JP2011252894A - ガスセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質保護層の膜厚の均一化を図り、内部応力の低減により多孔質保護層の亀裂を抑制して耐久性の高い多孔質保護層を有するガスセンサ素子とその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサ素子10のセンサ部とヒータ部との所定の範囲を複数回に渡ってアルミナスラリーに浸漬し、乾燥し、熱処理して表面を覆う多孔質保護層160を形成するに際して、
アルミナスラリーに含まれるアルミナ粒子の平均粒径を22μm±4μmに調整すると共に、アルミナスラリーに含まれる10μm以下の微細粒径粒子の内、10μmの粒子の頻度を1.8%以下とし、10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上、13.0%以下となるように調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車エンジン等の内燃機関から排出される燃焼排気等の被測定ガス中に含まれる特定ガス成分の濃度を測定するガスセンサに用いられるガスセンサ素子とその製造方法に関する。
従来、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼排気流路に、該燃焼排気中に含まれる酸素、窒素酸化物、アンモニア、水素等の特定ガス成分の濃度を検知するガスセンサを配設して、内燃機関の燃焼制御や排ガス浄化装置の制御を行っている。
このようなガスセンサとして、例えば、酸素センサの場合、平板状に形成された酸素イオン伝導性の固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に形成されて被測定ガスに接する測定電極層と、該測定電極層側に形成されて上記被測定ガスを透過する多孔質拡散抵抗層と、上記固体電解質層の他方の表面に形成されて基準ガスに接する基準電極層と、該基準電極層側に形成されて上記基準ガスを導入する基準ガス室を有する基準ガス室形成層と、発熱体を内部に有するヒータ部とを積層して一体として、いわゆる積層型のガスセンサ素子が広く用いられている。
一方、被測定ガスとしての燃焼排気中には、P、Ca、Zn、Si等のオイル含有成分やK、Na、Pb等のガソリン添加成分からなる被毒物質が含まれており、ガスセンサ素子の測定電極層や多孔質拡散層がこれらの被毒物質に汚染されて、ガスセンサの応答性劣化や出力異常等の問題を引き起こす虞がある。
また、燃焼排気中には、水蒸気も含まれており、これが冷間時に凝縮して水滴となりガスセンサ素子に付着する虞もある。
加えて、このようなガスセンサ素子は、固体電解質層を酸素イオンやプロトン等の特定のイオンに対してイオン伝導性を示すべく、内蔵された発熱体によって例えば700℃以上の高温に加熱・活性化された状態で使用されている。
このため、被測定ガス中の水滴が付着(被水)すると、ガスセンサ素子に大きな熱衝撃が加わり、いわゆる被水割れを生じる虞もある。
そこで、ガスセンサ素子の外周面に所定膜厚の多孔質保護層を形成して、該多孔質保護層内に上記被毒物質を捕獲して誤動作を防止したり、水滴を該多孔質保護層内に分散させて熱衝撃を緩和させ素子全体にクラックが発生するのを防止したりすることが広く行われている。
このような多孔質保護層は、例えば所定の粒度分布を有するアルミナ等の耐熱性セラミック粉末を無機バインダ及び分散剤とともに水又は有機溶媒等の分散媒に分散させたスラリー中にガスセンサ素子の被測定流体中に晒される部分を浸漬(ディッピング)して、その外周面に耐熱性セラミック等からなる皮膜を形成し、これを乾燥、焼結等の加熱処理をすることにより形成されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
ところが、従来のディッピングによって多孔質保護層を形成した場合、表面張力等の影響により、ガスセンサ素子の表面の全周に渡って一定の膜厚とすることは極めて困難であり、ガスセンサ素子の横断面に対してガスセンサ素子の角部における膜厚が薄く、平面部の中心部における膜厚が厚くなった略楕円状に形成される(特許文献2図3等参照)。
特に、複数回のディッピングを繰り返すことによって、膜厚を調整したり、異なる粒径や、気孔率を有する保護層を多層に形成したりする場合には、直前に形成された保護層の充填密度によって次に形成される保護層の膜厚が影響される。
例えば、下地となった保護層の気孔率が高い部分は吸水率が高く、速やかにスラリー中の水分が吸水されるため、付着量が増加し、形成される保護層の膜厚が厚くなり、気孔率が低い部分は、相対的に吸水率が低く、付着量が減少し、形成される保護層の膜厚は薄くなる。
さらに、一般的に用いられる水分散系のスラリーは表面張力が高く、ガスセンサ素子の平面の大きさに応じて膜厚バランスが発生する。このため、保護層の一部が膜厚過多となったり、乾燥、焼結時の収縮率の違いによって保護層表面に亀裂が発生したりする虞がある。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、多孔質保護層の膜厚の均一化を図り、内部応力の低減により多孔質保護層の亀裂を抑制して耐久性の高い多孔質保護層を有するガスセンサ素子とその製造方法の提供を目的とする。
第1の発明では、特定のイオン伝導性を有する固体電解質材料を略平板状に形成した固体電解質層と、該固体電解質層の一の表面に形成され基準ガスに接する基準電極と、他の表面に形成され被測定ガスに接する測定電極とを含み、被測定ガス流路に載置され、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ部と、通電により発熱する発熱体を内部に有し、上記センサ部を加熱するヒータ部と、耐熱性セラミック粉末を用いて形成され上記センサ部と上記ヒータ部との表面を覆う多孔質保護層とを具備するガスセンサ素子であって、
