JP5962413B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子およびそれを用いたガスセンサに関するものである。
車両用の内燃機関等の排気系には、排気ガス等の被測定ガス中における特定ガス濃度(例えば、酸素濃度)を検出するガスセンサが配設されている(例えば特許文献1参照)。このようなガスセンサには、例えば、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、その固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた測定電極および基準電極と、測定電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる拡散層とを有するガスセンサ素子が内蔵されている。
特開平8−240559号公報 特開2012−93330号公報 特開2009−036608号公報
従来のガスセンサ素子においては、以下のような問題点がある。すなわち、該素子は、その外表面に排気ガスが接触するように構成されているが、内燃機関の始動時等において、排気ガス中に含まれる水蒸気が凝縮して水滴となり、その水滴が排気ガスと共に該素子に向って飛来することがある。ここで、ガスセンサ素子は、固体電解質体が活性となる高温に加熱された状態で使用される。そのため、水滴の付着により、該素子に大きな熱衝撃が加わることになり、被水割れが発生することがある。また、排気ガス中にはセンシング性能に影響を与える被毒物も含有されることがある。そこで、特許文献1や特許文献2には、該素子の外側に撥水性を有する表面保護層を設けたり、熱伝達防止と被毒物捕獲のための多孔質層を積層した酸素濃度検出器が開示されている。
しかしながら、上記文献の技術はいずれも撥水性を有する保護層を前提としているが、経時において十分に撥水性を維持できない虞がある。すなわち、表面保護層の構成粒子が排気ガス中に含有される被毒物(例えば、微粒子状酸化物)に被覆されると、その撥水性が損なわれる可能性がある。また、被毒物を捕獲するための多孔質層については、液体(例えば水)に溶解した被毒物についてはその機能は無効となる。
燃料は基本的には炭化水素で構成されるが、実際には、窒化物や水、鉱物元素、添加剤由来の金属元素など様々な不純物を含有する。これら不純物は、内燃機関での燃焼により、ガスセンサの検出性能に対して悪影響を及ぼす複合/混合化合物(被毒物)となり一般的に排気ガス中に存在する。上記、被毒物と水分とは内燃機関の排気システム上でその構造や燃焼制御、燃料性状などの要因で複雑な系を形成する。これに対して任意の複数の発明により被水と被毒の両観点を念頭においた保護層の改良が報告されているが、未だ十分な効果は実現されていない。
本発明は、係る従来の問題点を鑑みてなされたものであり、液体に溶解することによってガスセンサ素子内部に侵入する被毒物に対しても優れた耐被毒性を有し、初期のセンサ性能を維持することができるガスセンサ素子およびそれを用いたガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の第1の局面は、被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子であって、固体電解質体と、前記被測定ガスが導入される被測定ガス室と、前記被測定ガスの濃度の基準となる基準ガスが導入される基準ガス室と、前記被測定ガス室内で前記固体電解質体に接触する第1の電極と、前記基準ガス室内で前記第1の電極との間に前記固体電解質体を挟持するように前記固体電解質体に接触する第2の電極と、前記固体電解質体と接して配置され、前記被測定ガスを前記被測定ガス室に通す拡散層と、前記固体電解質体との間に前記拡散層が配置されるように前記拡散層と接して配置される遮蔽層とを備えており、前記固体電解質体と前記遮蔽層との少なくとも一方に、前記拡散層との界面側から窪む凹部が設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の局面は、前記第1の局面において、平面視で前記被測定ガス室から被測定ガス取り込み側を見たときに、前記被測定ガス室が有する被測定ガス取り込み側を見込む壁面の平面視における長さをチャンバ幅として、前記凹部のチャンバ幅方向に占める範囲がチャンバ幅の範囲Wを包含していることを特徴とする。
