JP5024243B2 - ガス濃度検出素子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この様なガスセンサには、例えば、平板状に形成された酸素イオン導伝性の固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に形成されて被測定ガスに接する測定電極層と、該測定電極層側に形成されて上記被測定ガスを透過する多孔質拡散抵抗層と、上記固体電解質層の他方の表面に形成されて基準ガスに接する基準電極層と、該基準電極層側に形成されて上記基準ガスを導入する基準ガス室を有する基準ガス室形成層と、発熱体を内部に有する絶縁性の基体とを積層してなる積層型ガス濃度検出素子が内蔵されている。
このため、ガス濃度検出素子の多孔質拡散層の外周面に、上記被毒物質を捕獲する多孔質保護層を形成することが知られている(特許文献1参照)。
また、被毒物質を捕獲しつつ、被測定ガスの透過性を確保すべく、多孔質保護層は、スピネルやアルミナ等の耐熱性セラミック材料からなり、比較的粗い粒子を低温で仮焼して形成している。従って、粒子間の結合力は緻密な焼結体に比べ遙かに弱い。このため、多孔質保護層の膜厚を厚くすると積層型ガス濃度検出素子との密着強度はかえって弱くなり、素子表面から剥離する虞があることが判明した。
該ガス濃度検出素子は、上記被測定ガスに晒される上記ガス濃度検出素子の表面を覆う多孔質保護層を具備し、
該多孔質保護層の表面を素子側に向かって窪ませてなり、上記多孔質保護層の表面に開口する凹部を少なくとも1ケ箇所以上設けており、
上記凹部は、該凹部の開口部に外接する最小正方形S Q1 の一辺をa(mm)とし、上記凹部の深さD P をb(mm)としたとき、数式1の関係を満たす範囲で形成されていることを特徴とするガス濃度検出素子にある(請求項1)。
i=(b/0.008+1)、{(1−0.27/a) 2 } i ≦0.0027・・・数式1
又、上記凹部によって、速やかに水滴を捕らえることができるので、上記多孔質保護層全体の体積小さくすることが可能となる。
従って、上記多孔質層全体の熱容量が下がり、センサとしての活性化速度が早くなるので応答性が格段に向上できる。
2回目以降の上記乾燥工程を行うときに、上記セラミックス材料の表面に上記凹部を発生させることを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法にある(請求項17)。
本発明の製造方法においては、上記浸漬工程と乾燥工程とを繰り返す過程において、2回目以降の乾燥工程を行うときに、ガス濃度検出素子の表面に付着したセラミックス材料の表面に上記凹部を発生させることができる。これにより、凹部を形成するために特別な工法を必要とせず、簡単に凹部を形成することができる。
上記多孔質保護層は、セラミックス粒子として、アルミナ、スピネル、チタニア、ジルコニア、ムライトの粒子のうちの1種又は2種以上から構成することができる。
この場合には、上記凹部による被水割れ抑制効果をより顕著に発揮させることができる。
また、同様の観点から、より好ましくは、上記凹部の開口部は、その円相当径が0.1(mm)以上であることがよい(請求項3)。
円相当径が0.1(mm)未満の場合には、上記凹部を形成する意義が低下し、熱容量を十分に低下させることが困難になるおそれがある。
上記円相当径は、上記凹部の上記多孔質保護層表面に開口する部分(開口部)の面積と同一面積を持つ円の直径のことである。
i=(b/0.008+1)、{(1−0.27/a)2}i≦0.0027・・・数式1
尚、水滴の容積が0.01mm3以下であれば、発生する熱衝撃はガス濃度検出素子自体の耐熱強度以下のストレスとなり素子の破壊は起こらず、又、センサの構造上、3(mm3)以上の水滴が被水することはないことが判明している。
C≧25・・・数式2
0.27≦a≦1.8・・・数式3
d≧1.8・・・数式4
この場合には、上記多孔質保護層の表面に広がる上記皺状の溝によってより確実に水滴を捕らえることができるので更に被水割れが起こり難くなる。即ち、この場合には、上記凹部は、上記皺状の溝を形成する方向に直交する断面において、一対の傾斜状の側面を有する溝形状に形成される。そして、多孔質保護層における上記皺状の溝に接触する被測定ガス中の水分を、一対の傾斜状の側面における多孔質保護層に吸収させることができ、より迅速にガス濃度検出素子の面方向に広がらせることができる。そのため、凹部による吸水性を向上させることができる。
この場合には、凹部の大きさ、形状が適切であり、その吸水性をより効果的に向上させることができる。
なお、上記平均幅aは、凹部の形成方向の複数箇所における一対の山頂点同士の間の幅の平均値として決定する。また、上記平均深さは、一対の山頂点のうち低い方の山頂点から底部までの深さであって、凹部の形成方向の複数箇所における深さの平均値として決定する。
