JP5287795B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに関する。
例えば、自動車エンジン等の車両用内燃機関の排気系にA/Fセンサ等のガスセンサを設け、排気ガス中の酸素濃度から空燃比を検出し、これを利用してエンジンの燃焼制御等を行うことがある(排気ガスフィードバックシステム)。
かかる排気ガスフィードバックシステム等に用いられるガスセンサは、排気ガス等の被測定ガスに曝され、被測定ガス中の特定ガス濃度(酸素濃度)を検出するガスセンサ素子を備えている。
そして、ガスセンサ素子として、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極が配置される空間である被測定ガス室と、該被測定ガス室を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層と、該多孔質拡散抵抗層を覆う緻密な遮蔽層とを有するものがある(特許文献1、2)。
特開2007−86051号公報 特許第4157290号公報
しかしながら、上記ガスセンサにおいては、以下の問題がある。
すなわち、内燃機関の低温始動時等において、排気ガスが水分と共にガスセンサ素子に導入されることがある。ガスセンサ素子の先端部付近は、高温となるため水分が留まることはないが、絶縁碍子に保持される部分等、ガスセンサ素子の先端部よりも基端側の部分は充分に高温とならないために、排気ガスと共に導入された水分が結露することがある。特に、ディーゼルエンジン等、排気ガス温度の低い内燃機関において、このような現象が生じうる。
そして、凝縮水(結露水)が、多孔質拡散抵抗層を通り、被測定ガス室にまで浸入することがある。このとき、ガスセンサ素子を加熱するためのヒータによって、被測定ガス室内の凝縮水が沸騰し、被測定ガス室の内部圧力が急激に上昇し、固体電解質体に割れが生じるおそれがある(図6、図7参照)。
この問題に対応するために、多孔質拡散抵抗層から水分を放出するための水抜き孔を、遮蔽層に設けることも考えられるが、その位置が被測定ガス室に近いと、上記水抜き孔からも被測定ガスが被測定ガス室に導入され、ガスセンサのセンサ出力特性が変化してしまう。それゆえ、特に上記のような排気ガスフィードバックシステムにおいて、水抜き孔を持たないガスセンサに代えて、水抜き孔を設けたガスセンサを採用する際、センサ出力特性の変化に応じて、システムの変更を余儀なくされるという問題が生じる。
特許文献1、2には、遮蔽層に孔を設けた構成が開示されているが、これらは被測定ガスを被測定ガス室に取り込むための孔であり、被測定ガス室の近傍に形成されている。それゆえ、仮にこの孔を通じて水分を放出させることができても、上記のように、センサ出力特性の変化という問題が生じることとなる。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、センサ出力特性に影響を与えることなく、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れを防ぐことができるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明は、筒型のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒型の絶縁碍子と、該絶縁碍子に挿通固定された積層型のガスセンサ素子とを有するガスセンサであって、
上記ガスセンサ素子は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極が配置される空間である被測定ガス室と、該被測定ガス室を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層と、該多孔質拡散抵抗層を覆う緻密な遮蔽層とを有し、
該遮蔽層には、上記絶縁碍子の先端と上記被測定ガス室の基端との間の軸方向位置において、上記多孔質拡散抵抗層から水分を放出するための水抜き孔が形成されており、
該水抜き孔の開口面積は、直径1mm以上の円の面積に相当し、
上記被測定ガス室の軸方向長さをL0、該被測定ガス室と上記水抜き孔との間の軸方向距離をL1としたとき、L1/L0≧0.4を満たすことを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
上記ガスセンサは、上記ガスセンサ素子の上記遮蔽層に、上記水抜き孔を設けてなる。これにより、ガスセンサ素子における上記絶縁碍子に保持された部分辺りに発生した凝縮水が、上記多孔質拡散抵抗層を通じて先端側へ染み込んできても、上記水抜き孔から凝縮水を放出することができる。
