JP2003107049A - 積層型酸素センサ - Google Patents

積層型酸素センサ

Info

Publication number
JP2003107049A
JP2003107049A JP2001301691A JP2001301691A JP2003107049A JP 2003107049 A JP2003107049 A JP 2003107049A JP 2001301691 A JP2001301691 A JP 2001301691A JP 2001301691 A JP2001301691 A JP 2001301691A JP 2003107049 A JP2003107049 A JP 2003107049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
oxygen sensor
exhaust
distance
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001301691A
Other languages
English (en)
Inventor
Rentaro Mori
連太郎 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001301691A priority Critical patent/JP2003107049A/ja
Publication of JP2003107049A publication Critical patent/JP2003107049A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体電解質のクラック発生を抑制した積層型
酸素センサを提供する。 【解決手段】 積層型酸素センサの大気ダクトの最大歪
み距離と排気チャンバの最大歪み距離とのうち短い方の
距離(Ws)と、排気チャンバの最大歪み距離のうち排
ガス側電極が設けらている距離(We)と、固体電解質
の層厚(t)とが、0.18≦t/We≦0.25かつ
1≦Ws/We≦1.5、または、Ws≦50/6tか
つWe≦Wsかつ0.12≦t/We<0.18、を満
たす。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
排ガス中の残存酸素濃度から空燃比を検出する酸素セン
サに関する。 【0002】 【従来の技術】車両用の内燃機関の空燃比を検知して適
切な空燃比に調整するために、従来様々な空燃比センサ
が考案されている。 【0003】このような空燃比センサには、酸素イオン
伝導体である固体電解質板の両面に電極を設けて電気化
学的セルを構成したものが多く用いられている。例え
ば、特開平6−229976号公報に開示される空燃比
センサは、ジルコニア製の固体電解質板の片面に大気側
電極を設け、もう片面に排ガス側電極を設けてセンサ内
に導入された大気と排ガスとの酸素分圧の差によって排
ガスの空燃比を検知するものである。 【0004】この空燃比センサの作用機構を詳説する
と、高温のエンジン排ガスにさらされることでジルコニ
ア製の固体電解質の温度が上昇し、酸素分圧の高い大気
に接する大気側電極から酸素分圧の低い排ガスに接する
排ガス側電極に向かって酸素イオンの移動が起こり、そ
れに伴い酸素濃淡電池として両電極間に起電力を生じ
る。この起電力は固体電解質隔壁の両側の酸素分圧の比
の対数に比例する。排気ガス中の酸素分圧は、理論空燃
比を境に10-30〜10-3atm程度に急変するため両
電極間の起電力すなわち出力電力は理論空燃比を境にS
字曲線を描くように変化する。このためこの出力電力に
よって、排ガスの空燃比が理論空燃比以上であるか理論
空燃比以下であるかを容易に判別することができ、空燃
比を理論空燃比にフィードバック制御することができ
る。 【0005】しかしこのような空燃比センサによると理
論空燃比から離れた空燃比の値を求めることは困難であ
り、たとえば空燃比をリーンな状態にフィードバック制
御することは困難であった。 【0006】このため、近年では理論空燃比から離れた
空燃比の値を正確に求めることのできる空燃比センサが
開発されている。例えば特開2000−180410号
公報には、排ガスが拡散流入するためのガス導入口が設
けられ、排ガス側電極が排気チャンバ内に配置され、大
気側電極が大気ダクト内に配置された積層型酸素センサ
が開示されている。 【0007】排ガスが拡散流入するための、拡散律速抵
抗を設けた積層型酸素センサの基本原理を説明すると、
ある一定温度以上で固体電解質の両電極間に電圧を印加