また、上記凹部は、上記ガス濃度検出素子の長手方向に投影した投影長さが1(mm)以上であることが好ましい。また、この投影長さは、多孔質保護層の長手方向長さより制限を受け、例えば、15(mm)以下とすることができる。
また、上記凹部は、上記底部から1/3の長さの部分における一対の山部同士の間の平均幅e(mm)が、上記平均幅aよりも小さくなる形状に形成することができる。
即ち、例えば、上記ガス濃度検出素子は、少なくとも平板状に形成された酸素イオン導伝性の固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に形成されて被測定ガスに接する測定電極層と、該測定電極層側に形成されて上記被測定ガスを透過する多孔質拡散抵抗層と、上記固体電解質層の他方の表面に形成されて基準ガスに接する基準電極層と、該基準電極層側に形成されて基準ガスを導入する基準ガス室を有する基準ガス室形成層と、通電により発熱する発熱体を内部に有する絶縁性の基体とを積層してなる積層型のガス濃度検出素子とすることができる(請求項9)。
上記のように、加熱領域を被覆する上記多孔質保護層は、上述の被水割れの問題を起こしやすい。そのため、この場合には、凹部を形成することによる被水割れの防止という本発明の作用効果をより顕著に発揮することができる。
この場合には、被水による熱衝撃を受け易い部位に上記凹部を形成することができ、この凹部により多孔質保護層及びガス濃度検出素子の耐久性をより向上させることができる。
この場合には、凹部の形成が容易であると共に、多孔質保護層の吸水性をより効果的に発揮することができる。
即ち、上記ガス濃度検出素子は、一方が閉塞され、内部に基準ガス室が設けてあるコップ型の酸素イオン導伝性の固体電解質体と、該固体電解質体の外側面に設け、かつ被測定ガスと接触する測定電極と、上記固体電解質体の内側面に設けた基準電極とよりなると共に、上記基準ガス室には、通電により発熱する発熱体を内部に有する絶縁性の基体が挿入配置してあるコップ型のガス濃度検出素子とすることができる(請求項14)。
この場合には、多孔質保護層の表面に、上記凹部をより効果的に形成することができる。
なお、上記セラミックス粒子の平均粒径は、20(μm)以下とすることがより好ましい。また、上記セラミックス粒子の平均粒径の下限値は、凹部を発生させるのに適した粒径として、例えば、10(μm)以上とすることができる。より好ましくは、12(μm)以上、さらに好ましくは、15(μm)以上がよい。
この場合には、上記多孔質保護層の表面に凹部を形成することが容易になる。特に粘度を大きくすると、凹部を形成し易くなり、上述の前駆体等を用いなくとも、上記スラリーに上記ガス濃度検出素子を浸漬し、乾燥し、焼成することにより、簡単に上記凹部を形成することができる。
上記スラリーの粘度が200(mPa・s)未満の場合には、上記多孔質保護層の表面に凹部を形成することが困難になるおそれがある。より好ましくは、400(mPa・s)以上がよい。一方、上記スラリーの粘度が1200(mPa・s)を越える場合には、上記多孔質保護層の密着性が低下し、剥がれ易くなるおそれがある。より好ましくは700(mPa・s)以下がよい。
この場合には、比較的微細なセラミック粒子からなる上記微粒子多孔質層上に比較的粗いセラミック粒子からなる上記多孔質保護層が積層形成された上記ガス濃度検出素子を製造することができる。かかるガス濃度検出素子においては、主として上記多孔質保護層が被水性能の向上効果を担い、上記微粒子多孔質層が被毒物のトラップ効果を担うことができる。上記微粒子多孔質層を形成することにより、上記凹部を通って上記多孔質保護層を通過してしまった被毒物についても、上記微粒子多孔質層により確実にトラップすることができる。
上記多孔質保護層形成用スラリーのセラミック粒子が13μm未満の場合には、凹部を十分に形成させることが困難になるおそれがある。一方、25μmを越える場合には、多孔質保護層同士や多孔質保護層と素子との密着強度が低下し、剥がれが起こり易くなるおそれがある。
上記範囲において、200mPa・s以上の粘度のものを採用すると、上記微粒子多孔質層にも凹部を容易に形成させることができる。
粘度が11mPa・s未満の場合には、浸漬により、上記微粒子多孔質層形成用スラリーをガス濃度検出素子に十分に付着させることが困難になるおそれがある。一方、600mPa・sを越える場合には、上記微粒子多孔質層の被毒効果が低下するおそれがある。また、上記微粒子多孔質層の密着性が低下してしまうおそれがある。より好ましくは、150mPa・s以下がよく、さらに好ましくは100mPa・s以下がよい。