上記多孔質保護層を、所定の平均粒径にそろえた比較的大粒径の耐熱性セラミック粉末によって構成するとともに、該耐熱性セラミック粉末に対して、上記大粒径粒子の平均粒径の2分の1以下の粒径を有する微細粒径粒子の耐熱性セラミック粉末を所定の範囲で添加して、上記大粒径の耐熱性セラミック粉末の表面若しくは粒子間に上記微細粒径の耐熱性セラミック粉末を分布せしめる(請求項1)。
第1の発明によれば、上記大粒径粒子の粒子間に上記微細粒径粒子が充填されることにより上記多孔質保護層の強度が高くなり、上記多孔質保護層に被水したときに上記多孔質保護層の剥離や亀裂を生じ難くなり、信頼性の高いガスセンサ素子が実現できる。
具体的には、第2の発明のように、上記多孔質保護層は、平均粒径が22μm±4μmの大粒径粒子と、この大粒径粒子の表面若しくは粒子間に分布する粒径10μm以下の微細粒径粒子とからなり、上記微細粒径粒子の内、粒径10μmの粒子の頻度が1.8%以下で、かつ、粒径10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上13.0%以下である(請求項2)。
第2の発明によれば、上記多孔質保護層の強度が高く、信頼性の高いガスセンサ素子が実現できる。
第3の発明では、上記多孔質保護層の最大膜厚に対する最小膜厚の比が2.5以下である(請求項3)。
第3の発明によれば、上記多孔質保護層の最大膜厚をガスセンサに組み込み可能な範囲に抑制しつつ最小膜厚を最大限厚くできるので上記多孔質保護層の耐久性を向上させることができる。
第4の発明では、上記耐熱性セラミック粉末が、アルミナ、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライトの少なくともいずれか一種を主成分とする金属酸化物である(請求項4)。
第4の発明によれば、耐久性の高い多孔質保護層を備えたガスセンサ素子が実現できる。
第5の発明では、特定のイオン伝導性を有する固体電解質材料を略平板状に形成した固体電解質層と、該固体電解質層の一の表面に形成され基準ガスに接する基準電極と、他の表面に形成され被測定ガスに接する測定電極とを含み、被測定ガス流路に載置され、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ部と、通電により発熱する発熱体を内部に有し、上記センサ部を加熱するヒータ部と、上記センサ部と上記ヒータ部との被測定ガスに晒される部分の表面を覆い被測定ガス中に含まれる水分や被毒成分から上記センサ部と上記ヒータ部とを保護する多孔質保護層を耐熱性セラミック粉末を用いて形成するガスセンサ素子の製造方法であって、
少なくとも、上記耐熱性セラミック粉末を所定の分散媒に分散せしめた多孔質保護層形成用スラリーに、上記センサ部とヒータ部との所定の範囲を複数回に渡って浸漬し、乾燥し、熱処理して多孔質保護層を形成する多孔質保護層形成工程を具備し、
上記スラリーに含まれる上記耐熱性セラミック粉末の平均粒径を22μm±4μmに調整すると共に、上記スラリーに含まれる10μm以下の微細粒径粒子の内、10μmの粒子の頻度を1.8%以下とし、10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上、13.0%以下となるように調整する(請求項5)。
第5の発明によれば、上記センサ部と上記ヒータ部との所定の範囲を上記多孔質保護層形成用スラリーに浸漬し、乾燥したときに上記耐熱性セラミック粉末の粒子間に上記微細粒径粒子が配列され、充填密度が高くなるので、強度の高い多孔質保護層を形成することが容易となる。
加えて、複数回に渡って上記多孔質保護層形成用スラリーへの浸漬と乾燥とを繰り返したときに、先に形成された多孔質保護層の充填密度が高くなり、粒子間に形成される毛管の毛管引力が抑制されるので、次に形成された多孔質保護層が過剰に厚くなる虞がなく、均一な膜厚を形成することが可能となる。
第6の発明では、上記多孔質保護層形成用スラリーの表面張力が45mN/m以下にとなるように、上記多孔質保護層形成用スラリー中に含まれる固形分に対して重量比で0.5wt%以上5.0wt%以下の分散材を添加する(請求項6)。
第6の発明によれば、上記多孔質保護層形成用スラリーの表面張力が低いので、上記センサ部と上記ヒータ部とを上記多孔質保護層形成用スラリーに浸漬したときの接触角が小さく濡れ性が高いので、均一な膜厚の多孔質保護層を形成することができる。
加えて、複数回に渡って上記多孔質保護層形成用スラリーへの浸漬と乾燥とを繰り返したときに、先に形成された多孔質保護層の表面が上記多孔質保護層形成用スラリーに浸漬されたときの接触角が小さくなり、下地となった多孔質保護層を構成する上記耐熱性セラミック粉末の粒子間に形成される毛管の毛管引力が小さくなり、次に形成される多孔質保護層が過剰に厚くなる虞がなく、さらに均一な膜厚を形成することが可能となる。
第7の発明では、上記多孔質保護層形成用スラリーは、上記耐熱性セラミック粉末として、アルミナ、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライトの少なくともいずれか一種を主成分とする金属酸化物を用い、上記分散媒として水を用いる(請求項7)。
第7の発明によれば、簡易な方法により、耐久性の高い多孔質保護層を備えたガスセンサ素子を製造できる。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子の概要を示し、(a)は、全体を示す斜視図、(b)は、本図(a)中A−A平面における横断面図。 本発明のガスセンサ素子を具備するガスセンサの概要を示す縦断面図。 (a)は、多孔質保護層の膜厚の均一化に関連する要因別の寄与率を示すパレート図、(b)及び(c)は、多孔質保護層の均一化に寄与する保護層スラリー中に含まれる耐熱性レラミック粉末の粒度分布についての実施例を比較例と共に示す特性図。 本発明のガスセンサ素子の形成に用いられる多孔質保護層膜厚とスラリー中に含まれる特定粒径の積算量との相関を示し、(a)は、ヒータ側稜面上の膜厚に対する特性図、(b)は、センサ側稜面上の膜厚に対する特性図。 本発明のガスセンサ素子の形成に用いられる多孔質保護層形成用スラリーと分散材添加量との相関を示し、(a)は、表面張力に対する特性図、(b)は、スラリー粘度に対する特性図。 