JP2012113929A - リチウム二次電池用電解液、並びに当該電解液を備えるリチウム二次電池及びリチウム空気電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともイオン液体とリチウム塩を含有するリチウム二次電池用電解液であって、前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が0.37〜0.75mol/kgであることを特徴とする、リチウム二次電池用電解液。
【選択図】図2
Description
LixC→C+xLi++xe− (I)
(上記式(I)中、0<x<1である。)
上記式(I)の反応で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、正極に到達する。そして、上記式(I)の反応で生じたリチウムイオン(Li+)は、負極と正極に挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
Li1−xCoO2+xLi++xe−→LiCoO2 (II)
(上記式(II)中、0<x<1である。)
充電時においては、負極及び正極において、それぞれ上記式(I)及び式(II)の逆反応が進行し、負極においてはグラファイトインターカレーションによりリチウムが入り込んだグラファイト(LixC)が、正極においてはコバルト酸リチウム(Li1−xCoO2)が再生するため、再放電が可能となる。
非特許文献1には、4級アンモニウムカチオンを含むイオン液体について、電池の電解液として用いた際の熱的安定性や、サイクル特性等が記載されている。
本発明は、上記実状を鑑みて成し遂げられたものであり、デンドライトの発生を抑制できるリチウム二次電池用電解液、並びに当該電解液を備えるリチウム二次電池及びリチウム空気電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウム二次電池用電解液は、少なくともイオン液体とリチウム塩を含有するリチウム二次電池用電解液であって、前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が0.37〜0.75mol/kgであることを特徴とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電解液中のリチウム塩の濃度を0.37〜0.75mol/kgの範囲内とすることにより、リチウムが負極に均一に析出する時間が格段に長くなり、負極におけるリチウムデンドライトの発生を抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
ここでいうリチウム金属に対して不活性なアニオンとは、当該アニオンを含む電解液にリチウム金属を100分間浸漬させても化学構造が変化せず、安定なアニオンをいう。一方、リチウム金属に対して活性なアニオンとは、当該アニオンを含む電解液にリチウム金属を100分間浸漬させることによって分解するアニオンをいう。
本発明に使用されるカウンターアニオンは、具体的には、[N(CF3)2]−、[N(SO2CF3)2]−、[N(SO2C2F5)2]−等のイミドアニオン;RSO3 −(以下、Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を指す)、RSO4 −、RfSO3 −(以下、Rfは含フッ素ハロゲン化炭化水素基を指す)、RfSO4 −等の亜硫酸アニオン又は硫酸アニオン;Rf 2P(O)O−、Rf 3PF3 −等のリン酸アニオン;その他、ラクテートアニオン、トリフルオロアセテートアニオン等が挙げられる。
これらのアニオンのうち、本発明に使用されるカウンターアニオンは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン([N(SO2CF3)2]−)であることが好ましい。
本発明においては、電解液中のリチウム塩の濃度が0.4〜0.7mol/kgであることが好ましく、0.45〜0.6mol/kgであることがより好ましい。
非水系電解質としては、非水系電解液及び非水ゲル電解質を用いることができる。
本発明に使用される非水系電解液は、通常、上述したリチウム塩および非水溶媒を含有する。上記非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、ジメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びこれらの混合物等を挙げることができる。また、溶存した酸素を効率良く反応に用いることができるという観点から、上記非水溶媒は、酸素溶解性が高い溶媒であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、少なくとも正極と、負極と、当該正極と当該負極との間に介在する電解液とを備えるリチウム二次電池であって、前記電解液が、上記リチウム二次電池用電解液であることを特徴とする。
本発明のリチウム空気電池は、少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在する電解液とを備えるリチウム空気電池であって、前記電解液が上記リチウム二次電池用電解液であり、且つ、前記空気極がニッケル触媒を含有することを特徴とする。
リチウム二次電池100は、正極活物質層2及び正極集電体4を備える正極6と、負極活物質層3及び負極集電体5を備える負極7と、正極6及び負極7に挟持される電解液1を備える。
本発明に係るリチウム二次電池のうち、電解液については上述した通りである。以下、本発明に係るリチウム二次電池の構成要素である、正極、負極、セパレータ、電池ケースについて、詳細に説明する。
