JP2011249071A - 水系電解液電池及び水系電解液電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電生成物の析出による電池劣化を抑制可能な水系電解液電池を提供する。
【解決手段】正極、負極及び水系電解液を備え、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に放電生成物を析出させる析出部を備える水系電解液電池とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は水系電解液電池及び水系電解液電池の製造方法に関する。
水系電解液を備えた電池の一つに空気電池がある。空気電池は、酸素を正極活物質とする電池であり、放電時には空気を外部から取り込んで用いる。そのため、正極及び負極の活物質を電池内に有する他の電池に比べ、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることが可能になる。したがって、原理的に放電できる電気容量が大きく、小型化や軽量化が容易という特徴を有している。また、正極活物質として用いる酸素の酸化力は強力であるため、電池起電力が比較的高い。さらに、酸素は資源的な制約がなくクリーンな材料であるという特徴も有するため、空気電池は環境負荷が小さい。このように、空気電池は多くの利点を有しており、携帯機器用電池、電気自動車用電池、ハイブリッド車用電池、燃料電池自動車用電池などへの利用が期待されている。
例えば、非特許文献1には、リチウムイオン伝導性セラミックス(Li1+x+yAlTi2−xSi3−y12(LATP))とリチウムイオン伝導性ポリマー(Li3−xPO4−y(LiPON))からなるセパレータを用いてLiCl水溶液を電解液とするLi空気電池が記載されている。当該空気電池は、室温25℃で開回路電圧が3.64Vであり、電池は1週間放置してもセル定数に変化が見られず、性能に優れるものである。また、特許文献1には、非水性電解質(アノード材)を含浸させた多孔質のセパレータによって電極(アノード)から分離された活性金属(例えばリチウム)電導性の不浸透性層を備えるイオン伝導性の保護構造体を有する活性金属及び活性金属挿入電極構造体及び電池セルが開示されている。この保護構造体は、不浸透性層の反対側に配設されるカソード側活性金属を保護するものである。
特開2007−524204号公報
Journal of Power Sources 189 (2009) 371-377
非特許文献1に記載されたような水溶性電解質を用いた金属空気電池においては、正極に酸素を還元するガス拡散電極、負極に金属(Li、Zn、Al等)、電解液にアルカリ水溶液を用いる。特に水溶液型Li空気電池では、放電時に放電生成物(LiとOH)を電解液中に貯蔵し、充電時に電解液中のLiとOHとを消費してLiと酸素とを発生させる。このような電池では、溶液中にイオンとして放電生成物を溜め込むことができ、イオンの飽和溶解度を超えても放電可能とされる。しかしながら、飽和溶解度を超えた場合、放電生成物はイオン結晶(LiOH)となって固体として析出する。ここで、溶解平衡によって放電生成物が固体として析出する場合、結晶生成核は表面エネルギーの高い場所、例えば固体表面に形成されやすい。すなわち、電極表面や電池内壁面に結晶生成核が優先的に形成される。特に、電池内で結晶成長に必要な雰囲気条件が均一であると、結晶生成核の形成、放電生成物の析出は正極(空気極)表面で起こりやすい。そして、結晶化した放電生成物が放電反応場である電極表面を覆ってしまうと、それ以降の放電反応を阻害してしまう。特に空気電池では、拡散パスである正極の孔内に生成物固体が析出した場合、反応物である酸素が供給されなくなるため電池全体が失活し、放電反応が停止してしまう。また、正極での電池反応は、気・液・固の3相界面において生じるため、当該3相界面に一度放電生成物が析出すると充電反応も阻害される場合がある。さらに、放電生成物の析出により電解液内の電解質拡散が阻害され、溶液濃度分布の偏りが助長され、イオン伝導が阻害されるという問題も生じ得る。このように、放電生成物を溶媒中に溶解可能とするとともに、飽和溶解度以上においては溶解平衡によって放電生成物を固体として析出・貯蔵するような形態の電池においては、放電生成物の析出箇所を適切に制御し、電池の劣化を防ぐ必要がある。このような問題は、非特許文献1と特許文献1とを組み合わせても解決できない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、放電生成物の析出による電池劣化を抑制可能な水系電解液電池(例えば水系電解液を備えた空気電池等)及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
第1の本発明は、正極、負極及び水系電解液を備え、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を備える水系電解液電池である。
第1の本発明及び以下に示す本発明において、「放電生成物」とは、例えば、水系電解液電池の放電時に水系電解液から析出するイオン結晶を意味する。具体的には、LiOH等である。「放電生成物を析出させる析出部」とは、正極触媒の箇所よりも優先的に放電生成物を析出させ得る部分或いは部材をいう。例えば、正極の電解液接触部よりも表面粗さ(例えば、算術平均粗さや十点平均粗さ)の大きな部分や表面張力の高い部分を、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に設け、これを析出部とすることができる。具体的には、例えば、0.5〜50μmの凹凸を有する構造部或いは構造体を設け、これを析出部とすることができる。析出部の大きさや形状、材質については、水系電解液電池内部の所定箇所に適切に設けることができ、水系電解液電池の内部環境に耐え得るものであれば特に限定されるものではない。
第1の本発明において、析出部が、正極、負極及び水系電解液を収容する筐体の内壁に設けられていることが好ましい。筐体の内壁は加工がし易く、より容易に析出部を設けることができ、放電生成物の析出による電池劣化をより適切に抑制することができるためである。