以下、本発明の第1の実施形態におけるガス濃度度検出素子10及びそれを有するガスセンサ1について図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用したガス濃度検出素子10の要部を示す断面模式図である。図2(a)、(b)は、凹部PMACの大きさを定義するための理論説明図、図3(a)、(b)は、本発明の効果を示す特性図、図4は、本発明のガス濃度検出素子10を適用したガスセンサ1の全体構成を示すものである。
更に、本発明の要部である凹部PMACは、その開口部の径、即ち開口径OMACが約0.27mm〜1.8mmで、深さDPは約60μm〜400μmのピンホール状または、連続体となる皺形状に形成され、凹部PMACが形成されている部位の底の多孔質保護層170の膜厚T3は、25μm以上である。
気孔PMICの開口径OMICは、被測定ガスは通過可能であるが、燃焼排気中に含まれる比較的粒径の大きなP、Ca、Zn、Siのオイル含有成分、K、Na、Pb等のガソリン添加物、PM(球状物質)、燃料の不完全燃焼物質等の被毒物質は捕獲する大きさなので、ガス濃度検出素子10の表面に被毒物質が到達することがない。
また、凹部PMACの開口部の径は、円相当径で0.1mm以上となっており、肉眼で十分に視認できる。
図2(a)に示すように、凹部の開口部PMACに外接する仮想外接正方形SQ1を作図し、その一辺をa(mm)とする。次いで、(b)に示すように、半径Rの水分子の球状粒子が仮想外接正方形SQ1内に侵入してきたとき、粒子の中心が2点鎖線で示した一辺がa−2R(mm)の仮想正方形SQ2内に完全に含まれる水分子Wd1と水分子Wd2とは、凹部PMACの内周壁面に触れることなくガス濃度検出素子10の表面に到達する虞がある。
一方、水滴が、深さDPを持った凹部PMACの中を素子の表面に向かって到達するためには、凹部PMACの壁面に接触せずに通過する確率を考慮する必要がある。
中心が仮想正方形SQ2の外側に位置する水滴Wd3は、多孔質保護層の凹部PMACの壁面に接触し、その表面に開口する多孔質内に水滴は拡散するので素子の被水割れを起こさない。
Pi={(1−2R/a)2}i i=(b/0.008+1)
P=(a―2R)2/a2=(1−2R/a)2
今、等しい半径Rの水滴N個がそれぞれ網に接触しないとするとN・P個の水滴がこの網を通過できる。その通過したN・P個の水滴が次の網を通ると(N・P)(N・P)が通過できる。同様にi回目には(N・P)i個の水滴が通過することになる。
即ち、i回目の網を水滴が通過して素子に到達する確率Piは、次式となる。
Pi={(1−2R/a)2}i
変数iは凹部の深さDP方向に対する関数としてその関係を実験より求めた。
実験は多孔質保護層にφ1.5mmのマクロポアをドリルであけ、その多孔質保護層の厚さをマクロポア深さ相当にまで削り試験サンプルとした。
そのマクロポアに水滴を10mm上空から500回滴下し、その底に水滴が到達しているかを電気的に確認した到達率を図3に示す。実験は水滴量を0.01mm3から0.1mm3まで変化させて行った。
図3において点は実験値を示し、曲線は計算値を示す。
以上により、開口部PMACが大きくなればその深さDPを深くすることで、水滴が素子表面に到達する確率Piを低くできることが判明した。
また本実施例においては、最大被水量は、後述するカバー外筒410とカバー内筒400によって0.1mm3以下に抑えられている。
図3に示すように、開口部および水滴の大きさが小さいほど素子への到達率が高くなることが計算と実験により明確になった。
従って、素子は被水カバー400と410により水滴より保護され、素子がこわれはじめる水滴として最小水滴の0.01mm3であるRの値は、0.134mmを採用する。
i=(b/0.008+1)、{(1−0.27/a)2}i≦0.0027・・・数式1
凹部の底部に存在する多孔質は水滴を内部に拡散し、直ちに乾燥され、熱衝撃が小さくなり、被水割れを起こし難くできることが実験により判明した。
凹部の底部における多孔質保護層170の厚さT3がこの範囲より薄い場合、水滴が多孔質に拡散する前に素子の表面に到達してしまい、被水割れを起こす虞がある。
c≧25・・・数式2
0.27≦a≦1.8・・・数式3
皺状の溝は、開口部を有する凹部が連続的に連なったものであり、最小幅aの2倍以上の連続した開口部をもった溝である。
d≧1.8・・・数式4
ガスセンサ1は、積層型のガス濃度検出素子10と、保持部材200を介してその内側にガス濃度検出素子10を保持するハウジング300とガス濃度検出素子10の被測定ガスに晒される部分を覆うカバー体400、410とガス濃度検出素子10の発熱部への給電を行う一対の通電線210、220とガス濃度検出素子10からの出力信号を取り出す一対の信号線230、240を保持するケーシング310とによって構成されている。
