JP2011508967A - アントラセンを主成分とする溶液加工性有機半導体 - Google Patents

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Abstract

半導体デバイス、半導体デバイスの製造方法、及び半導体層を半導体デバイス内に提供するために使用可能なコーティング組成物について記載されている。コーティング組成物は、低分子半導体、絶縁ポリマー、並びに低分子半導体材料及び絶縁ポリマーの両方を溶解することができる有機溶媒を含む。低分子半導体は、2つのチオフェン基並びに2つのシリルエチニル基で置換されたアントラセン系化合物(即ち、アントラセン誘導体)である。

Description

半導体デバイス、半導体デバイスの製造方法、及び半導体層を半導体デバイス内に提供するために使用可能なコーティング組成物について記載されている。
従来、半導体産業においては無機材料が優位を占めてきた。例えば、ヒ化ケイ素及びガリウムヒ素が半導体材料として使用されており、二酸化ケイ素は絶縁体材料として使用されており、アルミニウム及び銅のような金属が電極材料として使用されてきた。しかしながら、近年、伝統的な無機材料よりも有機材料を半導体デバイスにおいて使用することを目的とした研究努力が高まってきている。特に他の利点として、有機材料の使用は、電子装置の製造コストを低下させることができ、広い領域に適用することを可能にし、ディスプレイ背面又は集積回路にフレキシブル回路基板の使用を可能にすることができる。
種々の有機半導体材料が検討されてきており、最も一般的なものとしては、テトラセン、ペンタセン、ビス(アセニル)アセチレン、及びアセン−チオフェンにより例示されるような縮合芳香族環化合物、チオフェン又はフルオレン単位を含有するオリゴマー材料、並びにレジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)などの高分子材料が挙げられる。これらの有機半導体材料の少なくとも幾つかは、電荷キャリア移動度、オン/オフ電流比、及びサブ閾値電圧などの性能特性を有し、それらはアモルファスシリコン系デバイスと同等であるかあるいはそれより優れている。これらの材料の多くは、それらがほとんどの溶媒にほとんど可溶性ではないために、蒸着する必要がある。
良好な電気的性能特性ゆえに、多くの場合ペンタセンが有機半導体として最適である。しかしながら、ペンタセンは合成及び精製が困難である。多くの一般的溶媒に対するペンタセンの溶解度が限定されたものであるために、ペンタセンを含有する半導体層は通常、溶媒系堆積技術を使用して形成することはできない。溶媒系堆積技術における更なる厄介な問題は、多くの溶液中において、ペンタセンが酸化しやすい、あるいは二量化反応を生じやすいことである。一旦半導体層内に堆積させたら、ペンタセンは時間の経過とともに酸化し得る。このことで、酸化したペンタセンを含有する半導体デバイスの性能が低下し、あるいは完全に破壊され得る。
半導体デバイス、半導体デバイスの製造方法、及び半導体層を半導体デバイス内に提供するために使用可能なコーティング組成物について記載されている。より具体的には、コーティング組成物は、低分子半導体、絶縁ポリマー、並びに低分子半導体及び絶縁ポリマーの両方を溶解することができる有機溶媒を含む。低分子半導体は、2個のチオフェン基並びに2個のシリルエチニル基で置換されているアントラセン系化合物(即ち、アントラセン誘導体)である。
第1の態様では、(a)低分子半導体、(b)絶縁ポリマー、及び(c)有機溶媒を含むコーティング組成物が提供される。コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の溶解した低分子半導体及び少なくとも0.1重量%の溶解した絶縁ポリマーを含有する。低分子半導体は、式(I)からなる。
Figure 2011508967
式(I)において、それぞれのRは、独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせであり、それぞれのnは、独立して、0、1、2、又は3に相当する整数であり、それぞれのRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである。
第2の態様では、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、(a)式(I)の低分子半導体及び(b)絶縁ポリマーを含む半導体層を含有する。
第3の態様では、半導体デバイスの製造方法が提供されている。方法は、(a)式(I)の低分子半導体及び(b)絶縁ポリマーを含有する半導体層を提供することを含む。
上記の本発明の概要は、本発明のそれぞれの実施形態又は全ての実現形態を説明することを意図したものではない。以下の図、「発明を実施するための形態」、及び「実施例」が、これらの実施形態をより具体的に例示する。
添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明は、更に完全に理解されると思われる。
第1の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。 第2の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。 第3の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。 第4の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。 第5の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。 第6の例示的薄膜トランジスタを概略的に示す。
本発明は、様々な修正例及び代替形態に変更することが可能であるが、それらの具体例が一例として図面に示されており、また詳細に記載される。しかしながら、本発明を、記載される特定の実施形態に限定することを意図しないことが理解されるべきである。それに反して、本発明は、本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正形態、等価形態、及び代替形態を網羅することを意図している。
薄膜トランジスタなどの半導体デバイス内に半導体層を作製するために使用可能なコーティング組成物が提供される。コーティング組成物及び半導体層の全てが、絶縁ポリマー及び低分子半導体の両方を含む。コーティング組成物はまた、有機溶媒も含有し、低分子半導体の少なくとも一部及び絶縁ポリマーの少なくとも一部が、コーティング組成物中に溶解している(例えば、コーティング組成物内の有機溶媒に溶解している)。低分子半導体は、2個のチオフェン基並びに2個のシリルエチニル基で置換されているアントラセン誘導体である。
本明細書で使用するとき、用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」と同じ意味で用いられ、記載された元素の1つ以上を意味する。
用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキルは、直鎖状、分枝状又は環状の、又はこれらの組み合わせであることができ、及び典型的には1〜30の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、アルキル基は、1〜20個、1〜14個、1〜10個、4〜10個、4〜8個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第3ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、及びエチルヘキシルが挙げられる。
用語「アルコキシ」とは、式−ORの一価の基を意味し、式中、Rはアルキル基である。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが挙げられる。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を備えた炭化水素であるアルケンのラジカルである一価の基を意味する。アルケニルは、直鎖、分岐鎖、環状、又はそれらの組み合わせであることができ、通常2〜30個の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、アルケニルは、2〜20個、2〜14個、2〜10個、4〜10個、4〜8個、2〜8個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を含有する。例示的アルケニル基としては、エテニル、n−プロペニル、及びn−ブテニルが挙げられる。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素3重結合を備えた炭化水素であるアルキンのラジカルである一価の基を意味する。アルキニルは、直鎖、分岐鎖、環状、又はそれらの組み合わせであることができ、通常2〜30個の炭素原子を含む。幾つかの実施形態では、アルキニルは、2〜20個、2〜14個、2〜10個、4〜10個、4〜8個、2〜8個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を含有する。代表的アルキニル基としては、エチニル、n−プロピニル、及びn−ブチニルが挙げられる。
用語「アシル」とは、式−(CO)−Rの一価の基を指し、式中、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、又はアリールであるとともに、(CO)は、炭素が酸素に二重結合で結合していることを意味する。代表的なアシル基は、Rがメチルのアセチルである。幾つかの実施形態では、R基は、少なくとも1つのハロ基によって置換可能である。例えば、アルキル基、ヘテロアルキル基、又はアリール基の任意の水素は、ハロ基で置換可能である。