第1の本発明において、析出部が、水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、凹凸による析出部表面の十点平均粗さRzが、5.25μm以上であるとともに、凹凸の平均間隔Smが、10.5μm以上であることが好ましい。析出部において、放電生成物をより優先的に析出させることができるためである。尚、本発明において、「十点平均粗さRz」とは、析出部表面の粗さ曲線について、基準長さ(例えば、500μm)における当該粗さ曲線の最大高さの5つの頂点と最深部の5つの谷底の平均の和(下記式(1))として定義される。また、「凹凸の平均間隔Sm」とは、析出部表面について、基準長さ(例えば、500μm)における粗さ曲線要素の平均長さを、所定回数(例えば、10回)測定し、測定した値をさらに平均化した長さとして定義される。尚、本願においては、キーエンス社製レーザーマイクロスコープVK−9700を用い、当該レーザーマイクロスコープの標準定義を用いて測定を行うことにより、上記十点平均粗さRzや平均間隔Sm、及び後述する二乗平均平方根粗さRqに係る値を特定した。
第1の本発明において、析出部が、水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、凹凸による析出部表面の二乗平均平方根粗さRqが、1以上13.5以下であることが好ましい。析出部において、放電生成物をさらに優先的に析出させることができるためである。尚、本発明において、「二乗平均平方根粗さRq」とは、一般的な表面高さの二乗平均平方根粗さを意味し、例えば、析出部表面について粗さ曲線について、基準長さ(例えば、500μm)におけるラインプロファイルを所定回数(例えば、10回)測定し、それをさらに平均化した値をRqとすることができる。
第2の本発明は、正極、負極及び水系電解液を備える水系電解液電池の製造方法であって、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を設ける工程を備える、水系電解液電池の製造方法である。
第2の本発明において、析出部を設ける工程を、正極、負極及び水系電解液を収容する筐体の内壁を研磨する工程とすることができる。筐体の内壁を研磨し、筐体の内壁の表面形態を変化させることで、筐体の内壁に析出部を容易に設けることができる。尚、本発明において「研磨する工程」とは、研磨により表面粗さを所定の粗さとすることを意味する。
第2の本発明において、析出部が、水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、当該凹凸による析出部表面の十点平均粗さRzを、5.25μm以上とするとともに、前記凹凸の平均間隔Smを、10.5μm以上とすることが好ましい。これにより、析出部において放電生成物をさらに優先的に析出させることが可能な水系電解液電池を製造できる。
第2の本発明において、析出部が、水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、凹凸による析出部表面の二乗平均平方根粗さRqを、1以上13.5以下とすることが好ましい。これにより、析出部において、放電生成物をさらに優先的に析出させることが可能な水系電解液電池を製造できる。
第1の本発明によれば、正極触媒箇所以外に、放電生成物を析出させる析出部が設けられているので、析出部に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極における電気化学反応やイオン伝導が放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。
第2の本発明によれば、第1の本発明に係る水系電解液電池を容易に製造することができる。すなわち、放電生成物の析出による電池劣化を抑制することが可能な水系電解液電池を製造することができる。
第1実施形態に係る本発明の空気電池100を説明するための概略図である。 第2実施形態に係る本発明の空気電池200を説明するための概略図である。 第3実施形態に係る本発明の空気電池300を説明するための概略図である。 第4実施形態に係る本発明の空気電池400を説明するための概略図である。 第5実施形態に係る本発明の空気電池500を説明するための概略図である。 空気電池の製造方法S100を説明するためのフローチャートである。 実施例に係るアクリル樹脂片の表面形態を示す写真図である。 実施例に係るアクリル樹脂片の表面形態を示す写真図である。 LiOH析出量と二乗平均平方根粗さRqとの関係を示す図である。
水系電解液を備えた電池(例えば、水系電解液を備える空気電池)においては、放電時に放電生成物(リチウム空気電池にあっては、LiとOH)を水系電解液に貯蔵し、充電時に水系電解液中の物質(例えば、LiとOH)を消費して酸素等(例えば、酸素とLi)を発生させる。このような電池では、水系電解液中にイオンとして放電生成物を溜め込むことができ、イオンの飽和溶解度を超えても放電可能とされる。しかしながら、飽和溶解度を超えた場合、放電生成物はイオン結晶(例えば、LiOH)となって固体として析出する。当該固体が電極表面(特に正極表面)を覆ってしまうと、電池は失活し、電池の充放電反応が停止してしまう。水系電解液におけるイオン結晶の析出について、析出箇所を制御することができれば、このような電池の失活を防ぐことができると考えられる。本発明者は、水系電解液におけるイオン結晶の析出について研究を進めた結果、以下のことを知見した。
水系電解液において、溶液から固体が析出するまでには、核生成過程と成長過程とを経る。固体析出において、ナノオーダーの構造(欠陥等)が核生成過程に影響を及ぼし、マイクロオーダーの構造(表面粗さ等)が成長過程に影響を及ぼす。例えば、表面を機械的に荒らすことにより、微細な欠陥(機械的に荒らされる前から存在していたものも含む。)に加えて、表面にマイクロオーダーの凹凸を設けることができる。具体的には、金属や結晶性の物質表面を機械的に荒らした場合、結晶欠陥やステップ、キンクが多数生じる。このような欠陥等では、配位数の少ない不安定な原子・分子が生じ易く、これらが溶質と強く相互作用することによって結晶核が形成され、安定化される。
水系電解液における過飽和度の解消は過飽和溶液と飽和溶液との化学ポテンシャル差によって下記式(2)のように表現される。
Δμ/N=kTln(γ・x)−kTln(γ・x) …(2)
ここで、μは化学ポテンシャル、Nは物質の量、γは表面張力、xは濃度であり、γ、xはそれぞれ過飽和時における値である。
