JP2008157649A - 積層型ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 クラックの発生を回避し、信頼性の高い積層型ガスセンサを提供する。
【解決手段】 固体電解質層11と、固体電解質層11の上面に形成された測定電極21と下面に形成された基準電極22と、固体電解質層11の測定電極21側に接合用中間層13を介して積層される被測定ガス拡散層14と、固体電解質層11の基準電極22側に積層される基準ガス導入室形成層13とを備えた積層型ガスセンサ1の接合用中間層13に設けられる被測定ガス室130と、基準ガス導入室形成層12に設けられる基準ガス導入室120とを、固体電解質層11を挟んで対向する位置に設け、接合用中間層13を、被測定ガス室側壁131において、少なくとも基準ガス導入室側壁121の長手方向に位置する2面から非直線状に、かつ、基準ガス導入室側壁121の位置よりも内方に張り出して形成される応力分散領域132を幅(H)の大きさで設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば自動車の排ガス中の特定ガス成分を検出する酸素センサやNOxセンサ等の積層型ガスセンサに関するものである。
大気汚染防止のため、自動車エンジン等からの排ガスに対する規制が年々厳しくなっている。排ガス中の有害成分を低減する手段として、排ガス流路内に特定ガス成分の濃度を検出する濃度検出素子を設け、エンジンの燃焼制御により排ガス中の有害成分の発生を抑制するシステムや、排ガス中の酸素濃度や窒素酸化物(NOx)濃度等からエンジンの燃焼状態を知り、燃料噴射や空燃比等の制御にフィードバックするシステム等が用いられている。
この様な濃度検出素子として、その活性時間の早さ、高機能化の容易さ等から、従来のコップ型ガスセンサに変わり、センサ部と加熱用ヒータ部とを一体化した積層型ガスセンサが広く用いられるようになってきた。
例えば特許文献1には、拡散抵抗部を経由して素子外部から被測定ガスを導入する被測定ガス室と、酸素イオン導電性の固体電解質板に上記被測定ガス室において被測定ガスと接触するよう設けた測定電極と、該測定電極と一対となって電気化学セルを形成するよう上記固体電解質板に設けた基準電極とを有する積層型ガスセンサが開示されている。
特開2004−333205号公報
図9に示す積層型ガスセンサ1Bは、センサ部20Bと加熱用ヒータ部19とが積層され、一体的に焼成されている。
センサ部20Bは、例えば部分安定化ジルコニア等からなるシート状の固体電解質層11と、アルミナ等からなる多孔質のシート状のガス拡散層14と、アルミナ等からなるシート状であって、基準ガス導入室120となる溝部が設けられた略U字形の基準ガス室形成層12とによって構成されている。
固体電解質層11の上面111には、測定電極21と、測定リード部211を介して測定電極21と導通する測定電極端子212と、基準電極端子224とが印刷等により形成され、固体電解質層11の下面112には、基準電極22と基準電極22と導通する基準リード部221、222とが印刷等により形成され、スルーホール223を介して、上記基準電極端子224に導通している。
更に、固体電解質層11の上面111側は、被測定ガス室130Bとなる空間部の形成された接合用中間層13Bを介してガス拡散層14と接合され、下面112側は基準ガス導入室形成層13と接合されている。
ヒータ部19は発熱体191と発熱体191に導通する一対のヒータリード部192が印刷等により形成されたアルミナ等からなるシート状のヒータ基板190によって構成され、ヒータ基板190の下面195には、ヒータ用端子194が形成されスルーホール電極193を介してヒータリード部192と導通している。
ところで、積層型ガスセンサ1Bのように固体電解質層11の上下に被測定ガス室130Bや基準ガス導入室120等の空間が形成されていると、固体電解質層11のこれらの空間に挟まれた部位は他の部位に比べて強度が低くなり、焼成、冷却の過程で固体電解質層11の内部にクラックが発生する虞があることが判明した。