ハウジング300は、ステンレス等の金属製で、略筒型に形成されており、基端側のボス部304にはケーシング310が嵌着され、先端側301にはカバー体400、410が固定されている。ハウジング300の中腹外周部にはネジ部302が形成され、図略の排気流路壁500にガスケット340を介して螺結されることにより、ガス濃度検出素子10の先端側が被測定ガス流路内にカバー体400、410で覆われた状態で固定されている。
ハウジング300には、ネジ部302を締め付けるための六角部303が形成されている。
インナカバー400とアウタカバー410とにはそれぞれ被測定ガスをその内部に導入しつつガス濃度検出素子の被水の防止を図る開口401、402、411、412が形成され、基端側に設けられたフランジ部403、413によってハウジング300の加締め部301に加締め固定されている。
また、インシュレータ200とハウジング300との間には、シール部材202が介装され、ガス濃度検出素子10とインシュレータ200とは、ガラス等の封止部材で固定され、被測定ガス側と基準ガス側とが隔絶されている。ガス濃度検出素子10の被測定ガスに晒される部位は本発明の要部である多孔質保護層170で覆われ、多孔質保護層170の先端部180、即ち多孔質保護層170におけるガス濃度検出素子の長手方向の端部180には凹部PMACが形成されている。
アウタカバー410の底部に設けられた開口402からの水滴の侵入によるガス濃度検出素子10の被水が発生しやすいので、凹部PMACを多孔質保護層170の先端部に設けると効果的である。また、凹部MACは、上記先端部以外の多孔質保護層170の表面、例えばガス濃度検出素子の長手方向と直交する方向における多孔質保護層170の表面等にも形成しておくことができる。これにより、アウターカバー410の開口401からの水滴の侵入によるガス濃度検出素子10の被水を効果的に抑制することができる。
図6は、最も基本的なガス濃度検出素子10の構成を示す展開斜視図であり、本発明の適用可能なガス濃度検出素子10の一例として説明する。
固体電解質層100は、ジルコニア等の酸素イオン伝導性セラミック材料をポリビニルブチラール(PVB)等の結合材、ジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤、分散剤とともにトルエン、エタノール等の分散媒に分散させたスラリーを配合し、これを用いてドクターブレード法等により所定の板厚の平板状に形成して得られる。
なお、微粒子スラリー161は、内部欠陥を少なくするため、脱泡、エージング等の処理を施し均質化するのが良い。
本例においては、微粒子スラリーとして、アルミナ粒子の平均粒径4μm、粘度13mPa・sのものを用いた。
平均粒径は、レーザ回折式粒度分布計(マイクロトラック社製の MT3000)により測定した。
また、粘度は、B型回転粘度計(東機産業社製のRB−85L)を用いて測定した。具体的には、測定は、ロータNo.3、速度60rpm、温度25℃という条件で行い、ポットローラ撹拌を70rpmで5時間以上して3分後を粘度とした。
本例においては、粗粒子スラリー172としては、アルミナ粒子の平均粒径20μm、粘度500mPa・sのものを用いた。平均粒径及び粘度は、上述の微粒子スラリーの場合と同様にして測定できる。
粗粒子スラリー172中には気泡または仮焼によって焼失可能な有機物からなる粒状物もしくはエマルジョン等の前駆体PREPが分散させてある。この前駆体PREPは、仮焼によって空隙となり開口部を有する凹部PMACを形成する。なお、本例においては、前駆体PREPを用いてあるが、前駆体を含有していなくても、上述のごとく、比較的粘度の大きなスラリーを用いることにより、凹部を形成することができる。
また、前駆体PREPの粗粒子スラリー172中の分散濃度は、複数の開口部間、開口部が連続的に連なってなる皺状の溝部間、及び開口部と溝部間の距離LPが1.8mm以上となるように調整するのが望ましい。
本発明によれば、酸素イオン導伝性の固体電解質層100と、測定電極層110と、多孔質拡散抵抗層130と、基準電極層120と、基準ガス室140を有する基準ガス室形成層と、発熱体151を内部に有する絶縁性の基体150とを積層してなるガス濃度検出素子10の表面を覆い、多孔質保護層170を具備し、多孔質保護層170の表面を素子側に向かって窪ませた凹部PMACを少なくとも1以上設けたガス濃度検出素子10は、凹部PMACの存在により、被水した時に速やかに水滴が多孔質保護層170内に拡散され、熱衝撃を緩和する。多孔質保護層170の膜厚を薄くし、熱容量を小さくできるので、早期に固体電解質層100の活性化が可能となる。
例えば、上記実施形態においては、測定部が1セルのみで構成される単純な酸素センサに用いられるガス濃度検出素子について説明したが、異なる電極材料を用いて形成された複数のセルを設けた高精度なガス濃度検出素子等にも適用可能である。
