JP4570091B2 - 積層型ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

積層型ガスセンサ素子及びガスセンサ Download PDF

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本発明は、積層型ガスセンサ素子及びガスセンサに関する。更に詳しくは、水滴等の付着による素子本体の損傷を防止することができ、且つセラミックヒータの加熱による検出部の早期活性を実現可能な積層型ガスセンサ素子、及びこの積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサに関する。
内燃機関から排出される排気ガス中の酸素、一酸化炭素、各種の炭化水素、酸化窒素(NOx)等の検出あるいはその濃度測定が可能なガスセンサの一種として、積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサが知られている。このガスセンサの1種である酸素センサ向けの積層型ガスセンサ素子(積層型酸素センサ素子)は、セラミック基体の内部に発熱抵抗体を埋設したセラミックヒータと、先端側に一対の電極を設けた固体電解質層とを積層してなる素子本体を有している。なお、固体電解質層のうち、一対の電極にて挟まれている部分が酸素濃淡電池と機能し、この部分が酸素濃度を検出するための検出部となる。このような積層型酸素センサ素子は、固体電解質層が所定の温度に達しないと活性化しないため、内燃機関の始動時から発熱抵抗体に通電して固体電解質層(検出部)を加熱させ、早期の酸素濃度検出を促すことが提案されている。
ところで、内燃機関の冷間始動時といった排気管内の温度(排気管の壁面の温度)が低い条件下では、通常、排気管壁面に凝縮した水分が付着しているため、発熱抵抗体に通電を行って検出部を高温に加熱すると、凝縮水の付着による熱衝撃(所謂、サーマルショック)に起因して積層型ガスセンサ素子(素子本体)が損傷することがある。そのため、従来から通気孔を有する金属製のプロテクタでガスセンサ素子の検出部を保護している。しかし、このようなプロテクタを使用しても、プロテクタの通気孔を通過して水分が侵入することがあり、素子本体にクラックが発生する等の損傷を十分に抑制できない。また、通気孔を小さくすると、検出部に排気ガスが十分に流通せず、ガス検知性能が低下する傾向にあるため、通気孔を小さくするには限界がある。
このような問題を解決するため、素子本体のうちで排気ガスに晒される検出部の周囲の損傷を受ける可能性のある部位(具体的には側面)を多孔質層にて被覆し、素子本体に水滴等が直接付着することを抑制した積層タイプのガスセンサ素子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のガスセンサ素子では、多孔質層に水滴等が付着しても、この水滴等が検出部にまで浸透する前にガスセンサ素子の発熱によって蒸発させることができるため、素子本体に大きな熱衝撃が及び難く、素子本体の損傷を抑制することができる。
特開2001−281210号公報
しかし、検出部の活性化をより早期に実現したいという近年の要求に対して、特許文献1の構造では十分に応えられない可能性がある。つまり、素子本体への耐被水性を確保するには、素子本体に対して多孔質層をある程度の厚み以上形成する必要があるが、多孔質層の厚みが厚くなればその多孔質層を含めた検出部周囲の容積が増すことになるので、セラミックヒータによって検出部を活性化温度にまで加熱するのに時間が掛かってしまうからである。また、ガスセンサ素子をなす素子本体の角部は熱衝撃等によって損傷し易い部分であり、十分な損傷防止対策が必要となるが、特許文献1に記載のガスセンサ素子では、そのようなことは特に考慮されていない。
本発明は、上記の従来の問題点を解決するためになされたものであり、水滴等の付着による素子本体の損傷、特に検出部及びその周辺の損傷を抑制することができ、且つ検出部の早期活性化を促すことができる積層型ガスセンサ素子、及びこの積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサを提供することを目的とする。
その解決手段は、セラミック基体の内部に発熱抵抗体を埋設したセラミックヒータと、該セラミックヒータに積層されるとともに、先端側に一対の電極を配設した検出部が形成された固体電解質層とを含む素子本体であって、長手方向に延びる板状をなす素子本体を備える積層型ガスセンサ素子において、該素子本体は、上記検出部を含む先端部における長手方向及び積層方向に直交する向きの幅寸法が、当該素子本体のうちで前記先端部を除く残余の部位の前記幅寸法よりも小さくなっており、上記素子本体のうち少なくとも上記先端部の上記積層方向に沿った両側面が多孔質層により被覆され、上記素子本体は、上記残余の部分として、上記一対の検知電極及び上記発熱抵抗体と電気的に接続される複数の電極端子部が外表面に露出した後端部と、上記先端部と上記後端部との間に位置し、該先端部から該後端部に向けて徐々に上記幅寸法が大きくなる中間部とを有し、上記多孔質層は、上記先端部の両側面に加え、上記中間部の上記積層方向に沿った側面と上記先端部の側面とを繋ぐ境界部までを被覆してなる積層型ガスセンサ素子である。