本発明の効果を確認するために行った試験方法の説明図。 (a)は、多孔質保護層膜厚比に対する分散材添加の効果を示す特性図、(b)は、多孔質保護層の均一化に対する本発明の効果を比較例とともに示す特性図。 本発明のガスセンサ素子の横断面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用顕微鏡写真。 比較例として示す従来のガスセンサ素子の横断面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用顕微鏡写真。 本発明のガスセンサ素子の表面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用電子顕微鏡写真(低倍率)。 比較例として示す従来のガスセンサ素子の表面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用電子顕微鏡写真(低倍率)。 本発明のガスセンサ素子の表面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用電子顕微鏡写真(高倍率)。 比較例として示す従来のガスセンサ素子の表面における多孔質保護層の特徴を示す図面代用電子顕微鏡写真(高倍率)。 (a)〜(d)は、多孔質保護層の膜厚に与える多孔質保護層形成用スラリーの表面張力の影響を説明するための模式図。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子10は、自動車エンジン等の内燃機関の燃焼排気流路等の被測定ガス流路に載置され、燃焼排気等の被測定ガス中に含まれる酸素、NO、NH、CH等の特定ガス成分を検出し、内燃機関の燃焼制御や燃焼排気処理制御等に利用するガスセンサ1に用いられるものである。
図1を参照して本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子10の概要について説明する。なお、本実施形態においては、ガスセンサとして一般的に用いられる酸素センサについて本発明を適用した場合を例に説明する。
なお、本図中、D、W、Lの符号はそれぞれ、ガスセンサ素子10の厚み方向D、幅方向W、長手方向Lを示す。
ガスセンサ素子10は、略平板状に形成した固体電解質層100と、固体電解質層100の一方の表面に形成され、基準ガスとして導入される大気に接する基準ガス電極110と、他方の表面に形成され、被測定ガスに接する測定電極120と、基準電極110側に積層され、基準ガスを導入するための基準ガス室130を形成する基準ガス室形成層131と、測定電極120側に積層され、測定電極120の表面に被測定ガスを導入するための所定の拡散抵抗を有する多孔質の拡散抵抗層140と、拡散抵抗層140の表面を覆う遮蔽層150と、によってセンサ部が形成されている。
さらに、略平板状の絶縁層180と、その表面に形成され、通電により発熱する発熱体170と、発熱体170を覆い絶縁性を確保する絶縁層181とによってヒータ部が形成されている。
センサ部とヒータ部とが一体的に積層され、略有底筒状のガスセンサ素子10を構成し、ガスセンサ素子10の被測定ガスに晒される部分を覆うように、本発明の要部であり、被測定ガス中に含まれる水分や被毒成分からセンサ部を保護する多孔質保護層160が形成されている。
なお、ガスセンサ素子10のセンサ側平面SSと側面SDとの交わる角部には、センサ側稜面RSがテーパ状若しくはC面状にトリミングされ、ヒータ側平面SHと側面SDとの交わる角部には、ヒータ側稜面RHがテーパ状若しくはC面状に設けられている。
以下の説明において、センサ側平面SS上に形成された多孔質保護層160の最大膜厚をt、ヒータ側平面SH上に形成された多孔質保護層の最大膜厚をt、側面SD上に形成された多孔質保護層160の最大膜厚をt、センサ側稜面RS上に形成された多孔質保護層160の最大膜厚をt、ヒータ側稜面RH上に形成された多孔質保護層160の最大膜厚をtとする。
なお、本実施形態において、tは、350μm以上450μm以下、tは、400μm以上450μm以下、tは、350μm以上450μm以下、tは、400μm以上500μm以下に形成されており、tは、200μm以上250μm以下に形成されておいる。
センサ側稜面SS上の多孔質保護層160の膜厚tが多孔質保護層160の全周に渡る膜厚の内、最大膜厚となっており、ヒータ側稜面RH上の多孔質保護層160の膜厚tが多孔質保護層160の全周に渡る膜厚の内、最小膜厚となっており、最大膜厚に対する最小膜厚の膜厚比t/tは、2.5以下となっている。
本発明のガスセンサ素子10の製造方法の概要について説明する。
固体電解質層100は、ジルコニア等の酸素イオン伝導性セラミック材料をポリビニルブチラール(PVB)等の結合材、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤、分散剤とともにトルエン、エタノール等の分散媒に分散させたスラリーを配合し、これを用いてドクターブレード法等の公知の方法により所定の板厚で略平板状に形成する。
固体電解質層100の被測定ガス側の表面には、測定電極層110、図略の測定電極リード部を厚膜印刷等の公知の方法により形成し、他方の表面には、基準電極層120、図略の基準電極リード部を同様の方法により形成する。
これらの印刷形成には、白金ペーストと上述の固体電解質層形成用のスラリーとを混合したペースト等を用いる。
例えば、アルミナ等の絶縁性セラミック材料をPVB、DBP、分散剤等とともに分散媒に分散させたアルミナスラリーを用いてドクターブレード法等により略平板状の絶縁性セラミックシートを形成し、金型等を用いて略U字形に打ち抜いて基準ガス室形成層131とし、これを複数枚積層し、さらに、固体電解質層100の基準電極側に貼り合わせることによって、基準ガス室130を形成する。
固体電解質層100の測定電極120の表面を覆うように、上述したアルミナシートよりも粒径の粗いアルミナ等の耐熱性セラミック材料を結合材とともに分散媒に分散させた拡散抵抗層用スラリーを用いてドクターブレード法、厚膜印刷法等の公知の方法により拡散抵抗層140を形成する。