本発明に係るリチウム二次電池の正極は、好ましくは正極活物質を有する正極活物質層を備えるものであり、通常、これに加えて、正極集電体、及び当該正極集電体に接続された正極リードを備えるものである。なお、本発明に係るリチウム二次電池がリチウム空気電池である場合には、上記正極の替わりに、空気極層を含む空気極を備える。
以下、正極として、正極活物質層を備える正極を採用した場合について説明する。
本発明に用いられる正極活物質としては、具体的には、LiCoO2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiNiPO4、LiMnPO4、LiNiO2、LiMn2O4、LiCoMnO4、Li2NiMn3O8、Li3Fe2(PO4)3及びLi3V2(PO4)3等を挙げることができる。これらの中でも、本発明においては、LiCoO2を正極活物質として用いることが好ましい。
本発明において用いられる正極活物質層が有する導電化材としては、正極活物質層の導電性を向上させることができれば特に限定されるものではないが、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等を挙げることができる。また、正極活物質層における導電化材の含有量は、導電化材の種類によって異なるものであるが、通常1質量%〜10質量%の範囲内である。
本発明において用いられる正極集電体は、上記の正極活物質層の集電を行う機能を有するものである。上記正極集電体の材料としては、例えばアルミニウム、SUS、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウム及びSUSが好ましい。また、正極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができ、中でも箔状が好ましい。
以下、正極として、空気極層を備える空気極を採用した場合について説明する。本発明に用いられる空気極層は、少なくとも触媒及び導電性材料を含有するものであることが好ましい。本発明に用いられる空気極層は、必要に応じて、さらに結着剤を含有していても良い。
後述する実施例において示すように、ニッケル触媒の当該含有割合が5質量%未満である場合には、ニッケルの含有割合が低すぎることにより、空気極中の放電生成物の析出サイトを有効利用できず、放電生成物が偏って析出するために、放電容量が低くなるおそれがあり、さらに、放電時に生成したリチウム酸化物(Li2O2及び/又はLi2O)が、充電時において全て電気的に分解されないため、クーロン効率が低くなるおそれがある。
一方、ニッケル触媒の当該含有割合が15質量%を超える場合には、ニッケルの含有割合が高すぎることにより、相対的に空気極中のカーボン材料等の導電性材料等の含有割合が低下し、カーボン材料等の表面の活性点が減少するために、放電容量が低くなるおそれがあり、さらに、放電時に生成するリチウム酸化物(Li2O2及び/又はLi2O)の析出物のサイズが大きくなり、充電時において当該析出物を全て分解することが困難となるため、クーロン効率が低くなるおそれがある。
本発明においては、空気極の全質量を100質量%としたときのニッケル触媒の含有割合が5〜15質量%であることがより好ましく、7〜12質量%であることがさらに好ましい。
電極反応がよりスムーズに行われるという観点から、後述する導電性材料に上記触媒が担持されていることが好ましい。
空気極層における導電性材料の含有割合としては、例えば65質量%〜99質量%の範囲内、中でも75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有割合が少なすぎると、反応場が減少し、電池容量の低下が生じるおそれがある。導電性材料の含有割合が多すぎると、相対的に触媒の含有量が減り、充分な触媒機能を発揮できないおそれがある。
本発明に用いられる空気極集電体は、空気極層の集電を行うものである。空気極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。空気極集電体の形状としては、例えば箔状、板状及びメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、空気極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。集電効率に優れているからである。この場合、通常、空気極層の内部にメッシュ状の空気極集電体が配置される。さらに、本発明のリチウム二次電池は、メッシュ状の空気極集電体により集電された電荷を集電する別の空気極集電体(例えば箔状の集電体)を備えていても良い。また、本発明においては、後述する電池ケースが空気極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
空気極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に係るリチウム二次電池中の負極は、好ましくは負極活物質を含有する負極活物質層を備えるものであり、通常、これに加えて負極集電体、及び当該負極集電体に接続された負極リードを備えるものである。
本発明に係るリチウム二次電池中の負極層は、金属及び合金材料を含む負極活物質を含有する。負極活物質層に用いられる負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されないが、例えば、金属リチウム、リチウム合金、リチウム元素を含有する金属酸化物、リチウム元素を含有する金属硫化物、リチウム元素を含有する金属窒化物、及びグラファイト等の炭素材料等を挙げることができる。また、負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