すると、固体電解質の対向する二面に配置された排ガス
側電極および大気側電極のうち、排ガス側電極で酸素分
子がイオン化され、その酸素イオンが大気側電極に向か
って移動し、大気側電極で再び酸素分子になることによ
って電流が流れる(酸素ポンプ作用)。従って、単位時
間当たりに移動した酸素量が電流値として検出される。
ここで排ガス側電極上に、排気ガス中の酸素分子の排ガ
ス側電極への到達を制限する拡散律速抵抗を設けると、
出力電流が酸素濃度によってある一定値で飽和する現象
を示す。この飽和電流値は酸素濃度にほぼ比例するた
め、適当な電圧を印加することで得られた飽和電流値か
ら酸素濃度を求めることができる。また、酸素濃度と空
燃比との間には一定の相関があることから、ここで求め
られた酸素濃度から空燃比を求めることができる。この
ためこのような積層型酸素センサによると、空燃比が理
論空燃比から離れていてもほぼ正確な値の空燃比を求め
ることができ、空燃比をリーンな状態にフィードバック
制御することが可能である。 【0008】しかし近年、エンジン制御技術の向上や排
ガス規制の強化等に伴い、積層型酸素センサの特性につ
いてさらなる高精度化が求められている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】積層型酸素センサの特
性をさらに高精度にするためには、排気チャンバにガス
導入口を設けて拡散流入させるのではなく、Al23
の固体により排気側電極を取り囲んだ密閉構造の排気チ
ャンバを設けることによって、排ガスがこの固体中を拡
散することにより排気チャンバ内へ到達するようにする
ことが考えられる。 【0010】ところが、低温始動時にこの密閉構造型の
積層型酸素センサを昇温すると、固体電解質にクラック
が生じることがあることが本発明者等によって見出され
た。 【0011】本発明は上記事情を考慮したもので、低温
始動時における密閉構造型の積層型酸素センサの固体電
解質に発生するクラックを抑制することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の積層型酸素セン
サは、板状の固体電解質と、該固体電解質の一面に設け
られた少なくとも1個の排ガス側電極と、該固体電解質
の対向する他の面に設けられた少なくとも1個の大気側
電極と、該固体電解質の該大気側電極が設けられた該他
の面とで大気ダクトを区画する大気側部材と、該固体電
解質の該排ガス側電極が設けられた該一面とで排気チャ
ンバを区画するとともに該排気チャンバに拡散律速層を
経て排ガスを導入する排気側部材とからなる積層型酸素
センサであって、上記大気ダクトの最大歪み距離と上記
排気チャンバの最大歪み距離とのうち短い方の距離(W
s)と、上記排気チャンバの該最大歪み距離のうち、上
記排ガス側電極が設けられた距離(We)と、上記固体
電解質の層厚(t)とが、0.18≦t/We≦0.2
5かつ1≦Ws/We≦1.5、または、Ws≦50/
6tかつWe≦Wsかつ0.12≦t/We<0.1
8、を満たすことを特徴とする。 【0013】固体電解質の層厚と、排気チャンバの最大
歪み距離と大気ダクトの最大歪み距離のうち短い方の距
離と、排気チャンバの最大歪み距離のうち排ガス側電極
が設けられた距離との比率を適当な比率にすることで、
固体電解質への応力集中を緩和し、クラックの発生を抑
制することができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の積層型酸素センサは、板
状の固体電解質と、固体電解質の一面に設けられた少な
くとも1個の排ガス側電極と、固体電解質の対向する他
の面に設けられた少なくとも1個の大気側電極とを有す
る。 【0015】本発明の積層型酸素センサの固体電解質素
材としては、酸素イオン伝導度が高い固体であり、固体
電解質素材として一般に用いられているものであれば用
いることができるが、ジルコニアにイットリア(Y
23)を固溶させた安定化ジルコニアを用いることがよ
り好ましい。 【0016】排ガス側電極および大気側電極は、酸素に
電極活性を有する金属で形成することができる。そして
固体電解質上に電極を積層して一体焼成成形する場合
は、固体電解質に用いる素材の焼成温度においても電極
活性を失わない金属を両電極に用いる必要がある。例え
ば固体電解質にジルコニアを用いる場合は、ジルコニア
の焼成温度である約1400℃に昇温しても電極活性を
失わないPtを電極素材として用いることが好適であ
る。 【0017】本発明の積層型酸素センサでは、固体電解
質の大気側電極が設けられた面と大気側部材とによって