さらに、拡散抵抗層140を覆うように、遮蔽層150を積層する。遮蔽層150は、上述の基準ガス導入層131の形成に用いたアルミナシートと同様のものを用いることができる。
基準電極110と測定電極120とは、適宜スルーホール電極等を設けて、それぞれ、遮蔽層150の外側に設けられる後述の基準電極端子111、測定電極端子121との導通を図る。
以上により、固体電解質層100の一方の表面に基準電極110が設けられ、他方の表面に測定電極120が設けられ、基準電極110側に積層して内部に基準ガス室130を有する基準ガス室形成層131が設けられ、測定電極120側に積層して拡散抵抗層140、遮蔽層150が設けられたセンサ部を形成することができる。
上述の絶縁性セラミックシートを金型等用いて略平板状の絶縁層180とし、この一方の表面に白金ペーストと上述のアルミナスラリーとを混合したペーストを用いて発熱体170と図略の一対の発熱体リード部とを印刷形成し、他方の表面に一対の発熱体端子部171a、171bを印刷形成し、絶縁層180に穿設した一対のスルーホール内に発熱体リード部と発熱体端子部171a、171bとを導通するスルーホール電極を吸引印刷等により形成する。
絶縁層180の発熱体170の印刷された側に積層して絶縁層180と同様の絶縁層181を積層し、発熱体170を内蔵するヒータ部を形成する。
このようにして形成されたセンサ部とヒータ部とを積層し、一体的に焼成することによりガスセンサ素子10が形成される。
さらに、センサ側稜面RS及び、ヒータ側稜面RHは、研削、研磨等の方法によりテーパ状若しくはC面状に形成される。
なお、具体的なセンサ側稜面RS、ヒータ側稜面RHの形成方法として、ガスセンサ素子10の焼成前に稜面を形成する方法と焼成後に稜面を形成する方法のいずれを用いても良い。
焼成前にセンサ側稜面RS、ヒータ側稜面RHを形成する場合には、加工精度が劣る虞もあるが、加工に要する時間は短く、容易である。
一方、焼成後にセンサ側稜面RS、ヒータ側稜面RHを加工する場合には、焼成体の強度が高いので加工に時間を要するが、寸法精度に優れている。
さらに、上述のようにしてできあがったガスセンサ素子10の先端側の被測定ガスに晒される部分には、本発明の要部である多孔質保護層160が形成される。
多孔質保護層160は、被測定ガス中に含まれる水分を拡散させ、P、Ca、Zn、Si等のオイル含有成分やK、Na、Pb等のガソリン添加成分からなる被毒物質を捕集し、被水割れやセンサ部の劣化等を抑制し、ガスセンサ素子10を保護する。
以下、本発明の要部である多孔質保護層160の具体的な多孔質保護層形成工程について説明する。
本発明のガスセンサ素子10に施される多孔質保護層160を構成する耐熱性セラミック粉末として、例えば、アルミナ、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライト等を用いることができる。
本発明では、所定の平均粒径にそろえた比較的大粒径の耐熱性セラミック粉末に対して、大粒径粒子の平均粒径の2分の1以下の粒径を有する微細粒径粒子の耐熱性セラミック粉末を所定の範囲で添加して、大粒径の耐熱性セラミック粉末の表面若しくは粒子間に微細粒径の耐熱性セラミック粉末が分布することにより、充填密度を高くし、多孔質保護層160を形成したときの膜厚の安定化と強度の向上を図っている。
具体的には、例えば、大粒径粒子からなる耐熱性セラミック粉末として、平均粒径22μm±4μmのアルミナ粒子を用い、これに対して、微細粒径粒子からなる耐熱性セラミック粉末として10μm以下のアルミナ粒子を積算量として8.4%以上13.0%以下の範囲で含み、粒径10μmの頻度が1.8%以下となるように粒度調整してある。
さらに、これらの耐熱性セラミック粉末に加え、分散材を所定量の範囲で添加し、所定量の分散媒に分散させ、所定の表面張力の範囲に調整した多孔質保護層形成用スラリーを作成する。
このとき、多孔質保護層形成用スラリー中に含まれるアルミナ粒子は、平均粒径を22μm±4μmに調整すると共に、10μm以下の微細粒径粒子の内、10μmの粒子の頻度を1.8%以下とし、10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上、13.0%以下となるように調整されている。
具体的には、分散媒として水を用いて所定の濃度、例えば、スラリー粘度が500〜1000mPa・sとなるように調整したアルミナスラリーの固形分に対して、非イオン性の分散剤(例えば、ポリオキシアルキレングリコール付加物、等 )をアルミナスラリーの固体分に対して0.5wt%以上5.0wt%以下の範囲で添加し、アルミナスラリーの表面張力が45mN/m以下となるように調整する。
このようにしてできあがった多孔質保護層形成用スラリー(アルミナスラリー)にガスセンサ素子10の先端側の測定電極120等の形成された所定の範囲を浸漬し、所定の速度で引き上げ、これを乾燥して、表面に多孔質保護層160となる被膜を形成する。
複数回(例えば、本実施形態においては、3回)のディッピングと乾燥とを繰り返し、所定の膜厚が得られたら、さらに加熱処理することにより多孔質保護層160をガスセンサ素子10の表面に固着させる。
このとき、上述の範囲で微細粒径の耐熱性セラミック粉末が配合されているので、被膜形成時に充填密度が向上し、被膜の強度が高くなるのに加え、複数回ディッピングされたときに先に形成された下地となる多孔質保護層の充填密度が高いと、次にディッピングされたスラリーの吸水速度が抑制され、過剰膜厚となることなく、膜厚の均一化を図ることができる。
加えて、分散剤の添加により、表面張力を所定の範囲に調整されているためガスセンサ素子10を多孔質保護層形成用スラリーに浸漬したときの接触角が小さくなるため、皮膜が濡れ広がり易くなるのに加え、乾燥された保護層の粒子間に形成される毛管の吸引力が小さくなるため、過剰な皮膜形成が抑制され、さらに膜厚の均一化を図ることができる。
なお、微細粒径の耐熱性セラミック粉末の積算量が所定の範囲となるように、上述の如く一定の粒度分布を持つ大粒径粒子の耐熱性セラミック粉末に、所定量の微細粒径粒子の耐熱性セラミック粉末を添加しても良いし、粒度分布の幅の広い耐熱性セラミック粉末を篩分けによって粒度分布を調整しても良い。