本発明の第3の局面は、前記第1または第2の局面において、前記凹部の壁面は前記拡散層との界面に対して垂直な形状をなすことを特徴する。
本発明の第4の局面は、前記ガスセンサ素子を備えたことを特徴とするガスセンサである。
第1および第4の局面によれば、ガスセンサ素子において、排気ガス中に含まれる溶解性の被毒物を拡散層に上層側や下層側で接する層に設けた凹部によって捕集することができるため、電極で反応する被測定ガスの雰囲気に悪影響を排除することが可能となる。これにより、被毒要因による経時劣化が生じないため、排気ガスシステムの法規上の異常の発現を防止することができる。当該防止は、消費者の不安・信頼感の確保をも含む。如いてはガスセンサ素子の機能破綻による部品交換が不必要になるため、コスト面でのメリットも非常に大きい。
第2の局面によれば、被毒物質は凹部の存在する拡散領域を通過せずに被測定ガス室に到達することが困難である。従って、被毒物が拡散層を経て被測定ガス室に到達する前に凹部で捕捉される確率が高まる。
第3の局面によれば、三相界面が形成されるため、被毒物質をトラップする効果を向上させることができる。
本発明の実施形態を示すものであり、(a)はガスセンサ素子の構成を示す透視平面図、(b)は(a)のA−A’線断面図 本発明の実施形態を示すものであり、拡散層からチャンバへの水の浸み出し挙動のシミュレーション結果を示す図 本発明の実施形態を示すものであり、(a)はテストピースの構成を示す平面図、(b)は(a)のB−B’線断面図 (a)は図3のテストピースのEPMAによる面分析結果を示す図、(b)は図3のテストピースの内部の被毒元素の析出状態を示す図 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は第1の変形例のガスセンサ素子の構成を示す透視平面図、(b)は(a)のC−C’線断面図 (a)は図5のガスセンサ素子のサイクル試験に伴うガス応答性の変化を、従来のガスセンサ素子との比較とともに示すグラフ、(b)は当該サイクル試験後のEPMA結果を示す図 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は第2の変形例のガスセンサ素子の構成を示す透視平面図、(b)は(a)のD−D’線断面図 本発明の実施形態を示すものであり、(a)は第3の変形例のガスセンサ素子の構成を示す透視平面図、(b)は(a)のE−E’線断面図
本発明の実施形態について図面を用いて説明すれば以下の通りである。
図1に、本実施形態に係るガスセンサに備えられるガスセンサ素子1の構成を示す。ガスセンサ素子1がハウジングに収めされるなどしてガスセンサが構成される。図1(a)はガスセンサ素子1の透視平面図、図1(b)はガスセンサ素子1のA−A’線断面図をそれぞれ示す。濃度が測定されるガスは例えば酸素であるが、被測定ガスは酸素以外のガスであっても良い。
ガスセンサ素子1は、保護層11、固体電解質体12、被測定ガス室13、基準ガス室14、被測定ガス側電極(第1の電極)15、基準ガス側電極(第2の電極)16、拡散層17、ヒータ基板18、ヒータ19、および、遮蔽層20を備えている。
板状のヒータ基板18、固体電解質体12、拡散層17、および、遮蔽層20がこの順に下から上に向って積層されている。被測定ガス室13は、拡散層17の固体電解質体12との界面側の中央部に、平面視で長軸の中心軸を有する矩形形状をなすような空間であって、固体電解質体12との界面側から拡散層17の内部側へ向って窪む凹状の空間として形成されている。基準ガス室14は、ヒータ基板18の固体電解質体12との界面側の中央部に、平面視で上記中心軸と同位置あるいは略同位置に長軸の中心軸を有する矩形形状をなすような空間であって、固体電解質体12との界面側からヒータ基板18の内部側へ向って窪む凹状の空間として形成されている。被測定ガス側電極15は、被測定ガス室13の中にある固体電解質体12の表面に接するように設けられている。基準ガス側電極16は、基準ガス室14の中にある固体電解質体12の表面に接するように設けられている。固体電解質体12は、被測定ガス側電極15と基準ガス側電極16とに挟持されている。図1(a)に示すように被測定ガス側電極15は長軸方向に直線的に延伸するようにガスセンサ素子1の外部に引き出されており、基準ガス側電極16も平面視で同じ方向に延伸するようにガスセンサ素子1の外部に引き出されている。