以上を鑑みると、水系電解液における不均一析出は、表面エネルギー(表面張力)の高い基板表面部分で起きやすいといえる。ただし、一度核が形成された場合には、ホモ・エピタキシー(同一物質上への析出)へと移行するため、表面の効果はこの限りではない。
上述したように、マイクロオーダーの構造は、成長過程に寄与すると考えられる。そして、結晶の成長は基板の成長部位の面の広さに依存する。また、核の形成に続いて物質移動過程と表面集積過程とが存在し、物質移動過程は溶液中から界面への結晶化成分の移動速度が結晶成長に影響を及ぼす過程であり、一方、表面集積過程では析出した核の表面拡散速度(或いは表面拡散の活性化エネルギー)が支配する。物質移動過程では、核形成により過飽和が解消された表面への物質輸送が律速となる。ここで、粗さのある表面では単位空間あたりの界面面積が大きい。すなわち、界面のエネルギー密度が高いと言える。よって、粗さのある表面では物質移動過程による結晶成長が速い。一方で、表面集積過程においても表面の粗さが重要となる。表面を核が拡散するためには拡散の活性化エネルギーが低い平面が必要となる。よって、著しい段差や異なる結晶面同士の山を越えて核成長を促すことは難しい。これにより、結晶成長過程には、核の拡散のための平面が必要になる。当該平面面積が結晶成長の大きさに影響を及ぼす。
以上のことから、
(1)ナノレベルでの欠陥を励起させることにより核の生成を促すことができる。
(2)マイクロレベルの凹凸は界面の量や結晶成長の地平を与え得る。
といえ、水系電解液のイオン結晶の析出を促すためには、表面が荒れた構造であるとともに、ある程度の平坦性が必要となる。そして、このような粗さとある程度の平坦性を有する表面を電池内部の水系電解液接触部に形成することができれば、当該表面にてイオン結晶を優先的に析出させることができ、電極におけるイオン結晶の析出を抑制し、ひいては、電池の失活を防ぐことができると考えられる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、正極、負極及び水系電解液を備えた水系電解液電池において、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を設けたことに特徴を有する。以下、本発明の実施形態について説明する。
1.水系電解液電池
1.1.第1実施形態
本発明に係る水系電解液電池を、空気電池を例にとって具体的に説明する。図1に、第1実施形態に係る本発明の水系電解液電池100(以下、単に、「空気電池100」という。)の構成を概略的に示す。図1に示すように、空気電池100は、正極1、正極1に酸素を供給する酸素層2、負極3、及び正極1と負極3との間に介在する水系電解液層4aを備え、これらは筐体5に収容されている。また、筐体5の内壁のうち非水系電解液層4aと接触する部分には、析出部6が設けられている。
(正極1)
正極1は、空気電池の正極(空気極)として機能し得るものであれば特に限定されるものではなく、公知の形態とすることができる。例えば、導電性材料、触媒、及び、これらを結着させる結着材を含ませることができる。正極1に含有される導電性材料は、空気電池100の使用時における環境に耐えることができ、且つ、導電性を有するものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラックやメソポーラスカーボン等の炭素材料等を例示することができる。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、正極1における導電性材料の含有量は、10質量%以上とすることが好ましい。また、充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、正極1における導電性材料の含有量は、99質量%以下とすることが好ましい。正極1に含有される触媒としては、コバルトフタロシアニン及び二酸化マンガン等を例示することができる。充分な触媒機能を発揮し得る形態にする等の観点から、正極1における触媒の含有量は、1質量%以上とすることが好ましい。また、反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、正極1における触媒の含有量は、90質量%以下とすることが好ましい。正極1に含有される結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を例示することができる。正極1における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。
正極1は、例えば、カーボンブラック、触媒、及び結着材を含む塗料を、後述する正極集電体の表面に、ドクターブレード法にて塗布することにより作製することができる。このほか、カーボンブラック及び触媒を含む混合粉末を熱圧着することにより作製することもできる。正極1の大きさや厚みについては、空気電池として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。
(酸素層2)
酸素層2は、筐体5内に存在する酸素ガスを、正極1へと導く機能を担う。酸素層2は、正極1へと導かれる空気の通り道であり、例えば、正極1の内部又は外面に当接して、正極1の集電を行う集電体に備えられる孔が、酸素層2として機能する。すなわち、酸素層2は、正極集電体2と表現することもできる。
空気電池100において、正極集電体は正極1の集電を行う機能を担う。空気電池100において、正極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。正極集電体の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、及び、カーボン等を例示することができる。このような正極集電体の形状としては、例えばメッシュ(グリッド)状等を例示することができる。正極集電体の大きさや厚みについては、空気電池として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。
(負極3)