また、本発明のガス濃度検出素子を備えたガスセンサを適用し得る内燃機関は、燃焼排気中に水分及び被毒物質を含み、ガス濃度検出素子を保護する必要があるものであれば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の液体燃料機関に限らず、天然ガス等の気体燃料機関等にも適用し得るものである。
次に、ガス濃度検出素子の別実施例につき、図面と共に説明する。
本例のガス濃度検出素子7は、図10に示すごとく、センサ基板8と、ヒータ基板9と、拡散抵抗層83とを積層して焼成してなる。センサ基板8は、酸素イオン導電性を有する固体電解質体81の一方の表面に、被測定ガスに接触する被測定ガス側電極82Aを有し、固体電解質体81の他方の表面に、基準ガスに接触する基準ガス側電極82Bを有している。ヒータ基板9は、電気絶縁性を有するセラミックス体91に通電により発熱する発熱体92を設けてなる。拡散抵抗層83は、被測定ガス側電極82Aに接触させる被測定ガスを透過させる多孔質体からなる。また、拡散抵抗層83は、センサ基板8の被測定ガス側電極82Aを設けた表面に積層してあり、ヒータ基板9は、センサ基板8の基準ガス側電極82Bを設けた表面に積層してある。
図10、図12に示すごとく、多孔質保護層75の表面には、ガス濃度検出素子7の内部に向けて窪む溝によって、肉眼で視認可能な皺状の溝部を構成する凹部Mが形成されている。
図9に示すごとく、本例のガスセンサ6は、車載用の限界電流式のガスセンサであり、被測定ガスとしての排ガス中の酸素濃度を測定するものである。また、本例のガスセンサ6は、図10に示すごとく、固体電解質体81の両表面に設けた一対の電極82A、B間に、限界電流特性を生じる電圧を印加し、一方の電極である被測定ガス側電極82Aに接触する被測定ガスと、他方の電極である基準ガス側電極82Bに接触する基準ガス(大気等)との酸素濃度の差に応じて、一対の電極82A、B間に生じる電流を検出して、エンジンにおける空燃比を求めることができるものである。
また、本例のガス濃度検出素子7のセンサ基板8は、固体電解質体81の両表面に設けた一対の電極82A、Bによって、被測定ガス中の酸素濃度を調整するポンピングセルの機能と、被測定ガス中の酸素濃度を測定するセンシングセルの機能とを併有させた1セル構造を有している。
また、固体電解質体81は、酸素イオン導電性の固体電解質からなるセラミック粉末を溶媒中に分散したスラリーを用いて、平板状に形成してある。一対の電極82A、Bは、固体電解質体81の両表面における互いに対向する位置に、印刷を行って形成してある。セラミックス体91は、絶縁性材料を溶媒中に分散したスラリーを用いて、平板状に形成してある。
また、固体電解質体81における一対の電極82A、Bは、発熱体92による発熱部901(加熱領域)に対向する位置に形成されている。
なお、ガス濃度検出素子2においては、ヒータ基板9における発熱部901とセンサ基板8とが対向する加熱領域と、ヒータ基板9におけるリード部902とセンサ基板8とが対向する通電領域とが形成されている。
ガス濃度検出素子7の後端側部分702には、一対の電極82A、B及び発熱体92のリード部902における一対の導体を、ガスセンサ6の外部と電気接続するための導通金具65及びリード線66が接続されている。
また、ガス濃度検出素子7の横断面形状は、センサ基板8及びヒータ基板9の積層方向Dに薄い略長方形状を有している。
また、多孔質保護層75は、平均粒径が20(μm)程度のアルミナ粒子(セラミックス粒子)からなり、アルミナ粒子による微細な気孔Pは、20(μm)程度の開口径に形成されている。
なお、多孔質保護層75は、複数種類の被毒物のトラップ性能を向上させるために、複数層(本例では2層)にセラミックス粒子を積層し、上層(多孔質保護層)のセラミックス粒子751Bの平均粒径を、下層(微粒子多孔質層)のセラミックス粒子751Aの平均粒径よりも大きくして形成することができる(図16参照)。
図10、図11に示すごとく、本例の凹部Mは、センサ基板8とヒータ基板9とが積層された積層方向Dの表面に形成されている。また、多孔質保護層75における凹部Mは、ガス濃度検出素子7の加熱領域に対向する部位に形成されている。また、凹部Mは、皺状の溝部を形成する方向に直交する断面において、多孔質保護層75の表面側に位置する部分の幅が、多孔質保護層75の内部側に位置する部分の幅よりも大きくなる断面形状に形成されており、一対の傾斜状の側面M1を有する溝形状に形成されている。この傾斜状の側面M1は、必ずしも平坦ではなく、複雑な凹凸を有する部分も存在すると考える。