図8(a)は積層型ガスセンサ1Bのクラック発生位置を示す断面図、(b)は、図8(a)中A−A矢視平面におけるクラックの発生位置を示す一部省略平面図である。固体電解質層11の内部には、接合用中間層13Bに形成された被測定ガス室130の長手方向の被測定ガス室側壁131と基準ガス導入室120の長手方向の基準ガス導入室側壁131とで挟まれた位置に、クラック若しくはクラックの元となる歪みが極まれに発生することがある。
このようなクラックの存在は、外部からの発見が困難で、センサの信頼性を著しく損なうものであり、極まれに発生するものであっても、製造工程において確実に防止する必要がある。
特に、積層型ガスセンサを自動車の排ガス中の酸素濃度センサ等として使用した場合、500℃以上の高温に急速加熱されるため、万一センサ素子内にクラックが存在すると、熱ストレスによりクラックが進行し、センサ素子の破壊に至る虞もある。
そこで、本発明はかかる実情に鑑み、積層型ガスセンサの製造工程における固体電解質層内部のクラック発生を防止し、信頼性の高い積層型ガスセンサを提供することを目的とするものである。
請求項1の発明では、シート状の固体電解質層と、該固体電解質層の一方の表面に設けられる測定電極と他方の表面に設けられる基準電極と、固体電解質層の測定電極側に接合用中間層を介して積層される被測定ガス拡散層と、固体電解質層の基準電極側に積層される基準ガス導入室形成層とを備え、固体電解質層と被測定ガス拡散層と基準ガス導入室形成層とが一体的に焼成された積層型ガスセンサにおいて、
接合用中間層に設けられる被測定ガス室となる空間部と、基準ガス導入室形成層に設けられる基準ガス導入室となる溝部とを、固体電解質層を挟んで対向する位置に設け、
接合用中間層を、被測定ガス室の側壁となる上記空間部との境界面において、少なくとも基準ガス導入室の側壁となる溝部の長手方向に位置する2面から非直線状に、かつ、上記基準ガス導入室の側壁の位置よりも内方に張り出して形成される応力分散領域を具備する。
焼成時に固体電解質層には、接合用中間層の焼成収縮による引っ張り応力と固体電解質層の上下に空間が形成され基準ガス導入室側壁に支持された部分の質量と測定電極の質量と基準電極との質量による曲げモーメントとのが働く。
請求項1の発明によれば、被測定ガス室の側壁の一部を応力分散領域として基準ガス導入室側壁の位置よりも内側に張り出して形成するので、上記焼成収縮による引っ張り応力と上記重力による曲げモーメントとの発生位置をずらして、応力の集中を避けることができる。従って、焼成時に上記固体電解質層に働く剪断力が弱められクラックの発生が防止される。その結果、積層型ガスセンサの信頼性を向上することができる。
請求項2の発明では、上記空間部は略矩形で、その長辺方向の上記境界面は、上記固体電解質表面と平行な水平断面が山形、波形、矩形のいずれが周期的に繰り返される凹凸形状の応力分散領域となる。
請求項2の発明によれば、上記接合用中間層の焼成収縮による引っ張り応力が上記固体電解質層表面に一直線状に集中して働くこと無く、効率的に応力分散され、クラックの発生を予防できる。従って、積層型ガスセンサの信頼性を更に向上することできる。
請求項3の発明では、上記応力分散領域の幅Hと上記被測定ガス室側壁の直線距離aと上記凹凸形状の繰り返し周期nとの関係が
0.2a/n<H<2.5a/n、かつ1≦n≦50である。
クラックの発生率を低減するためには上記応力分散領域の幅を広くするのが良い。ただし、上記応力分散領域の幅が上記範囲よりも広い場合は、上記測定電極の面積が小さくなり内部抵抗が増大する。従って、センサとしての応答性を維持するために、上記固体電解質層の幅を広くして、上記測定電極の有効な面積を確保すると、熱容量が増大し、活性化に要する加熱時間が長くなり応答性の低下を招く虞がある。また、上記応力分散領域の幅が上記範囲よりも狭い場合は、応力分散効果が得られない。
従って、請求項3の発明によれば、上記測定電極の面積を縮小することなくもっとも有効な応力分散効果を発揮することができる。よって、積層型ガスセンサの信頼性を更に向上することできる。
