代表的である。このとき、負極は結着剤を含み得、結着剤としてはフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF‐co‐HFP)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidenefluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、改質されたSBRなど、多様な種類のバインダー高分子を使用し得る。
また、リチウム含有酸化物からなる正極の活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物を望ましく使用し得る。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−yCo、LiCo1−yMn、LiNi1−yMn(O≦y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−zNi、LiMn2−zCo(0<z<2)、LiCoPO及びLiFePOからなる群より選択されるいずれか1つまたはこれらのうち2種以上の混合物を使用し得るが、これらに限定されることはない。
また、正極と負極との間には、通常セパレーターが介在されるが、従来セパレーターとして使用した通常の多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、及びエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムを単独でまたはこれらを積層して使用し得る。その他に、通常の多孔性不織布、例えば高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布を使用し得るが、これに限定されない。
本発明のリチウム二次電池の外形は特に制限されないが、缶を使用した円筒型、角型、パウチ型、またはコイン型などであり得る。
以下、本発明を具体的な実施例を挙げて説明する。しかし、本発明による実施例は多くの他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が後述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は当業界で平均的な知識を持つ者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
実施例1
エチレンカーボネート(EC):エチルプロピオネート(EP):プロピレンカーボネート(PC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:5:1:1(体積比)の組成を有する混合有機溶媒に1MになるようにLiPFを混合して非水電解質を製造し、総非水電解質に対し0.2重量部の2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加して非水電解質を製造した。
上記の方法で製造したリチウム二次電池用非水電解質を使用して電池を製造した。正極活物質としてLiCoO、負極活物質として人造黒鉛を使用して製造したパウチ型電池に非水電解質を注液して電池を製造した。
実施例2
0.5重量部の2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加したことを除き、実施例1と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例3
1重量部の2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加したことを除き、実施例1と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例4
5重量部の2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加したことを除き、実施例1と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例5
EC:EMC=4:6(体積比)を使用したことを除き、実施例3と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例6
EC:ジメチルカーボネート(DMC)=4:6(体積比)を使用したことを除き、実施例3と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例7
EC:ジエチルカーボネート(DEC)=4:6(体積比)を使用したことを除き、実施例3と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例8
EC:エチルプロピオネート(EP)=4:6(体積比)を使用したことを除き、実施例3と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例9
非水系電解液に対し、2重量部のビニレンカーボネート(VC)及び3重量部のプロパンスルトン(PS)をそれぞれ添加したことを除き、実施例3と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例10
非水系電解液に対し、2重量部のビニレンカーボネート(VC)及び3重量部のプロパンスルトン(PS)をそれぞれ添加したことを除き、実施例5と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例11
非水系電解液に対し、2重量部のビニレンカーボネート(VC)及び3重量部のプロパンスルトン(PS)をそれぞれ添加したことを除き、実施例6と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例12
非水系電解液に対し、2重量部のビニレンカーボネート(VC)及び3重量部のプロパンスルトン(PS)をそれぞれ添加したことを除き、実施例7と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
実施例13
非水系電解液に対し、2重量部のビニレンカーボネート(VC)及び3重量部のプロパンスルトン(PS)をそれぞれ添加したことを除き、実施例8と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例1
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例4と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例2
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例5と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例3
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例6と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例4
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例7と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例5
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例8と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例6
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例9と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例7
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例10と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例8
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例11と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例9
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例12と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
比較例10
2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートを添加していない非水系電解液を使用したことを除き、実施例13と同様の方法でパウチ型電池を製造した。
電池の初期性能及び寿命性能の評価方法
実施例及び比較例で製造したパウチ型電池に電解液を注液した後、常温で2日間エイジング(aging)してから0.2Cレートで50分間充電した。次いで、脱ガス/再封止して室温で0.2Cで4.2Vまで定電流/定電圧条件で充電し、0.2Cで3.0Vまで定電流条件で放電することを初期充放電とする。このとき、放電容量に対する充電容量の比率を初期効率とする。初期充放電後、同じ電圧領域で1.0Cレートで400回充放電し、初期放電容量に対する400回容量保持率(寿命性能)を下記表1に示した。
電池の高率放電性能の評価方法
前述した方法によって実施例及び比較例で製造したパウチ型電池を初期充放電した後、同じ電圧領域で1.0Cレートで4回充放電し、1.0Cレートで充電した後0.2Cレートで放電した。このとき、1.0Cレートの4回目放電容量と0.2Cレートの放電容量との比を下記表1に示した。