用語「アリール」とは、芳香族炭素環化合物のラジカルである一価の基を意味する。用語「炭素環」とは、その中の全ての環原子が炭素である環状構造を意味する。アリールは、1つの芳香族環を有することができ、又は芳香族環に結合若しくは縮合した、5つ以下の炭素環構造を含むことができる。その他の環状構造は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであることができる。アリール基の例としては、限定されないが、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、アントリル、ナフチル、アセナフチル、アントラキノニル、フェナントリル、アントラセニル、ピレニル、ペリレニル、及びフルオレニルが挙げられる。
用語「アラルキル」とは、化合物R−Arのラジカルである一価の基を意味し、式中、Arは芳香族炭素環基であり、Rは、アルキル基である。アラルキルは、多くの場合、アリール基で置換されたアルキルである。
用語「アミノカルボニル」とは、式−(CO)NHRの一価の基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、又はアリールである。
用語「アミノスルホニル」とは、式−SO2NHRの一価の基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、又はアリールである。
用語「カルボキシ」は、式−(CO)OHの一価の基を指し、式中、(CO)は、炭素が酸素に二重結合にて結合していることを意味する。
用語「アルコキシカルボニル」とは、式−(CO)ORの一価の基を指し、式中、(CO)は、炭素が酸素に二重結合にて結合していることを意味し、かつRは、アルキルである。
用語「ホルミル」とは、式−(CO)Hの一価の基を指し、式中、(CO)は、炭素が酸素に二重結合にて結合していることを意味する。
用語「ハロ」とは、ハロゲン基(即ち、−F、−Cl、−Br、又は−I)を意味する。
用語「ハロアルキル」とは、少なくとも1つのハロ基で置換されたアルキルを意味する。
用語「ヒドロキシアルキル」とは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されたアルキルを意味する。
「ヘテロアルキル」は、チオ、オキシ、式−NR−の基(式中、Rが水素又はアルキル、ヘテロアルキル、若しくはアリール)、又は式−SiR−の基(式中、Rがアルキル)で置き換えられた1つ以上の−CH−基を有するアルキルを意味する。ヘテロアルキルは、直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせであってよく、30個以下の炭素原子及び20個以下のヘテロ原子を含むことができる。幾つかの実施形態では、ヘテロアルキルは、25個以下、20個以下、15個以下、又は10個以下の炭素原子を含む。チオアルキル基及びアルコキシ基は、ヘテロアルキル基の部分集合である。その他のヘテロアルキル基は、チオ、オキシ、−NR−、又は−SiR−基の両側に−CH−基を有する。
「ヘテロアリール」とは、環内にS、O、N、又はこれらの組み合わせから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜7員芳香環を有する一価基を指す。そのようなヘテロアリール環は、芳香族、脂肪族、又はその組み合わせである環状構造に5つまで結合若しくは縮合することができる。ヘテロアリール基の例としては、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、カルバゾイル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアジニル、フェナジニル、フェナントリジニル、アクリジニル、及びインダゾリル等が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されたアルキルを意味する。
「シリルエチニル」とは、式−C≡C−Si(R(式中、Rは、独立して、アルキル、アルコキシ、アルケニル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルから選択される)の一価の基を指す。これらの基は、シラニルエチニル基と呼ばれることもある。
用語「チエニル」とは、式−CSの一価の複素環基を指す。
用語「チオアルキル」とは、式−SRの一価の基を指し、式中、Rは、アルキルである。
用語「トリアルキルシリル」とは、式−SiRの一価の基を指し、式中、それぞれのRは、アルキルである。
語句「〜の範囲で」とは、端点、及び端点間の全ての数を含む。例えば、語句「1〜10の範囲で」は、1、10、及び1〜10の全ての数を含む。
第1の態様では、(a)低分子半導体、(b)絶縁ポリマー、及び(c)有機溶媒を含むコーティング組成物が提供される。コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の溶解した低分子半導体及び少なくとも0.1重量%の溶解した絶縁ポリマーを含有する。低分子半導体は、式(I)からなる。
Figure 2011508967
式(I)において、それぞれのRは、独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせである。それぞれの変数nは、独立して、0、1、2、又は3に相当する整数である。式(I)中のそれぞれのRは、独立して、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである。
本発明で使用する場合、式(I)の半導体に関する用語「低分子」とは、半導体がポリマー材料ではないことを意味する。式(I)の低分子半導体は、2個のチオフェン基並びに2個のシリルエチニル基で置換されているアントラセン誘導体である。
低分子半導体の2個のチオフェン基は、それぞれ独立して、非置換であり(即ち、nは、0に相当する)あるいは3個以下のR基により置換されることができる(即ち、nは、1、2、又は3に相当する)。それぞれのR基は、独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせから選択される。R基に関して使用される場合、用語「これらの組み合わせ」とは、1つの好適なR基が別の好適なR基によって置換されていることを意味する。例えば、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、トリアルキルシリル、チエニル、又はアシルは、フルオロなどのハロによって置換可能である。幾つかの実施例では、Rの水素の全部又は一部は、フルオロにより置換されている。
代表的なアルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、直鎖、環状、又はこれらの組み合わせであってよく、通常10個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子、又は4個以下の炭素原子を有する。代表的なアリール基はフェニルであり、代表的なアラルキルは、フェニル基で置換された、10個以下の炭素原子を有するアルキル基である。代表的ヘテロアリール基は多くの場合、1個又は2個のヘテロ原子を含む、5〜6員の飽和又は不飽和複素環を有する。代表的ヘテロアラルキル基は、1個又は2個のヘテロ原子を有する、5又は6員のヘテロアリールで置換されている、10個までの炭素原子を有するアルキルを有する。代表的トリアルキルシリル基のそれぞれのアルキル基は、10個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子、又は4個以下の炭素原子を有する。式−(CO)Rの代表的アシル基は、10個以下の炭素原子を有するアルキル基であるR基又は10個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子、若しくは4個以下の炭素原子を有するヘテロアルキルであるR基を有する。多くの場合、ヘテロアルキル基は、ヘテロ原子としてのオキシ基を有する。
式(I)の低分子半導体の多くの実施形態において、それぞれのチエニル基上には単一のR基がある。即ち、多くの場合、式(I)の化合物は、式(II)、(III)、又は(IV)である。
Figure 2011508967
式(II)、(III)、又は(IV)の幾つかの低分子半導体において、それぞれのR基は、10個以下の炭素原子を有するアルキル、チエニルなどのヘテロアリール、10個以下の炭素原子を有するアシル基、又はホルミル基である。
式(I)の低分子半導体中のそれぞれのシリルエチニル基は、式−C≡C−Si−(Rであり、式中、それぞれのRは、独立して、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである。代表的なアルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、及びヒドロキシアルキル基は、直鎖、分枝鎖、環状、又はこれらの組み合わせであってよく、通常10個以下の炭素原子、8個以下の炭素原子、6個以下の炭素原子、又は4個以下の炭素原子を有する。代表的なアリール基はフェニルであり、代表的なアラルキルは、フェニル基で置換された、10個以下の炭素原子を有するアルキルである。多くの場合、代表的ヘテロアリール基は、1個又は2個のヘテロ原子を含む、5〜6員の不飽和複素環を有する。代表的ヘテロアラルキル基は、1個又は2個のヘテロ原子を有する、5又は6員のヘテロアリールで置換されている、10個までの炭素原子を有するアルキルを有する。
より具体的な実施例において、それぞれのRは、10個以下の、8個以下の、又は6個以下の炭素原子を有するアルキルである。つまり、シリルエチニル基は、トリアルキルシリルエチニル基である。それぞれのアルキル基は、少なくとも1個の炭素原子、少なくとも2個の炭素原子、又は少なくとも3個の炭素原子を有する場合が多い。例えば、式(I)の幾つかのコポリマーでは、シリルエチニル基は、それぞれのRがイソプロピルである、トリイソプロピルシリルエチニルである。
式(I)の低分子半導体は、任意の既知の合成方法によって作製することができる。例えば、反応スキームAに示すようにして半導体を作製することができる。