負極3は、空気電池の負極として機能し得るものであれば特に限定されるものではなく、公知の形態とすることができる。例えば、負極活物質として機能する金属を含有している。負極3に含有され得る金属としては、Li、Na、K、Al、Mg、Ca、Zn、Fe等や、これらの合金等を例示することができる。高容量化を図りやすい空気電池100を提供する等の観点からは、Liが含有されることが好ましい。負極3は少なくとも負極活物質を含有していれば良く、さらに、導電性を向上させる導電性材料や上記金属等を固定化させる結着材を含有していても良い。反応場の減少及び電池容量の低下を抑制する等の観点から、負極13における導電性材料の含有量は10質量%以下とすることが好ましい。また、負極13における結着材の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば10質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上5質量%以下とすることがより好ましい。負極13に含有され得る導電性材料及び結着材の種類、使用量等は、正極11の場合と同様とすることができる。
空気電池100では、負極3の内部又は外面に当接して、負極集電体(不図示)が設けられていてもよい。負極集電体は、負極3の集電を行う機能を担う。空気電池100において、負極集電体の材料は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではない。負極集電体の材料としては、銅、ステンレス鋼、及び、ニッケル等を例示することができる。また、負極集電体の形状としては、箔状、板状、及び、メッシュ(グリッド)状等を例示することができる。空気電池100において、負極3は、例えば正極1と同様にドクターブレード等を用いて作製することができる。負極3の大きさや厚みについては、空気電池として機能し得るものであれば、特に限定されるものではない。
(水系電解液層4a)
水系電解液層4aは、正極1及び負極3の間でイオンの伝導を担う電解質を有してなる層であり電解質水溶液が含まれている。水系電解液としては、空気電池の水系電解液として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することが好ましい。例えば、アルカリ金属水酸化物水溶液、好ましくはLiOH水溶液やKOH水溶液を用いることができる。高容量化を図りやすい空気電池とする観点からは、LiOH水溶液を用いることが好ましい。また、水系電解液層4aは、セパレータやゲルポリマーに水系電解液が保持される形態としてもよい。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜のほか、樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を例示することができる。また、ゲルポリマーとしては、アクリレート系高分子化合物や、ポリエチレンオキサイド等のエーテル系高分子化合物及びこれらを含む架橋体や、ポリメタクリレート等のメタクリレート高分子化合物や、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体等のフッ素系高分子化合物等を用いることができる。ゲルポリマーの形態は粒子状等、水系電解液が保持可能な形態であれば特に限定されるものではない。また、水系電解液層4aの大きさや厚みについても、空気電池において適切に機能するものであれば特に限定されるものではない。水系電解液層4aは、例えば、筐体5内において正極1と負極3との間に水系電解液を充填することにより、或いは、適切に成形されたセパレータやゲルポリマー充填層に水系電解液を含ませ、セパレータやゲルポリマーに水系電解液を保持させることにより、作製することができる。
(発電部)
空気電池100において、発電部は、酸素層2、正極1、水系電解液層4a、及び負極3が、この順に積層されてなる積層体である。正極1、水系電解液層4a、及び負極3の積層方法については特に限定されず、正極1と負極3との間の空間に水系電解液を充填する形態のほか、正極1と負極3との間にセパレータ又はゲルポリマーを配し、当該セパレータ又はゲルポリマーに水系電解液を含ませることで、正極1と負極3との間に水系電解液層4aを設ける形態等とすることもできる。
(筐体5)
筐体5には、上記発電部、及び酸素含有ガスが少なくとも収容される。空気電池100において、筐体5の形状は特に限定されるものではない。例えば、筐体5の一部をメッシュ状とすること、或いは、供給口を設けること等により、外部から空気等の酸素含有ガスを取り込み、空気電池100の正極1に酸素が供給される形態であってもよいし、筐体5内部にあらかじめ酸素含有ガス等を収容して密閉したうえで、空気電池100の正極1に酸素が供給される形態であってもよい。筐体5の構成材料は、空気電池の筐体に使用可能な材料を適宜用いることができる。筐体5に取り込まれる又は収容される酸素含有ガスについては、酸素が含有されているものであれば特に限定されるものではないが、空気、好ましくは乾燥空気や、圧力が1.01×10Pa、酸素濃度が99.99%以上の酸素ガス等を用いることができる。
(析出部6)
上述したように、空気電池において、水系電解液の飽和溶解度を超えた場合、電解液からイオン結晶(放電生成物)が析出する。放電生成物の結晶核は表面張力の高い表面において生成しやすく、また微小な凹凸により比表面積等が大きい部分において結晶成長が起こりやすい。そして放電生成物の析出が速やかに進行する構造部(或いは構造体)があれば、当該構造部において優先的に析出が起こり、他所への析出を抑制することができる。
本発明に係る空気電池においては、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に析出部を設け、ここに放電生成物を優先的に析出させ得る形態としている。例えば、空気電池100のように、筐体5の内壁面のうち、水系電解液と接触する箇所に析出部6を設けることができる。析出部6は、例えば、筐体5の内壁を荒れた表面とすることにより形成することができる。ここで、筐体5の内壁は、樹脂、或いは無機不活性物質により構成されることが好ましく、この場合、樹脂等の生成過程において、或いは後処理によって、表面に微小な凹凸を設けることができる。後処理を行う場合は、ヤスリ等の研磨手段によって研磨する、或いは不活性微粒子(炭素、金属、セラミックス、又は樹脂等)の埋め込みを行う等の方法によって、表面に微小な凹凸を設けることができる。
析出部6の水系電解液層4aと接触する側の表面は、とがりRkuが9.96以上の凹凸を有することが好ましい。このようなとがりを有することで、水系電解液が飽和溶解度を超えた場合に、放電生成物を析出部6表面に優先的に析出させることができ、正極1表面への放電生成物の析出をより適切に抑制することができる。