本発明の積層型ガスセンサ素子によれば、素子本体のうちで先端部の少なくとも両側面を、多孔質層にて被覆している。素子本体の先端部の両側面は、被測定ガスに晒される面であって、積層界面が露出する面であるため、この両側面に水滴が付着すると素子本体に損傷を招くことがあるが、本発明では、その両側面に多孔質層を形成しているので、飛水する水滴が直接側面に付着するのを抑制することができる。
そして、この多孔質層に付着した水滴は、多数の気孔内を分散しながら緩慢に浸透していくことから、多孔質層の内側に位置する素子本体に到達する前に水滴を分散でき、素子本体に生ずる温度勾配を小さくし、熱衝撃を有効に抑制することができる。したがって、水滴等の付着による素子本体(検出部近傍)の損傷を防止することができる。また、積層型ガスセンサ素子は、使用時において、発熱抵抗体の通電に伴い高温状態に加熱されるので、多孔質層を浸透する水滴はその周囲の熱により蒸発され、素子本体に水滴が到達するのを抑制することも可能となる。
そして、本発明の積層型ガスセンサ素子によれば、この多孔質層が形成される素子本体の先端部の幅寸法が、素子本体の残余の部位における幅寸法よりも小さく形成されている。このため、多孔質層をある程度厚めに形成しようとした場合にも、多孔質層を含めた素子本体の先端部における幅寸法が大きくなるのを抑えることができ、残余の部分と同一の幅寸法をもつ先端部に多孔質層を形成したケースと比較して多孔質層を含めた先端部の容積を相対的に小さくすることができる。従って、本発明の積層型ガスセンサ素子によれば、多孔質層を含めた素子本体の先端部の容積を小さく抑えることができるので、従来による幅寸法が同一の素子本体の先端部側面に多孔質層を形成するケースと比較して、発熱抵抗体による発熱を効率良く先端部(検出部)に伝えられ、多孔質層をある程度に厚めに形成しつつもガスセンサ素子の早期活性化を促すことができる。
なお、上記「セラミック基体」は、セラミック焼結体であれば特に限定されず、高温においても絶縁性を維持されるアルミナ、スピネル、ムライト等から構成することが好ましい。これらのセラミックは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
上記「発熱抵抗体」の材質についても特に限定されず、例えば、貴金属、タングステン、モリブデンを用いることができる。この貴金属としては、Pt、Au、Pd、Ir、Ru及びRhが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもでき、2種以上の場合は合金であってもよい。さらに、貴金属のうちでは、耐熱性、耐酸化性等を考慮してPtを主体に構成することが好ましい。また、発熱抵抗体には、貴金属の他にセラミック成分を含有させることができる。このセラミック成分の種類は特に限定されないが、セラミック基体のうちの発熱抵抗体と接する部分を構成するセラミック成分と同じであることが、固着強度の観点から好ましい。
上記「固体電解質層」は、一般的に、酸素イオン伝導性を有するジルコニア(ZrO)にて構成することができる。なお、この固体電解質層には、セラミック基体の主成分をなすセラミック成分と同じ成分を含有させることができる。このセラミック成分の固体電解質層への含有量は、固体電解質層を100質量%とした場合に、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%とすることができる。これにより、セラミック基体と固体電解質層との間の熱膨張差による応力を緩和することができる。
また、この固体電解質層に配設される上記「電極」の材質は特に限定されないが、貴金属が好ましく、Ptが特に好ましい。電極は2種以上の金属から構成されていてもよく、2種以上の金属からなる場合は合金を用いてもよい。例えば、Ptを主成分として、Au、Ag、Pd、Ir、Ru及びRh等を含有させてもよく、Ptと他の貴金属との合金を使用してもよい。特に、高温におけるPtの揮発が抑えられるRhとの併用は有用である。
また、本発明の積層型ガスセンサ素子では、上記素子本体は、上記一対の検知電極及び上記発熱抵抗体と電気的に接続される複数の電極端子部が外表面に露出した後端部と、上記先端部と上記後端部との間に位置し、該先端部から該後端部に向けて徐々に上記幅寸法が大きくなる中間部とを有し、上記多孔質層は、上記先端部の両側面に加え、上記中間部の上記積層方向に沿った側面と上記先端部の側面とを繋ぐ境界部までを被覆してなる。
素子本体の検出部を含めた先端部の幅寸法を、残余の部分より小さくする形態としては、後端部と先端部との間に、先端部から後端部に向けて徐々に幅寸法が大きくなる中間部を設ける形態が挙げられる。このように中間部を設けることで、素子本体の強度を保ちつつ、幅寸法の先端部を有する素子本体を得ることができる。ところで、このような形態を図る場合、多孔質層を素子本体の先端部の側面後端縁で留めるように形成すると、先端面の側面と中間部の側面とを境界部が露出する形になるが、この境界部においても水滴等が直接付着することがあると、素子本体の損傷を招く可能性がある。
そこで、本発明の積層型ガスセンサ素子では、素子本体部のうち、先端部の両側面に加え、中間部の側面と先端部の側面とを繋ぐ境界部までを被覆するようにしている。これにより、上記中間部を有する素子本体における損傷を抑制することができる。なお、上記中間部を有する形態の積層型ガスセンサ素子では、多孔質層のうち、上記境界部の位置における厚みを上記先端部の側面の位置における厚みよりも厚くすることが好ましい。多孔質層をこのような厚み関係をもって形成することで、より確実に素子本体の損傷を抑制することができるからである。