Figure 2011508967
まず、式H−C≡CH−Si(Rのシリルアセチレン化合物は、ブチルリチウムで処理して、シリルアセチレン化合物のリチウム化させた形のLi−C≡CH−Si(Rを形成することができる。種々のシリルアセチレン化合物が市販されている。例えば、(トリメチルシリル)アセチレン、(トリエチルシリル)アセチレン、(トリイソプロピルシリル)アセチレン、及び(第3ブチルジメチルシリル)アセチレンは、GFS Chemicals(Columbus,OH)から入手可能である。(ジメチルフェニルシリル)アセチレン、(メチルジフェニルシリル)アセチレン、及び(トリフェニルシリル)アセチレンは、Sigma aldrich(Milwaukee,WI)から入手可能である。
次に、シリルアセチレン化合物をリチウム化した形のものは、2,6−ジブロモアントラキノンなどの2,6−ジハロアントラキノンと反応させることができる。次に、得られたジオール中間体を塩化スズなどの還元剤と反応させて、式(V)の2,6−ジハロ−9,10−ビス(シリルエチニル)アントラセンを形成することができる。2,6−ジブロモアントラキノンは、Ito et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,42,1159〜1162(2003)に記載の手順を使用して、Sigma Aldrich(Milwaukee,WI)から入手可能な2,6−ジアミノアントラキノンから調製可能である。更に、それは、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)から再結晶させることができる。
次に、式(V)の2,6−ジハロ−9,10−ビス(シリルエチニル)アントラセンをビス(ピナコラト)ジボロンなどのジオキサボロランと反応させて、テトラメチルジオキサボロランなどのジオキサボロラン基を2個有する、式(VI)の化合物を形成することができる。引き続いて、式(IV)の化合物をハロチオフェン化合物と反応させて、式(VII)の半導体化合物を形成することができる。幾つかのハロチオフェンは、市販されている。例えば、2−ブロモチオフェン、2−ブロモ−5−チオフェンカルボキシアルデヒド、2−ブロモ−5−アセチルチオフェン、2−ブロモ−3−メチルチオフェン、2−ブロモチオフェン−5−スルホンアミド、2−ブロモ−5−チオフェンカルボン酸、2−ブロモ−5−メチルチオフェン、及び5−ブロモ−2,2’−ビチオフェンは、Sigma Aldrich(Milwaukee,WI)から入手可能である。2−ブロモ−3−メトキシチオフェン−4−塩化カルボニル、2−ブロモ−3−メトキシチオフェン−4−カルボン酸、エチル2−(5−ブロモチエン2−イル)グリオキシレート、2−ブロモ−5−フェニルチオフェン、及びN−メチル−(2−ブロモチエン−3−イル)メチルアミン、などの追加の置換2−ブロモチオフェンは、Maybridge Chemical Co.LTD.(Cornwall,UK)から入手可能である。化合物2−ブロモ−5−(イソオキサゾール−3−イル)チオフェンは、ASDI Incoporated(Newark,Delaware)から入手可能であり、化合物5−ブロモチオフェン−3−カルバルデヒドは、UkrOrgSynthesis Ltd.(Kiev,Ukraine)から入手可能である。その他の置換2−ブロモチオフェンは、対応する置換チオフェンのNBS臭素化反応を使用して調製可能である。例えば、Vidal et al.,Chem.Eur.J.,6,1663〜1673(2000)に記載された反応を参照のこと。
通常、式(I)の低分子半導体は、示差走査熱量計を使用して特性を決定する際に、熱的に安定している。多くの場合、分解温度は350℃より高い。式(I)の低分子半導体の溶液は、長期間、通常の周囲条件(例えば、通常の周囲温度及び湿度)下にて、及び典型的な室内照明条件下にて安定している。例えば、周囲条件及び典型的室内照明条件下にて数週間保管後、溶液の色変化は観察されなかった。良好な安定性は、アントラセン構造からもたらされる。多くの場合、アントラセンはペンタセンよりも良好な安定性を示すが、これはそのより短い共役長によるものである。9,10−位で置換されたシリルエチニル基は、これらの分子が一重項酸素又はそれら自身で(二量化反応)ディールスアルダー付加反応を起こすことを防止する。
コーティング組成物は、式(I)の低分子半導体に加えて、絶縁ポリマー及び有機溶媒を含む。有機溶媒に溶解し、低分子半導体に好適な絶縁ポリマーは、コーティング組成物に使用可能である。典型的には、好適な絶縁ポリマーは、ポリマーの主鎖に沿った共役炭素−炭素二重結合を有さない。即ち、絶縁ポリマーは高分子鎖の長さにわたって非導電性である。しかし、絶縁ポリマーは、共役炭素−炭素二重結合を有する領域を有することができる。例えば、絶縁ポリマーは、ペンダント共役芳香族基を有することができる。幾つかの実施形態では、絶縁ポリマーは脂肪族であり、炭素−炭素二重結合はあったとしてもほとんどない。
多くの場合、絶縁ポリマーは非晶質物質である。代表的絶縁ポリマーとしては、ポリスチレン(PS)、ポリ(α−メチルスチレン)(PαMS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(ビニルアセテート)(PVAc)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、シアノエチルプルラン(CYPEL)、ポリ(ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン))(BCB)、などが挙げられるが、これらに限定されない。
絶縁ポリマーは、有機溶媒に溶解することができる任意の好適な分子量を有することができる。絶縁ポリマーの分子量は、コーティング組成物の粘度に影響を与え得る。より高分子量の絶縁ポリマーは、より高粘度のコーティング組成物をもたらす傾向がある。所望の粘度は、少なくともある程度は、コーティング組成物からコーティング層を作製するために使用される方法に依存し得る。例えば、低粘度コーティング組成物は、ナイフコーティング法と比較して、インクジェット法とともに使用することが可能である。
しかし、多くの実施形態において、絶縁ポリマーの分子量は、少なくとも1000g/モル、少なくとも2000g/モル、少なくとも5000g/モル、少なくとも10,000g/モル、少なくとも20,000g/モル、少なくとも500,000g/モル、又は少なくとも100,000g/モルである。多くの場合、分子量は、1,000,000g/モル以下、500,000g/モル以下、200,000g/モル以下、又は100,000g/モル以下である。多くの場合、分子量は1000〜100,000g/モルの範囲内、2000〜500,000g/モルの範囲内、又は2000〜200,000g/モルの範囲内である。
コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の溶解した絶縁ポリマー及び少なくとも0.1重量%の溶解した式(I)の低分子半導体を含有する。この最小溶解度を提供することができる任意の有機溶媒を使用することが可能である。多くの場合、有機溶媒は、選択された特定の絶縁ポリマーを基準にして、かつ式(I)の低分子半導体上に存在するR基及びR基を基準にして選択される。幾つかの用途では、有機溶媒は、相対的に高い沸点及び相対的に低い毒性を有するように選択される。例えば、幾つかの用途についてであって全ての用途についてではないが、80℃より高い、90℃より高い、あるいは100℃より高い沸点を有する有機溶媒を使用するのが望ましい。
第1の好適なタイプの有機溶媒は、1つ以上のアルキル基によって任意的に置換され得る単一の芳香環を有する。即ち、第1の好適なタイプの有機溶媒は、非置換又は少なくとも1つのアルキル基にて置換されているベンゼンであることができる。この第1のタイプの有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、及びn−ヘキシルベンゼンが挙げられるが、これらに限定されない。第2の好適なタイプの有機溶媒は、1つ以上のハロ基で置換されているアルカンである。この第2のタイプの有機溶媒の例としては、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、及びトリクロロエタンが挙げられるが、これらに限定されない。第3の好適なタイプの有機溶媒は、1つ以上のハロ基によって置換されている単一の芳香環を有する。即ち、第3の好適なタイプの有機溶媒は、少なくとも1つのハロ基で置換されたベンゼンであることができる。この第3のタイプの有機溶媒の例としては、クロロベンゼン及びジクロロベンゼンが挙げられるが、これらに限定されない。第4の好適なタイプの有機溶媒は、環式、直鎖、分枝鎖、又はこれらの組み合わせであるケトンである。この第4のタイプの有機溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、2,4−ペンタンジオン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,4−ジメチルシクロペンタノン、及び1,3−シクロヘキサノンが挙げられるが、これらに限定されない。第5の好適なタイプの有機溶媒は、環状エーテルなどのエーテルである。この第5のタイプの有機溶媒の例としては、1,4−ジオキサン及びテトラヒドロフラン(THF)が挙げられるが、これらに限定されない。第6の好適なタイプの有機溶媒は、アミドである。この第6のタイプの有機溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)が挙げられるが、これらに限定されない。第7の好適なタイプの有機溶媒は、少なくとも1つのアルコキシ基によって任意的に置換され得る単一の芳香環を有する。即ち、第7の好適なタイプの有機溶媒は、少なくとも1つのアルコキシ基で置換されているベンゼンであることができる。所望により、ベンゼン環は、ハロ基によって更に置換されることができる。この第7のタイプの有機溶媒の例としては、アニソール、エトキシベンゼン、2−ブロモアニソール、4−ブロモアニソール、2−フルオロアニソールが挙げられるが、これらに限定されない。