大気ダクトが区画される。 【0018】大気側部材は、空燃比測定温度(例えば6
50℃)以上の耐熱性をもつ素材で形成することができ
る。また、大気側部材は固体電解質や電極と隣接して形
成され、それ自体が排ガスや大気の流路となるものでは
ない。このため、固体電解質や電極を加熱する電気ヒー
タを大気側部材内に埋設することができる。大気側部材
に電気ヒータを埋設する場合は、大気側部材は絶縁性素
材で形成されることが好ましい。例えばアルミナ(Al2
3)は、絶縁性と耐熱性を兼ね備えているため、大気側
部材の素材として好適に使用することができる。 【0019】大気ダクトには、酸素ポンプ作用によって
大気側電極に発生した酸素を大気中に排出するために、
大気と連通した排気孔が穿設されることが望ましい。 【0020】本発明の積層型酸素センサでは、固体電解
質の排ガス側電極が設けられた面と排気側部材とで排気
チャンバが区画される。また、この排気側部材は、拡散
律速層を経て排気チャンバに排ガスを導入する。 【0021】排気側部材はその一部を拡散律速層とし、
他の部分を排気チャンバと排ガスとを遮蔽する遮蔽層と
しても良いし、排気側部材の全部が拡散律速層になるよ
うな構成にしても良いし、拡散律速層の上層の一部に遮
蔽層を積層する構成にしても良い。 【0022】拡散律速層は、排気チャンバへの酸素の透
過を制限することが可能な多孔質素材で形成することが
でき、たとえば14%の細孔率で細孔を形成したアルミ
ナ素材で形成することができる。 【0023】また、遮蔽層は排ガスと排ガスチャンバを
遮蔽できるような素材で形成することができ、たとえば
アルミナ素材で形成することができる。 【0024】排気チャンバは、拡散律速層を経て進入し
た排ガス中の酸素が濃度勾配なく保持され、排気側電極
に均一に接触できるような構造に形成することができ
る。 【0025】本発明の積層型酸素センサにおいて、大気
ダクトの最大歪み距離と排気チャンバの最大歪み距離と
のうち短い方の距離(Ws)と、排気チャンバの最大歪
み距離のうち排ガス側電極が設けられた距離(We)
と、固体電解質の層厚(t)とは、0.18≦t/We
≦0.25かつ1≦Ws/We≦1.5、または、Ws
≦50/6tかつWe≦Wsかつ0.12≦t/We<
0.18、を満たす。 【0026】ここで、大気ダクトや排気チャンバの最大
歪み距離とは、その延長方向の両方向に固体電解質と排
気側部材が接触する領域と、固体電解質と大気側部材が
接触する領域との両方の領域が存在する距離であって、
大気ダクトや排気チャンバ内の圧力が上昇し、この大気
ダクトや排気チャンバを構成する固体電解質に圧力が加
わって歪みが生じる場合に、この歪みが最大となる大気
ダクト内あるいは排気チャンバ内の距離のことである。
例えば、固体電解質と排気側部材との切辺に囲まれた排
気チャンバの外周の形状が長方形であり、大気側部材が
固体電解質と全方位において接触している場合は、長方
形の長辺が最大歪み距離となるが、大気側部材が固体電
解質と短辺方向の両方向のみで接している場合、若しく
は、大気側部材が固体電解質と短辺方向の両方向と長辺
方向の片方向のみで接している場合には、短辺が最大歪
み距離となる。 【0027】本発明の発明者等は、大気ダクトと排気チ
ャンバとを有する積層型酸素センサに生じるクラックに
ついて鋭意研究を重ねた結果、クラックが発生する原因
が積層型センサの構造にあるという知見を得た。 【0028】大気ダクトと排気チャンバとを有する積層
型酸素センサは、固体電解質の対向する二面に大気側電
極と排ガス側電極とが配置される。また、大気側電極お
よび排ガス側電極の固体電解質に接しない面がそれぞれ
大気ダクトと排気チャンバとに囲まれ、大気ダクトは大
気側部材と固体電解質によって区画され、排気チャンバ
は排気側部材と固体電解質によって区画された構造を持
つ。 【0029】積層型酸素センサの大気ダクトおよび排気
チャンバの最大歪み距離方向の断面を示す断面図を図1
に示す。図1では、排気チャンバの最大歪み距離が大気
ダクトの最大歪み距離より小さい場合を示している。 【0030】積層型酸素センサ1において固体電解質2
は拡散律速層3と大気側部材4とに挟まれて固定され
る。また、固体電解質2の対向する二面上には排ガス側
電極5と大気側電極6が配置され、拡散律速層3の上層
には遮蔽層7が積層される。 【0031】エンジンの低温始動時に排ガス中に含まれ
る結露水が排ガス流れに伴って拡散律速層3に浸透し、
さらに排気チャンバ8に進入した場合、ヒータ9により
積層型酸素センサ1を昇温すると、排気チャンバ8内の