また、析出部6の水系電解液層4aと接触する側の表面は、凹凸による表面の十点平均粗さRzが、5.25μm以上であることが好ましい。また、当該凹凸の平均間隔Smは、10.5μm以上であることが好ましい。或いは、析出部6の水系電解液層4aと接触する側の表面は、凹凸による表面の二乗平均平方根粗さRqが、1以上13.5以下であることが好ましく、4以上12以下であることがより好ましい。析出部6の表面をこのような形態とすることにより、水系電解液が飽和溶解度を超えた場合において、析出部6の表面に放電生成物をさらに優先的に析出させることができる。
以上のように、空気電池100には、正極1、負極3及び水系電解液層4aが備えられ、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液層4aと接触する箇所(筐体5の内壁)に、放電生成物を析出させる析出部6が備えられている。そして空気電池100によれば、析出部6に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極1における電気化学反応やイオン伝導が、放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。
1.2.第2実施形態
図2に、第2実施形態に係る本発明の水系電解液電池200(以下、単に、「空気電池200」という。)の構成を概略的に示す。図2において、空気電池100と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図2に示すように、空気電池200は、正極1、正極1に酸素を供給する酸素層2、負極3、並びに、正極1と負極3との間に介在する水系電解液層4a及び固体電解質層4bを備え、これらは筐体5に収容されている。空気電池200において、水系電解液層4aは、正極1と固体電解質層4bとの間に設けられ、固体電解質層4bは、水系電解液層4aと負極3との間に設けられている。また、筐体5の内壁面であって非水系電解液層4aと接触する部分には、析出部6が設けられている。このように、空気電池200は、電解質層として水系電解液層4aに加えて、さらに固体電解質層4bを備える点で、空気電池100とは異なる。以下、固体電解質層4bについて説明する。
(固体電解質層4b)
固体電解質層4bには、固体電解質が含まれている。固体電解質としては、空気電池200に使用可能な固体電解質であれば特に限定されるものではない。例えば、空気電池200をリチウム空気電池とする場合、種々のリチウム含有酸化物やその他リチウム系固体電解質等、リチウム空気電池に適用可能な固体電解質を用いることができる。具体的には、Li1.5TiSi0.42.612、Li1.5Al0.5Ge1.5(POの等のNASICON型固体電解質、LiLaZr12、LiBaLaTa12等のガーネット型固体電解質、Li0.5La0.5TiO等のペロブスカイト型固体電解質、Li3.60.4Si0.5、Li3.40.6Ge0.4等のLISICON型固体電解質、LiO−B、LiCl−LiO−B、LiO−SiO、LiSO−LiPO、LiO−Nb、LiO−Ta等のガラス型固体電解質や、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドとエチルグリシジルエーテルとの共重合体等の固体高分子電解質等を用いることができる。固体電解質層の厚みや大きさについては空気電池200に適用可能なものであれば特に限定されるものではない。固体電解質層4bの作製方法についても、特に限定されるものではなく、例えば、粉体状の固体電解質を混合し、加圧成形すること等によって作製することができる。
空気電池200によっても、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液層4aと接触する箇所(筐体5の内壁)に、放電生成物を析出させる析出部6が備えられているので、析出部6に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極1における電気化学反応やイオン伝導が、放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。
1.3.第3実施形態
図3に、第3実施形態に係る本発明の水系電解液電池300(以下、単に、「空気電池300」という。)の構成を概略的に示す。図3において、空気電池100と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図3に示すように、空気電池300は、正極1、正極1に酸素を供給する酸素層2、負極3、並びに、正極1と負極3との間に介在する水系電解液層4a、固体電解質層4b及び非水系電解液層4cを備え、これらは筐体5に収容されている。空気電池300において、固体電解質層4bは、水系電解液層4aと非水系電解液層4cとの間に、水系電解液層4aは正極1と固体電解質層4bとの間に、非水系電解液層4cは、固体電解質層4bと負極3との間に設けられている。また、筐体5の内壁面であって水系電解液層4aと接触する部分には、析出部6が設けられている。このように、空気電池300は、電解質層として水系電解液層4aに加えて、さらに固体電解質層4bや非水系電解液層4cを備える点で、空気電池100とは異なる。以下、非水系電解液層4cについて説明する。
(非水系電解液層4c)
非水系電解液層4cは非水系電解液が含まれる層である。非水系電解液の種類は、伝導する金属イオンの種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、空気電池200をリチウム空気電池とする場合の非水系電解液は、通常、リチウム塩及び非水溶媒を含有する。非水系電解液に含有されるリチウム塩としては、LiTFSI、LiBETI等のイミド塩や、LiBF、LiPF、LiClO、LiBOB等を用いることができる。また、非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物や、4級アンモニウムカチオン(鎖状、環状)、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン等のカチオンと、TFSAアニオン、BETAアニオン、FSAアニオン、BFアニオン、PFアニオン、トリフレートアニオン、ClOアニオン等のアニオンと、を有するイオン性液体や、C14、C16、C18、C20、ヘキサフルオロベンゼン、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素溶媒を例示することができる。非水系電解液層4cについても水系電解液層4aと同様、セパレータやゲルポリマーに電解液が保持される形態としてもよい。セパレータやゲルポリマーは上述した通りである。非水系電解液層4cの作製については、特に限定されるものではなく、水系電解液層4aと同じようにして作製することができる。