リチウム合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。また、負極層には、固体電解質をコートしたリチウムを用いることもできる。
負極活物質層の膜厚としては、特に限定されるものではないが、例えば10μm〜100μmの範囲内、中でも10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
負極集電体の材料及び形状としては、上述した正極集電体の材料及び形状と同様のものを採用することができる。
本発明に係るリチウム二次電池は、正極及び負極の間に、電解液を含浸させたセパレータを備えていてもよい。上記セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;及び樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
本発明に係るリチウム二次電池は、通常、正極、電解液及び負極等を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状としては、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。
本発明に係る電池がリチウム空気電池である場合には、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気と接触可能な構造を有する電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースである場合は、密閉型電池ケースに、気体(空気)の導入管及び排気管を設けることが好ましい。この場合、導入・排気する気体は、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
[実施例1]
N−メチル−N−プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製;以下、PP13TFSIと称する場合がある)に、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiTFSIと称する場合がある)を濃度が0.4mol/kgとなるように溶解させ、実施例1の電解液を調製した。
PP13TFSIに、LiTFSIを濃度が0.5mol/kgとなるように溶解させ、実施例2の電解液を調製した。
PP13TFSIに、LiTFSIを濃度が0.75mol/kgとなるように溶解させ、実施例3の電解液を調製した。
N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(関東化学株式会社製:以下、P14TFSIと称する場合がある)に、LiTFSIを濃度が0.5mol/kgとなるように溶解させ、実施例4の電解液を調製した。
PP13TFSIに、LiTFSIを濃度が0.1mol/kgとなるように溶解させ、比較例1の電解液を調製した。
PP13TFSIに、LiTFSIを濃度が0.32mol/kgとなるように溶解させ、比較例2の電解液を調製した。
PP13TFSIに、LiTFSIを濃度が1.0mol/kgとなるように溶解させ、比較例3の電解液を調製した。
P14TFSIに、LiTFSIを濃度が0.32mol/kgとなるように溶解させ、比較例4の電解液を調製した。
[実施例5]
まず、導電性材料としてケッチェンブラック(ECP600JD;以下、KBと称する場合がある)を、結着剤としてPTFE(ダイキン工業株式会社製、商品名:F−104)を、空気極触媒としてニッケル粉末を、それぞれ用意した。これら導電性材料、結着剤及び空気極触媒を、KB:PTFE:Ni=80質量%:10質量%:10質量%の割合で混合し、空気極ペーストを調製した。
ポリプロピレン製不織布(JH1004N)に、上述した実施例2の電解液(リチウム塩濃度:0.5mol/kg)0.75mLを浸漬させたものを電解質層とした。当該電解質層を、気泡が入らないように、上記空気極と負極によって、重力方向略下側から、負極集電体−リチウム金属−電解質層−空気極ペースト−空気極集電体の順となるように挟持し、実施例5のリチウム空気電池を作製した。
以上の工程は、全て窒素雰囲気下のグローブボックス内で行った。
金属空気電池はF型セル(北斗電工(株)製)内に配置し、当該セルはガス置換コックつきガラスデシケーター内に配置した。デシケータ−内にはモレキュラーシーブ約50mLを配置し、容器内を酸素で置換した。
導電性材料、結着剤及び空気極触媒を、KB:PTFE:Ni=70質量%:10質量%:20質量%の割合で混合し、空気極ペーストを調製したこと以外は、実施例5と同様に、比較例5のリチウム空気電池を作製した。
空気極ペーストにニッケル粉末を混合せず、導電性材料及び結着剤を、KB:PTFE=90質量%:10質量%の割合で混合し、空気極ペーストを調製したこと以外は、実施例5と同様に、比較例6のリチウム空気電池を作製した。
実施例1−3、及び比較例1−3の電解液を、それぞれリチウム/リチウム対称セルに導入し、電流密度0.2mA/cm2の条件で、一定時間定電流保持した。一定時間経過後、セル内の負極を取り出し、当該負極表面に析出したリチウム固体の表面を光学顕微鏡にて観察した。同一条件で複数回、一定時間ごとに負極表面の観察を繰り返し、負極表面において均一にリチウムが析出する時間を、その電解液においてリチウムが均一に析出した時間とした。これらの操作は、全てアルゴン雰囲気下で行った。
また、実施例2(リチウム塩濃度:0.5mol/kg)の電解液のイオン導電率は0.60mS/cmであり、リチウムが均一に析出した時間は600秒である。実施例2の結果は、イオン導電率を十分高く保ったまま、比較例2の結果の10倍長い時間リチウムが均一に析出したことを示す。