結露水が突沸し、排気チャンバ8内の圧力が急激に上昇
する。排気チャンバ8内の圧力が上昇した場合、固体電
解質2は大気ダクト10方向に歪む。このとき固体電解
質2と拡散律速層3との接触端面11に応力が集中し、
接触端面11にかかる応力が固体電解質2の強度を上回
る場合にはこの部分からクラックが生じる。 【0032】このような積層型酸素センサにおいて、排
気チャンバ、あるいは大気ダクトの最大歪み距離を短く
すると、固体電解質への応力集中が緩和されるため、ク
ラックの発生を抑制することができる。 【0033】ここで排気チャンバおよび大気ダクトを区
画する固体電解質上には電極が配置される。 【0034】電極は一定以上の大きさで形成される必要
があり、また、このような電極が配置される固体電解質
は電極の大きさ以上の大きさに形成される必要がある。 【0035】また、積層型酸素センサが十分な酸素濃度
検知特性を保持するためには、排気チャンバの幅は少な
くとも電極の幅より大きく形成される必要がある。この
ことから、このような固体電解質と排気側部材とによっ
て区画される排気チャンバや、固体電解質と大気側部材
とによって区画される大気ダクトの最大歪み距離もま
た、固体電解質上に配置された電極の大きさによって一
定以上の値となり、例えば最大歪み距離は1300μm
以上であることが望ましい。 【0036】また、固体電解質の層厚を厚くすることで
固体電解質の強度を高めることができる。ここで固体電
解質の層厚が厚くなると、固体電解質が良好なイオン伝
導性を発揮する温度に加熱されるまでに時間がかかり、
加熱初期の酸素センサ活性が悪くなる。また、層厚が厚
い固体電解質は、成形や焼成が困難である。一方、固体
電解質の層厚が薄い場合は、この固体電解質を含む積層
型酸素センサを一体焼成する際にその形状を維持するこ
とが困難となる。このため、固体電解質の層厚は一定範
囲内、詳しくは160μm〜320μmの範囲に形成す
ることが望ましい。 【0037】本発明者等は、固体電解質の層厚(t)
と、排気チャンバの最大歪み距離と大気ダクトの最大歪
み距離とのうち短い方の距離(Ws)と、排気チャンバ
の最大歪み距離のうち排ガス側電極が設けられた距離
(We)との比率がそれぞれ違う種々の積層型酸素セン
サを製造し、得られたこれら種々の積層型酸素センサに
ついて低温始動時におけるクラック発生の有無を評価し
た。その結果、t,WsおよびWeの比率を適当な比率
にすることで、固体電解質への応力集中を緩和し、クラ
ックの発生が抑制されることを見出した。 【0038】図2にt,WsおよびWeを種々の比率に
した積層型酸素センサの、低温始動時におけるクラック
発生結果を表すグラフを示す。図2においてクラックを
生じなかった積層型酸素センサのt,WsおよびWeの
比率は●で示され、クラックを生じた積層型酸素センサ
のt,WsおよびWeの比率は×で示される。図2に示
すように、t,WsおよびWeが、各々適当な比率を満
たす場合、すなわち、t,WsおよびWeが0.18≦
t/We≦0.25かつ1≦Ws/We≦1.5、また
は、Ws≦25/3tかつWe≦Wsかつ0.12≦t
/We<0.18、を満たす場合、クラックの発生が抑
制された。 【0039】 【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を基にして
説明する。 【0040】(実施例1)本発明の実施例1の積層型酸
素センサの斜視図を図3に示し、実施例1の積層型酸素
センサを排気チャンバおよび大気ダクトの最大歪み距離
方向A−A’で切断した摸式断面図を図4に示す。 【0041】実施例1の積層型酸素センサ12は、固体
電解質13の対向する2面にそれぞれ1個の大気側電極
14と排ガス側電極15が設けられている。固体電解質
13は、ジルコニアにイットリア(Y23)を固溶させ
た安定化ジルコニアで形成され、4.5mm×46m
m、厚さ0.16mmに形成されている。 【0042】大気側電極14は白金素材で長方形の薄膜
状に形成されている。排ガス側電極15もまた白金素材
で長方形の薄膜状に形成されている。大気側電極14お
よび排ガス側電極15の有効電極部分は1.3mm×
9.6mm、厚さ7μmに形成されている。大気側電極
14および排気側電極15は、それぞれの有効電極部分
に一体形成された白金素材のリード部が、リード線によ
って外部の電源と接続される。排気側電極から延びるリ
ード線と外部電源との間には電流計が電源に直列に接続
される。 【0043】固体電解質13の大気側電極14が設けら
れた面上には、大気側部材16が積層され、大気側部材