ヒータ19は、ヒータ基板18の下部側に埋め込まれている。保護層11は、上記の積層体全体の外周を覆うように設けられている。図示しないが、保護層11の、被測定ガス側電極15および基準ガス側電極16と交差しない側の2つの側面に、矢印u、vで示すように拡散層17に被測定ガスを含むガスを取り込むための窓が設けられている。当該窓が設けられている部分の保護層11の側面は、被測定ガスを含むガスが供給される上流側を見込むことができるようにテーパ形状にトリミングされている。
固体電解質体12は、例えば、ジルコニア(ZrO)にイットリア(Y)等が配合された安定化ジルコニア(YSZ)からなる。保護層11、拡散層17、ヒータ基板18、および、遮蔽層20は、例えばアルミナ(Al)からなる。被測定ガス側電極15および基準ガス側電極16は、例えば白金(Pt)からなる。拡散層17は多孔質体として形成されている。
また、固体電解質体12の拡散層17との界面側には、当該界面側から固体電解質体12の内部側に向って窪む凹部12aが1つ以上設けられている。遮蔽層20の拡散層17との界面側には、当該界面側から遮蔽層20の内部側に向って窪む凹部20aが1つ以上設けられている。例えば、凹部12aは固体電解質体12の拡散層17との界面に対する接続面が当該界面に直交するように、また、凹部20aは、遮蔽層20の拡散層17との界面に対する接続面が当該界面に直交するように、それぞれ形成されている。例えば、図1(a)に示されているように、凹部12aおよび凹部20aは、平面視で被測定ガス室13の周囲を取り囲むように設けられている。また、例えば、凹部12aと凹部20aとは、平面視で互いに重ならないように設けられている。
このような構成のガスセンサ素子1を作製するにあたり、凹部12a、20aは、焼成前の固体電解質体12、遮蔽層20のシート形成時に切り込みを入れておき、後は通常の積層工程を経て焼成することにより形成した。当該通常の積層工程では、保護層11以外の積層構成全体を焼成し、その後に焼成された積層構成の外側に保護層11のディッピングを行ってより低温の焼成を行った。
次に、上記構成のガスセンサ素子1の動作について説明する。
ガスセンサ素子1は例えば車両の排気ガス通路に流れる排気ガスに晒されるように配置されている。保護層11は、熱衝撃からの防護を行ったり雰囲気中の不要粒子をトラップするなどして、ガスセンサ素子1の内部を周囲の排気ガスから保護している。被測定ガスを含むガスとしての排気は保護層11の窓から拡散層17に取り込まれる。拡散層17は多孔質体となっていることで抵抗層として機能する。排気ガス中には溶解性の被毒成分を含有した溶液が含まれ得るが、被測定ガスは多孔質体を通過して被測定ガス室に向う一方、被毒成分を含有した溶液は拡散層17を浸透していくにつれ、毛細管現象によって凹部12aや凹部20aへと導かれる。
一方、ヒータ基板18はヒータ19による加熱によって被測定ガス側電極15および基準ガス側電極16の周辺を昇温している。被測定ガスが被測定ガス側電極15に接触し、例えば大気からなる基準ガスが基準ガス側電極16に接触すると、被測定ガスと基準ガスとの酸素濃度の差に応じた電流が、固体電解質体12を介して被測定ガス側電極15と基準ガス側電極16との間に流れることから、被測定ガスの酸素濃度が検出される。
次に、被毒成分を含有した溶液が拡散層を通って凹部に導かれる様子を説明する。図2は、拡散層に注入した水のチャンバ空間に対する挙動シミュレーション結果である。シミュレーションは、アルミナのバルク体上に拡散層が設けられ、当該バルク体中に凹部としてのチャンバ(図2でバルク体の水平外側の空間をチャンバとしている)が設けられた構造をモデル化して行った。チャンバの壁面はバルク体の上面と直交しており、これは、凹部の設けられた層の拡散層との界面に対する凹部の接続面が当該界面に直交することに相当している。