以下に本発明の第1の実施形態について図1、2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ1の構成を示す展開斜視図である。図2(a)は、本発明の適用された積層型ガスセンサ1の断面図、(b)は、本発明の要部である接合用中間層の形状を示す図1(a)中A−A断面における矢視平面図である。
図1に示すように、積層型ガスセンサ1は、センサ部20と加熱用ヒータ部19とが積層され、一体的に焼成されている。
センサ部20は、例えば部分安定化ジルコニア等からなるシート状の固体電解質層11と、アルミナ等からなる多孔質のシート状のガス拡散層14と、アルミナ等からなるシート状であって、基準ガス導入室120となる溝部が設けられた略U字形の基準ガス室形成層12とによって構成されている。
固体電解質層11の上面111には、測定電極21と、測定リード部211を介して測定電極21と導通する測定電極端子212と、基準電極端子224とが印刷等により形成され、固体電解質層11の下面112には、基準電極22と基準電極22と導通する基準リード部221、222とが印刷等により形成され、スルーホール223を介して、上記基準電極端子224に導通している。
更に、固体電解質層11の上面111側は、被測定ガス室130の形成された接合用中間層13を介してガス拡散層14と接合され、下面112側は基準ガス導入室形成層13と接合されている。
被測定ガス室130の長手方向の被測定ガス室側壁131は山形のジグザグ形状に形成されている。
ヒータ部19は発熱体191と発熱体191に導通する一対のヒータリード部192が印刷等により形成されたアルミナ等からなるシート状のヒータ基板190によって構成され、ヒータ基板190の下面195には、ヒータ用端子194が形成されスルーホール電極193を介してヒータリード部192と導通している。
以下に、図2を参照して、本発明の第1の実施形態における要部である接合用中間層13について更に詳述する。
図2(a)に示すように、上記接合用中間層13には被測定ガス室130となる空間部が形成され、基準ガス導入室形成層12には基準ガス導入室120となる溝部とが固体電解質層11を挟んで対向する位置に形成されている。
接合用中間層13は、上記空間部との境界面即ち基準ガス室側壁131は、上記溝部の長手方向に位置する2面即ち基準ガス導入室120の位置から基準ガス導入室側壁120の位置よりも内方に張り出した応力分散領域132を具備する。
図2(b)に示すように応力分散領域132は、高さ133の山形が複数連なって凹凸状に形成されている。
以下に本発明の積層型ガスセンサ1の製造方法について簡単に説明する。
固体電解質層11は、例えばイットリア安定化ジルコニアを、焼結助剤とポリビニルブチラール(PVB)等の結合材とジブチルフタレート(DBP)等の可塑剤とともに有機溶剤等の溶媒に分散させたスラリーをドクターブレード法により所定の板厚のシート状に成形、乾燥した後、所定の大きさの長方形に加工するとともに基準電極用リード部221、222と基準電極端子224とを導通するスルーホール電極223を形成するためのスルーホールを穿設することによって得られる。
白金ペーストに上記固体電解質用のスラリーを添加したものを用いて、固体電解質層11の上面111に測定電極21と測定リード部211と測定電極端子212と基準電極端子224とスルーホール電極223とを印刷形成し、固体電解質層11の下面112に基準電極22と基準リード部221、222とを印刷形成する。
基準ガス導入室形成層12は、例えばアルミナ等と焼結助剤と結合材と可塑剤とともに有機溶剤等の溶媒に分散させたスラリーをドクターブレード法により所定の板厚の絶縁性アルミナグリーンシートとし、当該絶縁性アルミナグリーンシートを複数枚積層し、基準ガス導入室120となる長方形の溝部を有する略U字形に形成することによって得られる。
ヒータ基板190は上記絶縁性アルミナグリーンシートと同じ材料、同じ製法にて、所定の板厚のシート状に形成し、所定の大きさの長方形に形成するとともに、ヒータリード部192とヒータ端子194とを導通するスルーホール電極193を設けるためのスルーホールが穿設されることによって得られる。