16の大気ダクト17を区画するダクト孔18は、固体
電解質13上の大気側電極14を大気を介して覆い、か
つ通気口19を介して大気と連通するように形成されて
いる。ダクト孔18の通気口19を除く部分には、コ字
状に一段高くなった目尻部20が配置される。大気側部
材16はアルミナで形成され、外径4.5mm×46m
m、厚さ1.4mmに形成されている。ダクト孔18の
目尻部20の有効電極部分に対向する部分は、内径1.
9mm×9.6mm、深さ30μmに形成され、目尻部
20と連通する底部21は内径1.6mm×44.8m
m、深さ0.6mmに形成されている。また、大気側部
材16の下層にはヒータ22が埋め込まれ、ヒータ22
は外部の電源に接続される。固体電解質13の排ガス側
電極15が設けられた面上には、拡散律速層23が積層
され、拡散律速層23の上層には遮蔽層24が積層され
ている。この拡散律速層23と遮蔽層24とで排気側部
材25が構成される。拡散律速層23はアルミナで形成
され、遮蔽層24もまたアルミナで形成されている。拡
散律速層23の排気チャンバ26を区画する部分には、
チャンバ孔27が設けられている。拡散律速層23は外
径4.5mm×18mm、厚さ0.25mmの直方体の
1長辺の両端に位置する2角が45°の傾斜をもって切
り取られた形状に形成され、遮蔽層24は上底3.5m
m、下底4.0mm、高さ0.25mmの台形を底面と
する4角柱状に形成され、遮蔽層となる4角柱の長さは
拡散律速層と同じ18mmに形成されている。また、拡
散律速層23に設けられたチャンバ孔27は、内径1.
3mm×9.6mm、深さ30μmに形成されている。 【0044】実施例1の積層型酸素センサの製造方法を
以下に説明する。 【0045】1.固体電解質,大気側電極,排ガス側電
極 ジルコニアに、例えば5モルのイットリアを添加した原
料に、微量のS22等を焼結助材として添加し、20%
のメチルセルロース系の有機バインダーを有機溶剤とし
て添加した。これらを混合することで得られたジルコニ
アスラリーをシート成形機で成形し、その後に乾燥させ
溶剤を蒸発させることによって焼結前の厚さが0.2m
mのグリーンシート状の固体電解質を得た。この固体電
解質の対向する2面に排ガス側電極および大気側電極を
印刷し、固体電解質電極複合体を得た。 【0046】2.大気側部材 アルミナ原料に、微量のS22等を焼結助材として添加
し、20%のメチルセルロース系の有機バインダーを有
機溶剤として添加した。これらを混合することで得られ
たアルミナスラリーをシート成形機で成形し、焼結前の
厚さが1.5mmのグリーンシート状の大気側部材素材
を得た。この大気側部材素材に窓開け加工を施して大気
側部材のダクト孔を形成して大気側部材の上層を得た。 【0047】また、同じ原料を用い、焼結前の厚さが
0.2mmのグリーンシート状の大気側部材素材を製造
し、この上層に白金製のヒータを印刷して大気側部材の
下層を得た。 【0048】3.拡散律速層 仮焼性のアルミナ原料に、微量のS22等を焼結助材と
して添加し、20%のメチルセルロース系の有機バイン
ダーを有機溶剤として添加した。これらを混合すること
で得られたアルミナスラリーをシート成形機で成形し、
その後に乾燥させ溶剤を蒸発させることによって焼結前
の厚さが0.3mmのグリーンシート状の拡散律速層素
材を得た。 【0049】4.遮蔽層 アルミナ原料に、微量のS22等を焼結助材として添加
し、20%のメチルセルロース系の有機バインダーを有
機溶剤として添加した。これらを混合することで得られ
たアルミナスラリーをシート成形機で成形し、その後に
乾燥させ溶剤を蒸発させることによって焼結前の厚さが
0.3mmグリーンシート状の遮蔽層素材を得た。 【0050】1〜4の工程で得られた各層を大気側部材
の下層、大気側部材の上層、固体電解質電極複合体、拡
散律速層、遮蔽層の順に積層した。固体電解質層と拡散
律速層との界面と、固体電解質層と大気側部材との界面
とには、接着材層を挟んだ。接着材層は、アルミナを原
料とし、これに30%のアクリル系有機バインダーと微
量のS22等の焼結助材を添加し混合して得られた。こ
の積層体を約100kg/cm2で常温で圧着した後に
所定の大きさに切断し、その後に約1450℃で2時間
焼成して、一体焼成された実施例1の積層型酸素センサ
を得た。 【0051】(実施例2)本発明の実施例2の積層型酸
素センサを排気チャンバおよび大気ダクトの最大歪み距
離方向A−A’で切断した摸式断面図を図5に示す。 【0052】実施例2の積層型酸素センサ28は、固体
電解質29の層厚およびチャンバ孔31の大きさ以外は