図2中でドットを施した部分は水分量の多い箇所であり、水分が拡散層の多孔質体を浸透してチャンバの壁面に十分に到達していることが分かる。注入された水分は毛細管現象により拡散層の多孔質空間に吸い込まれるが、チャンバの壁面がバルク体の上面に直交していることで、当該多孔質空間からチャンバという開放空間へ向けて水分を吐き出すベクトル成分が非常に大きくなる。これにより、水分は拡散層からチャンバへと吐き出されるように壁面を伝って浸み出していく。このチャンバへの水分の浸み出し効果は、上述のようにチャンバの壁面(従って、凹部の前記接続面)がバルク体の上面(従って、前記界面)に対してなす角度が90度に近いほど大きい。このチャンバの壁面への到達に水分の重力による影響は無いため、チャンバが拡散層の上方など、拡散層の下方以外の場所に存在する場合にも同じシミュレーション結果が得られる。チャンバ壁面において矢印の向きに次第に水分量が減少していく。この結果、拡散層の水はチャンバ空間に浸み出し、チャンバ壁面を伝って広がっていくことを確認することができた。
次に、前記凹部が設けられたことの効果の検証について説明する。
図3に、凹部の効果を検証するために用いたテストピース21の構成を示す。図3(a)はテストピース21の平面図を、図3(b)はテストピース21のB−B’線断面図をそれぞれ示す。
テストピース21は、アルミナ層22、アルミナ層23、拡散層24、および、アルミナ層25がこの順に下から上に向って積層された構成を有している。アルミナ層23中に凹部からなるチャンバ26が設けられている。チャンバ26は、下層側でアルミナ層22と、上層側で拡散層24とそれぞれ接している。これにより、チャンバ26の壁面はアルミナ層23の側壁により、チャンバ26の底面はアルミナ層22の上面により、それぞれ構成されている。
大気中で、図3(b)に示すようにテストピース21に拡散層24の側面から被毒元素イオン含有水を滴下して乾燥させるサイクルを1サイクルとし、当該サイクルを複数回繰り返すサイクル試験(加速試験)を行った。図4(a)に、サイクル数の増加とともにチャンバ26に被毒元素30が析出されていく様子をEPMA(Electron Probe MicroAnalyser:電子線マイクロアナライザ)による面分析結果で示す。この結果、最初は一点鎖線で囲むチャンバ26の底部上の領域に被毒元素30はほとんど析出されていなかったものが、サイクルを重ねるにつれて被毒元素30の析出が進むことが確認された。
図4(b)に、サイクル試験後の被毒元素30の析出状態を電子顕微鏡(SEM)写真で示す。被毒元素30はチャンバ端部に顕著に析出した。また、図4(a)、(b)の結果は、テストピース21が上下のいずれを向いていても、また、鉛直方向に対して傾斜していても、これらの向きとは無関係に得られた。
このように、本実施形態に係るガスセンサ素子1によれば、排気ガス中に含まれる溶解性の被毒物を、拡散層に上層側や下層側で接する層、すなわち、拡散層17が互いの間に配置されるように拡散層17に接する遮蔽層20および固体電解質体12、の少なくとも一方に設けた凹部によって捕集することができる。これにより、電極で反応する被測定ガスの雰囲気に与える悪影響を排除することが可能となる。すなわち、排気ガス中の被毒物や保護層11に付着した被毒物は、ガスセンサ素子1の周囲の環境から供給される水分に溶解して拡散層17に毛細管現象で浸透し、開放空間としての凹部12a、20aに捕捉されて滞留するので、保護層11の表面から拡散層17の内部にかけて被毒物が溜まったり、被測定ガス室13に到達して被測定ガス電極を汚損するなど測定環境を阻害したりすることはない。これにより、被毒要因による経時劣化が生じないため、排気ガスシステムの法規上で規定される異常の発現を防止することができる。当該防止は、消費者の不安・信頼感の確保をも含む。如いてはガスセンサ素子の機能破綻による部品交換が不必要になるため、コスト面でのメリットも非常に大きい。さらに、被毒物の凹部内面への付着による蓄積量は凹部体積と比較して十分に小さいので、被毒物の過度の蓄積によってガスセンサのライフサイクルを短縮してしまうようなこともない。