それゆえ、凝縮水が上記被測定ガス室に浸入することを防ぐことができ、被測定ガス室内における凝縮水の沸騰を防ぐことができる。その結果、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れを防ぐことができる。
また、上記水抜き孔の位置は、上記軸方向長さL0と上記軸方向距離L1とがL1/L0≧0.4を満たす位置である。そのため、上記水抜き孔が、上記ガスセンサのセンサ出力特性に影響を与えることを防ぐことができる。すなわち、上記の条件を満たすよう、水抜き孔が被測定ガス室から充分に離れた位置に形成されていることにより、水抜き孔から被測定ガス室に導入される被測定ガスの量を充分に少なくすることができる。その結果、水抜き孔を設けたことによるセンサ出力特性の変化を防ぐことができる。
以上のごとく、本発明によれば、センサ出力特性に影響を与えることなく、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れを防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
実施例1における、ガスセンサ素子の断面図。 実施例1における、ガスセンサ素子の平面図。 図1のA−A線矢視断面図。 実施例1における、ガスセンサの断面図。 実施例1における、作用効果を説明する断面説明図。 水抜き孔を設けない場合の凝縮水の移動を説明する断面説明図。 水抜き孔を設けない場合の凝縮水の沸騰を説明する断面説明図。 実施例2における、水抜き孔の形成位置とセンサ出力特性との関係を示す線図。 実施例3における、水抜き孔の直径と被測定ガス室へ到達する水分の量との関係を示す線図。 実施例4における、水抜き孔の直径とガスセンサ素子の折れ強度との関係を示す線図。 実施例5における、水抜き孔の形状等を種々変更したバリエーションのガスセンサ素子の平面図。
本発明において、上記ガスセンサとしては、例えば、被測定ガス中の酸素濃度に応じた限界電流値によって空燃比を測定するA/Fセンサ、被測定ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ、また排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx等の大気汚染物質濃度を調べるNOxセンサ等がある。
また、本願において、上記ガスセンサを内燃機関の排気系等に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、仮に軸方向長さL0と軸方向距離L1とがL1/L0<0.4の関係を有する場合には、水抜き孔が被測定ガス室に近すぎて、水抜き孔がセンサ出力特性に影響を与えるおそれがある。
また、上記水抜き孔の開口面積は、直径1mm以上の円の面積に相当する。
これにより、上記水抜き孔から凝縮水を充分に放出することができ、ガスセンサ素子の割れを充分に防ぐことができる。
また、上記水抜き孔は、上記遮蔽層における幅方向の一部に形成されていることが好ましい。
この場合には、上記ガスセンサ素子の強度を確保しつつ、凝縮水の放出を行うことができる。すなわち、上記遮蔽層の幅方向の全体にわたって上記水抜き孔を大きく形成すると、ガスセンサ素子の折れ強度が低下するおそれがあるが、上記のごとく、上記水抜き孔を上記遮蔽層における幅方向の一部に形成し、幅方向の全域に形成しなければ、充分な折れ強度を確保することができる。
また、上記水抜き孔の開口面積は、直径1.8〜2.0mmの円の面積に相当することが好ましい(請求項)。
この場合には、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れをより確実に防ぐとともに、ガスセンサ素子の折れ強度を充分に確保することができる。
また、上記ガスセンサは、600℃以下の被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するものであることが好ましい。
この場合には、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れの防止という本発明の効果を、より発揮することができる。すなわち、例えばディーゼルエンジンの排気ガス等、被測定ガスの温度が600℃以下と低い場合には、ガスセンサ素子に凝縮水が発生しやすい。それゆえ、かかるガスセンサに本発明を適用することで、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れを効果的に防ぐことができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるガスセンサにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図4に示すごとく、筒型のハウジング10と、該ハウジング10の内側に保持された筒型の絶縁碍子11と、該絶縁碍子11に挿通固定された積層型のガスセンサ素子2とを有する。