さらに、上述の積層型ガスセンサ素子であって、上記素子本体の前記先端部の前記幅寸法と、該先端部の上記両側面を被覆する上記多孔質層の厚みとを合計した寸法が、上記素子本体の上記残余の部位における最大の上記幅寸法以下である積層型ガスセンサ素子とすると良い。
このように、素子本体の先端部の幅寸法と、先端部の両側面を被覆する多孔質層の厚みとを合計した寸法を、素子本体の残余の部位における最大の幅寸法以下となるように、先端部の幅寸法と多孔質層の厚みを適宜調整して積層型ガスセンサ素子を構成することで、発熱抵抗体(セラミックヒータ)によって先端部(即ち、検出部)を速やかに加熱させることができ、検出部の早期活性化を良好に促すことが可能となる。
さらに、上記積層型ガスセンサ素子であって、上記素子本体の上記先端部の上記幅寸法をA(単位:mm)、上記発熱抵抗体のうちで該先端部に位置する部位の最大の前記幅寸法をB(単位:mm)としたときに、A×0.60<B<A×0.98の関係を満たす積層型ガスセンサ素子とする良い。
素子本体の先端部の幅寸法を基準にして、発熱抵抗体の先端部に位置する部位の最大の幅寸法を上記関係を満たすように形成することで、発熱抵抗体からの発熱によって先端部(即ち、検出部)に速やかに加熱させることができ、検出部の早期活性化を良好に促すことが可能となる。
さらに、上記積層型ガスセンサ素子であって、上記多孔質層は、上記素子本体のうち少なくとも上記先端部の両側面を被覆する第1多孔質層と、該第1多孔質層が形成された上記素子本体の上記先端部の周囲を覆う第2多孔質層とを有する積層型ガスセンサ素子とすると良い。
本発明の積層型ガスセンサ素子では、素子本体の先端部の両側面を被覆する第1多孔質層と、この第1多孔質層が形成された先端部の周囲を覆う第2多孔質層とよって多孔質層が形成されているので、被水による素子本体の損傷をより効率よく抑制することができる。つまり、本発明の積層型ガスセンサ素子では、素子本体の積層方向に沿った断面形状が略四角形状の板状をなすため、素子本体に角部が存在するものであるが、この角部に水滴が付着すると、熱応力が集中し易く素子本体にクラックが生じ易い傾向にある。そこで、素子本体の先端部の両側面を被覆する第1多孔質層に加えて、第2多孔質層を先端部の周囲を覆うように設ければ、素子本体の角部に水滴が直接付着するのを防止することができ、被水による素子本体の損傷を有効に抑制することができる。また、多孔質層は単層では厚みを厚くするのに限界があるが、上記のように第2多孔質層を設けることで多孔質層の厚さがコントロールし易く、設計上の観点からも有効となる。
さらに、上記積層型ガスセンサ素子であって、上記多孔質層は、上記素子本体のうち上記先端部の両側面を含む当該先端部の周囲を覆うように形成されており、上記素子本体の角部からの上記多孔質層の厚みが20μm以上である積層型ガスセンサ素子とすると良い。このように、多孔質層により素子本体の先端部の周囲を覆いつつ、素子本体の角部からの多孔質層の厚みを20μm以上とすることで、被水による素子本体の損傷を効果的に防止することができる。また、より有効に被水による素子本体の損傷を防止するには、多孔質層の素子本体の角部からの厚みを、30μm以上とする(より好ましくは、50μm以上)ことが好ましい。なお、本明細書において「多孔質層の素子本体の角部からの厚みを20μm以上とする」とは、素子本体の積層方向に沿った断面をとったときに、素子本体の角部の多孔質層との間に直径20μmの仮想円が当該多孔質層に内包されることを意味するものである。また、ここでいう「角部」とは、板状の素子本体のうちで、長手方向に延びる表裏面のうちのいずれか一面と、両側面のいずれか一面とを連結する箇所を指すものであり、2つの面が交わる線上部(即ち、稜)のみに限られず、2つの面を例えばR形状で連結する曲面部をも含むものとする。
さらに、上記積層型ガスセンサ素子であって、上記多孔質層は、空孔率が15%〜65%の範囲内にあることが好ましい。空孔率が15%未満である場合、多孔質層により水滴を分散させながら緩慢に浸透させる機能を十分に発揮することができないおそれがある。また、空孔率が65%を超えると、多孔質層における水滴等の浸透度合いが高くなり、水滴等が素子本体に接触し易くなり、被水による素子本体の損傷抑制効果を十分に期待することができないおそれがある。なお、上記「空孔率」は、多孔質層の断面を走査型電子顕微鏡にて分析し、その分析によって得られた拡大写真より、単位面積当たりに占める空孔の面積の比率(%)として求めることができる。
また、他の解決手段は、上述した積層型ガスセンサ素子と、前記検出部を先端から突き出させた状態で、前記積層型ガスセンサ素子の周方向を取り囲む筒状のハウジングと、を備えることを特徴とするガスセンサである。
本発明のガスセンサは、水滴等の付着による素子本体の損傷が生じ難い積層型ガスセンサ素子を用いて構成されているので、耐被水性に優れ、信頼性が高いものとなる。さらに、本発明のガスセンサによれば、検出部の早期活性化を実現可能な積層型ガスセンサ素子を用いて構成されているので、ガス検知を早期に促すことができ、近年の厳しい排気ガス規制に対しても対応可能なガスセンサとなり得る。
本発明の実施の形態を、実施例及び変形例に基づいて説明する。
(実施例)