なお、図1のガスセンサ素子1において、凹部12aと凹部20aとのうちいずれか一方の凹部が設けられていても良い。また、拡散層17には、例えば図1の矢印u側の取り込み経路と矢印v側の取り込み経路との2つの経路があるように、複数のガス拡散経路がそれぞれ分離されて設けられることが可能であるが、各ガス拡散経路につき1つ以上の凹部が設けられていると、拡散層17を浸透する被毒物を万遍なく滞留させることができる。
図5(a)、(b)に、第1の変形例のガスセンサ素子2の構成を示す。ガスセンサ素子2について、図1のガスセンサ素子1と同等の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ガスセンサ素子2は、凹部として固体電解質体12の拡散層17側に設けられた短冊状の凹部12bが、被測定ガス室13よりも2つの排気ガス取り込み側のそれぞれに配置された構成である。すなわち、被測定ガス室13の一方の排気ガス取り込み側を向くチャンバ側壁13a側から被測定ガス室13へと向うガス拡散経路(すなわち矢印u側の取り込み経路)に対応した凹部12bと、被測定ガス室13の他方の排気ガス取り込み側を向くチャンバ側壁13b側から被測定ガス室13へと向うガス拡散経路(すなわち矢印v側の取り込み経路)に対応した凹部12bとが設けられている。その他の構成はガスセンサ素子1と同等である。
図5(a)に示すように、凹部12bは、例えば被測定ガス室13の排気ガス取り込み側を向くチャンバ側壁13a、13bと平行あるいは略平行に設けられている。ガスセンサ素子2には、被測定ガス室13のチャンバ側壁13a、13bと直交する側の側壁の外側には凹部が設けられていない。しかし、平面視で被測定ガス室13から排気ガス取り込み側を見たときに、凹部12bのチャンバ側壁13a、13bと平行な範囲Lは、被測定ガス室13のチャンバ幅方向の範囲Wを包含している。すなわち、平面視で被測定ガス室13から被測定ガス取り込み側を見たときに、被測定ガス室13が有する被測定ガス取り込み側を見込む壁面の平面視における長さをチャンバ幅として、凹部12bの当該チャンバ幅方向の長さは、凹部12bの当該チャンバ幅方向に占める範囲Lが当該チャンバ幅の範囲Wを包含するように、被測定ガス室13のチャンバ幅よりも大きい。このとき、排気ガス取り込み方向は、同じ平面視で平面上に存在する。範囲Lが範囲Wを包含していると、被測定ガス室13にチャンバ側壁13a、13bと直交する側から回り込んで浸透する被毒物もほとんどなく、被毒物質は凹部12bの存在する拡散領域を通過せずに被測定ガス室13に到達することが困難である。従って、被毒物が拡散層を経て被測定ガス室13に到達する前に凹部12bで捕捉される確率が高まる。図1のガスセンサ素子1では、必然的に範囲Lが範囲Wを包含するように凹部12a、20aが配置されている。範囲Lが範囲Wを包含していない場合でも、範囲Lが範囲Wと略同等の範囲であれば、凹部12bによる被毒物の捕捉確率が高まる効果は得られる。
また、図5において、矢印u側の取り込み経路と矢印v側の取り込み経路とのそれぞれに対して、2つ以上の凹部12bが設けられていても良い。その場合に、各取り込み経路での各凹部12bの平面視におけるチャンバ側壁13a、13bと平行な範囲が、被測定ガス室13から各ガス取り込み側を見たときに、当該平行な方向に連続することにより合計の範囲L(後述の図7(a)、図8(a)の合計の範囲Lと同様の考え方)を構成しており、かつ、範囲Lが範囲Wを包含していれば、同様に凹部12bによる被毒物の捕捉確率が高まる。
また、図5には、凹部12bの壁面が拡散層17との界面に対して垂直になる形状を示した。これにより、三相界面が形成されるため、被毒物質をトラップする効果を向上させることができる。
上記の構成のガスセンサ素子2について、耐被毒性に対する効果の検証を行った。検証においては、前述のテストピース21と同様に被毒物を溶解した水溶液を、チャンバ長軸方向の中央部に位置する拡散層17の部位に素子外側からマイクロシリンジを用いて接触(注入)させて乾燥させるサイクルを複数回繰り返すサイクル試験(加速試験)を行った。