ガスセンサ素子2は、図1、図3に示すごとく、酸素イオン伝導性の固体電解質体21と、該固体電解質体21の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極22及び基準ガス側電極23と、被測定ガス側電極22が配置される空間である被測定ガス室24と、該被測定ガス室24を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層25と、該多孔質拡散抵抗層25を覆う緻密な遮蔽層26とを有する。
遮蔽層26には、絶縁碍子11の先端と被測定ガス室24の基端との間の軸方向位置において、多孔質拡散抵抗層25から水分を放出するための水抜き孔261が形成されている。
図2に示すごとく、被測定ガス室24の軸方向長さをL0、被測定ガス室24と水抜き孔261との間の軸方向距離をL1としたとき、L1/L0≧0.4を満たす。
また、水抜き孔261の開口面積は、直径1mm以上の円の面積に相当する。また、図2に示すごとく、水抜き孔261は、遮蔽層26における幅方向の一部に形成されている。つまり、水抜き孔261は遮蔽層26の幅方向全体にわたって形成されるのではなく、水抜き孔261が遮蔽層26を軸方向に分断しないような状態で形成されている。
そして、より好ましくは、水抜き孔261の開口面積は、直径1.8〜2.0mmの円の面積に相当する。本例においては、水抜き孔261は円形である。それゆえ、水抜き孔261の直径が、1.8〜2.0mmである。
本例のガスセンサ1におけるガスセンサ素子2は、上述した、固体電解質体21、被測定ガス側電極22、基準ガス側電極23、被測定ガス室24、多孔質拡散抵抗層25、遮蔽層26の他に、図1、図3に示すごとく、以下の構成要素を備える。
すなわち、固体電解質体21における基準ガス側電極23を形成した側の面には、基準ガス側電極23が配置される空間である基準ガス室27を形成するための基準ガス室形成層28が積層されている。そして、基準ガス室形成層28内に、ガスセンサ素子2を加熱するためのヒータ29が埋設されている。
また、固体電解質体21と多孔質拡散抵抗層25との間には、被測定ガス室24を形成するためのスペーサ層241が介在している。
また、多孔質拡散抵抗層25及び遮蔽層26は、ガスセンサ素子2の先端から、絶縁碍子11に保持される部分にまで形成されている。したがって、絶縁碍子11よりも先端側の部分、すなわちガスセンサ素子2における被測定ガスに曝される部分については、固体電解質体21における被測定ガス側電極22を配置した側の面の全面に、多孔質拡散抵抗層25及び遮蔽層26が形成されている。ただし、水抜き孔261の部分については、当然、多孔質拡散抵抗層25が露出することとなる。
ガスセンサ2を構成するセラミック層のうち、固体電解質体21はジルコニアを主成分とし、その他のセラミック層はアルミナを主成分とする。また、多孔質拡散抵抗層25の気孔率は10〜20%である。また、被測定ガス側電極22及び基準ガス側電極23は白金からなる。
また、被測定ガス室24は、図2に示すごとく、軸方向に長い形状を有していると共に、その両端部は半円形となっている。
ガスセンサ素子2のうち、絶縁碍子11よりも先端の部分についての具体的寸法の一例を、以下に示す。
まず、ガスセンサ素子2の絶縁碍子11からの突出長さL4は15mmである。また、ガスセンサ素子2の幅Wは4.5mmであり、厚みTは2.0mm(図1参照)である。
また、被測定ガス室24の軸方向長さL0は、7.8mmm、被測定ガス室24と水抜き孔261との間の軸方向距離L1は3.35mmである。また、ガスセンサ素子2の先端から被測定ガス室24までの軸方向距離L2は1.45mmである。そして、ガスセンサ2の先端から水抜き孔261までの軸方向距離L3(=L2+L0+L1)は、12.6mmである。また、水抜き孔261の直径は1.8mmである。
また、被測定ガス室24及び水抜き孔261は、ガスセンサ素子2の幅方向の中央に配置されている。
ガスセンサ1は、図4に示すごとく、ガスセンサ素子2を内側に挿通保持する絶縁碍子11と、絶縁碍子11を内側に挿通保持するハウジング10とを有する。ハウジング10の先端側には、ガスセンサ素子2の先端部を覆うように形成された二重構造の先端側カバー12が固定されている。先端側カバー12には、内側に被測定ガスを導入するための導入孔121が形成されている。
