JP2011250692A - モータ駆動制御装置並びに空気調和機、換気扇及びヒートポンプタイプの給湯機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ファンを回転させる3相のモータ7を駆動するモータ駆動制御装置110であって、直流電圧を交流電圧に変換してモータ7に印加するインバータ回路5と、インバータ回路5を制御してモータ7の運転を制御する制御手段と、制御手段により制御され、モータ7の巻き線をY結線とΔ結線とに切り替える切替手段とを備え、制御手段は、モータ7の運転停止時に、モータ7の巻き線をΔ結線に切り替えるものである。
【選択図】図7
Description
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の概略構成図である。図1において、実施の形態1に係る空気調和機は、冷凍サイクルを構成する圧縮機103、四方弁104、室外熱交換器105、膨張弁106、室内熱交換器107、室外ファン108及び室内ファン109を備えている。さらに空気調和機は、商用電源1に接続され、圧縮機103のモータ駆動を行う圧縮機インバータ102、室外ファン108を回転させるモータ7(後述)を駆動するモータ駆動制御装置110、室内ファン109の速度制御回路112、空気調和機全体の制御する空気調和機制御部113、赤外リモコンの受光部114、装置の異常を使用者に伝える異常表示部115、使用者が操作を行うための赤外リモコン116により構成されている。
尚、室外機117は、屋外に設置される。
尚、回転子9は本発明におけるロータに相当し、マグネットは本発明における永久磁石に相当し、固定子は本発明におけるステータに相当する。
このような構成において、外風により室外機117のプロペラファン108Fが回転し、このプロペラファン108Fの回転により発生するモータ7の起電力について図4により説明する。
外風が室外ファン108から室外熱交換器105の方向(以下「逆方向の外風」)の場合、通常運転時と逆方向にモータ7が回転する。一方、室外熱交換器105から外風が室外ファン108の方向(以下「正方向の外風」)の場合、通常運転時と同方向にモータ7が回転する。尚、本実施の形態においては、室外機117に風圧シャッター等の外風流入を防止する手段を設けていない。このため、逆方向の外風と正方向の外風とが同一の風速で吹いた場合、逆方向の外風の方が室外機117への流入量が多く、モータ7の回転数は、正方向の回転数に比べて逆方向の回転数が高くなる。
このように、短絡ブレーキの場合、単一のスイッチ動作で、外風による回転トルクの逆方向にブレーキトルクを発生させることができるため、外風による発生トルクの正逆方向を判断する手段等を有しなくても、誘起電圧のモータ駆動制御装置110への印加を低減できる。
外風による発生トルクに起因する短絡電流は、外風量が増加するほど増加する。また、連続で外風が吹き続けた場合、インバータ回路5により発生されるトルクに起因して発熱し、モータ内部の温度が上昇する。
I=A・K・N/{R2+(2πfL)2}1/2 …(式1)
f=P・N/60 …(式2)
Imax=60・A・K/(P・L) …(式3)
I:短絡電流
K:誘起電圧定数
L:巻き線インダクタンス
R:巻き線抵抗
f:モータの誘起電圧の電気周波数
A:比例定数
N:モータの回転数
P:モータの極対数
Imax:短絡電流最大値
式1、式2において、回転数Nを無限大にした場合、短絡時の最大電流Imaxの値は、式3に示すように、起電圧定数Kと、モータの極対数Pと、巻き線インダクタンスLとにより規定される。このため、短絡電流の最大値Imaxが減磁電流以下となるような関係を満たすモータ7を用いる。これによりモータ7の減磁の懸念はない。尚、本実施の形態1では極対数を2としたが、巻き線の関係でインダクタンス値や、誘起電圧定数に変更の自由が無い場合、極対数を2以上の大きな値とすることで対策可能である。
通常、モータ7の減磁特性は磁石温度に大きく依存する。以下、温度上昇に対し保磁力が低下する永久磁石と、温度上昇に対し保磁力が上昇する永久磁石とに分けて説明する。
図12に示すように、例えば、常温の20℃における保磁力は約1100kA/mであるのに対し、100℃における保磁力は約370kA/mとなり、上記の温度上昇により保磁力は約1/3に低下することになる。しかしながら、一般的にネオジウムやサマリウムなどを含む希土類磁石は容積あたりの磁束密度が高く、同一の出力に対し巻き線電流による界磁の発生量を少なくでき、巻き線抵抗による銅損が少なく低損失で高効率のモータを得ることができる。