また、以下の実施形態において、耐熱性セラミック粉末としてアルミナを例として説明するが、アルミナ意外にも、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライトの少なくともいずれか一種を主成分とする金属酸化物を用いることができる。
また、5μm以下のアルミナ粒子の積算量を4%以上となるようにアルミナスラリーを調整することにより、さらに、膜厚の安定化、強度向上を図ることができると推察される。
図2を参照して、本発明のガスセンサ素子10を具備するガスセンサ1の概要について説明する。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子10と、絶縁性保持部材20を介してその内側にガスセンサ素子10を保持するハウジング30とガスセンサ素子10の被測定ガス700に晒される部分を覆うカバー体60、61とガスセンサ素子10のヒータ部への給電を行う一対の通電線171a、171b〜174a、174bとガスセンサ素子10からの出力信号を取り出す一対の信号線111〜114、121〜124とを封止部材50を介して保持、固定するケーシング40とによって構成されている。
ハウジング30は、ステンレス等の金属製で、略筒型に形成されており、基端側のボス部32にはケーシング40が嵌着され、先端側の加締め部34には二重筒状のカバー体60、61が固定されている。
ハウジング30の中腹外周部にはネジ部31が形成され、図略の内燃機関の燃焼排気流路70にガスケット等を介して螺結されることにより、ガスセンサ素子10の先端側の多孔質保護層170で覆われた部分が被測定ガス700内に晒され、カバー体60、61で覆われた状態で固定された状態となる。
ハウジング30の基端側外周には、ネジ部31を締め付けるための六角部33が形成されている。
カバー体60、61は、ステンレス等の耐熱性金属製で、略有底円筒状のアウタカバー60とインナカバー61とからなる二重筒構造をしている。
アウタカバー60とインナカバー61とにはそれぞれ被測定ガス700を内部に導入しつつ、ガスセンサ素子10の被水防止を図る導入孔601、602、611、612が形成され、基端側に設けられたフランジ部によってハウジング30の加締め部34に加締め固定されている。
ガスセンサ素子10は、インシュレータ20によってハウジング30との絶縁性を確保しつつハウジング30の内部に封止部材22を介して固定されている。ガスセンサ素子10の被測定ガスに晒される先端部は、本発明の要部である多孔質保護層160で覆われている。
ガスセンサ素子10の基端側には、センサの出力を図る基準電極端子部111と測定電極端子部121と、発熱体170への通電を図るヒータ端子部171a、171bが形成されており、インシュレータ21によって保持された接続金具112、122、172a、172bと弾性的に接続されている。
接続金具112、122、172a、172bは、圧着金具113、123、173a、173bを介して、それぞれ、信号線114、124、通電線174a、174bに接続されている。
一対の信号線114、124と一対の通電線174a、174bとは、封止部材50を介してケーシング40の基端部41に封止固定されている。
基端部41には、基準ガス導入孔42、43が形成され、撥水フィルタ44を介して導入された大気が、ガスセンサ素子10の基準ガス室130内に導入されている。
図略の通電制御装置によって発熱体170に通電され、発熱体170によって、固体電解質層100が活性化されると、拡散抵抗層140を介して測定電極層120に接する被測定ガス700中の酸素濃度と基準電極層110に接する基準ガス室130内に導入された大気中の酸素濃度との差によって両電極間に電位差が生じ、これを測定することによって、被測定ガス700中の酸素濃度を検出できる。
また、上記実施形態においては、酸素センサ、NOxセンサ、空燃比センサ等に用いられるセンサ部を構成する固体電解質体として、酸素イオン伝導性の固体電解質材料を用いた場合について説明したが、本発明はこのような酸素イオンの検出を行うガスセンサに限らず、プロトン伝導性の固体電解質を用いて、アンモニアや炭化水素等の水素成分含有ガスを検出するガスセンサ等任意のガスセンサに適用可能である。
図3を参照して、多孔質保護層160の膜厚の均一化に寄与する要因について説明する。図3(a)に示すように、多孔質保護層160の膜厚の均一化に最も寄与するのは、多孔質保護層160を形成する際に使用するスラリーに含まれる耐熱性セラミック粉末の内、10μm以下の微細粒子の積算量を制御することが最も重要であることが判明した。これは、本図(a)に示した要因について様々な条件で行った本発明者等の鋭意調査の結果である。
本発明者等の過去の試験調査において、多孔質保護層160を形成する耐熱性セラミック粉末として、平均粒径22μm±4μmの比較的大粒径のアルミナを用いることが効果的であることが判明している。
しかし、通常、アルミナ等の耐熱性セラミック粉末には広い粒度分布が存在するため、所望の気孔率、耐久性等の特性を有する多孔質保護層を形成するためには篩分け等により粒径を分級したものを用いるのが一般的である。
ところが、本図(b)、(c)に示すように、例えば、平均粒径22μm±4μmのアルミナ粉末であっても、中心粒径に対して正規分布とはならず、一定粒径以下の微細粒子が存在し、偏りを持った分布となっている。
このような微細粒子の存在によって、得られるスラリーの挙動が大きく影響され、多孔質保護層の膜厚にも影響することが判明した。
そこで、本発明者等は、意図的に微細粒径の粒子の存在量を制御することによってスラリーの挙動を制御し、多孔質保護層の膜厚の均一化、及び、高充填密度化を図ることに着目し、本発明を成したものである。
本図(b)、(c)に実施例として実線で示す本発明の多孔質保護層形成用スラリーは、本図(b)、(c)に比較例として点線で示す従来の多孔質保護層形成用スラリーと平均粒径は、等しいが、粒径10μmの粒子の頻度及び粒径10μm以下の粒子の積算量が特定の範囲となるように調整してある。