ヒータ基板190に、例えば上記アルミナスラリーを添加した白金ペーストを用いて、一方の表面に発熱体191とヒータリード部192を印刷形成し、他方の面にヒータ端子194を印刷形成し、ヒータリード部192とヒータ端子194とを導通すべくスルーホール電極193を吸引印刷等により形成し、ヒータ部19とする。
測定ガス拡散層14は絶縁性アルミナグリーンシートに用いたアルミナよりも大きい粒径のアルミナ等を用いて、結合材と可塑剤とともに溶媒に分散させたスラリーをドクターブレード法によりシート状に成形、乾燥し、所定の板厚の拡散層用アルミナグリーンシートをとし、これを所定の大きさに形成することによって得られる。
測定電極21が形成された固体電解質層11はその上面111に上記固体電解質用スラリーよりも結合材を多く含み粘着性のある接合用中間層用ペーストを用いて測定ガス室130となる空間を有する接合用中間層13を印刷形成し、
その粘着性を利用して測定ガス拡散層14を接着積層する。
接合用中間層用ペーストには、上記固体電解質用スラリーに結合材を加えたものを用いても良いし、上記固体電解質用スラリーと上記被測定ガス拡散層用スラリーとの混合物に結合材を加えたもの等を用いても良い。
固体電解質層11の下面112側に、基準ガス導入室形成層12を積層し、センサ部20とする。センサ部20とヒータ部19とを加熱圧着または接合用ペーストを用いた接着等により密着一体化し、これを乾燥、脱脂、焼成する。
焼成により固体電解質層11と被測定ガス拡散層14と基準ガス導入層12とヒータ部19とが一体の焼結体となった積層型ガスセンサ1が得られる。
センサ部20の測定電極端子212と基準電極端子224とには、図略の電位差計等が接続される。
ヒータ部19のヒータ用端子194には、図略の電子制御装置によって通電制御される電源が接続され、発熱体191への通電によって、センサ部20を所定温度に加熱し活性化する。
例えば自動車排気ガス等の被測定ガスの測定に際して、積層型ガスセンサ1の被測定ガス拡散層14側を被測定ガス中に置き、基準ガス導入室120の入り口を大気内に置く測定電極21は被測定ガス拡散層14を介して被測定ガスに晒され、基準電極22は上記入り口から基準ガス導入室120に導入された基準ガス(大気)に晒される。
固体電解質層11は酸素イオン導電性が有り、被測定ガス中の酸素濃度と基準ガス中の酸素濃度との差によって測定電極21と基準電極22との間に電位差を生じ、これを電位差計等によって測定することによって被測定ガス中の酸素濃度を知ることができる。
ここで、図3を参照して推定される従来の構造におけるクラックの発生原因について説明する。
図3(a)に示すように、従来の積層型ガスセンサ1Bでは、接合用中間層13Bの長手方向の側面を形成する被測定ガス室側壁131Bは、固体電解質層11を挟んで基準ガス導入室12の長手方向の基準ガス導入室側壁121と対向する位置に形成されている。
また、固体電解質層11は、下面側に基準ガス導入室120が形成されている。従って、固体電解質層11の中空に支持された部分には、固体電解質層11自身の質量に加え、測定電極21と基準電極22との質量によって、基準ガス導入室側壁121を支点として重力による曲げモーメントが基準ガス導入室120の内側に向かって働く。
焼成時に、積層型ガスセンサ1B全体の平面方向の焼成収縮は積層型ガスセンサ1Bの中心に向かって進行するが、被測定ガス室側壁131Bは、被測定ガス室120の外側に向かって焼成収縮する。
加えて、接合用中間層13Bには、上述したように粘着性を持たせるために、結合材を多く含んだペーストが用いられるので、焼成時の収縮率が大きい。
このため、固体電解質層11の被測定ガス室側壁131Bと接する部分には、接合用中間層13Bの焼成収縮による外向きの引っ張り力と上記曲げモーメントによる内向きの引っ張り力とが働く。
この結果、図3(b)に示すように、固体電解質層11の接合用中間層131Bと基準ガス導入室側壁121とで挟まれた部分に応力集中が起こり、クラックが発生すると考えられる。
次いで図4を参照して本発明の効果について説明する。