電池の低温放電性能の評価方法
前述した方法によって実施例及び比較例で製造したパウチ型電池を初期充放電した後、常温で同じ電圧領域で1.0Cレートで充電し、0.2Cレートで放電した。次いで、1.0Cレートで充電した電池を−20℃の低温チャンバーに入れた後、0.2Cレートで放電した。このときの常温と−20℃とにおける放電容量の比を下記表1に示した。
高温保存時の厚さ変化の評価方法
前述した方法によって実施例及び比較例で製造したパウチ型電池を初期充放電した後、同じ電圧領域で1.0Cレートで4回充放電し、1.0Cレートで4.2Vで充電した。その後、常温で90℃まで1時間に亘って昇温させ、90℃で4時間維持した後、常温と高温とにおける厚さの変化を測定し、増加率を下記表1に示した。
Figure 2011515807
本発明による非水電解質をリチウム二次電池に使用すると、低温における放電特性及び充放電サイクル寿命特性に優れるだけでなく、電池が満充電状態で高温保存されるか又は充放電されても、カーボネート系有機溶媒の分解反応を抑制して電池の膨れ現象を改善する。これにより、電池の高温寿命特性も向上させることができる。

Claims (15)

  1. リチウム二次電池用非水電解質であって、
    リチウム塩と、及びカーボネート系有機溶媒を含んでなり、
    前記非水電解質が、下記化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物をさらに含んでなる、リチウム二次電池用非水電解質。
    Figure 2011515807
    〔上記化学式1において、
    xは1から4の整数であり、
    yは1または2の整数であり、
    R11及びR12は、相互独立して、水素原子もしくは炭素数1または2のアルキル基である〕。
  2. 前記フッ素基含有スルホネート化合物の含量が、前記非水電解質100重量部を基準にして、0.1から10重量部である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  3. 前記フッ素基含有スルホネート化合物が、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,3‐ヘプタフルオロプロパン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,2‐ペンタフルオロエタンスルホネート及び1,1,1‐トリフルオロプロパン‐2‐イル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートからなる群より選択された何れか一種または二種以上の混合物である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  4. 前記カーボネート系有機溶媒が、環状カーボネート化合物、線状カーボネート化合物及びこれらの混合物からなる群より選択された何れか一種である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  5. 前記環状カーボネート系化合物が、下記化学式2で表される化合物、下記化学式3で表される化合物及びこれらの混合物からなる群より選択された何れか一種である、請求項4に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
    Figure 2011515807
    〔上記化学式2において、
    R1からR4は、それぞれ相互独立して、水素原子、フルオリン及び炭素数が1から4のアルキル基からなる群より選択されたいずれか一種である。〕
    Figure 2011515807
    〔上記化学式3において、
    R5及びR6は、それぞれ相互独立して、水素原子または炭素数が1から4のアルキル基である。〕
  6. 前記線状カーボネート系化合物が、下記化学式4で表される化合物である、請求項4に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
    Figure 2011515807
    〔上記化学式4において、
    R7及びR8は、それぞれ相互独立して、少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換され又は非置換された、炭素数が1から4のアルキル基である。〕
  7. 前記非水電解質が、下記化学式5で表される線状エステル系化合物をさらに含んでなる、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
    Figure 2011515807
    〔上記化学式5において、
    R9及びR10は、それぞれ相互独立して、少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換され又は非置換された、炭素数が1から4のアルキル基である。〕
  8. 前記線状エステル系化合物が、エチルプロピオネート、エチル3‐フルオロプロパノアート、エチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、エチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアート、2‐フルオロエチルプロピオネート、2,2‐ジフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチル3‐フルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3‐ジフルオロプロパノアート及び2,2,2‐トリフルオロエチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアートからなる群より選択された何れか一種または二種以上の混合物である、請求項7に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  9. 前記リチウム塩が、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(CSO、LiN(CFSO、CFSOLi、LiC(CFSO及びLiBOB(LiCBO)からなる群より選択される何れか一種または二種以上の混合物である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  10. リチウム二次電池であって、
    負極と、正極と、及び非水電解質とを備えてなり、
    前記非水電解質が、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解質である、リチウム二次電池。
  11. リチウム二次電池用非水電解質であって、
    リチウム塩と、
    カーボネート系有機溶媒と、
    下記化学式1で表されるフッ素基含有スルホネート化合物と、
    下記化学式5で表されるプロピオネート系エステル化合物とを含んでなる、リチウム二次電池用非水電解質。
    Figure 2011515807
    〔上記化学式1において、
    xは、1から4の整数であり、
    yは、1または2の整数であり、
    R11及びR12は、相互に独立して水素原子もしくは炭素数1または2のアルキル基である。〕
    Figure 2011515807
    〔上記化学式5において、
    R9は、炭素数が2のアルキル基であり、
    R10は、炭素数が1から4のアルキル基であり、
    R9は及びR10は、それぞれ相互に独立して少なくとも1つ以上の水素原子がフルオリンに置換又は非置換されてなるものである。〕
  12. 前記フッ素基含有スルホネート化合物の含量が、前記非水電解質100重量部を基準にして、0.1から10重量部である、請求項11に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  13. 前記フッ素基含有スルホネート化合物が、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,3,3,3‐ヘプタフルオロプロパン‐1‐スルホネート、2,2,2‐トリフルオロエチル1,1,2,2,2‐ペンタフルオロエタンスルホネート及び1,1,1‐トリフルオロプロパン‐2‐イル1,1,2,2,3,3,4,4,4‐ノナフルオロブタン‐1‐スルホネートからなる群より選択された何れか一種又は二種以上の混合物である、請求項11に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  14. 前記プロピオネート系エステル化合物が、エチルプロピオネート、エチル3‐フルオロプロパノアート、エチル3,3‐ジフルオロプロパノアート、エチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアート、2‐フルオロエチルプロピオネート、2,2‐ジフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチルプロピオネート、2,2,2‐トリフルオロエチル3‐フルオロプロパノアート、2,2,2‐トリフルオロエチル3,3‐ジフルオロプロパノアート及び2,2,2‐トリフルオロエチル3,3,3‐トリフルオロプロパノアートからなる群より選択された何れか一種又は二種以上の混合物である、請求項11に記載のリチウム二次電池用非水電解質。
  15. リチウム二次電池であって、
    負極と、正極と、及び非水電解質とを備えなり、
    前記非水電解質が、請求項11に記載のリチウム二次電池用非水電解質である、リチウム二次電池。
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