コーティング組成物中の低分子半導体の濃度は、多くの場合、コーティング組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.3重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、又は少なくとも2.0重量%である。低分子半導体の濃度は、多くの場合、コーティング組成物の総重量を基準として、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、又は2重量%以下である。多くの実施形態では、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、又は少なくとも99重量%の低分子半導体が、コーティング組成物中に溶解している。これらの実施形態において、コーティング組成物は、溶解かつ分散した又は懸濁させた、式(I)の低分子半導体を含むことができる。幾つかの実施形態では、コーティング組成物中に存在する低分子半導体の全量が、溶解している。即ち、これらの実施形態では、低分子半導体は、コーティング組成物中に完全に溶解されることができる。
コーティング組成物中の絶縁ポリマーの濃度は、多くの場合、コーティング組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%である。下限濃度は、コーティング組成物の使用に依存し得る。インクジェット法を使用して、コーティング組成物を表面に適用する場合、多くの場合、絶縁ポリマーの濃度は、コーティング組成物の総重量を基準として、少なくとも0.5重量%である。濃度が低いと、粘度が不所望に低い場合がある。しかし、ナイフコーティングなどの異なった技術を使用して、コーティング組成物を表面に適用する場合、コーティング組成物の粘度は、より低くできる(即ち、絶縁ポリマーの濃度は、コーティング組成物の総重量を基準として、0.5重量%未満にできる)。
コーティング組成物中の絶縁ポリマーの濃度は、多くの場合、コーティング組成物の総重量を基準として、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、又は3重量%以下である。濃度が高すぎる場合、コーティング組成物の粘度は、多くの用途において受け入れ難いほど高い場合がある。典型的には、上限は、コーティング組成物中での絶縁ポリマーの溶解度によって決定される。通常、絶縁ポリマーは、コーティング組成物中にて、分散し又は懸濁しているというよりもむしろ、溶解又は実質的に溶解している。本発明で使用する場合、用語「実質的に溶解した」とは、絶縁ポリマーが溶解しているが、コーティング組成物中に溶解しない不純物を含有し得ることを意味する。少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%、少なくとも99.8重量%、又は少なくとも99.9重量%の絶縁ポリマーが、コーティング組成物中に溶解している。
コーティング組成物内では、低分子半導体対絶縁ポリマーの任意の比が使用可能である。幾つかの用途では、低分子半導体対絶縁ポリマーの重量比は、1:10〜20:1の範囲内、1:10〜10:1の範囲内、1:8〜8:1の範囲内、1:5〜5:1の範囲内、1:4〜4:1の範囲内、1:3〜3:1の範囲内、又は1:2〜2:1の範囲内である。
コーティング組成物の固形分%は、任意の所望の量であることができるが、典型的には、コーティング組成物の総重量を基準として、0.2〜30重量%の範囲内である。多くの場合、固形分%は、0.5〜20重量%の範囲内で、0.5〜10重量%の範囲内で、0.5〜5重量%の範囲内で、又は1〜5重量%の範囲内である。多くの実施形態では、固形分%は、有機溶媒中での、式(I)の低分子半導体の溶解度によって、加えて絶縁ポリマーの溶解度によって制限される。
多くの場合、コーティング組成物は、半導体層を半導体デバイス内に作製するために使用される。したがって、別の態様では、半導体層を含有する半導体デバイスが提供される。半導体層は、(a)式(I)の低分子半導体及び(b)絶縁ポリマーを含む。
半導体デバイスについては、例えば、S.M.Sze in Physics of Semiconductor Devices,2nd edition,John Wiley and Sons,New York(1981)にて説明されている。これらの半導体デバイスは、整流器、トランジスタ(これには、p−n−p、n−p−n、及び薄膜トランジスタを包含する多数の種類がある)、光導電体、電流制限器、サーミスタ、p−n接合、電界効果ダイオード、ショットキーダイオード等を包含する。半導体デバイスは、回路を形成するために使用できるトランジスタ、トランジスタアレイ、ダイオード、コンデンサ、埋め込みコンデンサ、及び抵抗器のような構成要素を包含できる。半導体機器はまた、電子的機能を実行する多数の回路を含むこともできる。これらのアレイ又は統合回路の例には、インバータ、オシレータ、シフトレジスタ、及び論理回路が挙げられる。これらの半導体デバイス及びアレイの利用分野としては、無線認識デバイス(RFID)、スマートカード、ディスプレイのバックプレーン、センサ、記憶装置等が挙げられる。
幾つかの半導体機器は、図1〜6に図式的に示される、有機薄膜トランジスタである。図1〜6に示される様々な薄膜トランジスタのいずれの任意の層は、材料の多層を含むことができる。更に、いずれの層も単一材料又は複合材料を含むことができる。更に、本明細書で使用するとき、用語「配置された」、「配置する」、「付着された」、「付着する」、及び「隣接した」は、記述された層間での別の層を排除するものではない。本明細書で使用するとき、これらの用語は、第1の層が第2の層付近に配置されることを意味する。多くの場合、第1の層は、第2の層と接触するが、第1の層と第2の層との間に別の層を配置させることが可能である。
有機薄膜トランジスタ100の一実施形態を図1に図式的に示す。有機薄膜トランジスタ(OTFT)100は、ゲート電極14、ゲート電極14上に配置されるゲート誘電体層16、ソース電極22、ドレイン電極24、及びソース電極22及びドレイン電極24の双方に接触している半導体層20を含む。ソース電極22及びドレイン電極24は互いに分離しており(即ち、ソース電極22はドレイン電極24に接触しない)、誘電体層16に隣接して配置される。ソース電極22及びドレイン電極24の双方は、半導体層の一部分がソース電極とドレイン電極との間に配置されるように、半導体層20と接触している。ソース電極とドレイン電極との間に配置される半導体層の一部分は、チャネル21と称される。チャネルは、ゲート誘電体層16に隣接する。幾つかの半導体デバイスは、ゲート誘電体層16と半導体層20との間に任意の表面処理層を有する。
任意の基材が、有機薄膜トランジスタに包含されることができる。例えば、任意の基材12は、OTFT 200について図2に概略的に示されるようにゲート電極14に隣接することができ、又はOTFT 300について、図3に概略的に示されるように半導体層20に隣接することができる。OTFT 300は、基材12と半導体層20との間に任意の表面処置層を含むことができる。
有機薄膜トランジスタの別の実施形態を図4に図式的に示す。この有機薄膜トランジスタ400は、ゲート電極14、ゲート電極14上に配置されるゲート誘電体層16、半導体層20、並びに半導体層20上に配置されるソース電極22及びドレイン電極24を含む。この実施形態において、半導体層20は、ゲート誘電体層16とソース電極22及びドレイン電極24の両方との間にある。ソース電極22及びドレイン電極24は互いから分離している(即ち、ソース電極22は、ドレイン電極24に接触しない)。ソース電極22及びドレイン電極24はいずれも、半導体層の一部がソース電極とドレイン電極との間に位置付けられるように半導体層に接触する。チャネル21は、ソース電極22とドレイン電極24との間に配置される半導体層の一部分である。1つ以上の任意の表面処理層が、半導体デバイスに包含されることができる。例えば、ゲート誘電体層16と半導体層20との間に任意の表面処置層を含むことができる。
任意の基材が、有機薄膜トランジスタに包含されることができる。例えば、任意の基材12は、OTFT 500について図5に概略的に示されるようにゲート電極14に隣接すること又はOTFT 600について図6に概略的に示されるように半導体層20に隣接することができる。OTFT 600は、基材12と半導体層20との間に任意の表面処置層を含むことができる。
図1〜6に示される半導体機器形体の運用において、ドレイン電極24に電圧を印加することができる。しかしながら、少なくとも理想的には、ゲート電極14にも電圧が印加されない限り、電荷(即ち、電流)は、ソース電極22を通過しない。即ち、電圧がゲート電極14に印加されない限り、半導体層20のチャネル21は非導電状態のままである。ゲート電極14への電圧の印加により、チャネル21は、導電性となり、電荷がチャネル21を通ってソース電極22からドレイン電極24に流れる。
基材12はしばしば、製造、試験、及び/又は使用中にOTFTを支持する。任意で、基材は、OTFTに電気的機能を提供することができる。例えば、基材の裏側は、電気接点を提供する。有用な基材材料としては、これらに限定されないが、無機ガラス、セラミック材料、高分子材料、充填高分子材料(例えば、繊維強化高分子材料)、金属、紙、織布又は不織布、コーティングされた又はされていない金属箔、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