本発明者等の鋭意試験により、多孔質保護層160を構成する耐熱性セラミック粉末の平均粒径の2分の1以下となる10μm以下の積算量を制御することによって、ガスセンサ素子10に施す多孔質保護層160の膜厚の均一化と耐久性の向上とを実現できることが判明した。
図4を参照して、本発明者等の鋭意試験調査の結果得られた知見について説明する。
本図(a)は、平均粒径22μm±4μmのアルミナ粉末を用いて作成したスラリー中に存在する粒径10μm以下の積算量とセンサ側稜面RS上に形成される保護層160の膜厚tとの相関について調査した結果であり、本図(b)は、平均粒径22μm±4μmのアルミナ粉末を用いて作成したスラリー中に存在する粒径10μmの頻度とセンサ側稜面RS上に形成される保護層160の膜厚tとの相関について調査した結果である。
なお、本実施形態において、センサ側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚tが、多孔質保護層160の全周に渡る膜厚の内、最も厚い最大膜厚となっている。
本図(a)に示すように、粒径10μm以下の粒子の積算量とセンサ側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚tとの間には、負の相関があり、アルミナスラリー中に含まれる粒径10μm以下の粒子の積算量が増加するとセンサ側稜面上RSに形成される多孔質保護層160の膜厚tは薄くなることが判明した。
被水割れを生じ難くするため、ヒータ側稜面RH上に形成される多孔質保護層160の膜厚tを厚く形成しようとすると、相対的にセンサ側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚tも厚くなる。
そこで、インナカバー61の内周との距離が最も狭い、センサ側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚t4の上限を630μmとした場合、ばらつきを考慮して、95%信頼限界から、粒径10μm以下のアルミナ粒子の積算量を8.4%以上とすることにより、センサ側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚tを630μm以下に形成できることが分かる。
一方、アルミナスラリー中に含まれる10μmの粒径の頻度とセンサ側稜面RS上に形成される保護層160の膜厚tとの間には正の相関があり、アルミナスラリー中に含まれる粒径10μmの粒子の頻度が増加するとセンサ側稜面上RSに形成される多孔質保護層160の膜厚tは厚くなることが判明した。
そこで、粒径10μmの粒子の頻度を1.8%以下とすることによりセンサ側側稜面RS上に形成される多孔質保護層160の膜厚tを630μm以下に形成できることが分かる。
以上により、平均粒径22μm±4μmのアルミナ粉体中に含まれる粒径10μm以下の粒子の積算量について下限と、粒径10μmの粒子の頻度についての上限とを決定した。
次いで、図5を参照して、本発明のガスセンサ素子10の多孔質保護層160を形成するアルミナスラリーの特性と分散剤添加量との関係について、本発明者等が行った試験結果について説明する。
分散剤の添加量についてスラリー中の固形分に対する重量比を変えて表面張力の変化を調査したところ本図(a)に示すように、分散剤を0.5wt%以上添加すると表面張力は45mN/m以下となり、1.0wt%以上で一定となることが判明した。表面張力の低下を図ることにより、ガスセンサ素子10に塗布したときの濡れ広がり性が向上し、多孔質保護層160の膜厚の均一化を図ることができると推察される。
また、分散剤の添加量についてスラリー中の固形分に対する重量比を変えてスラリー粘度の変化を調査したところ、本図(b)に示すように、分散剤を0.5wt%以上添加すると急激に粘度が低下し、5.0wt%以上添加すると分散剤の効果が低下し、アルミナの再凝集が発生して粘度が上昇することが判明した。以上により、分散剤の添加量についての上限、下限を決定した。
表面張力の低下及びスラリー粘度の低下に伴う多孔質保護層160の膜厚均一化の効果については後述する。
次いで、図6を参照して、本発明のガスセンサ素子10の耐久性に関して行った試験について説明する。
本発明のガスセンサ素子10の多孔質保護層160を形成するに際して、多孔質保護層形成用スラリーに含まれる粒径10μm以下の粒子の積算量を0.5%から18.0%まで条件を変化させて製作したガスセンサ素子の試料No.1〜15をそれぞれ複数水準用意し、発熱体170に通電した状態で、図6に示すように、発熱体170との距離が近く、熱衝撃の影響を受け易い、ヒータ側稜面RH上に設けた保護層160に当たるように、滴下装置を用いて、1.0μlずつの水滴を滴下し、500滴の水滴を滴下するごとに多孔質保護層160の状態を観察し、多孔質保護層160に亀裂、剥離等の異常が発生した時点の滴下回数を計測し、評価を行った。表1にその試験結果を示す。
なお、粒径10μm以下の積算量を制御していない従来の多孔質保護層用スラリーを用いた場合を、表1に比較例5として示した。
比較例5の粒径10μm以下の粒子の積算量は8.2%であり、剥離発生に至るまでの滴下回数が5100回であったので、これを基準として、剥離発生に至るまでの滴下回数が5100回を下回る場合を効果なしと判定し、判定結果を×印で示し、剥離発生に至るまでの滴下回数が5100回を上回る場合を効果ありと判定し、判定結果を○印で示し、剥離発生に至るまでの滴下回数が7000回を上回る場合を顕著な効果ありと判定し、判定結果を◎印で示した。
また、表1の備考欄に示すように、効果の認められなかった試料No.1〜5及びNo.12〜15をそれぞれ、比較例1〜5、比較例6〜9とし、効果の確認された試料No.6〜11をそれぞれ、本発明の実施例1〜6とした。
また、滴下試験中に亀裂が発生した場合には、滴下回数にかかわらず効果なしと判定し、判定結果を×印で示した。
なお、表1の膜外観の欄に示した括弧内の数値は、分母が試験水準数を示し、分子が亀裂の発生した水準数を示す。