空気電池300によっても、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液層4aと接触する箇所(筐体5の内壁)に、放電生成物を析出させる析出部6が備えられているので、析出部6に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極1における電気化学反応やイオン伝導が、放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。
1.4.第4実施形態
図4に、第4実施形態に係る本発明の水系電解液電池400(以下、単に、「空気電池400」という。)の構成を概略的に示す。図4において、空気電池100と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図4に示すように、空気電池400は、正極1、正極1に酸素を供給する酸素層2、負極3、及び正極1と負極3との間に介在する水系電解液層4aを備え、これらは筐体5に収容されている。また、筐体5の内壁面であって非水系電解液層4aと接触する部分において、一の内壁面から対向する他の内壁面に向かって、構造体16、16、…が設けられている。このように、空気電池400は、析出部6、6に替えて、構造体16、16、…を備える点で、空気電池100とは異なる。以下、構造体16について説明する。
(構造体16)
構造体16は、水系電解液と接触する表面に微小な凹凸を有する構造体であり、筐体5の内壁に取り付けられ、析出部として機能する。図4に示すように、構造体16は、電池400内部に複数設けられていることが好ましい。また、構造体16、16、…間は、水系電解液とその溶存イオンの流動を妨げないように、十分な隙間(溶液の粘性と電池の大きさにより適宜調整可能であるが、例えば、5μm〜5000μmの隙間)を設けることが好ましい。構造体16は、表面に微小な凹凸を有することにより放電生成物を優先的に析出させ得るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、棒状或いは板状の部材の表面を研磨等によって荒らし(或いは、表面に比表面積の大きな微粒子を埋め込み)、表面に凹凸を形成したうえで、電池完成時において水系電解液と接触するように、筐体5の内壁に溶接や接着或いは係合によって固定することで作成可能である。構造体16の材質は、空気電池400内部の環境に耐え得るものであれば特に限定されるものではないが、析出部6と同様、樹脂、或いは無機不活性物質により構成されることが好ましい。構造体16の大きさや形状は、筐体5の容積や水系電解液層4aの厚みに合わせて適宜選択すればよい。
図4では、空気電池400の析出部として構造体16、16、…のみが備えられるものとしているが、構造体16、16、…に加えて、さらに析出部6を設けることが好ましい。すなわち、筐体5の内壁のうち水系電解液と接触する表面に析出部6を設け、且つ、筐体5の内壁の一部から他方の内壁に向かって立設するように構造体16、16、…を固定する。このような形態とすることで、正極への放電生成物の析出をより一層抑制することができる。
空気電池400によっても、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液層4aと接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部として機能する構造体16が備えられているので、構造体16に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極1における電気化学反応やイオン伝導が、放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。また、空気電池400においては析出部が数多く備えられている。このように析出部数を多くすることにより、放電生成物の析出粒子を細かくすることができる。ここで、微粒子化された放電生成物は、充電時の溶解速度が高いため、充電速度を高速化することができる。
1.5.第5実施形態
図5に、第5実施形態に係る本発明の水系電解液電池500(以下、単に、「空気電池500」という。)の構成を概略的に示す。図5において、空気電池100と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図5に示すように、空気電池500は、正極1、正極1に酸素を供給する酸素層2、負極3、及び正極1と負極3との間に介在する水系電解液層4dを備え、これらは筐体5に収容されている。また、水系電解液層4dは、水系電解液を含浸させた構造体26と、当該構造体26の内部に点在する結晶成長核36、36、…とから構成されている。このように、空気電池500は、水系電解液層4a及び析出部6に替えて、水系電解液層4dを備える点で、空気電池100とは異なる。以下、水系電解液層4dに係る構造体26及び結晶成長核36について説明する。
(構造体26)
構造体26は、正極1と負極3との間に備えられ、水系電解液を透過・含浸させることができる構造体であり、繊維状或いはフィルム状とすることができる。具体的には、ガラス材料、高分子材料、合金材料、セラミックス材料、或いはその他電池用セパレータに用いられる材料からなる。ここで、構造体26を荒れた表面を持つ繊維状或いはフィルム状とすることにより、構造体26を空気電池500における析出部として機能させることができ、好ましい。すなわち、構造体26の表面に優先的に放電生成物を析出させることができる。構造体26の水系電解液と接触する表面の荒れについては、例えば析出部6と同様とすることが好ましい。
(結晶成長核36)