ゲート電極14は、導電性材料の1つ以上の層を包含できる。例えば、ゲート電極は、ドープシリコン材、金属、合金、導電性ポリマー、又はこれらの組み合わせを含むことができる。好適な金属及び合金には、アルミニウム、クロム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金、タンタル、チタン、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な導電性ポリマーには、ポリアニリン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)、又はポリピロールが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの有機薄膜トランジスタでは、同一の材料が、ゲート電極機能と基材の支持機能との両方を提供できる。例えば、ドープシリコンは、ゲート電極として及び基材としての両方の役割を果たすことができる。
幾つかの実施形態におけるゲート電極は、導電性のナノ粒子又は導電性のポリマー材などの導電性材料を含む、分散性を有する基材表面のコーティングにより形成される。導電性ナノ粒子としては、これらに限定されないが、ITOナノ粒子、ATOナノ粒子、銀ナノ粒子、金ナノ粒子、又はカーボンナノチューブが挙げられる。
ゲート誘電体層16は、ゲート電極14上に配置される。このゲート誘電体層16は、ゲート電極14をOTFT機器の残部から電気的に絶縁する。ゲート電極に有用な材料としては、例えば、無機誘電体材料、高分子材料、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ゲート誘電体は、好適な誘電体材料の単層又は多層であり得る。単一層又は多層の誘電体のそれぞれの層は、1つ以上の誘電体材料を包含できる。
有機薄膜トランジスタは、ゲート誘電体層16と有機半導体層20の少なくとも一部との間に配置された、又は基材12と有機半導体層20の少なくとも一部との間に配置された、任意の表面処理層を包含できる。幾つかの実施形態では、任意の表面処置層は、ゲート誘電体層と半導体層との間、又は基材と半導体層との間の境界面としての役目を果たす。表面処理層は、米国特許第6,433,359 B1号(Kelly et al.)に記載されているような自己組織化単分子層又は米国特許第6,946,676号(Kelly et al.)、及び同第6,617,609号(Kelly et al.)に記載されているようなポリマー材料であることができる。
ソース電極22及びドレイン電極24は、金属、合金、金属化合物、導電性金属酸化物、導電性セラミック、導電性分散体、並びに例えば、金、銀、ニッケル、クロム、バリウム、白金、パラジウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素酸化スズ(FTO)、アンチモン酸化スズ(ATO)、インジウム酸化亜鉛(IZO)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリアニリン、その他の導電性ポリマー、これらの合金、これらの組み合わせ、及びこれらの多層を含む導電性ポリマーであり得る。当該技術分野において既知であるように、これらの材料幾つかは、n型半導体材料への使用に適しており、その他は、p型半導体材料への使用に適している。
薄膜電極(例えば、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極)は、物理蒸着(例えば、熱蒸着又はスパッタリング)、インクジェット印刷等、などの当該技術分野において既知の任意の手段によって提供することができる。これらの電極のパターニングは、シャドウマスキング、加法フォトリソグラフィ、減法フォトリソグラフィ、印刷、ミクロ接触印刷、及びパターンコーティングなどの既知の方法によって達成することができる。
更に別の態様では、半導体デバイスの製造方法が提供される。方法は、(a)式(I)の低分子半導体及び(b)絶縁ポリマーを含有する半導体層を提供することを含む。任意の好適な方法を使用して半導体層を提供することができるが、多くの場合、この層はコーティング組成物を使用して提供される。コーティング組成物は、上述したものと同一であることができる。
半導体デバイス作製の幾つかの代表的な方法では、方法は、誘電体層又は導電層から選択される第1の層を提供すること、及び第1の層に隣接して半導体層を配置することを伴う。作製又は提供に特別な順番は必要とされないが、多くの場合、誘電体層、導電層、又は基板などの別の層の表面上に半導体層が作製される。導電層は、例えば、ゲート電極などの電極の1つ以上又はソース電極及びドレイン電極の両方を含む層を含むことができる。半導体層を第1の層に隣接させて配置する工程は、(1)式(I)の低分子半導体、絶縁ポリマー、並びに低分子半導体及び絶縁ポリマーの両方の少なくとも一部を溶解する有機溶媒を含むコーティング組成物を調製すること、(2)コーティング組成物を第1の層へ適用して、コーティング層を形成すること、並びに(3)有機溶媒の少なくとも一部をコーティング層から除去すること、を多くの場合、包含する。コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の溶解した低分子半導体及び少なくとも0.1重量%の溶解した絶縁ポリマーを含有する。
半導体デバイスの幾つかの作製方法は、有機薄膜トランジスタの作製方法である。有機薄膜トランジスタの1つの作製方法は、次の順番にて複数層を配置することを伴う:ゲート電極、ゲート誘電体層、互いに分離されているソース電極及びドレイン電極を有する層、並びにソース電極及びドレイン電極の両方と接触している半導体層。半導体層は、絶縁ポリマー及び式(I)の低分子半導体を含む。本方法による代表的有機薄膜トランジスタは、図1〜3にて概略的に示されている。
例えば、図1に図式的に示される有機薄膜トランジスタは、ゲート電極14を提供すること、ゲート誘電体層16をゲート電極14に隣接して配置すること、ソース電極22及びドレイン電極24が互いから分離するようにソース電極22及びドレイン電極24をゲート誘電体層16に隣接して配置すること、並びにソース電極22上、ドレイン電極24上、及びソース電極22とドレイン電極24との間の領域21に配置される半導体層20を形成することにより、作製することができる。半導体層20は、ソース電極22及びドレイン電極24の双方に接触する。ソース電極とドレイン電極との間の領域に配置される半導体層の一部分は、チャネルを画定する。
図2に概略的に示す有機薄膜トランジスタは、基材12を提供すること、ゲート電極14を基材12上に付着すること、ゲート電極14が基材12とゲート誘電体層16との間に位置付けられるように、ゲート誘電体層16をゲート電極14に隣接して付着すること、ソース電極22及びドレイン電極24をこの2つの電極が互いに分離するように、ゲート誘電体層16に隣接して位置付けること、並びに半導体層20をソース電極22、ドレイン電極24に隣接して、ソース電極22とドレイン電極24との間の領域21に形成することにより、作製することができる。半導体層20は、ソース電極22及びドレイン電極24の双方に接触する。ソース電極とドレイン電極との間の領域に配置される半導体層の一部分は、チャネルを画定する。
図3に図式的に示される有機薄膜トランジスタは、基材12を提供すること、基材12に隣接して半導体層20を形成すること、ソース電極22及びドレイン電極24が互いから分離するように基材12の反対側の半導体層20に隣接してソース電極22及びドレイン電極24を配置すること、ソース電極22、ドレイン電極24、及びソース電極22とドレイン電極24との間の半導体層20の一部分に隣接してゲート誘電体層16を配置すること、並びにゲート電極14をゲート誘電体層16に隣接して配置することにより、作製することができる。ソース電極22及びドレイン電極24の双方は、半導体層20に接触する。半導体層の一部は、ソース電極22とドレイン電極24との間に位置付けられる。この半導体層の一部分は、チャネルを画定する。
図4〜6にて概略的に示される有機薄膜トランジスタは、複数層を次の順番にて配置させることを伴う方法によって作製することができる:ゲート電極、ゲート誘電体層、絶縁ポリマー及び式(I)の半導体を含有する半導体層、並びに互いに分離されているソース電極及びドレイン電極を有する層(ここで、半導体層はドレイン電極及びソース電極の両方に接触している)。幾つかの実施形態では、表面処理層をゲート誘電体層と半導体層との間に配置することができる。基材は、ゲート電極又はソース電極及びドレイン電極を含む層に隣接して配置することができる。
例えば、図4に図式的に示される有機薄膜トランジスタは、ゲート電極14を提供する工程、ゲート誘電体層16をゲート電極14に隣接して配置する工程、ゲート誘電体層16に隣接して半導体層20を形成する(即ち、ゲート誘電体層16は、ゲート電極14と半導体層20との間に配置される)工程、及び半導体層20に隣接してソース電極22及びドレイン電極24を配置する工程により、作製することができる。ソース電極22及びドレイン電極24は、互いから分離され、双方の電極は、半導体層20と接触する。半導体層の一部は、ソース電極とドレイン電極との間に配置される。
図5に図式的に示される有機薄膜トランジスタは、基材12を提供すること、ゲート電極14を基材12に隣接して配置すること、ゲート電極14が基材12とゲート誘電体層16との間に配置されるようにゲート誘電体層16をゲート電極14に隣接して配置すること、ゲート誘電体層16に隣接して半導体層20を形成すること、並びにソース電極22及びドレイン電極24を半導体層20に隣接して配置することにより、作製することができる。ソース電極22及びドレイン電極24は、互いから分離され、双方の電極は、半導体層20と接触する。半導体層の一部分20は、ソース電極22とドレイン電極24との間に配置される。
図6に図式的に示される有機薄膜トランジスタは、基材12を提供すること、ソース電極22及びドレイン電極24が互いから分離するように、ソース電極22及びドレイン電極24を基材に隣接して配置すること、ソース電極22及びドレイン電極24と接触する半導体層20を形成すること、ソース電極22及びドレイン電極24の反対側の半導体層に隣接してゲート誘電体層16を配置すること、並びにゲート電極14をゲート誘電体層16に隣接して配置することにより、作製することができる。半導体層の一部分20は、ソース電極22とドレイン電極24との間に配置される。