さらに、実施例3(リチウム塩濃度:0.75mol/kg)の電解液のイオン導電率は0.28mS/cmであり、リチウムが均一に析出した時間は240秒である。実施例3の結果は、イオン導電率は比較例2のイオン導電率の1/3程度であるが、比較例2の結果の4倍長い時間リチウムが均一に析出したことを示す。
一方、実施例4(リチウム塩濃度:0.5mol/kg)の電解液のイオン導電率は0.9mS/cmを超え、リチウムが均一に析出した時間は400秒である。実施例4の結果は、イオン導電率を十分高く保ったまま、比較例4の結果の4倍以上長い時間リチウムが均一に析出したことを示す。
以上の結果から、上記実施例1−3の電解液のようにピペリジニウム塩を含む場合のみならず、実施例4の電解液のようにピロリジニウム塩を含む場合にも、電解液中のリチウム塩の濃度が0.37〜0.75mol/kgの範囲内であることにより、電解液が適度な粘度を有し、充電時において、負極近傍にリチウムイオンを十分に供給でき、デンドライトの発生を抑制できることが分かる。
実施例5、並びに比較例5及び比較例6のリチウム空気電池について充放電を行い、得られた充放電曲線から放電容量及びクーロン効率を算出した。詳細な充放電条件は以下の通りである。
充放電装置:BTS2004H、ナガノ製
放電カットオフ電圧:2V
放電レート:0.02mA/cm2
充電カットオフ電圧:3.85V
充電レート:0.02mA/cm2
充放電温度:60℃
雰囲気:純酸素1気圧
まず、実施例5と比較例6の結果を比較する。ニッケルを添加した実施例5のリチウム空気電池は、ニッケルを添加しない比較例6のリチウム空気電池よりも放電容量が高い。その理由は、均一な放電反応を実現することで、放電生成物の偏った析出や凝集成長を抑制し、空気極中の放電生成物の析出サイトを有効利用できるためである。
次に、実施例5と比較例5の結果を比較する。ニッケルを20質量%添加した比較例5のリチウム空気電池は、ニッケルを10質量%添加した実施例5のリチウム空気電池よりも放電容量が低い。その理由は、そもそもニッケルは、金属空気電池の空気極におけるリチウムの酸化反応、すなわち、下記式(1)及び/又は下記式(2)に示す反応の触媒とはならないため、ニッケルの添加割合を高くし過ぎることにより、相対的に空気極中のカーボン材料等の導電性材料等の含有割合が低下し、カーボン材料等の表面の活性点が減少するからである。
2Li++O2+2e−→Li2O2 (1)
2Li++1/2O2+2e−→Li2O (2)
まず、実施例5と比較例6の結果を比較する。ニッケルを添加した実施例5のリチウム空気電池は、ニッケルを添加しない比較例6のリチウム空気電池よりもクーロン効率が高い。その理由は、実施例5のリチウム空気電池の空気極においては、放電時に生成したリチウム酸化物(Li2O2及び/又はLi2O)が、充電時において、添加されたニッケルによりほぼ全て分解されるからである。
次に、実施例5と比較例5の結果を比較する。ニッケルを20質量%添加した比較例5のリチウム空気電池は、ニッケルを10質量%添加した実施例5のリチウム空気電池よりもクーロン効率が低い。その理由は、上述したように、ニッケルの添加割合を高くし過ぎることにより、相対的に空気極中のカーボン材料等の導電性材料等の含有割合が低下する結果、放電時に生成するリチウム酸化物(Li2O2及び/又はLi2O)の析出物のサイズが大きくなりすぎ、充電時において当該析出物を全て分解することが困難となるからである。
2 正極活物質層
3 負極活物質層
4 正極集電体
5 負極集電体
6 正極
7 負極
100 リチウム二次電池
Claims (5)
- 少なくともイオン液体とリチウム塩を含有するリチウム二次電池用電解液であって、
前記電解液中の前記リチウム塩の濃度が0.37〜0.75mol/kgであることを特徴とする、リチウム二次電池用電解液。 - 前記イオン液体は、カチオン及びそのカウンターアニオンを含み、
前記カチオンは、窒素原子及び炭素数2〜10のアルキル鎖により閉じたヘテロ環構造を有するアンモニウムカチオンであり、
前記カウンターアニオンはリチウム金属に対して不活性である、請求項1に記載のリチウム二次電池用電解液。 - 前記カチオンは、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムカチオン、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムカチオン、N−ブチル−N−メチルピペリジニウムカチオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムカチオン、N−メチル−N−メトキシエチルピペリジニウムカチオン及びN−メチル−N−メトキシエチルピロリジニウムカチオンからなる群から選ばれるカチオンである、請求項2に記載のリチウム二次電池用電解液。
- 少なくとも正極と、負極と、当該正極と当該負極との間に介在する電解液とを備えるリチウム二次電池であって、
前記電解液が、前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電解液であることを特徴とする、リチウム二次電池。 - 少なくとも空気極と、負極と、当該空気極と当該負極との間に介在する電解液とを備えるリチウム空気電池であって、
前記電解液が、前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用電解液であり、且つ、
前記空気極がニッケル触媒を含有することを特徴とする、リチウム空気電池。
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