また、凹部Mは、種々の形に形成される場合があり、図11に示すごとく、1つの溝による皺として形成される場合、図12に示すごとく、溝が複数に分岐した皺として形成される場合等がある。
同図に示すごとく、凹部Mにおいて、溝を形成する方向に直交する断面における一対の山頂点T同士の間の平均幅aは、0.05〜0.8(mm)の範囲内にある。この平均幅aは、凹部Mの形成方向の複数箇所における一対の山頂点T同士の間の幅の平均値として決定する。凹部Mにおいて、溝を形成する方向全体における一対の山頂点T同士の間に位置する底部の平均深さbは、0.05〜1(mm)の範囲内にある。この平均深さbは、一対の山頂点Tのうち低い方の山頂点Tから底部までの深さであって、凹部Mの形成方向の複数箇所における底部の深さの平均値として決定する。また、凹部Mの長手方向Lに投影した投影長さは、1〜15(mm)の範囲内にある。また、凹部Mの底部に対応する部分の多孔質保護層75の平均膜厚(平均厚み)d(mm)は、0.02(mm)以上である。この平均膜厚dは、凹部Mの形成方向の複数箇所に対応する多孔質保護層75の膜厚の平均値として決定する。
すなわち、上記平均幅aは、2個の局部山に挟まれた曲線部分であるモチーフ長さAWi(i=1〜n)の平均値AWによって表すことができ、上記平均深さbは、2個の山頂から谷底までの深さであるモチーフ深さHWi(i=1〜n)の平均値Wで表すことができる。
すなわち、多孔質保護層75に接触する被測定ガス中の水分は、ガス濃度検出素子7の表面に到達する前に、凹部Mの一対の傾斜状の側面M1における多数の微細な気孔Pに吸収され、多孔質保護層75において、ガス濃度検出素子7の面方向に広がることができる。これにより、多孔質保護層75にガス濃度検出素子7の面方向への吸水性を持たせることができ、ガス濃度検出素子7が被水割れを起こし難くすることができると考える。
さらに、多孔質保護層75に凹部Mが形成されていることにより、被水による熱衝撃を受けたときの熱応力の発生を緩和することができ、多孔質保護層75の耐久性も向上させることができる。
本例は、上記実施例2に示したガス濃度検出素子7の表面に多孔質保護層75を効果的に形成することができるガス濃度検出素子7の製造方法を示す例である。
具体的には、本例においては、以下の浸漬工程及び乾燥工程を繰り返し行った後、熱処理工程を行い、ガス濃度検出素子7の表面に多孔質保護層75を形成する。
浸漬工程においては、セラミックス粒子を溶媒としての水に含有させたセラミックス材料中に、ガス濃度検出素子7の長手方向Lの先端側部分701(加熱領域を形成した部分)を浸漬する。そして、スラリー状のセラミックス材料からガス濃度検出素子7を引き上げて、ガス濃度検出素子7の先端側部分701の表面にセラミックス材料を付着させる。なお、ガス濃度検出素子2は、絶縁碍子に装着した状態で、この絶縁碍子よりも突出した先端側部分701をスラリー状のセラミックス材料中に浸漬させる。
また、スラリー状のセラミックス材料におけるセラミックス粒子は、平均粒径が20(μm)であるアルミナ粒子とする。また、スラリー状のセラミック材料としては、粘度500mPa・sのものを採用した。平均粒径及び粘度は、実施例1と同様にして測定した。
こうして、本例においては、1層目のセラミックス粒子751Aによって膜厚が薄い下層の多孔質保護層75を形成し、2層目、3層目のセラミックス粒子751Bによって膜厚が厚い上層の多孔質保護層75を形成する(図16参照)。
なお、上記2層目以降のセラミックス材料の浸漬工程と乾燥工程とは、2〜5回繰り返すことができる。
その後、熱処理工程においては、ほぼ完全に乾燥させたセラミックス材料(セラミックス粒子)を熱処理し、ガス濃度検出素子7の表面に多孔質保護層75を形成する。
なお、浸漬工程を行う前のガス濃度検出素子7の表面には、ガス濃度検出素子7と同時に焼成を行った下地層を設けておくことができる。
すなわち、図15に示すごとく、乾燥度合いが少ない下層のセラミックス材料750Aの上に、上層のセラミックス材料750Bを浸漬(ディッピング)によって付着させるときには、ガス濃度検出素子7の表面におけるセラミックス材料750の長手方向Lの膜厚の分布が大きくなる。また、ガス濃度検出素子2の先端側部分701を、スラリー状のセラミックス材料中に浸漬させたとき、ガス濃度検出素子7の遮蔽層84を積層した表面とヒータ基板9を積層した表面において、横断面における中心付近のセラミックス材料750の膜厚は、他の部分の膜厚に比べて厚くなる。なお、同図において、セラミックス材料中の水分をSで示す。
本例においても、ガス濃度検出素子7の構成は上記実施例1と同様であり、その他、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