図4(a)に示すように、本発明の積層型ガスセンサ1においては、接合用中間層13の長手方向の側面を形成する被測定ガス室側壁131の少なくとも一部は、固体電解質層11を挟んで基準ガス導入室12の長手方向の基準ガス導入室側壁121よりも被測定ガス室の内側の位置に形成されている。
従来と同様固体電解質層11には、曲げモーメントによる内向きの引っ張り力が働く。しかし、被測定ガス室側壁131が、基準ガス導入室側壁121よりも被測定ガス室の内側の位置に形成されているので、接合用中間層13の焼成収縮による外向きの引っ張り力と曲げモーメントによる引っ張り力とが打ち消し合う。
従って本発明によれば、従来の工程を大きく変えることなく簡単にクラックの発生を防止できる。
さらに、図4(b)に示すように、被測定ガス室側壁131は、山形が周期的に繰り返された形状をしているために応力が分散する。
従って、固体電解質層11の基準ガス導入室側壁121と被測定ガス室側壁131とで挟まれた部分のクラックの発生が更に低減できる。
本発明の要部である接合用中間層の形状のみを他の実施形態とともに、図5(a)〜(c)に示す。
図5(a)は、上述した本発明の第1の実施形態であり、被測定ガス室側壁131は山形の凹凸が繰り返される断面形状をしている。
図5(b)に示すように、被測定ガス室側壁131は波形の凹凸が繰り返される断面形状としても良い。
また、図5(c)に示すように、被測定ガス室側壁131は矩形の凹凸が繰り返される断面形状としても良い。
図5(a)〜(c)のいずれの場合も、応力分散領域132の幅H(133)と被測定ガス室側壁131の直線距離aと凹凸形状の繰り返し周期nとの関係は、0.2a/n<H<2.5a/n、かつ1≦n≦50を満たす。このとき、被測定ガス室側壁131の凹凸面総長さbとすると1.1a≦b≦5aの関係となる。
固体電解質層のクラックの発生率を低減するためには応力分散領域132の幅H(133)を広くするのが良い。
ただし、応力分散領域132の幅H(133)が上記範囲よりも広い場合は、被測定ガス室130の容積が狭くなり、測定電極の面積を小さくしなければならなくなる。測定電極の面積を小さくすると内部抵抗が増大する。
従って、センサとしての応答性を維持するために、固体電解質層の幅を広くして、測定電極の有効な面積を確保すると、固体電解質層の熱容量が増大し、活性化に要する加熱時間が長くなりガスセンサとしての応答性の低下を招く虞がある。また、応力分散領域132の幅H(133)が上記範囲よりも狭い場合は、被測定ガス室側壁131が、ほぼ直線状に形成されているのと変わらず応力分散効果が得られない。
表1並びに図6に本発明の効果についての試験結果を比較例とともに記す。
比較例1として従来の構造の積層型ガスセンサ1Bについて焼成割れ発生率を調査し、比較例2として応力分散領域132の幅Hを0.32mmに設定し、凹凸の周期nを10とした場合(b=1.05a)の焼成割れの発生率を調査し、実施例1として応力分散領域132の幅を0.46mmに設定し、凹凸の周期nを10とした場合(b=1.1a)の焼成割れの発生率を調査し、実施例2として、応力分散領域132の幅Hを0.56mmに設定し、凹凸の周期nを20とした場合(b=1.5a)の焼成割れの発生率を調査し、実施例3として応力分散領域132の幅Hを0.87mmに設定し、凹凸の周期nを20とした場合(b=2a)の焼成割れの発生率を調査した。
図6に示すように、比較例1における焼成割れ発生率を1とした場合、比較例2では僅かにクラック低減効果が見られたものの、大きな効果は得られなかった。実施例1では比較例1の4割程度のクラック発生率に低減ができた。
実施例2、3と応力分散領域132の幅H(133)を徐々に広げていくと更にクラックの発生率は低減した。
なお、当然のことながら、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、図7(a)に示すように、被測定ガス拡散層14を更にガス遮蔽層15で覆い、拡散抵抗を大きくした限界電流式ガスセンサにおいても、被測定ガス拡散層14と固体電解質層11との接合を行う接合用中間層13にも本発明が適宜採用でき、同様の効果が期待できる。