このような永久磁石を有するモータ7を用いることで、外風時においては短絡ブレーキをかけて母線電圧の上昇を抑制し、通常運転時においては運転電流を低減することができ、高効率化を図ることができる。
このため、プロペラファン108Fのファンボスに穴をあけたり(図示せず)、ファンボスがモータ7を覆わないような構造(図示せず)とする。さらに、モータ7の外部にフィンをつける(図示せず)。このような放熱構造とすることで、外風時におけるモータ7と空気との熱交換量が増え、外風時の短絡電流に起因して発熱するモータ7を冷却することができ、モータ7の温度上昇を低減できる。
尚、プロペラファン108Fのファンボス穴、プロペラファン108Fのファンボスがモータ7を覆わない構造、又はモータ7外部のフィンは、本発明における放熱手段に相当する。
上述したプロペラファン108Fやモータ7の放熱対策を行うことで、図13に示すように、外風時に想定される最高到達回転数以上においても、モータ7の飽和温度は減磁温度に至っていない。
このように放熱構造とすることでモータ7の温度上昇を低減できる。即ち、モータ7の構造部品を介してモータ7外郭と熱接触がある回転子9および永久磁石の温度も低減でき、永久磁石の保磁力の低下を抑制し、モータ7の減磁耐力を向上させることが可能である。
さらに冷却の効果を増すためには、前記構造品を熱抵抗の少ない、モールド樹脂や金属とし、接触面積を増加させることが有効である。
図14に示すように、例えば、−60℃における保磁力は約160kA/mであるのに対し、100℃における保磁力は約320kA/mとなり、温度上昇により保磁力は約2倍に増加する。
フェライト磁石等の温度上昇に対し保磁力が増加する永久磁石を用いた回転子9を用いた場合、短絡ブレーキ電流による温度上昇時には減磁耐力が上がる。
このため、上述したような放熱対策を施すことなく、通常運転時の巻き線電流を低減することができ、インバータ回路5の損失を低減し、空気調和機の高効率化やインバータ回路5の放熱フィンのサイズを小さくすることができる。
ただし、永久磁石の温度は、キュリー温度とならないように放熱設計をする必要がある。
図15はステータ内に永久磁石を用いたモータ構造図である。図15に示すように、回転子には電磁鋼板からなるロータコア61を用い、永久磁石62をステータコア63に内包する構造である。このような構造としたことで、巻き線電流により発生した磁束は、主に磁気抵抗の低いステータコア63側を通過し、永久磁石62に過大な磁束がかかることは無い。このような構造のモータ7とすることで、減磁耐力を上げることができ、短絡ブレーキ電流による減磁電流が設計制約とならず、空気調和機の損失を低減することができる。
図5は本発明の実施の形態2に係るモータ駆動制御装置の回路図である。図5において、本実施の形態2におけるモータ駆動制御装置110は、上記実施の形態1のモータ駆動制御装置110の構成に加え、配線131により接続され、モータ7の起電力による電力を消費する負荷手段であるブレーキ抵抗器130と、ブレーキ抵抗器130への通電を制御する半導体スイッチ素子15とを備えている。
上記実施の形態1では、モータ7の巻線8に短絡電流を流して短絡ブレーキをかけるとともに母線電圧の上昇を抑制し、上記実施の形態2では、ブレーキ抵抗器130に回生電流を流して回生ブレーキをかけるとともに母線電圧の上昇を抑制したが、本実施の形態3では、短絡ブレーキと回生ブレーキとを併用する。
図6は本発明の実施の形態4に係るモータ駆動制御装置の回路図である。図6において、本実施の形態4に係るモータ7は、各相の巻線8の双方の端子が、それぞれインバータ回路5の出力端子に接続されている。そして、本実施の形態4に係るインバータ回路5は、モータ7の巻線8の各相の両端毎にスイッチング素子6を有する。つまり、図6に示すように、インバータ回路5は、モータ7の各巻線8の片方側に接続されるスイッチング素子6a〜6fと、各巻線8の他端側に接続されるスイッチング素子6a’〜6b’とを有し、各々ブリッジ接続している。このように、本実施の形態4では半導体のスイッチング素子6としては12個使用し、6アームとする。尚、本実施の形態4でもスイッチング素子6としてMOSFETを使用している。また、各々のスイッチング素子6a〜6f’には、並列に逆電流方向に高速ダイオードが内蔵されている。この内蔵されている高速ダイオードはスイッチング素子6a〜6f’がオフしたとき還流電流を流す働きをする。