図1〜6にて概略的に示された任意の有機薄膜トランジスタにおいて、半導体層は、(1)式(I)の低分子半導体、絶縁ポリマー、並びに低分子半導体及び絶縁ポリマーの両方の少なくとも一部を溶解する有機溶媒を含有するコーティング組成物を調製すること、(2)有機薄膜トランジスタの別層へとコーティング組成物を適用すること、並びに(3)有機溶媒の少なくとも一部を除去することにより、形成することができる。コーティング組成物は、コーティング組成物の総重量を基準にして、少なくとも0.1重量%の溶解した低分子半導体及び少なくとも0.1重量%の溶解した絶縁ポリマーを含有する。
全ての試薬は、市販供給元から購入され、特に記載がない限り、更に精製することなく使用した。
2,6−ジアミノアントラキノン、炭酸ナトリウム、塩化スズ(II)、ビス(ピナコラト)ジボロン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、2−ブロモチオフェン、5−ブロモ−2,2’−ビチオフェン、及びN−ブロモスクシンイミド(NBS)は、Sigma Aldrich(Milwaukee,WI)から購入した。更に、NBSは使用前に酢酸から再結晶させた。
アリクワット(ALIQUAT)336(相間移動触媒)、n−ブチルリチウム、ジクロロメタンと[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム錯体、2−ブロモ−3−メチルチオフェン、2−ブロモ−5−メチルチオフェン、2−エチルチオフェン、2−プロピルチオフェン、2−ヘキシルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)は、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)から入手した。
トリイソプロピルシリルアセチレンは、GFS Chemicals(Columbus,OH)から購入した。
n−ブチルベンゼンは、TCI America(Portland,OR)から入手した。
5−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒドは、Maybridge Chemical Company Ltd.)(Cornwall,UK)から入手した。
ヘキサン及びテトラヒドロフラン(THF)をナトリウム上で蒸留した。
2,6−ジブロモアントラキノンは、Ito et al.,Angew Chem.Int.Ed.,42,1159〜1162(2003)に記載されるように、市販されている2,6−ジアミノアントラキノン(Sigma Aldrich)から、調製した。昇華後、ジメチルホルムアミド(DMF)からの再結晶化により、これを更に精製した。
置換2−ブロモチオフェンは、市販のものを入手するか、あるいは対応する置換チオフェンのNBS臭素化反応によって調製されたかのいずれかである。同様な反応については、例えば、Vidal et al.,Chem.Eur.J.,6,1663〜1673(2000)を参照のこと。
全ての生成物及び中間体の分子構造は、H−NMR(400MHz)によって確認した。
前駆体2,6−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセンは、調製実施例1及び2に記載されたように、反応スキーム1に従って合成した。
Figure 2011508967
調製実施例1−2,6−ジブロモ−9,10−ビス[(トリイソプロピルシリル)−エチニル]アントラセンの合成
トリイソプロピルシリルアセチレン(12.32グラム、67.5ミリモル)及び乾燥ヘキサン(140mL)を、乾燥窒素雰囲気生成装置下で、オーブンで乾燥した丸底フラスコ(1L)に添加した。ブチルリチウム(ヘキサン中2.7M、14.5mL、39.2ミリモル)を、乾燥窒素下で、シリンジを通して混合物に液滴添加した。添加後、室温で2時間、混合物を撹拌した。次に、乾燥窒素下にて、この無色溶液を乾燥THF(300mL)中の2,6−ジブロモアントラキノン(5.49グラム、15.0ミリモル)懸濁液へと添加した。溶液は即座に赤色になり、数分で2,6−ジブロモアントラキノン(dibromoanthraquininone)に溶解した。混合物を室温で一晩撹拌すると、溶液は暗赤色になった。脱イオン(DI)水(6.0mL)を添加した際、色は明るい赤色に変わり、白色沈殿物が現れた。次に、塩化スズ(II)(8.088グラム、42.6ミリモル)の塩酸(HCl)(18mL、10重量%)水溶液を添加した。混合物を60℃へと2時間加熱し、次に室温まで冷却した。回転蒸発により、有機溶媒を除去した。脱イオン(DI)水(100mL)を添加し、次に得られた混合物をヘキサンで抽出した(100mLにて3回)。中性になるまで脱イオン水でヘキサン溶液を洗浄した。洗浄したヘキサン溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン)にて精製した。明るい黄色の固体(8.55グラム、収率:82%)を生成物として得た。
調製実施例2−2,6−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,10−ビス[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセンの合成
調製実施例1からの2,6−ジブロモ−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン(5.225グラム、7.5ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボロン(4.763グラム、18.8ミリモル)、酢酸カリウム(2.940グラム、30.0ミリモル)、及びクロロホルム(CHCl)(100mL)を乾燥窒素下にて250mLフラスコへと充填した。KOAcの懸濁した黄色溶液を得た。懸濁液を脱気させて、微量の酸素を除去した。次に、乾燥窒素下にて、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.205グラム)を添加した。溶液はオレンジ色になった。混合物を70℃にて3日間還流させ、次に室温まで冷却した。それを脱イオン水で洗浄し(100mLにて3回)、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた。回転蒸発により、有機溶媒を除去した。固体残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)により精製し、酢酸エチルから再結晶した。生成物としてオレンジ色の針状結晶を得た(3.20グラム、収率55%)。
反応スキーム2に示すように、鈴木カップリング反応を使用して、実施例1〜9の置換アセン−チオフェン誘導体(表1)を合成した。
Figure 2011508967
本反応では、以下の基本手順を使用した。250mLのシュレンクフラスコに、調製実施例2の2,6−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン(2.00ミリモル)、2−ブロモチオフェン(5.00ミリモル)、炭酸ナトリウム(10ミリモル)、アリクワット336(0.09グラム、[CH(CHNCH Cl及び[CH(CHNCH Clの混合物、相間移動触媒として使用する)、蒸留水(25mL)、及びトルエン(100mL)を充填した。混合物をシュレンクラインの下で脱気して、酸素を除去した。その後、窒素流下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.02ミリモル)を添加した。混合物を窒素下90℃にて20時間撹拌した。上方のトルエン溶液を単離させ、脱イオン水で洗浄した(100mLにて3回)。約25mLまで濃縮した後、メタノール(MeOH)(100mL)中でクエンチした。沈殿物を濾過により収集し、ゾーン昇華又はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム又はヘキサン)によって精製した。エチルアセテート又はトルエンからの再結晶により固体を更に精製した。H−NMR(400MHz、CDCl)を使用して、これらの化合物全ての構造を確認した。
溶解度測定
n−ブチルベンゼン中、室温で、低分子半導体の溶解度を測定した。結果は、表1にまとめられている。重量%は、溶液総量を基準にしている。典型的には、クロロホルム、クロロベンゼン、及びジクロロベンゼンなどのハロゲン化溶媒と比較して、n−ブチルベンゼン中の溶解度はより低い。
示差走査熱量計測定
示差走査熱量計(DSC、TA Instruments(New Castle,DE)からのTA Instruments 2920)を使用して、低分子半導体の相転移点及び融点を測定した。実施例1〜8は、30〜350℃まで、毎分10℃の加熱速度で加熱した。これら全ての化合物は、350℃以下の温度にて良好な熱安定性を示した。試験範囲である350℃以下では、分解は観察されなかった。実施例1では176.5℃にて、実施例2では114.3℃にて、液晶相転移が観察された。実施例9では、30〜360℃まで、毎分10℃の加熱速度で加熱した。本実施例では108.4℃にて液晶相転移が観察された。実施例9では、357℃近辺にて分解が開始した。実施例1〜9についての融点が表1にまとめられている。
表1.合成アセン−チオフェン誘導体及びそれらの性質についてのまとめ
Figure 2011508967
Figure 2011508967
実施例1−BT−TIPS−An(2,6−ビス(チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿からの粗生成物(収率:99%)は、減圧下(0.16mPa(1.2×10−6トール))でゾーン昇華によって更に精製した。ソースゾーン温度は、280℃に設定し、ミドルゾーンは240℃に設定した。オレンジ色の生成物をミドルゾーンで収集した。