以上の結果から、多孔質保護層160を形成する耐熱性セラミック粉末として平均粒径22μm±4μmのアルミナを分散したスラリーに含まれる粒径10μm以下の粒子の積算量を8.4%以上、13.0%以下に設定することにより被水時に亀裂、剥離が起こり難く、耐久性の高い多孔質保護層160を形成することができることが判明した。
上述の如く、10μm以下の粒子の積算量が8.4%以下の場合には、センサ側稜面上の膜厚tが630μm以上となることからも多孔質保護層160を形成する耐熱性セラミック粉末として平均粒径22.0μmのアルミナを分散したスラリーに含まれる粒径10μm以下の粒子の積算量を8.4%以上とするのが望ましいことが確認された。また、粒径10μm以下の粒子の積算量が13%を超える場合、耐久性の低下に加え、多孔質保護層160の面粗度も低下し、対被毒性も低下する虞もある。
ガスセンサ素子の多孔質保護層を形成するにあたり、多孔質保護層を構成する特定の平均粒径を有する耐熱性セラミック粉末が、その平均粒径の2分の1以下の特定の範囲の微細な粒径の粒子を所定の範囲で含有することにより、多孔質保護層の充填密度が向上し、被水強度が増すものと推察される。
上述の如く分散剤の添加量を0.5wt%以上5.0wt%以下に設定することにより、表面張力及びスラリーの粘度を低くできることが判明したが、このような条件のスラリーを用いて多孔質保護層を形成したときの膜厚の均一化に対する効果について、図7を参照して説明する。
本図(a)に示すように、分散剤を多孔質保護層形成用スラリーの固形分に対して0.5wt%以上添加したとき、膜厚が最も薄くなるヒータ側稜面RH上の膜厚tに対して、膜厚が最も厚くなるセンサ側稜面RS上の膜厚tの比t/tを2.5以下とすることが可能となり、5.0wt%以上添加すると再び膜厚比t/tが2.5を越え多孔質保護層160の全周に渡る膜厚の差が大きくなることが判明した。
また、本図(b)に比較例として示す従来の多孔質保護層形成用スラリーに分散剤を添加しない場合の各部における膜厚(t〜t)と、実施例として示す分散剤を0.5〜5.0wt%添加した場合の各部の膜厚(t〜t)を示す。なお、測定位置に付した添え字R、Lは、図1(b)に示したセンサ側平面SSを上に向けた断面において、それぞれ右側、左側の位置で計測した結果であることを意味する。
本図(b)に示すように、比較例に対して実施例は、t、t、t(R、L)、t(R、L)は比較例よりも薄くなり、t(R、L)は比較例よりも厚くなり、全体として多孔質保護層160の膜厚の均一化が図られているのが確認された。
また、多孔質保護層160全体の膜厚の均一化のみならず、試料間のバラツキも低減されており、本発明によれば、より一層安定した品質のガスセンサ素子10を形成できると期待できる。
図8、図9を参照して、本発明の効果についてさらに説明する。図8は、本発明のガスセンサ素子10の横断面を観察した顕微鏡写真で、図9は、従来のガスセンサ素子10zの横断面を観察した顕微鏡写真である。
本発明の実施例として、平均粒径が21.4μm、粒径10μm以下の粒子の積算量が13.0%で、分散材添加量が1.0wt%のアルミナスラリーを用いて多孔質保護層160を形成したガスセンサ素子10と、比較例として、平均粒径が22.0μm、粒径10μm以下の粒子の積算量が0.5%で、分散剤無添加のアルミナスラリーを用いて多孔質保護層160zを形成したガスセンサ素子10zについて比較検討した。
なお、実施例と比較例とは、多孔質保護層形成用スラリー以外の条件は同一の条件で形成されている。
図9に比較例として示す従来のガスセンサ素子10zのヒータ側稜面上の多孔質保護層160zの膜厚t5zに比べ、図8に本発明の実施例として示す本発明のガスセンサ素子10のヒータ側稜面上の多孔質保護層160の膜厚tが厚くなっており、明らかに多孔質保護層160の膜厚の均一化が図られていること確認できる。
図10から図13を参照して、本発明のガスセンサ素子10と従来のガスセンサ素子10zとの特徴の違いをさらに説明する。
図10、図11は、それぞれ、本発明のガスセンサ素子10の多孔質保護層160zの表面と従来のガスセンサ素子10zの多孔質保護層160zの表面とを低倍率(×200)で観察した電子顕微鏡写真であり、図12、図13は、それぞれ、高倍率(×2000)で観察した電子顕微鏡写真である。
図10、図11に示すように、開孔の分布状態、表面の粗さ、大粒径の粒子の分布状態については、本発明のガスセンサ素子10と従来のガスセンサ素子10zとで大きな違いはないが、図12、図13に示すように、本発明の実施例と従来の比較例とでは、10μm以下の微細な粒径の粒子の分布に大きな違いが確認できる。
図12に示すように、本発明のガスセンサ素子10の多孔質保護層160では、1μm程度の大きさの一次粒子が集合して10μm以上の大きな二次粒子を形成したものが分散しており、その二次粒子の表面や粒子間に10μm以下の微細な粒径の一次粒子が凝集することなく分散しているのが観察される。
一方、図13に示すように、従来のガスセンサ素子10zの多孔質保護層160zでは、1μm程度の大きさの一次粒子が集合して10μm以上の大きな二次粒子を形成したものが分散しており、本発明のガスセンサ素子10のように、微細な粒径の粒子が凝集することなく二次粒子の表面や粒子間に分散する様子は観察されない。
ここで、本発明のガスセンサ素子10のへの分散材の添加及び、多孔質保護層160を形成する多孔質保護層形成用スラリーに含まれる10μm以下の粒子の積算量と分散剤の添加による表面張力の低下と多孔質保護層160の膜形成との関係について図14を参照して説明する。
本図(a)に示すように、多孔質保護層形成用スラリーの表面張力σが大きいと、多孔質保護層用スラリーをセンサ素子10の表面に塗布したときの接触角θが大きくなる。
一方、本図(b)に示すように、スラリーの表面張力σが小さいと、多孔質保護層用スラリーをセンサ素子10の表面に塗布したときの接触角θは小さくなる。
このため、平面上に多孔質膜を形成したときに、表面張力σの大きなスラリーを用いた場合には、中心部の膜厚がより厚くなる傾向が現れ、表面張力σの小さなスラリーを用いた場合には、濡れ性が向上し全体に広がり易くなるので、膜厚の均一化を図ることができる。