本確認試験においては、実施例3と同様にして、ガス濃度検出素子7の表面における多孔質保護層75に凹部Mを形成し、この凹部Mの平均深さbと平均幅aとが変化したときに、どれだけの量の水滴によってガス濃度検出素子7が被水割れを起すかを確認した。
図17は、横軸に凹部Mの平均深さb(mm)をとると共に、縦軸にガス濃度検出素子7が被水割れを起した水滴量(μl)をとり、凹部Mの平均幅a(mm)をパラメータとして変化させたときの関係を示すグラフである。
凹部Mの平均幅aは、0.8mm、0.5mm、0.05mmと変化させた。また、凹部Mが形成されていない場合についても、上記平均深さbと水滴量との関係を測定した。また、多孔質保護層75は、アルミナ粒子の浸漬、乾燥、熱処理を行って形成した。また、凹部Mの長手方向Lへの投影長さcは、1mmとし、測定に用いた凹部Mは、ヒータ面側(センサ基板8に対してヒータ基板9を積層した側)の多孔質保護層75に形成されたものとした。
この結果より、凹部Mの平均深さbは、0.05mm以上とすることが好ましいことがわかった。また、平均深さbの上限値は、熱容量の増大化を抑制するために、1mm以下とすることが好ましいことがわかった。
また、凹部Mの平均幅aは、0.05〜0.8mmの範囲内にすることが好ましいことがわかった。
100 固体電解質層
110 測定電極層
120 基準電極層
130 多孔質拡散抵抗層
140 基準ガス室
141 基準ガス室形成層
150 絶縁性基体
151 発熱体
170 多孔質保護層
PMIC 気孔
PMAC 開口部(凹部)
Claims (21)
- 被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するガス濃度検出素子において、
該ガス濃度検出素子は、上記被測定ガスに晒される上記ガス濃度検出素子の表面を覆う多孔質保護層を具備し、
該多孔質保護層の表面を素子側に向かって窪ませてなり、上記多孔質保護層の表面に開口する凹部を少なくとも1ケ箇所以上設けており、
上記凹部は、該凹部の開口部に外接する最小正方形S Q1 の一辺をa(mm)とし、上記凹部の深さD P をb(mm)としたとき、数式1の関係を満たす範囲で形成されていることを特徴とするガス濃度検出素子。
i=(b/0.008+1)、{(1−0.27/a) 2 } i ≦0.0027・・・数式1 - 請求項1において、上記凹部の開口部は、肉眼で視認可能であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1又は2において、上記凹部の開口部は、その円相当径が0.1mm以上であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記凹部の形成部位における上記多孔質保護層の厚さT3をc(μm)としたとき、数式2の関係を満たすことを特徴とするガス濃度検出素子。
c≧25・・・数式2 - 請求項1〜4のいずれか一項において、上記凹部の開口部に外接する最小正方形SQ1の一辺をa(mm)としたとき、数式3の関係を満たすことを特徴とするガス濃度検出素子。
0.27≦a≦1.8・・・数式3 - 請求項1〜5のいずれか一項において、上記凹部を複数設け、該凹部間の距離Lpをd(mm)としたとき、数式4の関係を満たすことを特徴とするガス濃度検出素子。
d≧1.8・・・数式4 - 請求項1〜6のいずれか一項において、上記多孔質保護層においては、上記凹部が連なって伸びる皺状の溝が形成されていることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項7において、上記皺状の溝を形成する方向に直交する断面における一対の山頂点同士の間の平均幅aが、0.05〜0.8(mm)であり、上記皺状の溝を形成する方向全体における一対の山頂点同士の間に位置する底部の平均深さbが、0.05〜1(mm)であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記ガス濃度検出素子は、少なくとも平板状に形成された酸素イオン導伝性の固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に形成されて被測定ガスに接する測定電極層と、該測定電極層側に形成されて上記被測定ガスを透過する多孔質拡散抵抗層と、上記固体電解質層の他方の表面に形成されて基準ガスに接する基準電極層と、該基準電極層側に形成されて基準ガスを導入する基準ガス室を有する基準ガス室形成層と、通電により発熱する発熱体を内部に有する絶縁性の基体とを積層してなる積層型のガス濃度検出素子であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記ガス濃度検出素子は、酸素イオン導電性を有する固体電解質体の両表面に一対の電極を設けてなるセンサ基板と、電気絶縁性を有するセラミックス体に通電により発熱する発熱体を設けてなるヒータ基板と、上記一対の電極のうちの一方に接触させる被測定ガスを透過させる多孔質体からなる拡散抵抗層とを積層してなると共に、該拡散抵抗層を上記センサ基板の一方側の表面に積層し、上記ヒータ基板を上記センサ基板の他方側の表面に積層してなる積層型のガス濃度検出素子であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項10において、上記発熱体は、導体を蛇行させて形成した発熱部と、該発熱部の両端から引き出した導体によるリード部とを有しており、