実施例2−B5MT−TIPS−An(2,6−ビス(5−メチル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿からの赤色/オレンジ色の粗生成物(収率:99%)は、ゾーン昇華により更に精製した。真空は、0.13mPa(1.0×10−6トール)、ソースゾーン温度は、250℃、及びミドルゾーン温度は、200℃であった。生成物としてミドルゾーンの赤色針状結晶を得た。
実施例3−B3MT−TIPS−An(2,6−ビス(3−メチル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿からの粗生成物(収率:99%)は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン)によってを更に精製し、酢酸エチルから再結晶させた。生成物としてオレンジ色結晶を得た。
実施例4−B5ET−TIPS−An(2,6−ビス(5−エチル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した鮮赤色/オレンジ色の粗生成物(収率:約100%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、酢酸エチルから再結晶させた。生成物として赤色結晶を得た。
実施例5−B5PT−TIPS−An(2,6−ビス(5−プロピル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した明るいオレンジ色の固体(収率:98%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、酢酸エチルから再結晶させた。生成物としてオレンジ色結晶を得た。
実施例6−B5HT−TIPS−An(2,6−ビス(5−ヘキシル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した明るいオレンジ色の粗生成物(収率:99%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、酢酸エチルから再結晶させた。生成物としてオレンジ色結晶を得た。
実施例7−B3HT−TIPS−An(2,6−ビス(3−ヘキシル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した明るいオレンジ色の固体(収率:98%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、酢酸エチルから再結晶させた。生成物としてオレンジ色結晶を得た。
実施例8−B5TT−TIPS−An(2,6−ビス(2,2’−ビチオフェン−5−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した鮮赤色固体(収率:92%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、トルエンから再結晶させた。生成物として赤色結晶を得た。
実施例9−B5FT−TIPS−An(2,6−ビス(5−ホルミル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン)の合成
沈殿から収集した明るいオレンジ色の固体(収率:92%)をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって更に精製し、次に、酢酸エチル/クロロホルム(1:1)から再結晶させた。生成物としてオレンジ色の針状物様結晶を得た。
実施例10−2,6−ビス(4−ホルミル−チオフェン−2−イル)−9,10−ビス[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセンの合成
250mLのシュレンクフラスコに、2,6−ビス−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,10−ビス−[(トリイソプロピルシリル)エチニル]アントラセン(2.00ミリモル)、5−ブロモチオフェン−3−カルバルデヒド(UkrOrgSynthesis Ltd.,Kiev,Ukraine)(5.00ミリモル)、炭酸ナトリウム(10ミリモル)、アリクワット336(0.09g、[CH(CHNCH Cl及び[CH(CHNCH Clの混合物、相間移動触媒として使用する)、蒸留水(25mL)、及びトルエン(100mL)を充填する。混合物は、シュレンクラインの下で脱気し、酸素を除去する。その後、窒素流下でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.02ミリモル)を添加する。混合物は、窒素下90℃にて20時間撹拌する。上方のトルエン溶液を単離させ、脱イオン水で洗浄する(100mLにて3回)。約25mLまで濃縮した後、メタノール(MeOH)(100mL)中でクエンチする。沈殿物を濾過により収集し、ゾーン昇華又はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム又はヘキサン)によって精製する。
有機薄膜トランジスタ(OTFT)デバイスの作製及びキャラクタライゼイション
HMDS処理済Siウエハを作製するために以下の基本手順を使用した。高濃度ドープnSiウエハ(Si 100、Silicon Valley Microelectronics Inc.,Santa Clara,CAから入手)をアセトン及びイソプロパノール中にてそれぞれ10分間超音波処理した。次に、ウエハを脱イオン水ですすいだ。窒素流下にて乾燥後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を上部に1000rpmにて30秒間スピンコートした。基板は、使用前に窒素下にて保管した。
以下の基本手順を使用して、OTFTデバイスを使用した。BT−TIPS−An等などの合成低分子半導体及びポリスチレン(PS)(分子量=97400、Sigma Aldrich,Milwaukee,WIから)などの絶縁ポリマーを、室温又は高温(90℃など)にて、n−ブチルベンゼンに溶解させた。次に、溶液をHMDS処理済シリコンウエハ上へナイフコーティングした。風乾後、熱蒸発法を用いて、金ソース/ドレイン電極(厚さ60nm)に、ポリマーシャドーマスクを通してパターン形成した。
Hewlett Packard半導体パラメータ分析機(モデル4145A、Hewlett Packard Corporation,Palo Alto,CAから入手可能)を使用して、ドレイン電圧(Vds)を−40Vに維持する一方、ゲート電圧(V)を+10V〜−40Vまで掃引することにより、薄膜トランジスタを周囲条件下で特性化した。I 1/2−V線への線形フィットは、飽和移動度及び閾電圧(V)の抽出を可能にした。I−Vへの線状適合のトレースは、電流オン/オフ率を算出できるようにした。正孔移動度及びオン/オフ比は、表2にまとめた。
実施例11−BT−TIPS−AnのOTFT
BT−TIPS−An及びポリスチレンをn−ブチルベンゼン中で混合して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、0.4重量%及び2.0重量%にした。組成物を90℃まで加熱して、固体を完全に溶解させた。次に、得られた溶液を、室温にあるHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、0.22cm/Vsであり、オン/オフ比は、2×10であると計算された。
実施例12−B5MT−TIPS−AnのOTFT
B5MT−TIPS−An及びポリスチレンをn−ブチルベンゼン中で混合して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、0.6重量%及び2.0重量%にした。組成物を90℃まで加熱して、固体を完全に溶解させた。次に、得られた溶液は、50℃に保持したHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、0.12cm/Vsであり、オン/オフ比は、1×10であると計算された。
実施例13−B5ET−TIPS−AnのOTFT
B5ET−TIPS−An及びポリスチレンを室温でn−ブチルベンゼンに溶解して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、1.0重量%及び2.5重量%にした。次に、得られた溶液を、室温にてHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、0.003cm/Vsであり、オン/オフ比は、2×10であると計算された。
実施例14−B5PT−TIPS−AnのOTFT
B5PT−TIPS−An及びポリスチレンを室温でn−ブチルベンゼンに溶解して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、2.5重量%及び2.5重量%にした。次に、得られた溶液を、室温にてHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、1.8×10−3cm/Vsであり、オン/オフ比は、1×10であると計算された。
実施例15−B5HT−TIPS−AnのOTFT
B5HT−TIPS−An及びポリスチレンを室温でn−ブチルベンゼンに溶解して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、1.5重量%及び2.5重量%にした。次に、得られた溶液を、室温にてHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、0.013cm/Vsであり、オン/オフ比は、3×10であると計算された。
実施例16−B5TT−TIPS−AnのOTFT