結晶成長核36は、放電生成物の析出・成長核とされるものであり、構造体26の内部に点在・担持されている。結晶成長核36としては、比表面積の大きな微粒子や繊維状物質を例示することができ、その比表面積は、例えば、BET法で求められる比表面積((BETによるガス吸着量から求められる粒子表面積)/(粒子の質量))が、同重量の粒子を球体と仮定した場合の比表面積の2倍以上であることが好ましい。結晶成長核36の材質としては、空気電池500の内部環境に耐え得るものであれば特に限定されるものではなく、ガラス材料、高分子材料、合金材料、セラミックス材料等を例示することができる。結晶成長核36の大きさは特に限定されるものではなく、例えば、単粒子或いは凝集体の2次粒子に係る粒子形状が0.5μm〜3000μm程度のもの、或いは繊維長さが0.5μm〜3000μm、繊維直径(繊維の長手方向と直交する方向に係る長さ、繊維の幅)が0.01μm〜1000μm程度のものを用いることができる。結晶成長核36は、構造体26内に複数点在していることが好ましい。
水系電解液層4dは、例えば下記のようにして作製することができる。すなわち、構造体26を構成する繊維又はフィルムを複数用意し、(1)繊維等の表面に結晶成長核36を点在させ、(2)その上に別の繊維等を重ね合わせる。そして水系電解液層4dと同等の厚みとなるまで、(1)、(2)を繰り返すことにより、構造体26の内部に結晶成長核36を複数点在させることができる。或いは構造体26を構成する繊維又はフィルムに結晶成長核36、36、…を揉み込むことで、構造体26の内部に結晶成長核36、36、…を点在させてもよい。その後、構造体26に水系電解液を含ませることで、水系電解液層4dを作製することができる。その他、結晶成長核36、36、…が分散された水系電解液を、構造体26に含ませることにより、構造体26の内部に結晶成長核36、36、…を点在させてもよい。
図5では、空気電池500の析出部として構造体26及び結晶成長核36、36、…のみが備えられるものとしているが、これらに加えて、さらに析出部6を設けることが好ましい。すなわち、筐体5の内壁のうち水系電解液層4dと接触する表面に析出部6を設ける。このような形態とすることで、正極への放電生成物の析出をより一層抑制することができる。
空気電池500によっても、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部として機能する構造体26や結晶成長核36、36、…が備えられているので、構造体26や結晶成長核36、36、…に放電生成物を優先的に析出させ、正極触媒表面における放電生成物の析出を抑制できる。したがって、正極1における電気化学反応やイオン伝導が、放電生成物の析出によって阻害されることがないので、電池劣化を抑制することができる。また、空気電池500においては析出部が数多く備えられている。このように析出部数を多くすることにより、放電生成物の析出粒子を細かくすることができる。ここで、微粒子化された放電生成物は、充電時の溶解速度が高いため、充電速度を高速化することができる。
2.水系電解液電池の製造方法
図6に水系電解液電池の製造方法例を示す。図6に示すように、製造方法S100は、筐体を用意する工程S10、析出部を作製する工程S20、及び発電部を作製する工程S30を備えている。以下、製造方法S100が空気電池の製造に適用されるものとして説明する。
工程S10は、空気電池の筐体として用いることが可能な筐体を用意する工程である。筐体としては、例えば、筐体5を用意すればよい。
工程S20は、析出部を作製する工程である。例えば、用意した筐体5の内壁のうち電池完成時に水系電解液と接触する箇所を研磨手段によって研磨することで、筐体5に析出部6を設ける工程とすることができる。或いは、複数の構造体16、16、…を作製し筐体5内に固定する工程を工程S20としてもよい。さらには、内部に複数の結晶成長核36が点在された構造体26を作製する工程を工程S20としてもよい。析出部6や析出部16、或いは構造体26や結晶成長核36の詳細については上述した通りである。
工程S30は、筐体5内に、発電部を作製する工程である。例えば、正極1、負極3を作製して筐体5内の所定箇所に収納し、正極1と負極3との間に水系電解液層4a(4d)を設ける工程とすることができる。或いは、工程S30において、正極1及び負極3の間に、水系電解液層4aの他、固体電解質層4bや非水系電解液層4cを設けてもよい。いずれの場合であっても、水系電解液層4a(4d)における水系電解液は、析出部6、析出部16、或いは構造体26や結晶成長核36と接触するように設けられる。水系電解液層4a(4d)、固体電解質層4b、及び非水系電解質層4cの詳細については上述した通りである。
上記工程S10〜S30を経た後、適宜酸素を封入することで適切に機能する空気電池を製造することができる。上記製造方法によれば、正極触媒以外の箇所であって水系電解液と接触する箇所に析出部が設けられるので、放電生成物の析出による電池劣化を抑制することが可能な空気電池を製造することができる。尚、上記製造方法S100は、本発明に係る空気電池の製造方法の一例であり、これ以外の方法にて本発明に係る空気電池を製造してもよい。
3.その他電池
上記説明では、リチウム空気電池を中心に説明した。しかしながら、本発明は、充電或いは放電時に、電解液に可溶な塩の生成を伴う電池のいずれにも適用することができる。特に、電解液において塩の濃度が大きく変化するような電池に効果的である。このような電池としては、リチウム空気電池の他、水系電解液を備えるとともにZn等の負極をもつその他金属空気電池、ダニエル電池(Cu|CuSO|ZnSO|Zn)等を例示することができる。いずれにおいても、正極(正極触媒)以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に析出部を設けることで、本発明の効果が奏される。
以下、実施例に基づいて、水系電解液におけるイオン結晶の析出について詳述する。本実施例では、LiOH水溶液において、LiOHを効率よく析出させる構造を特定する実験を行った。
5×10mmのアクリル樹脂片の表面を研磨紙(♯120、♯600、♯1500、♯5000の4種類を用意)で十分に削ることで、アクリル樹脂片表面に所定の粗さを設けた。研磨後のアクリル樹脂片を、以下の条件で飽和LiOH水溶液に浸した(尚、LiOH溶解度は50℃にて12.2g/100g水、25℃にて11.1g/100g水である。)。
(1)50℃にて1時間保持
(2)1時間かけて25℃まで冷却
(3)さらに2時間放置