まず、本発明の実施例に係るガスセンサ5を、図10を参照して説明する。本実施例のガスセンサ5は、図10に示すように、積層型ガスセンサ素子1が組み込まれたガスセンサであり、内燃機関の排気管に取り付けられ、排気ガス中の酸素濃度測定に使用される。このガスセンサ5では、筒状のハウジング52の内側に、検出部を突き出させた状態で積層型ガスセンサ素子1が挿通されている。なお、積層型ガスセンサ素子1は、ハウジング52内でガラスシールされることによって、ハウジング52の所定の位置に保持されている。ハウジング52の先端部外周には、積層型ガスセンサ素子1の検出部を含む先端側を覆うように二重構造のプロテクタ53が固着されている。また、このプロテクタ53には、その先端及び側周面に排気管内を流通する排気ガスを内部に導くための通気孔531が形成されている。このように、積層型ガスセンサ素子1のうちハウジング52の先端から突出する検出部を先端側が、被検知ガス(排気ガス)に晒される部分となる。なお、積層型ガスセンサ素子5の検出部を含む先端部101の両側面及び先端面には、それらの面を覆うように後述する多孔質保護層13が形成されている。
さらに、ハウジング52の後端部は外筒51の先端部内側に挿入されるとともに、ハウジング52の後端部と外筒51の先端部との重なり部にて全周レーザ溶接が施され、両者が固着されている。また、ハウジング52の外周部には、ガスセンサ5を排気管に取り付けるためのネジ部521が形成されている。さらに、ガスセンサ5は、外筒51の内部から外部に向かって引き出される4本のリード線54(図10では、2本のみ図示)を有している。これらのリード線54は、外筒51の内部に収容される中継端子55を介して積層型ガスセンサ素子1と電気的に接続されている。具体的には、リード線54は、後述する検知素子11の検知電極112、基準電極113、セラミックヒータ12の発熱抵抗体121の正極、負極にそれぞれ個別に電気的に接続されている。また、リード線54は、外筒51の後端側に嵌合されたグロメット511のリード線挿通孔を挿通して外部に延び、外部回路に対して電気的に接続される。
ついで、本発明の主要部である積層型ガスセンサ素子1について、詳細に説明する。なお、本実施例の積層型ガスセンサ素子1は、排気ガス中の酸素濃度を検出するためのものであり、積層型酸素センサ素子と言うこともできる。
[1]積層型ガスセンサ素子1の構造
積層型ガスセンサ素子1の構造について、図1〜図3を用いて説明する。なお、図3は積層型ガスセンサ素子1の分解斜視図であり、この積層型ガスセンサ素子1は、検出素子11とセラミックヒータ12とが積層されて構成されている。この図3では、多孔質保護層13の図示を省略している。
検出素子11は、所定量のイットリアを安定化剤として固溶させた酸素イオン伝導性を有する部分安定化ジルコニア60質量%と、アルミナ40質量%とを含有した固体電解質層111を備える。この固体電解質層111の先端側の表面には検知電極112が形成され、裏面の検知電極112に対応する位置には基準電極113が形成されている。検知電極112及び基準電極113には、それぞれ検知電極リード部1121及び基準電極リード部1131が延設されている。なお、本実施例では、固体電解質層111を検知電極112及び基準電極113にて挟み込んでいる部分が「検出部」に相当する。
また、検知電極リード部1121の末端は、保護絶縁層115を貫通するスルーホール導体1152により中継端子55(図10参照)と接続するための信号取り出し用端子パッド1142と接続されている。更に、基準電極リード部1131の末端は、固体電解質体111を貫通するスルーホール導体1111及び保護絶縁層115を貫通するスルーホール導体1151により中継端子55と接続するための信号取り出し用端子パッド1141と接続されている。また、固体電解質体111の検知電極112が形成されている表面には、検知電極112の被毒を防止するため、多孔質体からなる電極保護層116が形成されている。
セラミックヒータ12は、白金からなる発熱抵抗体121を有し、この発熱抵抗体121は、絶縁性に優れるアルミナを主成分とする第1アルミナ層122及び第2アルミナ層123に挟持されている。この発熱抵抗体121にはリード部1211が延設され、このリード部1211の各々の末端は、第1アルミナ層122を貫通する2個のスルーホール導体1221、1222によりヒータ通電用端子パッド1241、1242と電気的に接続されている。このヒータ通電用端子パッド1241、1242は中継端子55(図10参照)と接続されている。
さらに、検知部を含むようにして積層方向に沿って積層型ガスセンサ素子1の断面をとったとき、図2に示すように、検出素子11とセラミックヒータ12との積層体からなる素子本体の周囲全体が、第1多孔質層131及び第2多孔質層132より構成される多孔質保護層13にて被覆されている。また、図10を援用して示すが、積層型ガスセンサ素子1の素子本体の先端面についても、多孔質保護層13にて被覆されている。この多孔質保護層13の厚さは素子本体の角部から200μmである。