実施例1と同様に製造されている。 【0053】実施例2の積層型酸素センサ28の固体電
解質29は層厚0.24mmに形成され、固体電解質2
8上に配置された大気側電極32と排ガス側電極33と
は実施例1と同じ大きさに形成されている。また、実施
例1の大気側部材16と同じ大きさに形成された大気側
部材34には、実施例1と同じ大きさの目尻部35が形
成され、目尻部35と連通する底部36もまた実施例1
と同じ大きさに形成されている。この目尻部35と底部
36とによってダクト孔30が構成されている。また、
実施例1の拡散律速層23と同じ大きさに形成された拡
散律速層37には、内径1.9mm×9.6mm、深さ
30μmのチャンバ孔31が形成されている。 【0054】実施例2の積層型酸素センサは、実施例1
と同様の方法で製造された。 【0055】(実施例3)本発明の実施例3の積層型酸
素センサを排気チャンバおよび大気ダクトの最大歪み距
離方向A−A’で切断した摸式断面図を図6に示す。 【0056】実施例3の積層型酸素センサ38は、固体
電解質39の層厚以外は実施例2と同様に製造されてい
る。 【0057】実施例3の積層型酸素センサ38の固体電
解質39は層厚0.32mmに形成され、固体電解質3
9上に配置された大気側電極40と排ガス側電極41と
は実施例1と同じ大きさに形成されている。また、実施
例1の大気側部材16と同じ大きさに形成された大気側
部材42には、実施例1と同じ大きさの目尻部43が形
成され、目尻部43と連通する底部44もまた実施例1
と同じ大きさに形成され、この目尻部43と底部44と
によってダクト孔45が構成されている。また、実施例
1の拡散律速層23と同じ大きさに形成された拡散律速
層46には、実施例2と同じ大きさのチャンバ孔47が
形成されている。 【0058】実施例3の積層型酸素センサは、実施例1
と同様の方法で製造された。 【0059】(比較例1)本発明の比較例1の積層型酸
素センサを排気チャンバおよび大気ダクトの最大歪み距
離方向A−A’で切断した摸式断面図を図6に示す。 【0060】比較例1の積層型酸素センサ48は、チャ
ンバ孔51の大きさ以外は実施例1と同様に製造されて
いる。 【0061】比較例1の積層型酸素センサ48の固体電
解質49は層厚0.16mmに形成され、固体電解質4
9上に配置された大気側電極52と排ガス側電極53と
は実施例1と同じ大きさに形成されている。また、実施
例1の大気側部材16と同じ大きさに形成された大気側
部材54には、実施例1と同じ大きさの目尻部55が形
成され、目尻部55と連通する底部56は実施例1と同
じ大きさに形成されている。この目尻部55と底部56
とによってダクト孔50が構成されている。また、実施
例1の拡散律速層23と同じ大きさに形成された拡散律
速層57には、内径1.9mm×9.6mm、深さ30
μmのチャンバ孔51が形成されている。 【0062】比較例1の積層型酸素センサは、実施例1
と同様の方法で製造された。 【0063】(試験・評価)実施例1、実施例2および
比較例1で得られた積層型酸素センサについてクラック
発生評価試験をおこなった。クラック発生評価試験は、
以下の手順でおこなった。 【0064】実施例および比較例で製造した各積層型酸
素センサについて、それぞれ3検体づつ、合計9検体を
水中に3分間浸し、その後各積層型酸素センサのヒータ
と外部電源とを接続し、電圧を10秒間印加して素子が
昇温するときに発生する素子クラックの可能性を確認し
た。この印加電圧はバッテリ電圧の12Vであった。 【0065】各積層型酸素センサのクラック発生評価試
験の結果を表1に示す。 【0066】 【表1】 【0067】表1に示すように、比較例1の積層型酸素
センサにはクラックが発生したが、実施例1及び実施例
2の積層型酸素センサにはクラックが発生しなかった。 【0068】実施例1および実施例2の積層型酸素セン
サにおける、クラック発生の抑制現象は、これら実施例
の積層型酸素センサの構成に起因すると考えられる。 【0069】実施例1の積層型酸素センサにおいて、固
体電解質の層厚(t)が0.16mm,排気チャンバの
最大歪み距離と大気ダクトの最大歪み距離とのうち短い
方の距離(Ws)が1.3mm,排気チャンバの最大歪
み距離のうち排ガス側電極の配置された距離(We)が
1.3mmであったため、このt,WsおよびWeがW
s≦50/6tかつ0.12≦t/We<0.18を満
たしている。 【0070】また、実施例2の積層型酸素センサにおい
て、tが0.24mm、Wsが1.9mm、Weが1.
3mmであったため、このt,WsおよびWeが0.1