一方、ハウジング10の基端側には、ガスセンサ素子2の基端部を覆う基端側カバー13が固定されている。基端側カバー13の内側には、ガスセンサ素子2の基端部に設けられた端子に接触させる接触端子14と、該接触端子14を保持する端子用絶縁碍子15が配されている。また、基端側カバー13の基端部は、ゴムブッシュ16によって閉塞され、接触端子14と接続された外部リード141がゴムブッシュ16を貫通している。また、端子用絶縁碍子15とゴムブッシュ16との間の軸方向位置において、基端側カバー13には、外気を内部に導入する通気部131を設けてなる。
また、ハウジング10には、排気管の管壁に設けられた雌ネジ部と螺合して、ガスセンサ1を排気管に取り付けるための取付ネジ部101が形成されている。
ガスセンサ1は、例えば、通常時において600℃以下の被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するものである。具体的には、ガスセンサ1は、例えば、ディーゼルエンジンの排気系に設置され、排気ガス中の酸素濃度を検出することにより、空燃比を計測するためのA/Fセンサとして用いられる。そして、このディーゼルエンジンの排気系において、DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)の再生時を除く通常運転時において、排気ガス温度が例えば、600℃以下となる。
このように、比較的排気ガスの温度が低いディーゼルエンジンの排気系に、ガスセンサ1を設置した場合、凝縮水が発生しやすい。それゆえ、被測定ガス(排気ガス)の温度が600℃以下という内燃機関の排気系に設置されたとき、本発明のガスセンサ1がその効果を充分に発揮することができる。さらに、被測定ガス(排気ガス)の温度が500℃以下の内燃機関の排気系に設置された場合、本発明のガスセンサ1は、その効果をさらに発揮することができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
ガスセンサ1は、ガスセンサ素子2の遮蔽層26に、水抜き孔261を設けてなる。これにより、図5に示すごとく、ガスセンサ素子2における絶縁碍子11に保持された部分辺りに発生した凝縮水Mが、多孔質拡散抵抗層25を通じて先端側へ染み込んできても、水抜き孔261から凝縮水Mを放出することができる。
それゆえ、凝縮水Mが被測定ガス室24に浸入することを防ぐことができ、被測定ガス室24内における凝縮水Mの沸騰を防ぐことができる。その結果、凝縮水Mに起因するガスセンサ素子2の割れを防ぐことができる。
すなわち、図6に示すごとく、水抜き孔261を設けないと、ガスセンサ素子2の絶縁碍子11に保持される部分等、ガスセンサ素子2の先端部よりも基端側の部分に結露した凝縮水Mが、多孔質拡散抵抗層25を通り、被測定ガス室24にまで浸入するおそれがある。このとき、図7に示すごとく、ヒータ29によって、被測定ガス室24内の凝縮水Mが沸騰し、被測定ガス室24の内部圧力が急激に上昇し、固体電解質体21に割れが生じるおそれがある。
そこで、図5に示すごとく、遮蔽層26に水抜き孔261を設けることにより、上記のように、水抜き孔261から凝縮水Mを放出して、凝縮水に起因する固体電解質体21の割れを防ぐことができる。
また、図2に示すごとく、水抜き孔261の位置は、軸方向長さL0と軸方向距離L1とがL1/L0≧0.4を満たす位置である。そのため、水抜き孔261が、ガスセンサ1のセンサ出力特性に影響を与えることを防ぐことができる。すなわち、上記の条件を満たすよう、水抜き孔261が被測定ガス室24から充分に離れた位置に形成されていることにより、水抜き孔261から被測定ガス室24に導入される被測定ガスの量を充分に少なくすることができる。その結果、水抜き孔261を設けたことによるセンサ出力特性の変化を防ぐことができる(後述する実施例2参照)。
また、水抜き孔261は、直径1mm以上の円の面積に相当する。本例においては、円形の水抜き孔261の直径が1mm以上である。これにより、水抜き孔261から凝縮水を充分に放出することができ、ガスセンサ素子2の割れを充分に防ぐことができる(後述する実施例3参照)。
また、水抜き孔261は、遮蔽層26における幅方向の一部に形成されているため、ガスセンサ素子2の強度を確保しつつ、凝縮水の放出を行うことができる。すなわち、遮蔽層26の幅方向の全体にわたって水抜き孔261を大きく形成すると、ガスセンサ素子2の折れ強度が低下するおそれがあるが、上記のごとく、水抜き孔261を遮蔽層26における幅方向の一部に形成し、幅方向の全域に形成しなければ、充分な折れ強度を確保することができる(後述する実施例4参照)。
また、水抜き孔261の開口面積は、直径1.8〜2.0mmの円の面積に相当する。本例においては、円形の水抜き孔261の直径が1.8〜2.0mmである。これにより、凝縮水に起因するガスセンサ素子2の割れをより確実に防ぐとともに、ガスセンサ素子2の折れ強度を充分に確保することができる。