なお、この実施例の積層型ガスセンサ素子1の多孔質保護層13を除いた部分の寸法は、長さ(長手方向に沿った寸法)が40mm、幅寸法(長手方向及び積層方向に直交する向きの寸法)が3mm、厚さ(積層方向に沿った寸法)が2mmである。また、図3にやや誇張して示すように、素子本体のうちで検出部を含む先端部101の幅寸法は残余の部位の幅寸法よりも小さく形成されている。具体的には、素子本体の先端部101の幅寸法は2.7mmであり、残余の部分の幅寸法は3.0mmであって、検出部に対応する部分で300μm(幅方向の片側で150μm)幅寸法が小さくなっている。そして、幅寸法が残余の部分より小さく形成された先端部101の少なくとも両側面を覆うように、多孔質保護層13が形成されている(図2参照)。また、本実施例では、先端部101の幅寸法をA(単位:mm)、発熱抵抗体121のうちで先端部101に位置する部位の最大の幅寸法をB(単位:mm)としたとき、A×0.90=Bとなるように、発熱抵抗体121の幅寸法等が適宜調整されている。
[2]積層型ガスセンサ素子の製造
ついで、本実施例に係る積層型ガスセンサ素子1の製造について説明する。
この積層型ガスセンサ素子1は、未焼成シート積層体を作製した後、貫通孔形成工程、充填工程、切出工程及び焼成工程を、この順に行うことにより製造される。また、焼成工程の後、被覆工程を行うことにより第2多孔質層132が形成される。
(1)未焼成検出素子の作製
イットリアを固溶させた部分安定化ジルコニア粉末60質量%とアルミナ粉末40質量%とを、有機バインダ及び有機溶剤等とともに湿式混合してなるスラリーを用いて、固体電解質層111となる未焼成シートを作製した。この未焼成シートは32個の未焼成ガスセンサ素子を切り出すことができる大きさであり、その所定位置に素子32個分のスルーホールを形成した。なお、未焼成シートは、上記のように32個の未焼成ガスセンサ素子を切り出すことができる大きさに形成されるものであるが、個片同士は所定の間隔(捨て代)を隔てて設けられている。その後、未焼成シートの表面と裏面の所定個所に、白金を主成分とする導電ペーストを所定のパターンに印刷し、乾燥させて、検知電極112、基準電極113、それぞれのリード部1121、1131となる電極パターン、及びスルーホール導体1111となる未焼成導体を形成した。
(2)未焼成ヒータの作製
アルミナ粉末を、有機バインダ及び有機溶剤等とともに湿式混合してなるペーストを用いて、第1アルミナ層122となる未焼成アルミナシートを形成し、素子32個分のスルーホールを形成した。その後、第1アルミナ層122となる未焼成アルミナシートの一面の所定個所に、上記(1)と同様の導電ペーストを所定のパターンに印刷し、乾燥して、発熱抵抗体121及びそれに延設されたリード部1211となる発熱抵抗体パターン、並びにスルーホール導体1221、1222となる未焼成導体を形成した。また、第1アルミナ層122となる未焼成アルミナシートの他面の所定個所に、(1)と同様の導電ペーストを用いてヒータ通電用端子パッド1241、1242となる所定の端子パターンを印刷し、乾燥した。次いで、第2アルミナ層123となる未焼成アルミナシートを第1アルミナ層122の場合と同様の方法で作製し、乾燥した後に、この第2アルミナ層123となる未焼成アルミナシートの一面を、第1アルミナ層122となる未焼成アルミナシートの発熱抵抗体パターンが形成された面に積層し、減圧圧着させた。このようにして、未焼成ヒータを作製した。なお、各未焼成アルミナシートについても、32個の第1アルミナ層122、第2アルミナ層123が切り出せる大きさを有しており、個片同士は所定の間隔(捨て代)を隔てて設けられている。
(3)未焼成シート積層体の形成
(1)で作製した検出素子用未焼成シートと、(2)で作製した未焼成ヒータとを、(1)で作製した検出素子用未焼成シートの、基準電極113及びリード部1131となる電極パターンが形成された面と、(2)で作製した未焼成ヒータの第2アルミナ層123となる未焼成アルミナシートの他面とを向かい合わせて積層した。このようにして、未焼成シート積層体を作製した。
(4)印刷工程
(3)で形成した未焼成シート積層体の検出部を含む先端部のうちで未焼成ヒータの裏面(即ち、第1アルミナ層122となる未焼成アルミナシートの発熱抵抗体パターンが形成された面とは反対側の面)に対して、第1多孔質層131の一部となる未焼成第1多孔質層を形成するための第1多孔質層用ペーストをスクリーン印刷し、厚さ約30μmの塗膜を形成した。その後、塗膜を95℃で2分間乾燥させた。また、印刷に用いた第1多孔質層用ペーストは、アルミナ粉末を100質量部、有機バインダとしてポリビニルブチラールを15.5質量部、有機溶剤としてブチルカルビトールを42質量部、及び気孔化剤として粒径5〜20μmのカーボン粉末を65質量部それぞれ配合したものである。
(5)貫通孔形成工程
未焼成シート積層体に、図4及び図5に示すように、略コの字状の平面形状を有し、幅寸法が500μmの貫通孔2を形成した。これにより、未焼成シート積層体のうちで検出部の形成が予定される部位を含む先端部101の両側面及び先端面の三面に対して貫通孔2が同時に形成される。つまり、未焼成シート積層体の積層方向に沿って貫通孔2を形成することによって、この貫通孔2が形成された箇所が、幅狭の先端部101を構成することになる。なお、1枚の未焼成シート積層体に対して、打ち抜き法により素子32個分の貫通孔2を形成した。また、幅が500μmの貫通孔2は、図4に示すように、未焼成シート積層体における複数の個片同士間に形成される捨て代に一部が跨るように形成した(図4において、破線で囲んだ部位が後述の工程において切り出される各未焼成素子の大きさを示す。)。
(6)充填工程