さらに、本実施の形態4に係るモータ7は、最大外風条件時の回転より生じる各巻線8の相電圧が、電解コンデンサ4の耐圧以下となるようなモータ、例えば、最大外風条件30m/sにおいて、モータ7の回転数が4000rpmとなった場合、相電圧が350Vとなるモータを用いる。
図7〜図9は本発明の実施の形態5に係るモータ駆動制御装置の回路図である。図7〜図9において、本実施の形態5に係るモータ7は、三相の巻線8を有し、各相の巻線8の片側の端子が、それぞれインバータ回路5の出力端子に接続されている。そして、巻線8のもう一方の端子はそれぞれ開閉手段81に接続されている。この開閉手段81を用いることにより、巻線8のΔ結線とY結線との切り替え、又はインバータ回路5と巻線8との開列が可能である。即ち、この開閉手段81により、モータ7の巻線8をY結線とΔ結線とに切り替える切替手段、及び巻線8片側の接続を切り離す開閉手段を構成している。
さらに、本実施の形態5に係るモータ7は、最大外風条件時の回転より生じる各巻線8の相電圧が、電解コンデンサ4の耐圧以下となるようなモータ、例えば、最大外風条件30m/sにおいて、モータ7の回転数が4000rpmとなった場合、相電圧が350Vとなるモータを用いる。
図7に示すように、例えばモータ7の運転中においては、センサレス制御手段および制動制御手段10は、開閉手段81を動作させて、モータ7の巻線をY結線に切り替える。この場合は、従来モータと同じ接続になる。
図9に示すように、例えばモータ7の運転停止中においては、センサレス制御手段および制動制御手段10は、開閉手段81を動作させて、各相の巻線8を開列し、インバータ回路5の端子に、外風時のモータ起電力による電圧を印加させない。このように、モータ7の巻線8とインバータ回路5とを開列すれば、電解コンデンサ4の端子間(母線電圧)には、モータ7の起電力による電圧は印加されない。
上記実施の形態1〜5では、インバータ回路5の動作など、電気的に駆動回路を保護する方法について述べてきたが、本実施の形態6に係るモータ駆動制御装置110は、上記実施の形態1〜5の構成に加え、モータの回転負荷を増加させる機械式制動手段や、プロペラファン108Fの回転を停止させるストッパを更に備える。
上記実施の形態1〜5では、インバータ回路5の動作など、電気的に駆動回路を保護する方法について述べてきたが、本実施の形態6に係るモータ駆動制御装置110は、上記実施の形態1〜5の構成に加え、風速に応じプロペラファン108Fの形状を変形させ、当該プロペラファン108Fの回転力を低下させるファン形状変形手段や、風路に設けられ、プロペラファン108Fの回転力を低下させる風路形状変形手段であるダンパーシャッターを更に備える。
上記実施の形態1〜5では、モータ7とモータ駆動制御装置110とがそれぞれ別の場所に配置された場合について述べたが、モータ駆動制御装置110を構成する各手段の全部又は一部が、モータ7に内蔵されても同様の効果が得られる。このような構成とすることにより、インバータ回路5のスイッチング素子6や、ブレーキ抵抗器130、回生電流を制御する半導体スイッチ素子15などの発熱を、モータ7内に放熱できるため、放熱対策費用を低減できる効果がある。
図10は本発明の実施の形態9に係る換気扇の断面を模式的に示した概略構成図である。図10において、換気扇200は、金属筐体201、シロッコファン202、換気扇グリル203と、金属製の電気品BOX204とにより構成される。この換気扇200は、天井壁220に取り付けられる。そして、この換気扇200のシロッコファン202は、上述した実施の形態1〜8のモータ7のロータシャフト71が接続され、上述した実施の形態1〜8で説明したモータ駆動制御装置110により回転駆動される。このような構成により、換気扇200のシロッコファン202が外風により回転した場合においても、上述した実施の形態1〜8と同様の効果を得られることは言うまでもない。
図11は本発明の実施の形態10に係るヒートポンプタイプの給湯機の概略構成図である。図11において、ヒートポンプタイプの給湯機は、圧縮機301、加熱熱交換器302、絞り部303及び吸熱熱交換器304とこれらを順次接続する循環配管307並びに吸熱熱交換器304用の送風ファン305、吸熱熱交換器304の出口側に設置された吸熱熱交換部温度センサ311から構成されている。さらに貯湯タンク306は循環配管308により加熱熱交換器302と接続され、加熱熱交換器302内部を通る循環配管308で熱交換され、加熱された湯が貯湯タンク306の上部より貯湯される。貯湯タンク306には給水管309から給水される。そして、このヒートポンプタイプの給湯機の送風ファン305は、上述した実施の形態1〜8のモータ7に接続され、上述した実施の形態1〜8で説明したモータ駆動制御装置110により回転駆動される。このような構成により、ヒートポンプタイプの給湯機の送風ファン305が外風により回転した場合においても、上述した実施の形態1〜8と同様の効果を得られることは言うまでもない。