B5TT−TIPS−An及びポリスチレンをn−ブチルベンゼン中で混合して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、0.8重量%及び2.0重量%にした。組成物を90℃まで加熱して、固体を完全に溶解させた。次に、得られた溶液は、50℃に保持したHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。正孔移動度μは、0.07cm/Vsであり、オン/オフ比は、5×10であると計算された。
実施例17−B5FT−TIPS−AnのOTFT
B5FT−TIPS−An及びポリスチレンを90℃でn−ブチルベンゼンに溶解して、それらの重量濃度を組成物の総重量を基準として、それぞれ、0.7重量%及び2.0重量%にした。次に、得られた溶液を、室温にてHMDS処理済み基板上にナイフコーティングした。風乾させた後、0.27mPa(2×10−6トール)の真空下で熱蒸発法を使用して、シャドウマスクを介して金の最上部電極をパターン形成した。デバイスは、窒素下115℃で15分間更にアニールした。正孔移動度μは、0.01cm/Vsであり、オン/オフ比は、1×10であると計算された。
表2.合成アセン−チオフェン誘導体類のOTFT特性
Figure 2011508967
Figure 2011508967

Claims (22)

  1. (a)式(I)の低分子半導体
    Figure 2011508967
    式中、
    それぞれのRは独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせであり、
    それぞれのnは独立して、0、1、2、又は3に相当する整数であり、及び
    それぞれのRは独立して、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである、
    (b)絶縁ポリマー、並びに
    (c)有機溶媒
    ここで、式(I)の低分子半導体及び前記絶縁ポリマーがそれぞれ、コーティング組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%の溶解度を有する、を含むコーティング組成物。
  2. 式(I)の前記低分子半導体が、
    Figure 2011508967
    を含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
  3. それぞれのRが、10個以下の炭素原子を有するアルキルである、請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
  4. それぞれのRが、10個以下の炭素原子を有するアルキルであり、かつそれぞれのRが、10個以下の炭素原子を有するアルキルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  5. それぞれのRが、10個以下の炭素原子を有するホルミル基又はアシルであって、前記アシル基が非置換又はハロにより置換されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  6. 前記絶縁ポリマーが、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルフェノール、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンフルオライド、シアノエチルプルラン、又はポリ(ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン))を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  7. 前記有機溶媒が、(a)非置換又は少なくとも1つのアルキル基で置換されているベンゼン、(b)少なくとも1つのハロ基で置換されているアルカン、(c)少なくとも1つのハロ基で置換されているベンゼン、(d)ケトン、(e)エーテル、(f)アミド、又は(g)少なくとも1つのアルコキシ基で置換されているベンゼンを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
  8. (a)式(I)の低分子半導体
    Figure 2011508967
    式中、
    それぞれのRは独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせであり、
    それぞれのnは独立して、0、1、2、又は3に相当する整数であり、及び
    それぞれのRは独立して、水素、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである、並びに
    (b)絶縁ポリマー、を含む半導体層を含む半導体デバイス。
  9. 前記半導体層に隣接した導電層、誘電体層、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項8に記載の半導体デバイス。
  10. 前記半導体デバイスが、有機薄膜トランジスタを含む、請求項8又は9に記載の半導体デバイス。
  11. 互いに分離されかつ両方が前記半導体層と接触しているソース電極及びドレイン電極を含んでなる電極層を更に含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  12. 前記半導体層の1つの表面に隣接した導電層及び前記半導体層の反対の表面に隣接した誘電体層を更に含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  13. 式(I)の前記低分子半導体が、
    Figure 2011508967
    を含む、請求項8〜12のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  14. 前記絶縁ポリマーが、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルフェノール、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンフルオライド、シアノエチルプルラン、又はポリ(ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン))を含む、請求項8〜13のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  15. (a)式(I)の低分子半導体
    Figure 2011508967
    式中、
    それぞれのRは独立して、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ハロ、ハロアルキル、トリアルキルシリル、チエニル、ホルミル、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノスルホニル、又はこれらの組み合わせであり、
    それぞれのnは独立して、0、1、2、又は3に相当する整数であり、及び
    それぞれのRは独立して、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアラルキル、又はヒドロキシアルキルである、並びに
    (b)絶縁ポリマー、を含む半導体層を提供することを含む、半導体デバイスの製造方法。
  16. 前記半導体層に隣接する第1の層を提供することを更に含み、前記第1の層が導電層又は誘電体層を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記半導体デバイスが、
    ゲート電極、
    ゲート誘電体層、
    前記半導体層、及び
    ソース電極及びドレイン電極を含む電極層であって、ここで、該ソース電極及び該ドレイン電極が互いに分離されており、かつ前記半導体層が該ドレイン電極及び該ソース電極の両方と接触している電極層、
    の順番で配置された多層膜を含む有機薄膜トランジスタを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記半導体デバイスが、
    ゲート電極、
    ゲート誘電体層、
    ソース電極及びドレイン電極を含む電極層であって、ここで、該ソース電極及び該ドレイン電極が互いに分離された電極層、並びに、
    該ソース電極及び該ドレイン電極の両方と接触している前記半導体層、
    の順番で配置された多層膜を含む有機薄膜トランジスタを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 前記絶縁ポリマーが、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニルフェノール、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンフルオライド、シアノエチルプルラン、又はポリ(ジビニルテトラメチルジシロキサン−ビス(ベンゾシクロブテン))を含む、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記半導体層を提供することが、コーティング組成物を前記半導体デバイスの別の層の表面へと適用することを含み、該コーティング組成物が、式(I)の低分子半導体、前記絶縁ポリマー、並びに前記低分子半導体及び前記絶縁ポリマーの両方の少なくとも一部を溶解する有機溶媒を含む、請求項15〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 式(I)の低分子半導体及び前記絶縁ポリマーが、それぞれ、前記コーティング組成物の総重量を基準として、少なくとも0.1重量%の濃度を有する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記コーティング組成物の適用後に、前記有機溶媒の少なくとも一部を除去することを更に含む、請求項20又は21に記載の方法。
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