8≦t/We≦0.25かつ1≦Ws/We≦1.5を
満たしている。 【0071】そして、実施例3の積層型酸素センサにお
いて、tが0.32mm、Wsが1.9mm、Weが
1.3mmであったため、このt,WsおよびWeが
0.18≦t/We≦0.25かつ1≦Ws/We≦
1.5を満たしている。 【0072】このように、実施例1、実施例2および実
施例3の積層型酸素センサでは、t,WsおよびWeの
比率が固体電解質への応力集中を緩和する比率となって
いるため、クラックの発生が抑制されたものと考えられ
る。 【0073】 【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれば
密閉構造型の積層型酸素センサの固体電解質のクラック
発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】積層型酸素センサの大気ダクトおよび排気チャ
ンバの最大歪み距離方向の断面を示す断面図である。 【図2】t,WsおよびWeを種々の比率にした積層型
酸素センサの、低温始動時におけるクラック発生結果を
表すグラフである。 【図3】実施例1の積層型酸素センサの斜視図である。 【図4】実施例1の積層型酸素センサを排気チャンバお
よび大気ダクトの最大歪み距離方向A−A’で切断した
摸式断面図である。 【図5】実施例2の積層型酸素センサを排気チャンバお
よび大気ダクトの最大歪み距離方向A−A’で切断した
摸式断面図である。 【図6】実施例3の積層型酸素センサを排気チャンバお
よび大気ダクトの最大歪み距離方向A−A’で切断した
摸式断面図である。 【図7】比較例1の積層型酸素センサを排気チャンバお
よび大気ダクトの最大歪み距離方向A−A’で切断した
摸式断面図である。 【符号の説明】 1:積層型酸素センサ 2:固体電解質 3:拡散
律速層 4:大気側部材 5:排ガス側電極
6:大気側電極 8:排気チャンバ 10:大気ダ
クト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 板状の固体電解質と、該固体電解質の一
    面に設けられた少なくとも1個の排ガス側電極と、該固
    体電解質の対向する他の面に設けられた少なくとも1個
    の大気側電極と、該固体電解質の該大気側電極が設けら
    れた該他の面とで大気ダクトを区画する大気側部材と、
    該固体電解質の該排ガス側電極が設けられた該一面とで
    排気チャンバを区画するとともに該排気チャンバに拡散
    律速層を経て排ガスを導入する排気側部材とからなる積
    層型酸素センサであって、 前記大気ダクトの最大歪み距離と前記排気チャンバの最
    大歪み距離とのうち短い方の距離(Ws)と、 前記排気チャンバの該最大歪み距離のうち、前記排ガス
    側電極が設けらている距離(We)と、 前記固体電解質の層厚(t)とが、 0.18≦t/We≦0.25かつ1≦Ws/We≦
    1.5、または、 Ws≦50/6tかつWe≦Wsかつ0.12≦t/W
    e<0.18、を満たすことを特徴とする積層型酸素セ
    ンサ。
JP2001301691A 2001-09-28 2001-09-28 積層型酸素センサ Pending JP2003107049A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301691A JP2003107049A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 積層型酸素センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001301691A JP2003107049A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 積層型酸素センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003107049A true JP2003107049A (ja) 2003-04-09

Family

ID=19122060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001301691A Pending JP2003107049A (ja) 2001-09-28 2001-09-28 積層型酸素センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003107049A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085946A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Denso Corp ガスセンサ素子の製造方法