図6及び図7のように、未焼成シート積層体の下面に離型剤3を配し、また、上面にマスク4を載置した状態で、未焼成第1多孔質層131’を形成するための第1多孔質層用ペーストをスキージによって貫通孔2に充填した。その後、充填したペーストを60℃で180分間乾燥させた。充填に用いた第1多孔質層用ペーストは、上記した(4)印刷工程で用いたペーストと同じものであり、貫通孔2に充填することが容易であり、且つ充填後は垂れ流れることがない程度の粘度とした。なお、離型剤3としては、図8に示すように、表面に凹部と凸部との差が約10μmである凹凸を有し、防水加工を施した紙からなるものを用いた。また、マスク4としては、金属製であり、厚さが120μmであり、マスク孔41の幅が貫通孔2の幅500μmより400μm幅広の幅900μmのものを使用した。これにより、未焼成第1多孔質層131’が充填された未焼成シート積層体を作製した。
(7)未焼成シート積層体への保護層用未焼成シート及び保護絶縁層用未焼成シートの圧着
所定のアルミナ粉末とカーボン粉末、バインダ及び有機溶剤等を湿式混合してなるスラリーを用いて、電極保護層116となる保護層用未焼成シートを形成した。次いで、第1及び第2アルミナ層122、123となる未焼成アルミナシートと同じ組成の未焼成アルミナシートを用いて、保護絶縁層115となる保護絶縁層用未焼成シートを形成した。その後、この保護絶縁層用未焼成シートに、スルーホール導体1151、1152となる未焼成導体、及び信号取出用端子パッド1141、1142となる端子パターンを形成した。そして、上記(6)の充填工程後の未焼成シート積層体の検知電極112となる電極パターンが形成された側に、保護層用未焼成シートと保護絶縁層用未焼成シートを適宜積層し、減圧圧着させた。
(8)分離工程
(6)において貫通孔2に第1多孔質層用ペーストが充填され、(7)において未焼成シート積層体に更に保護層用未焼成シート及び保護絶縁層用未焼成シートが積層された図9に示す積層体を、破線に沿って刃物で順次切断して計32個の未焼成素子を得た。なお、各未焼成素子の切断にあたっては、未焼成シート積層体の側面と第1多孔質層用ペーストからなる未焼成第1多孔質層131’の側面との間に段差が生じないように切断を行った。また、切断後の未焼成素子において、先端部の両側面、先端面からの未焼成第1多孔質層131’の厚さが180μmとなるように切断した。
(9)焼成工程
(8)において得られた未焼成素子を、大気雰囲気下、脱脂炉にて室温から20℃/時間の速度で450℃まで昇温させ、450℃で1時間保持して脱脂(脱バインダ処理)した。その後、焼成炉にて200℃/時間の速度で昇温させ、最高温度1500℃で1時間焼成した。この焼成により未焼成第1多孔質層131’に含まれる気孔化剤が焼失して気孔が生成し、第1多孔質層131が形成される。
(10)第2多孔質層形成工程
第1多孔質層131が形成された素子本体の検出部を含む先端側の周囲全体に、アルミナ粉末、バインダ(ポリビニルブチラール)、有機溶剤、気孔化剤としてのカーボン粉末を含有するペーストを、焼成後における多孔質保護層13の素子本体の角部からの厚さが250μmとなるように印刷し、乾燥させる。その後、この状態の素子本体を大気雰囲気下にて毎時10℃で昇温していき、最高温度900℃で1時間熱処理し、第2多孔質層132、ひいては多孔質保護層13を形成した。このようにして素子本体における先端部101が残余の部分よりも幅狭に構成され、且つ先端部101が多孔質保護層13によって被覆された積層型ガスセンサ素子1を得た。
(変形例)
ついで、上述の実施例の変形例に係る積層型ガスセンサ素子20及びそれを組み込んだガスセンサ5について、図11〜図13を参照して説明する。なお、図11は、本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20の斜視図であり、図12は、積層型ガスセンサ素子20の平面図(図11の上側から平面視したときの図)である。
本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20は、検出素子11とセラミックヒータ12とを積層してなる素子本体において、検出部を含む先端部101と信号取り出し用端子パッド1141、1142及びヒータ通電用端子パッド(図示省略)が形成される後端部105との間に、先端部101から後端部105に向けて徐々に幅寸法が大きくなる中間部103を設け、先端部101の両側面を加え、中間部103の積層方向に沿った側面と先端部101の側面とを繋ぐ境界部107までを多孔質保護層13にて被覆してなる点で大きく異なる。従って、変形例に係る積層型ガスセンサ素子20のうち、上記実施例の積層型ガスセンサ素子1と同様の部分については説明を省略することにする。
本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20は、検出素子11とセラミックヒータ12とを積層してなる素子本体を有するものであり、上述したように、先端部101と後端部105との間に、先端部101から後端部105に向けて徐々に幅寸法が大きくなる中間部103を有している。そして、図11及び図12に示すように、積層型ガスセンサ素子20の素子本体の積層方向に沿った両側面のうち、先端部101の先端から中間部103の途中の位置まで多孔質保護層13が形成されている。なお、多孔質保護層13は、上記実施例のように、第1多孔質層131と第2多孔質132の2層構造をなしている。また、多孔質保護層13は、素子本体の表裏面及び先端面にも形成されている。そのため、積層型ガスセンサ素子20のうち、検出部を含む先端部101の積層方向に沿った断面をとったときには、上記実施例の図2に示したように断面構造と類似した断面を呈するものとなる。但し、本変形例では、図12に示すように、素子本体の先端部101の幅寸法と、その先端部101の両側面を被覆する多孔質保護層13の厚みとを合計した寸法Cが、素子本体の残余の部分における最大の幅寸法(即ち、後端部105の幅寸法)Dよりも小さくなっている。