Claims (15)
- ファンを回転させる3相のモータを駆動するモータ駆動制御装置であって、
直流電圧を交流電圧に変換して前記モータに印加するインバータ回路と、
前記インバータ回路を制御して前記モータの運転を制御する制御手段と、
前記制御手段により制御され、前記モータの巻き線をY結線とΔ結線とに切り替える切替手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記モータの運転停止時に、前記モータの巻き線をΔ結線に切り替えることを特徴とするモータ駆動制御装置。 - 前記モータが搭載される搭載製品の最大外風条件時に、前記各巻き線の相電圧が前記インバータ回路の耐圧以下となる起電力を発生する前記モータを駆動することを特徴とする請求項1記載のモータ駆動制御装置。
- 前記モータの巻き線間の結線のうち、少なくとも片側の接続を開閉する開閉手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記モータの運転停止時に、前記開閉手段を動作させ、前記モータの巻き線の片側の接続を前記インバータ回路と切り離すことを特徴とする請求項1又は2記載のモータ駆動制御装置。 - 前記インバータ回路、前記制御手段、前記切替手段及び前記開閉手段の少なくとも一つが前記モータに内蔵されることを特徴とする請求項3記載のモータ駆動制御装置。
- 前記モータの回転負荷を増加させる機械式制動手段を更に備え、
前記制御手段は、
外風により前記ファンが回転し、当該ファンの回転により発生する前記モータの起電力が所定の値を超えたとき、前記機械式制動手段を動作させ、前記モータの起電力を低下させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のモータ駆動制御装置。 - 前記ファンの回転を停止させるストッパを更に備え、
前記制御手段は、
前記モータの運転停止時に、前記ストッパを動作させ、前記ファンの回転による前記モータの起電力を生じさせないことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のモータ駆動制御装置。 - 前記ファンの回転力を低下させるファン形状変形手段を更に備え、
前記制御手段は、
外風により前記ファンが回転し、当該ファンの回転により発生する前記モータの起電力が所定の値を超えたとき、前記ファン形状変形手段を動作させ、前記モータの起電力を低下させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のモータ駆動制御装置。 - 前記ファンの回転力を低下させる風路形状変形手段を更に備え、
前記制御手段は、
外風により前記ファンが回転し、当該ファンの回転により発生する前記モータの起電力が所定の値を超えたとき、前記風路形状変形手段を動作させ、前記モータの起電力を低下させることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のモータ駆動制御装置。 - ファンを回転させるモータと、
請求項1〜8の何れかに記載のモータ駆動制御装置と
を備えたことを特徴とする空気調和機。 - ファンを回転させるモータと、
請求項1〜8の何れかに記載のモータ駆動制御装置と
を備えたことを特徴とする換気扇。 - ファンを回転させるモータと、
請求項1〜8の何れかに記載のモータ駆動制御装置と
を備えたことを特徴とするヒートポンプタイプの給湯機。 - 前記モータが有する熱を放熱する放熱手段を備え、
前記モータは、温度上昇に対し保磁力が低下する永久磁石を有するロータを備えたことを特徴とする請求項9記載の空気調和機。 - 前記モータは、温度上昇に対し保磁力が増加する永久磁石を有するロータを備えたことを特徴とする請求項9記載の空気調和機。
- 前記モータは、永久磁石を有するステータを備えたことを特徴とする請求項9記載の空気調和機。
- 前記放熱手段は、
外風により前記ファンが回転し、当該ファンの回転により発生する前記モータの起電力に起因する前記モータの熱を、前記外風により放熱し、
前記モータの内部温度が、前記永久磁石の減磁温度を超えないことを特徴とする請求項12記載の空気調和機。
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