5サイクルを実施したサイクル試験について、サイクル毎のガス応答性変化を図6(a)に示す。図6(a)の上段に凹部の存在しない従来のガスセンサ素子のガス応答性Mを示し、下段にガスセンサ素子2のガス応答性Nを示す。横軸は時間であり、縦軸が測定ガス検出濃度である。ガス応答性Mでは、サイクルを重ねるにつれ応答遅延が進行して応答波形が崩れていくのに対して、ガス応答性Nでは、サイクル数に関わらず、安定して急峻なガス応答性を示している。この結果から、ガスセンサ素子2の構造は被毒物を十分に捕獲し、センサ特性の維持に有効であることが確認できた。
また、図6(b)に、サイクル試験後のEPMAによる面分析結果を示す。当該分析結果では被毒元素30の析出が明瞭に確認され、該結果はガスセンサ素子2による被毒物の良好な捕獲を支持している。
図7に、第2の変形例のガスセンサ素子3の構成を示す。ガスセンサ素子3について、図1のガスセンサ素子1と同等の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ガスセンサ素子3は、凹部として固体電解質体12の拡散層17側に設けられた凹部12cが、平面視で被測定ガス室13の周囲に配置された構成である。
矢印u側の取り込み経路と矢印v側の取り込み経路とのそれぞれに対応して、各凹部12cの平面視におけるチャンバ側壁13a、13bと平行な範囲tが、被測定ガス室13から各ガス取り込み側を見たときに、当該平行な方向に連続することにより合計の範囲Lを構成しており、かつ、範囲Lが範囲Wを包含している。
図7には、凹部12cの壁面が固体電解質体12の拡散層17との界面に対してなす角度が90度あるいは90度に近い例を示した。
図8に、第3の変形例のガスセンサ素子4の構成を示す。ガスセンサ素子4について、図1のガスセンサ素子1と同等の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
ガスセンサ素子4は、凹部として固体電解質体12の拡散層17側に設けられた凹部12dが、平面視で被測定ガス室13の周囲に配置された構成である。
矢印u側の取り込み経路と矢印v側の取り込み経路とのそれぞれに対応して、各凹部12dの平面視におけるチャンバ側壁13a、13bと平行な範囲tが、被測定ガス室13から各ガス取り込み側を見たときに、当該平行な方向に連続することにより合計の範囲Lを構成しており、かつ、範囲Lが範囲Wを包含している。
本発明は、車両の排気系における燃焼制御に用いるガスセンサ等に適用可能である。
1、2、3、4 ガスセンサ素子
12 固体電解質体
13 被測定ガス室
14 基準ガス室
15 被測定ガス側電極(第1の電極)
16 基準ガス側電極(第2の電極)
17 拡散層
20 遮蔽層
12a、20a、20b、20c、20d 凹部
L 直線距離の合計
W チャンバ幅

Claims (3)

  1. 被測定ガスの濃度を検出するガスセンサ素子であって、
    固体電解質体と、前記被測定ガスが導入される被測定ガス室と、前記被測定ガスの濃度の基準となる基準ガスが導入される基準ガス室と、前記被測定ガス室内で前記固体電解質体に接触する第1の電極と、前記基準ガス室内で前記第1の電極との間に前記固体電解質体を挟持するように前記固体電解質体に接触する第2の電極と、前記固体電解質体と接して配置され、前記被測定ガスを前記被測定ガス室に通す拡散層と、前記固体電解質体との間に前記拡散層が配置されるように前記拡散層と接して配置される遮蔽層とを備えており、
    前記固体電解質体と前記遮蔽層との少なくとも一方に、前記拡散層との界面側から窪む凹部が設けられており、
    平面視で前記被測定ガス室から被測定ガス取り込み側を見たときに、前記被測定ガス室が有する被測定ガス取り込み側を見込む壁面の平面視における長さをチャンバ幅として、前記凹部のチャンバ幅方向に占める範囲がチャンバ幅の範囲Wを包含していることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記凹部の壁面は前記拡散層との界面に対して垂直な形状をなすことを特徴する請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 請求項1または2に記載のガスセンサ素子を備えたことを特徴とするガスセンサ。
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