また、本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20は、多孔質保護層13が上述したように、素子本体の先端部101の側面と中間部103の側面とを繋ぐ境界部107を被覆している(図12参照)が、多孔質保護層13のうち、境界部107の位置における厚みEが、先端部101の側面の位置における厚みFよりも厚く形成されている。
なお、本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20においても、基本的に上記実施例に係る積層型ガスセンサ素子1と同様の製造工程を経て作製することができる。但し、上記した(6)貫通孔形成工程における貫通孔形状や(8)分離工程における切断パターンなどは、変形例に係る積層型ガスセンサ素子20の形態をなすように適宜変更するものとする。また、変形例に係る積層型ガスセンサ素子20の製造時には、上記の(10)第2多孔質層形成工程においても、第2多孔質層132形成後に、素子本体の先端部101の幅寸法と多孔質保護層13の厚みとを合計した寸法Cが、素子本体の後端部105の幅寸法Dを下回るように同工程を適宜変更している。具体的には、第2多孔質層形成工程では、第2多孔質層1312をなすペーストの厚みを事前に調整して塗布したり、第2多孔質層形成後に適宜研磨を施したりして、適宜多孔質保護層13の厚みを調整するようにしている。
ついで、本変形例に係る積層型ガスセンサ素子20を組み込んだガスセンサ500について説明する。本変形例に係るガスセンサ50は、図13に示すように、上記積層型ガスセンサ素子20における素子本体の中間部103の両側面が、ハウジング52内に設置されるセラミックホルダ61のホルダ側係合部65に係合されることで、積層型ガスセンサ素子20がセラミックホルダ61の内側に位置決めされている。そして、このセラミックホルダ61をハウジング52のハウジング側係合部526に係合されることで、積層型ガスセンサ素子20は、検出部を含む先端部101を突き出すようにしてハウジングの内側に位置決めされている。つまり、本変形例のガスセンサ50では、上記実施例のガスセンサ5のように、積層型ガスセンサ素子1がガラスシールによってハウジング52の所定の位置に保持させるのではなく、セラミックホルダ61を用いて位置決めしている。なお、セラミックホルダ61の後方側であって、ハウジング52の内側には結晶化ガラスを主体とする充填層63が設けられている。また、外筒51やリード線54の構成については、上記実施例に係るガスセンサ5と同様と同様である。
ところで、本変形例に係るガスセンサ50では、上述したように、積層型ガスセンサ素子20における素子本体の中間部013の両側面をホルダ側係合部65に係合させる構成を採用するものであるため、積層型ガスセンサ素子20に形成される多孔質保護層13は、素子本体の先端部101の側面と中間部103の側面とを繋ぐ境界部107を覆うように形成される一方、中間部103の側面のうちホルダ側係合部に係合する部位(位置)からは離間するように形成されている。つまり、積層型ガスセンサ素子20の素子本体における中間部103の両側面のうち、多孔質保護層13が被覆されていない部分をセラミックホルダ61のホルダ側係合部65に係合させているのである。このように素子本体における中間部103の両側面のうち多孔質保護層13が形成されていない部位をホルダ側係合部65に係合させることで、積層型ガスセンサ素子2の外面とセラミックホルダ61の内面(ホルダ側係合部65の内面)とを密着して接触させることができ、多孔質保護層13の内部を通過してハウジング51内に排気ガスや水滴が侵入するのを確実に抑制することができ、信頼性の高いガスセンサ50とすることができる。
以上において、本発明を実施例及び変形例に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上記実施例等では、酸素センサ及びそれに用いる積層型ガスセンサ素子について説明しているが、酸素センサ以外のガスセンサ、例えば、一酸化炭素センサ、NOxセンサ等の各種のガスセンサ及びそれに用いる積層型ガスセンサ素子にも本発明を適用することができる。
また、上記実施例等では、第1多孔質層と第2多孔質層の2層を形成したものであったが、第1多孔質層のみを形成した積層型ガスセンサ素子としてもよい。さらに、第2多孔質層を形成するにあたって上記実施例では、第2多孔質層となるペーストを用いつつ熱処理を経て第2多孔質層を形成したが、第1多孔質層が形成された素子本体の一端部の周囲全体に対して溶射を行うことで第2多孔質層を形成してもよい。