JP2010204088A (ja) * 2009-02-06 2010-09-16 Nippon Soken Inc ガスセンサ用固体電解質、その製造方法、及びそれを用いたガスセンサ
JP2011247790A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Denso Corp ガスセンサ
JP2015184262A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 株式会社デンソー ガスセンサ素子及びその製造方法
CN112946043A (zh) * 2021-02-02 2021-06-11 浙江百岸科技有限公司 一种免标定的宽域式氧传感器及其检测方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007085946A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Denso Corp ガスセンサ素子の製造方法
JP2010204088A (ja) * 2009-02-06 2010-09-16 Nippon Soken Inc ガスセンサ用固体電解質、その製造方法、及びそれを用いたガスセンサ
JP4724772B2 (ja) * 2009-02-06 2011-07-13 株式会社日本自動車部品総合研究所 ガスセンサ用固体電解質、その製造方法、及びそれを用いたガスセンサ
JP2011247790A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Denso Corp ガスセンサ
JP2015184262A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 株式会社デンソー ガスセンサ素子及びその製造方法
CN112946043A (zh) * 2021-02-02 2021-06-11 浙江百岸科技有限公司 一种免标定的宽域式氧传感器及其检测方法
CN112946043B (zh) * 2021-02-02 2023-08-29 浙江百岸科技有限公司 一种免标定的宽域式氧传感器及其检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8636886B2 (en) Gas sensor element and method of manufacturing the same
US8246800B2 (en) Gas sensor
JP3107817B2 (ja) 混合ガスのλ値の検出のための限界電流センサ用センサ素子
KR970003278B1 (ko) 센서 소자
JPH0810211B2 (ja) ガスセンサ及びその製造法
JPS58153155A (ja) 酸素センサ
EP0294085B1 (en) Electrochemical elements
CN111380939B (zh) 传感器元件及气体传感器
JPS5943348A (ja) 空燃比センサ
JPH08334492A (ja) 空燃比センサ素子
JP2003107049A (ja) 積層型酸素センサ
JP2021124382A (ja) ガスセンサ
JP2003294698A (ja) 積層型ガスセンサ素子及びその製造方法並びにガスセンサ
JP7399769B2 (ja) センサ素子及びガスセンサ
JP6573567B2 (ja) センサ素子のライトオフ異常判定方法及びガスセンサの製造方法
US20200309733A1 (en) Sensor element for gas sensor
JP7333248B2 (ja) センサ素子及びガスセンサ
JPH081426B2 (ja) 電気化学的装置
JPH0618292Y2 (ja) ヒータ付酸素センサ
JP2003279531A (ja) 酸素センサ素子
WO2024150775A1 (ja) センサ素子、ガスセンサ、センサ素子の評価方法、プログラム
WO2024154643A1 (ja) センサ素子、ガスセンサ、センサ素子の評価方法、プログラム
WO2024157772A1 (ja) センサ素子及びガスセンサ
JP4350630B2 (ja) ガスセンサの製造方法
WO2023189843A1 (ja) センサ素子