以上の操作によりLiOHの再結晶化を行った後、アクリル樹脂片を引き上げ、速やかに乾燥布で水溶液を拭き取った後、重量測定を行った。表1に、研磨紙における研磨粒子の平均粒度分布(μm)、及び重量測定の結果を示す。また、アクリル樹脂片表面の形態について、光学顕微鏡にて観察を行った。結果を図7、8に示す。図7(図7A〜E)は、研磨紙の種類を変えた場合における、各アクリル樹脂片表面へのLiOH析出物を拡大した写真図であり、図8は、研磨紙♯120で研磨したアクリル樹脂片表面の形態(図8(a))と、研磨紙♯600で研磨したアクリル樹脂片表面の形態(図8(b))と、を示す写真図である。
実験結果から、研磨紙♯600による研磨表面において、LiOHの析出が顕著であった。また、光学顕微鏡の観察結果から、結晶粒と同程度の大きさの突起部を核として、結晶が成長していることがわかった。一方、光学顕微鏡の観察結果から、研磨紙♯120で研磨した表面は、析出物が密集している部位と未析出部位とが不均一に存在していた。また、研磨紙♯120で研磨した表面においては、研磨紙♯600のものと同程度の突起が低密度に存在していた。より細かい(粒度指数の大きい)研磨紙を使用した場合、表面にできる大型結晶は少量となるものの、未研磨の場合よりも析出量は1.5倍以上多かった。すなわち、研磨によって荒れた表面においては、LiOHの析出が平滑表面よりも優先的に生じることがわかった。尚、未研磨の場合の表面に存在する結晶は、研磨した場合の表面に析出した結晶とは、成長度や形状が異なっていた。すなわち、未研磨の場合においては、溶液中にて均一に析出したものが表面に付着した可能性がある。
さらに、研磨紙毎のLiOH析出量と研磨紙の二乗平均平方根粗さRqとの関係を、図9に示す。図9より、LiOH析出量とRqとの関係においては析出量の極大値が存在することが分かる。例えば、Rqが1〜13.5の場合において、析出量が0.025g以上となり、Rqが4〜11の場合において、析出量が0.04g以上となっている。すなわち、Rqが所定範囲内において、特に顕著な析出が認められた。
以上の結果から、25μm程度の研磨剤粒子(♯600)によってもたらされた表面粗さが最も効率よくLiOHの析出・結晶化を促すことがわかった。一方で、10.5μmの研磨剤粒子(♯1500)では析出量がやや低下した。これより、LiOH水溶液において、LiOHの析出を効率的に促す表面粗さは以下のようにすることが好ましいといえる。
(1)表面の凹凸の平均間隔Sm≧10.5μm
(2)表面の凹凸による十点平均粗さRz≧5.25μm
(3)表面の凹凸による二乗平均平方根粗さRqが1〜13.5
(4)表面の凹凸によるとがりRku≧9.96
図3に示したような空気電池300を用意した(実施例)。ここで筐体を透明なアクリル樹脂で構成し、筐体の内壁を研磨することで、析出部6を設けた。一方、析出部を設けない(未研磨)空気電池を用意した(比較例)。
それぞれの電池について同一条件にて放電試験を行ったところ、実施例に係る空気電池においては、筐体の一部の透過度が低下した。電池の分解を行い、内部を目視にて観察したところ、筐体の内壁の研磨箇所に白色の固体が析出していた。一方、比較例に係る空気電池においては放電が停止する結果となった。正極に放電生成物が析出し、電池が失活したためと考えられる。このことから、水系電解液を備える空気電池においては、正極触媒以外の箇所のうち水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を設けることで、電池の失活を防止することができることがわかった。
以上、現時点において、最も実践的であり、且つ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う空気電池及びその製造方法もまた本発明の技術範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明に係る空気電池は、携帯機器、電気自動車、ハイブリッド車等の電源として好適に用いることができる。
1 正極
2 酸素層(正極集電体)
3 負極
4a 水系電解液層
4b 固体電解質層
4c 非水系電解液層
4d 水系電解液層
5 筐体
6 析出部
16 構造体(析出部)
26 構造体(析出部)
36 結晶成長核(析出部)
100〜400 空気電池(水系電解液電池)

Claims (8)

  1. 正極、負極及び水系電解液を備え、
    正極触媒以外の箇所のうち前記水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を備える、水系電解液電池。
  2. 前記析出部が、前記正極、負極及び水系電解液を収容する筐体の内壁に設けられている、請求項1に記載の水系電解液電池。
  3. 前記析出部が、前記水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、
    前記凹凸による前記析出部表面の十点平均粗さRzが、5.25μm以上であるとともに、前記凹凸の平均間隔Smが、10.5μm以上である、請求項1又は2に記載の水系電解液電池。
  4. 前記析出部が、前記水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、
    前記凹凸による前記析出部表面の二乗平均平方根粗さRqが、1以上13.5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の水系電解液電池。
  5. 正極、負極及び水系電解液を備える水系電解液電池の製造方法であって、
    正極触媒以外の箇所のうち前記水系電解液と接触する箇所に、放電生成物を析出させる析出部を設ける工程を備える、水系電解液電池の製造方法。
  6. 前記析出部を設ける工程が、前記正極、負極及び水系電解液を収容する筐体の内壁を研磨する工程である、請求項5に記載の水系電解液電池の製造方法。
  7. 前記析出部が、前記水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、
    前記凹凸による前記析出部表面の十点平均粗さRzを、5.25μm以上とするとともに、前記凹凸の平均間隔Smを、10.5μm以上とする、請求項5又は6に記載の水系電解液電池の製造方法。
  8. 前記析出部が、前記水系電解液と接触する表面に凹凸を有し、
    前記凹凸による前記析出部表面の二乗平均平方根粗さRqを、1以上13.5以下とする、請求項5〜7のいずれかに記載の水系電解液電池の製造方法。
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