また、ガスセンサ1が、600℃以下の被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するものである場合には、上述したごとく、凝縮水に起因するガスセンサ素子2の割れの防止という本発明の効果を、より発揮することができる。
以上のごとく、本例によれば、センサ出力特性に影響を与えることなく、凝縮水に起因するガスセンサ素子の割れを防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図8に示すごとく、水抜き孔261の形成位置とセンサ出力特性との関係を調べた例である。
まず、試料として、水抜き孔261の形成位置以外については、実施例1に示した具体的な寸法関係を有するガスセンサ1(試料1)と、ガスセンサ素子2の先端部(絶縁碍子11よりも先端側の部分)の幅Wを3.8mmに変更したガスセンサ素子2を備えたガスセンサ1(試料2)とを用意した。
これらの試料1、試料2について、それぞれ、L1/L0が、0.35〜0.6の間において、0.05刻みで異なる6種類、合計12種類の試料を作製した。さらに、試料1、試料2に対応する比較試料1、比較試料2として、水抜き孔261のないガスセンサ素子を備えたガスセンサ(図6参照)を作製した。水抜き孔261がない以外は、比較試料1、比較試料2は、それぞれ試料1、試料2と同様の構成を有する。
これらのガスセンサを、ディーゼルエンジンの排気系に取り付け、空燃比(A/F)18の状態でエンジンを運転した。そして、ガスセンサを排気ガス(被測定ガス)に曝すと共に、ガスセンサ素子2の電極間(被測定ガス側電極22と基準ガス側電極23との間)に0.4Vの電圧をかけたときのセンサ出力を測定した。なお、ヒータ29の温度は750℃とした。各試料について、5回ずつ測定した結果を、図8にプロットした。プロット●は、試料1又は比較試料1のデータであり、プロット◆は、試料2又は比較試料2のデータである。また、図8の左端に記した、破線で囲んだプロット群が、比較試料1、2のデータである。曲線S1、S2は、それぞれ試料1、試料2のプロットを滑らかに繋げたセンサ出力の変化曲線である。
図8から分かるように、L1/L0が0.35のときには、試料1、2のセンサ出力が、それぞれ比較試料1、2よりも高くなる。一方、L1/L0が0.4以上においては、変化曲線L1、L2のいずれもが横這いとなり、殆どセンサ出力が変化せず、しかも比較試料1、2のセンサ出力と同等である。
これは、L1/L0が0.35の場合、水抜き孔261がセンサ出力特性に影響を与えるが、L1/L0≧0.4を満たすような位置に水抜き孔261を形成すれば、センサ出力特性に影響を与えることを防ぐことができることを示している。
(実施例3)
本例は、図9に示すごとく、水抜き孔261の直径と、被測定ガス室24へ到達する水分の量との関係をシミュレーションした例である。
シミュレーションに用いたガスセンサは、実施例1に示したガスセンサ1である。ただし、水抜き孔261の直径は、0〜2.5mmの間で種々変更したものを用いた。
また、多孔質拡散抵抗層25及び遮蔽層26の軸方向長さは19mm、被測定ガス室24の基端から多孔質拡散抵抗層25及び遮蔽層26の基端までの軸方向長さは9.75mmとした。また、多孔質拡散抵抗層25の厚みは0.24mm、気孔率は13%とした。
ここで、ガスセンサ素子2に、1.37mgの凝縮水が発生した場合を想定した。これは、被測定ガス室24よりも基端側における多孔質拡散抵抗層25が吸水した場合を想定した水分量である。そして、実際のディーゼルエンジンの排気系と同様の環境下において、凝縮水が被測定ガス室24に到達する量(到達水分量)をシミュレーションした結果、図9に示すごとく、水抜き孔261の直径に応じて、到達水分量が変化することが分かった。同図においてプロット◆が、算出された到達水分量である。
そして、水抜き孔261の直径を1.0mm以上とすれば、固体電解質体21が割れない程度の到達水分量である0.01mgを下回ることができることが分かった。
ここで、固体電解質体21が割れない程度の到達水分量である0.01mgは、以下のように算出した。
すなわち、まず、固体電解質体21の割れ強度を加圧試験によって測定した結果、4MPaという値を得た。したがって、固体電解質体21が割れないようにするためには、被測定ガス室24の内部圧力が、4MPa以下にあればよいこととなる。つまり、水分が被測定ガス室24に浸入してこれが沸騰したとき、被測定ガス室24の内部圧力が4MPa以下となる水分量を算出すればよい。その水分量は、気体の状態方程式に、上限の内部圧力4MPa、被測定ガス室24の体積、及びガスセンサ1の使用時の被測定ガス室24の絶対温度を代入することにより、水のモル数を求め、これに水の分子量を掛けることにより、求めることができる。その結果、到達水分量を0.01mg以下とすれば、固体電解質体21が割れないと、算出することができる。