実施例の積層型酸素センサ素子の外観を模式的に示す斜視図である。 検出部を含む先端部に、第1多孔質層と第2多孔質層とからなる多孔質保護層が形成されている図1の積層型酸素センサ素子の横断面を示す模式図である。 実施例の積層型酸素センサ素子の分解斜視図である。 未焼成シート積層体に形成される貫通孔の位置を説明するための平面図である。 図4のA−A‘における断面図である。 充填工程を説明するための模式図である。 図6における未焼成シート積層体の貫通孔や離型材等の一部を拡大して示す断面図である。 離型材の構成を説明するための模式図(断面図)である。 1枚の未焼成シート積層体に32個の未焼成素子となる個片が形成されている様子を模式的に示す平面図である。 実施例のガスセンサ(酸素センサ)の構造を示す模式的な全体断面図である。 変形例の積層型ガスセンサ素子の外観を模式的に示す斜視図である。 変形例の積層型ガスセンサ素子を検出素子側から見たときの平面図である。 変形例のガスセンサ(酸素センサ)の構造を示す模式的な全体断面図である。
符号の説明
1,20・・・積層型ガスセンサ素子(積層型酸素センサ素子)、11・・・検出素子、111・・・固体電解質層、112・・・検知電極、113・・・基準電極、1141,1142;信号取り出し用端子パッド、116・・・電極保護層、12・・・セラミックヒータ、121・・・発熱抵抗体、122・・・第1アルミナ層、123・・・第2アルミナ層、1241,1242・・・ヒータ通電用端子パッド、13・・・多孔質保護層(多孔質層)、131・・・第1多孔質層、132・・・第2多孔質層、2・・・貫通孔、3・・・離型材、4・・・マスク、5,50・・・ガスセンサ(酸素センサ)、51;外筒、511;グロメット、52;ハウジング、101・・・先端部、103・・・中間部、105・・・後端部、107・・・境界部、61・・・セラミックホルダ、65・・・ホルダ側係合部。

Claims (9)

  1. セラミック基体の内部に発熱抵抗体を埋設したセラミックヒータと、該セラミックヒータに積層されるとともに、先端側に一対の電極を配設した検出部が形成された固体電解質層とを含む素子本体であって、長手方向に延びる板状をなす素子本体を備える積層型ガスセンサ素子において、
    該素子本体は、上記検出部を含む先端部における長手方向及び積層方向に直交する向きの幅寸法が、当該素子本体のうちで前記先端部を除く残余の部位の前記幅寸法よりも小さくなっており、上記素子本体のうち少なくとも上記先端部の上記積層方向に沿った両側面が多孔質層により被覆され
    上記素子本体は、上記残余の部分として、上記一対の検知電極及び上記発熱抵抗体と電気的に接続される複数の電極端子部が外表面に露出した後端部と、上記先端部と上記後端部との間に位置し、該先端部から該後端部に向けて徐々に上記幅寸法が大きくなる中間部とを有し、上記多孔質層は、上記先端部の両側面に加え、上記中間部の上記積層方向に沿った側面と上記先端部の側面とを繋ぐ境界部までを被覆してなる
    ことを特徴とする積層型ガスセンサ素子。
  2. 上記多孔質層のうち、上記境界部の位置における厚みが上記先端部の側面の位置における厚みよりも厚い請求項1に記載の積層型ガスセンサ素子。
  3. 上記素子本体の前記先端部の前記幅寸法と、該先端部の上記両側面を被覆する上記多孔質層の厚みとを合計した寸法が、上記素子本体の上記残余の部位における最大の上記幅寸法以下である請求項1または請求項2に記載の積層型ガスセンサ素子。
  4. 上記素子本体の上記先端部の上記幅寸法をA(単位:mm)、上記発熱抵抗体のうちで該先端部に位置する部位の最大の前記幅寸法をB(単位:mm)としたときに、A×0.60<B<A×0.98の関係を満たす請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子。
  5. 上記多孔質層は、上記素子本体のうち少なくとも上記先端部の両側面を被覆する第1多孔質層と、該第1多孔質層が形成された上記素子本体の上記先端部の周囲を覆う第2多孔質層とを有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子。
  6. 上記多孔質層は、上記素子本体のうち上記先端部の両側面を含む当該先端部の周囲を覆うように形成されており、上記素子本体の角部からの上記多孔質層の厚みが20μm以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子。
  7. 上記多孔質層は、空孔率が15%〜65%の範囲内にある請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層型ガスセンサ素子と、
    前記検出部を先端から突き出させた状態で、前記積層型ガスセンサ素子の周方向を取り囲む筒状のハウジングと、を備えることを特徴とするガスセンサ。
  9. 請求項1または請求項2に記載の積層型ガスセンサ素子と、
    前記検出部を先端から突き出させた状態で、前記積層型ガスセンサ素子の周方向を取り囲む筒状のハウジングと、
    前記積層型ガスセンサ素子と前記ハウジングとの間に配置される絶縁性セラミックホルダと、備え、
    前記積層型ガスセンサ素子は、前記素子本体における前記中間部の前記両側面の後方側が前記セラミックホルダに設けたホルダ側係合部に係合されることで、該セラミックホルダの内側に位置決めされており、前記多孔質層は、前記中間部の前記両側面のうち前記ホルダ側係合部に係合する部位から離間して形成されていることを特徴とするガスセンサ。
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