上記ガス濃度検出素子は、その長手方向の一方側に、上記発熱部と上記センサ基板とが対向する加熱領域を有しており、該加熱領域の全体を上記多孔質保護層によって被覆してあることを特徴とするガス濃度検出素子。 - 請求項11において、上記凹部は、その少なくとも一部が上記加熱領域に対向する部位に形成されていることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項10〜12のいずれか一項において、上記凹部は、上記センサ基板と上記ヒータ基板とが積層された積層方向の表面の1箇所又は複数箇所に形成されていることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1〜8のいずれか一項において、上記ガス濃度検出素子は、一方が閉塞され、内部に基準ガス室が設けてあるコップ型の酸素イオン導伝性の固体電解質体と、該固体電解質体の外側面に設け、かつ被測定ガスと接触する測定電極と、上記固体電解質体の内側面に設けた基準電極とよりなると共に、上記基準ガス室には、通電により発熱する発熱体を内部に有する絶縁性の基体が挿入配置してあるコップ型のガス濃度検出素子であることを特徴とするガス濃度検出素子。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のガス濃度検出素子を製造する方法において、
該ガス濃度検出素子を、耐熱性のセラミック粒子を分散せしめたスラリーに浸漬し、これを乾燥・仮焼して上記ガス濃度検出素子の表面を覆う多孔質保護層とする多孔質保護層形成工程を具備することを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。 - 請求項15において、上記スラリーに、気泡又は仮焼時に焼失可能な有機物粒子若しくはエマルジョンのいずれかからなる前駆体を分散せしめて上記多孔質保護層表面に上記凹部を形成する形成工程を具備することを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のガス濃度検出素子を製造する方法において、
セラミック粒子を溶媒に含有させてなるスラリー中に上記ガス濃度検出素子を浸漬する浸漬工程と、上記ガス濃度検出素子の表面に付着したセラミックス材料を乾燥させる乾燥工程とを繰り返し行い、その後、乾燥させた上記セラミックス材料を熱処理し上記ガス濃度検出素子の表面に多孔質保護層を形成する熱処理工程を行って、上記多孔質保護層を形成するにあたり、
2回目以降の上記乾燥工程を行うときに、上記セラミックス材料の表面に上記凹部を発生させることを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。 - 請求項15〜17のいずれか一項において、上記セラミック粒子は、平均粒径25(μm)以下であるアルミナ粒子からなることを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。
- 請求項15〜18のいずれか一項において、上記多孔質保護層の形成にあたっては、粘度200〜1200(mPa・s)の上記スラリーを用いて行うことを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。
- 請求項15〜18のいずれか一項において、上記多孔質保護層の形成の前に、平均粒径1〜9(μm)のセラミック粒子を含有する微粒子多孔質層形成用スラリーに上記ガス濃度検出素子を浸漬し、乾燥させた後、上記多孔質保護層形成用の上記スラリーとして、平均粒径13〜25(μm)のセラミック粒子を含有する多孔質保護層形成用スラリーを用いて上記多孔質保護層を形成することにより、微粒子多孔質保護層上に上記多孔質保護層を積層形成することを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。
- 請求項20において、上記微粒子多孔質層形成用スラリーとしては、粘度11〜600(mPa・s)のものを採用することを特徴とするガス濃度検出素子の製造方法。
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