また、本発明の実施形態においては、積層型ガスセンサとして1セルのみからなる酸素濃度センサを例に挙げて説明をしたが、図7(b)に示すような第1の固体電解質層11に加え、電極31、32とピンホール160とを設けた第2の固体電解質層16により酸素ポンプを形成し、測定精度を向上した複数のセルによって構成される酸素センサやNOxセンサ等においても、上下に空間部の形成された固定電解質層のクラック発生を防止するのに好適である。
当然のことながら、本発明は、積層型ガスセンサの焼成クラック防止において特に好適なものであるが、積層型ガスセンサ以外のセラミック積層体であって、上下に空間部の形成されたセラミック積層体において、接合用中間層を介して接着積層される場合に適宜採用し得るものである。また、接合用中間層が複数も受けられる場合であっても、適宜採用し得るものである。
本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ1の構成を示す展開斜視図。 (a)は、本発明の適用された積層型ガスセンサ1の断面図、(b)は、本発明の要部である接合用中間層の形状を示す本図中A−A断面における矢視平面図。 (a)は、従来の積層型ガスセンサの焼成時に発生する応力集中を示す要部断面模式図、(b)は、従来の積層型ガスセンサの焼成後に発生するクラックを示す要部断面模式図。 (a)は、本発明の第1の実施形態における焼成時に発生する応力分散状況を示す要部断面模式図、(b)は、接合用中間層の焼成収縮の引っ張り力が分散する様子を示す模式図。 (a)は、山形に形成した接合用中間層の平面図、(b)は、波形に形成した接合用中間層の平面図、(c)は矩形に形成した接合用中間層の平面図。 本発明の効果を示す焼成割れ発生率比較図。 (a)は、遮蔽層を設けた実施形態の断面図、(b)は、複数セルを設けた実施形態の断面図。 (a)は従来の積層型ガスセンサの構造およびクラックの発生位置を示す断面図。(b)は本図中A−A断面における矢視図。 従来の積層型ガスセンサの構成例を示す展開斜視図。
符号の説明
1 積層型ガスセンサ
11 固体電解質層
21 測定電極
22 基準電極
12 基準ガス導入室形成層
120 基準ガス導入室(溝部)
121 基準ガス導入室側壁
13 接合用中間層
130 被測定ガス室(空間部)
131 被測定ガス室側壁
132 応力分散領域
133 応力分散領域の幅(H)
14 被測定ガス拡散層

Claims (3)

  1. シート状の固体電解質層と、
    該固体電解質層の一方の表面に設けられる測定電極と他方の表面に設けられる基準電極と、
    上記固体電解質層の上記測定電極側に接合用中間層を介して積層される被測定ガス拡散層と、
    上記固体電解質層の上記基準電極側に積層される基準ガス導入室形成層とを備え、
    上記固体電解質層と上記被測定ガス拡散層と上記基準ガス導入室形成層とが一体的に焼成された積層型ガスセンサにおいて、
    上記接合用中間層に設けられる被測定ガス室となる空間部と、上記基準ガス導入室形成層に設けられる基準ガス導入室となる溝部とを、上記固体電解質層を挟んで対向する位置に設け、
    上記接合用中間層を、上記被測定ガス室の側壁となる上記空間部との境界面において、少なくとも上記基準ガス導入室の側壁となる上記溝部の長手方向に位置する2面から非直線状に、かつ、上記基準ガス導入室の上記側壁の位置よりも内方に張り出して形成される応力分散領域を具備することを特徴とする積層型ガスセンサ。
  2. 上記空間部は略矩形で、その長辺方向の上記境界面は、上記固体電解質表面と平行な水平断面が山形、波形、矩形のいずれが周期的に繰り返される凹凸形状の応力分散領域となる請求項1に記載の積層型ガスセンサ。
  3. 上記応力分散領域の幅Hと上記被測定ガス室側壁の直線距離aと上記凹凸形状の繰り返し周期nとの関係が
    0.2a/n<H<2.5a/n、かつ1≦n≦50
    である請求項1または2に記載の積層型ガスセンサ。
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