さらに、本図(c)に示すように、表面張力σが大きい場合には、多孔質保護層の粒子間に形成されるキャピラリー(直径2r)の毛管引力PCaが大きくなり、複数回に渡って多孔質保護層を形成したとき、下地となった保護層の吸水速度が速くなり、形成される膜厚も高くなる。
このため、表面張力σの大きな従来のスラリーを用いた場合、センサ側平面SS上の膜厚t及びヒータ側平面SH上の膜厚tの中心付近がさらに厚くなる傾向が生まれ、膜厚過剰となる虞がある。
一方、本図(d)に示すように、表面張力σが低いと、多孔質保護層の粒子間に形成されるキャピラリー(直径2r)の毛管引力PCbが小さくなり、複数回に渡って多孔質保護層を形成したときでも、下地となった保護層の吸水速度が緩慢となり過剰膜厚となるのが抑制される。
さらに、本発明では、上述の範囲で微細粒径の耐熱性セラミック粉末が配合されているので、被膜形成時に充填密度が向上し、被膜の強度が高くなるのに加え、複数回ディッピングされたときに先に形成された下地となる多孔質保護層の充填密度が高いと、粒子間に形成されるキャピラリー内に微細な粒径の粒子が存在し、吸水可能量が減少するため、次にディッピングされたスラリーの吸水速度がさらに抑制され、過剰膜厚となることなく、膜厚の均一化を図ることができるのである。
本発明は上記実施形態に限定するものではなく、ガスセンサ素子の表面を覆う多孔質保護層を形成するに当たり、多孔質保護層を構成する耐熱性セラミック粉末の平均粒径の2分の1以下の微細粒径粒子の積算量を特定すると共に、分散剤を添加することにより、スラリーの表面張力を低下させ、多孔質保護層の充填密度を上げると共に、膜厚を均一化させ、多孔質保護層の強度を向上させる本発明の趣旨に反しない限りにおいて適宜変更可能である。
例えば上記実施形態においては、ガスセンサ素子として、基準電極110と測定電極120と固体電解質層100とによって1つの検出セルを構成した例を示したが、複数の検出セルが形成されたガスセンサ素子にも適宜採用可能である。
10 ガスセンサ素子
100 固体電解質層
110 基準電極
120 測定電極
130 基準ガス室
131 基準ガス室形成層
140 拡散抵抗層
150 遮蔽層
160 多孔質保護層
170 発熱体
180、181 絶縁層
SS センサ側平面
SH ヒータ側平面
SD 側面
RS センサ側稜面
RH ヒータ側稜面
特開2006−343297号公報 特開2006−250537号公報

Claims (6)

  1. 特定のイオン伝導性を有する固体電解質材料を略平板状に形成した固体電解質層と、該固体電解質層の一の表面に形成され基準ガスに接する基準電極と、他の表面に形成され被測定ガスに接する測定電極とを含み、被測定ガス流路に載置され、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ部と、通電により発熱する発熱体を内部に有し、上記センサ部を加熱するヒータ部と、耐熱性セラミック粉末を用いて形成され上記センサ部と上記ヒータ部との表面を覆う多孔質保護層とを具備するガスセンサ素子であって、
    上記多孔質保護層は、平均粒径が22μm±4μmの大粒径粒子と、この大粒径粒子の表面若しくは粒子間に分布する粒径10μm以下の微細粒径粒子とからなり、上記微細粒径粒子の内、粒径10μmの粒子の頻度が1.8%以下で、かつ、粒径10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上13.0%以下であることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 上記多孔質保護層の最大膜厚に対する最小膜厚の比が2.5以下である請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 上記耐熱性セラミック粉末が、アルミナ、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライトの少なくともいずれか一種を主成分とする金属酸化物である請求項1又は2に記載のガスセンサ素子。
  4. 特定のイオン伝導性を有する固体電解質材料を略平板状に形成した固体電解質層と、該固体電解質層の一の表面に形成され基準ガスに接する基準電極と、他の表面に形成され被測定ガスに接する測定電極とを含み、被測定ガス流路に載置され、被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ部と、通電により発熱する発熱体を内部に有し、上記センサ部を加熱するヒータ部と、上記センサ部と上記ヒータ部との被測定ガスに晒される部分の表面を覆い被測定ガス中に含まれる水分や被毒成分から上記センサ部と上記ヒータ部とを保護する多孔質保護層を耐熱性セラミック粉末を用いて形成するガスセンサ素子の製造方法であって、
    少なくとも、上記耐熱性セラミック粉末を所定の分散媒に分散せしめた多孔質保護層形成用スラリーに、上記センサ部とヒータ部との所定の範囲を複数回に渡って浸漬し、乾燥し、熱処理して多孔質保護層を形成する多孔質保護層形成工程を具備し、
    上記スラリーに含まれる上記耐熱性セラミック粉末の平均粒径を22μm±4μmに調整すると共に、上記多孔質保護層形成用スラリーに含まれる10μm以下の微細粒径粒子の内、10μmの粒子の頻度を1.8%以下とし、10μm以下の粒子の積算量が8.4%以上、13.0%以下となるように調整することを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  5. 上記多孔質保護層形成用スラリーの表面張力が45mN/m以下にとなるように、上記多孔質保護層形成用スラリー中に含まれる固形分に対して重量比で0.5wt%以上5.0wt%以下の分散材を添加する請求項4に記載のガスセンサ素子の製造方法。
  6. 上記多孔質保護層形成用スラリーは、上記耐熱性セラミック粉末として、アルミナ、アルミナマグネシアスピネル、チタニア、ムライトの少なくともいずれか一種を主成分とする金属酸化物を用い、上記分散媒として水を用いる請求項4又は5に記載のガスセンサ素子の製造方法。
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