そして、上記シミュレーションによって、水抜き孔261の直径を1mm以上とすれば、到達水分量0.01mgを下回ることが分かるため、固体電解質体21の割れを防ぐことができることが分かる。
(実施例4)
本例は、図10に示すごとく、水抜き孔261の直径と、ガスセンサ素子2の折れ強度との関係を調べた例である。
すなわち、実施例1に示したガスセンサ1と同様の構造のガスセンサであって、水抜き孔261の直径を、0〜4.5mmの間で種々変更したものを用いた。
水抜き孔261の直径が0mmのガスセンサとは、水抜き孔261を有さないガスセンサ(図6参照)であり、これの折れ強度と同等であれば、水抜き孔261を設けたことによる強度低下はないと判断できる。そこで、水抜き孔261を有さないガスセンサ素子2の折れ強度を複数回測定し、その平均値を強度比100%とし、この強度の平均値に対する各試料の強度を、強度比として表したのが、図10である。各水準につき、複数回の試験を行った。
ここで、各試料の折れ強度は、特開2002−296214号公報に示された振子試験を用いて測定した。
図10から分かるように、水抜き孔261の直径を1〜2.4mmとしたいずれの試料についても、強度比は略100%であり、強度低下は見られなかった。
これに対し、水抜き孔261の直径を4.5mmとすると、強度比が大きく低下している。この4.5mmは、ガスセンサ素子2の幅Wと同じであり、遮蔽層26の幅と同じである。すなわち、水抜き孔261が遮蔽層26の幅の全体にわたって形成されると、ガスセンサ素子2の折れ強度が大きく低下することが分かる。
以上の結果から、ガスセンサ素子2の折れ強度を確保するためには、水抜き孔261が遮蔽層26の幅方向の全体に形成されず、幅方向の一部に形成するようにする必要があることが分かる。
(実施例5)
本例は、図11に示すごとく、水抜き孔261の形状等を変更したガスセンサ素子2のバリエーションの例である。
図11(A)に示すガスセンサ素子2aは、水抜き孔261を遮蔽層26の幅方向に長く形成してなる。この場合には、ガスセンサ素子2aの幅方向の広い範囲にわたって、水分を水抜き孔261から放出しやすくなり、より確実に、凝縮水に起因する固体電解質体21の割れを防ぐことができる。
図11(B)に示すガスセンサ素子2bは、水抜き孔261を略長方形状に形成してなる。
図11(C)に示すガスセンサ素子2cは、水抜き孔261を3か所に形成してなる。3個の水抜き孔261は、遮蔽層26の幅方向に並んで配置されている。このように、水抜き孔261は、複数個形成してもよい。
図11(D)に示すガスセンサ素子2dは、水抜き孔261を菱形に形成してなる。
図11(B)、(C)、(D)に示すガスセンサ素子2b、2c、2dについても、ガスセンサ素子2内の水分を放出しやすくすることができる。
その他は、実施例1と同様の構成を有し、実施例1と同様の作用効果を奏する。
1 ガスセンサ
11 絶縁碍子
2 ガスセンサ素子
21 固体電解質体
22 被測定ガス側電極
23 基準ガス側電極
24 被測定ガス室
25 多孔質拡散抵抗層
26 遮蔽層
261 水抜き孔

Claims (2)

  1. 筒型のハウジングと、該ハウジングの内側に保持された筒型の絶縁碍子と、該絶縁碍子に挿通固定された積層型のガスセンサ素子とを有するガスセンサであって、
    上記ガスセンサ素子は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた被測定ガス側電極及び基準ガス側電極と、上記被測定ガス側電極が配置される空間である被測定ガス室と、該被測定ガス室を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質拡散抵抗層と、該多孔質拡散抵抗層を覆う緻密な遮蔽層とを有し、
    該遮蔽層には、上記絶縁碍子の先端と上記被測定ガス室の基端との間の軸方向位置において、上記多孔質拡散抵抗層から水分を放出するための水抜き孔が形成されており、
    該水抜き孔の開口面積は、直径1mm以上の円の面積に相当し、
    上記被測定ガス室の軸方向長さをL0、該被測定ガス室と上記水抜き孔との間の軸方向距離をL1としたとき、L1/L0≧0.4を満たすことを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1に記載のガスセンサにおいて、上記水抜き孔の開口面積は、直径1.8〜2.0mmの円の面積に相当することを特徴とするガスセンサ。
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